JP2000199121A - 水不溶性の機能性物質を含有させてなる絹糸とその製造方法 - Google Patents

水不溶性の機能性物質を含有させてなる絹糸とその製造方法

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JP2000199121A
JP2000199121A JP10374307A JP37430798A JP2000199121A JP 2000199121 A JP2000199121 A JP 2000199121A JP 10374307 A JP10374307 A JP 10374307A JP 37430798 A JP37430798 A JP 37430798A JP 2000199121 A JP2000199121 A JP 2000199121A
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silk
water
insoluble
silk thread
functional substance
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JP10374307A
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Yasuo Sasaki
安男 佐々木
Katsushi Yoshimura
劼志 芳村
Toshinori Nishimura
利典 西村
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UIRUBII KK
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UIRUBII KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水不溶性の機能性物質を含有してなる絹糸とそ
の製造方法を提供することにある。 【解決手段】本発明によれば、水不溶性の機能性物質を
絹糸を構成する蛋白質であるフィブロイン中に含有させ
てなる絹糸が提供される。このような絹糸は、本発明に
従って、蚕の飼料に水不溶性の機能性物質を配合し、こ
れを蚕に給餌して、フィブロイン中に上記機能性物質を
含有する絹糸を吐糸させて繭を形成させ、煮繭して生糸
を得、これを精錬することによって得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水不溶性の機能性物質
を含有させてなる絹糸とその製造方法に関し、詳しく
は、水不溶性の機能性物質を絹糸を構成する蛋白質であ
るフィブロイン中に含有させて、その機能を発現させる
ようにした絹糸とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維や半合成繊維は、その製造の段
階において、種々の水不溶性の機能性の物質を繊維中に
含有させることができる。一例として、繊維の製造に際
して、水不溶性の酸化チタン顔料を繊維中に練り込むこ
とによって、繊維に艶消し効果を付与することが古くよ
り行なわれている。そして、近年に至って、同様の方法
によって、合成繊維や半合成繊維中に防黴剤、防臭剤、
殺菌剤、遠赤外線を放射するセラミック等、水不溶性の
種々の機能性の物質を練り込んだ合成繊維や半合成繊維
が製造されて、衣料用途のみならず、種々の用途に広く
用いられている。
【0003】他方、天然繊維の分野においては、例え
ば、木綿については、古くより行なわれてきた樹脂加工
法や樹脂による顔料捺染法等を応用して、上述したよう
な水不溶性の種々の機能性物質を繊維の表面に付着させ
たり、又は繊維の表面の細孔にこのような機能性物質を
押し込む等の手段によって、修飾した木綿製品が製造さ
れるに至っている。
【0004】しかしながら、代表的な天然繊維の一つで
ある絹については、従来、その固有の特性を損なうこと
なく、上述したような水不溶性の種々の機能性物質を繊
維中に練り込んだり、また、繊維表面に強力に付着させ
たりして、いわば修飾を施した絹繊維は、知られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとる課題】本発明者らは、繊維の修
飾における上述した事情に鑑みて、絹糸に対する修飾に
ついて鋭意研究した結果、絹糸についても、種々の機能
性物質にて修飾することができることを見出して、本発
明に至ったものである。即ち、本発明は、水不溶性の機
能性物質を含有してなる絹糸とその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水不溶
性の機能性物質をフィブロイン中に含有させてなる絹糸
が提供される。このような絹糸は、本発明に従って、蚕
の飼料に水不溶性の機能性物質を配合し、これを蚕に給
餌して、絹糸を構成する蛋白質であるフィブロイン中に
上記機能性物質を含有する絹糸を吐糸させて繭を形成さ
せ、煮繭して生糸を得、これを精錬することによって得
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】養蚕と製糸は、既に、5千年も前
から中国で行なわれており、その産物である絹織物は、
遠く西洋にまで運ばれ、同じ目方の金の価格で取引され
たとさえいわれており、我が国へは2千年程前に中国か
ら伝わったとされている(篠原勝彦著「繊維の知識」
(株)アパレルファッション昭和57年改定第5刷発
行)。
【0008】蚕の作った繭を煮繭(しゃけん)し、これ
によって得られた繭の緒(いとぐち)を必要とする糸の
太さに応じて数本集めて捲き取ったものが生糸であり、
これを製糸という(上掲)。この生糸は、通常、約70
%前後のフィブロインと30%前後のセリシンよりな
り、絹糸は、フィブロインからなる2本のフィラメント
が膠質のセリシンで接着されている。そこで、このよう
な生糸を熱水や希アルカリで処理し、セリシンを除くこ
とによって(精錬)、ほぼ純粋のフィブロインからなる
絹糸を得ることができる。これが通常の絹糸の製造方法
である。
【0009】ここに、本発明によれば、水不溶性の機能
性物質を含む飼料を蚕に給餌して養蚕し、繭を形成さ
せ、この繭を上述したように煮繭して生糸を得、これを
精錬することによって、上記水不溶性の機能性物質を絹
糸を構成する蛋白質であるフィブロイン中に含む絹糸を
得ることができる。即ち、本発明によれば、水不溶性の
機能性物質を含む飼料を蚕に給餌して養蚕することによ
って、蚕が繭を形成するときに、上記水不溶性の機能性
物質をフィブロイン中に含む絹糸を吐糸させることがで
き、かくして、上記水不溶性の機能性物質を含むフィブ
ロインからなる絹糸を得ることができるのである。繭を
煮繭して生糸を得、これを精錬する手法は、既に、よく
知られている。
【0010】本発明において、機能性物質とは、機能性
物質が防黴性、殺菌性、防臭性、生理活性、遠赤外線放
射性若しくは蛍光性を有する物質又は着色剤(蛍光染料
を含む。)を含むが、しかし、これらに限定されるもの
ではない。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0012】実施例1 ポリエステル繊維用蛍光染料CIFB199を非イオン
界面活性剤にて水に分散させた濃度約20%の染料分散
液1重量部を蚕用人工飼料1重量部と水2.4重量部と共
に練った後、60分間スチームしたものを蚕に給餌し
て、養蚕した。このようにして養蚕した蚕から得られた
繭にブラックライトを照射したが、蛍光を発しなかっ
た。次に、この繭を煮繭して生糸を得、これを5g/L
濃度の炭酸ナトリウム水溶液中、85〜90℃にて40
分間加熱して精錬した後、水洗し、かくして、セリシン
を除去して、フィブロインからなる絹糸を得た。このよ
うにして得られた絹糸にブラックライトを照射したとこ
ろ、強力な蛍光を発した。
【0013】実施例2 40℃で遠赤外線を放射するセラミック粉末を桑葉に1
0重量%付着させ、これを蚕に給餌して、養蚕した。こ
のようにして養蚕した蚕から得られた繭を実施例1と同
様にして煮繭して生糸を得、これを精錬して、セリシン
を除去して、フィブロインからなる絹糸を得た。この絹
糸を坩堝で燃焼させたところ、上記セラミックと同じ色
の黒褐色の粉末が絹糸の6〜6.5重量%得られた。比較
例として、別に、桑葉のみを給餌して養蚕した蚕から得
た絹糸からは、上記と同じ処理によって、白褐色の粉末
が2〜2.5重量%得られた。
【0014】桑葉のみを給餌した蚕より得た絹糸とセラ
ミック粉末を桑葉に付着させた飼料を給餌した蚕より得
た絹糸について、それぞれ40℃における遠赤外線放射
分布(波長2〜25μm)を測定して、図1に示す結果
を得た。本発明による絹糸は、遠赤外線の放射量が比較
例による絹糸よりも多く、従って、セラミック粉末を桑
葉に付着させた飼料にて養蚕した蚕の繭から、上記セラ
ミック粉末をフィブロイン中に含む絹糸を得ることがで
きたことが示される。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、合成繊
維や半合成繊維と同様に、水不溶性の機能性物質を絹糸
を構成する間であるフィブロイン中に含有させることが
でき、かくして、本発明による水不溶性の機能性物質を
絹のフィブロイン中に含有させてなる絹糸は、本来の種
々の特性を保持しながら、上記機能性物質の有する機能
を新たに有する絹糸を得ることができる。例えば、蛍光
染料を含有させれば、蛍光を発する絹糸を得ることがで
き、また、遠赤外線を放射するセラミック粉末を含有さ
せれば、遠赤外線を放射する絹糸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による遠赤外線放射性セラミック粉
末を含む絹糸と通常の絹糸の遠赤外線放射分布(波長2
〜25μm)を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 西村 利典 京都府船井郡和知町広野

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水不溶性の機能性物質をフィブロイン中に
    含有させてなる絹糸。
  2. 【請求項2】機能性物質が防黴性、殺菌性、防臭性、生
    理活性、遠赤外線放射性若しくは蛍光性を有する物質又
    は着色剤である請求項1に記載の絹糸。
  3. 【請求項3】蚕の飼料に水不溶性の機能性物質を配合
    し、これを蚕に給餌して、絹糸を構成する蛋白質である
    フィブロイン中に上記機能性物質を含有する絹糸を吐糸
    させて繭を形成させ、煮繭して生糸を得、これを精錬す
    ることを特徴とする水不溶性の機能性物質を絹のフィブ
    ロイン中に含有させてなる絹糸の製造方法。
JP10374307A 1998-12-28 1998-12-28 水不溶性の機能性物質を含有させてなる絹糸とその製造方法 Pending JP2000199121A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018082665A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 三菱重工業株式会社 絹糸の製造装置および絹糸の製造方法
CN110665842A (zh) * 2019-11-14 2020-01-10 广西立盛茧丝绸有限公司 一种近红外光谱选茧方法
JP2020097807A (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 国立大学法人東北大学 ナノセルロースを含む複合糸の製造方法、ナノセルロースを含む複合糸および蚕用の餌
WO2022029769A1 (en) * 2020-08-06 2022-02-10 Security Matters Ltd. Marking silk products

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