JP2000203808A - オゾン発生装置 - Google Patents

オゾン発生装置

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JP2000203808A
JP2000203808A JP11004463A JP446399A JP2000203808A JP 2000203808 A JP2000203808 A JP 2000203808A JP 11004463 A JP11004463 A JP 11004463A JP 446399 A JP446399 A JP 446399A JP 2000203808 A JP2000203808 A JP 2000203808A
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洋一 久森
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重紀 東野
Tokumitsu Ezaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な間隙の放電間隙に酸素または酸素を含
む原料ガスを貫流させてオゾン化ガスを生成するオゾン
発生装置のオゾン発生器の放電間隙を狭く形成し、組立
作業、分解点検作業が短時間で行えるオゾン発生装置を
得る。 【解決手段】 オゾン発生器は、金属管で形成された接
地電極と、円筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した
電極を備え、上記接地電極の内径部に配置された高圧電
極と、高圧電極の外周長さの帯状部分の片側に円弧状に
形成された複数の舌部が等間隔に配置されたスペーサを
接地電極と高圧電極との間に配置して相互間に押圧力を
与えて放電間隙を形成する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水処理設備等に
利用されるオゾン化ガスを工業的に生成するオゾン発生
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オゾン化ガスは、脱臭、殺菌作用があ
り、水処理設備等に使用されている。オゾンを工業的に
生成する方法としては、酸素または酸素を含む原料ガス
を微小空間に貫流させ、電界を加えて無声放電させるこ
とによりオゾン化ガスを生成する方法が一般的である。
無声放電によりオゾン化ガスを生成するオゾン発生器の
構成を模式的に示すと図11の通りとなる。
【0003】図11において、1は高圧電極、2は接地
電極、3は高圧電極1の接地電極2に対向する表面に密
着して配置された誘電体、4は接地電極2と誘電体3の
間に形成された放電間隙である。このような構成におい
て、放電間隙4に酸素または酸素を含む原料ガスを貫流
させ、高圧電極1と接地電極2の間の放電間隙4に交流
の高電圧を印加すると無声放電が発生し、連続的にオゾ
ン化ガスが生成される。生成されたオゾン化ガスは水処
理設備等に連続して供給することができる。
【0004】実際のオゾン発生装置は図12のように構
成されている。図12において、11はオゾン発生器、
12は原料ガス供給装置、13は原料ガス冷却乾燥装
置、14はオゾン発生器11に交流高電圧を供給し、制
御する電源・制御装置、15はオゾン発生器11を冷却
する冷却装置である。この構成のオゾン発生装置は、原
料ガス供給装置12において、酸素または空気等の酸素
を含む原料ガスを圧縮し、原料ガス冷却乾燥装置13に
より冷却して除湿し、オゾン発生器11に供給する。オ
ゾン発生器11においては、高電界が与えられて無声放
電が発生している放電間隙を貫流させることによりオゾ
ン化ガスを生成することができる。
【0005】オゾン発生器11においては、供給された
電気エネルギーの10%程度が原料ガスのオゾン化に費
やされ、残部は熱エネルギーに変わりオゾン発生器11
が温度上昇するので、オゾン発生器11は冷却装置15
により冷却されて一定の温度に保つ構成となっている。
【0006】この発明は、図12に示したオゾン発生装
置のオゾン発生器に関するものである。従来のオゾン発
生器の構成としては、例えば特開平4ー214003号
公報に開示されたものがある。そのオゾン発生装置のオ
ゾン発生器の縦断面図を図13、横断面図を図14に示
す。図において、21は金属管の両端が封止された高圧
電極であり、表面に誘電体層の絶縁皮膜21aが被着さ
れ、一対で形成されている。22は金属管で形成された
接地電極、23は高圧電極21を接地電極22の中心部
に保持するばね部材であり、高圧電極21の両端部外周
の3箇所に等間隔で配置されている。24は絶縁皮膜2
1aの表面と接地電極22の内面との間に形成された放
電間隙、25はスリーブ、26はスリーブ25に挿入さ
れ一対の高圧電極21を電気的に接続するコンタクトピ
ンである。
【0007】この構成では、絶縁皮膜21aが被着され
た一対の高圧電極21の端部外周の三方にばね部材23
を配置して接地電極22の内径部に挿入し、一対の高圧
電極21はコンタクトピン26で電気的に接続され、表
面の絶縁皮膜21aと接地電極22の内面との間に放電
間隙24を形成する状態に組み立てられる。オゾン発生
器の一方から乾燥された酸素または酸素を含む原料ガス
を放電間隙24に所定の流量で貫流させ、高圧電極21
と接地電極22の間に所定の交流電圧を印加して無声放
電させることにより、連続的にオゾン化ガスを生成する
ことができる。
【0008】無声放電によりオゾン化ガスを生成するオ
ゾン発生器では、ガスを貫流させる放電間隙を均等な狭
い間隙にすることが放電効率を高める重要なポイントで
ある。図13の構成では、角形の薄い金属材料を二つ折
りにしたばね部材23を高圧電極21に被着された絶縁
皮膜21aの両端部の表面の円周方向に3個が等間隔に
配置され、接地電極21の内径部に挿入された構成であ
る。この構成では、高圧電極21の絶縁皮膜21aの表
面の接線方向に配置したばね部材23は単純な板ばねで
あり、厚さ、巾を一定にすることにより正確なばね力が
与えられ、一定の間隙の放電間隙24が維持できるとい
うものである。
【0009】ばね部材23は絶縁皮膜21aが被着され
た高圧電極21の表面の所定の位置に固定され、接地電
極22の内径部に挿入して組み立てられるが、ばね部材
23の高圧電極21への固定は、両面接着テープまたは
接着剤にて固定する方法が用いられ、接地電極22の端
部の内径側には挿入が容易になるように面取りした形状
に加工され、ばね部材23が装着された高圧電極21を
接地電極22の内径部に挿入して組み立てられる。
【0010】オゾン発生器のばね部材23は周方向に等
間隔に配置されているが、オゾン発生器は水平方向に配
置されるので、高圧電極21の自重により放電間隙24
は下方が狭くなるため、自重補償部材の取付が必要であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の構
成は、高圧電極21と接地電極22の間の放電間隙24
の同心性を維持するばね部材23が円周方向に分配され
て高圧電極21と接地電極22の同心性を確保する構成
であり、高圧電極21の自重補償をして均一な間隙の放
電間隙24を確保するためには多くの部材が必要であ
る。また、ばね部材23は平板状であり、両面接着テー
プ等で接着して高圧電極21に取り付ける方法がとられ
煩雑な作業となる。さらに、ばね部材23は、高圧電極
21の外周の接線方向に装着され3個のばね部材23の
端部の外接円は接地電極22の内径よりも大きく、接地
電極22の内径部に円滑に挿入するための対策も必要で
あり、煩雑な作業となり、作業時間も長くなるという問
題点があった。さらに、オゾン発生器の組立に時間を要
することは、定期的に行う点検時の分解、点検、再組立
にも時間を要し、このときの作業時間も長くなり、点検
コストも高くなる。
【0012】この発明は、上記問題点を解消するために
なされたものであり、オゾン発生装置のオゾン発生器の
放電間隙が長期間にわたって均一に維持され、高圧電極
の接地電極の内径部への着脱が容易であり、組立時間が
短く、定期的に行われるメインテナンス時においても分
解、点検、再組立が容易で短時間に行えるオゾン発生器
を備えたオゾン発生装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るオゾン発生装置は、オゾン発生器を金属管で形成され
た接地電極と、円筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成
した電極を備え、接地電極の内径部に配置された高圧電
極と、帯状部分の片側に円弧状に形成され、等間隔に配
置された複数の舌部を備え、接地電極と高圧電極との間
に装着して放電間隙を形成するスペーサとで構成したも
のである。
【0014】この発明の請求項2に係るオゾン発生装置
は、オゾン発生器を金属管で形成された接地電極と、円
筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、
接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に設けら
れ、接地電極と高圧電極との間に配置されたスペーサと
で構成され、スペーサは、接地電極の内径部に装着して
高圧電極を挿入した構成としたものである。
【0015】この発明の請求項3に係るオゾン発生装置
は、請求項1の構成のオゾン発生器のスペーサを接地電
極の内周面に溶接により固定した構成としたものであ
る。
【0016】この発明の請求項4に係るオゾン発生装置
は、請求項2または請求項3の構成のオゾン発生器のス
ペーサを接地電極に装着された状態で帯状部分の下方と
なる部分に、放電間隙の高さに相当する突部を形成した
ものである。
【0017】この発明の請求項5に係るオゾン発生装置
は、オゾン発生器を金属管で形成された接地電極と、円
筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、
上記接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部
分の片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に設
けられ、接地電極と高圧電極との間に装着されて放電間
隙を形成するスペーサとでオゾン発生器が構成され、ス
ペーサは、高圧電極に装着して接地電極の内径部に挿入
した構成としたものである。
【0018】この発明の請求項6に係るオゾン発生装置
は、請求項5の構成のオゾン発生器のスペーサの帯状部
分の片側に、等間隔に配置された複数の舌部を形成する
とともに、一端部の両側に少なくとも一対の把持部を設
けた形状に形成し、スペーサを高圧電極の外周に鉢巻状
に添わせ、帯状部分の一端部の上面に他端部を添わせ、
把持部を他端部の上面に折り曲げて把持し、他端部を把
持部の上面に折りかえして固定する構成としたものであ
る。
【0019】この発明の請求項7に係るオゾン発生装置
は、請求項5の構成のオゾン発生器のスペーサを帯状部
分の一端部の幅を広くして他端部が挿入できる抜き穴を
設けた形状に形成し、高圧電極の外周に鉢巻状に添わ
せ、一端部の抜穴に他端部を通して折り返して固定する
構成としたものである。
【0020】この発明の請求項8に係るオゾン発生装置
は、請求項5〜請求項7の構成のオゾン発生器のスペー
サを帯状部分の複数の舌部が配置されたそれぞれの中間
部に円弧状の突部を形成した構成としたものである。
【0021】この発明の請求項9に係るオゾン発生装置
は、請求項2、請求項3、請求項5〜請求項8の構成の
オゾン発生器のスペーサの複数の舌部は、スペーサの装
着状態における舌部の反発力の合力が水平状態に配置さ
れた高圧電極の重量を支える方向となり、放電間隙が全
周にわたってほぼ均一になるように舌部の間隔を配置し
たものである。
【0022】この発明の請求項10に係るオゾン発生装
置は、請求項5〜請求項9の構成のオゾン発生器のスペ
ーサを高圧電極の外周に接着剤により固定した構成とし
たものである。
【0023】この発明の請求項11に係るオゾン発生装
置は、オゾン発生器の高圧電極に装着されたスペーサを
高圧電極が接地電極へ挿入される方向に対して、舌部が
帯状部分の後方になる向きに取り付けた構成としたもの
である。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.微少間隙に電圧を
印加して無声放電を発生させ、オゾン化ガスを生成する
オゾン発生器において、効率よくオゾン化ガスを生成す
るには、放電間隙を小さくするほど印加電圧を低く、発
生効率を高くすることができるものである。
【0025】図1はオゾン発生装置の実施の形態1のオ
ゾン発生器の構成図であり、図1(a)は縦断面図、図
1(b)は図1(a)のA−A部分の横断面図である。
図において、31は高圧電極であり、先端部が球状に封
止された円筒状に形成されたガラス管等の絶縁部材31
aの内面に導電層を被着させて電極31bを形成し、電
極31bに接続線31cが設けられた構成である。32
は金属管で形成された接地電極、33は接地電極33の
内径部に高圧電極31が挿入された状態で、接地電極3
2の内周面と挿入された高圧電極31の外周面との間に
放電間隙34を形成するためのスペーサである。高圧電
極31は接地電極32の両側から挿入する構成である。
【0026】スペーサ33の展開図を図2に示す。図2
(a)は展開図、図2(b)は、図2(a)の側面図、
図2(c)は図2(a)のB−B部分の断面図である。
スペーサ33は接地電極32の内周長に相当する長さの
帯状部分33aの片側に図2(c)に示すように円弧状
に成形した複数の舌部33bを等間隔で配置し、舌部3
3bは帯状部分33aの高圧電極31を挿入する方向の
後方になるように配置し、溶接または接着剤で接地電極
32の内面に固定した構成である。
【0027】スペーサ33の舌部33bは、接地電極3
2の内周面と高圧電極31の外周面の間の円周方向に等
間隔に配置されており、周囲から高圧電極31に押圧力
を与え、接地電極32と高圧電極31を同心状態に維持
して放電間隙34を形成する。この構成では接地電極3
2の内面にスペーサ33の端部を突き合わせ状態で装着
できるので、スペーサ33の重なり合う部分がなく放電
間隙34を狭く設定することが可能である。
【0028】オゾン発生器は、放電間隙34において無
声放電が連続しており、原料ガスに浮遊する塵埃の付
着、あるいは長期間の無声放電による金属粒子の付着等
があり、定期的に分解点検、清掃が必要であるが、図1
のように構成すると高圧電極31の着脱性がよく、分解
点検が容易になる。
【0029】このように構成したオゾン発生器30にお
いて、放電間隙34を0.3mmとし、原料ガス圧力を
1.7kgf/cm2とした場合のオゾン化ガスのオゾ
ン濃度の実測値は図3に示すように、オゾン濃度は20
0g/Nm3 (Nm3:normalcubic mater)を越える高濃
度オゾンの発生が確認されている。
【0030】実施の形態2.実施の形態2のオゾン発生
器の構成は、実施の形態1の図1に示す構成とスペーサ
の一部を除いて同一である。図4に実施の形態2のスペ
ーサの展開図を示す。図4(a)はスペーサの展開図、
図4(b)は側面図、図4(c)は図4(a)のC−C
断面図、図4(d)はオゾン発生器に図4(a)のスペ
ーサが間挿された状態の横断面図である。43はスペー
サであり、帯状部分43aの長さは接地電極32の内周
長さに合わせた長さであり、その片側に図4(c)に示
すように円弧状に成形し、等間隔に配置した複数の舌部
43bを備え、中間部に放電間隙34に相当する高さの
突部43cを設けた形状に形成し、突部43cが下方に
なるように装着して溶接または接着剤による接着により
固定し、高圧電極31を挿入して組み立てられる。組み
立てられた状態のスペーサ43部分の断面は図4(d)
の状態となる。
【0031】このように構成すると、高圧電極31の重
量が重い場合においても、円周方向に均等な放電間隙3
4が確保される。
【0032】実施の形態3.実施の形態3は接地電極と
高圧電極の間に放電間隙を確保するスペーサを高圧電極
に装着してから接地電極の内径部に挿入した構成であ
る。図5に実施の形態3の構成の縦断面図を示す。図に
おいて、高圧電極31、接地電極32、放電間隙34は
実施の形態1の図1の構成と同一である。53はスペー
サである。スペーサ53の構成を図6、スペーサ53の
高圧電極31に装着する場合の手順を図7に示す。図6
(a)は展開図、図6(b)は側面図、図6(c)は図
6(a)のD−D部分の断面図、図6(d)はE−E部
分の断面図である。スペーサ53は、帯状部分53aの
長さを高圧電極31の外周長さよりも長くし、帯状部分
53aの高圧電極31の外周に接する部分の片側に図6
(c)に示すように円弧状に成形した複数の舌部53b
を等間隔に配置し、図6(a)に示すように、端部に高
圧電極31に装着して繋ぎ合わせるための把持部53c
を設けた形状に形成している。
【0033】スペーサ53bの高圧電極31への装着
は、図7(a)に示すように、スペーサ53を高圧電極
31の接地電極32に挿入する方向に対して舌部53b
が帯状部分53aの後方になるようにして高圧電極31
の両端部に鉢巻状に添わせ、把持部53cが設けられた
一端部の上面に他端部を添わせて把持部53cに挿通
し、図7(b)に示すように、帯状部分53aに張力を
与えながら、図7(c)に示すように、他端部を折り返
して固定する。なお、スペーサ53の接着力が不足して
ずれが生じる恐れがある場合には、スペーサ53は高圧
電極31との間を接着剤により接着して装着することに
より、高圧電極31が接地電極32の内径部へ挿入され
る時、あるいは分解点検する時のスペーサ53のずれを
防止することができる。
【0034】この構成では、スペーサ53に適正な張力
を与えて装着でき、接着剤の塗布も容易で、短時間で組
立られ、定期的に行われる分解点検時の清掃も容易に行
うことができ、分解点検時の作業時間も短くなり、点検
コストが低くなる。
【0035】実施の形態4.実施の形態4はオゾン発生
器の高圧電極の外周に装着するスペーサの折り曲げ部の
厚さが実施の形態3の場合よりも薄くなるように構成し
たものである。実施の形態4のスペーサの構成を図8に
示す。図8(a)は展開図、図8(b)は側面図、図8
(c)は、図8(a)のF−F部分の断面図、図8
(d)はGーG部分の断面図、図8(e)は装着時の繋
ぎ合わせ部の側面図である。63はスペーサであり、帯
状部分63aの長さを高圧電極31の外周長さよりも長
くし、帯状部分63aの高圧電極31の外周に接する部
分の片側に図8(c)に示すように円弧状に成形した複
数の舌部63bを長さ方向に均等に分配し、一方の端部
に巾広部分63cを設け、その部分の2箇所に抜き穴6
3dを設け、さらに端部の両側に図8(d)に示す把持
部63eを設けた形状に形成している。
【0036】スペーサ63の高圧電極31への装着は、
スペーサ63を高圧電極31の接地電極32に挿入する
方向に対して舌部63bが帯状部分63aの後方になる
ようにして高圧電極31の両端部に鉢巻状に添わせて把
持部63eに挿通した後巾広部分63cに設けられた端
部側の抜き穴63dに他端部を挿通し、さらに内側のも
う一つの抜き穴63dに挿通して、図8(d)に示すよ
うに、帯状部分63aに張力を与えて他端部を折り返し
て固定する。この場合においても、実施の形態3と同様
に、高圧電極31の表面とスペーサ63の裏面の間に接
着材を塗布して装着することにより接着され、高圧電極
31が接地電極32の内径部へ挿入される時、あるいは
分解点検する時のスペーサ63が所定の位置からずれる
ことが防止できる。
【0037】この構成では、スペーサ63の一端部に設
けられた抜き穴63dに他端部を挿通して折り返すの
で、繋ぎ部分の厚さが実施の形態3の場合よりも薄くな
り、実施の形態3の場合よりも薄く装着でき、放電間隙
34をより狭く設定することができる。
【0038】実施の形態5.スペーサを高圧電極に装着
する場合、密着させることが重要であるが、接地電極へ
挿入するとき、あるいは分解点検時に弛みを生じてスペ
ーサがずれやすくなる問題点がある。実施の形態5は、
実施の形態3のスペーサに伸縮性を持たせ、高圧電極に
装着したときに常時張力が与えられるようにしたもので
ある。
【0039】図9に実施の形態3のスペーサに伸縮機能
を持たせたスペーサの構成を示す。図9(a)は展開
図、図9(b)は側面図、図9(c)は図9(a)のH
ーH部分の断面図、図9(d)はJーJ部分の断面図で
ある。73はスペーサであり、実施の形態3の図6と同
様に、帯状部分73aの長さを高圧電極31の外周長さ
よりも長くし、帯状部分73aの高圧電極31の外周に
接する部分の片側に図9(c)に示すように円弧状に成
形した複数の舌部73bを等間隔に配置し、端部に高圧
電極31に装着して繋ぎ合わせるための図9(d)に示
す把持部73cを設けた形状に形成し、帯状部分73a
の各舌部73bの中間位置に円弧状に成形した突部73
dを設けた形状に形成している。
【0040】スペーサ73の高圧電極31への装着は、
実施の形態3と同様に、図7に示す手順で行われる。図
9に示す形状に形成したスペーサ73に張力を与えて高
圧電極31の外周に装着すると固定された後にも帯状部
分に常に張力が与えられた状態であり、装着時あるいは
分解点検時にスペーサに多少の外力が加えられてもスペ
ーサ73は所定の位置に密着した状態が確保され、弛み
が回避される。
【0041】実施の形態6.実施の形態6は、実施の形
態4のスペーサに伸縮機能を持たせた構成である。図1
0にその構成を示す。図10(a)は展開図、図10
(b)は側面図、図10(c)は図10(a)のK−K
部分の断面図、図10(d)はL−L部分の断面図、図
10(e)はつなぎ合わせ部の側面図である。83はス
ペーサであり、実施の形態4の図8と同様に、帯状部分
83aの長さを高圧電極31の外周長さよりも長くし、
帯状部分83aの高圧電極31の外周に接する部分の片
側に図10(c)に示すように円弧状に成形した複数の
舌部83bを等間隔に配置し、一方の端部に巾広部分8
3cを設け、その部分の2箇所に抜き穴83dを設け、
さらに端部の両側に把持部83eを設け、帯状部分83
aの各舌部83bのそれぞれの中間位置に円弧状に成形
した突部83fを設けた形状に形成している。
【0042】スペーサ83の高圧電極31への装着は、
実施の形態4と同様に、スペーサ83を高圧電極31の
接地電極32に挿入する方向に対して舌部83bが帯状
部分83aの後方になるようにして高圧電極31の両端
部に鉢巻状に添わせ、巾広部分83cに設けられた端部
側の抜き穴83dに他端部を挿通し、さらに内側のもう
一つの抜き穴83dに挿通して、帯状部分83aに張力
を与えて他端部を折り返して固定し、把持部83eを折
り曲げて端部を整える。
【0043】この構成においても、スペーサ83に張力
を与えて高圧電極31の外周に装着すると固定された後
にも帯状部分83bに常に張力が与えられた状態であ
り、装着時あるいは分解点検時にスペーサ83に多少の
外力が加えられてもスペーサ83は所定の位置に密着し
た状態が確保され、ずれが生じることがなくなる。
【0044】実施の形態7.上記実施の形態1〜6にお
いては、スペーサの帯状部分の舌部は、等間隔に配置さ
れ、舌部のばね力により高圧電極31の周囲に押圧力を
加えて高圧電極31と接地電極32の同心性が確保され
る構成であるが、オゾン発生器のほとんどが水平配置さ
れる構成であり、高圧電極31の重量に対する配慮がな
い実施の形態1〜6の構成で、高圧電極31の重量が重
くなる場合には、高圧電極31は下方に偏り、放電間隙
34の下方が狭くなる問題点がある。
【0045】実施の形態7は、実施の形態1〜6の高圧
電極31の重量の影響をなくする構成である。各実施の
形態のスペーサの高圧電極31の周囲に装着される帯状
部分の片側の舌部の配置位置を各舌部の押圧力の合力
が、高圧電極31の重量に相当する上向きの力になるよ
うに配置した構成である。具体的にはスペーサの下方と
なる部分の舌部の配置間隔を狭くし、上方に配置される
舌部の配置間隔を広くすることにより高圧電極の重量を
補償する構成が得られ、オゾン発生器の据え付け状態で
放電間隙を全周にわたって均一にすることができる。
【0046】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るオゾン発生装
置は、オゾン発生器を金属管で形成された接地電極と、
円筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備
え、接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部
分の片側に円弧状に形成され、等間隔に配置された複数
の舌部を備え、接地電極と高圧電極との間に装着して、
放電間隙を形成するスペーサとで構成したので、円周方
向に均一な狭い間隙の放電間隙が形成でき、オゾン発生
効率が高いオゾン発生器となり、組立および、点検時の
分解、点検、再組立も容易な構成が得られ、点検コスト
も低くなる。
【0047】この発明の請求項2に係るオゾン発生装置
は、オゾン発生器を金属管で形成された接地電極と、円
筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、
接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に設けら
れ、接地電極と高圧電極との間に配置されたスペーサと
で構成され、スペーサは接地電極の内径部に装着して高
圧電極を挿入した構成としたので、狭い間隙の放電間隙
が構成され、オゾン発生効率の高いオゾン発生器とな
る。
【0048】この発明の請求項3に係るオゾン発生装置
は、請求項2の構成のオゾン発生器のスペーサを接地電
極の内周面に溶接により固定した構成としたので、均一
な間隙の放電間隙が構成され、組立、および点検時の分
解組立が容易なオゾン発生装置が得られる。
【0049】この発明の請求項4に係るオゾン発生装置
は、請求項2または請求項3の構成のオゾン発生器のス
ペーサは帯状部分の中間部に、放電間隙の高さの突部を
形成し、突部が下方になるように接地電極へ装着したの
で、高圧電極の重量が重い場合にも全周にわたって均一
な間隙の放電間隙が得られる。
【0050】この発明の請求項5に係るオゾン発生装置
は、オゾン発生器を金属管で形成された接地電極と、円
筒状の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、
接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に設けら
れ、接地電極と高圧電極との間に装着されて放電間隙を
形成するスペーサとでオゾン発生器を構成し、オゾン発
生器のスペーサは、高圧電極に装着して接地電極の内径
部に挿入した構成としたので、円周方向に均一な狭い間
隙の放電間隙となり、オゾン発生効率が高いオゾン発生
器となり、短時間で組立られ、定期的に行われる分解点
検時の清掃も容易に行うことができ、分解点検時の作業
時間も短くなり、点検コストも低くなる。
【0051】この発明の請求項6に係るオゾン発生装置
は、請求項5の構成のオゾン発生器のスペーサの帯状部
分の片側に、等間隔に配置された複数の舌部を形成する
とともに、一端部の両側に少なくとも一対の把持部を設
けた形状に形成し、スペーサを高圧電極の外周に鉢巻状
に添わせて帯状部分の一端部の上面に他端部を添わせ、
把持部を他端部の上面に折り曲げて把持し、他端部を把
持部の上面に折りかえして固定する構成としたので、短
時間で組立られ、定期的に行われる分解点検時の清掃も
容易に行うことができ、分解点検時の作業時間も短くな
る。
【0052】この発明の請求項7に係るオゾン発生装置
は、請求項5の構成のオゾン発生器のスペーサを帯状部
分の一端部の幅を広くして他端部が挿入できる抜き穴を
設けた形状に形成し、高圧電極の外周に鉢巻状に添わ
せ、一端部の抜き穴に他端部を通して折り返して固定す
る構成としたので、組立が容易となり、短時間で組立ら
れ、定期的に行われる分解点検時の清掃も容易に行うこ
とができ、分解点検時の作業時間も短く、点検コストも
低くなる。
【0053】この発明の請求項8に係るオゾン発生装置
は、請求項5〜請求項7の構成のオゾン発生器のスペー
サを帯状部分の複数の舌部が配置されたそれぞれの中間
部に円弧状の突部を形成した構成としたので、高圧電極
にスペーサを装着したときに、密着性がよくなる。
【0054】この発明の請求項9に係るオゾン発生装置
は、請求項2、請求項3、請求項5〜請求項8の構成の
オゾン発生器のスペーサの複数の舌部は、スペーサの装
着状態における舌部の反発力の合力が水平状態に配置さ
れた高圧電極の重量を支える方向に働くように舌部の間
隔を配置した構成としたので、重量の重い高圧電極であ
っても、放電間隙の均一性が確保される。
【0055】この発明の請求項10に係るオゾン発生装
置は、請求項5〜請求項9の構成のオゾン発生器のスペ
ーサを高圧電極の外周に接着剤により固定した構成とし
たので、オゾン発生器の組立時あるいは点検時の分解組
立が容易なオゾン発生器が得られる。
【0056】この発明の請求項11に係るオゾン発生装
置は、オゾン発生器の高圧電極に装着されたスペーサを
高圧電極が接地電極へ挿入される方向に対して、舌部が
帯状部分の後方になる向きに取り付けた構成としたの
で、高圧電極の着脱性がよくなり、点検時の分解、点検
清掃、再組立が容易となり、作業時間が短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のオゾン発生器の構成図であ
る。
【図2】 図1のオゾン発生器に使用されるスペーサの
展開図である。
【図3】 放電間隙を小さくした場合のオゾン発生率を
示すグラフである。
【図4】 実施の形態2のスペーサの展開図である。
【図5】 実施の形態3のオゾン発生器のスペーサの構
成図である。
【図6】 図5のオゾン発生器に使用されるスペーサの
展開図である。
【図7】 図5のオゾン発生器のスペーサの取付手順の
説明図である。
【図8】 実施の形態4のオゾン発生器に使用されるス
ペーサの展開図である。
【図9】 実施の形態5のオゾン発生器に使用されるス
ペーサの展開図である。
【図10】 実施の形態6のオゾン発生器に使用される
スペーサの展開図である。
【図11】 オゾン発生装置の動作説明図である。
【図12】 従来のオゾン発生器の構成を示すブロック
図である。
【図13】 従来のオゾン発生器の構成図である。
【図14】 従来のオゾン発生器の横断面図である。
【符号の説明】
31 高圧電極、31a 電極、31b 絶縁部材、3
1c 接続線、32 接地電極、33 スペーサ、33
a 帯状部分、33b 舌部、34 放電間隙、43
スペーサ、43a 帯状部分、43b 舌部、43c
突部、53 スペーサ、53a 帯状部分、53b 舌
部、53c 把持部、63 スペーサ、63a 帯状部
分、63b 舌部、63c 巾広部分、63d 抜き
穴、63e 把持部、73 スペーサ、73a 帯状部
分、73b 舌部、73c 把持部、83 スペーサ、
83a 帯状部分、83b 舌部、83c 巾広部分、
83d 抜き穴、83e 把持部、83f 突部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東野 重紀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 江崎 徳光 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4G042 CA01 CC03 CC10 4G075 AA07 CA15 EB21 EC21 FC11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管で形成された接地電極と、円筒状
    の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、上記
    接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
    片側に円弧状に形成され、等間隔に配置された複数の舌
    部を備え、上記接地電極と高圧電極との間に装着されて
    放電間隙を形成するスペーサとで構成されたオゾン発生
    器を備えたことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 【請求項2】 金属管で形成された接地電極と、円筒状
    の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、上記
    接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
    片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に設けら
    れ、接地電極と高圧電極の間に配置されたスペーサとで
    オゾン発生器が構成され、オゾン発生器のスペーサは、
    上記接地電極の内径部に装着して高圧電極を挿入したこ
    とを特徴とするオゾン発生装置。
  3. 【請求項3】 オゾン発生器のスペーサは、接地電極の
    内周面に溶接により固定されていることを特徴とする請
    求項2記載のオゾン発生装置。
  4. 【請求項4】 オゾン発生器のスペーサは、帯状部分の
    中間部に、放電間隙に相当する高さの突部を形成し、突
    部が下方となるように接地電極へ装着されていることを
    特徴とする請求項2または請求項3記載のオゾン発生装
    置。
  5. 【請求項5】 金属管で形成された接地電極と、円筒状
    の絶縁部材の内面に導電層を形成した電極を備え、上記
    接地電極の内径部に配置された高圧電極と、帯状部分の
    片側に円弧状に形成された複数の舌部が等間隔に配置さ
    れ、上記接地電極と高圧電極との間に装着されて放電間
    隙を形成するスペーサとでオゾン発生器が構成され、オ
    ゾン発生器のスペーサは、上記高圧電極に装着して接地
    電極の内径部に挿入したことを特徴とするオゾン発生装
    置。
  6. 【請求項6】 オゾン発生器のスペーサは、帯状部分の
    片側に等間隔に配置された複数の舌部を形成するととも
    に、一端部の両側に少なくとも一対の把持部を設けた形
    状に形成し、高圧電極の外周に鉢巻状に添わせて帯状部
    分の一端部の上面に他端部を添わせ、把持部を他端部の
    上面に折り曲げて把持し、他端部を把持部の上面に折り
    かえして固定する構成としたことを特徴とする請求項5
    記載のオゾン発生装置。
  7. 【請求項7】 オゾン発生器のスペーサは、帯状部分の
    一端部の幅を広くして他端部が挿入できる抜き穴を設け
    た形状に形成し、高圧電極の外周に鉢巻状に添わせ、一
    端部の抜き穴に他端部を挿通して折り曲げて固定する構
    成としたことを特徴とする請求項5記載のオゾン発生装
    置。
  8. 【請求項8】 オゾン発生器のスペーサは、複数の帯状
    部分の舌部が配置されたそれぞれの中間部に円弧状の突
    部を形成したことを特徴とする請求項5乃至請求項7の
    いずれかに記載のオゾン発生装置。
  9. 【請求項9】 オゾン発生器のスペーサの複数の舌部
    は、スペーサの装着状態における舌部の反発力の合力
    が、水平状態に配置された高圧電極の重量を支える方向
    となるように舌部を配置したことを特徴とする請求項
    2、請求項3、請求項5乃至請求項8のいずれかに記載
    のオゾン発生装置。
  10. 【請求項10】 オゾン発生器のスペーサは、高圧電極
    の外周に接着剤により固定されていることを特徴とする
    請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のオゾン発生装
    置。
  11. 【請求項11】 オゾン発生器の高圧電極に装着された
    スペーサは、高圧電極が接地電極へ挿入される方向に対
    して、舌部が帯状部分の後方になる向きに取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいず
    れかに記載のオゾン発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009196823A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Metawater Co Ltd オゾン発生器及びその組立方法
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