JP2000202303A - ホ―ランダイト型光触媒および該触媒を用いた水中のフェノ―ル除去方法 - Google Patents

ホ―ランダイト型光触媒および該触媒を用いた水中のフェノ―ル除去方法

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JP2000202303A JP994499A JP994499A JP2000202303A JP 2000202303 A JP2000202303 A JP 2000202303A JP 994499 A JP994499 A JP 994499A JP 994499 A JP994499 A JP 994499A JP 2000202303 A JP2000202303 A JP 2000202303A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下水、河川水、上下水道水、工業用廃水等
に含まれる人体に有害な内分泌かく乱物質であるフェノ
ールを内分泌かく乱物質ではない直鎖状化合物であるギ
酸に転化することにより除去すること。 【解決手段】 一般式:Ax My N8-y O16(式中、A
は、K,Rb,Cs,Ca,BaおよびNaからなる群
より選ばれた1種または2種以上の元素、Mは、2価ま
たは3価金属元素、Nは、Ti、Sn、Mnをはじめと
したルチル型酸化物を形成する元素を示す。ただし、N
a元素は、MがCrの場合に限る。xおよびyは、0.
7<x≦2.0および0.7<y≦2.0を示す。)で
表され、ホーランダイト型結晶相からなり、活性金属を
担持せず、溶存酸素の共存下において選択的に内分泌か
く乱物質であるフェノールを内分泌かく乱物質ではない
ギ酸に転化することによりフェノールを除去する性能を
有する光触媒を用いて水中のフェノールを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下水、河川水、
上下水道水、工業用廃水等に含まれる人体に有害な内分
泌かく乱物質であるフェノールを内分泌かく乱物質では
ない直鎖状化合物であるギ酸に転化することにより除去
する水中のフェノール除去用光触媒と該触媒を用いた水
中のフェノール除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノールは、炭素6員環を有する芳香
族化合物であり、内分泌かく乱物質として問題視されて
いる代表例であるビスフェノールAなどの基本骨格とな
る化合物であり、多くの芳香族化合物が内分泌かく乱物
質としてあげられているなか、フェノール自体もその人
体への影響が問題視されているのみならず、触媒反応に
おいては、芳香族系内分泌かく乱物質の分解または除去
反応性を知る上で、極めて重要なモデル物質である。
【0003】従来、水中のフェノールを除去するための
方法としては、オゾン酸化処理によりフェノールを酸化
分解する方法や、微生物を用いてフェノールを分解除去
する方法が考えられているが、前者の場合には、副生成
物が多量に発生するという問題点を有しており、また、
後者の場合には、微生物を扱うという技術的な面から、
その処理費用や処理技術の難しさによリ未だ実用に至っ
ていない。
【0004】また最近になって、こうした問題点を克服
するべく、TiO2 系光触媒を用いてフェノールを分解
しようとする試みがなされているが、TiO2 系光触媒
を用いてもべンゾキノンなどの芳香族化合物をはじめと
した数種類の副生成物が発生することから、TiO2 系
光触媒とオゾン酸化法の組み合わせなどが検討されてい
る。しかし、この方法を用いることにより副生成物の発
生は低減するが、オゾン酸化処理技術と組み合わせると
いう技術的な面から、光触媒を用いるメリットである処
理の簡便性が損なわれる一方、完全には二酸化炭素以外
の副生成物を無くすことはできないなどの問題点を有し
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、例えば、地下水、河川水、上下水道水、工
業用廃水などに含まれる人体に特に有害なフェノールを
微量の光エネルギーにより除去する水中のフェノール分
解用光触媒を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水中に含ま
れるフェノールを溶存酸素の共存下において、微量の光
エネルギーを用いて、水中から除去する触媒能力を持
ち、かつ耐久性に優れた光触媒を開発するべく検討を続
けた結果、 一般式:Ax My N8-y O16(式中、Aは、K,Rb,
Cs,Ca,BaおよびNaからなる群より選ばれた1
種または2種以上の元素、Mは、2価または3価金属元
素、Nは、Ti、Sn、Mnをはじめとしたルチル型酸
化物を形成する元素を示す。ただし、Na元素は、Mが
Crの場合に限る。xおよびyは、0.7<x≦2.0
および0.7<y≦2.0を示す。)で表されるホーラ
ンダイト型結晶相からなる触媒が、水中に含まれるフェ
ノールを溶存酸素の共存下において、微量の光エネルギ
ーで選択的にギ酸に転化させて除去する能力が高く、耐
久性にも優れるものであることを見出した。
【0007】すなわち、本発明の水中のフェノール除去
用光触媒の組成は、 一般式:Ax My N8-y O16(式中、Aは、K,Rb,
Cs,Ca,BaおよびNaからなる群より選ばれた1
種または2種以上の元素、Mは、2価または3価金属元
素、Nは、Ti、Sn、Mnをはじめとしたルチル型酸
化物を形成する元素を示す。ただし、Na元素は、Mが
Crの場合に限る。xおよびyは、0.7<x≦2.0
および0.7<y≦2.0を示す。)で表され、ホーラ
ンダイト型結晶相からなる触媒でなければならない。
【0008】ホーランダイト型結晶は、一次元トンネル
構造を有する化合物である。トンネルイオンとしては、
K等のアルカリ金属イオンあるいはBa等のアルカリ土
類金属イオンがある。Naの場合には、Crと組み合わ
せて用いた場合のみホーランダイト型結晶構造をとるこ
とができるが、その他の元素と組み合わせた場合には、
当該トンネル構造が失われ、フロイデンバ一ジャイト型
結晶構造等となるので好ましくない。
【0009】xおよびyの値は、それぞれ、0.7<x
≦2.0および0.7<y≦2.0でなければならず、
この範囲を上回るかまたは下回る場合には、アルカリ金
属の酸化物または炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物ま
たは炭酸塩、2価または3価金属の酸化物およびTiの
酸化物が析出し、活性が著しく低下するために好ましく
ない。また、Baを用いる場合には、化合物中の電気的
中性条件から、M=2価ならy=xであり、M=3価な
らy=2xとすることが好ましい。
【0010】アルカリ金属とアルカリ土類金属元素を組
み合わせる場合にも、同様な理由から、0.7<x<
1.2が好ましい。
【0011】また、本発明の光触媒において用いられる
2価または3価金属元素としては、Al、Ga、Crま
たはMg等がホーランダイト型結晶構造を作る上で好ま
しい。
【0012】さらに、本発明の光触媒を用いた水中のフ
ェノール除去方法では、ホーランダイト型化合物とフェ
ノールを水中において、溶存酸素の共存のもと、光照射
下において接触させることにより、水中の内分泌かく乱
物質である芳香族系化合物であるフェノールを内分泌か
く乱物質ではない直鎖状のギ酸に高効率に転化すること
により除去することが可能である。照射する光の波長
は、紫外線より長い波長の光を用いればよく、蛍光灯ま
たは太陽光を用いることも可能であるが、波長が長い
分、反応速度が低下するので紫外線領域、特に360n
m近傍の光を用いることが効果的である。
【0013】さらに、こうした光触媒反応は、触媒表面
上でフェノールと水中に溶解している溶存酸素が室温に
おいて反応することにより進行するが、酸素のバブリン
グなどにより、酸素を水中に送り込むことにより、酸素
と触媒表面の接触を良くし、あわせて撹拌効率を向上さ
せることも反応効率を向上させるためには有効である。
【0014】水中におけるフェノールの排出基準は10
ppm程度であり、この濃度のフェノールを除去するた
めに必要とされる化学量論量の酸素の濃度も必然的に同
程度の濃度となる。そのため、処理すべきフェノールの
濃度から考えて、溶存酸素量が不足することが懸念され
る場合には、上記のとおり酸素のバブリングにより、円
滑に反応を進めることが可能となる。
【0015】本発明が対象とする水中のフェノールの濃
度については特に制限はないが、共存させる酸素の飽和
溶存量から、水中での含有量が10ppm以下の領域で
の使用が実用上好ましい。
【0016】また、本発明によるホーランダイト型触媒
に、光触媒活性な白金等の金属や酸化ルテニウムなどの
酸化物を必要に応じて担持して光触媒として使用するこ
とも可能である。
【0017】本発明における光照射方法についても特に
制限はなく、触媒を固定化した反応管の内側からでも、
外側からでも必要に応じて光照射を行うことが可能であ
る。
【0018】また、この触媒は、粉末として用いる他
に、多孔質の触媒担体や石英ガラス管、石英ガラス基板
上または代表的な光触媒であるTiO2 を繊維状にした
TiO 2 繊維や、このTiO2 繊維を2次元的に編み込
んだ布状試料、またはTiO2繊維を3次元的に成形し
た成形体などの表面にホーランダイト型触媒をコーティ
ングしてホーランダイト型結晶相の膜として用いること
ができる。
【0019】膜として用いる場合には、ホーランダイト
型触媒を分散させた水溶液または非水溶液に多孔質の触
媒担体や石英ガラス管、石英ガラス基板または代表的な
光触媒であるTiO2 繊維またはこのTiO2 繊維を2
次元的に編み込んだ布状試料またはTiO2 繊維を3次
元的に成形した成形体を浸けることにより膜を形成する
方法などがとられる。
【0020】一般式:Ax My N8-y O16(式中、A
は、K,Rb,Cs,Ca,BaおよびNaからなる群
より選ばれた1種または2種以上の元素、Mは、2価ま
たは3価金属元素、Nは、Ti、Sn、Mnをはじめと
したルチル型酸化物を形成する元素を示す。ただし、N
a元素は、MがCrの場合に限る。xおよびyは、0.
7<x≦2.0および0.7<y≦2.0を示す。)で
表される本発明の光触媒を構成するホーランダイト型触
媒の製造方法も特に限定されるものではない。
【0021】ホーランダイト型結晶相は、種々の方法に
より合成できることが知られている。例えば、固相合成
法としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素
の炭酸塩、酸化チタンおよび2価または3価金属元素の
酸化物を混合後、1200℃以上1500℃以下の温度
で焼成する方法、液相法としては、アルカリ金属または
アルカリ土類金属元素の硝酸塩、塩化チタンおよび2価
または3価金属元素の硝酸塩などの無機塩水溶液を用い
て、この混合溶液をアンモニア水またはアンモニア水と
シュウ酸アンモニウム水溶液に滴下し、沈殿を得て、そ
の沈殿を水洗、ろ過、乾燥した後、500℃以上120
0℃以下の温度で焼成する共沈法、アルコキシド法とし
ては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素および
2価または3価金属元素のメトキシド、エトキシド、ブ
トキシドなどのアルコキシドを非水溶液中で混合し、加
水分解、乾燥した後、800℃以上1200℃以下の温
度で焼成して得ることができる。
【0022】焼成温度については、1500℃以上の焼
成温度でもホーランダイト型結晶構造は安定に生成する
が、高温での焼成は、触媒の比表面積の低下を生じ、あ
まり好ましくない。また、焼成時間は、あまり長時間と
しても比表面積の低下を生じることから好ましくない。
【0023】ホーランダイト型触媒の比表面積は、1m
2 /g程度以上であれば、水中でのフェノールを溶存酸
素共存下において除去することができる。この触媒のフ
ェノール除去効率は、比表面積が大きいほど大きくな
り、特に連続流通式で処理水量が多い処理装置になった
場合には、比表面積が大きい方が好ましい。また、多孔
体構造もフェノール除去効率に重要な影響を与え、特に
メソポア領域に細孔分布を有する多孔体を用いることが
有効である。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例お
よび比較例によって限定されるものではない。
【0025】実施例1 組成がK1.7 A11.7 Ti6.3 O16になるように、酸化
チタン(キシダ化学株式会社製)、酸化アルミニウム
(キシダ化学株式会社製)および炭酸カリウム(キシダ
化学株式会社製)を秤量し、メノー乳鉢で30分混合し
た後、1200℃で2時間焼成することにより、ホ一ラ
ンダイト型K1.7 A11.7 Ti6.3 O 16の単相粉末を合
成した。
【0026】こうして得られた触媒のX線回折図を図1
に示す。また、触媒活性評価試験はバッチ式の反応装置
を用いて行った。すなわち、10ppmのフェノールを
含んだ蒸留水1リットル中に触媒1gを入れ、撹拌しな
がら15W、360nmの紫外線を照射し、一定時間ご
との水溶液中のフェノールと副生成物濃度を分析するこ
とにより実施した。その試験結果を表1〜表3に示し
た。
【0027】ただし、水中でのフェノール転化率、ギ酸
生成率、べンゾキノン生成率、マレイン酸生成率および
グリオキシル酸生成率は、(1)式から(5)式で示さ
れる式により算出した。
【0028】 フェノール転化率(%) ={( Ph0 −Pht ) /Ph0 }×100 (1式) ギ酸生成率(%) ={ギ酸t /ギ酸calc. }×100 (2式) ベンゾキノン生成率(%) ={Bzt /Bzcalc. }×100 (3式) マレイン酸生成率(%) ={MAt /MAcalc. }×100 (4式) グリオキシル酸生成率(%) ={GAt /GAcalc. }×100 (5式) ここで、 Ph0 :フェノールの初期濃度 (ppm) Pht :t時間後のフェノール濃度(ppm) ギ酸t :t時間後のギ酸濃度 (ppm) ギ酸calc:フェノールが全てギ酸に変化した場合の生成
量(ppm) Bzt :t時間後のべンゾキノン濃度(ppm) Bzcalc:フェノールが全てべンゾキノンに変化した場
合の生成量(ppm) MAt :t時間後のマレイン酸濃度(ppm) MAcalc. :フェノールが全てマレイン酸に変化した場
合の生成量(ppm) GAt :t時間後のグリオキシル酸濃度(ppm) GAcalc. :フェノールが全てグリオキシル酸に変化し
た場合の生成量(ppm) なお、各化合物の濃度は、高速液体クロマトグラフによ
り測定した。
【0029】表1〜表3の結果から分かるように、フェ
ノールは、反応初期に触媒表面に吸着したことにより、
見かけの転化率が生じたのち、二酸化炭素には変化せ
ず、フェノールの部分酸化生成物であるギ酸に転化して
いることを高速液体クロマトグラフにより確認した。ま
た、この部分酸化反応(フェノール分子に酸素を挿入す
る反応)にともない、フェノールは、水中から除去され
ることが確認された。
【0030】実施例2 組成がK2.0 Ga2.0 Sn6.0 O16になるように、酸化
ガリウム(キシダ化学株式会社製)、酸化スズ(キシダ
化学株式会社製)および炭酸カリウム(キシダ化学株式
会社製)を秤量し、メノー乳鉢で30分混合した後、1
200℃で2時間焼成することにより、ホーランダイト
型K2.0 Ga2.0 Sn6.0 O16の単相粉末を合成した。
【0031】ただし、触媒活性評価は、実施例1に準拠
して行った。その結果を表1〜表3にあわせて示した。
実施例1と同様に、フェノールは、反応初期に触媒表面
に吸着したことにより、見かけの転化率が生じたのち、
二酸化炭素には変化せず、フェノールの部分酸化生成物
であるギ酸に転化していることを高速液体クロマトグラ
フにより確認した。また、この部分酸化反応(フェノー
ル分子に酸素を挿入する反応)にともない、フェノール
は、水中から除去されることが確認された。
【0032】実施例3 組成がK1.8 Ga1.8 Sn6.2 O16になるように、カリ
ウムブトキシド(トリケミカル研究所製)、ガリウムブ
トキシド(トリケミカル研究所製)およびスズエトキシ
ド(トリケミカル研究所製)を秤量し、脱水2−メトキ
シエタノールに溶解したのち、混合したのちゾル溶液を
作製した。その後、この溶液に加水分解水を滴下し、加
水分解を行った。加水分解ゲルは、乾燥・粉砕したの
ち、1100℃で3時間焼成することにより、ホーラン
ダイト型結晶構造を有する単相粉末を合成した。
【0033】得られた触媒は、比表面積が30m2 /g
のメソポア多孔体であった。ただし、触媒活性評価は、
実施例1に準拠して行った。その結果を表1〜表3にあ
わせて示した。実施例3の場合も、実施例1および実施
例2の場合と同様に、フェノールは、溶存酸素による単
純な酸化反応により二酸化炭素に変化する過程を経るの
ではなく、フェノールの部分酸化生成物であるギ酸に選
択的に転化していることを高速液体クロマトグラフによ
り確認した。また、この部分酸化反応(メタノール分子
に酸素を挿入する反応)にともない、フェノールは、水
中から除去されることが確認された。
【0034】実施例4 組成がK1.4 Ga1.4 Sn6.6 O16になるように、カリ
ウムブトキシド(トリケミカル研究所製)、ガリウムブ
トキシド(トリケミカル研究所製)およびスズエトキシ
ド(トリケミカル研究所製)を秤量し、実施倒3の方法
に準拠して、ホーランダイト型結晶構造を有する単相粉
末を合成した。得られた触媒は、比表面積が38m2 /
gのメソポア多孔体であった。また、触媒活性評価は、
実施例1に準拠して行った。その結果を表1〜表3にあ
わせて示した。上記の実施例と同様に、フェノールの部
分酸化生成物であるギ酸に転化していることを高速液体
クロマトグラフにより確認した。また、この部分酸化反
応(フェノール分子に酸素を挿入する反応)にともな
い、フェノールは、水中から除去されることが確認され
た。
【0035】実施例5 組成がK1.8 Ga1.8 Mn6.2 O16になるように、カリ
ウムブトキシド(トリケミカル研究所製)、ガリウムブ
トキシド(トリケミカル研究所製)およびマンガンエト
キシド(トリケミカル研究所製)を秤量し、実施例3の
方法に準拠して、ホーランダイト型結晶構造を有する単
相粉末を合成した。得られた触媒は、比表面積が30m
2 /gのメソポア多孔体であった。また、触媒活性評価
は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1〜表3
にあわせて示した。
【0036】上記の実施例と同様に、フェノールの部分
酸化生成物であるギ酸に転化していることを高速液体ク
ロマトグラフにより確認した。また、この部分酸化反応
(フェノール分子に酸素を挿入する反応)にともない、
フェノールは、水中から除去されることが確認された。
【0037】実施例6 組成がNa1.8 Cr1.8 Sn6.2 O16になるように、ナ
トリウムブトキシド(トリケミカル研究所製)、クロミ
ウムブトキシド(トリケミカル研究所製)およびスズエ
トキシド(トリケミカル研究所製)を秤量し、実施例3
の方法に準拠して、ホーランダイト型結晶構造を有する
単相粉末を合成した。得られた触媒は、比表面積が20
m2 /gのメソポア多孔体であった。また、触媒活性評
価は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1〜表
3にあわせて示した。
【0038】上記の実施例と同様に、フェノールの部分
酸化生成物であるギ酸に転化していることを高速液体ク
ロマトグラフにより確認した。また、この部分酸化反応
(フェノール分子に酸素を挿入する反応)にともない、
フェノールは、水中から除去されることが確認された。
【0039】比較例1 組成がK2.5 Al2.5 Ti5.5 O16になるように、酸化
チタン(キシダ化学株式会社製)、酸化アルミニウム
(キシダ化学株式会社製)および炭酸カリウム(キシダ
化学株式会社製)を秤量し、メノー乳鉢で30分混合し
た後、1200℃で2時間焼成して、粉末を得た。得ら
れた粉末は、極微量のホーランダイト型結晶相と六チタ
ン酸カリウムおよび酸化アルミニウムからなる混相であ
った。触媒の活性評価は、実施例1に準拠して行った。
結果を表1〜表3にあわせて示す。
【0040】比較例2 組成がK0.3 Ga0.3 Sn7.7 O16になるように、酸化
スズ(キシダ化学株式会社製)、酸化ガリウム(キシダ
化学株式会社製)および炭酸カリウム(キシダ化学株式
会社製)を秤量し、メノー乳鉢で30分混合した後、1
200℃で2時間焼成して、粉末を得た。得られた粉末
は、極微量のホーランダィト型結晶相と酸化スズおよび
酸化ガリウムからなる混相であった。触媒の活性評価
は、実施例1に準拠して行った。結果を表1〜表3にあ
わせて示す。比較例1、比較例2の組成の粉末では、光
の照射時間が100時間後においても、フェノール除去
機能は小さいものであった。
【0041】比較例3 組成がK0.01Ga0.01Ti7.99O16になるように、カリ
ウムブトキシド(トリケミカル研究所製)、ガリウムブ
トキシド(トリケミカル研究所製)およびチタンエトキ
シド(トリケミカル研究所製)を秤量し、脱水2−メト
キシエタノールに溶解したのち、各溶液を混合して出発
ゾル溶液を作製した。その後、この溶液に加水分解水を
滴下し、加水分解を行った。加水分解ゲルは、乾燥・粉
砕したのち、1100℃で3時間焼成した。得られた触
媒は、主としてルチル相と微量の酸化ガリウムからなる
混合物であり、比表面積は20m2 /gであった。
【0042】また、触媒活性評価は、実施例1に準拠し
て行った。その結果を表1〜表3にあわせて示した。結
果は、表1〜表3から明らかなように、実施例の場合と
は大きく異なり、フェノールは、ギ酸に転化せず、べン
ゾキノンといった芳香族系化合物をはじめ、マレイン
酸、グリオキシル酸といった副生成物への転化が認めら
れた。芳香族化合物であるフェノールが、同じ芳香族で
あるベンゾキノンなどへ転化していることから、比較例
3の組成物の環境浄化機能面における有用性は、極めて
低いものと考えられた。
【0043】なお、表1〜表3において、比較例3の副
生成物の生成率の合計が、フェノール除去率に一致しな
い部分が認められたが、その差分が二酸化炭素に転化し
たものと推察された。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製された触媒のX線回折図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/34 B01J 23/34 M C02F 1/32 C02F 1/32 1/58 1/58 F 1/72 101 1/72 101 (72)発明者 藤本 憲次郎 茨城県つくば市並木1丁目1番 科学技術 庁無機材質研究所内 Fターム(参考) 4D037 AA02 AA05 AA11 AB11 AB16 BA18 CA12 4D038 AA02 AA04 AA08 AB11 BA02 BB06 BB07 BB16 4D050 AA02 AA13 AB15 BB01 BC06 BC09 BD08 4G069 AA02 AA08 BA36A BA48A BB06A BB06B BC02A BC03A BC03B BC05A BC06A BC09A BC13A BC16B BC17B BC22A BC22B BC50A BC50B BC58B BC62A BC62B CA05 CA07 CA10 CA11 EA01Y EA03Y EA09 EC02Y EC09Y EC22X FA01 FB07 FB09 FB30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Ax My N8-y O16(式中、A
    は、K,Rb,Cs,Ca,BaおよびNaからなる群
    より選ばれた1種または2種以上の元素、Mは、2価ま
    たは3価金属元素、Nは、Ti、Sn、Mnをはじめと
    したルチル型酸化物を形成する元素を示す。ただし、N
    a元素は、MがCrの場合に限る。xおよびyは、0.
    7<x≦2.0および0.7<y≦2.0を示す。)で
    表され、ホーランダイト型結晶相からなり、活性金属を
    担持せず、溶存酸素の共存下において選択的に内分泌か
    く乱物質であるフェノールを内分泌かく乱物質ではない
    ギ酸に転化することによりフェノールを除去する性能を
    有することを特徴とする水中のフェノール除去用光触
    媒。
  2. 【請求項2】 上記ホーランダイト型化合物とフェノー
    ルを水中において、溶存酸素の共存のもと、光照射下に
    おいて接触させることにより、水中の内分泌かく乱物質
    であるフェノールを内分泌かく乱物質ではないギ酸に転
    化することにより水中から除去することを特徴とする水
    中のフェノール除去方法。
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