JP2000202687A - 横向エレクトロガスア―ク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ - Google Patents

横向エレクトロガスア―ク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ

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JP2000202687A
JP2000202687A JP11002421A JP242199A JP2000202687A JP 2000202687 A JP2000202687 A JP 2000202687A JP 11002421 A JP11002421 A JP 11002421A JP 242199 A JP242199 A JP 242199A JP 2000202687 A JP2000202687 A JP 2000202687A
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slag
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flux
metal
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Kazuo Mori
和夫 森
Masao Kamata
政男 鎌田
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、軟鋼及び490〜590N/mm
2 級高張力鋼などの横向エレクトロガスアーク溶接用金
属粉系フラックス入りワイヤにある。 【解決手段】 鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以
上含有するフラックスを、鋼製外皮内にワイヤ全重量に
対して10〜25重量%充填してなり、かつ、ワイヤ全
重量に対して、C:0.07〜0.20重量%、Si:
0.4〜1.0重量%、Mn:1.0〜3.5重量%、
Mg:0.1〜0.5重量%、Ti:0.1〜0.5重
量%、B:0.005〜0.015重量%、SiO2
Al23及びK2 Oを主構成としてCaO、MgO及
び酸化鉄を含む天然雲母:0.2〜1.5重量%を含有
し、さらにフラックス中にAl及びAl23 を実質的
に含有しないことを特徴とする横向エレクトロガスアー
ク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟鋼及び490〜
590N/mm2 級高張力鋼などの横向エレクトロガス
アーク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より横向エレクトロガスアーク溶接
は、軟鋼及び490〜590N/mm 2 級高張力鋼を用
いる船舶や石油備蓄タンクなどの制作に高能率な溶接方
法として採用されている。これに使用するワイヤとして
は、例えば(特開平10−113772号公報の提案に
も見られるように高溶着性が得られ、かつスラグ生成量
が極めて少なくスラグ巻き込み欠陥の防止に有利な金属
粉系フラックス入りワイヤが好ましいが、さらに、大入
熱溶接条件で行われることにより発生しやすくなる溶接
金属表面のメタル垂れ及びスラグ焼き付き、また溶接金
属の強度、靱性の低下などが問題となる。
【0003】なお、上記提案による横向エレクトロガス
アーク溶接方法は図1に示したように板厚16〜25m
mの鋼板1をレ型開先にして、開先裏面に図形裏当材
2、表面側に摺動式水冷銅当金3を配置し、揺動式トー
チ4から金属粉系フラックス入りワイヤ5を供給して、
図2に示したように大入熱溶接条件で開先内のほとんど
を1パス溶接で溶着させ溶接金属6を形成できるもので
あり(波線部で示した溶接金属上端部の仕上げビード7
は後にガスシールドアーク溶接を行う。)、溶接能率を
さらに高めたものとして注目されている。
【0004】しかるに、従来の金属粉系フラックス入り
ワイヤに関する提案は、CO2 ガスシールドアーク溶接
で問題となるスパッタ低減あるいはワイヤ自体の生産性
改善に精力が注がれていた。例えば特開昭61−169
195号公報はAl23 の添加とワイヤのC量を低く
規制することによる低スパッタ化、特開平3−2212
97号公報はフラックス中に潤滑性物質を含有させるこ
とによるワイヤ生産性の向上及び低スパッタ化を提案し
たものであり、特に大入熱溶接条件で行う横向エレクト
ロガスアーク溶接に使用した場合の上記問題点に対して
考慮されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は前記
提案によるような大入熱溶接条件で行う横向エレクトロ
ガスアーク溶接に使用した場合でも、スラグ巻き込み欠
陥が発生しにくく、メタル垂れやスラグ焼き付きが起こ
らず、溶接金属の機械的性質も良好な横向エレクトロガ
スアーク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以上含有するフラ
ックスを、鋼製外皮内にワイヤ全重量に対して10〜2
5重量%充填してなり、かつ、ワイヤ全重量に対して、
C :0.07〜0.20重量%、Si:0.4〜1.
0%重量%、Mn:1.0〜3.5重量%、Mg:0.
1〜0.5重量%、Ti:0.1〜0.5重量%、B
:0.005〜0.015重量%、SiO2 、Al2
3 及びK2 Oを主構成としCaO、MgO及び酸化鉄
を含む天然雲母:0.2〜1.5重量%を含有し、さら
にフラックス中にAl及びAl 23 を実質的に含有し
ないことを特徴とする横向エレクトロガスアーク溶接用
金属粉系フラックス入りワイヤ、及び(2)Ni:0.
2〜3.5重量%、Mo:0.1〜1.0重量%の1種
又は2種を含有することを特徴とする前記(1)記載の
横向エレクトロガスアーク溶接用金属粉系フラックス入
りワイヤにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明者らは、種々のフラックス入りワイヤを
使用して、図1に示した溶接方法で、490N/mm2
級高張力鋼及び590N/mm2 級高張力鋼を図3に示
したレ型開先とし、図2に示したように開先内のほとん
どを1パス溶接で溶着させる横向エレクトロガスアーク
溶接実験を行った。まず市販の全姿勢用や水平すみ肉用
フラックス入りワイヤを使用した場合、スラグ生成量が
多すぎて図4(a)(b)に示したように開先内溶接金
属の上側にスラグ巻き込み欠陥8が多発する。このとき
図4(b)に示したようにメタル垂れも発生しやすく溶
接金属下端部がオーバーラップ9になり、開先内の溶込
み不足や裏ビード形状が不良となる。
【0008】一方、市販の金属粉系フラックス入りワイ
ヤの場合、スラグ生成量が極めて少なくスラグ巻き込み
欠陥は格段に減少するが十分とは言えず、また図2に示
したように溶接金属の表面全体を溶融スラグ10で被包
することが出来ず、スラグ焼き付きが発生しスラグ剥離
性不良や滑らかな表面状態が得られないという欠点があ
る。即ち、横向エレクトロガスアーク溶接用の金属粉系
フラックス入りワイヤとしては、少なくとも溶接金属表
面全体を被包できるに足りるスラグ生成量が必要で、そ
の溶融スラグは凝固過程でメタル垂れを防止するように
働き、さらに溶融プールから速やかに溶接金属の表面側
に排出されてスラグ巻き込み欠陥として残留しない特性
を持つことが必要である。
【0009】本発明者らは上記観点から精力的にワイヤ
組成を検討した結果、C、Si、Mn、Ti、Mgを必
須成分として含有させ、これらの脱酸反応で生じるそれ
ぞれの酸化物を適量にし、これにSiO2 、Al23
及びK2 Oを主構成としCaO、MgO及び酸化鉄を含
む天然雲母をスラグ形成剤として含有させること、溶融
プールから溶融スラグを排出しやすくし、かつ開先内の
溶込みと裏ビードを出すためにCを高めてアークの吹き
付け力をある程度強くすること、またAl及びAl2
3 はスラグ巻き込み欠陥を非常に発生しやすくするので
これらを含有させないことが横向エレクトロガスアーク
溶接用の金属粉系フラックス入りワイヤとして好ましい
ことを見いだした。なお、大入熱溶接にともなう溶接金
属の機械的性質の劣化に対してはTi及びBの添加を必
須とし、さらにNi、Moの添加により板厚及び鋼種に
対応して安定した強度、靱性が確保出来ることを確認し
た。
【0010】以下に、本発明による横向エレクトロガス
アーク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤの限定理由
を述べる。鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以上含
有するフラックスを、鋼製外皮内にワイヤ全重量に対し
て10〜25重量%充填した金属粉系フラックス入りワ
イヤに限定した。これは、例えば板厚16〜25mmと
いうような厚板であっても、開先内のほとんどを1パス
溶接で溶着させるためには高溶着性が必要で、また上記
のようにスラグ生成量が少ない方がスラグ巻き込み欠陥
が発生し難く、かつ溶接金属の表面欠陥を防止出来るこ
とによる。
【0011】即ち、金属粉が85重量%未満では生成ス
ラグ量が多くなりスラグ巻き込み欠陥が発生しやすく、
溶着効率も低下する。フラックス充填率が10重量%未
満では高溶着性が得られず図2中に示したガスシールド
アーク溶接で行う仕上げビード部が大きくなり溶接能率
が低下する。なお、金属粉系フラックス入りワイヤにお
いてはワイヤ製造時の伸線性が問題になることを考慮し
てフラックス充填率の上限を25重量%とした。
【0012】C:0.07〜0.20重量% Cは溶接金属の機械的性質を確保する合金成分及び脱酸
剤として必須成分であるが、特に横向エレクトロガスア
ーク溶接で発生しやすいスラグ巻き込み欠陥の防止及び
開先内の十分な溶込み及び良好な裏ビードを得るために
Cを0.07重量%以上にしなければならない。Cを
0.07重量%以上に高めた場合、アークの吹き付け力
が適度に強くなり、溶融プールからの溶融スラグの排出
が促進され効果的に図2に示したようにスラグ巻き込み
欠陥8がなく、開先内の溶込みが十分に確保され裏ビー
ド形状も良好な溶接金属が得られる。Cが0.07重量
%未満ではアークの吹き付け力が弱く、スラグ巻き込み
欠陥が発生しやすくなり、また図4(b)に示したよう
に開先裏面側の溶込みが不十分な溶接金属断面形状とな
り裏ビード11も出難くなる。一方、Cが0.20重量
%を超えるとアークの吹き付け力が強くなりすぎて安定
した溶融プールが形成出来ず、スラグ巻き込み欠陥及び
メタル垂れが発生しやすくなる。
【0013】Si:0.4〜1.0重量% Siも合金成分及び脱酸剤として必須成分であるが、そ
の脱酸反応で生成するSiO2 は溶融スラグの挙動に影
響をおよぼす。Siが0.4重量%未満では溶融スラグ
中のSiO2 が不足し過剰な流動性をもった溶融スラグ
となりメタル垂れやスラグ巻き付きが発生しやすくな
る。一方、Siが1.0重量%を超えると溶融スラグの
粘性が増し排出されにくくなるためスラグ巻き込み欠陥
が発生しやすくなる。なお、Siに替えてSiO2 (珪
砂など)を含有させた場合にはスラグ巻き込み欠陥が発
生しやすくなる。また溶接金属の強度、靱性の確保に対
してもSiが0.4重量%以上であれば特に問題はない
ことを確認した。
【0014】Mn:1.0〜3.5重量% Mnも合金成分及び脱酸剤として必須成分であり、溶接
金属の機械的性質の確保及びその脱酸反応で生成するM
nOを溶融スラグ成分として利用するために1.0重量
%以上含有させる。Mnが1.0重量%未満では溶接金
属の強度、靱性が低下し、また溶接金属表面を溶融スラ
グで均一に被包することができずスラグ焼き付きが発生
しスラグ剥離性及び表面外観が不良となる。一方、Mn
が3.5重量%を超えると強度過大による靱性低下、ま
た溶融スラグの流動性が過剰となりメタル垂れ、スラグ
焼き付きが発生しやすくなる。
【0015】Mg:0.1〜0.5重量% Mgは強脱酸剤として溶接金属の酸素量を低減し靱性を
向上させる成分であり、またスラグ巻き込み欠陥、メタ
ル垂れ及びスラグ焼き付きという横向エレクトロガスア
ーク溶接における問題点を改善するために必須成分とし
て0.1〜0.5重量%の範囲に限定した。Mgを0.
1重量%以上含有させることにより溶融スラグに脱酸反
応で生成するMgOが加わり、溶融スラグは流動性が増
し、かつ凝固温度が高くなる。このような溶融スラグは
溶融プールからの溶融スラグの排出が容易となり、排出
された溶融スラグは溶接金属表面全体を被包し、さらに
速やかに凝固しメタル垂れを防止するように働く。しか
し、Mgをあまり多く含有させるとアーク状態が粗く溶
融プールが不安定になりスラグ巻き込み欠陥が多発し、
溶融スラグによる被包性も劣化するので上限を0.5重
量%に限定した。なお、Mgに替えてMgOを含有させ
た場合にはスラグ巻き込み欠陥が発生しやすくなる。
【0016】Ti:0.1〜0.5重量% Tiは強脱酸剤として溶接金属の酸素量を低減し、また
Bとの相乗効果によりミクロ組織を微細化し靱性を向上
させる成分であるが、本発明ではさらにTiによるアー
ク状態改善作用で溶融プールを安定にし、かつ脱酸反応
で生成するTiO2 を溶融スラグ成分として利用するた
めに必須成分として0.1〜0.5重量%含有させる。
Tiを酸化させてTiO2 を溶融スラグ成分とすること
により溶接金属表面を溶融スラグが均一に被包しスラグ
焼き付きがなくなり良好なスラグ剥離性とともに滑らか
な表面状態が得られる。一方、Tiが0.5重量%を超
えると溶融スラグの流動性が低下しスラグ巻き込み欠陥
が多発し、またメタル垂れが発生しやすくなり溶接金属
の下端部がオーバーラップ状になる。なお、Tiに替え
てTiO2 を含有させた場合にはスラグ巻き込み欠陥が
発生しやすくなる。
【0017】B:0.005〜0.015重量% Bは溶接中に侵入し溶接金属の靱性低下をもたらすNの
悪影響を飽和し、またミクロ組織を微細化して溶接金属
の靱性を改善するために0.005重量%以上含有させ
る。一方、Bが0.015重量%を超えると溶接金属に
高温割れが発生する危険性があるので上限を0.015
重量%に限定した。
【0018】SiO2 、Al23 及びK2 Oを主構成
としCaO、MgO及び酸化鉄を含む天然雲母:0.2
〜1.5重量% 本発明の横向エレクトロガスアーク溶接用金属粉系フラ
ックス入りワイヤは天然雲母を0.2〜1.5重量%含
有させる。特にSiO2 、Al23 及びK2Oを主構
成とし、CaO、MgO及び酸化鉄を含む天然雲母が最
適で、0.2重量%以上をスラグ形成剤として含有させ
ることによって適度の流動性をもった溶融スラグとな
り、溶融プールからの溶融スラグの排出が円滑に進みス
ラグ巻き込み欠陥の防止に効果的である。またスラグ生
成量の若干の増加は被包する溶融スラグに厚みを持たせ
ることとなり、溶接金属表面の形状、外観及びスラグ剥
離性も良好となる。しかし、上記天然雲母が1.5重量
%を超えるとスラグ生成量が多くなりすぎてスラグ巻き
込み欠陥が発生するようになるので上限を1.5重量%
に限定した。
【0019】なお、上記天然雲母の構成中にもSi
2 、Al23 及びMgO成分はあるが、これらを珪
砂、アルミナ、マグネシアなどの単体の酸化物形態の粉
末で含有させた場合にはスラグ巻き込み欠陥が発生しや
すくなる。これは上記天然雲母が鉱石であるため主構成
成分以外にCaO、MgOなどの塩基性成分及び酸化鉄
を含む複合酸化物の構造体になっていることが、横向エ
レクトロガスアーク溶接のアーク状態や溶融スラグの物
性に好ましく作用していると考えられる。フラックス中
にAl及びAl23 を含有させるとスラグ巻き込み欠
陥が特に多発するので、これらは実質的に含有させては
ならない。
【0020】Ni及びMoの1種又は2種を含有させて
板厚の増大や590N/mm2 級鋼への適用などに対応
することが出来る。Niは0.2重量%以上含有させる
ことによって溶接金属の強度、靱性改善効果が明らかに
認められるが、3.5重量%を超えると強度が高くなり
すぎて靱性が低下したり高温割れが発生しやすくなる。
Moは0.1重量%以上含有させることによって強度の
改善効果を確認出来るが、1.0重量%を超えると強度
が高くなりすぎて靱性が低下する。以上が本発明の横向
エレクトロガスアーク溶接用金属粉系フラックス入りワ
イヤの主要構成であるが、フラックス入りワイヤに一般
的に含有させるNa、Kなどのアーク安定剤、上記以外
のCu、Crなどの合金成分、脱酸剤としてZr、S、
Biなどのスラグ剥離性促進剤、弗化物や炭酸塩などの
ガス発生剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加する
ことが出来る。
【0021】鋼製外皮の材質はフラックス入りワイヤに
一般的な軟鋼、あるいは合金外皮でもよい。ワイヤ径は
1.2〜2.0mmが好ましく、シールドガスはCO3
ガス、Ar−CO3 混合ガスのいずれでもよい。なお、
本発明による金属粉系フラックス入りワイヤは大入熱溶
接条件で行う横向エレクトロガスアーク溶接における問
題点を解決したものであるが、上記のようなワイヤの特
徴は多パス溶接で行う横向エレクトロガスアーク溶接、
またガスシールドアーク溶接で行う横向溶接、下向溶接
や水平すみ肉溶接にも使用出来る。以下に実施例により
本発明の効果をさらに具体的に説明する。
【0022】
【実施例】軟鋼外皮内にフラックスを充填後、伸線加工
して表1に示したフラックス入りワイヤ(ワイヤ径1.
6mm)を試作した。表2に鋼製外皮の化学成分、表3
に天然雲母の分析値を示した。これら試作ワイヤについ
て図3に示したレ型開先試験体を用い、図1に示した要
領で自動横向エレクトロガスアーク溶接試験を行った。
表4に試験条件、表5に溶接試験結果を示す。なお、溶
接金属の機械的性質は溶接作業性およびX線透過試験結
果で問題のなかった試験体のみを実施した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】本発明によるワイヤ(記号W1〜W10)
を使用した試験No.1〜No.10、No.25、N
o.26はいずれも安定した溶融プールを形成し、スラ
グ巻き込み欠陥を調査したX線透過試験結果が良好で、
メタル垂れやスラグ焼き付きが発生しない。開先内の溶
込み及びビード形状も良好であった。また溶接金属の機
械的性質も良好であった。これに対し、試験No.11
〜No.28およびNo.29〜No.31は比較例で
ある。試験No.11(W11)はCが低すぎるワイヤ
を使用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発し、開先内
の溶込み不足とともに裏ビード形状も不良となった。
【0029】試験No.12(W12)はCが高すぎる
ワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発し、
メタル垂れも発生した。試験No.13(W13)はS
iが高すぎるワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠
陥が多発した。試験No.14(W14)はMn及びM
gが高すぎるワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠
陥が多発し、メタル垂れ、スラグ焼き付きも発生した。
試験No.15(W15)はSiが低すぎて、Mgを含
有しないワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠陥が
多発し、メタル垂れ、スラグ焼き付きも発生した。
【0030】試験No.16(W16)はTiが高すぎ
るワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠陥ガ多発
し、メタル垂れも発生した。試験No.17(W17)
はTiを含有しないワイヤを使用したためにスラグ剥離
性が劣り、溶接金属の表面の滑らかさがなく外観が悪
い。また溶接金属の靱性が低下した。試験No.18
(W18)はBが低すぎるワイヤを使用したために溶接
金属の靱性が低下した。試験No.19(W19)はB
が高すぎるワイヤを使用したために溶接金属のクレータ
ー部に高温割れが発生した。試験No.20(W20)
は天然雲母を含有しないワイヤをしたためにスラグ巻き
込み欠陥が多発し、メタル垂れ、スラグ焼き付きも発生
した。
【0031】試験No.21(W21)はAlを含有す
るワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発し
た。試験No.22(W22)はAl23 を含有する
ワイヤを使用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発し、
メタル垂れ、スラグ焼き付きも発生した。試験No.2
3(W23)はMgに替えてMgOを含有させたワイヤ
を使用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発した。試験
No.24(W24)はTiO2 、SiO2 をスラグ形
成剤として含有するワイヤを使用したためにスラグ巻き
込み欠陥が多発し、メタル垂れが発生した。また開先内
の溶込み不足とともに裏ビード形状も不良となった。試
験No.25(W2)はNiが高すぎるワイヤを使用し
たために溶接金属のクレーター部に高温割れが発生し
た。
【0032】試験No.26(W8)はフラックス充填
率が低すぎるワイヤを使用したために溶着量が少なく、
溶接金属の盛り上がりが少なくガスシールドアーク溶接
で行う仕上げビード部が大きくなったために能率が低下
した。試験No.29(W27)はSiが低すぎるワイ
ヤを使用したためにメタル垂れ及びスラグ焼き付きが発
生した。試験No.30(W28)はMnが低すぎるワ
イヤを使用したためにスラグ焼き付きが発生した。試験
No.31(W29)は天然雲母が多すぎるワイヤを使
用したためにスラグ巻き込み欠陥が多発した。
【0033】
【発明の効果】本発明は、大入熱溶接条件で行う横向エ
レクトロガスアーク溶接で特に問題となるスラグ巻き込
み欠陥、メタル垂れ及びスラグ焼き付きに対し画期的な
改善をなし、溶接金属の機械的性質も良好な金属粉系フ
ラックス入りワイヤを提供したものであり、溶接の高能
率化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横向エレクトロガスアーク溶接方法の一例を説
明するために示した図である。
【図2】本発明によるワイヤを使用して得られる溶接金
属断面と溶融スラグによる被包状態を説明するために示
した図である。
【図3】鋼板の開先形状を示した図である。
【図4】横向エレクトロガスアーク溶接における問題点
を説明するために示した図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 固形裏当て剤 3 摺動式水冷銅当て金 4 揺動式トーチ 5 金属粉系フラックス入りワイヤ 6 溶接金属 7 仕上げビード 8 スラグ巻き込み欠陥 9 メタル垂れによるオーバーラップ 10 溶融スラグ 11 裏ビード t 鋼板の板厚 G 開先間隙(Gap) a 開先角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E001 AA03 BB10 CA01 CA02 DA02 DB03 DC03 DC05 EA05 EA07 4E081 BA02 BA05 BB05 BB13 BB17 CA17 DA19 DA28 EA38 4E084 AA03 AA07 AA11 AA12 AA18 BA03 BA04 BA05 BA06 BA09 BA11 BA12 BA18 CA11 DA13 FA04 GA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以
    上含有するフラックスを、鋼製外皮内にワイヤ全重量に
    対して10〜25重量%充填してなり、かつ、ワイヤ全
    重量に対して、 C :0.07〜0.20重量%、 Si:0.4〜1.0%重量%、 Mn:1.0〜3.5重量%、 Mg:0.1〜0.5重量%、 Ti:0.1〜0.5重量%、 B :0.005〜0.015重量%、 SiO2 、Al23 及びK2 Oを主構成としCaO、
    MgO及び酸化鉄を含む天然雲母:0.2〜1.5重量
    %を含有し、さらにフラックス中にAl及びAl23
    を実質的に含有しないことを特徴とする横向エレクトロ
    ガスアーク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 Ni:0.2〜3.5重量%、Mo:
    0.1〜1.0重量%の1種又は2種を含有することを
    特徴とする請求項1記載の横向エレクトロガスアーク溶
    接用金属粉系フラックス入りワイヤ。
JP11002421A 1999-01-08 1999-01-08 横向エレクトロガスア―ク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ Withdrawn JP2000202687A (ja)

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JP11002421A Withdrawn JP2000202687A (ja) 1999-01-08 1999-01-08 横向エレクトロガスア―ク溶接用金属粉系フラックス入りワイヤ

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100532243B1 (ko) * 2001-12-17 2005-11-30 현대종합금속 주식회사 가스쉴드 아아크 용접용 플럭스 충전 와이어
EP2960000A4 (en) * 2013-02-25 2017-01-25 Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co., Ltd. Butt joint welding apparatus and method therefor

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