JP2000202917A - 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法 - Google Patents

立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法

Info

Publication number
JP2000202917A
JP2000202917A JP11007948A JP794899A JP2000202917A JP 2000202917 A JP2000202917 A JP 2000202917A JP 11007948 A JP11007948 A JP 11007948A JP 794899 A JP794899 A JP 794899A JP 2000202917 A JP2000202917 A JP 2000202917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
dimensional
mold
film
photosensitive plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11007948A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Umeda
育志 梅田
Hisao Sato
久夫 佐藤
Tetsuhiro Hatano
哲洋 秦野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP11007948A priority Critical patent/JP2000202917A/ja
Publication of JP2000202917A publication Critical patent/JP2000202917A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材等を立体的に表現する複製立体画像物を
迅速にかつ低コストで製造することができる簡便な手段
を提供する。 【解決手段】 基材の形状・色調を表現する3次元及び
/又は2次元ディジタル画像データに基づいて製版フィ
ルムを作成し、該製版フィルムを介して感光性版材に紫
外線を照射し、受光部分に光硬化を生じさせて硬化さ
せ、感光性版材に現像処理を施し、未硬化部を除去して
凹部を形成するとともに、硬化部を残留させて凸部を形
成し、基材の正写画像又は反転画像に対応する凹凸形状
を備えた立体画像型枠を迅速かつ低コストで製作する。
さらに、この立体画像型枠を用いて、プレス成形又は射
出成形により、基材等の正写画像又は反転画像を立体的
に表現する複製立体画像物を迅速にかつ低コストで製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体画像見本、立
体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法
に関するものであって、とくに基材等の3次元ディジタ
ル画像データもしくは2次元ディジタル画像データ又は
これらを組み合わせたディジタル画像データに基づい
て、意匠性を有する基材等の正写画像又は反転画像に対
応する立体画像見本及び立体画像型枠を迅速かつ容易に
作成する方法、並びに該立体画像型枠を用いて基材等と
同一の又は反転した形状の複製立体画像物ないしは複製
物を迅速かつ容易に作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、意匠性を有する塗装がその表面に
施された意匠塗装板が広く用いられているが、かかる意
匠塗装板を商業的に製造しようとする際には、事前に意
匠塗装板の見本(立体画像見本)を製作し、該立体画像
見本に基づいて、製造しようとしている意匠塗装板の意
匠の配置バランス、色等の適否等を把握し、該意匠塗装
板の商品としての有効性(商品性)を予測・評価するの
が通常である。そして、このような立体画像見本は、従
来よりおよそ図4に示すような手順で製作されている。
【0003】すなわち、図4に示すように、まず天然
石、天然木材等の自然材料を見本にし、あるいはデザイ
ナー等によって作成された意匠塗装板原画像(例えば、
CRTディスプレイ画面上に表示された画像あるいはカ
ラープリンタでプリントされた画像等)を目視で観察し
(ステップT1)、原画像に対応する立体的な模型を、
粘土細工により(粘土型)、あるいは木材の彫刻により
(木型)製作する(ステップT2)。
【0004】次に、模型の型面(意匠面)に、液状のな
いしは流動可能な状態の母型材料(例えば、シリコン樹
脂等)を注入し、該母型材料を固化させた上で模型から
取り外し、模型の型面とは凹凸が逆転した形状の型面を
備えた母型を製作する(ステップT3)。続いて、母型
の型面に、液状ないしは泥状の石膏を流し込み、石膏が
固化するまで放置する(ステップT4)。そして、固化
した石膏を母型から取り外して、模型と同一形状の石膏
型、すなわち基材を立体的に表現する立体画像見本を得
る(ステップT5)。この後、立体画像見本(石膏型)
を研磨した上で(ステップT6)、この立体画像見本の
型面(意匠形成面)に塗装ないしは色付けを施し、塗装
された立体画像見本を得る(ステップT7)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
図4に示すような従来の立体画像見本の製作手法では、
目視による観察に基づく粘土細工あるいは木材の彫刻な
どといった手作業が中心となる関係上、該立体画像見本
の製作に多大な労力あるいは熟練を要し、かつその製作
コストが非常に高くつくといった問題がある。
【0006】ところで、前記のような意匠塗装板の材料
である凹凸面を備えた建材等は、半固化状態の塑性変形
が可能な材料(窯業材料)、例えばコンクリート等を所
定の基材の凹凸に対応する型面を備えた金型でプレス成
形し、この後塑性変形が可能な材料を完全に固化させる
といった手法で大量生産されることが多い。なお、この
ような建材等は、金型を用いて、熱可塑性樹脂を射出成
形することにより生産されることもある。このような建
材等は、基材の複製立体画像物ないしは複製物である
が、この場合金型は、一般におよそ次のような手順で製
作される。
【0007】すなわち、まず意匠性を有する所定の形状
の凹凸面(以下、これを「原型凹凸面」という)を備え
た現物材料(例えば、天然石、レンガ等)すなわち基材
を準備し、この現物材料の原型凹凸面にシリコン樹脂を
圧着させた後、該シリコン樹脂を固化させる。次に、固
化したシリコン樹脂を現物材料から離型させ、上記原型
凹凸面とは凹凸が反転した形状の凹凸面(以下、これを
「反転型凹凸面」という)を型面とする型枠を得る。そ
して、このシリコン樹脂からなる型枠の型面に石膏等の
耐熱材料を流し込んだ後、該耐熱材料を固化させる。次
に、固化した耐熱材料を型枠から離型させ、原型凹凸面
を型面とする耐熱型を得る。さらに、この耐熱型の型面
に溶融鉄を流し込んだ後、該鉄を固化させる。この後、
固化した鉄を耐熱型から離型させ、反転型凹凸面を型面
とする金型を得る。
【0008】このような従来の型枠ないしは金型の製作
方法では、新たな基材に対応する新たな形状の建材等を
製作するには、まず現物材料を製作しなければならない
が、この現物材料の製作は、天然石の切削加工、粘土細
工あるいは木材の彫刻などといった手作業が中心となる
関係上、該現物材料の製作に多大な労力あるいは熟練を
要する。このため、型枠ないしは金型の製作コストが高
くなり、ひいては複製立体画像物(複製物)の製造コス
トが高くなるといった問題がある。
【0009】ところで、前記のようにシリコン樹脂等を
用いて型枠を作成し、該型枠を用いて複製立体画像物
(複製物)を作成するようにした複製手法は、意匠性を
有する種々の基材(ないしは物品)の複製に用いられる
が、基材はときには破損しやすい場合がある。例えば、
陶器、土器、青銅器等の文化遺産は極めて破損しやす
く、かかる文化遺産の複製物を作成する場合にシリコン
樹脂等を用いて型枠を作成すると、該文化遺産が損傷す
る危険性が非常に高い。このため、基材が破損しやすい
場合でも、これらに何ら損傷を与えることなく迅速かつ
容易に複製立体画像物(複製物)を作成することができ
る複製手法が求められている。
【0010】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、基材等を立体的に表現する立
体画像見本を、特別な熟練を要することなく迅速にかつ
低コストで作成することができる簡便な手段を提供する
ことを解決すべき課題とする。また、基材等に対応する
形状を備えた複製立体画像物(複製物)を作成するため
の型枠ないしは金型を容易にかつ低コストで作成するこ
とができ、ひいては複製立体画像物(複製物)の製造コ
ストを低減することができる手段を提供することをも解
決すべき課題とする。さらには、文化遺産等の破損しや
すい基材等の複製立体画像物(複製物)を、基材等を破
損することなく迅速かつ容易に作成することができる手
段を提供することをも解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の第1の態様によれば、(a)意匠
性を有する基材の画像(立体画像)に対応する3次元デ
ィジタル画像データ、又は該3次元ディジタル画像デー
タ及び上記画像に対応する2次元ディジタル画像データ
に基づいて生成された上記画像に対応する照射特性の紫
外線もしくはレーザー光線又は両光線(以下、これらを
「紫外線等」と総称する)を、エチレン性不飽和2重結
合を有するモノマーと、光硬化開始剤とを含む、あるい
はさらに高分子結合剤を含む光硬化性組成物を含む感光
性版材の表面に照射して、該感光性版材の受光部分(実
際に紫外線等があたった部分)に光硬化を生じさせ、
(b)次に、上記感光性版材に現像処理(例えば、ブラ
シによる掻き取り等)を施し、光硬化していない(未硬
化)部分を除去して凹部を形成するとともに、光硬化し
た部分を残留させて凸部を形成し、上記基材の正写画像
(ポジ画像)又は反転画像(ネガ画像)に対応する凹凸
形状を表面に備えた立体画像見本を作成することを特徴
とする立体画像見本の作成方法が提供される。なお、上
記基材の画像に対応する2次元ディジタル画像データに
基づいて、上記基材の反転画像(ネガ画像)に対応する
凹凸形状を表面に備えた立体画像見本を作成してもよ
い。
【0012】ここで、意匠性を有する基材の画像に対応
する3次元ディジタル画像データの生成は、基材には接
触せずに該基材の形状を3次元ディジタル画像データと
して取り込むことができる非接触式の3次元形状計測器
(画像処理装置)、例えばレーザービームによる光切断
法を用いた断面計測方式の3次元形状計測器(例えば、
ミノルタ株式会社製、VIVID 700非接触3−D
デジタイザ)を用いて行うのが好ましい。このようにす
れば、たとえ基材が損傷を受けやすいもの(例えば、陶
器、土器、青銅器等の文化遺産等)であっても、基材に
何ら損傷を与えることなく迅速かつ容易に基材の形状を
3次元ディジタル画像データとして取り込むことができ
る。なお、基材が損傷を受けやすいものでなければ、接
触式の3次元形状計測器を用いてもよい。この立体画像
見本の作成方法によれば、3次元ディジタル画像デー
タ、2次元ディジタル画像データ(基材の反転画像に対
応する立体画像見本の場合)、又はこれらを組み合わせ
たディジタル画像データに基づいて、目視・観察等を経
ることなく直接的に、基材の正写画像又は反転画像に対
応する立体画像見本を作成することができるので、より
正確な立体画像見本を容易かつ迅速に作成することがで
きる。ここで、「基材」とは、意匠性を有する凹凸形状
ないしは模様がその表面に形成されたあらゆる種類の物
品又は材料であって、とくに限定されるものではない
が、具体例としては土木・建築用材料、自動車、自動車
用材料、美術工芸品、陶器、種々の文化遺産等があげら
れる。なお、土木・建築用材料としては、例えば窯業、
金属サイジング(冷間プレス)等により製造された、凹
凸面を有する壁材、外装用建材、内装用建材、金属建材
等があげられる。また、意匠性を有する模様としては、
例えば抽象模様、幾何学模様、木目模様、レンガ模様等
があげられる。
【0013】上記感光性版材としては、表面がプラスチ
ックシートで被覆されたものを用いるのが好ましい。感
光性版材の材料は、例えば、重合性モノマーの重合物又
はクロロプレンゴム、エチレン−クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴ
ム、多硫化ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、これらのゴムの発泡体又はこれらのゴム成分
と、光硬化性モノマーとの反応物、光硬化開始剤等の材
料で形成されてもよい。
【0014】具体的には、本発明に用いる感光性版材
は、従来より印刷板やその他のフォトレジストなどに用
いているものであればよいが、基本的にはアクリルモノ
マー、不飽和ポリエステル等の液状版や液状のモノマー
成分が多い同型の感光性版材がより好適に用いられる。
具体的には液状版としては、米国特許第4,209,58
1号、米国特許第4,234,676号等に記載されたも
のがあげられる。感光性版材は水現像型のものが好まし
く、例えば特開昭61−223395号公報及び特開昭
61−246742号公報に記載のものがあげられる。
また、溶剤現像型のものであってもよく、例えば米国特
許第4,323,637号、同第4,234,676号、同
4,264,705号、特開昭52−64301号公報な
どに記載されているものがあげられる。さらに具体的に
説明すると、同型の感光性版材は熱可塑性的に加工可能
な重合体、光重合性エチレン系不飽和モノマー及び光重
合開始剤を少なくとも含有する。
【0015】熱可塑性的に加工可能な重合体の例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
スチレン重合体、特にスチレン−ジエン共重合体、ブタ
ジエン及び/又はイソプレン重合体、ブタジエン/アク
リルニトリル共重合体(ニトリルゴム)、エラストマーの
ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド、(メタ)アクリレート重合体、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン重合体、ビニルエステル
−特にビニルアセテート−又はビニルプロピオネート重
合体、ポリビニルアルコール及びその他である。使用す
る熱可塑性的に加工可能な重合体の種類に基づき、該重
合体に関して公知の一般的加工条件、例えば温度負荷
性、可塑化、助剤添加等が考慮されるべきである。熱可
塑性的に加工可能な重合体としては、ポリウレタン及び
ビニルアルコール重合体の他に、エラストマーのゴム状
重合体、例えば特にブタジエン及びイソプレンの一成分
重合体、ブタジエン及びイソプレン相互の並びにその他
の共重合可能な単量体との共重合体、例えばニトリルゴ
ム例えば重合されたアクリルニトリル15〜45重量%
を有するブタジエン/アクリルニトリル共重合体、カル
ボキシル基を有するニトリルゴム、塩化ビニル含有のニ
トリルゴム及びスチレン、ブタジン及び/又はイソプレ
ンから成る多ブロック共重合体例えばAB−2ブロック
共重合体、ABA−3ブロック共重合体、ABC−3ブ
ロック共重合体(これらは例えばドイツ連邦共和国特許
出願公開第2942183号明細書に記載されてい
る)、星型ブロック共重合体、上記種類の部分的もしく
は完全に水素化されたブロック共重合体などがあげられ
る。
【0016】光重合性エチレン系不飽和モノマーは、エ
チレン系不飽和基を有する化合物である。
【0017】光重合性開始剤の例としては、ベンゼンエ
ーテル類、アセトフェノン類、2−エチルアントラキノ
ン等があげられる。これらは単独または組み合わせて使
用してもよい。上記感光性版材にはさらに必要に応じ
て、コアシェル又はマイクロゲルからなるもの、例えば
部分内部架橋共重合体又は/及び塩基性窒素原子含有化
合物を配合してもよい。
【0018】具体例としては、例えば、ブタジエン/メ
タクリル酸/ジビニルベンゼン/メタクリル酸メチルか
らなる部分架橋共重合体、スチレン/イソプレン/スチ
レン共重合体、マレイン酸モノエステル変性イソプレン
重合体、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルア
ミド、メタクリル酸ラウリル及び2−エチレンアントラ
キノンからなるゴム成形体(例えば、商品名「フレキシ
ードD−123」、硬化後硬度JIS A40°、3.
1mm:日本ペイント社製)、スチレン/イソプレン/
スチレン共重合体を主成分とするゴム成形体(例えば、
商品名「サイレルTDR」:Du Pont社製)など
があげられる。この他、アクリル系液状注型用のゴム成
形体(商品名「APR」:旭化成工業社製)も使用する
ことができる。
【0019】この立体画像見本の作成方法においては、
感光性版材に、基材等の原画像に対応する照射特性(光
模様)で紫外線等を照射し、この後感光性版材に現像処
理を施すだけの簡素な工程で、基材等の原画像(正写画
像又は反転画像)に正確に対応する凹凸形状を備えた立
体画像見本を作成することができる。そして、この立体
画像見本に適当な塗装を施すことにより、塗装された立
体画像見本を容易に作成することができる。したがっ
て、従来の立体画像見本作成手法に比べてその工程が大
幅に簡素化されるので、正確な立体画像見本を、特別な
熟練を要することなく容易かつ迅速に製作することがで
きる。また、その製作コストを大幅に低減することがで
きる。
【0020】上記立体画像見本の作成方法においては、
3次元ディジタル画像データを、1つの次元についての
座標データを濃度データに変換することにより2次元デ
ィジタル画像データに変換して用いるのが好ましい。こ
のようにすれば、3次元ディジタル画像データを2次元
化して得られた2次元ディジタル画像データ(以下、こ
れを「2D変換により生じた2次元ディジタル画像デー
タ(距離画像データ)」という)を、既存の2次元ディ
ジタル画像データ、例えばデザイナー等によって作成さ
れた2次元ディジタル画像データと同一処理方式で画像
処理することができるので、両2次元ディジタル画像デ
ータを組み合わせて、ないしは融合させて用いることが
可能となる。例えば、2D変換により生じた2次元ディ
ジタル画像データを、既存の2次元ディジタル画像デー
タでモディファイして用いることも可能となる。なお、
以下において、2D変換により生じた2次元ディジタル
画像データと既存の2次元ディジタル画像データとをと
くに区別しない場合は、単に「2次元ディジタル画像デ
ータ」という。
【0021】また、上記立体画像見本の作成方法におい
ては、2D変換により生じた2次元ディジタル画像デー
タ、既存の2次元ディジタル画像データ(基材の反転画
像に対応する立体画像見本の場合)、あるいはこれらを
組み合わせた2次元ディジタル画像データに対して階調
再現処理を施し、該階調再現処理が施された2次元ディ
ジタル画像データに基づいて紫外線等の照射を行うのが
好ましい。ここで、階調再現処理手法としては、例えば
誤差拡散ディザ法、濃度パターン法、網点法、濃度階調
圧縮分割法等があげられる。なお、階調再現処理の前又
は後に、2次元ディジタル画像データに対して階調修正
処理(階調補正処理)を施すのが好ましい。
【0022】一般に、階調再現処理を施さない2次元デ
ィジタル画像データに基づいて感光性版材に紫外線等を
照射した場合、紫外線等があたる部分とあたらない部分
との境界が比較的はっきりしているので、感光性版材に
形成される凹凸が非常にシャープな形状となる。例え
ば、凸部あるいは凹部の端の角部は直角形状となり、ま
た凸部と凹部との境界は断崖絶壁状となる。このため、
角部が丸みを帯びた立体形状あるいは凸部と凹部とがな
だらかに変化するといった立体形状を表現することは極
めて困難である。したがって、角部が丸みを帯び、ある
いはなだらかに起伏する凹凸形状を有する基材を正確に
表現する立体画像見本を作成することは事実上不可能で
ある。
【0023】しかしながら、このように階調再現処理が
施されたディジタル画像データに基づいて紫外線等の照
射を行えば、紫外線等があたる部分とあたらない部分と
の境界がはっきりしなくなるので、かかる領域では、感
光性版材が完全には硬化せず、したがって該感光性版材
に現像処理が施されたときに、この部分では受光量に応
じて適度に材料が除去(残留)され、角部が丸みを帯び
た立体形状、あるいは凸部と凹部とがなだらかに変化す
る立体形状が得られる。したがって、角部が丸みを帯
び、あるいはなだらかに起伏する凹凸形状を有する基材
を正確に表現する立体画像見本を製作することができ
る。
【0024】上記立体画像見本の作成方法においては、
2次元ディジタル画像データに基づいて、意匠性を有す
る基材の画像に対応する第2原図(フィルム)を作成
し、該第2原図を感光性版材の表面に配置(貼付)し、
第2原図側から感光性版材の表面に紫外線等を照射する
のが好ましい。この場合、2次元ディジタル画像データ
に対して階調再現処理を施し、該階調再現処理が施され
た2次元ディジタル画像データに基づいて第2原図を作
成するのが好ましい。ここで、階調再現処理手法として
は、例えば誤差拡散ディザ法、濃度パターン法、網点
法、濃度階調圧縮分割法等があげられる。なお、階調再
現処理の前又は後に、2次元ディジタル画像データに対
して階調修正処理(階調補正処理)を施すのが好まし
い。
【0025】第2原図としては、300〜500nmの
波長の光を吸収する材料、例えば銀塩フィルム、非銀塩
フィルム等を用いることができる。このように、第2原
図を用いれば、第2原図側から感光性版材に単純に一様
な紫外線等を照射するだけで、感光性版材の表面に、基
材等の原画像(正写画像又は反転画像)に正確に対応す
る模様ないしは照射特性で紫外線等を照射することがで
きる。したがって、感光性版材への紫外線等の照射機構
が簡素化される。
【0026】上記立体画像見本の作成方法においては、
第2原図を、その画像膜面(乳剤付着面)が感光性版材
の凹凸形成表面に直接接触しないように配置し、第2原
図側から感光性版材に紫外線等を照射するのが好まし
い。ここで、第2原図の画像膜面が感光性版材の凹凸形
成表面に直接接触しないようにする具体的な手法として
は、例えば、第2原図をその画像膜が形成されていない
方の表面(画像膜面と反対側の表面)が感光性版材の表
面に当接するように配置するといった手法、第2原図と
感光性版材との間に空気層を設けるか、又は透明な中間
フィルムやメッシュ状の材料を介在させるといった手
法、あるいはこれらを併用した手法等があげられる。
【0027】このようにすれば、紫外線等が第2原画の
画像膜面から感光性版材に到達するまでの間に、該紫外
線等の一部が第2原画の本体部分(透明)あるいは透明
な中間フィルムによって散乱させられ、この散乱光が、
本来紫外線等があたるべき部分(以下、これを「紫外線
等照射部」という)の周囲の部分に適度に光硬化を生じ
させる(以下、この部分を「部分的照射部」という)。
かくして、ほぼ完全に光硬化が生じる紫外線等照射部す
なわち凸部となるべき部分の周囲に部分的照射部が形成
されるので、この後感光性版材に現像処理が施されたと
きには、凸部の周囲に適度に材料が残存している部分が
生じ、これにより角部が丸みを帯びた立体形状、あるい
は凸部と凹部とがなだらかに変化する立体形状が得られ
る。したがって、角部が丸みを帯びあるいはなだらかに
起伏する凹凸形状を有する基材を正確に表現する立体画
像見本を作成することができる。
【0028】また、上記立体画像見本の作成方法におい
ては、その裏側表面に透明なベースフィルムが貼りつけ
られた感光性版材を用い、(a)第2原図をベースフィ
ルムの表面に配置し、第2原図側からベースフィルムを
介して感光性版材の裏側表面に紫外線等を照射し、
(b)この後、感光性版材の表側から該感光性版材に現
像処理を施してもよい。なお、この場合、例えば、第2
原図をその画像膜が形成されていない方の表面がベース
フィルムの表面に当接するように配置するといった手
法、第2原図とベースフィルムとの間に透明な中間フィ
ルムを介在させるといった手法、あるいはこれらを併用
した手法等により第2原図をその画像膜面がベースフィ
ルム表面に直接接触しないように配置してもよい。
【0029】このような、感光性版材の裏側表面から紫
外線等を照射する一方、表側表面から現像処理を施すよ
うにした見本作成手法(以下、これを「裏側表面照射
法」という)によれば、第2原画の画像膜面の濃度(光
吸収率)に応じて凸部の高さが変化する。すなわち、画
像膜面の光吸収率が0%(完全な透明)であれば、この
部分では完全な光硬化が起こるので、この部分は完全な
凸部となる。逆に、画像膜面の光吸収率が100%(黒
色)であれば、この部分では光硬化が全く起こらないの
で、この部分は完全な凹部となる。そして、画像膜面の
光吸収率が例えば60%(中間濃度)であれば、この部
分では完全な透明部分と比べて40%しか紫外線等があ
たらないので、感光性版材の裏側表面から表側表面に向
かっておよそ40%の部分でだけ光硬化が起こり、表側
の60%の部分では光硬化が起こらない。ここで、表側
表面から現像処理を施せば、材料の60%は除去され、
したがってこの部分には、完全な凸部に比べて高さがお
よそ40%の低い凸部が形成される。かくして、画像膜
面の光吸収率を0〜100%の間で好ましく変化させれ
ば、任意の高さの凸部を形成することができる。したが
って、凸部の高さが種々異なる複雑な凹凸形状を有する
基材についても、その形状を正確に表現する立体画像見
本を作成することができる。ここで、さらに第2原図を
その画像膜面がベースフィルムに直接接触しないように
配置すれば、前記のとおり、角部が丸みを帯びあるいは
なだらかに起伏する凹凸形状を有する基材を正確に表現
することができるので、複雑な凹凸形状を有する基材を
より正確に表現する立体画像見本を製作することができ
る。
【0030】本発明の第2の態様によれば、前記のいず
れか1つに記載された立体画像見本の作成方法を用いて
作成された、意匠性を有する原画像又は基材を立体的に
表現する立体画像見本が提供される。この立体画像見本
の裏面には、(硬質の)軽量裏材(例えば、ウレタン樹
脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等
の発泡体)が貼り付けられているのが好ましい。このよ
うにすれば、重量をさほど増加させることなく、立体画
像見本の強度を大幅に高めることができる。かくして、
基材の形状を正確に表現する耐久性の高い立体画像見本
が得られる。
【0031】上記立体画像見本においては、その表側表
面に、塗料を用いて1色又は多色の塗装が施されている
のが好ましく、該塗装の上にさらに塗料を用いて1色又
は多色の意匠性を有する転写・印刷等による塗装が施さ
れているのがより好ましい。このようにすれば、意匠塗
装板の色調、形状等をより正確に表現する立体画像見本
板が得られる。
【0032】本発明の第3の態様によれば、(a)意匠
性を有する基材の画像(立体画像)に対応する3次元デ
ィジタル画像データ、又は該3次元ディジタル画像デー
タ及び上記画像に対応する2次元ディジタル画像データ
に基づいて生成された上記画像に対応する照射特性の紫
外線もしくはレーザー光線又は両光線を、光硬化性組成
物を含む感光性版材の表面に照射して、該感光性版材の
受光部分に光硬化を生じさせ、(b)次に、感光性版材
に現像処理を施し、光硬化していない部分を除去して凹
部を形成するとともに光硬化した部分を残留させて凸部
を形成する方法や、CO2ガスレーザー等による熱エネ
ルギーを利用した熱昇華法等により凸部を形成する方法
により、基材の正写画像又は反転画像に対応する凹凸面
を生成して、基材の正写画像又は反転画像に対応する型
面を備えた型枠を作成することを特徴とする立体画像型
枠の作成方法が提供される。ここで、上記基材の画像に
対応する2次元ディジタル画像データに基づいて、基材
の正写画像に対応する型面を備えた型枠を作成してもよ
い。なお、この立体画像型枠の作成方法で用いられる感
光性版材、紫外線、レーザー光線等の特性は、立体画像
見本の作成方法の場合と同様である。
【0033】上記立体画像型枠の作成方法においては、
紫外線等の照射が、意匠性を有する基材の画像の正写画
像又は反転画像に対応するディジタル画像データに基づ
いて行われるので、天然石の切削加工等により現物材料
を製作することなく、基材から直接取り込まれたディジ
タル画像データ、デザイナー等が作成した極めて多数の
基材模様ないしはデザイン模様のディジタル画像データ
(例えば、100万種の2次元無限任意意匠データ)等
に基づいて、直接的に立体画像型枠を容易にかつ迅速に
作成することができる。なお、基材の3次元ディジタル
画像データの作成手法ないしはその作用・効果は、立体
画像見本の作成方法の場合と同様である。
【0034】この立体画像型枠の作成方法においては、
3次元ディジタル画像データを、1つの次元についての
座標データを濃度データに変換することにより2次元デ
ィジタル画像データに変換して用いるのが好ましい。な
お、このようにした場合の作用・効果は、立体画像見本
の作成方法の場合と同様である。
【0035】この立体画像型枠の作成方法においては、
感光性版材に、所望の基材(例えば、天然石等)等の画
像の正写画像又は反転画像に対応する照射特性(光模
様)で紫外線等を照射し、この後感光性版材に現像処理
を施すだけの簡素な工程で、基材の凹凸又はその反転物
に正確に対応する凹凸形状を型面として備えた立体画像
型枠を作成することができる。そして、この立体画像型
枠を用いて、従来と同様の方法で、塑性変形が可能な材
料(窯業材料)用のプレス成形金型、あるいは熱可塑性
を有する材料(高分子材料等の熱可塑性変形材料)用の
射出成形金型を製作することができる。さらには、これ
らの金型により、塑性変形あるいは熱可塑変形が可能な
材料等を用いて基材の複製立体画像物(複製物)を容易
に作成することができる。つまり、意匠性を有する凹凸
面を備えた原基材の複製物である基材ないしは建材を作
成するための型枠ないしは金型を容易にかつ低コストで
作成することができ、さらにはデザイン柄数を増やすこ
とができ、ひいては複製立体画像物の製造コストを低減
することができる。
【0036】上記立体画像型枠の作成方法においては、
2次元ディジタル画像データに対して階調再現処理を施
し、該階調再現処理が施された2次元ディジタル画像デ
ータに基づいて紫外線等の照射を行うのが好ましい。こ
こで、階調再現処理手法としては、例えば誤差拡散ディ
ザ法、濃度パターン法、網点法、濃度階調圧縮分割法等
があげられる。なお、階調再現処理の前又は後に、2次
元ディジタル画像データに対して階調修正処理(階調補
正処理)を施すのが好ましい。上記立体画像型枠の作成
方法においてディジタル画像データに対して階調再現処
理あるいは階調修正処理を施した場合の作用・効果は、
立体画像見本の作成方法の場合と同様である。
【0037】上記立体画像型枠の作成方法においては、
2次元ディジタル画像データに基づいて、意匠性を有す
る原画像の正写画像又は反転画像に対応する第2原図を
作成し、該第2原図を感光性版材の表面に配置(貼付)
し、第2原図側から感光性版材の表面に紫外線等を照射
するのが好ましい。そして、2次元ディジタル画像デー
タに対して階調再現処理を施し、該階調再現処理が施さ
れた2次元ディジタル画像データに基づいて第2原図を
作成するのが好ましい。ここで、階調再現処理手法とし
ては、例えば誤差拡散ディザ法、濃度パターン法、網点
法、濃度階調圧縮分割法等があげられる。なお、階調再
現処理の前又は後に、2次元ディジタル画像データに対
して階調修正処理(階調補正処理)を施すのがさらに好
ましい。上記立体画像型枠の作成に用いる第2原図の材
質等の特性は、立体画像見本の作成の場合と同様であ
る。また、上記立体画像型枠の作成方法において、第2
原図を用いた場合の作用・効果、あるいは2次元ディジ
タル画像データに対して階調再現処理ないしは階調修正
処理を施した場合の作用・効果は、立体画像見本の作成
方法の場合と同様である。
【0038】上記立体画像型枠の作成方法においては、
第2原図を、その画像膜面(乳剤付着面)が感光性版材
の凹凸形成表面に直接接触しないように配置し、第2原
図側から感光性版材に紫外線等を照射するのが好まし
い。ここで、第2原図の画像膜面が感光性版材の凹凸形
成表面に直接接触しないようにする具体的な手法として
は、例えば、第2原図をその画像膜が形成されていない
方の表面(画像膜面と反対側の表面)が感光性版材の表
面に当接するように配置するといった手法、第2原図と
感光性版材との間に空気層を設けるか、又は透明な中間
フィルムやメッシュ状の材料を介在させるといった手
法、あるいはこれらを併用した手法等があげられる。上
記立体画像型枠の作成方法において、このように第2原
図を、その画像膜面が感光性版材の凹凸形成表面に直接
接触しないように配置した場合の作用・効果は、立体画
像見本の作成方法の場合と同様である。
【0039】また、上記立体画像型枠の作成方法におい
ては、その裏側表面に透明なベースフィルムが貼りつけ
られた感光性版材を用い、(a)第2原図をベースフィ
ルムの表面に配置し、第2原図側からベースフィルムを
介して感光性版材の裏側表面に紫外線等を照射し、
(b)この後、感光性版材の表側から該感光性版材に現
像処理を施してもよい。なお、この場合、例えば、第2
原図をその画像膜が形成されていない方の表面がベース
フィルムの表面に当接するように配置するといった手
法、第2原図とベースフィルムとの間に透明な中間フィ
ルムを介在させるといった手法あるいはこれらを併用し
た手法等により、第2原図をその画像膜面がベースフィ
ルム表面に直接接触しないように配置してもよい。上記
立体画像型枠の作成方法において、このようにベースフ
ィルムを介して紫外線等を照射した場合の作用・効果
は、立体画像見本の作成方法の場合と同様である。
【0040】上記の各立体画像型枠の作成方法におい
て、立体画像型枠の離型性があまり良好でない場合は、
凹凸面に離型処理剤で離型処理を施すのが好ましい。こ
こで、離型処理剤としては、例えばシリコン樹脂、フッ
素樹脂等を用いることができる。そして、離型処理は、
離型処理剤を型面に塗布するなどといった手法で施され
る。
【0041】本発明の第4の態様によれば、前記のいず
れか1つに記載された立体画像型枠の作成方法を用いて
作成された、意匠性を有する原画像又は基材に対応する
立体画像型枠が提供される。
【0042】本発明の第5の態様によれば、(a)本発
明の第3の態様にかかる立体画像型枠の作成方法のいず
れか1つにより、基材の正写画像又は反転画像に対応す
る型面を備えた立体画像型枠を作成し、(b)立体画像
型枠に、固化可能な耐熱性を有する液状の無機もしくは
有機の材料又は無機・有機混合材料を注入し、該材料を
固化させた後これを立体画像型枠から離型させて、基材
の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えた固形型
枠を作成し、(c)固形型枠に溶融金属材料を流し込
み、該金属材料を固化させた後これを固形型枠から離型
させて、基材の正写画像又は反転画像に対応する型面を
備えた金型を作成し、(d)金型で、塑性変形が可能な
材料をプレス成形して、基材の反転画像又は正写画像に
対応する形状を備えた複製立体画像物を作成することを
特徴とする複製立体画像物の作成方法が提供される。こ
の手法は、金属サイジング材料、プラスチック材料等を
用いてプレス成型する分野での応用も可能である。
【0043】なお、プレス成形すべき材料の性状によっ
ては、立体画像型枠を用いてプレス成形を行い複製立体
画像物を作成してもよい。この場合は、固形型枠ないし
金型は作成しなくてもよい。また、プレス成形すべき材
料の性状によっては、固形型枠を用いてプレス成形を行
い複製立体画像物を作成してもよい。この場合は、金型
は作成しなくてもよい。金型を作成しない場合は、固形
型枠の材料は耐熱性のものでなくてもよい。
【0044】ここで、立体画像型枠を保存(温存)する
必要がある場合は、立体画像型枠を作成した後、該立体
画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着して硬化させ、こ
れを立体画像型枠から離型させて基材の反転画像又は正
写画像に対応する型面を備えたシリコン樹脂型枠を作成
し、このシリコン樹脂型枠を用いて固形型枠を作成する
のが好ましい。
【0045】なお、プレス成形すべき材料の性状によっ
ては、シリコン樹脂型枠を用いてプレス成形を行い複製
立体画像物を作成してもよい。この場合は、固形型枠な
いし金型は作成しなくてもよい。また、プレス成形すべ
き材料の性状によっては、固形型枠を用いてプレス成形
を行い複製立体画像物を作成してもよい。この場合は、
金型は作成しなくてもよい。金型を作成しない場合は、
固形型枠の材料は耐熱性のものでなくてもよい。
【0046】固形型枠を作成するための耐熱性材料(無
機材料)としては、例えば石膏があげられる。また、金
型を作成するための金属材料としては、例えば鉄系金属
材料があげられる。
【0047】また、前記の各複製立体画像物の作成方法
では、塑性変形が可能な材料をプレス成形することによ
り複製立体画像物を作成しているが、プレス成形に代え
て、熱可塑性樹脂を立体画像型枠、シリコン樹脂型枠、
固形型枠又は金型を用いて射出成形することにより、基
材の正写画像又は反転画像に対応する形状を備えた複製
立体画像物を作成するようにしてもよい。また、上記複
製立体画像物の作成方法においては、プレス成形又は射
出成形の後、複製立体画像物表面に意匠性を有する塗装
を施してもよい。
【0048】前記の各複製立体画像物の作成方法によれ
ば、塑性変形が可能な材料を用いたプレス成形により、
あるいは熱可塑性材料を用いた射出成形により、原画像
ないしは基材の正写画像又は反転画像に対応する形状の
複製立体画像物を容易にかつ迅速に製造することがで
き、該複製立体画像物(複製物)の製造コストを低減す
ることができる。
【0049】本発明の第6の態様によれば、前記のいず
れか1つに記載された複製立体画像物の作成方法を用い
て作成された、意匠性を有する基材の正写画像又は反転
画像を立体的に表象する、未塗装又は塗装済みの複製立
体画像物(複製物)が提供される。
【0050】本発明の第7の態様によれば、(a)本発
明の第3の態様にかかる立体画像型枠の作成方法のいず
れか1つにより、基材の正写画像又は反転画像に対応す
る型面を備えた立体画像型枠を作成し、(b)立体画像
型枠に固化可能な液状の軽量材料を流し込み、該軽量材
料を固化させた後これを立体画像型枠から離型させて、
基材の反転画像又は正写画像に対応する形状を備えた見
本用の複製立体画像物を作成することを特徴とする複製
立体画像物の作成方法が提供される。ここで、上記軽量
材料としては、例えば発泡性ウレタン樹脂や液状の光重
合性組成物等を用いることができる。また、離型の後、
複製立体画像物表面に意匠性を有する塗装を施すのが好
ましい。この複製立体画像物の作成方法によれば、複製
立体画像物の見本を容易にかつ迅速に製造することがで
きる。
【0051】また、本発明の第8の態様によれば、本発
明の第7の態様にかかる複製立体画像物の作成方法を用
いて作成された、意匠性を有する基材の反転画像又は正
写画像を立体的に表象する、未塗装又は塗装済みの見本
用複製立体画像物が提供される。
【0052】本発明の第9の態様によれば、本発明の第
3の態様にかかる方法により、(a)基材の正写画像又
は反転画像に対応する型面を備えた立体画像型枠を作成
し、(b)立体画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着し
て硬化させ、これを立体画像型枠から離型させて基材の
反転画像又は正写画像に対応する型面を備えたシリコン
樹脂型を作成し、(c)着色された材料(例えば、外装
用窯業材料)を上記シリコン樹脂型の凹部に多層(例え
ば、2層、3層あるいはこれより多層)積層充填し、さ
らに固化させて多層着色積層材料層を作成し、(d)こ
の多層着色積層材料層をシリコン樹脂型から離型させた
上で平板状にして模様を発現させ(例えば、表面の最上
層、その下の着色層、さらにその下の着色層等が発現す
るように表面研磨するなどして多色模様を形成し)、基
材の画像に対応する意匠を備えた外装材を作成すること
を特徴とする外装材の作成方法が提供される。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。まず、本発明にかかる立体画像見本の作
成方法(製造方法)の概要を説明する。図1は、意匠性
を有する基材の立体形状、色調等を正確に表現する立体
画像見本の製造工程を示すフローチャートである。この
フローチャートにおいては、通常は、ステップS1〜S
9が順に実行される。
【0054】図1に示すように、この立体画像見本の製
造工程においては、まずステップS1で、立体画像見本
を作成すべき基材の立体的な形状が3次元データ化され
る。具体的には、レーザービームによる光切断法を用い
た断面計測方式の3次元形状計測器(例えば、ミノルタ
株式会社製、VIVID 700非接触3−Dデジタイ
ザ)を用いて、基材の形状が3次元ディジタル画像デー
タとして取り込まれる。この3次元形状計測器は、スリ
ット状のレーザー光で基材を走査し、その反射光をCC
Dで受光し、三角測距の原理を用いて基材との距離を算
出し、基材の立体的な形状を3次元ディジタル画像デー
タとして取り込むようになっている。
【0055】この3次元ディジタル画像データは、基材
表面上の多数の微小な画像要素(画素)を、それぞれ、
x方向、y方向及びz方向についての3次元座標であら
わすことにより、基材の立体的な形状を把握するもので
ある。なお、x方向、y方向及びz方向は、それぞれ、
基材を正面からみた場合における縦方向(上下方向)、
横方向(水平方向)及び奥行き方向である。例えば、図
25に示すような丸みのある膨らみを伴った円板状の物
体を基材とした場合、かかる3次元データ化処理によ
り、図26に示すようなイメージの3次元ディジタル画
像データが得られる。なお、図26に示すイメージは、
後記の図7(d)に示す立体画像見本M2に対応する。
【0056】このようにして、基材に全く接触すること
なく、該基材の立体的な形状を3次元ディジタル画像情
報として取り込むことができるので、たとえ基材が損傷
を受けやすいもの(例えば、陶器、土器、青銅器等の文
化遺産等)であっても、これに何ら損傷を与えることな
く迅速かつ容易にその立体的な形状を3次元ディジタル
画像データとして取り込むことができる。
【0057】ステップS2では、ステップS1で得られ
た3次元ディジタル画像データが、z方向の座標値をこ
れに対応する濃度値に置き替えることにより2次元ディ
ジタル画像データ(2D変換により生じた2次元ディジ
タル画像データ)に変換される。例えば、画像要素のz
方向の座標値が大きい(奥行きが深い)ときほど濃度値
が大きくなる(濃くなる)ように変換される。画像要素
の濃度値が大きいときほど、後で説明する感光性樹脂製
版時に深い凹部が形成されるので、基材の奥行きが深い
部分は、感光性樹脂製版時に奥行きが深い凹部として再
現される。なお、感光性樹脂製版時に画像のネガ・ポジ
を反転させれば凹凸が逆転するのはもちろんである。し
たがって、基材のz方向の凹凸が感光性樹脂製版時に感
光性樹脂上に正写画像又は反転画像として再現(複製)
されることになる。例えば、図26にイメージ化して示
すような3次元ディジタル画像データを、前記のように
2次元ディジタル画像データに変換して得られた2次元
画像(距離画像)を、図27に示す。
【0058】また、2D変換により生じた2次元ディジ
タル画像データは、既存の2次元ディジタル画像デー
タ、例えばデザイナー等によって作成された2次元ディ
ジタル画像データと同一処理方式で画像処理を行うこと
ができるので、両2次元ディジタル画像データを組み合
わせて、ないしは融合させて用いることが可能となる。
例えば、2D変換により生じた2次元ディジタル画像デ
ータを、既存の2次元ディジタル画像データでモディフ
ァイして用いることが可能となる。
【0059】ステップS3では、該基材に関連する種々
の既存の2次元ディジタル画像データが入力される。な
お、このような既存の2次元ディジタル画像データは、
例えばコンピュータグラフィックシステムやイメージス
キャンニングシステムを用いて、デザイナーあるいはユ
ーザー等によって作成された意匠性を有する模様画像
(例えば、木目模様、レンガ模様、抽象模様、幾何学模
様等)の画像データと、基材(例えば、骨材、建物等)
を表現する基材画像の画像データとを用いて、基材の表
面に模様画像が塗装された状態を擬似的に表現する画像
データを合成するなどといった手法で作成される。
【0060】そして、このように入力された既存の2次
元ディジタル画像データは、2D変換により生じた2次
元ディジタル画像データと組み合わされ、モディファイ
された2次元ディジタル画像データが生成される。な
お、このような既存の2次元ディジタル画像データによ
るモディファイが必要でない場合は、このステップS3
は省略し、2D変換により生じた2次元ディジタル画像
データのみに基づいて、以下の各ステップ(ステップS
4〜S9)を実行すればよい。また、既存の2次元ディ
ジタル画像データのみに基づいて立体画像見本を作成す
る場合は、ステップS1〜S2を省略し、このステップ
S3で入力された既存の2次元ディジタル画像データの
みを用いればよい。
【0061】ステップS4では、2次元ディジタル画像
データに対して、階調再現処理が施され、原画像を模擬
的に表現する階調再現画像データが作成される。ここ
で、階調再現手法としては、ディザ法、濃度パターン
法、網点法(AMスクリーン法)、濃度階調圧縮分割法
等が用いられる。なお、連続階調の画像データを用いて
もよい。
【0062】これらの階調再現手法のうち、ディザ法は
濃淡画像の各画素を各々実質的に異なる閾値で白又は黒
に振り分けて2値化するといった階調再現手法であり、
かかるディザ法としては、ランダムディザ法、組織的デ
ィザ法、誤差拡散ディザ法(平均誤差最小ディザ法)、
平均値制限ディザ法等があげられる。なお、これらのデ
ィザ法の中で、誤差拡散ディザ法は階調再現画像での偽
輪郭の形成が防止されるといった利点がある。
【0063】濃度パターン法は、中間調で表現された原
画像の各画素を、それぞれ、例えばn×n(nは自然
数)のドット領域(点)で構成した上で各ドット領域を
白又は黒に設定することができるようにし、各画素中に
おける白ドット領域(白点)と黒ドット領域(黒点)の
数の比率を変えることにより中間調を表現しようとする
ものである。なお、この濃度パターン法は画像の解像度
をある程度犠牲にして良好な中間調を有する画像を得る
のに適した階調再現手法といえる。
【0064】網点法(AMスクリーン法)は、濃淡原画
像の1つの画素の濃度レベルに対して表示画素として所
定の大きさの画素を割り当て、濃淡原画像の濃度レベル
に比例するように、表示画素中の黒の占有部分を増加さ
せることにより、擬似的な中間調を作成するといった手
法であり、主として印刷の技術分野で用いられている階
調再現手法である。
【0065】濃度階調圧縮分割法(連続濃度圧縮法)
は、連続階調の画像を、数種の濃度階調領域に分割する
ことにより、濃淡(中間調)あるいは色調(多色)を表
現するといった階調再現手法である。ここで、各濃度階
調領域はベタ版であり(なお、必要に応じてさらに網点
による全面無地網かけ処理等の2値化処理を施してもよ
い)、したがって網点法などとは異なり、網点分解を行
わないので、とくにハイライト付近での階調再現性が高
いといった利点がある。なお、かかる階調再現処理のさ
らに具体的な手法は、本願出願人によって平成9年11
月26日に出願された特願平9−324337号の明細
書中に開示されている。
【0066】ステップS5では、階調再現画像データに
対して、所定の修正特性でもって階調修正処理(階調調
子補正処理)が施される。この立体画像見本の製造工程
では、後で説明するように、製版フィルム(第2原図)
を感光性版材の表面に貼り付け、この製版フィルムを介
して感光性版材に紫外線等を照射し、製版フィルムの透
明部に対応する部分を光硬化により硬化させる一方、製
版フィルムの着色部に対応する部分を未反応状態や半硬
化状態として軟らかいまま残し、この後ブラシを用いた
掻き取り等の現像処理により、軟らかい部分(一部又は
全部)を除去して、製版フィルムの画像に対応する凹凸
形状を形成するようにしている。
【0067】そして、この場合、露光条件あるいは現像
条件等により、製版フィルムの画像と感光性版材上に形
成される凹凸形状との間にずれが生じる。そこで、かか
るずれを減殺するような修正特性で、階調再現画像デー
タに対して階調修正処理を施すようにしている。この階
調修正処理は、例えば、スクリーン線数、網点寸法(網
点%)、ID、ドット密度等を変えることにより行われ
る。なお、階調再現処理の前に、ディジタル画像データ
に対して階調修正処理を施すようにしてもよい。
【0068】ステップS6では、階調修正処理が施され
た階調再現画像データに基づいて、これに対応する画像
膜面(乳剤面)を有する製版フィルム(ネガフィルムあ
るいはポジフィルム)が作成される。この製版フィルム
は、例えば市販のイメージセッタ等を用いて自動的に作
成される。なお、この製版フィルムは、銀塩フィルム又
は非銀塩フィルムを用いて作成される。
【0069】ステップS7では、製版フィルムを用いて
感光性樹脂製版が行われ、製版フィルムに表示された画
像(すなわち階調再現画像)に対応する凹凸形状、すな
わち基材に対応する凹凸形状(正写画像又は反転画像)
を有する立体画像見本が製作される。この感光性樹脂製
版の具体的な製版手法は、後記のとおりである。
【0070】ステップS8では、立体画像見本の裏面に
軽量裏材が貼りつけられる。ここで、軽量裏材の材料と
しては、立体画像見本を軽量化しつつその強度を高める
ために、例えば、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ア
クリル樹脂、スチレン樹脂などといった比較的硬い樹脂
の発泡体を用いるのが好ましい。かくして、基材の形状
を正確に表現する耐久性の高い立体画像見本が得られ
る。
【0071】ステップS9では、所望の塗料を用いて立
体画像見本の表面に塗装が施され、さらに必要に応じ
て、所望の塗料を用いて所定の意匠性を有する転写・印
刷等による塗装ないしは色付けが施され、立体画像見本
が完成する。かくして、基材の実際の形状ないしは色
調、あるいはデザイナー等が意図した色調、形状等を正
確に表現する立体画像見本が得られる。
【0072】以下、ステップS7における感光性樹脂製
版の製版手法を、より具体的に説明する。図5に示すよ
うに、この製版手法においてはまず感光性版材1が準備
される。この感光性版材1は、感光層2と、該感光層2
の裏側表面に貼り付けられた透明なベースフィルム3
(プラスチックシート)と、該感光層2の表側表面に貼
り付けられた第2原図の装着、脱着を容易にするスリッ
プ層(1〜5μの極薄のため図示せず)と保護カバー層
4(プラスチックシート)とで構成されている。ここ
で、感光層2は、高分子結合剤と、エチレン性不飽和2
重結合を有するモノマーと、光硬化開始剤とを含み、紫
外線等が照射されたときには、光硬化が起こり硬化す
る。なお、紫外線等が照射されない部分、すなわち光硬
化による硬化が生じていない部分は、比較的軟らかく、
例えばブラシ等でこすることにより水中で容易に掻き取
ることができる。
【0073】そして、この感光性樹脂製版では、基本的
には、感光性版材1の表面に製版フィルム5(第2原
図)を真空密着により貼り付けた上で、製版フィルム5
側から感光性版材1(感光層2)に紫外線等を照射し
(露光処理)、すなわち製版フィルム5の画像に対応す
る照射特性で照射し、感光層2の受光部分に光硬化を生
じさせて硬化させ、この後感光層2に、ブラシ等による
掻き取り等の現像処理を施し、光硬化していない部分を
除去して凹部を形成するとともに光硬化した部分を残留
させて凸部を形成し、原画像に対応する凹凸形状(正写
画像又は反転画像)を表面に備えた立体画像見本を作成
するようになっている。
【0074】前記したとおり、階調再現処理を施さない
ディジタル画像データに基づいて作成された製版フィル
ム5を用いる場合、紫外線等があたる部分とあたらない
部分との境界が比較的はっきりしているので、感光性版
材1(感光層2)に形成される凹凸が非常にシャープな
形状となる。例えば、凸部の角部は直角形状となり、ま
た凸部と凹部との境界部は断崖絶壁状となる。このた
め、角部が丸みを帯びた立体形状あるいは凸部(凹部)
から凹部(凸部)へなだらかに変化するといった立体形
状を表現することはできない。したがって、角部が丸み
を帯び、あるいはなだらかに起伏する凹凸形状を有する
基材を正確に表現する立体画像見本を製作することは事
実上不可能である。
【0075】しかしながら、この実施の形態にかかるこ
の製版手法では、階調再現処理が施された階調再現画像
データに基づいて作成された製版フィルム5を用いるの
で、感光層2の紫外線等があたる部分とあたらない部分
との境界があまりはっきりしない。このため、かかる境
界領域では、感光層2が部分的に硬化し、したがって現
像処理が施されたときに、この境界部分では適度に版材
料が除去(残留)され、角部が丸みを帯びた立体形状、
あるいは凸部(凹部)から凹部(凸部)へなだらかに変
化する立体形状を有する立体画像見本が得られる。した
がって、角部が丸みを帯び、あるいはなだらかに起伏す
る凹凸形状を有する基材を正確に表現する立体画像見本
を容易にかつ迅速に製作することができる。
【0076】ところで、このような製版形態としては種
々のものが用いられることができ、この製版形態の違い
により感光性版材1(感光層2)に形成される凹凸形状
の特性も種々変化する。そこで、これを利用して、角部
が丸みを帯びた立体形状、あるいは凸部から凹部へなだ
らかに変化する立体形状を有する立体画像見本を製作す
ることができる。さらには、高さが種々異なる凸部を形
成することができ、したがって凸部の高さが種々異なる
複雑な凹凸形状を有する基材についても、その形状を正
確に表現する立体画像見本を製作することができる。
【0077】以下、このように製版形態を変えることに
よって、立体画像見本の形態を好ましく変化させる手法
について説明する。なお、前記のとおり、本発明にかか
る製版では階調再現データにより作成された製版フィル
ム5を用いているので、これによっても立体画像見本の
角部が丸みを帯び、あるいは凸部と凹部との境界部がな
だらかな形状となっているが、以下では製版形態の違い
による作用・効果の違いをより明確にするため、階調再
現処理による上記の作用・効果は生じていないものとし
て説明することにする。したがって、実際には以下で説
明する製版形態の違いによる作用・効果と前記の階調再
現処理による作用・効果とが競合する。
【0078】製版フィルム5の感光性版材1への配置形
態については、保護カバー層4を取り外した上で製版フ
ィルム5を感光層2の表側表面に直接配置する形態(フ
ィルム表側配置)と、製版フィルム5をベースフィルム
3の表面すなわち感光性版材1の裏側表面に配置する形
態(フィルム裏側配置)の2つの形態を用いることがで
きる。さらに、製版フィルム5の画像膜面6(乳剤面)
を感光性版材1側に向ける形態(膜面近接配置)と、感
光性版材1とは反対側に向ける形態(膜面離反配置)の
2つの形態を用いることができる。また、製版フィルム
5と感光性版材1との接触形態については、両者を直接
接触させる形態(フィルム直接配置)と、両者間に透明
な中間フィルムを介在させる形態(フィルム間接配置形
態)の2つの形態を用いることができる。なお、いずれ
の場合においても現像処理、例えばブラシ等による掻き
取りは、露光処理終了後に感光性版材1(感光層2)の
表側表面に対して行われる。
【0079】したがって、製版形態としては、次の8通
りの形態を用いることができる。 (1)フィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態 (2)フィルム表側・直接配置・膜面離反配置形態 (3)フィルム表側・間接配置・膜面近接配置形態 (4)フィルム表側・間接配置・膜面離反配置形態 (5)フィルム裏側・直接配置・膜面近接配置形態 (6)フィルム裏側・直接配置・膜面離反配置形態 (7)フィルム裏側・間接配置・膜面近接配置形態 (8)フィルム裏側・間接配置・膜面離反配置形態 なお、(1)〜(8)の製版形態を組み合わせてもよ
い。
【0080】以下、これら(1)〜(8)の8つの製版
形態における製版手法を具体的に説明する。 (1)フィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態 図6(a)に示すように、この場合は、まず保護カバー
層4を取り外した上で、外部に露出している感光層2の
表側表面に、製版フィルム5をその画像膜面6が感光層
2に接触するような形態で配置する(貼り付ける)。次
に、図6(b)に示すように、製版フィルム5側から感
光性版材1(感光層2)に紫外線等を照射する。ここ
で、製版フィルム5の画像膜面6が形成されていない部
分(すなわち透明部分)では、紫外線等が製版フィルム
5を透過して感光層2に到達してこれを光硬化させ、硬
化部7を形成する。他方、製版フィルム5の画像膜面6
が形成されている部分(すなわち、不透明部分)では、
紫外線等が画像膜面6によって吸収されるので感光層2
には到達せず、したがって感光層2のこれに対応する部
分は硬化されないままである。
【0081】この後、図6(c)に示すように、製版フ
ィルム5を取り外した上で、感光層2の表側表面にブラ
シを用いた掻き取り等による現像処理を施す。このと
き、感光層2の未硬化部は除去され(掻き取られ)、他
方硬化部7はそのまま残存する。かくして、図6(d)
に示すように、製版フィルム5に表示された画像すなわ
ち基材の形状に対応する凹凸形状(正写画像又は反転画
像)を有する立体画像見本M1が得られる。この製版手
法によれば、製版フィルム5の画像膜面6が感光層2の
表側表面に密着し、したがって製版フィルム5の画像膜
面形成部を通過した紫外線等が散乱されずに感光層2に
到達するので、画像膜面6の形状にほぼ一致する形状の
硬化部7が形成される。このため、立体画像見本M1
おいては、角部C1がほぼ直角状となり、また凸部と凹
部との境界部W1がほぼ断崖絶壁状となる、シャープな
凹凸形状が形成される。
【0082】(2)フィルム表側・直接配置・膜面離反
配置形態 図7(a)に示すように、この場合は、まず保護カバー
層4を取り外した上で、感光層2の表側表面に、製版フ
ィルム5をその画像膜面6が感光層2と反対方向(外
側)を向くような形態で配置する(貼り付ける)。次
に、図7(b)に示すように、製版フィルム5側から感
光性版材1(感光層2)に紫外線等を照射する。ここ
で、製版フィルム5の画像膜面6が形成されていない部
分(透明部分)では、紫外線等が製版フィルム5を透過
して感光層2に到達してこれを光硬化させ、硬化部7を
形成する。他方、製版フィルム5の画像膜面6が形成さ
れている部分(不透明部分)では、基本的には、紫外線
等が画像膜面6によって吸収されるので感光層2には到
達せず、したがって感光層2のこれに対応する部分は硬
化されないままである。しかしながら、この場合は、製
版フィルム5の画像膜面形成部を通過した紫外線等が製
版フィルム5の透明な本体部を通過して感光層2に到達
するまでの間に、該紫外線等の一部が製版フィルム本体
部によって散乱させられ、この散乱光が、硬化部7の周
囲の部分に適度に光硬化を生じさせ、部分的硬化部8を
形成する。
【0083】この後、図7(c)に示すように、製版フ
ィルム5を取り外した上で、感光層2の表側表面に現像
処理を施す。このとき、感光層2の未硬化部は除去され
(掻き取られ)、硬化部7はそのまま残存する。また、
部分的硬化部8は、適度に除去され、したがって適度に
残留する。かくして、図7(d)に示すように、部分的
硬化部8によって、凸部と凹部との間の境界部W2が断
崖絶壁状ではなくやや傾斜した状態(なだらかな状態)
となり、また角部C2が直角状ではなくやや丸みを帯び
た形状となった立体画像見本M2が得られる。すなわ
ち、前記の(1)の製版手法を用いた場合ほどはシャー
プではない凹凸形状を有する立体画像見本M2が得られ
る。したがって、角部が丸みを帯び、あるいはなだらか
に起伏する凹凸形状を有する基材を正確に表現する立体
画像見本を得ることができる。なお、この立体画像見本
2の形状は、前記の図26に示すイメージにほぼ対応
する。
【0084】(3)フィルム表側・間接配置・膜面近接
配置形態 図8(a)に示すように、この場合は、まず保護カバー
層4を取り外した上で、感光層2の表側表面に、やや厚
手の適度に光を散乱させる透明な中間フィルム9を配置
し(貼り付け)、この中間フィルム9の表面(表側)
に、製版フィルム5をその画像膜面6が中間フィルム9
に接触するような形態で配置する(貼り付ける)。そし
て、(2)の製版手法を用いた場合と同様に露光処理と
現像処理とを施す。この場合、製版フィルム5の画像膜
面形成部を通過した紫外線等が中間フィルム9を通過し
て感光層2に到達するまでの間に、該紫外線等の一部が
該中間フィルム9によって、(2)の製版手法を用いた
場合よりも強く散乱させられ、その結果硬化部7の周囲
の部分に、(2)の製版手法を用いた場合よりも大きい
部分的硬化部8が形成される。図8(b)に示すよう
に、この場合は部分的硬化部8が比較的大きいので、製
作された立体画像見本M3は、(2)の製版手法を用い
た場合よりも、角部C3がより丸みを帯び、かつ凸部と
凹部との間の境界部W3がよりなだらかとなる。
【0085】(4)フィルム表側・間接配置・膜面離反
配置形態 図9(a)に示すように、この場合は、まず保護カバー
層4を取り外した上で、感光層2の表側表面に、やや厚
手の適度に光を散乱させる透明な中間フィルム9を配置
し(貼り付け)、この中間フィルム9の表面(表側)
に、製版フィルム5をその画像膜面6が中間フィルム9
と反対方向(外側)を向くような形態で配置する(貼り
付ける)。そして、(3)の製版手法を用いた場合と同
様に露光処理を現像処理とを施す。この場合、製版フィ
ルム5の画像膜面形成部を通過した紫外線等が、中間フ
ィルム9を通過して感光層2に到達するまでの間に、該
紫外線等の一部が製版フィルム5の本体部と中間フィル
ム9とによって、(3)の製版手法を用いた場合よりも
さらに強く散乱させられ、その結果硬化部7の周囲の部
分に、(3)の製版手法を用いた場合よりもさらに大き
い部分的硬化部8が形成される。図9(b)に示すよう
に、この場合は部分的硬化部8がさらに大きいので、製
作された立体画像見本M4は、(3)の製版手法を用い
た場合よりも、角部C4がさらに丸みを帯び、かつ凸部
と凹部との間の境界部W4がさらになだらかとなる。
【0086】(5)フィルム裏側・直接配置・膜面近接
配置形態 図10(a)に示すように、この場合は感光性版材1を
前記(1)〜(4)の製版手法の場合とは上下が逆とな
るように配置した上で、ベースフィルム3の表面に、製
版フィルム5をその画像膜面6がベースフィルム3に接
触するような形態で配置する(貼り付ける)。なお、こ
の段階では、保護カバー層4はまだ取り外されない。次
に、図10(b)に示すように、製版フィルム5側から
ベースフィルム3を介して感光性版材1(感光層2)に
紫外線等を照射する。ここで、製版フィルム5の画像膜
面6が形成されていない部分(透明部分)では、紫外線
等が製版フィルム5を透過して感光層2に到達してこれ
を光硬化させ、硬化部7を形成する。他方、製版フィル
ム5の画像膜面6が形成されている部分(不透明部分)
では、紫外線等が画像膜面6によって吸収され感光層2
には到達せず、したがって感光層2のこれに対応する部
分は硬化されないままである。
【0087】この後、図10(c)に示すように製版フ
ィルム5を取り外し、感光性版材1の上下を反転した上
で保護カバー層4を取り外し、感光層2の表側表面に現
像処理を施す。このとき、感光層2の未硬化部は除去さ
れ(掻き取られ)、他方硬化部7はそのまま残存する。
かくして、図10(d)に示すように、製版フィルム5
に表示された画像すなわち基材の形状に対応する凹凸形
状(正写画像又は反転画像)を有する立体画像見本M5
が得られる。この製版手法によれば、製版フィルム5の
画像膜面形成部を通過した紫外線等がベースフィルム3
によって若干散乱されるので、(1)の製版手法を用い
た場合に比べて、立体画像見本M5の角部C5は若干丸み
を帯び、凸部と凹部との境界部W5は若干なだらかにな
る。
【0088】ところで、このように、感光性版材1の裏
側(ベースフィルム側)から製版フィルム5を介して紫
外線等を照射し、他方感光性版材1の表側から現像処理
を施す製版手法(以下、これを「裏側露光・表側現像方
式」という)では、製版フィルム5の画像膜面6の濃淡
すなわち光吸収率を変えることにより、凸部の高さを変
えることができる。以下、これを説明する。
【0089】例えば、図11(a)に示すように、光吸
収率が、100%の膜面領域R100(完全に黒い、すな
わち不透明な領域)と、75%の膜面領域R75(濃い領
域)と、50%の膜面領域R50(中間領域)と、25%
の膜面領域R25(薄い領域)と、0%の膜面領域R
0(完全に透明な領域)とからなる画像膜面6を有する
製版フィルム5が、ベースフィルム3の表面に配置され
ているとする。この場合、製版フィルム5側から感光性
版材1に紫外線等を所定時間、例えば紫外線等が直接感
光層2に照射されたときに該感光層2がちょうど光硬化
を完了するのに要する時間ないしはこれより若干長い時
間だけ照射すると、膜面領域R0では、光吸収率が0%
であるので、この領域に対応する部分は全面的に光硬化
により硬化部7となる(最終的には、完全な凸部とな
る)。
【0090】また、膜面領域R100では光吸収率が10
0%であるので、この部分では光硬化が全く起こらず、
この部分では硬化部7が形成されない(最終的には、完
全な凹部となる)。そして、膜面領域R75では光吸収率
が75%であるので、この部分では完全な透明部分と比
べて25%しか紫外線等があたらず、おおむねランバー
ト・ベールの法則に従って、感光層2の裏側表面(ベー
スフィルム側)から表側表面に向かっておよそ25%の
部分だけが光硬化により硬化部7となる。同様に、膜面
領域R50、R25では、それぞれ、感光層2の裏側表面か
ら表側表面に向かっておよそ50%、75%の部分だけ
が光硬化により硬化部7となる。
【0091】この後、図11(b)に示すように製版フ
ィルム5を取り外し、感光性版材1の上下を反転した上
で保護カバー層4を取り外し、感光層2の表側表面に現
像処理を施せば、図11(c)に示すように、完全な凹
部A1と、完全な凸部A5と、それぞれ完全な凸部A5
およそ25%、50%、75%の高さを有する凸部
2、A3、A4とを備えた立体画像見本が得られる。
【0092】かくして、製版フィルム5の画像膜面6の
光吸収率を0〜100%の間で好ましく変えることによ
り任意の高さの凸部ないしは任意の深さの凹部を形成す
ることができる。したがって、凸部の高さが種々異なる
複雑な凹凸形状を有する基材についても、その形状を正
確に表現する立体画像見本を容易にかつ迅速に製作する
ことができる。
【0093】このように、裏側露光・表側現像方式によ
れば、製版フィルム5の画像膜面6の濃淡すなわち光吸
収率を変えることにより、凸部の高さないしは凹部の深
さを任意に変えることができるので、感光性版材1(感
光層2)上に、基材の立体的な形状に対応する凹凸面
(正写画像又は反転画像)を形成することができる。こ
の場合、感光性版材1ないしは製版フィルム5を、露光
時における紫外線等の散乱が大きくなるような形態で配
置すれば、例えば図12に示すように、曲面的な(なだ
らかな)凹凸形状を形成することができる。他方、感光
性版材1ないしは製版フィルム5を、露光時における紫
外線等の散乱が小さいか、あるいは散乱しないような形
態で配置すれば、例えば図13に示すように、直線的な
(シャープな)凹凸形状を形成することができる。
【0094】(6)フィルム裏側・直接配置・膜面離反
配置形態 図14に示すように、この場合は、感光性版材1を前記
(5)の製版手法の場合と同様に配置した上で、ベース
フィルム3の表面に、製版フィルム5をその画像膜面6
がベースフィルム3と反対方向を向くよう形態で配置す
る(貼り付ける)。なお、この段階では、保護カバー層
4はまだ取り外されない。そして、この後、前記(5)
の製版手法の場合と同様に、露光処理と現像処理とを施
せば、前記(2)の製版手法の場合の作用・効果と、
(5)の製版手法の場合の作用・効果とが競合する立体
画像見本が得られる。なお、この場合も(5)の製版手
法の場合と同様に、任意の高さの凸部ないしは任意の深
さの凹部を形成することができる。
【0095】(7)フィルム裏側・間接配置・膜面近接
配置形態 図15に示すように、この場合は、感光性版材1を前記
(5)の製版手法の場合と同様に配置した上で、ベース
フィルム3の表面に、やや厚手の適度に光を散乱させる
透明な中間フィルム9を配置し(貼り付け)、この中間
フィルム9の表面(表側)に、製版フィルム5をその画
像膜面6が中間フィルム9に接触するような形態で配置
する(貼り付ける)。そして、この後、前記(5)の製
版手法の場合と同様に、露光処理と現像処理とを施せ
ば、前記(3)の製版手法の場合の作用・効果と、
(5)の製版手法の場合の作用・効果とが競合する立体
画像見本が得られる。なお、この場合も(5)の製版手
法の場合と同様に任意の高さの凸部ないしは任意の深さ
の凹部を形成することができる。
【0096】(8)フィルム裏側・間接配置・膜面離反
配置形態 図16に示すように、この場合は、感光性版材1を前記
(5)の製版手法の場合と同様に配置した上で、ベース
フィルム3の表面に、やや厚手の適度に光を散乱させる
透明な中間フィルム9を配置し(貼り付け)、この中間
フィルム9の表面(表側)に、製版フィルム5をその画
像膜面6が中間フィルム9と反対方向を向くような形態
で配置する(貼り付ける)。そして、この後、前記
(5)の製版手法の場合と同様に、露光処理と現像処理
とを施せば、前記(4)の製版手法の場合の作用・効果
と、(5)の製版手法の場合の作用・効果とが競合する
立体画像見本が得られる。なお、この場合も(5)の製
版手法の場合と同様に任意の高さの凸部ないしは任意の
深さの凹部を形成することができる。
【0097】この後、図17に示すように、前記のいず
れかの製版手法により製作された立体画像見本の裏側表
面に、硬質の軽量裏材10、例えば、ウレタン樹脂、ポ
リエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の発泡
体が貼り付けられる。この軽量裏材10により、重量を
さほど増加させることなく、立体画像見本の強度を大幅
に高めることができる。かくして、基材の形状を正確に
表現する耐久性の高い立体画像見本が得られる。
【0098】そして、図18に示すように、立体画像見
本の表側表面に、所望の塗料を用いて1色又は多色の塗
装が施されて塗膜11が形成され、さらにこの塗膜11
の上に所望の塗料を用いて1色又は多色の意匠性を有す
る転写・印刷等による塗装が施されて意匠塗膜12が形
成され、立体画像見本板が完成する。
【0099】以下、本発明にかかる立体画像型枠(感光
性樹脂型枠)及び複製立体画像物の作成方法(製作方法
ないしは製造方法)の概要を説明する。図2は、立体画
像型枠を製作(作成)した上で、該立体画像型枠を用い
て基材の正写画像又は反転画像に対応する複製立体画像
物(複製物)を製造(作成)する手順を示すフローチャ
ートである。
【0100】図2に示すように、この立体画像型枠ない
し複製立体画像物の作成方法においては、ステップS1
1で基材の形状が3次元ディジタル画像データとして取
り込まれ、ステップS12でこの3次元ディジタル画像
データが2次元ディジタル画像データに変換され、ステ
ップS13で既存の2次元ディジタル画像データが入力
され、ステップS14で2次元ディジタル画像データに
対して階調再現処理が施され、ステップS15で2次元
ディジタル画像データに対して階調修正処理が施され、
ステップS16で製版フィルムが作成されるが、これら
のステップS11〜S16における各処理は、それぞ
れ、図1に示す前記の立体画像見本の製造工程における
ステップS1〜S6での各処理と同一である。そこで、
説明の重複を避けるため、ステップS11〜S16の詳
しい説明は省略する。なお、ステップS14の階調再現
処理とステップS15の階調修正処理とは順序を入れ替
えてもよい。
【0101】かくして、ステップS17では、ステップ
S11〜S16を経て作成された製版フィルムを用いて
感光性樹脂製版(立体レリーフ画像製版)が行われ、立
体画像型枠(感光性樹脂型枠)が製作される。なお、こ
の感光性樹脂製版の詳しい手順は後で説明する。
【0102】続いて、ステップS18で立体画像型枠の
離型性が良好であるか否かが判定され、離型性が良好で
なければ(NO)、ステップS19で離型性の向上を図
るために立体画像型枠の型面に表面離型処理が施され
る。なお、離型性が良好であれば(YES)、ことさら
表面離型処理を施す必要がないので、ステップS19は
スキップする。このようにして、基材ないしは原画像の
正写画像又は反転画像に対応する凹凸形状を備えた立体
画像型枠(感光性樹脂型枠)が完成する。この立体画像
型枠の製作方法によれば、従来の立体画像型枠の製作方
法の場合のように複製材料を製作することなく、基材か
ら直接取り込まれたディジタル画像データあるいはデザ
イナー等が作成した極めて多数の基材模様ないしはデザ
イン模様のディジタル画像データ(例えば、570万種
の2次元無限任意意匠データ)に基づいて、直接的に立
体画像型枠を容易にかつ迅速に低コストで製作すること
ができる。
【0103】なお、従来の立体画像型枠の作成方法で
は、まず意匠性を有する所定の形状の凹凸面(原型凹凸
面)を備えた現物材料(例えば、天然石、レンガ等)を
準備し、この現物材料の原型凹凸面にシリコン樹脂を圧
着させた後、該シリコン樹脂を硬化させるようにしてい
る。そして、硬化したシリコン樹脂を現物材料から離型
させ、反転型凹凸面を型面とするシリコン立体画像型枠
を得るようにしている。しかしながら、このような従来
の立体画像型枠の製作方法では、前記のとおり、天然石
の切削加工、粘土細工あるいは木材の彫刻などといった
手作業で現物材料を製作しなければならないので、該現
物材料の製作に多大な労力あるいは熟練を要するといっ
た問題があった。
【0104】このようにして立体画像型枠が製作された
後、該立体画像型枠を用いて、基材と同一形状(正写画
像)の又は反転形状(反転画像)の複製立体画像物(複
写物)が製造される。この場合、まずステップS20
で、感光性樹脂製の立体画像型枠(感光性樹脂型枠)を
保存(ないしは温存)する必要があるか否かが判定さ
れ、保存する必要があればステップS21でシリコン樹
脂型枠が製作される。感光性樹脂製の立体画像型枠は、
繰り返し使用された場合破損することがあるが、この場
合は再度ステップS11〜S19を実行して、立体画像
型枠を製作しなければならない。そこで、立体画像型枠
の破損等を避けるために、これを保存(ないしは温存)
する必要がある場合は、立体画像型枠の反転形状を有す
るシリコン樹脂型枠を製作し、このシリコン樹脂型枠を
用いて、後で説明する固形型枠、金型ひいては複製立体
画像物を製作・製造するようにしている。このシリコン
樹脂型枠は、安価に製作することができ、かつ離型性
(剥離性)が良好であるといった利点をもつ。感光性樹
脂製の立体画像型枠を保存する必要がなければ(N
O)、ことさらシリコン樹脂型枠を製作する必要がない
ので、ステップS21をスキップする。なお、シリコン
樹脂型枠の具体的な製作手法は、後で説明する。
【0105】次に、ステップS22で、感光性樹脂製の
立体画像型枠又はシリコン樹脂型枠でもって直接、塑性
変形可能な材料をプレス成形し又は熱可塑性樹脂を射出
成形することが可能でありかつ好ましいか(成形可)否
かが判定される。そして、立体画像型枠又はシリコン樹
脂型枠でもって直接プレス成形又は射出成形を行うこと
が可能でありかつ好ましければ(YES)、以下の固形
型枠及び金型を製作するためのステップS23〜ステッ
プS25をスキップして、ステップS27又はステップ
S28で、立体画像型枠又はシリコン樹脂型枠でもって
直接プレス成形又は射出成形が行われる。
【0106】他方、ステップS22で感光性樹脂製の立
体画像型枠又はシリコン樹脂型枠でもって直接プレス成
形又は射出成形を行うことが不可能であるか、あるいは
可能であっても好ましくなければ(NO)、ステップS
23で固形型枠が製作される。この固形型枠の材料とし
ては、石膏等の無機材料、樹脂(例えば、光硬化樹脂)
等の有機材料、あるいはFRP等の無機材料と有機材料
の混合材料を用いることができる。ただし、後で説明す
るようにこの固形型枠から金型を製作する場合は、固形
型枠の材料は耐熱性を備えていることが必要であるの
で、耐熱性の無機材料(例えば、石膏)を用いるのが好
ましい。なお、固形型枠の具体的な製作手法は、後で説
明する。
【0107】次に、ステップS24で、固形型枠でもっ
て直接、塑性変形可能な材料をプレス成形し、又は熱可
塑性樹脂を射出成形することが可能でありかつ好ましい
か(成形可)否かが判定される。そして、固形型枠でも
って直接プレス成形又は射出成形を行うことが可能であ
りかつ好ましければ(YES)、次の金型を製作するた
めのステップS25をスキップして、ステップS27又
はステップS28で、固形型枠でもって直接プレス成形
又は射出成形が行われる。
【0108】他方、ステップS24で固形型枠でもって
直接プレス成形又は射出成形を行うことが不可能である
か、あるいは可能であっても好ましくなければ(N
O)、ステップS25で金型が製作される。この金型の
材料としては、鉄等の種々の金属材料を用いることがで
きる。なお、金型の具体的な作成手法は、後で説明す
る。
【0109】このようにして、立体画像型枠、シリコン
樹脂型枠、固形型枠あるいは金型が製作された後、ステ
ップS26で複製立体画像物をプレス成形で製造するか
否かが判定され、プレス成形であれば(YES)、ステ
ップS27で立体画像型枠、シリコン樹脂型枠、固形型
枠又は金型を用いて、塑性変形可能な材料(例えば、窯
業材料)をプレス成形することにより複製立体画像物が
製造される。他方、プレス成形でなければ(NO)、ス
テップS28で立体画像型枠、シリコン樹脂型枠、固形
型枠又は金型を用いて、熱可塑性樹脂等を射出成形する
ことにより複製立体画像物が製造される。
【0110】このようにして製造された複製立体画像物
に対して、ステップS29で塗装が施され、複製立体画
像物が完成する。
【0111】以下、ステップS17における感光性樹脂
製版の製版方法とステップS19における表面離型処理
方法とを具体的に説明するが、この感光性樹脂製版にお
ける製版手法及び感光性版材は、実質的には前記の立体
画像見本の製作におけるそれらと同一である。そこで、
以下では説明の重複を避けるため、立体画像見本の製作
の場合と共通な事項については、原則としてその説明を
省略することにする。なお、この立体画像型枠の製作に
おける感光性樹脂製版においても、立体画像見本の製造
における感光性樹脂製版の場合と同様に、製版形態とし
て次の8通りの形態を用いることができる。なお、これ
らの製版形態を組み合わせてもよい。 (1)フィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態 (2)フィルム表側・直接配置・膜面離反配置形態 (3)フィルム表側・間接配置・膜面近接配置形態 (4)フィルム表側・間接配置・膜面離反配置形態 (5)フィルム裏側・直接配置・膜面近接配置形態 (6)フィルム裏側・直接配置・膜面離反配置形態 (7)フィルム裏側・間接配置・膜面近接配置形態 (8)フィルム裏側・間接配置・膜面離反配置形態
【0112】以下、これらの製版形態における製版手法
ないしは表面離型処理手法を具体的に説明する。 (1)フィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態 図19(a)に示すように、この場合は、まず保護カバ
ー層4を取り外した上で、外部に露出している感光層2
の表側表面に、基材の反転画像又は正写画像に対応する
画像を備えた製版フィルム5を、その画像膜面6が感光
層2に接触するような形態で配置する。なお、図19
(a)に示す例では、基材の反転画像に対応する画像を
備えた製版フィルム5が用いられている。次に、図19
(b)に示すように、製版フィルム5側から感光性版材
1に紫外線等を照射する。ここで、製版フィルム5の画
像膜面6が形成されていない透明な部分では、紫外線等
が製版フィルム5を透過して感光層2に到達してこれを
光硬化させ、硬化部7を形成する。他方、製版フィルム
5の画像膜面6が形成されている部分では、紫外線等が
感光層2には到達せず、感光層2のこれに対応する部分
は硬化されないままである。
【0113】この後、図19(c)に示すように、製版
フィルム5を取り外した上で、感光層2の表側表面にブ
ラシを用いた掻き取り等による現像処理を施す。このと
き、感光層2の未硬化部は除去され、他方硬化部7はそ
のまま残存する。かくして、図19(d)に示すよう
に、製版フィルム5に表示された画像、すなわち基材の
凹凸の反転形状に対応する雌型の凹凸面13が形成され
る。つまり、基材の凸部(例えば、基材が人形である場
合は鼻)が、製版フィルム5上では暗部となり、感光性
版材1(感光層2)上では凹部となる。なお、この場合
は、フィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態におけ
る立体画像見本の製作の場合と同様に、角部がほぼ直角
状となり、また凸部と凹部との境界部がほぼ断崖絶壁状
となるシャープな雌型凹凸面13が形成される。
【0114】そして、図19(e)に示すように、雌型
の凹凸面13の上にシリコン樹脂、フッ素樹脂等の離型
処理剤14を用いて表面離型処理を施し、立体画像型枠
15を得る。ここで、表面離型処理は、凹凸面13に、
シリコン樹脂、フッ素樹脂等の離型処理剤14を塗布し
て薄い離型処理剤層14を形成するなどといった手法で
行われる。なお、立体画像型枠15の離型性がもともと
良好であれば、表面離型処理を省略することができるの
はもちろんである。
【0115】図19(a)〜(e)に示す例において
は、前記のとおり、基材の反転画像に対応する画像を備
えた製版フィルム5を用いている。しかしながら、基材
の正写画像に対応する画像を備えた製版フィルム5を用
いた場合は、図19(f)に示すように、基材の凹凸の
形状に対応する雄型の凹凸面13’が形成される。つま
り、基材の凸部(例えば、基材が人形である場合は鼻)
が、製版フィルム5上では明部となり、感光性版材1
(感光層2)上では凸部となる。このように、この複製
立体画像物の製造方法によれば、2次元ディジタル画像
データを処理(変換)して製版フィルム5のネガ・ポジ
を反転させるだけで、基材と同一の形状の複製立体画像
物と、基材とは反転した形状の複製立体画像物とのいず
れをも容易かつ迅速に製造することができる。
【0116】(2)フィルム表側・直接配置・膜面離反
配置形態 図20(a)に示すように、この場合は、まず保護カバ
ー層4を取り外した上で、感光層2の表側表面に、基材
の反転画像又は正写画像に対応する画像を備えた製版フ
ィルム5を、その画像膜面6が感光層2と反対方向(外
側)を向くような形態で配置する。なお、図20(a)
に示す例では、基材の反転画像に対応する画像を備えた
製版フィルム5が用いられている。次に、図20(b)
に示すように、製版フィルム5側から感光性版材1に紫
外線等を照射する。ここで、製版フィルム5の画像膜面
6が形成されていない透明な部分では、紫外線等が製版
フィルム5を透過して感光層2に到達してこれを光硬化
させ、硬化部7を形成する。他方、製版フィルム5の画
像膜面6が形成されている部分では、基本的には紫外線
等が感光層2には到達せず、したがって感光層2のこれ
に対応する部分は硬化されないままである。しかしなが
ら、この場合は、製版フィルム5の画像膜面形成部を通
過した紫外線等が製版フィルム5の透明な本体部を通過
して感光層2に到達するまでの間に、該紫外線等の一部
が製版フィルム本体部によって散乱させられ、この散乱
光が、硬化部7の周囲の部分に適度に光硬化を生じさ
せ、部分的硬化部8を形成する。
【0117】この後、図20(c)に示すように、製版
フィルム5を取り外した上で、感光層2の表側表面に現
像処理を施す。このとき、感光層2の未硬化部は除去さ
れ、硬化部7はそのまま残存する。また、部分的硬化部
8は、適度に除去され、したがって適度に残留する。か
くして、図20(d)に示すように、部分的硬化部8に
よって、凸部と凹部との間の境界部が断崖絶壁状ではな
くやや傾斜した状態(なだらかな状態)となり、また角
部が直角状ではなくやや丸みを帯びた形状となった雌型
の凹凸面13が形成される。そして、図20(e)に示
すように、雌型の凹凸面13にシリコン樹脂、フッ素樹
脂等の離型処理剤14を用いて表面離型処理を施し、立
体画像型枠15を得る。この場合、前記の(1)の製版
手法を用いた場合ほどはシャープではない雌型の凹凸面
13を備えた立体画像型枠15が得られる。したがっ
て、角部が丸みを帯び、あるいはなだらかに起伏する凹
凸形状を有する基材の凹凸反転物に正確に対応する立体
画像型枠を得ることができる。なお、立体画像型枠15
の離型性がもともと良好であれば、表面離型処理を省略
することができるのはもちろんである。
【0118】図20(a)〜(e)に示す例において
は、前記のとおり、基材の反転画像に対応する画像を備
えた製版フィルム5を用いている。しかしながら、基材
の正写画像に対応する画像を備えた製版フィルム5を用
いた場合は、図20(f)に示すように、基材の凹凸の
形状に対応する雄型の凹凸面13’が形成される。
【0119】(3)その他のフィルム配置形態 前記のフィルム表側・直接配置・膜面近接配置形態及び
フィルム表側・直接配置・膜面離反配置形態による製版
手法ないしは表面離型処理手法のほか、前記の立体画像
見本の製版手法の場合と同様に、その他のフィルム配置
形態を用いて製版を行うことができる。
【0120】例えば、基材の反転画像に対応する製版フ
ィルム5を用いた場合は、それぞれ、図21(a)〜
(f)に示すような形態で感光性版材1と製版フィルム
5と中間フィルム9とを配置して露光(紫外線等を照
射)することにより、フィルム表側・間接配置・膜面近
接配置形態、フィルム表側・間接配置・膜面離反配置形
態、フィルム裏側・直接配置・膜面近接配置形態、フィ
ルム裏側・直接配置・膜面離反配置形態、フィルム裏側
・間接配置・膜面近接配置形態及びフィルム裏側・間接
配置・膜面離反配置形態により製版を行うことができ
る。なお、これらのフィルム配置形態による製版により
形成される雌型の凹凸面13の形状特性は、立体画像見
本の製版において対応するフィルム配置形態を用いた場
合と同様である。なお、図示していないが、基材の正写
画像に対応する製版フィルム5を用いた場合は、雄型の
凹凸面13’が形成されるのはもちろんである。
【0121】以下、図22を参照しつつ、感光性樹脂製
の立体画像型枠15を用いて、順に、シリコン樹脂型枠
と固形型枠と金型とを製作し、該金型を用いてプレス成
型により、基材と同一形状(正写画像)を有する複製立
体画像物を製造する場合の具体的な手順を説明する。図
22に示すように、この複製立体画像物の製造工程にお
いては、まず基材の正写画像に対応する型面(基材と同
一形状)を備えた立体画像型枠15の型面(雄型の凹凸
面13’)の上にシリコン樹脂19を圧着・注入し、該
シリコン樹脂19を硬化させる(ステップE1)。次
に、硬化したシリコン樹脂19を立体画像型枠15から
離型させ、雌型の凹凸面(基材の反転形状)を型面とす
るシリコン樹脂型枠19を得る(ステップE2)。
【0122】そして、シリコン樹脂型枠19の型面の上
に、耐熱材料である石膏20を流し込み(注入し)、該
石膏20を固化させる(ステップE3)。続いて、固化
した石膏20をシリコン樹脂型枠19から離型させ、雄
型の凹凸面(基材と同一形状)を型面とする固形型枠2
0(石膏型)を得る(ステップE4)。次に、この固形
型枠20の型面(雄型の凹凸面)に溶融鉄21を流し込
んだ後、該溶融鉄21を固化させる(ステップE5)。
この後、固化した鉄を固形型枠20から離型させ、雌型
の凹凸面を型面とする金型21を得る(ステップE
6)。
【0123】さらに、金型21を用いて、半固化状の塑
性変形が可能な材料22(窯業材料)、例えば半固化状
のコンクリートにプレス成型を施す(ステップE7)。
続いて、この塑性変形が可能な材料22(窯業材料)か
ら金型21を取り外し、ないしは金型21から塑性変形
が可能な材料22(窯業材料)を取り出し、基材と同一
形状の複製立体画像物22を得る(ステップE8)。な
お、金型21を用いて、熱可塑性樹脂に射出成形を施し
て複製立体画像物22を製造するようにしてもよい。
【0124】この後、複製立体画像物22の型面(意匠
性を備えた雄型の凹凸面)に、所望の塗料を用いて1色
又は多色の塗装を施して塗膜23を形成し、さらにこの
塗膜23の上に所望の塗料を用いて1色又は多色の意匠
性を有する転写・印刷等による塗装を施して意匠塗膜2
4を形成し、塗装済み複製立体画像物25を得る(ステ
ップE9)。かくして、基材ないしは原画像の色調、形
状等を正確に表現する複製立体画像物が得られる。な
お、事情によっては、立体画像型枠15、シリコン樹脂
型枠19又は固形型枠20を用いて、プレス成形又は射
出成形により、複製立体画像物を製造してもよい。ま
た、基材の反転形状(反転画像)を有する複製立体画像
物を製造する場合は、基材の反転画像に対応する型面
(基材の反転形状)を備えた立体画像型枠15を用いれ
ばよい。
【0125】以下、図23を参照しつつ、感光性樹脂製
の立体画像型枠15を用いて、順に、固形型枠と金型と
を製作し(シリコン樹脂型枠は製作しない)、該金型を
用いてプレス成型により基材と同一形状(正写画像)を
有する複製立体画像物を製造する場合の具体的な手順を
説明する。
【0126】図23に示すように、この複製立体画像物
の製造工程においては、まず基材の反転画像に対応する
型面(基材の反転形状)を備えた立体画像型枠15の型
面(雌型の凹凸面13)の上に耐熱材料である石膏20
を流し込み、該石膏20を固化させる(ステップF
1)。続いて、固化した石膏20を立体画像型枠15か
ら離型させ、雄型の凹凸面を型面とする固形型枠20
(石膏型)を得る(ステップF2)。
【0127】この後、ステップF3〜F7で、それぞ
れ、図22に示す複製立体画像物の製造におけるステッ
プE5〜E9の場合と全く同様の処理を施し、塗装済み
の複製立体画像物25を得る。なお、事情によっては、
立体画像型枠15又は固形型枠20を用いて、プレス成
形又は射出成形により、複製立体画像物を製造してもよ
い。また、基材の反転形状(反転画像)を有する複製立
体画像物を製造する場合は、基材の正写画像に対応する
型面(基材と同一形状)を備えた立体画像型枠15を用
いればよい。
【0128】以下、本発明にかかる複製立体画像物見本
の製造方法の概要を説明する。図3は、まず立体画像型
枠を製作(作成)した上で、該立体画像型枠を用いて基
材の正写画像又は反転画像に対応する複製立体画像物見
本を製造(作成)する手順を示すフローチャートであ
る。図3に示すように、この複製立体画像物見本の製造
方法においては、ステップS31〜S37で、図2に示
す複製立体画像物の製造におけるステップS11〜S1
7の場合と同一の手法で立体画像型枠が製作される。
【0129】この後、ステップS38で、立体画像型枠
の型面の上に発泡性ウレタンが注入され、該発泡性ウレ
タンはまもなく硬化する。そして、ステップS39で、
発泡性ウレタンが立体画像型枠から離型され、複製立体
画像物見本(ウレタンレプリカ)が製作される。続い
て、ステップS40で、ウレタンレプリカに塗装が施さ
れる。
【0130】以下、図24を参照しつつ、立体画像型枠
15を用いて基材と同一形状(正写画像)を有する複製
立体画像物見本を製造する具体的な方法を説明する。図
24に示すように、この複製立体画像物見本の製造工程
においては、まず基材の反転画像に対応する型面(基材
の反転形状)を備えた立体画像型枠15の型面(雌型の
凹凸面13)の上に発泡性ウレタン16を流し込み、該
発泡性ウレタン16を硬化させる(ステップG1)。次
に、硬化した発泡性ウレタン16を立体画像型枠15か
ら離型させ、基材と同一形状の軽量のウレタンレプリカ
16を得る(ステップG2)。なお、発泡性ウレタンに
代えて、液状の光重合性組成物を用いて光硬化させても
よい。
【0131】この後、ウレタンレプリカ16の型面(意
匠性を備えた雄型の凹凸面)に、所望の塗料を用いて1
色又は多色の塗装を施して塗膜17を形成し、さらにこ
の塗膜17の上に所望の塗料を用いて1色又は多色の意
匠性を有する塗装を施して意匠塗膜18を形成し、ウレ
タンレプリカ(複製立体画像物見本)が完成する。この
ようにして、基材の形状、色調等を正確に表現する塗装
複製立体画像物見本が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる立体画像見本の製造工程を示
すフローチャートである。
【図2】 本発明にかかる立体画像型枠ないしは複製立
体画像物の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】 本発明にかかる複製立体画像物見本(ウレタ
ンレプリカ)の製造工程を示すフローチャートである。
【図4】 従来の立体画像見本の製造工程を示すフロー
チャートである。
【図5】 感光性版材の立面断面図である。
【図6】 (a)〜(d)は、フィルム表側・直接配置
・膜面近接配置形態における、立体画像見本の製作工程
を示す図である。
【図7】 (a)〜(d)は、フィルム表側・直接配置
・膜面離反配置形態における、立体画像見本の製作工程
を示す図である。
【図8】 (a)〜(b)は、フィルム表側・間接配置
・膜面近接配置形態における、立体画像見本の製作工程
を示す図である。
【図9】 (a)〜(b)は、フィルム表側・間接配置
・膜面離反配置形態における、立体画像見本の製作工程
を示す図である。
【図10】 (a)〜(d)は、フィルム裏側・直接配
置・膜面近接配置形態における、立体画像見本の製作工
程を示す図である。
【図11】 (a)〜(c)は、フィルム裏側・直接配
置・膜面近接配置形態における、立体画像見本の製作工
程を示す図であり、高さが種々異なる凸部の形成手法を
示している。
【図12】 なだらかな形状の型面を備えた立体画像見
本の立面断面図である。
【図13】 シャープな形状の型面を備えた立体画像見
本の立面断面図である。
【図14】 立体画像見本の製作におけるフィルム裏側
・直接配置・膜面離反配置形態での、感光性版材の立面
断面図である。
【図15】 立体画像見本の製作におけるフィルム裏側
・間接配置・膜面近接配置形態での、感光性版材の立面
断面図である。
【図16】 立体画像見本の製作におけるフィルム裏側
・間接配置・膜面離反配置形態での、感光性版材の立面
断面図である。
【図17】 軽量裏材を備えた立体画像見本の立面断面
図である。
【図18】 塗装済みの立体画像見本の立面断面図であ
る。
【図19】 (a)〜(f)は、フィルム表側・直接配
置・膜面近接配置形態における、立体画像型枠の製作工
程を示す図である。
【図20】 (a)〜(f)は、フィルム表側・直接配
置・膜面離反配置形態における、立体画像型枠の製作工
程を示す図である。
【図21】 (a)は立体画像型枠製作工程におけるフ
ィルム表側・間接配置・膜面近接配置形態での露光状態
を示す図であり、(b)は立体画像型枠製作工程におけ
るフィルム表側・間接配置・膜面離反配置形態での露光
状態を示す図であり、(c)は立体画像型枠製作工程に
おけるフィルム裏側・直接配置・膜面近接配置形態での
露光状態を示す図であり、(d)は立体画像型枠製作工
程におけるフィルム裏側・直接配置・膜面離反配置形態
での露光状態を示す図であり、(e)は立体画像型枠製
作工程におけるフィルム裏側・間接配置・膜面近接配置
形態での露光状態を示す図であり、(f)は立体画像型
枠製作工程におけるフィルム裏側・間接配置・膜面離反
配置形態での露光状態を示す図である。
【図22】 本発明にかかる立体画像型枠を用いた、シ
リコン型枠を作成する場合の複製立体画像物の製作工程
を示す図である。
【図23】 本発明にかかる立体画像型枠を用いた、シ
リコン型枠を作成しない場合の複製立体画像物の製作工
程を示す図である。
【図24】 本発明にかかる立体画像型枠を用いた複製
立体画像物見本の製作工程を示す図である。
【図25】 丸みもって膨らんだ円板状の基材の形状を
示す、ディスプレイ上に表示された中間調画像の写真で
ある。
【図26】 図25に示す基材の3次元ディジタル画像
データをイメージ化して示した図である。
【図27】 図26に示す3次元ディジタル画像データ
を2次元ディジタル画像データに変換して得られた2次
元画像(距離画像)の、ディスプレイ上に表示された中
間調画像の写真である。
【符号の説明】
1…感光性版材、2…感光層、3…ベースフィルム、4
…保護カバー層、5…製版フィルム、6…画像膜面、7
…硬化部、8…部分的硬化部、9…中間フィルム、10
…軽量裏材、11…塗膜、12…意匠塗膜、13…雌型
の凹凸面、13’…雄型の凹凸面、14…離型処理剤、
15…立体画像型枠、16…発泡性ウレタン、17…塗
膜、18…意匠塗膜、19…シリコン樹脂(シリコン樹
脂型枠)、20…石膏(固形型枠)、21…溶融鉄(金
型)、22…塑性変形が可能な材料(複製立体画像
物)、23…塗膜、24…意匠塗膜、25…塗装済み複
製立体画像物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦野 哲洋 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 2H096 BA05 EA02 EA04 EA23 GA01 HA30 4F213 AA33 AA44 WA02 WA04 WA53 WA56 WA67 WA73 WA87 WA97 WB01

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 意匠性を有する基材の画像に対応する3
    次元ディジタル画像データ、又は該3次元ディジタル画
    像データ及び上記画像に対応する2次元ディジタル画像
    データに基づいて生成された上記画像に対応する照射特
    性の紫外線もしくはレーザー光線又は両光線を、光硬化
    性組成物を含む感光性版材の表面に照射して、該感光性
    版材の受光部分に光硬化を生じさせ、 次に、上記感光性版材に現像処理を施し、光硬化してい
    ない部分を除去して凹部を形成するとともに、光硬化し
    た部分を残留させて凸部を形成し、上記基材の正写画像
    又は反転画像に対応する凹凸形状を表面に備えた立体画
    像見本を作成することを特徴とする立体画像見本の作成
    方法。
  2. 【請求項2】 意匠性を有する基材の画像に対応する2
    次元ディジタル画像データに基づいて生成された上記画
    像に対応する照射特性の紫外線もしくはレーザー光線又
    は両光線を、光硬化性組成物を含む感光性版材の表面に
    照射して、該感光性版材の受光部分に光硬化を生じさ
    せ、 次に、上記感光性版材に現像処理を施し、光硬化してい
    ない部分を除去して凹部を形成するとともに、光硬化し
    た部分を残留させて凸部を形成し、上記基材の反転画像
    に対応する凹凸形状を表面に備えた立体画像見本を作成
    することを特徴とする立体画像見本の作成方法。
  3. 【請求項3】 上記3次元ディジタル画像データを、1
    つの次元についての座標データを濃度データに変換する
    ことにより2次元ディジタル画像データに変換して用い
    ることを特徴とする、請求項1に記載の立体画像見本の
    作成方法。
  4. 【請求項4】 上記2次元ディジタル画像データに対し
    て階調再現処理を施し、該階調再現処理が施された2次
    元ディジタル画像データに基づいて上記光線の照射を行
    うことを特徴とする、請求項2又は3に記載の立体画像
    見本の作成方法。
  5. 【請求項5】 上記階調再現処理の前又は後に、2次元
    ディジタル画像データに対して階調修正処理を施すこと
    を特徴とする、請求項4に記載の立体画像見本の作成方
    法。
  6. 【請求項6】 上記2次元ディジタル画像データに基づ
    いて上記基材の正写画像又は反転画像に対応する第2原
    図を作成し、該第2原図を上記感光性版材の表面に配置
    し、第2原図側から上記感光性版材に上記光線を照射す
    ることを特徴とする、請求項2又は3に記載の立体画像
    見本の作成方法。
  7. 【請求項7】 上記第2原図を、上記2次元ディジタル
    画像データに対して階調再現処理を施して得られた画像
    データに基づいて作成することを特徴とする、請求項6
    に記載の立体画像見本の作成方法。
  8. 【請求項8】 上記階調再現処理の前又は後に、2次元
    ディジタル画像データに対して階調修正処理を施すこと
    を特徴とする、請求項7に記載の立体画像見本の作成方
    法。
  9. 【請求項9】 上記第2原図を、その画像膜面が上記感
    光性版材の凹凸形成表面に直接接触しないように配置
    し、第2原図側から上記感光性版材に上記光線を照射す
    ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1つに記
    載の立体画像見本の作成方法。
  10. 【請求項10】 上記第2原図を、その画像膜が形成さ
    れていない方の表面が上記感光性版材の表面に当接する
    ように配置することにより、該第2原図の画像膜面が上
    記感光性版材の凹凸形成表面に直接接触しないようにす
    ることを特徴とする、請求項9に記載の立体画像見本の
    作成方法。
  11. 【請求項11】 上記感光性版材として、その裏側表面
    に透明なベースフィルムが貼りつけられた感光性版材を
    用い、 上記第2原図を上記ベースフィルムの表面に配置し、第
    2原図側から上記ベースフィルムを介して上記感光性版
    材の裏側表面に上記光線を照射し、 この後、上記感光性版材の表側から該感光性版材に現像
    処理を施すことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか
    1つに記載の立体画像見本の作成方法。
  12. 【請求項12】 上記感光性版材として、その裏側表面
    に透明なベースフィルムが貼りつけられた感光性版材を
    用い、 上記第2原図を、その現像膜面が上記ベースフィルムの
    表面に向くように配置して、第2原図側から上記ベース
    フィルムを介して上記感光性版材の裏側表面に上記光線
    を照射し、 この後、上記感光性版材の表側から該感光性版材に現像
    処理を施すことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか
    1つに記載の立体画像見本の作成方法。
  13. 【請求項13】 上記第2原図と、上記感光性版材又は
    上記ベースフィルムとの間に、透明な中間フィルム又は
    メッシュ状の材料を介在させて、第2原図側から上記感
    光性版材に上記光線を照射することを特徴とする、請求
    項9〜12のいずれか1つに記載の立体画像見本の作成
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1つに記載
    の立体画像見本の作成方法を用いて作成された、意匠性
    を有する原画像又は基材を立体的に表象する立体画像見
    本。
  15. 【請求項15】 表側表面に塗料を用いて1色又は多色
    の塗装が施されていることを特徴とする、請求項14に
    記載の立体画像見本。
  16. 【請求項16】 上記塗装が施された表側表面に、さら
    に塗料を用いて1色又は多色の意匠性を有する塗装が施
    されていることを特徴とする、請求項15に記載の立体
    画像見本。
  17. 【請求項17】 意匠性を有する基材の画像に対応する
    3次元ディジタル画像データ、又は該3次元ディジタル
    画像データ及び上記画像に対応する2次元ディジタル画
    像データに基づいて生成された上記画像に対応する照射
    特性の紫外線もしくはレーザー光線又は両光線を、光硬
    化性組成物を含む感光性版材の表面に照射して、該感光
    性版材の受光部分に光硬化を生じさせ、 次に、上記感光性版材に現像処理を施し、光硬化してい
    ない部分を除去して凹部を形成するとともに光硬化した
    部分を残留させて凸部を形成し、上記基材の正写画像又
    は反転画像に対応する凹凸面を生成して、上記基材の正
    写画像又は反転画像に対応する型面を備えた型枠を作成
    することを特徴とする立体画像型枠の作成方法。
  18. 【請求項18】 意匠性を有する基材の画像に対応する
    2次元ディジタル画像データに基づいて生成された上記
    画像に対応する照射特性の紫外線もしくはレーザー光線
    又は両光線を、光硬化性組成物を含む感光性版材の表面
    に照射して、該感光性版材の受光部分に光硬化を生じさ
    せ、 次に、上記感光性版材に現像処理を施し、光硬化してい
    ない部分を除去して凹部を形成するとともに光硬化した
    部分を残留させて凸部を形成し、上記基材の正写画像に
    対応する凹凸面を生成して、上記基材の正写画像に対応
    する型面を備えた型枠を作成することを特徴とする立体
    画像型枠の作成方法。
  19. 【請求項19】 上記3次元ディジタル画像データを、
    1つの次元についての座標データを濃度データに変換す
    ることにより2次元ディジタル画像データに変換して用
    いることを特徴とする、請求項17に記載の立体画像型
    枠の作成方法。
  20. 【請求項20】 上記2次元ディジタル画像データに対
    して階調再現処理を施し、該階調再現処理が施された2
    次元ディジタル画像データに基づいて上記光線の照射を
    行うことを特徴とする、請求項18又は19に記載の立
    体画像型枠の作成方法。
  21. 【請求項21】 上記階調再現処理の前又は後に、2次
    元ディジタル画像データに対して階調修正処理を施すこ
    とを特徴とする、請求項20に記載の立体画像型枠の作
    成方法。
  22. 【請求項22】 上記2次元ディジタル画像データに基
    づいて上記基材の正写画像又は反転画像に対応する第2
    原図を作成し、該第2原図を上記感光性版材の表面に配
    置し、第2原図側から上記感光性版材に上記光線を照射
    することを特徴とする、請求項18又は19に記載の立
    体画像型枠の作成方法。
  23. 【請求項23】 上記第2原図を、上記2次元ディジタ
    ル画像データに対して階調再現処理を施して得られた画
    像データに基づいて作成することを特徴とする、請求項
    22に記載の立体画像型枠の作成方法。
  24. 【請求項24】 上記階調再現処理の前又は後に、2次
    元ディジタル画像データに対して階調修正処理を施すこ
    とを特徴とする、請求項23に記載の立体画像型枠の作
    成方法。
  25. 【請求項25】 上記第2原図を、その画像膜面が上記
    感光性版材の凹凸形成表面に直接接触しないように配置
    し、第2原図側から上記感光性版材に上記光線を照射す
    ることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1つ
    に記載の立体画像型枠の作成方法。
  26. 【請求項26】 上記第2原図を、その画像膜が形成さ
    れていない方の表面が上記感光性版材の表面に当接する
    ように配置することにより、該第2原図の画像膜面が上
    記感光性版材の凹凸形成表面に直接接触しないようにす
    ることを特徴とする、請求項25に記載の立体画像型枠
    の作成方法。
  27. 【請求項27】 上記感光性版材として、その裏側表面
    に透明なベースフィルムが貼りつけられた感光性版材を
    用い、 上記第2原図を上記ベースフィルムの表面に配置し、第
    2原図側から上記ベースフィルムを介して上記感光性版
    材の裏側表面に上記光線を照射し、 この後、上記感光性版材の表側から該感光性版材に現像
    処理を施すことを特徴とする、請求項22〜24のいず
    れか1つに記載の立体画像型枠の作成方法。
  28. 【請求項28】 上記感光性版材として、その裏側表面
    に透明なベースフィルムが貼りつけられた感光性版材を
    用い、 上記第2原図を、その現像膜面が上記ベースフィルムの
    表面に向くように配置して、第2原図側から上記ベース
    フィルムを介して上記感光性版材の裏側表面に上記光線
    を照射し、 この後、上記感光性版材の表側から該感光性版材に現像
    処理を施すことを特徴とする、請求項22〜24のいず
    れか1つに記載の立体画像型枠の作成方法。
  29. 【請求項29】 上記第2原図と、上記感光性版材又は
    上記ベースフィルムとの間に、透明な中間フィルム又は
    メッシュ状の材料を介在させて、第2原図側から上記感
    光性版材に上記光線を照射することを特徴とする、請求
    項25〜28のいずれか1つに記載の立体画像型枠の作
    成方法。
  30. 【請求項30】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の立体画像型枠の作成方法を用いて作成された、意匠
    性を有する原画像又は基材に対応する立体画像型枠。
  31. 【請求項31】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠で塑性変形が可能な材料をプレス成形
    して、上記基材の反転画像又は正写画像に対応する形状
    を備えた複製立体画像物を作成することを特徴とする複
    製立体画像物の作成方法。
  32. 【請求項32】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠に、固化可能な液状の無機もしくは有
    機の材料又は無機・有機混合材料を注入し、該材料を固
    化させた後これを上記立体画像型枠から離型させ、上記
    基材の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えた固
    形型枠を作成し、 上記固形型枠で、塑性変形が可能な材料をプレス成形し
    て、上記基材の正写画像又は反転画像に対応する形状を
    備えた複製立体画像物を作成することを特徴とする複製
    立体画像物の作成方法。
  33. 【請求項33】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠に、固化可能な耐熱性を有する液状の
    無機もしくは有機の材料又は無機・有機混合材料を注入
    し、該材料を固化させた後これを上記立体画像型枠から
    離型させて、上記基材の反転画像又は正写画像に対応す
    る型面を備えた固形型枠を作成し、 上記固形型枠に溶融金属材料を流し込み、該金属材料を
    固化させた後これを上記固形型枠から離型させて、上記
    基材の正写画像又は反転画像に対応する型面を備えた金
    型を作成し、 上記金型で、塑性変形が可能な材料をプレス成形して、
    上記基材の反転画像又は正写画像に対応する形状を備え
    た複製立体画像物を作成することを特徴とする複製立体
    画像物の作成方法。
  34. 【請求項34】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着して硬化
    させ、これを上記立体画像型枠から離型させて上記基材
    の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えたシリコ
    ン樹脂型枠を作成し、 上記シリコン樹脂型枠で塑性変形が可能な材料をプレス
    成形して、上記基材の正写画像又は反転画像に対応する
    形状を備えた複製立体画像物を作成することを特徴とす
    る複製立体画像物の作成方法。
  35. 【請求項35】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着して硬化
    させ、これを上記立体画像型枠から離型させて上記基材
    の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えたシリコ
    ン樹脂型枠を作成し、 上記シリコン樹脂型枠に、固化可能な液状の無機もしく
    は有機の材料又は無機・有機混合材料を注入し、該材料
    を固化させた後これを上記立体画像型枠から離型させ、
    上記基材の正写画像又は反転画像に対応する型面を備え
    た固形型枠を作成し、 上記固形型枠で、塑性変形が可能な材料をプレス成形し
    て、上記基材の反転画像又は正写画像に対応する形状を
    備えた複製立体画像物を作成することを特徴とする複製
    立体画像物の作成方法。
  36. 【請求項36】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着して硬化
    させ、これを上記立体画像型枠から離型させて、上記基
    材の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えたシリ
    コン樹脂型枠を作成し、 上記シリコン樹脂型枠に、固化可能な耐熱性を有する液
    状の無機もしくは有機の材料又は無機・有機混合材料を
    注入し、該材料を固化させた後これを上記立体画像型枠
    から離型させて上記基材の正写画像又は反転画像に対応
    する型面を備えた固形型枠を作成し、 上記固形型枠に溶融金属材料を流し込み、該金属材料を
    固化させた後これを上記固形型枠から離型させて、上記
    基材の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えた金
    型を作成し、 上記金型で、塑性変形が可能な材料をプレス成形して、
    上記基材の正写画像又は反転画像に対応する形状を備え
    た複製立体画像物を作成することを特徴とする複製立体
    画像物の作成方法。
  37. 【請求項37】 上記の塑性変形が可能な材料をプレス
    成形する工程に代えて、熱可塑性樹脂を上記立体画像型
    枠、上記シリコン樹脂型枠、上記固形型枠又は上記金型
    を用いて射出成形する工程を設けることにより、上記基
    材の正写画像又は反転画像に対応する形状を備えた複製
    立体画像物を作成することを特徴とする、請求項31〜
    36のいずれか1つに記載の複製立体画像物の作成方
    法。
  38. 【請求項38】 上記プレス成形又は射出成形の後、複
    製立体画像物表面に意匠性を有する塗装を施すことを特
    徴とする、請求項31〜37のいずれか1つに記載の複
    製立体画像物の作成方法。
  39. 【請求項39】 請求項31〜38のいずれか1つに記
    載の複製立体画像物の作成方法を用いて作成された、意
    匠性を有する上記基材の正写画像又は反転画像を立体的
    に表象する、未塗装又は塗装済みの複製立体画像物。
  40. 【請求項40】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠に固化可能な液状の軽量材料を流し込
    み、該軽量材料を固化させた後これを上記立体画像型枠
    から離型させて、上記基材の反転画像又は正写画像に対
    応する形状を備えた見本用の複製立体画像物を作成する
    ことを特徴とする複製立体画像物の作成方法。
  41. 【請求項41】 上記離型の後、複製立体画像物表面に
    意匠性を有する塗装を施すことを特徴とする、請求項4
    0に記載の複製立体画像物の作成方法。
  42. 【請求項42】 請求項40又は41に記載の複製立体
    画像物の作成方法を用いて作成された、意匠性を有する
    上記基材の反転画像又は正写画像を立体的に表象する、
    未塗装又は塗装済みの見本用複製立体画像物。
  43. 【請求項43】 請求項17〜29のいずれか1つに記
    載の方法により、基材の正写画像又は反転画像に対応す
    る型面を備えた立体画像型枠を作成し、 上記立体画像型枠の型面にシリコン樹脂を圧着して硬化
    させ、これを上記立体画像型枠から離型させて上記基材
    の反転画像又は正写画像に対応する型面を備えたシリコ
    ン樹脂型を作成し、 着色された材料を上記シリコン樹脂型の凹部に積層充填
    し、さらに固化させて着色積層材料層を作成し、 上記着色積層材料層を上記シリコン樹脂型から離型させ
    た上で平板状にして模様を発現させ、上記基材の画像に
    対応する意匠を備えた外装材を作成することを特徴とす
    る外装材の作成方法。
JP11007948A 1999-01-14 1999-01-14 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法 Pending JP2000202917A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11007948A JP2000202917A (ja) 1999-01-14 1999-01-14 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11007948A JP2000202917A (ja) 1999-01-14 1999-01-14 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000202917A true JP2000202917A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11679731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11007948A Pending JP2000202917A (ja) 1999-01-14 1999-01-14 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000202917A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7923173B1 (en) 2000-10-19 2011-04-12 Illinois Tool Works Inc. Photo definable polyimide film used as an embossing surface

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7923173B1 (en) 2000-10-19 2011-04-12 Illinois Tool Works Inc. Photo definable polyimide film used as an embossing surface

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1306140C (en) Method of forming an image with photographic likeness on chocolate
US20160332368A1 (en) Wall Smoothness, Feature Accuracy and Resolution in Projected Images via Exposure Levels in Solid Imaging
US4001062A (en) Variable scale relief reproduction process and product thereof
US3660211A (en) Plastic article and method of production
US8476000B2 (en) Method of producing a relief image from a liquid photopolymer resin
JPH0457304B2 (ja)
CN107263862A (zh) 一种制件强度可控的面成型光固化三维打印方法
US4254544A (en) Method of casting photographic representation having tonal and height contrasts and the article so cast
CN102959441A (zh) 制造二维高分子光学波导的方法
JP2000202917A (ja) 立体画像見本、立体画像型枠及び複製立体画像物並びにこれらの作成方法
US5896663A (en) Process for making jewelry utilizing a soft photopolymer
JP2003202676A (ja) 立体画像型枠及び複製立体画像の作成方法並びに該方法により作成された複製立体画像及び見本用複製立体画像
JP3253967B2 (ja) 木目導管溝の凹凸構造を再現した化粧材/エンボス版ならびにその作成方法および作成装置
JP2002187135A (ja) 樹脂成形型の製造方法およびその樹脂成形型を用いた樹脂成形品
JP2003275675A (ja) 塗装立体画像見本板
JPH1191233A (ja) 立体画像見本の作成方法及び該方法により作成された立体画像見本及び塗装立体画像見本板並びに立体画像型枠及び複製立体画像の作成方法及び該方法により作成された複製立体画像
JP2002331592A (ja) 光造形法を利用した着色造形方法および着色造形物
JP2889349B2 (ja) エンボス版の製造方法
JP2638152B2 (ja) 車両用メータの文字盤
CN110799901B (zh) 由液体光致聚合物树脂产生凸纹图像的方法
JPH01171807A (ja) 塑性物表面への画像形成方法
TW201803724A (zh) 基於柔版原型在鞋部件上端進行3d列印的方法
JP4305090B2 (ja) レンズシートおよびその製造方法
JP2000237674A (ja) 建築物壁面の塗装方法、塗装ローラ及びその製造方法
JP4072568B2 (ja) 最適な照射、積層条件による高精度光造形法