JP2000201677A - 8型脊髄小脳性運動失調及び検査方法 - Google Patents

8型脊髄小脳性運動失調及び検査方法

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JP2000201677A JP11306628A JP30662899A JP2000201677A JP 2000201677 A JP2000201677 A JP 2000201677A JP 11306628 A JP11306628 A JP 11306628A JP 30662899 A JP30662899 A JP 30662899A JP 2000201677 A JP2000201677 A JP 2000201677A
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    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Abstract

(57)【要約】 本発明は単離された8型脊髄小脳性運動失調症(SCA
8)コード配列のリピート領域を含む染色体13の長腕
内に位置する単離された核酸分子、及びこの核酸分子の
相補体を提供する。このリピート領域の同定を基礎とす
る診断方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野及び従来の技術】運動失調症
(ataxia)は小脳、脳幹及び脊髄小脳管を多様に
冒す神経変性病の臨床的且つ遺伝学的に不均質なグルー
プである。いく例かの運動失調症及びその他の神経学的
疾患にとってトリヌクレオチドリピートの拡張(exp
ansion)がその突然変異機構の原因であることが
示されている。これらの病気に関係する病理の原因とな
る基礎的な分子機構は3つの広いカテゴリーに属する。
第一に、トリプレットリピート疾患の最大のグループは
ポリグルタミントラクトに翻訳されるCAG拡張に関係
するものである。ポリグルタミン拡張により惹起される
病気には脊髄及び延髄筋萎縮、ハンチングトン病、並び
に5種類の形態の優性遺伝脊髄小脳性運動失調症(SC
A)が挙げられる。第二グループはぜい弱性X精神遅退
を惹起する5’CCG拡張及びフリードリッヒ運動失調
症の原因となるイントロンGAA拡張を包含する。これ
らは共に対応のタンパク質生成物の発現の低下をもたら
す。最後に、第三のグループは筋緊張性ジストロフィー
−タンパク質キナーゼコード配列の3’未翻訳領域内の
拡張CTGリピートを包含する。このリピートは筋緊張
性ジストロフィーを惹起するが、どのようにしてこの突
然変異が分子レベル効果を発揮するかは解明されていな
い。
【0002】運動失調症は優性もしくは劣性遺伝である
か、又は家系病歴なしで現れることがありうる。成人発
症性優性脊髄小脳性運動失調症(SCA)のうち、7種
類の遺伝子座がマッピングされている (S. GispertらNa
ture Genet., 4, 295-299 (1993) ; Y. TakiyamaらNatu
re Genet., 4, 300-304 (1993) ; K. Gardner らNeurol
ogy, 44, A361 (1994) ; S. Nagafuchi らNature Gene
t., 6, 14-18 (1994) ;L. P. W. Ranum らNature Gene
t., 8, 280-284 (1994) ; A. Benomar らNatureGenet.,
10, 84-88 (1995) ; L. G. GouwらNature Genet., 10,
89-93 (1995); O. ZhuchenkoらNature Genet., 15, 62
-69 (1997))。優性運動失調症の約60%がSCA1,
2,3,6又は7遺伝子座のトリヌクレオチドCAGリ
ピートにおける拡張に由来する (S. NagafuchiらNature
Genet., 6, 14-18 (1994) ; O.Zhuchenko らNature Ge
net., 15, 62-69 (1997) ; H. T. Orr らNature Gene
t.,4, 211-226 (1993) ; Y. Kawaguchi らNature Gene
t., 8, 221-228 (1994) ; R. Koide らNature Genet.,
6, 9-13 (1994) ; G. Imbert らNature Genet., 14,285
-291 (1996) ; S. -M. PulstらNature Genet., 14, 269
-276 (1996) ; K. Sanpei らNature Genet., 14, 277-2
84 (1996) ; G. DavidらNature Genet., 17,65-70 (199
7) ; M. D. KoobらNature Genet., 18, 72-75 (198
8))。残り40%の遺伝子的に特定されていない優性家
系間での実質的な臨床変動は、数多くの他の運動失調症
コード配列が同定されずに残っていることを示唆する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】運動失調症コード配列
の同定はかかる病気を患う個体の診断のための改善され
た方法を提供でき、そして運動失調症の出生前/発症前
診断又はより良い分類の可能性を高める。
【0004】
【課題を解決するための手段】運動失調症の症状を示す
個体が脊髄小脳性運動失調症を患っているか否かを決定
するために、その個体において存在するSCA1,SC
A2,SCA3,SCA6又はSCA7コード配列のC
AGリピートの数を決定することができる。これと同じ
タイプの検査を、個人が将来において脊髄小脳性運動失
調症の症状を発症しうるかの発症前同定のために利用で
きうる。一般に、特定のSCAコード配列におけるCA
Gリピートの概ね多い数は個体が脊髄小脳性運動失調症
を患っているか、又は将来において脊髄小脳性運動失調
症の症状を発症しうるかどうかを示唆する。脊髄小脳性
運動失調症の指標であるCAGリピートの数はSCAの
タイプによって一般に異なる。既知のタイプのSCAの
このようなコード配列それぞれは中断のないグルタミン
アミノ酸トラクト(ポリグルタミントラクト)を含むポ
リペプチドをコードする。しかしながら、SCA1,S
CA2,SCA3,SCA6及びSCA7コード配列が
原因となる優性運動失調症は約60%にすぎない。
【0005】8番目の脊髄小脳性運動失調症、8型脊髄
小脳性運動失調症のコード配列が同定及び単離された。
このコード配列をSCA8と称する。驚くべきことに、
SCA1,SCA2,SCA3,SCA6及びSCA7
コード配列によりコードされるmRNAはリピートを含
み、そしてタンパク質へと翻訳されるが、SCA8コー
ド配列によりコードされるmRNAはリーディングクレ
ーム全てにおいて停止コドンを有するリピートを含む。
その結果、翻訳されるようなタンパク質は同定されてい
ない。SCA8コード配列の単離は脊髄小脳性運動失調
症の更なるタイプ、即ち、8型脊髄小脳性運動失調症の
診断を可能にする。
【0006】SCA8コード配列は多形性CTAリピー
ト及びCTGリピートを含む。この2種類のリピートは
約1.2kbのフラグメント内に位置し、一般にその候補
領域の制限酵素EcoRIによる消化により生成され
る。一般に、CTAリピートは不安定であり、そして異
なる家系の個体間で変動するが、典型的にはリピート領
域内のCTAリピートの数は一家系内の個体間で変わら
ない。CTGリピートは不安定であり、そして典型的に
は8型脊髄小脳性運動失調症を有する個体間又は8型脊
髄小脳性運動失調症の発症のおそれのある者の間で変わ
る(即ち、拡張しているか又は収縮している)。かかる
CTGリピートの数の変動は異なる家系の個体間及び一
の家系内の個体間(即ち、一の世代と次の世代との間、
及び同胞間)の双方で起こりうる。例えば、これらのリ
ピートを含む領域のPCR分析は、改変したリピートの
サイズと、少なくとも一つの8型脊髄小脳性運動失調症
の症状を示す危険率との間での相関を実証する。このよ
うな結果はSCA8が、例えばSCA1、ぜい弱性X症
候群、筋緊縮性ジストロフィー、X−連鎖型脊髄延髄筋
萎縮及びハンチング病に関連する遺伝性運動失調症と同
様に、少なくとも一組の不安定なトリヌクレオチドリピ
ートの拡張を包含する突然変異機構を示す。
【0007】本発明は単離した8型脊髄小脳性運動失調
症(SCA8)コード配列のリピート領域を含む単離さ
れた核酸分子(当該コード配列は染色体13の長腕内に
位置する)及び当該核酸分子の相補体を提供する。好ま
しくは、この核酸はDNAであり、そしてそれはゲノム
DNAでもcDNAでもよい。一定の態様において、S
CA8コード配列はリピート領域が後続するSEQ I
D NO:1のヌクレオチド1〜448を含んで成る。
別の態様において、このSCA8コード配列はリピート
領域が先行するSEQ ID NO:1のヌクレオチド
726〜1,159を含んで成る。かかる核酸分子の例
はSEQ ID NO:1,SEQ ID NO:2及
びSEQ ID NO:3に記載されている。
【0008】好適な態様において、本発明はSEQ I
D NO:1の1〜448を含んで成る単離された核酸
分子及びそれに対する相補体を提供する。別の好適な態
様はSEQ ID NO:1のヌクレオチド1〜448
を含んで成り、そして更にはリピート領域を含んで成る
単離された核酸分子、及びその相補体を含む。更なる別
の好適な態様は、SEQ ID NO:1の726〜
1,159を含んで成る単離された核酸分子及びその相
補体である。かかる分子は必要ならベクターに組込まれ
ていてよい。
【0009】本発明はプローブ及び/又はプライマーと
して利用できる単離されたオリゴヌクレオチドも提供す
る。一の態様において、この単離されたオリゴヌクレオ
チドはSEQ ID NO:1のヌクレオチド1〜44
8に由来する少なくとも15個のヌクレオチド及びその
相補性ヌクレオチドを含む。別の態様において、この単
離されたオリゴヌクレオチドはSEQ ID NO:1
のヌクレオチド726〜1,159由来の少なくとも1
5個のヌクレオチド含んで成り、その相補性ヌクレオチ
ドも含まれる。
【0010】別の態様において、本発明は単離されたS
CA8コード配列のリピート領域を含む核酸分子にハイ
ブリダイズする単離されたオリゴヌクレオチドを提供す
る。かかるオリゴヌクレオチドは少なくとも約11個の
ヌクレオチドを含む。更なる別の態様において、本発明
は異種ベクター配列に作用可能式に連結されたSEQI
D NO:1のヌクレオチドを含んで成る単離された組
換ベクターを提供する。
【0011】本発明は更に方法を提供する。一の態様に
おいて、本発明はSCA8コード配列の危険性を有する
アレル内に位置するDNAフラグメントの存在を検出す
るための方法を提供し、この方法は当該SCA8コード
配列のリピート領域を含むDNAフラグメントの独立の
相補DNA分子をモル過剰量の2種類のオリゴヌクレオ
チドで処理し;当該プライマーを伸長させて前記リピー
ト領域を含む所望のDNAフラグメントを合成するため
の鋳型を担う相補プライマー伸長生成物を形成し;そし
てCTGリピートを含んで成るリピート領域についてこ
の増幅したDNAフラグメントを分析する;ことを含ん
で成る。好ましくは、この2種類のオリゴヌクレオチド
プライマーの第一オリゴヌクレオチドプライマーはSE
Q IDNO:1のヌクレオチド1〜448から選ば
れ、そしてこの2種類のオリゴヌクレオチドプライマー
の第二のオリゴヌクレオチドプライマーはSEQ ID
NO:1のヌクレオチド726〜1,159に相補性の
ヌクレオチドから選ばれ、ここで各プライマーは少なく
とも11個のヌクレオチドを有するものとする。より好
ましくは、この第一オリゴヌクレオチドプライマーはS
EQ ID NO:5,SEQ ID NO:8及びS
EQ ID NO:4から成る群より選ばれ、そしてこ
の第二オリゴヌクレオチドプライマーはSEQ ID
NO:6,SEQ ID NO:9及びSEQ ID
NO:12から成る群より選ばれる。この方法は、個体
が8型脊髄小脳性運動失調症を患うか、又はそれを発症
するおそれがあるかを決定するためのキットを利用して
実施してよく、かかるキットも本発明により提供され
る。かかるキットは上記のプライマーを含む。好ましく
は、この分析段階は(CTG)n リピート(ここでnは
少なくとも約80である)を含んで成るリピート領域を
分析することを含んで成る。より好ましくは、この分析
段階は組合せ((CTG)/(CTA))n リピート
(CTGとCTAリピートの合計)(ここでnは少なく
とも約92である)を含んで成るリピート領域を分析す
ることを含んで成る。
【0012】本発明はSCA8コード配列のリピート領
域を含む少なくとも一のDNA分子の存在を検出するた
めの別の方法を提供する。この方法は:ゲノムDNAを
制限エンドヌクレアーゼで消化してDNAフラグメント
を得;このDNAフラグメントを変性させてDNA分子
にし、そしてそのDNA分子をハイブリダイゼーション
条件下で、単離されたSCA8コード配列のリピート領
域を含むDNA分子にハイブリダイズする検出可能ラベ
ル化プローブでプロービングし;当該DNA分子にハイ
ブリダイズしたプローブを検出し;そして当該DNA分
子を正常又は危険状態にあるSCA8コード配列の特徴
的なリピート領域について分析する;ことを包括する。
好ましくは、このプローブはSEQ ID NO:1の
ヌクレオチド1〜448から選ばれるか、又はSEQ
ID NO:1のヌクレオチド726〜1,159又は
その相補体から選ばれ、ここでこのプローブは少なくと
も20個のヌクレオチドを有する。別の態様において、
このプローブはSEQ ID NO:1のヌクレオチド
19〜449又はその相補体を含んで成る。この方法
は、個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患うか又はその
発症のおそれがあるかを検査するためのキットで実施し
てよく、かかるキットも本発明により提供される。この
キットはSEQ ID NO:1のヌクレオチド1〜4
48から選ばれるプローブ又はSEQ ID NO:1
のヌクレオチド726〜1,159又はその相補体から
選ばれるプローブを含む。ここで各プローブは少なくと
も20個のヌクレオチドを有する。好ましくは、この方
法において、分析段階は(CTG)n リピート(ここで
nは少なくとも約80である)を含んで成るリピート領
域を分析することを含んで成る。より好ましくは、この
分析段階は組合せ((CTG)/(CTA))n リピー
ト(ここでnは少なくとも約92である)を含んで成る
リピート領域を分析することを含んで成る。
【0013】個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患う又
はその発症の危険性があるかを決定するための別の方法
は8型脊髄小脳性運動失調症のリピート領域を分析する
ことを包含し、ここで8型脊髄小脳性運動失調症を発症
する危険性のない者は当該リピート領域の中に80未満
のCTGリピートしか有さない。
【0014】本発明の更なる別の方法はSCA8コード
配列の危険性のあるアレル内に位置するDNAフラグメ
ントの存在を検出するための方法である。この方法は:
SCA8コード配列のリピート領域を含むDNAフラグ
メントの独立の相補DNA分子をモル過剰量の第一オリ
ゴヌクレオチドプライマーペアーで処理し;この第一プ
ライマーペアーを伸長させて前記リピート領域を含む第
一の所望のDNAフラグメントを合成するための鋳型を
担う相補プライマー伸長生成物を形成し;当該リピート
領域を含む第一の所望のDNAフラグメントを取り出
し;当該リピート領域を含むこの第一の所望のDNAフ
ラグメントの独立の相補鎖をモル過剰量の第二のオリゴ
ヌクレオチドプライマーペアーで処理し、この第二のプ
ライマーペアーを伸長させて当該リピート領域を含む第
二の所望のDNAフラグメントを合成するための鋳型を
担う相補プライマー伸長生成物を形成し;このようにし
て増幅させた第二の所望のDNAフラグメントを検出
し;そしてこの増幅したDNAフラグメントをリピート
領域について分析する;ことを含む。好ましくは、この
第一のオリゴヌクレオチドプライマーペアーはSEQ
ID NO:1のヌクレオチド1〜448から選ばれる
第一オリゴヌクレオチドプライマー及びSEQID N
O:1のヌクレオチド726〜1,159に相補性のヌ
クレオチドから選ばれる第二オリゴヌクレオチドプライ
マーを含んで成り、ここで各プライマーは少なくとも1
1個のヌクレオチドを有する。より好ましくは、この第
一のオリゴヌクレオチドプライマーはSEQ ID N
O:5,SEQ ID NO:8及びSEQ ID N
O:4から成る群より選ばれ、そしてこの第二のオリゴ
ヌクレオチドプライマーはSEQ ID NO:6,S
EQ ID NO:9及びSEQ ID NO:12か
ら成る群より選ばれる。好ましくは、この第二オリゴヌ
クレオチドプライマーペアーはSEQ ID NO:1
のヌクレオチド449〜725から選ばれる第一オリゴ
ヌクレオチドプライマー及びSEQ IDNO:1のヌ
クレオチド726〜1,159に相補性のヌクレオチド
から選ばれる第二オリゴヌクレオチドプライマーを含ん
で成り、ここで各プライマーは少なくとも11個のヌク
レオチドを有する。より好ましくは、この第二オリゴヌ
クレオチドプライマーペアーは、3組のCTGリピート
が後続する3組のCTAリピートを有する第一オリゴヌ
クレオチドプライマー及びSEQ ID NO:1のヌ
クレオチド726〜1,159に相補性のヌクレオチド
から選ばれる第二オリゴヌクレオチドプライマーを含ん
で成る。これらのプライマー含むかかる方法を実施する
ためのキットも提供する。
【0015】定義 本明細書で用いる「コード配列」及び「コード領域」と
は、適当な調節配列のコントロール下に置かれたときに
ポリペプチドへと翻訳されうる又はされないmRNAを
コードするヌクレオチド配列を意味する。好ましくは、
コード配列の発現は当該コード配列により発現されるm
RNAのレベルをアッセイすることにより決定する。
【0016】本明細書で用いる「リピート領域」及び
「トリヌクレオチドリピート領域」とは、典型的に一組
のトリヌクレオチド、好ましくはトリヌクレオチドCT
G(即ち、CTGリピート)及び一組のトリヌクレオチ
ドCTA(即ち、CTAリピート)を含むSCA8コー
ド配列の領域を意味する。このSCA8コード配列によ
りコードされるmRNAのリピート領域は典型的には一
組のCUAリピート及び一組のCUGリピートを含む。
このリピート領域のCTGリピートは、トリヌクレオチ
ドCTG以外のヌクレオチド、特にトリヌクレオチド又
はその多量体を含んでよい。
【0017】本明細書で用いる8型脊髄小脳性運動失調
症の症状には、軽い呼吸及び歩行不安定性、緊張温度及
び失調性搆音障害、眼振、四肢及び歩行失調、四肢痙性
及び振動知覚の低下が挙げられる。重篤な個体は歩行不
能となりはじめることがある。
【0018】本明細書で用いるSCA8の「アレル」と
は、染色体13の長腕上に位置するSCA8コード配列
の位置を占めているヌクレオチド配列のいくつかの異な
る形態の一つを意味する。染色体13の長腕上のSCA
8コード配列の位置はSCA8座と呼ぶ。
【0019】本明細書で用いる「危険性にある」とは、
8型脊髄小脳性運動失調症に関連するSCA8コード配
列のアレルを有する個体を意味する。ここでは、これは
脊髄小脳性運動失調症の少なくとも一の症状を示しうる
個体、及び将来において脊髄小脳性運動失調症の少なく
とも一の症状を発症しうる個体を含む。8型脊髄小脳性
運動失調症に関連するSCA8コード配列のアレルを本
明細書では「危険性のある」アレルと呼んでいる。SC
A8の危険性のあるアレルを有する個体はその寿命の間
に少なくとも一の8型脊髄小脳性運動失調症もの症状を
示しうる。SCA8の「正常」なアレルを有する個体は
生きている間に8型脊髄小脳性運動失調症の症状を示さ
ないであろう。個体が危険性にあるかどうかの検試はS
CA8コード配列のリピート領域の中のトリヌクレオチ
ドリピートの数に一般に依存する。
【0020】本明細書で用いる「ハイブリダイズ」、
「ハイブリダイズする」及び「ハイブリダイゼーショ
ン」とは、オリゴヌクレオチドが標準の条件下で標的D
NA分子と非共有相互作用を形成することを意味する。
標準のハイブリダイゼーション条件はオリゴヌクレオチ
ドプローブ又はプライマーが標的DNA分子にハイブリ
ダイズすることを可能とする条件である。かかる条件は
当業界に周知の技術を利用し、オリゴヌクレオチドプロ
ーブ又はプライマー及び標的DNA分子について容易に
決定される。例えばSambrookら、Molecular Cloning :
A Laboratory Manual ; Cold Spring Harber Laborator
y : New York (1989) を参照のこと。本発明において有
用な好適なプローブ及びプライマーは下記の条件下でS
CA8コード配列のリピート領域を含む。DNA分子に
ハイブリダイズする:Express Hybe (Clontech, Cat. N
o. 8015-1)中でのその製造者により提唱の通りの60℃
で1時間のプレハイブリダイゼーション、Express Hybe
中でのDNAプローブ(その製造者により提唱の通り、
Randam Primers DNA Labeling System, Gibco BRL, Ca
t. No. 18187-013 を利用して調製;4×107 カウン
ト)との60℃で3時間のハイブリダイゼーション、室
温にて2×のSSC,0.05%のSDSの中での15
分づつ2回の洗浄、次いで50℃において0.1%のS
SC,0.1%のSDSでの15分づつ2回の洗浄。標
準DNA分子のヌクレオチド配列は一般にオリゴヌクレ
オチドプライマー又はプローブに相補性の配列である。
ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは非共有相互作
用の形成を妨害しない非ハイブリダイゼーションヌクレ
オチド、例えばクローニングを促進する制限酵素認識部
位を含みうる。かくして、オリゴヌクレオチドプローブ
又はプライマーは、標準ハイブリダイゼーション条件下
でハイブリダイゼーションが起こる限り、標的DNA配
列のヌクレオチド全体に対する相補性を有さない。
【0021】本明細書で用いる語「DNA分子」とはヌ
クレオチドの一本線形鎖を意味する。
【0022】本明細書で用いる語「DNAフラグメン
ト」とは、互いと相補性であり、そして互いとハイブリ
ダイゼーションし合ってDNAの二量体を形成する2本
のDNA分子を意味する。本明細書で用いる語「増幅し
たDNAフラグメント」とはオリジナルDNAフラグメ
ントのコピーであるDNAフラグメントを意味する。D
NAフラグメントはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を
利用して増幅できる。DNAフラグメントはオリジナル
のDNAフラグメントをプラスミドにライゲーションさ
せ、そして得られるプラスミドを宿主細胞、例えばE.
コリの中で増殖させることによっても増幅できる。増幅
させたDNAフラグメントは典型的にはオリジナルDN
Aフラグメントの少なくとも一部に対してヌクレオチド
配列同一性である。
【0023】本明細書で用いる語「相補体」及び「相補
性」とは、2本のDNA分子が互いと塩基対合する能力
を意味し、ここで一方のDNA分子上のアデニンは第二
DNA分子上のグアニンと塩基対合し、そして一方のD
NA分子上のシトシンは第二DNA分子上のチミンと塩
基対合する。2本のDNA分子は、一方のDNA分子上
のヌクレオチド配列が第二DNA分子におけるヌクレオ
チド配列と塩基対合できるなら、互いと相補性である。
例えば、2本のDNA分子5’ATGCと5’GCAT
は相補性であり、そしてDNA分子5’−ATGCの相
補体は5’−GCATである。相補体及び相補性なる語
は、2本のDNA分子であって、一方のDNA分子が第
二DNA分子上に存在する少なくとも1個のヌクレオチ
ドに対して塩基対合しない少なくとも1個のヌクレオチ
ド含む場合も含む。例えば、2本のDNA分子5’−A
TTGC及び5’−GCTATの各々の3番目のヌクレ
オチドは塩基対合しないが、これら2本のDNA分子は
本明細書における定義に従うと相補性である。典型的に
は、2本のDNA分子はそれらが上記の標準条件下でハ
イブリダイズするなら相補性である。典型的には、2本
のDNA分子はそれらが少なくとも約80%の同一性、
好ましくは少なくとも約90%の配列同一性を有するな
ら相補性という。
【0024】本明細書で用いる語「プライマーペアー」
とは、増幅すべきDNAの領域に隣接する2本のオリゴ
ヌクレオチドを意味する。一方のプライマーは増幅すべ
きDNAフラグメントの一端にあるセンス鎖上に存在す
るヌクレオチドに対して相補性であり、そして他方のプ
ライマーは増幅すべきDNAフラグメントの他端にある
アンチセンス鎖上に存在するヌクレオチドに対して相補
性である。増幅すべきDNAフラグメントは鋳型DNA
と呼ぶことができる。プライマーが相補性であるDNA
フラグメントのヌクレオチドは標的配列又は標的DNA
と呼ぶ。プライマーは少なくとも約11個のヌクレオチ
ドを有してよく、そして好ましくは約16個以上、約3
5個以下のヌクレオチドを有しうる。典型的には、プラ
イマーはそのプライマーがハイブリダイズする標的DN
Aの少なくとも約80%の配列同一性、好ましくは少な
くとも約90%の配列同一性を有する。プライマーはD
NAポリメラーゼのための出発点を担うことができ、か
かるポリメラーゼは必須物質の存在下で鋳型DNAに相
補性のDNA分子を合成する。典型的には、プライマー
ペアーはPCRによりDNAフラグメントを増幅するの
に利用する。
【0025】本明細書で用いる語「単離された」とは天
然DNAフラグメント、DNA分子、コード配列又はオ
リゴヌクレオチドがそのもとの環境から取り出されてい
ることを意味するか、又は合成分子又はクローン化生成
物を意味する。好ましくは、DNAフラグメント、DN
A分子、コード配列又はオリゴヌクレオチドは精製され
ており、即ち、任意のその他のDNAフラグメント、D
NA分子、コード配列又はオリゴヌクレオチド、及び一
体化した細胞性生成物又はその他の不純物を本質的に含
まない。
【0026】本明細書で用いる語、「診断」とは運動失
調症の危険性にある個体の発症前の同定であってよく、
家系病歴のない個体の同定が含まれる。診断は、少なく
とも一種の運動失調症を示す個体における少なくとも一
種の症状の遺伝子基準の同定も意味しうる。
【0027】
【発明の実施の形態】A.診断方法 病気に関係するコード配列の同定はその病気の改善され
た診断を可能にする。かくして、本発明は8型脊髄小脳
性運動失調症を発症する危険性のある個体及びかかる病
気の症状を示している個体の診断方法に関連する。本発
明の別の観点は危険性のない個体の診断方法に関連す
る。一般に、これらの方法はゲノムDNA又はcDNA
内のDNAフラグメントの存在を検出できる。好ましく
は、このDNAフラグメントはゲノムDNA内に存在す
るヌクレオチドを含んで成る。好ましくは、このDNA
フラグメントは染色体13の長腕のSCA8座内に位置
する。このSCA8座は危険性のあるSCA8アレル又
は正常SCA8アレルを含みうる。このSCA8座は一
般にリピート領域を含む。
【0028】典型的には、SCA8アレルのリピート領
域内に存在するCTGリピートの数は決定できる。一般
に、SCA8の危険性のあるアレルはSCA8リピート
領域内に少なくとも約80組のCTGリピートを有する
アレルである。一般に、80CTGリピート未満のSC
A8アレルは正常アレルであり、これは8型脊髄小脳性
運動失調症の症状を発症しないであろう個体の指標であ
る。
【0029】好ましくは、SCA8アレルのリピート領
域内に存在するCTG及びCTAリピートの数を決定す
ることができる。危険性のあるアレルは好ましくはSC
A8コード配列のリピート領域内に少なくとも約92組
の組合せCTA及びCTGリピートを有するものであ
る。組合せCTAリピート及びCTGリピートの数は
((CTG)/(CTA))n と呼ぶことができ、ここ
でnはCTAリピートとCTGリピートの数である。S
CA8コード配列のリピート領域内で約91組の組合せ
CTA及びCTGリピート、好ましくは約33組以下の
それを有するSCA8アレルは一般にSCA8コード配
列のアレルが正常であることを示唆する。一般に、今日
まで評価された正常アレルには多少のCTA及びCTG
リピート、典型的には約16組のそれがある。
【0030】このリピート領域はリピート内に中断を有
してよい。例えば、CTGリピートの5’側、即ち、C
TAリピートに最も近いCTGリピート側に非CTGト
リヌクレオチドリピートがあってよい。CTGリピート
は(i)リピートの6又は9番目のトリプレットとして
のCCG、(ii)リピートの6〜8、又は6〜9番目の
トリプレットとしてのCCGトリヌクレオチド、(iii)
リピートの6及び14番目のトリプレットとしてのCC
Gトリヌクレオチド、又は(iv)リピートの20,2
7,33及び38番目のトリプレットとしてのCCGト
リヌクレオチドを含みうることが認められた。また、C
TGリピートはリピートの3及び5番目のトリプレット
としてCTAトリヌクレオチドを含みうる。更に、CT
A及びCTGリピートは6個までのヌクレオチドで隔て
られていてよいこともわかった。例えば、SEQ ID
NO:1はリピート領域を構成するCTAとCTGリ
ピートとの間に6個のヌクレオチド(ヌクレオチド44
9〜554)を開示する。CTAリピートとCTGリピ
ートとの間のこの領域を構成するヌクレオチドは種々の
SCA8アレル間で変わり、そしていくつかのSCA8
アレルには存在しない。かくして、80のリピートを有
するCTGリピートが、最少数のCTGではない介在ト
リヌクレオチドを有するものでありうる。
【0031】本発明の診断方法は特異的なDNAフラグ
メントを検出するための公知の方法、例えばDNAの直
接検出又はRNAの検出を介する間接検出を包括しう
る。例えば、PCR技術はSCA8コード配列のリピー
ト領域を増幅させる新規のプライマーで利用できる。他
方、ラベル化プローブを利用するサザン又はノーザンブ
ロッティングハイブリダイゼーション技術を利用でき
る。その他の核酸配列決定技術もトリヌクレオチドリピ
ートの数を決定するために利用できる。これらの方法は
SCA8の症状を有する個体又は将来においてかかる症
状を発症する危険性のある個体に適用できる。
【0032】本発明の一の態様において、DNAプロー
ブをSCA8コード配列の危険性のあるアレルのDNA
フラグメント又はDNA分子を同定するために利用でき
る。DNAプローブは、同定しようとするコード配列に
由来する相補DNA分子とハイブリダイズする又は非共
有結合するラベル化一本鎖DNA分子である。このプロ
ーブは放射能及び非放射能ラベルを含む当業界周知の適
当なラベルでラベルしてよい。典型的な放射能ラベルに
32P,125 I,35S等が含まれる。非放射能ラベルに
は、例えばリガンド、例えばビオチン又はジゴキシゲニ
ン、並びに酵素、例えばホスファターゼ又はペルオキシ
ダーゼ、又は様々な化学発光物質、例えばルシフェリ
ン、又は蛍光化合物、例えばフルオレセイン及びその誘
導体が含まれる。プローブは分離のし易さのために異な
るタイプのラベルで両端をラベルしてもよく、例えば一
端をアイソトープラベル、そして他端をビオチンラベル
を用いてラベルしてよい。
【0033】本発明はリピート領域を含む少なくとも一
種のDNA分子の存在を検出するための方法に関連し、
これではゲノムDNAのサンプルを例えば制限エンドヌ
クレアーゼによる消化により分断し、そして得られるD
NAフラグメントをオリゴヌクレオチドプローブでプロ
ービングする。DNAプローブ分析を利用し、SCA8
コード配列を含む染色体13の長腕由来のDNAを含む
多種多様なコード配列由来のDNAを含む複合混合物を
得るようにゲノムDNAを酵素消化、分断及び変性にか
けることにより標的DNAを誘導することができる。好
ましくは、DNAプローブは標的DNAにだけハイブリ
ダイズする。好ましくは、この標的DNAはSCA8コ
ード配列、即ち、SCA8コード配列の一部であるか、
又は制限エンドヌクレアーゼによる消化を経たリピート
領域の近くにあるDNA又は同じDNA分子であり、そ
して得られる複合体は当業界公知の技術により単離及び
同定できる。一の態様において、この方法はゲノムDN
Aを制限エンドヌクレアーゼで消化してDNAフラグメ
ントを得、そのフラグメントを分断してDNA分子を
得、その分子を標準のハイブリダイゼーション条件で検
出可能式にラベルされたプローブでプロービングし(こ
のプローブは単離されたSCA8コード配列のリピート
領域を含むDNA分子にハイブリダイズする)、前記D
NA分子にハイブリダイズするプローブDNAを検出
し、そしてこのDNAフラグメントをSCA8コード配
列の正常又は危険状態の特徴的なリピート領域について
分析することを包括する。
【0034】本発明は更にプローブを提供する。このプ
ローブはオリゴヌクレオチド又は長めのヌクレオチド配
列であってよく、合成又は天然のいずれでもよく、リピ
ート領域に隣接するDNA配列領域にハイブリダイズ
し、且つ任意的にリピート領域を含むDNA配列にハイ
ブリダイズする。好ましくは、このプローブは染色体1
3の長腕のSCA8コード配列にハイブリダイズする。
このプローブはリピート領域を有するSCA8コード配
列のフラグメント(好ましくは約1.2kbのEcoRI
フラグメント)の危険性のあるアレル又は正常アレルの
鎖の一部に対して相補性なヌクレオチド配列を含む。こ
のプローブは少なくとも約20個のヌクレオチドであっ
てよく、好ましくは少なくとも30ヌクレオチドであ
る。これらのプローブはそのヌクレオチド配列が危険性
のある又は正常なSCA8アレルの鎖の一部に対し、リ
ピート領域に直結する部分を含むリピート領域の5’側
の好ましくは約450ヌクレオチド内で相補性となるよ
うに選定する。好ましくは、このプローブのヌクレオチ
ド配列はSEQ ID NO:1のヌクレオチド1〜4
49から選ばれる又はそれに対して相補性である。他
方、これらのプローブはそのヌクレオチド配列が危険性
のある又は正常なSCA8アレルの鎖の一部に対し、リ
ピート領域に直結している部分を含むリピート領域の
3’側の好ましくは約435ヌクレオチド内で相補性と
なるように選定する。好ましくは、このプローブのヌク
レオチド配列はSEQ ID NO:1のヌクレオチド
726〜1,159から選ばれる又はそれに対して相補
性である。プローブの非限定例はSEQID NO:1
のヌクレオチド19〜449及びそれに対して相補性の
ヌクレオチドである。このプローブはニトロセルロース
に転写したSCA8アレルに対して下記の条件下でハイ
ブリダイズするであろう:Express Hybe (Clontech, Ca
t. No. 8015-1)中でのその製造者により提唱の通りの6
0℃で1時間のプレハイブリダイゼーション、Expr
ess Hybe中でのDNAプローブ(その製造者に
より提唱の通り、Randam Primers DNA Labeling Syste
m, Gibco BRL, Cat. No. 18187-013 を利用して調製;
4×107 カウント)との60℃で3時間のハイブリダ
イゼーション、室温にて2×のSSC,0.05%のS
DSの中での15分づつ2回の洗浄、次いで50℃にお
いて0.1%のSSC,0.1%のSDSでの15分づ
つ2回の洗浄。
【0035】一般に、SCA8コード配列内に位置する
DNAフラグメントの存在を検出するため、ゲノムDN
Aを制限エンドヌクレアーゼで消化してDNAフラグメ
ントを得る。検査すべきゲノムDNAの起源はDNAを
含む生物学的検体であってよい。その例には血液、精
液、膣スワブ、組織、毛髪及び体液の検体が含まれる。
制限エンドヌクレアーゼはゲノムDNAを特定のヌクレ
オチド配列を有する二本鎖DNAのフラグメントに切断
するであろうものであってよい。数多くのエンドヌクレ
アーゼの特異性が周知であり、そして様々な公開物、例
えばSambrookら ;Molecular Cloning : A Laboratory M
anual ; Cold Spring Harbor Laboratory: New York (1
989)に見い出せうる。好適な制限エンドヌクレアーゼ酵
素にはEcoRI,TaqI及びBseNIが含まれ
る。EcoRIが特に好適である。
【0036】病気の診断は他に新規のプライマーを利用
するポリメラーゼ連鎖反応配列増幅(PCR)の利用を
包括することができる。米国特許第4,683,195
号(Mullisら、1987年7月28日特許)が核
酸配列の増幅、検出及び/又はクローニングのための方
法を述べている。この方法はSCA8コード配列のリピ
ート領域を含むDNAフラグメントの独立の相補DNA
分子をモル過剰量の2種類のオリゴヌクレオチドプライ
マーで処理し;これらのプライマーを伸長させて前記リ
ピート領域を含む所望のDNAフラグメントを合成する
ための鋳型を担う相補プライマー伸長生成物を形成し;
このようにして増幅したフラグメントを検出し;そして
この増幅したDNAフラグメントをリピート領域につい
て分析することを包含する。
【0037】より詳しくは、当該DNAフラグメントを
プライマーで処理し、そしてそのプライマーを伸長させ
る方法工程は下記の段階を含む:オリゴヌクレオチドプ
ライマーのペアーを添加する(ここでこのペアーの一方
のプライマーは当該DNAフラグメントのセンス鎖内の
ヌクレオチド配列の一部に対して相補性であり、そして
各ペアーの他方のプライマーは当該DNAフラグメント
の相補アンチセンス鎖内の同じヌクレオチド配列の別の
部分に対して相補性である);この対合したプライマー
をこの相補DNA分子にアニーリングする;同時に、こ
のアニーリングしたプライマーを各プライマーの3’末
端から伸長し、各プライマーにアニーリングさせた鎖に
相補性な伸長生成物を合成する(ここでこの伸長生成物
はその相補体から分離させた後、各プライマーの他方の
プライマーについての伸長生成物の合成のための鋳型を
担う);そしてこの伸長生成物を前記鋳型から分離さ
せ、一本鎖分子を生成する。この方法の変法が米国特許
第4,683,194号(Saikiら、1987年7
月28日特許)に記載されている。ポリメラーゼ連鎖反
応配列増幅方法はSaikiらScience, 230, 1350-135
4 (1985)及びScarf ら、Science, 324, 163-166 (1986)
に記載されている。PCRはSCA8リピート領域を含
むヌクレオチド配列を検出するために利用できる。
【0038】本発明は更にプライマーを提供する。これ
らのプライマーはオリゴヌクレオチドであり、合成又は
天然のいずれでもよく、染色体13の長腕のSCA8コ
ード配列のリピート領域を含むDNA配列領域に対して
相補性の生成物の合成の開始点を担うことができる。好
ましくは、このプライマーはリピート領域を有するSC
A8コード配列のフラグメントの危険性のあるアレル又
は正常アレル(好ましくは約1.2kbのEcoRIフラ
グメント)の鎖の一部に対して相補性なヌクレオチド配
列を含む。このプライマー配列は少なくとも約11個の
ヌクレオチド、そして好ましくは約16以上、約35以
下のヌクレオチドを有しうる。典型的には、このプライ
マーはそれらが約70塩基対〜約100塩基対、好まし
くは約100塩基対〜約450塩基対のプライミング化
生成物を供するように選ぶ。より好ましくは、これらの
プライマーは危険性のあるアレル又は正常アレルの鎖の
一部に対し、そのリピート領域に直結する部分を含むリ
ピート領域のいずれかの例の約150ヌクレオチド以内
に対して相補性である。
【0039】プライマーペアーの第一プライマーはSE
Q ID NO:1のヌクレオチド1〜448から選ば
れ、そしてプライマーペアーの第二プライマーはSEQ
ID NO:1のヌクレオチド726〜1,159に
対して相補性のヌクレオチドから選ばれうる。このプラ
イマーはSEQ ID NO:1のヌクレオチド1〜4
48の中の及びSEQ ID NO:1のヌクレオチド
726〜1,159に対して相補性なヌクレオチドの中
のどこから選んでもよい。好ましくは、第一プライマー
はSCA8−F3(5’−TTTGAGAAAGGCT
TGTGAGGACTGAGAATG−3’)(SEQ
ID NO:5)、SCA8−F4(GTAAGAG
ATAAGCAGTATGAGGAAGTATG)(S
EQ ID NO:8)又はSCA8−F5(TCAA
TTCTTTATTCATAAATTCTTAAG)
(SEQ ID NO:4)である。好ましくは、第二
プライマーはSCA8−R2(5’−CCTCATGT
TAGAAAACTGGCTTT−3’)(SEQ I
D NO:6)、P(GCCCTATCCCAATTC
CTTGGCTAGA)(SEQ ID NO:12)
又はSCA8−R4(GGTCCTTCATGTTAG
AAAACCTGGCT)(SEQ ID NO:9)
である。SCA8−F3及びSCA8−R2プライマー
を利用するDNAフラグメントの増幅のための条件は例
えば200μMのdNTP、10mMのTris pH9.
0、50mMのKCl、0.1%のTriton X−1
00、1.0mMのMgCl2 、10%のDMSO、0.
1UのAmpliTaq(Perkin Elmer,
Norwalk,Connecticut))サイクル
数35回(94℃で45秒、53℃で75秒、及び72
℃で75秒)でありうる。
【0040】他方、PCRは、センス鎖に由来する第一
プライマーを含んで成る、即ち、SEQ ID NO:
1のヌクレオチドの一部を含んで成り、第一プライマー
がSEQ ID NO:1に相補性のヌクレオチドにハ
イブリダイズするプライマーペアーを利用することによ
り、CTAリピートではなくCTGリピートを増幅する
のに利用できる。SEQ ID NO:1にはリピート
領域を構成するCTAとCTGリピートとの間の6個の
ヌクレオチド(ヌクレオチド449〜554)を開示す
る。CTAリピートとCTGリピートとの間の領域を構
成するヌクレオチドは異なるSCA8アレル間で変わ
り、そしていくつかのSCA8アレルの中にはない。第
一プライマーはCTAリピートを構成するヌクレオチド
の少なくとも一部を含んで成るか、又は第一プライマー
はCTAリピートを構成するヌクレオチドの少なくとも
一部とCTGリピートを構成するヌクレオチドの少なく
とも一部を含んで成ってよい。例えば、プライマーペア
ーの第一プライマーは3組以下のCTAリピート、それ
に続く9組未満のCTGリピートを含んで成ってよく、
好ましくは3組のCTAリピート、それに続く6組以下
のCTGリピートを含んで成ってよく、最も好ましくは
3組以下のCTAリピート、それに続く3組以下のCT
Gリピートを含んで成ってよい。3種超のCTGリピー
トを有する第一プライマーは、CTGリピートの長さが
検査すべき個体のゲノムDNA内のその他の位置に存在
するCTGリピートとのこの第一プライマーの結合を及
ぼしてしまうようなものでないことを条件に、利用でき
る。多重のCTA及びCTGリピートを含んで成る第一
プライマーのハイブリダイゼーションを可能にするた
め、ハイブリダイゼーション温度は下げてよい。例え
ば、ハイブリダイゼーション温度は約55℃にまで下げ
てよい。
【0041】一般に、本発明のこの観点のプライマーペ
アーの第二プライマーはセンス鎖内のヌクレオチド配列
の一部に対して相補性であり、そしてハイブリダイズす
る。好ましくは、このプライマーがハイブリダイズする
ヌクレオチド配列はSEQID NO:1のヌクレオチ
ド726〜1,159、即ち、CTGリピートの3’側
のヌクレオチドの短い部分(少なくとも約11ヌクレオ
チド、そして好ましくは約16以上、約35以下のヌク
レオチド)を含んで成る。本発明のこの観点は、増幅す
るヌクレオチド配列が存在する全DNAのごくわずかで
ある場合、ゲノムDNA又はcDNAのサンプルで実施
してよい。
【0042】他方、且つ好ましくは、本発明のこの観点
は既に増幅したDNAのフラグメントに対して実施して
よい。例えば、リピート領域、即ち、CTA及びCTG
リピートの双方を含む、ヌクレオチド配列を第一プライ
マーペアーを利用してゲノムDNA又はcDNAのサン
プルからPCR増幅することができ、そしてPCRによ
り増幅したヌクレオチド配列をこの第一プライマーペア
ーから単離し、そして任意的に増幅していないゲノムD
NA配列が単離してよい。この単離した増幅ヌクレオチ
ド配列は、CTAリピートではなくリピート領域のCT
Gリピートを増幅する第二プライマーペアーを利用する
2回目の増幅にかけることができる。本発明のこの観点
において、好ましくはこの第二プライマーペアーは第一
プライマーペアーにより増幅したヌクレオチド配列の中
に存在するSCA8コード配列のヌクレオチドに対して
ハイブリダイズし、そして第二プライマーペアーはCT
AリピートではなくCTGリピートを増幅する。
【0043】別の態様において、リピート領域、即ち、
CTA及びCTGリピートの双方を含むDNAフラグメ
ントは第一プライマーペアーを利用してゲノムDNA又
はcDNAのサンプルから増幅してよく、そして増幅D
NAフラグメントを第一プライマーペアーから取り出
し、そして任意的に増幅していないゲノムDNA配列か
ら取り出してよい。この増幅したDNAフラグメントを
例えばポリアクリルアミドゲルで分解してDNAフラグ
メント内のCTA及びCTGリピートの数を決定するこ
とができる。単離した増幅DNAフラグメントはCTG
リピートではなくリピート領域のCTAリピートを増幅
する第二プライマーペアーを利用して2回目の増幅にか
けることができる。本発明のこの観点において、好まし
くは第二プライマーペアーは第一プライマーペアーによ
り増幅したヌクレオチド配列の中に存在するSCA8コ
ード配列のヌクレオチドに対してハイブリダイズし、そ
して第二プライマーペアーはCTGリピートではなくC
TAリピートを増幅する。本発明のこの観点はSCA8
アレルのリピート領域内のCTAリピートの数を決定す
るために利用できる。CTAリピートの数が決定できた
ら、それはDNAフラグメント内のCTGリピートの数
を決定するために利用できる。
【0044】SCA8のリピート領域に対して5’及び
3’側の領域は一般に様々なSCA8アレル間で99.
9%保存されている。ポリメラーゼ連鎖反応増幅に適す
るオリゴヌクレオチドはリピート領域の5’及び3’側
双方のリピート領域は隣接する領域から選ばれうる。オ
リゴヌクレオチドプライマーを選定するSCA8コード
配列の領域はSEQ ID NO:2又はSEQ ID
NO:3、好ましくはSEQ ID NO:1のヌク
レオチドから選ばれる。好適なプライマーペアーはSE
Q ID NO:5とSEQ ID NO:6,SEQ
ID NO:4とSEQ ID NO:12、及びS
EQ ID NO:8とSEQ IDNO:9である。
これらのプライマーペアーはそれぞれPCR技術を利用
して注目のリピート領域を有効に増幅する。このような
オリゴヌクレオチドは脊髄小脳性運動失調症を患う又は
その危険性のあると予測される個体から採取したDNA
由来のSCA8コード配列からリピート領域を増幅する
ために有用である。この増幅フラグメントをゲル上で泳
動させ、リピート領域の長さを検定し、そしてSCA8
アレルを危険又は正常に分類することができる。他方、
このプライマーペアーはSCA8遺伝子を配列決定する
ための様々な公知技術、例えばCTGリピートの数又は
CTA及びCTGリピートの数を決定する技術に利用で
きうる。
【0045】本発明は更に、個体がリピート領域に関係
する病気を発症する危険性を有するか否かを検査するた
めのキットに関連する。この個体がリピート領域に関係
する病気を発症する危険性を有するか否かを検査するた
めのキットは上記のプローブ及び/又はプライマーを含
む。典型的には、検出するリピート領域はCTGリピー
ト、好ましくはCTG及びCTAリピートである。好ま
しくは、このリピート領域はSCA8コード配列の中に
存在する又はそれによりコードされる。
【0046】前述の通り、その他の診断方法を同様に利
用してよい。これらはゲノムDNA、cDNA又はmR
NAのリピート領域の単離及び同定を基礎としうる。こ
れには、例えばSCA8コード配列のヌクレオチド配列
内のささいな変化を検出する様々な電気泳動技術の利用
が含まれる。更なる非限定例には変性勾配電気泳動、一
本鎖コンホメーショナル多形態ゲル、非変性ゲル電気泳
動技術、及びDNAチップ又はDNAのマイクロチップ
アレーが挙げられる。
【0047】SCA8コード配列のマッピング及びクロ
ーニングは生物学的検体、例えば血液の簡易検査を利用
する一のタイプの優性遺伝運動失調症の具体的な診断を
可能にする。これは優性運動失調症の明確な分子分類に
対する第一ステップとなる。運動失調症についての簡易
且つ信頼できる分類システムは重要であり、なぜなら臨
床症状はSCA8及び非SCA8疾患形態で著しく重な
っているからである。更に、唯一わかっているSCA8
突然変異についての分子検査は既知のSCA8家系にお
ける病気の発症前診断を可能にし、そして家系病歴のな
い場合、散在又は単独SCA8リピート領域拡張又は収
縮の同定を可能にする。かくして、本発明は家族カウン
セリング、医療処置計画、及び原因不明の運動失調症を
患う患者の標準処置に利用される。
【0048】B.リピート領域に隣接する配列を利用し
ての全長遺伝子のクローニング 本発明はリピート領域を含むコード配列全体及びその一
部に対応する核酸分子を含むリピート領域を含む核酸分
子に関する。好ましくは、このリピート領域は単離され
たSCA8コード配列のリピート領域であり、そして好
ましくはこの核酸分子はSCA8コード配列全体及びそ
の一部に対応する核酸分子である。本発明は更に、異種
ベクター配列に作用可能式に連結されたSEQ ID
NO:1,SEQ ID NO:2又はSEQ ID
NO:3のヌクレオチドを含んで成る単離された組換ベ
クターを含む、SCA8コード配列全体及び一部を含ん
で成るベクター及び単離された組換ベクターに関する。
【0049】適当な複製可能ベクターへのDNAのクロ
ーニングはリピート領域に隣接する配列の決定及び全長
コード配列のその後の単離を供する。クローニングはコ
ード配列によりコードされるmRNAの発現を可能にす
る。
【0050】1.DNAの単離 リピート領域を含むコード配列を含むDNAは当該コー
ド配列によりコードされるmRNAを保有し、且つ検出
可能なレベルにおいてそれを発現するものと信じられて
いる組織から調製したcDNAから得たライブラリーで
あってよい。他に、SCA8コード配列はゲノムDNA
ライブラリーから、又は完全ヌクレオチド配列からのi
n vitroオリゴヌクレオチド合成により得られう
る。
【0051】ライブラリーは注目のコード配列を同定す
るためにデザインされた適当なプローブでスクリーニン
グする。好ましくは、これらのプローブはリピート領域
の両側のヌクレオチド配列に由来する。選定のプローブ
によるcDNA又はゲノムライブラリーのスクリーニン
グは標準の手順を利用して成し遂げられうる。プローブ
として合成オリゴヌクレオチドを利用するcDNAライ
ブラリーのスクリーニングは本発明の実施の好適な方法
である。プローブとして選定されるオリゴヌクレオチド
は偽陽性を最小限とするのに十分な長さ及び十分な精度
を有するべきである。異なる種に由来するDNAを含む
ライブラリーをスクリーニングする場合、プローブの実
際のヌクレオチド配列は通常、最低限のコドン冗長性を
有する伸長リピートに隣接するヌクレオチドの領域を基
準に設計される。このオリゴヌクレオチドは1又は複数
の位置において縮重していてよく、即ち、所定の位置に
おいて2種類以上のヌクレオチドがオリゴヌクレオチド
に組込まれていてよく、これにより多重の合成オリゴヌ
クレオチドが得られる。縮重オリゴヌクレオチドの利用
は、優先的なコドン用法のわかっていない種からライブ
ラリーをスクリーニングするときに時に重要である。
【0052】このオリゴヌクレオチドは、スクリーニン
グするライブラリー内のDNAに対するハイブリダイゼ
ーションにより検出できるようにラベルしてよい。ラベ
リングの好適な方法はオリゴヌクレオチドの5’末端を
放射性ラベリングするためのATP及びポリヌクレオチ
ドキナーゼの利用である。しかしながら、オリゴヌクレ
オチドをラベルするのにその他の方法、例えば限定する
ことなく、ビオチニル化又は酵素ラベリングを利用して
よい。
【0053】リピート領域を含むコード配列を単離する
ための別の手段はPCR方法論を利用することにある。
この方法はSCA8コード配列にハイブリダイズするオ
リゴヌクレオチドプライマープローブの利用を必要とす
る。PCRプライマーオリゴヌクレオチドの選択のため
の戦略は以下に説明する。
【0054】2.ベクターへのDNAの挿入 リピート領域を含む当該コード配列を含む核酸(例えば
cDNA又はゲノムDNA)は好ましくは更なるクロー
ニングのため(DNAの増幅)又は当該コード配列によ
りコードされるmRNAの発現のための複製可能ベクタ
ーの中に挿入する。多くのベクターが有用であり、そし
て適当なベクターの選択は:1)それがDNA増幅のた
め又はmRNAの発現のために利用されるかどうか;
2)このベクターの中に挿入すべき核酸のサイズ;及び
3)このベクターにより形質転換すべき宿主細胞;に依
存する。
【0055】適当なベクターの構築は当業界において公
知の標準のライゲーション技術を利用する。単離したプ
ラスミド又はDNAフラグメントを切断し、仕立し、そ
して必須のプラスミドを構築するのに所望される形態で
再ライゲーションする。典型的には、E.コリを形質転
換するためにライゲーション混合物を利用し、そして有
効な形質転換体は適宜アンピシリン又はテトラサイクリ
ン耐性により選別する。形質転換体由来のプラスミドは
当業界公知の方法により調製し、制限エンドヌクレアー
ゼ消化により分析し、及び/又は配列決定する。例え
ば、Messing ら、Nucl. Acids Res., 9, 309 (1981) 及
びMaxam ら、Methods in Enzymology, 65,499 (1980)
を参照のこと。
【0056】複製可能なクローニング及び発現ベクター
成分は一般に、限定することなく、1又は複数の下記の
成分を含む:シグナル配列、複製起点、1又は複数のマ
ーカーコード配列、エンハンサー要素、プロモーター及
び転写終止配列。現時点で、様々な有能な宿主細胞によ
り認識されている数多くのこれらの成分各々が当業界に
周知である。成分は標準の分子生物学技術を利用してそ
の起源DNAから取り出し、そして特定の種に内因性で
あるその他の成分と一緒に利用できうることが当業界に
周知でもある。他方、異種成分を一緒に利用し、クロー
ン化DNAの安定な複製又はクローン化DNAによりコ
ードされるmRNAの発現をもたらしてよい。トリヌク
レオチドリピートを含むコード配列のクローニングに利
用できる成分の非限定的な説明は1994年6月28日
に出願された米国出願第08/267,803号に見い
出うる。
【0057】3.宿主細胞 本明細書に記載のベクターをクローニング及び発現する
のに適当な宿主細胞は原核細胞、糸状菌粒、酵母、原生
動物並びに高等真核細胞、例えば脊椎動物、無脊椎動物
及び植物細胞である。好ましくは、この宿主細胞は最少
限量のタンパク質分解酵素を分泌すべきである。宿主細
胞内でのクローン化DNAを含むベクターの増殖は近年
ルーチン的な手順となっており、そして当業界において
周知である。
【0058】他方、in vitroクローニング方
法、例えばPCR又はその他の核酸ポリメラーゼ反応が
適当である。
【0059】4.トランスフェクション及び形質転換 宿主細胞を本発明の上述の発現又はクローニングベクタ
ーによりトランスフェクション及び好適には形質転換
し、そしてプロモーターを誘導、形質転換体を選別、又
は所望の配列をコードするコード配列を増幅するために
適宜改良された慣用の栄養培地の中で培養する。
【0060】クローン化DNAを含むベクターの取り込
みを促進するための宿主細胞の処理の数多くの方法が当
業界に知られ、例えばリン酸カルシウム沈殿、エレクト
ロポレーション、塩化カルシウム処理、核注入、プロト
プラスト融合又はマイクロプロジェクチルボンバードメ
インも利用されうる。
【0061】宿主細胞の活性及びクローニングベクター
の運搬を助長する適当な培地の中でのクローニングベク
ターを含む宿主細胞の培養が当業界に周知である。当業
者に公知の任意の必須添加物を適当な濃度で含ませても
よい。培養条件、例えば温度、pH等は当業者に明らかと
なるであろう。本明細書中で言及する宿主細胞はinv
itro培養物及び宿主動物内のものを含む。
【0062】
【実施例】実験 コード配列の同定された全ての優性形態の脊髄小脳性運
動失調症(SCA1,2,3,6及び7)はポリグラタ
ミントラクトとして翻訳されるCAGリピートの拡張を
原因とする。その他の形質の運動失調症がこの突然変異
機構を共有するかどうかを決定するため、CAGリピー
トについてのリピート拡張検出(RED)を未知の形態
の優性遺伝運動失調症を有する運動失調症家系のコレク
ション由来のDNAサンプルに対して実施した(L. P.
W. Ranumら、Am. J. Hum. Genet., 57, 603-608 (199
5))。新規の形態の脊髄小脳性運動失調症(SCA8)
の原因となる今まで発表されていないCTG拡張の同定
を説明する。
【0063】a.方法 RED,2D−RED及びRAPIDクローニング SCA8アレルのリピート拡張検出(RED)、二次元
RED(2D−RED)及びRAPIDクローニングを
記載の通りに実施した(M. D. Koobら、NatureGenet.,
18, 72-75 (1998))。簡単には、ゲノムDNAを家系A
のプロバンド(図2)から標準の手順を利用して単離し
た。この単離したDNAを、1998年8月18日に出
願のL. P. W. Ranumらの米国出願第09/135,99
4号に記載のその後の2D−RED及びRAPIDクロ
ーニング手順に利用するため、EcoRIで消化した。
RED陽性画分を約5×105 クローンから成るサブゲ
ノムライブラリーの構築のために利用した。約5×10
4 クローンの内のクローンプールを個別にRED+ クロ
ーンについてスクリーニングした。これらのプールのう
ちの一つがRED80生成物を構築する。このプール由
来のプラスミドを記載の通りにして(M. D. Koobら、前
掲)(CTG)10オリゴを利用してCAG拡張を含むク
ローンについて濃縮し、そしてその結果得られたクロー
ンを36の個別のクローンのプールにおいてスクリーニ
ングした。次に、RED+ プールの一つ由来のクローン
を個別にスクリーニングした。RED80生成物を構築
する2つのクローンがこのプールから同定された。CT
G拡張及び隣接のゲノムDNAを含む1.2kbのインサ
ートを次に配列決定した(SEQ ID NO:1)。
【0064】拡張SCA8リピートのPCRアッセイ SCA8リピート拡張アッセイをSCA8−F3(5’
−TTTGAGAAAGGCTTGTGAGGACTG
AGAATG−3’)(SEQ ID NO:5)及び
SCA8−R2(5’−CCTCATGTTAGAAA
ACTGGCTTT−3’)(SEQ ID NO:
6)プライマーにより、PCR反応(200μMのdN
TP、10mMのTris pH9.0、50mMのKCl、
0.1%のTriton X−100、1.0mMのMg
Cl2 、10%のDMSO、0.1UのAmpliTa
q(Perkin Elmer,Norwalk,Co
nnecticut))サイクル数35回(94℃で4
5秒、53℃で75秒及び72℃で75秒)で実施し
た。EcoRI消化ゲノムDNAのサザン分析を、PC
Rにより確実に増幅されるには大きすぎる拡張アレルの
サイズを確認するために用いた(即ち、>200リピー
トを有するアレル)。このプローブはCTGリピートの
5’側の全てのエクソンC及びエクソンAの一部を含む
SEQ ID NO:3のヌクレオチド267〜604
を含んで成る約340bpのcDNA SCA8プローブ
であり、そしてKit Randam Prime (GIBCO BRL, Rockvil
le, MD) でその製造者の提唱に従いラベリングした。4
0の Center d'Etude du Polymorphisme Humain (CEPH)
対照家族(Coriell, Canden, NJ)の祖父母及び既知の形
質の運動失調症を有する患者の配偶者由来のDNAをS
CA8 PCRアッセイのための正常コントロールとし
て用いた。
【0065】SCA8拡張のマッピング SCA8リピートを上記のPCRアッセイによりCEP
HヒトYAC DNAプール(Research Genetics, Hun
tsville, AL 、製品番号95011A及び95011B)のスクリー
ニングにより物理的にマッピングした。簡単には、PC
R分析はSCA8 CTGリピートを含むYACクロー
ンを同定するため、プライマーSCA8−F3及びSC
A8−R2を利用するプールしたYACのDNAアリコ
ートに対して実施した。3つの重複YAC(758B
1,744F11及び810G9)が同定された。プラ
イマーSCA8−F3及びSCA8−R2を利用するそ
の後のPCR分析は重複するYACがSCA8 CTG
リピートを含むことを確証した。
【0066】これらのYACは染色体13q21にマッ
ピングされた大型YACコンティグの一部である。染色
体13の位置決めは染色体細胞ハイブリドパネルNIG
MSパネル#2(Coriell,Camden,N
J)を利用して個別に確認した。簡単には、PCR分析
をプライマーSCA8−F3及びSCA8−R2を利用
してDNAアリコートに対して実施し、SCA8 CT
Gリピートを含むヒト染色体を同定した。
【0067】連鎖分析 連鎖分析(例えばOtt. J., Analysis of Human Genetic
Linkage, 改訂版、The Johns Hopkins University Pre
ss, Bultimore, 1991 参照)をLINKAGEパッケー
ジコンピュータープログラム(バージョン5.1)を利
用し、そのプログラムの開発者の提唱に従い実施した
(G. M. Lathrop ら、Proc. Natl. Acad.Sci. USA, 81,
3443-3446 (1984))。5つの年令依存性浸透クラスが
その家系の年令発症プロフィールを基準に危険性のある
発症していない個体について確立された(0〜20才
10%;21〜30才 30%;31〜45才 50
%;46〜60才 60%;60才超 70%)。発症
した個体及び未発症の配偶者を別のクラスに分けた。一
般集団の運動失調症の発症率は1/10,000と推定
された。SCA8マーカーについてのアレル頻度はCE
PH祖父母由来のデータを基礎とした。
【0068】SCA8アレルのクローニング及び配列決
定 PCRをPrikin Elmer由来のXL PCR
キット(Norwalk,Connecticut)を
利用し、供給バッファー10mMのMg(OAC)を、1
0%のDMSO、3UのrTth DNAポリメラー
ゼ、XL及びプライマーSCA8−F4(GTAAGA
GATAAGCAGTATGAGGAAGTATG)
(SEQ ID NO:8)及びSCA8−R4(GG
TCCTTCATGTTAGAAAACCTGGCT)
(SEQ ID NO:9)を用い、前述の「拡張SC
A8リピートのPCRアッセイ」で述べた通りのサイク
ルで実施した。PCR生成物をアガロースゲル精製し、
リン酸化し(33mMのトリス酢酸、pH7.8、66mMの
酢酸カリウム、10mMの酢酸マグネシウム、500mMの
DTT、62mMのATP及び5UのT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ(Edicentre,Madison,W
I)、37℃で30分インキュベーション)、そしてC
IP処理したSmaI消化pBluescript S
K(−)(Stratagene,La Jolla,
CA)にクローニングした。プラスミドを標準のミニプ
レップ手順を利用して精製し、そして二本鎖ジデオキシ
配列決定を一のPCR生成物につき少なくとも2つの独
立のクローンで実施した。
【0069】cDNA末端の迅速増幅(RACE) 5’RACEシステム(バージョン2.0)(Gibco BR
L Life Technologies,Rockville, MD, Cat. No. 18374-
041)をcDNA 5’末端の迅速増幅のために用い
た。5’RACEシステムを利用する反応のため、第一
鎖合成はHuman Brain Carebellu
m mRNA(ヒト脳小脳mRNA)(Clontec
h,Cat.No.6543−1)及び2.5pmde
のcDNA特異的プライマー(以下参照)を利用してそ
の製造者の提唱に従い実施した。cDNAの精製及びT
dTテーリングは5’RACEシステムの製造者のプロ
トコールに記載の通りに実施した。
【0070】第一ラウンドのPCRはcDNAプライマ
ーの5’側の配列からデザインした入れ子式プライマー
及びこのキットに供与されている5’RACE省略型ア
ンカープライマーで実施した。反応はAdvantag
e cDNAポリメラーゼキット(Clontech)
で実施し、そしてサイクル数は35回とした(94℃で
50秒、65℃で4分)。
【0071】第二ラウンドPCRは1:20の希釈率の
第一ラウンド生成物で実施した。この反応に用いたプラ
イマーは第二の入れ子式プライマー及び5’RACEシ
ステムに供与されている省略型万能増幅プライマー(A
UAP)とした。GeneAmp XL PCR(Pe
rkin Elmer)成分を下記のPCRプロフィー
ルで用いた:94℃でのホットスタート、次いでサイク
ル数5回(94℃で30秒、72℃で2分);サイクル
数5回(94℃で30秒、70℃で2分);そして最後
にサイクル数32回(94℃で30秒、68℃で2
分)。
【0072】第一の5’RACE反応において、第一鎖
合成は製造者の提唱に従いHuman Brain C
erebellum mRNA(Clontech)及
び2.5pmoleのcDNA−特異的プライマーF5
(TCAATTCTTTATTCATAAATTCTT
AAG)(SEQ ID NO:4)を利用して実施し
た。第一PCRは製造者供給のAAPプライマー及びF
4プライマー(GTAAGAGATAAGCAGTAT
GAGGAAGTATG)(SEQ ID NO:8)
を利用した。第二の入れ子式PCRは製造者供給のAA
UPプライマー並びにI−longプライマー(GTC
TAGCCAAGGAATTGGGATAGGGCTT
C)(SEQ ID NO:13)及びC25プライマ
ー(GACTCCGCTGGAAACTCTTCAGC
CA)(SEQ ID NO:14)の双方を利用し
た。この結果はSCA8転写物の5’末端となった。
【0073】第二の5’RACE反応においては、第一
鎖は製造者の提唱に従いHumanBrain Cer
ebellum mRNA(Clontech)及び
2.5pmoleのcDNA−特異的プライマーF27
R(TCCATCTTTCTGAAGGTTTGCTC
AGCA)(SEQ ID NO:15)を利用して実
施した。第一PCRは製造者供給のAAPプライマー及
びF23Rプライマー(TTGAATGGCCGGTT
GATGACAG)(SEQ ID NO:16)を利
用した。第二の入れ子式PCRは製造者供給のAAUP
プライマー及びE22Rプライマー(CTGCTGAG
TGCCCTGCCCAGGAG)(SEQ ID N
O:17)を利用した。その結果はBKRP転写物の
5’末端であった。
【0074】Marathon−Ready cDNA
(小脳cDNA,Cat.no.7401−1)(Cl
ontech,polo Alto,CA)を5’及び
3’cDNA端の双方のために用いた。Maratho
n−Ready cDNA反応に関しては、2ラウンド
の入れ子式PCRラセットを上記の通り、そのキットに
供与されているプライマーAP1及びAP2、並びに別
のSCA8−特異的プライマー(下記参照)を利用して
実施したが、ただし双方の反応は下記のPCRプロフィ
ールを利用した:94℃でのホットスタート、次いでサ
イクル数5回(94℃で30秒、72℃で2分);サイ
クル数5回(94℃で30秒、70℃で2分);そして
最後にサイクル数25回(94℃で30秒、68℃で2
分)。
【0075】第一のMarathon cDNA反応に
おいて、第一のPCRはAPIプライマー及びF4プラ
イマーを利用した。第二の入れ子式PCRはAPIプラ
イマー及びNプライマー(GTAGTAGTAGTAG
TAAAGCCAGGTT)(SEQ ID NO:1
8)を利用した。この結果はSCA8転写物の第一部で
あった。
【0076】第二のMarathon cDNA反応に
おいては、第一PCRはAPIプライマー及びPプライ
マー(GCCCTATCCCAATTCCTTGGCT
AGA)(SEQ ID NO:12)を利用した。第
二の入れ子式PCRはAPIプライマー及びR4プライ
マー(GGTCCTTCATGTTAGAAAACCT
GGCT)(SEQ ID NO:9)を利用した。そ
の結果はSCA8転写物の3’−ポリA末端であった。
【0077】第三のMarathon cDNA反応に
おいては、第一PCRはAPIプライマー及びD23プ
ライマー(ACCCAGCCAGAGTCGCCTGC
TCA)(SEQ ID NO:7)を利用した。第二
の入れ子式PCRはAPIプライマー及びD24プライ
マー(CTTCATCGTCCTCCCCGTCCTC
TT)(SEQ ID NO:11)を利用した。その
結果はSCA8転写物の3’−ポリA末端であった。
【0078】生成物を1.2%のSeu Plaque
GTG(FMC BioProducts Chic
ago,IL)低融点アガロースゲル上で1×のTAE
バッファー(40mMのトリス酢酸、1mMのEDTA)で
分解した。分解したPCR生成物のバンドを無菌レーザ
ーブレードで切り出し、そしてアガロースをAgarA
CE(0.2U;Promega Madison,W
I)により供給者の説明書に従い酵素的に除去した。D
NAはEtOH沈殿により濃縮し、乾かし、そして10
μlの10mMのトリス、1mMのEDTA(pH7.5)バ
ッファーに再懸濁した。そのPCR生成物をプラスミド
ベクターpBS SK(−)(Stratagene,
La Jolla,CA)のSmaI部位の中にクロー
ニングした。PCRインサートのヌクレオチド配列を標
準技術を利用して決定した。配列分析はNational Cente
r for Biotechnology Information ウェブページ(www.
ncbi. nlm. nih. gov)を通じて入手できるインターネ
ットソフトウェアを利用して実施した。
【0079】ノーザン及びポリA+ RNAドットブロッ
ト分析 Human Brain Multiple Tissue Northern (Clontech) 及
びRNA Master Blot (Clontech)をノーザン分析のために
用いた。最初に、BKRP転写物の3’未翻訳領域由来
の約700bpのcDNAプローブ(SEQ ID N
O:10)をRandam Prime (GIBCO BRL, Rockville, M
D) を利用してラベリングし、そしてExpress Hybe (Clo
ntech) を利用して双方のブロットにハイブリダイズさ
せた。製造者の推奨はハイブリダイゼーション及び洗浄
に関して利用した。次いでブロットをストリッピング
し、そしてRandam Prime (GIBCO BRL)を利用してラベル
したSEQ ID NO:3のヌクレオチド267〜6
04を含んで成る340bpのcDNA SCA8プロー
ブと再ハイブリダイズさせた。
【0080】B.結果 運動失調症患者由来の拡張CTGリピートのRAPID
クローニング 未知の形態の優性遺伝運動失調症を有する運動失調症家
族の集団からの一の家系由来の疾患を有する母及び疾患
を有する娘由来のDNAサンプルは80組のCAGリピ
ートを有するRED生成物を構築した(RED80)。
娘由来のEcoRI消化ゲノムDNAの2D−RED分
析はRED80生成物が既知のCAG拡張により構築さ
れないことを示した(図1a)。このCAG拡張を更に
特性決定するため、拡張を含む約1.2kbのEcoRI
フラグメントをRAPIDクローニング手順を利用して
クローニングし、そして得られるクローン内のゲノムイ
ンサートのヌクレオチド配列を決定した。
【0081】配列分析はこの拡張が80組の中断のない
CAGリピート、それに続く10組のTAGリピートの
ストレッチから成ることを示した(図7a:CTG及び
CTAリピートを含む相補鎖をこの図に示す)。この拡
張に広がっている有意義なオープンリーディングフレー
ムはなく、そして特にポリグルタミン拡張を供するであ
ろうリーディングフレームは反復したTAG停止コドン
を含む。PCRプライマーはゲノム配列からリピートを
またいで増幅するようにデザインされ、そして染色体ハ
イブリドパネルのPCR分析及びCEPH YACライ
ブラリーはこの拡張を多形態マーカーD13S275及
びD13S135付近の染色体13q21に物理的にマ
ッピングした。今までこの座において運動失調症コード
配列はマッピングされていない。
【0082】新規の優先運動失調症(SCA8)を有す
る拡張したCTGリピートの共分離CTGリピートのP
CR分析は家系A由来のゲノムサンプルに対して実施し
た(図2)。疾患を有する個体及び2人の危険性を有す
る個体の双方がこのアレルの一つにおいて拡張を有する
ことが見い出され、そしてその拡張は3回の遺伝のうち
2回においてサイズが大きくなった。運動失調症家族集
団をこのPCRアッセイでスクリーニングし、そしてこ
の拡張を有する運動失調症患者のいる別の7つの家系が
同定された。図2は5組のこれらの家系の個体において
見い出されたCTG拡張のサイズを示す。これらの家族
のうちの最大の家族(家系E,図2)は7世代家系であ
り、その構成員89人を臨床的に評価し、そして拡張に
ついて試験した。PCR分析はこれらの家系における疾
患を有する個体全員がこの遺伝子座に拡張アレルを有す
ることを示した。家系Eについての運動失調症と拡張と
の間での連鎖分析(表I)は6.6の最大LOD点を示
した。この結果は、この遺伝子座での拡張が新規の形態
の優性遺伝脊髄小脳性運動失調症(SCA8)の原因で
ありうることを示唆する。
【0083】これらのSCA8家系由来の家族構成員を
診断した神経学者はこの遺伝子試験結果について目かく
した。全員で25人の臨床的に疾患を有する個体を同定
した。発症年令は10〜60才に範囲した(35±17
の平均±SD)、疾患を有する家族構成員の初期検査時
の年令は37〜68才(平均48±12)に範囲し、検
査時の疾患期間は0〜35年であった。搆音障害、軽い
呼吸及び歩行不安定性は一般に初期症状であった。検査
発見には痙性及び運動失調症障害、眼振、四肢及び歩行
運動失調症、回復痙性及び低下振動認知が挙げられる。
SCA8拡張についてホモ接合性である患者及びそのヘ
テロ接合同胞(図2、家系E、VI:24−26)は同
程度の疾患を有し、発症及び病気の進行速度は同程度で
あった。
【0084】拡張リピートを有するが評価時に臨床的に
疾患を有さない21人の個体がいた。無症候キャリヤー
の評価時の年令は14〜74才であり、その平均(44
±17才)であり、疾患を有する家族構成員の年齢と同
程度であった。この不完全な浸透度を理由に、SCA8
形態の運動失調症を有する個体は常に明確な運動失調症
の優性家系歴を有するものではなかった。我々のコレク
ションにおいて同定した8組のSCA8家族のうち6組
が優性運動失調症を有する家系歴として、1組(家系
D)はおそらくは劣性形態の運動失調症として(即ち、
多発的に疾患を有する同胞及び疾患のない親)、そして
1組は(示していない)は運動失調症病歴のない疾患を
有する個体(散発的)として分類された。後者の2家系
を除くと、SCA8は我々の家系コレクション中の優性
遺伝運動失調症の3.4%(6/175)を占め、SC
A1(10/175)及びSCA7(8/175)と似
た頻度であった。
【0085】SCA8病原性拡張は大きく、且つ不安定
である 疾患を有する及びその危険性のある個体の多大なSCA
8PCR分析を実施し(図3)、そして692の疾患の
ないアレルを代表するコントロールゲノムDNAサンプ
ルのパネルを分析した。この分析の結果を図4にまとめ
る。CTG及びCTAリピートは共に多形性であるた
め、我々のPCRアッセイはこれら2種類のリピートの
組合さったサイズを決定するものであり、そしてこれが
図4に示している値である。16〜91組の組合せCT
G/CTAリピートを有する正常SCA8アレルが見つ
かったが、正常アレルの>99%が19〜34の総リピ
ートを有していた。SCA8拡張を有する運動失調症患
者の間で、92〜179組の範囲の組合せCTG/CT
Aリピートが見つかった。疾患を有するアレルの配列決
定はCTAが3〜17組のリピートのサイズで変動する
ことを示したが、CTGリピートのみが一の世代から次
の世代との間で拡張し、又はサイズ変化することがわか
った。疾患を有する個体におけるCTG拡張のみのサイ
ズは80〜170組の中断のないリピートに範囲した。
このように疾患を有するアレルのサイズはその他SCA
を及ぼすどのCAG拡張について一般に認められるもの
よりも相当大きいが、成人発症DM患者間で見い出せる
CTG拡張とサイズにおいて似かよっている(T.As
hizawaら、Neurology,42,1877
−83(1992))。疾患を有さない最大のアレルの
一つ(81組の組合せリピート)も配列決定し、そして
68組の中断のないCTGリピートが見つかった。中断
のないCTG及びCTAリピートトラクトの間に見い出
せたCTG/CTAリピートに対するささいな単一ヌク
レオチド変化の数及び位置は配列決定したアレルの多く
の間で幅広く変動した。
【0086】CTGリピート数の世代間変化は一般にそ
の他の優性SCAよりもSCA8に関して大きいが、一
般にDMほどは大きくない。SCA8拡張の母方及び父
方遺伝におけるCTGリピート数の変化の棒グラフを図
5に示す。ほとんどの父方遺伝はCTGリピート(−3
6〜+7)の収縮をもたらし(即ち、この拡張は最大3
6リピートの消失から最大7リピートの増加で変化し
た)、そしてほとんどの母方遺伝は拡張をもたらした
(−7〜+575)。筋緊張性ジストロフィーにおいて
認められるものとサイズにおいて似かよったリピートの
長さの3通りの非常に大きい増加(+250,+35
0,+575)は全て母方遺伝に由来する。拡張の母方
遺伝への片寄りはその他のSCA(SCA1,SCA
2,SCA3,SCA8及びSCA7)については報告
されていないが、筋緊張性ジストロフィーについては似
ている。
【0087】疾患浸透度の母方への片寄り 驚くべきことに、症候性SCA8の27の記録遺伝のう
ちの25が母方であった(図2)。リピート拡張を有す
る18の無症候個体のうち3人が母方遺伝であり、15
人が父方遺伝であった。家系D(図2)がSCA8の記
録父方遺伝子を有する唯一の家系である。父は、臨床学
的に疾患を有さないが、異常に大きいSCA8拡張を有
し(200リピート)、そして彼の臨床学的に疾患を有
する子供はそれよりは小さいにしても大きいCTG拡張
を受け継いでいた(164及び170リピート)。
【0088】SCA8拡張のサイズは発症年令及び症度
とは相関しない その他の優性脊髄小脳性運動失調症とは異なり、SCA
8の発症年令はCTG拡張のサイズと有意に相関しない
ようである(図6)。図6の分析の中に含まれていない
4人の発症前個体は更に、リピート長が発症年令を予測
するのに利用できないことを示した。見つけられた最大
のSCAP拡張(約400,500及び700リピー
ト)は運動失調症徴候を示さない15〜24才の危険性
のある個体に存在し、そして家系Dの無症候キャリヤー
(図2)は200のCTGリピートを有したが、>2式
でもまだ発症していない。発症年令とリピート長との間
での相関の似たような欠如が約500未満のCTGリピ
ートを有するDM患者についても認められている。
【0089】SCA8患者間で幅広く変動する疾患の間
の症度も患者のリピート長又は発症年令と有意な相関が
ないことがわかる。しかしながら、SCA8疾患の期間
は疾患を有する同胞間で似かよっており、このことはリ
ピート長以外の環境的又は遺伝的要因がSCA8の病因
に強い影響を有することを示唆しうる。
【0090】SCA8トリヌクレオチドリピートは天然
のアンチセンス転写物における非翻訳CTGである SCA8 CAGリピートを含むcDNAを同定するた
め、小脳mRNAから構築したラムダcDNAライブラ
リーをスクーニングし、そしてたった一つのcDNAク
ローンが同定された。このクローン由来のインサートの
配列決定はcDNAが明らかに、CTG方向においてS
CA8リピートを通じて転写されたポリアデニル化mR
NAに由来することを示した。この結果はゲノムSCA
8配列の更なる分析を裏付けし、その分析はCTGリピ
ートの104bp3’側の共通ポリアデニル化シグナル及
びCTAリピートの112bp5’側の推定スプライシン
グアクセプター部位の存在を示した(図7)。
【0091】RACEの反復ラウンドを実施して全長プ
ロセシング化SCA8転写物を同定し、それを図8に模
式的に示す。連鎖したcDNAの3’又は5’末端の両
側を同定するMarathon RACE手順(CLO
NTECH)を利用した。ゲノム配列分析から予測の通
り、多重スプライス変異体の配列決定は、CTGリピー
トが予測のスプライシングアクセプター部位で始まる
3’末端エキソンの中に存在することを確証した。同定
された最長の転写物はCTG/CTAリピートを除くと
長さ1200ntであり、そして4つのエクソンから成
る。エクソンBを有さない短めの変異体も同定された。
これらの転写物は有意義なオープンリーディングフレー
ムを有さず、また公知のコード配列との有意義な相同性
を有さない。
【0092】驚くべきことに、長さ3kbまでの転写物の
独立のセットが、MarathonRACE手順をSC
A8転写物の5’エキソンD由来のプライマーを利用し
て実施したときに同定された。配列決定はこれらのポリ
アデニル化cDNAが長いオープンリーディングフレー
ムを有するが、SCA8転写物とは反対方向で転写され
たmRNAに由来することを示した。これらの転写物に
特異的なプライマーを利用する反復した5’RACE分
析はエキソンD及びCの接点に非常に近いSCA8転写
物のエクソンD内に属する5’末端を同定した(図7参
照のこと)。これらのデーターはSCA8転写物が、そ
のプロセシングされた形態において3.4kbのmRNA
と516bpの重複を有する点で天然のアンチセンスRN
Aであることを示唆する。516塩基対の重複はSEQ
ID NO:2の最初の516ヌクレオチドに対応す
る。SCA8 CTGリピートはアンチセンスの中にあ
るが、センス転写物の中にはない。
【0093】センスmRNA内のオープンリーディング
フレームは長さが547個のアミノ酸であり、且つ環抗
管のアクチン結合成分であるドロソフィラ・ケルヒ(D
rosophila kelch)タンパク質(D.
N.Robinsonら、J.Cell Biol.,
138,799−810(1997))との高い相同性
を有するタンパク質をコードする。この新しいコード配
列を脳ケルヒ−関連タンパク質(Brain Kelc
h−Related Protein:BKRP)と命
名する。BKRPは配列分析からケルヒ及び多数のジン
クフィンガータンパク質の中に存在するPOZ/BTB
タンパク質:タンパク質相互作用ドメインを有すること
が予測され、そしてケルヒのアクチン結合ドメインを構
成するものと考えられる6つの「ケルヒモチーフ」リピ
ートも有するものと予測される。BKRPは環状管に対
するケルヒの局在化の時期を担うケルヒのアミノ末端に
対する相同性を有さない。BKRPのドメイン組織は最
近発表されたケルヒ関連神経特異的ヒトコード配列NR
P/B(T.A.Kimら、J.Cell Biol.
141,553−66(1998))及び本質的に同一
のマウスコード配列ENC−1(M.C.Hernan
dezら、J.Neurosci.,17,3038−
51(1997))のそれと非常に似ている(BKRP
はこれらのタンパク質と同一性28%及び類似性48%
である)。脊椎動物における神経誘導の特異的な分子マ
ーカーとして同定されたENC−1タンパク質はアクチ
ン細胞骨格の構造に関与するものと仮定され、そして神
経過程情報に関与することの示されているNRP/Rは
核マトリックスタンパク質であると信じられている。
【0094】50人の成人及び胎児組織由来の標準化量
のmRNAで作った多重組織ブロット(RNA Mas
ter Blot,Clontech)及び8の脳式組
織から作ったノーザンブロット(Human Brai
n MTN Blot II,Clontech)から作
ったノーザンブロットをBKRP mRNA及びSCA
8アンチセンス転写物に特異的なプローブで順次プロー
ビングした。
【0095】SCA8プローブはドットブロット上に示
されているほとんどの組織から非常に弱いシグナルを検
出したが、このシグナルのレベルの低さはその他の転写
物とのバックグランドハイブリダイゼーションから明確
に区別できなかった。SCA8 cDNAが小脳mRN
AからPCRベース法により作られたという事実とは関
係なく、SCA8プローブはノーザンブロット上の転写
物を明確に検出できなかった。ポリA+ ドットブロット
のBKRPプロービングは黒質由来のmRNAにおける
最大レベルの転写物、小脳、前葉及び視床下部核におけ
る低めのレベルの発現、そして延髄、腎臓及び肺におけ
る更に低いレベルを検出した。全胎児脳由来のmRNA
は全成人脳由来のmRNAよりも有共に高いレベルのB
KRP転写物を含んだ。長さ約3.5kbの単一のBKR
P転写物がノーザンブロット上で、小脳、延髄及び前葉
由来のmRNAの中で検出され、大脳皮質、骨髄、後頭
極、側頭葉及び被殻由来のmRNAでは検出されなかっ
た。
【0096】配列表の説明 SEQ ID NO:2はエクソンD,C,B及びAを
含んで成る人工配列:cDNAである。 SEQ ID NO:3はエクソンE,C及びAを含ん
で成る人工配列:cDNAである。 SEQ ID NO:4〜9及び11〜18は人工配
列:プライマーである。 SEQ ID NO:10はBKRP転写物由来の人工
配列:cDNAである。
【図面の簡単な説明】
【図1】SCA8拡張CTGリピートのRAPIDクロ
ーニングを示す。 a)優性遺伝運動失調症を有する個体から単離したEc
oRI消化ゲノムDNAの2D−RED分析(星付きの
個体は図2の家系A)。構築されたRED生成物のサイ
ズをパネルの横に示し、そしてRED生成物を構築した
4つの画分をパネルの下に示す。RED30,RED7
0及びRED40生成物を構築したゲノムDNAサイズ
画分は多くの疾患を有する個体に存在する大きな非病理
性「バックグランド」CTGリピートを含む。RED8
0 CTG拡張を含むサイズ分画(星印で示す)はこの
運動失調症患者に固有であり、従って記載の通りにクロ
ーニングした。 b)RED陽性一次クローンプールに由来するCTG濃
厚クローンプールのRED分析(方法の欄参照のこ
と)。各プールは36人の個体のクローンに由来するD
NAを含む。プール9の中の個別のクローン由来のプラ
スミドDNAのRED分析は拡張CTGリピートを含む
2つのクローンを同定した。これらのクローンの配列分
析は80組の中断のないリピートを有する拡張したCT
Gトラクトを示した。
【図2】SCA8 CTGリピート拡張についての5組
の運動失調症家系を示す。べた塗り記号は運動失調症を
有する個体を示し、点付き記号はCTG拡張が遺伝され
ているが運動失調症の臨床的に発症していない個体を示
す。拡張したアレルのCTGリピート長は記号の下に示
す。拡張CTGの単離された患者を家系Aの中で黒を付
けて示す。家族E内で見つかったCTGリピート拡張の
配列の中断は、V:15及びV:16により寄与される
拡張アレルをその子孫から区別することを可能にする。
「M」又は「P」はCTG拡張を含むアレルが母方又は
父方遺伝のそれぞれであることを示す。
【図3】危険性のあるアレル及び正常アレルのSCA8
CTGのPCR分析。疾患を有する及び危険性のある
個体におけるSCA8アレルのPCRサイズ決定。拡張
(E)及び正常(E)アレルはパネルの核に示す。M1
3のサイズのはしごをサイズ対比のために含ませてい
る。
【図4】図3と同様、危険性のあるアレル及び正常アレ
ルのSCA8 CTGのPCR分析。コントロール染色
体(n=692)とSCA8アレルとの間でのリピート
領域長の分布を示す。安定に遺伝した多形態CTA(3
〜17リピート)はCTGストレッチの5’末端に位置
する。
【図5】母方及び父方遺伝についてのリピート数の世代
間変動。リピート変異をCTGリピート単位の減少
(−)又は増加(+)で示す。母方遺伝は灰色の棒で示
し、そして父方遺伝は黒色の棒で示す。
【図6】発症年令と拡張アレルのCTGリピート長との
関係の相関係数r=−0.33165が計算され、発症
分の変動のわずか11%(r2 =0.11)が疾患染色
体上のCTGリピート長に原因しうることを示す。
【図7】SCA8リピート領域のゲノム(a)及びmR
NA(b)の内容を模式的に示す。 a)CTG拡張のゲノムの内容。CTA及びCTGリピ
ートのコンホメーションをRAPIDクローニングによ
り単離されたリピート拡張について示す(「リピート領
域」)。CTG鎖のみ示す。スプライシングアクセブタ
ー部位はCTG拡張の5’側のゲノム配列の中にあり、
そして共通ポリアデニル化シグナルはリピートの3’側
の配列にある。SCA8リピートはCTG方向で転写さ
れ、そして完全にプロセシングされたアンチセンス転写
物の中にある。水平線分はcDNA配列を示し、そして
鉛直線分はおよそのスプライシング接点を示す。SCA
8転写物を4つのエクソン(A〜D)と一緒に示すが、
エクソンD,B及びA、又はエクソンE,C及びAのみ
を含むスプライス変異体も単離された(エクソンEは示
さない)。エクソンDは反対方向で転写されたmRNA
の5’UTRに対して相補性である。
【図8】ヌクレオチド配列を示す。 A)SCA8のリピート領域を含むゲノムDNAのEc
oRIフラグメントである(SEQ ID NO:
1)。 B)SCA8コード配列のmRNAである(SEQ I
D NO:2)。これらのmRNAはエクソンD,C,
B及びAを含む。
【図9】図8の続きである。 C)SCA8コード配列のmRNAである(SEQ I
D NO:3)。このmRNAはエクソンE,C及びA
を含む。
【図10】図9の続きである。 D)BKRP転写物の3’非翻訳領域由来の約700bp
のcDNAプローブを示す(SEQ ID NO:1
0)。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Ranum, Laura P.W. Koob, Michael <120> SPINOCEREBELLAR ATAXIA TYPE 8 AND METHODS OF DETECTION <130> 11000900101 <140> JP 11-306628 <141> 1999-10-28 <150> US. 09/181,585 <151> 1998-10-28 <160> 18 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1159 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 gaattcatgc ctataattta taagatctgc caccctacca gccttactgt ttttctcatt 60 ggtaatattc atgaagtcac tggtaatttt acattttaaa atatgcagta tgaattgcat 120 atatagtact tcttaaatgt caacacattt atcttaaatc atttatcgaa gtatgagaag 180 tacctatcat attttggtaa ataatacctt taggtttttc ctagttcttg gctccagact 240 aaccatcttg acctgtcatt ctagttttta cttctgagac attctatagt ctgtgtctga 300 tattctctac tatttcctca tttgtccttg cattcagatt gccttttctg actcccagct 360 tccacggaga gattaactct gttggctgaa gccctatccc aattccttgg ctagaccctg 420 ggtccttcat gttagaaaac ctggctttac tactactact actactacta ctactactac 480 tactgctact gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc 540 tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc 600 tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc 660 tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc 720 tgctgcattt tttaaaaata tattatctta ttttactatt tgatgttata attgttatat 780 atttttccat acttcctcat actgcttatc tcttacttaa gaatttatga ataaagaatt 840 gatttttcaa tacatccttc caaaaattat ctgatgttga gttagttgct ctctcttgtg 900 cattctcagt cctcacaagc ctttctcaaa cacaatgttt atcaaagaaa attgtagcaa 960 ccaatatact tagtggaatt tctcacagag tttgagtgta ggaaacagta ttcactgtat 1020 attagtcatt ttgctcccaa tagaaggtgc ataacataaa ttatttaagt ggatgaatgc 1080 tttattttcc tttataaaag taccttcttg cttcactgac atttctatac aactattctt 1140 gtaagcaagg aatgaattc 1159 <210> 2 <211> 1471 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: cDNA comprising exons D, C, B, and A <400> 2 atccttcacc tgttgcctgg ctagagttgt ctggctccac tttgagctct tgcagaacca 60 gccctttttc gtgtggtcca ggaaagtcca tgcctggcac cacctcctcc tctagtgact 120 ccacgtagaa gagagtcctg gctggctgct gagtgccctg cccaggagcc ccttgctgca 180 gcctcgtggc aactggaagc agggtgccat tcagcggatt gaaggaagag gaggaagagg 240 acggggagga cgatgaagag gaagaggagg aaggcttctt ccagaaagtg ctcacaccgc 300 ttctctcttg gcttttgagc aggcgactct ggctgggtcc ccagtgctca aagctgccac 360 tgccgtcctg ttgcaggcag cctccccccg ccgggccgcc ggtggaagga gacgggtggc 420 tgaagagttt ccagcggagt cgcagaatgt gcttcacatc gaagtctttt cgcccagagc 480 ctgacatgct ttacgcacag aaggcaaaag gctggcagct cacgcagggt tctggaggct 540 gggaagttca agaccaatgc acgagaattt ggtctaaaga gaatcttctt gctctgaaca 600 cacatagtag aaggcagaag ggcaagagag agaacaaagt ctgtgtctcc acatggcaga 660 agagcagagg agacagaacc tactcctcta tggcaaccac cccatcaatg acaaaaatcc 720 tagaaggatg tatgtatagg aagttgaagt gttgagaaga gaatggctca gagtcaagcg 780 ggaacaagat tcaaacttca gagagagagg gaagaaaaac atttaaatat atctggcata 840 atccagacta tttacgacaa gtgttctgtg tttctaataa taaaacagac ttcacctcgg 900 agtacctgca gaactgggac cccaatgacc agggagaatg aagaacaact tgtttgaaga 960 ttgccttttc tgactcccag cttccacgga gagattaact ctgttggctg aagccctatc 1020 ccaattcctt ggctagaccc tgggtccttc atgttagaaa acctggcttt actactacta 1080 ctactactac tactactact actactgcta ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg 1140 ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg 1200 ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg 1260 ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg 1320 ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgcat tttttaaaaa tatattatct tattttacta 1380 tttgatgtta taattgttat atatttttcc atacttcctc atactgctta tctcttactt 1440 aagaatttat gaataaagaa ttgatttttc a 1471 <210> 3 <211> 1037 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: cDNA comprising exons E, C, and A <400> 3 aagcgtaccc ctcgccagat ctcttggtgc acctgcgccc ctgtccctgg ccttttcgag 60 gatgccccga tagcctgccg ggtggctctg agaaagtcaa ttgctttctg caatgccaga 120 agaggtggtt ttatatagtc agtttgtaaa agagaaaaat agatattcta gcgcatatag 180 ggaggcaaaa gaaaaagccc gcctgtgaag ctgtcaaggt cctcacagta caattttctc 240 tctgcctcag cgcctcctcc tcccctttct ggaggctggg aagttcaaga ccaatgcacg 300 agaatttggt ctaaagagaa tcttcttgct ctgaacacac atagtagaag gcagaagggc 360 aagagagaga acaaagtctg tgtctccaca tggcagaaga gcagaggaga cagaacctac 420 tcctctatgg caaccacccc atcaatgaca aaaatcctag aaggatgtat gtataggaag 480 ttgaagtgtt gagaagagaa tggctcagag tcaagcggga acaagattgc cttttctgac 540 tcccagcttc cacggagaga ttaactctgt tggctgaagc cctatcccaa ttccttggct 600 agaccctggg tccttcatgt tagaaaacct ggctttacta ctactactac tactactact 660 actactacta ctgctactgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct 720 gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct 780 gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct 840 gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct gctgctgctg ctgctgctgc tgctgctgct 900 gctgctgctg ctgcattttt taaaaatata ttatcttatt ttactatttg atgttataat 960 tgttatatat ttttccatac ttcctcatac tgcttatctc ttacttaaga atttatgaat 1020 aaagaattga tttttca 1037 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 4 tcaattcttt attcataaat tcttaag 27 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 5 tttgagaaag gcttgtgagg actgagaatg 30 <210> 6 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 6 cctcatgtta gaaaactggc ttt 23 <210> 7 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 7 acccagccag agtcgcctgc tca 23 <210> 8 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 8 gtaagagata agcagtatga ggaagtatg 29 <210> 9 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 9 ggtccttcat gttagaaaac ctggct 26 <210> 10 <211> 682 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: cDNA from BKRP transcript <400> 10 agtggacaca gatggcttcc ttgaatattg ggagagcagg tgcctgtgtg gtagtcatca 60 agcaaccttg acttattgat attttacttg gaaagatttt acttgctgga gtggttattt 120 ttatattgaa tggcaagaat gagaacttcc agagatgaaa actcttcaag aacaaggatc 180 tctgtagcgt tacctactga tgttgaaaga gttagtagat caaacagaat agtaggaaac 240 aagaaaacat taaacttata caggaaaaat gtctggccat atgttagtta gttcgggaat 300 ggttattggt aatttgtttt gtattatagc atacaataac tagagttacc aaaggcttgt 360 tttttcttga gcagttgaaa ggagagacca atatttgtga catggatagt ttcatgacca 420 caactcattc aatcatttta tagtctatgg caatatccaa gagattgcca agagtagaag 480 acagaatatt tcatctgaca gtatctgatt ggtttactgt ttttctaatc atatgtggtc 540 ataacgggaa gcagaattat gctttattca aacaaacctg cttctgcctc attttcctaa 600 gctatgagaa caattagaga aacagattca tgcttgtatc ttgcattcag aaaacaaact 660 gtcctactaa tcaaagctgc at 682 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 11 cttcatcgtc ctccccgtcc tctt 24 <210> 12 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 12 gccctatccc aattccttgg ctaga 25 <210> 13 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 13 gtctagccaa ggaattggga tagggcttc 29 <210> 14 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 14 gactccgctg gaaactcttc agcca 25 <210> 15 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 15 tccatctttc tgaaggtttg ctcagca 27 <210> 16 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 16 ttgaatggcc ggttgatgac ag 22 <210> 17 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 17 ctgctgagtg ccctgcccag gag 23 <210> 18 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 18 gtagtagtag tagtaaagcc aggtt 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル ディー.クーブ アメリカ合衆国,ミネソタ 55113,ロー ズビル,ドラパー アベニュ 2186 (72)発明者 ケリー エー.ベンゾウ アメリカ合衆国,ミネソタ 55441,プリ マス,エイティーンス アベニュ ノース 11911 (72)発明者 メリンダ エー.モセレー−オールドレッ ジ アメリカ合衆国,ミネソタ 55102 セン ト ポール,アッシュランド アベニュ 579

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8型脊髄小脳性運動失調(SCA8)コ
    ード配列の危険性のあるアレル内に位置するDNAフラ
    グメントの存在を検査するための方法であって、 (a)前記SCA8コード配列のリピート領域を含むD
    NAフラグメントの独立の相補DNA分子をモル過剰量
    の2種類のオリゴヌクレオチドプライマーで処理し; (b)当該プライマーを伸長させて前記リピート領域を
    含む所望のDNAフラグメントを合成するための鋳型を
    担う相補プライマー伸長生成物を形成し; (c)このようにして増幅した前記フラグメントを検出
    し;そして (d)この増幅したDNAフラグメントをCTGリピー
    トを含んで成るリピート領域について分析する;ことを
    含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記2種類のオリゴヌクレオチドプライ
    マーの第一オリゴヌクレオチドプライマーがSEQ I
    D NO:1のヌクレオチド1〜448から選ばれ、そ
    して当該2種類のオリゴヌクレオチドプライマーの第二
    オリゴヌクレオチドプライマーがSEQ ID NO:
    1のヌクレオチド726〜1,159に相補性のヌクレ
    オチドから選ばれ、ここで各プライマーが少なくとも1
    1個のヌクレオチドを有する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第一オリゴヌクレオチドプライマー
    がSEQ ID NO:5,SEQ ID NO:8及
    びSEQ ID NO:4から成る群より選ばれ、そし
    て前記第二オリゴヌクレオチドプライマーがSEQ I
    D NO:6,SEQ ID NO:9及びSEQ I
    D NO:12から成る群より選ばれる、請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患っ
    ているか又はそれを発症する危険性を有するか否かを検
    査するためのキットであって、SEQ IDNO:1の
    ヌクレオチド1〜448から選ばれる第一オリゴヌクレ
    オチドプライマー及びSEQ ID NO:1のヌクレ
    オチド726〜1,159に相補性のヌクレオチドから
    選ばれる第二オリゴヌクレオチドプライマーを含んで成
    り、ここで各プライマーが少なくとも11個のヌクレオ
    チドを有する、キット。
  5. 【請求項5】 前記分析の段階が、(CTG)n リピー
    ト(式中、nは少なくとも約80である)を含んで成る
    リピート領域を分析することを含んで成る、請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記分析の段階が、組合せ((CTG)
    /(CTA))n リピート(式中、nは少なくとも約9
    2である)を含んで成るリピート領域を分析することを
    含んで成る、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 SCA8コード配列のリピート領域を含
    む少なくとも一種のDNA分子の存在を検出するための
    方法であって: (a)ゲノムDNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し
    てDNAフラグメントを得る; (b)当該DNAフラグメントを変性させてDNA分子
    を得、そしてこのDNA分子をハイブリダイゼーション
    条件下で検出可能式にラベルされたプローブでプロービ
    ングする、ここで当該プローブは単離されたSCA8コ
    ード配列のリピート領域を含むDNA分子にハイブリダ
    イズする; (c)前記DNA分子にハイブリダイズした前記プロー
    ブを検出する;そして (d)当該DNA分子を正常なSCA8コード配列又は
    危険性のある状態のSCA8コード配列を特徴とするリ
    ピート領域について分析する;ことを含んで成る方法。
  8. 【請求項8】 前記プローブがSEQ ID NO:1
    のヌクレオチド1〜448もしくはSEQ ID N
    O:1のヌクレオチド726〜1,159、又はそれら
    の相補体から選ばれ、ここで当該プローブが少なくとも
    20個のヌクレオチドを有する、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記プローブがSEQ ID NO:1
    のヌクレオチド19〜449、又はその相補体を含んで
    成る、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患
    っている又はそれを発症する危険性があるか否かを検査
    するためのキットであって、SEQ IDNO:1のヌ
    クレオチド1〜448もしくはSEQ ID NO:1
    のヌクレオチド726〜1,159、又はその相補体か
    ら選ばれるプローブを含んで成り、ここで各プローブは
    少なくとも20個のヌクレオチドを有するキット。
  11. 【請求項11】 前記分析の段階が、(CTG)n リピ
    ート(式中、nは少なくとも約80である)を含んで成
    るリピート領域を分析することを含んで成る、請求項7
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記分析の段階が、組合せ((CT
    G)/(CTA))nリピート(式中、nは少なくとも
    約92である)を含んで成るリピート領域を分析するこ
    とを含んで成る、請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患
    っているか又はそれを発症する危険性があるか否かを決
    定するための方法であって、8型脊髄小脳性運動失調症
    コード配列のリピート領域を分析することを含んで成
    り、ここで8型脊髄小脳性運動失調症の発症の危険性の
    ない個体は当該リピート領域内に80組未満のCTGリ
    ピートを有する、方法。
  14. 【請求項14】 SCA8コード配列の危険性のあるア
    レル内に位置するDNAフラグメントの存在を検出する
    ための方法であって: (a)前記SCA8コード配列のリピート領域を含むD
    NAフラグメントの独立の相補DNA分子をモル過剰量
    の第一オリゴヌクレオチドプライマーペアーで処理す
    る; (b)当該第一プライマーペアーを伸長させて、前記リ
    ピート領域を含む第一の所望のDNAフラグメントを合
    成するための鋳型を担う相補プライマー伸長生成物を形
    成する; (c)当該リピート領域を含む第一の所望のDNAフラ
    グメントを取り出す; (d)当該リピート領域を含む第一の所望のDNAフラ
    グメントの独立の相補鎖をモル過剰量の第二オリゴヌク
    レオチドプライマーペアーで処理する; (e)当該第二プライマーペアーを伸長させて、前記リ
    ピート領域を含む第二の所望のDNAフラグメントを合
    成するための鋳型を担う相補プライマー伸長生成物を形
    成する; (f)このようにして増幅した当該第二の所望のDNA
    フラグメントを検出する;そして (g)この増幅したDNAフラグメントをリピート領域
    について分析する;ことを含んで成る方法。
  15. 【請求項15】 前記第一オリゴヌクレオチドプライマ
    ーペアーが、SEQID NO:1のヌクレオチド1〜
    448から選ばれる第一オリゴヌクレオチドプライマー
    と、SEQ ID NO:1のヌクレオチド726〜
    1,159に相補性のヌクレオチドから選ばれる第二オ
    リゴヌクレオチドプライマーとを含んで成り、ここで各
    プライマーが少なくとも11個のヌクレオチドを有す
    る、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記第一オリゴヌクレオチドプライマ
    ーがSEQ IDNO:5,SEQ ID NO:8及
    びSEQ ID NO:4から成る群より選ばれ、そし
    て前記第二オリゴヌクレオチドプライマーがSEQ I
    D NO:6,SEQ ID NO:9及びSEQ I
    D NO:12から成る群より選ばれる、請求項15記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 前記第二オリゴヌクレオチドプライマ
    ーペアーがSEQID NO:1のヌクレオチド449
    〜725から選ばれる第一オリゴヌクレオチドプライマ
    ーと、SEQ ID NO:1のヌクレオチド726〜
    1,159に相補性のヌクレオチドから選ばれる第二オ
    リゴヌクレオチドプライマーとを含んで成り、ここで各
    プライマーは少なくとも11個のヌクレオチドを有す
    る、請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 個体が8型脊髄小脳性運動失調症を患
    っているか又はそれを発症する危険性があるか否かを検
    査するためのキットであって、SEQ IDNO:1の
    ヌクレオチド1〜448から選ばれる第一オリゴヌクレ
    オチドプライマーとSEQ ID NO:1のヌクレオ
    チド726〜1,159に相補性のヌクレオチドから選
    ばれる第二オリゴヌクレオチドプライマーとを含んで成
    る第一オリゴヌクレオチドプライマーペアー、及びSE
    Q ID NO:1のヌクレオチド449〜725から
    選ばれる第一オリゴヌクレオチドプライマーとSEQI
    D NO:1のヌクレオチド726〜1,159に相補
    性のヌクレオチドから選ばれる第二オリゴヌクレオチド
    プライマーとを含んで成る第二オリゴヌクレオチドプラ
    イマーペアーを含んで成り、ここで各プライマーは少な
    くとも11個のヌクレオチドを有する、キット。
  19. 【請求項19】 前記第二オリゴヌクレオチドプライマ
    ーペアーが3組のCTGリピートが後続する3組のCT
    Aリピートを有する第一オリゴヌクレオチドプライマー
    と、SEQ ID NO:1のヌクレオチド726〜
    1,159に相補性のヌクレオチドから選ばれる第二オ
    リゴヌクレオチドプライマーとを含んで成る、請求項1
    4記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記分析段階が(CTG)n リピート
    (式中、nは少なくとも約80である)を含んで成るリ
    ピート領域を分析することを含んで成る、請求項14記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 染色体13の長腕内に位置する単離さ
    れた8型脊髄小脳性運動失調症(SCA8)コード配列
    のリピート領域を含む単離された核酸分子及び当該核酸
    分子の相補体。
  22. 【請求項22】 前記核酸がDNAを含んで成る、請求
    項21記載の単離された核酸分子。
  23. 【請求項23】 前記DNAがcDNAである、請求項
    22記載の核酸分子。
  24. 【請求項24】 前記cDNAがSEQ ID NO:
    2を含んで成る、請求項22記載の核酸分子。
  25. 【請求項25】 前記cDNAがSEQ ID NO:
    3を含んで成る、請求項22記載の核酸分子。
  26. 【請求項26】 前記核酸がSEQ ID NO:1を
    含んで成る、請求項21記載の核酸分子。
  27. 【請求項27】 SEQ ID NO:1のヌクレオチ
    ド1〜448を含んで成る単離された核酸分子及びその
    相補体。
  28. 【請求項28】 SEQ ID NO:1のヌクレオチ
    ド726〜1,159を含んで成る単離された核酸分子
    及びその相補体。
  29. 【請求項29】 前記SCA8コード配列が、リピート
    領域の後続するSEQ ID NO:1のヌクレオチド
    1〜448を含んで成る、請求項21記載の単離された
    核酸分子。
  30. 【請求項30】 前記SCA8コード配列が、リピート
    領域の先行するSEQ ID NO:1のヌクレオチド
    726〜1,159を含んで成る、請求項21記載の単
    離された核酸分子。
  31. 【請求項31】 ベクターの中にSEQ ID NO:
    1のヌクレオチド1〜448を含んで成る単離された核
    酸分子。
  32. 【請求項32】 SEQ ID NO:1のヌクレオチ
    ド1〜448及びリピート領域を含んで成る単離された
    核酸分子、並びにその相補体。
  33. 【請求項33】 SEQ ID NO:1のヌクレオチ
    ド1〜448由来の少なくとも15個のヌクレオチドを
    含んで成る単離されたオリゴヌクレオチド、及びその相
    補ヌクレオチド。
  34. 【請求項34】 SEQ ID NO:1のヌクレオチ
    ド726〜1,159由来の少なくとも15個のヌクレ
    オチドを含んで成る単離されたオリゴヌクレオチド、及
    びその相補ヌクレオチド。
  35. 【請求項35】 少なくとも約11個のヌクレオチドを
    有する、SCA8コード配列のリピート領域を含む核酸
    分子にハイブリダイズする単離されたオリゴヌクレオチ
    ド。
  36. 【請求項36】 異種ベクター配列に作用可能式を連結
    されたSEQ IDNO:1のヌクレオチドを含んで成
    る単離された組換ベクター。
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