JP2000202630A

JP2000202630A - 溶接ワイヤ充填ペイル

Info

Publication number: JP2000202630A
Application number: JP11005988A
Authority: JP
Inventors: Yoji Toki; 洋司土岐; Haruyuki Inoue; 玄之井上
Original assignee: Daido Steel Co Ltd
Current assignee: Daido Steel Co Ltd
Priority date: 1999-01-13
Filing date: 1999-01-13
Publication date: 2000-07-25

Abstract

(57)【要約】【課題】もつれ等を生じることなくワイヤＷを常時スム
ースに引出せるようにした溶接ワイヤ充填ペイルを提供
する。【解決手段】同心状に配置された内筒６及び外筒２と、
これらの間にループ状で且つ円筒状に積層された溶接ワ
イヤＷと、この溶接ワイヤＷの上面に載置された押え治
具１０とを含み、この押え治具１０が上記外筒２の内周
面寄りに位置するリング１２と、このリング１２の内周
縁から求心状に突設され平面視で略三角形を呈する複数
のガイド片１４とを有し、各ガイド片１４がワイヤＷの
引出し方向ｈに沿って傾斜し且つ湾曲すると共に、先細
の先端部を上記内筒６の外周面に接触可能とした、溶接
ワイヤ充填ペイル１。各ガイド片１４の形状がワイヤＷ
の引出し時の動きに対応しているため、押え治具１０を
跳ね上げにくくし、引出されるワイヤＷのもつれ等を確
実に予防でき、常にスムースな溶接ワイヤの引出しを可
能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内部に溶接ワイヤ
をループ状で且つ円筒状に積層して充填すると共に、上
記溶接ワイヤの引出しをスムースにした溶接ワイヤ充填
ペイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ペイルパックワイヤと称され内
部に溶接ワイヤを充填したペイル２０は、図６(Ａ)に示
すように、円筒形の容器たる外筒２２とその中心付近に
おいて底部２３から同心に立設する内筒２６との間に、
一本の長い溶接ワイヤＷをループ状且つ円筒状に積層し
て充填している。上記溶接ワイヤＷの始端部Ｗ１は内筒
２６に貫通して係止され、その終端部Ｗ２は外筒２２の
内周面にテープ２８によって貼り付けられている。ま
た、蓋２４を外して溶接ワイヤＷをその始端部Ｗ１から
外部へ引出す際、ワイヤＷがループ形状のまま上昇する
のを防ぐため、図６(Ｂ)の平面図に示すように、ワイヤ
Ｗの上面にプラスチック等からなるリング形の押え板３
０が載置されている。

【０００３】溶接ワイヤＷは、引出し時に捻れないよう
に、予め充填の際１回巻き当りで略３６０度の撚りを引
出し時に生じる戻りと逆向きに与えたループにされてい
る。このため、ワイヤＷは各ループ毎に常に軸方向と径
方向に沿って膨張しようとする応力を内包している。従
って、引出し時にワイヤＷはループ形状のままで上昇
し、上方の図示しないコンジットチューブを通過しにく
くなったり、詰る事態を招くことがある。係る事態を防
止するため、上記押え板３０を溶接ワイヤＷの上面に載
置している。図６(Ｂ)に示すように、押え板３０は外筒
２２寄りに位置し、内筒２６と丸い開口部３２との間に
は数センチメートルの隙間を形成している。この隙間
は、外筒２２と内筒２６との間に充填された溶接ワイヤ
Ｗを径方向におけるどの位置からも開口部３２を通じて
上方に引出し易くするものである。

【０００４】しかしながら、図６(Ｃ)及び(Ｄ)に示すよ
うに、下層の溶接ワイヤＷを引出す際、押え板３０がそ
の開口部３２とワイヤＷとの摩擦で跳ね上がり、甚だし
くは内筒２６から外れて上方に飛び出すことがある。押
え板３０が跳ねたりワイヤＷの上面からなくなると、引
出されるワイヤＷはループ形状のまま上昇し、且つその
際、図５(Ｄ)の右上に示す細かなループ形状や螺旋形状
の絡みＫ(通称キンク)又はもつれを生じ易くなる。この
絡みＫ等はワイヤＷの直径が１．０mm未満の細径になる
ほど生じ易い傾向がある。絡みＫ等を有するワイヤＷは
ペイル２０上方のコンジットチューブやその先の溶接ト
ーチを通過できないため、自動溶接作業を中断せざるを
得ないという問題があった。係るワイヤＷの絡みＫを防
ぐため、押え板３０の重量を増やすことも考えられる
が、却ってワイヤＷを引出しにくくなるというという問
題もあった。

【０００５】

【発明が解決すべき課題】本発明は、以上に述べた従来
の技術における問題点を解決し、前記ループ形状や螺旋
形状の絡みやもつれを生じることなくワイヤＷを常時ス
ムースに引出せるようにした溶接ワイヤ充填ペイルを提
供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、ペイル内に充填した溶接ワイヤの上面に載
置する押え治具を引出されるワイヤの動きに対応した構
造とすること着想して成されたものである。即ち、本発
明の溶接ワイヤ充填ペイルは、同心状に配置された内筒
及び外筒と、係る内筒と外筒との間にループ状で且つ円
筒状に積層された溶接ワイヤと、この溶接ワイヤの上面
に載置された押え治具とを含み、この押え治具が上記外
筒の内周面寄りに位置するリングと、このリングの内周
縁から求心状に突設され平面視で略三角形を呈し且つ先
細の先端部を上記内筒の外周面に接触可能とした複数の
ガイド片とを有する、ことを特徴とする。

【０００７】これによれば、ペイル内から引出される溶
接ワイヤは、内筒寄りの位置と外筒寄りの位置との間を
繰返し略ジグザグ状に移動するが、上記複数のガイド片
の形状が係るワイヤの引出し時の動きに対応しているた
め、押え治具を跳ね上げにくくする。従って、引出され
る途中におけるワイヤに前記細かな絡みやもつれが生じ
るのを確実に予防でき、常にスムースな溶接ワイヤの引
出し及び長時間に渉り連続する溶接作業を可能とするこ
とができる。また、前記押え治具のガイド片が、前記リ
ングの内側を下から上に挿通する前記溶接ワイヤの引出
し方向に沿ってリングの内周縁から傾斜し且つ湾曲して
突設されている、溶接ワイヤ充填ペイルも含まれる。こ
れにより、各ガイド片の形状が更にワイヤの引出し時の
動きに対応するため、一層スムースな溶接ワイヤの引出
しを可能とする。尚、ワイヤの引出し方向とは、押え治具
の下から上に移る位置の移動方向を指し、引上げたワイ
ヤが上昇する方向と側面視で略逆向きになる。

【０００８】更に、前記押え治具が、前記複数のガイド
片を樹脂シート等の帯体の一側辺に沿って鋸刃状に連続
して形成し、上記帯体を前記リングの底面に沿って円形
に折り曲げて固定したものである、溶接ワイヤ充填ペイ
ルも含まれる。これによれば、複数のガイド片を成形し
且つリングの内周側に沿って円環状に整列することが容
易且つ迅速に行え、押え治具を安価且つ精度良く製作で
きると共に、溶接ワイヤの引出しも常にスムースに行わ
しめることが可能となる。

【０００９】また、前記押え治具が、前記リングの外周
縁に沿って立設し前記外筒の内周面に接触する柔軟な接
触帯を更に有する、溶接ワイヤ充填ペイルも含まれる。
これにより、押え治具と外筒との僅かな隙間を柔軟な接
触帯が塞ぐため、係る隙間を溶接ワイヤの終端部のみ挿
通可能とし、ワイヤの不用意な跳ね上がりを予防でき、
且つ引出しに伴う押え治具の下降をスムースならしめる
ことができる。更に、前記複数のガイド片を一側辺に沿
って鋸刃状に連続して形成した樹脂シート等の帯体の反
対側辺を前記接触帯として用いる、ワイヤ充填ペイルも
含まれる。これによれば、ガイド片及び接触帯を同じ素
材から形成でき、且つリングへの固着作業も容易化でき
るので、押え治具を一層安価且つ精度良く製作できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図１(Ａ)は溶接ワイヤ充
填ペイル１の外観を示し、全体が円筒形を呈し容器たる
外筒２と蓋４を有する。図１(Ｂ)に示すように、ペイル
１における外筒２とその中心付近において底部３から同
心に立設する内筒６との間に、一本の長い溶接ワイヤＷ
をループ状で且つ円筒状に積層して充填している。この
溶接ワイヤＷは、例えば直径０.６〜１.０mmの軟鋼、又
は、引張強さが５０ｋｇｆ/ｍｍ²の高張力鋼等からな
る。係るワイヤＷの始端部Ｗ１は内筒６に貫通して係止
され、その終端部Ｗ２は外筒２の内周面にテープ８によ
り貼り付けられている。また、蓋４を外して溶接ワイヤ
Ｗをその始端部Ｗ１から外部へ引出す際、ワイヤＷがル
ープ形状のまま上昇することを防ぐため、ワイヤＷの上
面にプラスチック等からなるリング状の押え治具１０が
載置されている。

【００１１】図１(Ｃ)の平面図に示すように、押え治具
１０は外筒２の内周面寄りに位置するリング１２と、こ
のリング１２に固定されリング１２の内周縁から求心状
に突設され図示のように略三角形を呈し且つ先細の先端
部を前記内筒６の外周面に接触可能とした複数のガイド
片１４とを有する。尚、溶接ワイヤＷの始端部Ｗ１は、
上記リング１２の内側を下から上に挿通している。上記
リング１２は、例えば塩化ビニル等のプラスチックから
なり、サイズ例は外径４８０mm、内径４２５mm、厚さ約
３mmである。また、各ガイド片１４はやや柔軟性を有す
る例えばポリエチレン製の薄いシートからなり、その先
細の先端部が内筒６を中心に図示で反時計方向に沿って
回転するように配置している。即ち、各ガイド片１４
は、ペイル１の中心線に対して約３０°程度傾斜し且つ
湾曲している。係る傾斜はワイヤＷの始端部Ｗ１の引出
し方向ｈに沿い、その傾斜角度はワイヤＷの径や材質に
応じて、大体１０〜６０度の範囲内で適宜選択される。

【００１２】図２(Ａ)及び(Ｂ)に示すように、押え治具
１０のリング１２の外周縁に沿って柔軟な接触帯１８が
立設され、その上辺は外筒２の内周面に接触可能とされ
ている。押え治具１０を溶接ワイヤＷの上面に載置した
際、この接触帯１８によってリング１２と外筒２との僅
かな隙間が塞がれる。この結果、係る隙間はワイヤの終
端部Ｗ２のみを挿通可能とするため、ワイヤＷの不用意
な跳ね上がりを防止すると共に、ワイヤＷの引出しに伴
う押え治具１０の下降を妨げることがない。尚、図２
(Ｂ)に示すように、接触帯１８と上記各ガイド片１４と
は一体の上記樹脂シートから形成されている。

【００１３】係る押え具治１０は次のようにして製作さ
れる。図２(Ｃ)に示すように、予めポリエチレン製の薄
いシート(帯体)１５を用意して、その下辺に沿って鋸刃
状に連続する複数のガイド片１４を形成する。隣接する
ガイド片１４同士間の切込みの深さは、シート１５の幅
の約６０〜８０％である。次に、各切込みの谷底間の破
線に沿ってシート１５を直角に折曲げた後、各ガイド片
１４の先端部が接近するように円形に折り曲げる。その
結果、図２(Ｄ)に示すように、シート１５の長手方向即
ち図示で略左右方向に沿って複数のガイド片１４が略求
心状に配置され、その周囲に接触帯１８が直角に立設さ
れる。そして、図２(Ｅ)に示すように、各ガイド片１４
の基部の上面にリング１２を載置し、予め何れかに塗布
した接着剤により固定すると共に、リング１２の外周縁
に接触帯１８の下辺が接着されることにより、押え治具
１０を得ることができる。

【００１４】次に、ペイル１における押え治具１０の作
用について図３により説明する。図３(Ａ)に示すよう
に、ペイル１内に充填された溶接ワイヤＷは、その始端
部Ｗ１から外筒２の上方に載せた円錐体５の頂部に一端
を取付けたコンジットチューブ７を通過し、図示しない
溶接トーチを経て溶接部に供給され、各種の溶接に利用
される。始端部Ｗ１に連なる引上げ済みワイヤＷは、ペ
イル１内のワイヤＷが押え治具１０を下から上に移動す
る引出し方向ｈとは略反対方向に上昇する。図３(Ｂ)に
示すように、押え治具１０はペイル１内に充填された溶
接ワイヤＷの上面に載置されている。押え治具１０のリ
ング１２は外筒２寄りに位置し、各ガイド片１４の先端
部は内筒６の外周面に斜めに湾曲しつつ接触している。
また、押え治具１０の接触帯１８はその上辺を外筒２の
内周面に接触させている。

【００１５】図３(Ｂ)のように、ワイヤＷを上方に引上
げる際、ワイヤＷは傾斜し且つ湾曲する各ガイド片１４
における突出側のカーブ辺に沿って摺動し、且つ円周方
向(引出し方向ｈ)に沿って略ジグザク状に動く。図３
(Ｂ)において、ワイヤＷはガイド片１４ａの先端部に押
えられつつ、引上げ方向ｈに沿って引上げられる状態に
ある。ワイヤＷがガイド片１４ａの先端部から離れる
と、ワイヤＷは図示でその右隣のガイド片１４ｂの突出
側のカーブ辺におけるリング１２寄りの位置に一旦移動
し、且つその先端部に摺動しつつ引上げられる。係る動
きを繰り返すことにより、ワイヤＷはスムースにペイル
１内から引上げられる。尚、この間において接触帯１８
は、ガイド１２と外筒２との隙間からワイヤＷが不用意
に跳ね上がることを防いでいる。この状態で、ワイヤＷ
は順次ペイル１内から引出されると共に、押え治具１０
は徐々に下降していく。

【００１６】以上のように、溶接ワイヤＷはその引出し
時に、押え治具１０のリング１２の内周縁と内筒６の外
周面との間において、やや柔軟性を有し且つその引出し
方向ｈに沿って傾斜し且つ湾曲する各ガイド片１４に案
内され、その突出するカーブ辺に沿い略ジグザグ状に動
きつつ引上げられる。即ち、従来のようにリング１２の
みでなく、その内周縁と内筒６との隙間に略求心状に複
数のガイド片１４を配置した押え治具１０を用いること
により、ワイヤＷの引出し時の動きにフィットさせたも
のである。従って、ペイル１内の何れかにおいてループ
状にして位置するワイヤＷを前記従来の絡みＫやもつれ
を生じることなく、常時スムースに引出すことができ、
長時間に渉り安定した溶接作業を連続して行うことがで
きる。

【００１７】図４は異なる形態の押え治具１１に関す
る。図４(Ａ)及び(Ｂ)に示すように、押え治具１１は前
記と同じリング１２及び接触帯１８を有すると共に、リ
ング１２の内周縁に沿って平面視で略２等辺三角形を呈
する複数のガイド片１６を求心状に配置している。図４
(Ｂ)のように、各ガイド片１６と接触帯１８は、前記シ
ート１５から一体に形成され、且つ各ガイド片１６の先
端部寄りには上面に紐出し状に突出する補強部１７が径
方向に沿って形成されている。この補強部１７を突設す
ることにより、引上げ時のワイヤＷとの摩擦に対抗し易
くなり、且つガイド片１６自体(シート１５)も薄肉化で
きる。

【００１８】図４(Ｃ)に示すように、押え治具１１はペ
イル１内に充填された溶接ワイヤＷの上面に載置され、
そのリング１２は外筒２寄りに位置し、各ガイド片１６
の先端部は内筒６の外周面に接触している。また、押え
治具１１の接触帯１８はその上辺を外筒２の内周面に接
触している。図示の状態で、ワイヤＷを上方に引上げる
と、ワイヤＷは各ガイド片１６の一辺に沿って摺動し、
且つ円周方向に沿って略ジグザク状に動く。係る動きを
繰り返すことにより、ワイヤＷはスムースにペイル１内
から引上げられる。従って、ペイル１内に押え治具１１
を用いることによっても、ペイル１内の各位置にループ
状に位置するワイヤＷを前記絡みＫやもつれを生じず、
常にスムースに引出し可能となる。しかも、押え治具１
１は各ガイド片１６が略２等辺三角形であるため、その
製作を一層簡便化することができる。

【００１９】図５は更に異なる形態の押え治具１０′に
関する。図５(Ａ)に示すように、シート１５の下辺に沿
って鋸刃状に連続する複数のガイド片１４′を形成す
る。このガイド片１４′は、長い曲線のカーブ辺と短い
直線辺を有する。次に、図５(Ｂ)に示すように、各ガイ
ド片１４′間の各切込み間の谷底辺付近に沿ってシート
１５を直角に折り曲げ、各ガイド片１４′の先端部が互
いに接近するように円形に折り曲げると、図示で略左右
方向に沿って複数のガイド片１４′が略求心状に配置さ
れ、その周囲に接触帯１８が立設される。更に、図５
(Ｃ)に示すように、各ガイド片１４′の基部の上面にリ
ング１２を載置し、接着剤により固定し、且つリング１
２の外周縁に接触帯１８の下辺を接着することにより、
押え治具１０′が得られる。

【００２０】図５(Ｄ)に示すように、押え治具１０′は
ペイル１内に充填された溶接ワイヤＷの上面に載置さ
れ、そのリング１２は外筒２寄りに位置し、各ガイド片
１４′は、ワイヤＷの引出し方向ｈに沿って傾斜し且つ
その先端部は内筒６の外周面に接触する。一方、その接
触帯１８はその上辺を外筒２の内周面に接触している。
係る状態で、ワイヤＷを上方に引上げると、ワイヤＷは
押え治具１０′の各ガイド片１４′の突出するカーブ辺
に沿って摺動し、内筒６の周周面付近で各ガイド片１
４′の先端部を跳ね上げた後、隣接するガイド片１４′
のカーブ辺に沿って移動する。即ち、ワイヤＷは円周方
向(引出し方向ｈ)に沿って略ジグザク状に動く。係る動
きにより、ワイヤＷはスムースにペイル１内から引上げ
られる。

【００２１】本発明は以上において説明した各形態に限
定されるものではない。例えば、押え治具１０等のリン
グ１２は上下に２枚以上積層可能にしたり、又はステン
レス鋼等の金属製としたり、或いは金属製と樹脂製のリ
ングを積層可能とすることによって、押え治具１０等全
体の重量を調整することもできる。また、前記ガイド片
１６の補強部１７をガイド片１４,１４′にも適用し且
つ補強部１７の向きを前記傾斜又は円周方向としたり、
或いはガイド片１４等において溶接ワイヤＷが摺動する
辺のみを上向きに緩く折り曲げることも可能である。

【００２２】更に、押え治具１０等をリング１２とガイ
ド片１４等のみとして、接触帯１８を省略することもで
きる。或いは、接触帯１８及びガイド片１４等を併有す
る形態の押え治具１０等で、両者を別々のシート等で個
別に成形した後、リング１２に接着等で固定することも
可能である。また、押え治具１０等は、リング１２及び
ガイド片１４等、或いはこれらと接触帯１８とを一体の
樹脂成形品とすることも可能である。尚、前記ペイル１
は所謂エンドレスパックであり、溶接ワイヤＷの終端部
Ｗ２と次に使用される別のペイル内のワイヤＷの始端部
Ｗ１をパット溶接で接合するが、本発明は一つのペイル
内のワイヤのみを使用するペイルにも適用される。

【００２３】

【発明の効果】以上に説明した本発明の溶接ワイヤ充填
ペイルによれば、ペイル内から引出される溶接ワイヤは
内筒とリングの内周縁との間をジグザグ状に移動し、且
つ押え治具における複数のガイド片が係るワイヤの引出
し時の動きに対応しているため、当該押え治具を跳ね上
げにくくする。従って、引出される途中におけるワイヤ
に細かな絡みやもつれが生じるのを確実に予防でき、常
時溶接ワイヤをスムースに引出せるので、長時間に渉り
連続する溶接作業を安定して行うことができる。また、
請求項３及び／又は請求項５に記載の溶接ワイヤ充填ペ
イルによれば、上記に加えて、ペイル内に装入する押え
治具を容易且つ安価に製作することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(Ａ)は本発明の溶接ワイヤ充填ペイルの外観斜
視図、(Ｂ)はその垂直断面図、(Ｃ)は(Ｂ)中のＣ−Ｃ断
面図。

【図２】(Ａ)は図１のペイル内で用いる押え治具の斜視
図、(Ｂ)はその垂直断面図、(Ｃ)〜(Ｅ)その製作工程を示
す概略図。

【図３】(Ａ)は図１のペイルの使用状態を示す概略図、
(Ｂ)は(Ａ)の一部拡大図。

【図４】(Ａ)は異なる形態の押え治具の斜視図、(Ｂ)は
その部分拡大図、(Ｃ)はこの押え治具を含むペイルの平
面図。

【図５】(Ａ)〜(Ｃ)は更に異なる形態の押え治具の製作
工程を示す概略図、(Ｄ)はこの押え治具を含むペイルの
平面図。

【図６】(Ａ)は従来の溶接ワイヤ充填ペイルの垂直断面
図、(Ｂ)は(Ａ)中のＢ−Ｂ断面図、(Ｃ)は係るペイルの
使用状態を示す垂直断面図、(Ｄ)は(Ｃ)の部分拡大斜視
図。

【符号の説明】

１……………………溶接ワイヤ充填ペイル２……………………外筒６……………………内筒１０,１０′,１１…押え治具１２…………………リング１４,１４′,１６…ガイド片１５…………………樹脂シート(帯体) １８…………………接触帯Ｗ……………………溶接ワイヤＷ１…………………始端部ｈ……………………引出し方向

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】同心状に配置された内筒及び外筒と、係る
内筒と外筒との間にループ状で且つ円筒状に積層された
溶接ワイヤと、この溶接ワイヤの上面に載置された押え
治具とを含み、上記押え治具が上記外筒の内周面寄りに位置するリング
と、このリングの内周縁から求心状に突設され平面視で
略三角形を呈し且つ先細の先端部を上記内筒の外周面に
接触可能とした複数のガイド片とを有する、ことを特徴とする溶接ワイヤ充填ペイル。
【請求項２】前記押え治具のガイド片が、前記リングの
内側を下から上に挿通する前記溶接ワイヤの引出し方向
に沿ってリングの内周縁から傾斜し且つ湾曲して突設さ
れている、ことを特徴とする請求項１に記載の溶接ワイ
ヤ充填ペイル。
【請求項３】前記押え治具が、前記複数のガイド片を樹
脂シート等の帯体の一側辺に沿って鋸刃状に連続して形
成し、上記帯体を前記リングの底面に沿って円形に折り
曲げて固定したものである、ことを特徴とする請求項１又は２に記載の溶接ワイヤ充
填ペイル。
【請求項４】前記押え治具が、前記リングの外周縁に沿
って立設し前記外筒の内周面に接触する柔軟な接触帯を
更に有する、ことを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載の溶接
ワイヤ充填ペイル。
【請求項５】前記複数のガイド片を一側辺に沿って鋸刃
状に連続して形成した樹脂シート等の帯体の反対側辺を
前記接触帯として用いる、ことを特徴とする請求項４に記載の溶接ワイヤ充填ペイ
ル。