JP2000198884A - 高流動性の長繊維強化樹脂組成物及びそれを用いる耐衝撃性及び耐熱性の成形品の製造方法 - Google Patents

高流動性の長繊維強化樹脂組成物及びそれを用いる耐衝撃性及び耐熱性の成形品の製造方法

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JP2000198884A
JP2000198884A JP10377454A JP37745498A JP2000198884A JP 2000198884 A JP2000198884 A JP 2000198884A JP 10377454 A JP10377454 A JP 10377454A JP 37745498 A JP37745498 A JP 37745498A JP 2000198884 A JP2000198884 A JP 2000198884A
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long
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JP10377454A
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English (en)
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Hiroshi Takei
井 洋 武
Rikio Yonaiyama
力 男 米内山
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長繊維強化粒状物から直接に強化賦型体を得
る。 【解決手段】 結晶性ポリプロピレン系単独重合体(a1
2)[(Tm)164℃;MFR(230℃;21.2N)20g/10min]80wt%と無水
マレイン酸改質ポリプロピレン樹脂(f)20wt%とからなる
結晶性ポリプロピレン系重合体(a1)40重量%に対して、6
-ナイロン[(Tm)225℃](b1)60wt%とからなる樹脂マトリ
ックス(c)[結晶化平衡時間500sec;MFR(230℃;21.2N)300
g/10min]を溶融状態で開繊含浸装置へ装入すると共に、
ガラス長繊維ロービング(d)を該装置へ導入して長繊維
強化ストランド(e)を、更に強化粒状物(e)(長さ=繊維
長20mm;繊維含有量40wt%]を作製した。強化粒状物(e)
は押出ヘッド11bから直接に賦型プレス装置3の下型33d
に注下され、次に上型33uが33dに嵌合しながら型締力(1
50tonf/cm2)で賦型と共に冷却固化して上開きの型物を
得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスタンパブルシート
成形工程を経ることなく直接にモールドスタンプ成形に
よって成形可能な高流動性の長繊維強化樹脂組成物並び
にそれを用いた耐衝撃性及び耐熱性の成形品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスタンパブルシートは溶融混練工
程→Tダイシート成形(スタンパブルシート作成)工程の
順で作成されている。従って、このスタンパブルシート
は連続体として得られる。実際に賦型を行なう需要家へ
は運搬及び貯蔵等の便宜上から定尺体として所定の長さ
に切断され、場合によっては所定の幅に裁断されて供給
されている。処が、賦型によって成形される成形品の大
きさ及び形状は様々であるから、供給された定尺体を賦
型側で自己の望む長さ、幅及び形状に裁断することを要
する。その結果として、切り屑及び粉塵が発生して歩留
まり低下及び作業環境低下を伴うことは避け難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法によれ
ば、各種の工夫が施されたにも拘らず、スタンパブルシ
ートをTダイ成形法によって一旦作成(予備成形)し、次
に漸く目的の形状を付与する賦型工程へ移行できるに過
ぎない。しかも、上記の様に従来のスタンパブルシート
は定尺物として供給されるから、賦型専業者はそれを購
入後に自己の意図する形状に打ち抜くか裁断する等の処
理を施すことを要した。その結果として、必然的に切り
屑、粉塵の発生及び作業環境の悪化を伴って、その軽減
又は解消が求められて来た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明方法によれば、従
来必須の工程であったスタンパブルシートの作成工程
[図1の(a)における「2」]を省略して、長繊維高流動
性の長繊維強化樹脂組成物(e)の粒状物(ペレット)から
直接に賦型成形品を得ることができる。その方策として
本発明者等は下記の1)〜10)の1以上に規定された構
成からなる本発明を完成した。 1)長繊維強化材(d)が樹脂マトリックス(c)中に開繊状
態で分散されると共に実質的に同一方向に整列した状態
で含有されしかもその樹脂マトリックス(c)が結晶化平
衡時間300sec以上でそのMFR(230℃;21.2N)80〜
500g/10minである長繊維強化樹脂組成物であって、
そのポリオレフィン系樹脂成分(a)の含有量25〜75
重量%及びそのポリアミド系樹脂成分(b)の含有量75
〜50重量%[(a)成分+(b)成分=100重量%になる
様に組合わせる)からなる該樹脂マトリックス(c)40〜
90重量%中に該長繊維強化材(d)60〜10重量%
[(c)成分+(d)成分=100重量%になる様に組合わせ
る)が分散された高流動性の長繊維強化樹脂組成物。 2)樹脂マトリックス(c)がそのMFR(230℃;21.2N)9
0〜450g/10minである前記項1に記載の高流動性の
長繊維強化樹脂組成物。 3)樹脂マトリックス(c)が結晶化平衡時間350sec以
上である前記項1又は2に記載の高流動性の長繊維強化
樹脂組成物。 4)結晶性ポリオレフィン系樹脂成分がプロピレン結晶
性単独重合体である前記項1〜3の何れかに記載の高流
動性の長繊維強化樹脂組成物。 5)結晶性ポリオレフィン系樹脂成分が改質ポリオレフ
ィン系樹脂又は非改質ポリオレフィン系樹脂と改質ポリ
オレフィン系樹脂との混合物である前記項1〜4の何れ
かに記載の高流動性の長繊維強化樹脂組成物。 6)長繊維強化材(d)が樹脂マトリックス(c)中に開繊状
態で分散されると共に実質的に同一方向に整列した状態
で含有されしかもその樹脂マトリックス(c)が結晶化平
衡時間300sec以上でそのMFR(230℃;21.2N)80〜
500g/10minである高流動性の長繊維強化樹脂組成物
であって、その結晶性ポリオレフィン系樹脂成分(a)の
含有量25〜75重量%及びそのポリアミド系樹脂成分
(b)の含有量75〜50重量%[(a)成分+(b)成分=10
0重量%になる様に組合わせる)からなる該樹脂マトリ
ックス(c)40〜90重量%中に該長繊維強化材(d)60
〜10重量%[(c)成分+(d)成分=100重量%になる
様に組合わせる)が分散された高流動性の長繊維強化樹
脂組成物からなる粒状物を流動可能にし、次いで圧縮成
形することを特徴とする耐衝撃性及び耐熱性の成形品の
製造方法。 7)前記項6において、樹脂マトリックス(c)として、そ
のMFR(230℃;21.2N)90〜450g/10minのものを用
いる高流動性の長繊維強化樹脂組成物の製造方法。 8)前記項6又は7において、樹脂マトリックス(c)とし
て結晶化平衡時間350sec以上のものを用いる高流動
性の長繊維強化樹脂組成物の製造方法。 9)前記項6〜8の何れかにおいて、結晶性ポリオレフ
ィン系樹脂成分としてプロピレン結晶性単独重合体を用
いる高流動性の長繊維強化樹脂組成物の製造方法。 10)前記項1〜9の何れかにおいて、結晶性ポリオレ
フィン系樹脂成分が改質ポリオレフィン系樹脂又は非改
質ポリオレフィン系樹脂と改質ポリオレフィン系樹脂と
の混合物である高流動性の長繊維強化樹脂組成物の製造
方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は本発明者が既に提案した
スタンパブルシート用に好適な熱可塑性樹脂組成物マト
リックス(以下、単に「マトリックス」と称することが
ある)(c)に対して更に、そのメルトフローレート[MF
R(230℃;21.2N)]を通常よりも相当に高い範囲である8
0〜500g/10min、好ましくは90〜450g/10minに
特定することにある。その狙いは長繊維(d)で強化され
た樹脂組成物(e)を形成するマトリックス(c)の溶融粘度
を低下させることによって、形成された高流動性の長繊
維強化樹脂組成物(e)の展開性を格段に高めることにあ
る。その結果として薄肉であっても層厚の均一な成形物
を得ることができる。換言すれば、薄肉であることを要
せずに強度又は剛性の大きさを重視する場合には強化用
の長繊維の濃度(含有量)を高めることによって対応する
ことができる。
【0006】<熱可塑性樹脂>本発明の高流動性の長繊
維強化樹脂組成物(e)中の熱可塑性樹脂マトリックス(c)
は結晶性ポリオレフィン系樹脂(a)とポリアミド系樹脂
(b)とからなり、その一方である結晶性ポリオレフィン
系樹脂(a)としてはポリアミド系樹脂(b)との組成物(c)
が結晶化平衡時間300sec以上、好ましくは350sec
以上でMFR(230℃;21.2N)80〜500g/10min、好ま
しくは90〜450g/10minを示すものであればその種
類は問わない。このポリオレフィン系樹脂(a)としては
通常、α-オレフィンの結晶性単独重合体樹脂(a1)及び
その2種以上の結晶性単独重合体樹脂の組合せ(a12)、
特にポリプロピレン系結晶性樹脂(a2)であってそのMF
R(230℃;21.2N)10〜500g/10min、好ましくは90
〜450g/10min及び融点(Tm)160〜165℃のもの
である。ここでポリプロピレン系結晶性単独重合体樹脂
(a2)としては下掲のものを挙げることができる: ◆プロピレンの単独重合体樹脂(a21); ◆ポリオレフィン樹脂組成物(a):上記のポリプロピレン
系結晶性重合体(a2)から選ばれた2種以上の組合せ。
【0007】本発明の長繊維強化樹脂組成物(e)は更に
改質ポリオレフィン(f)をも含有し得る。この改質ポリ
オレフィン(f)は上記の長繊維強化樹脂組成物(e)におけ
る結晶性ポリオレフィン系樹脂成分(a)全体であっても
良く、非改質結晶性ポリオレフィン系樹脂(a23)との特
定比率の重合体混合物(重合体組成物)であっても良い。
【0008】改質ポリオレフィン(f)(別名「改質オレフ
ィン系重合体」)における改質剤として最も優れた接着
性付与等の効果を発揮するものは無水マレイン酸(マレ
イン酸無水物)である。無水マレイン酸改質ポリオレフ
ィンの好適例としては、無水マレイン酸改質結晶性ポリ
エチレン、無水マレイン酸改質結晶性ポリプロピレン及
び両者の組成物を挙げることができる。
【0009】無水マレイン酸改質ポリオレフィンに含有
される無水マレイン酸単位の含有量は通常0.1〜3重
量%、好ましくは0.3〜1重量%に設定すれば殆どの
場合に所期の効果が発現される。
【0010】他の改質剤としては、不飽和カルボン酸系
の化合物例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン
酸、テトラヒドロフタル酸及びノルボルネンジカルボン
酸並びにこれら有機不飽和酸の酸無水物等の誘導体を挙
げることができる。
【0011】本発明の高流動性の長繊維強化樹脂組成物
(e)を構成する素材熱可塑性樹脂(c)の他方であるポリア
ミド系樹脂(b)としては上記ポリオレフィン系樹脂(a)と
の組成物(c)が結晶化平衡時間300sec以上、好ましく
は350sec以上でMFR(230℃;21.2N)80〜500g/
10min、好ましくは100〜300g/10minを示すもので
あればその種類は問わない。このポリアミド系樹脂(ナ
イロン)(b)としては通常、下掲のものを挙げることがで
きる: ◆単独重合ナイロン(b1):例えば6-ナイロン、7-ナイロ
ン、11-ナイロン及び12-ナイロンから選ばれる1種以
上; ◆単独重合ナイロン組成物(b11):上記単独重合ナイロン
から選ばれる2種以上の組合せ; ◆共重合ナイロン(b2):例えば6,6-ナイロン(66-ナイロ
ン)、6,7-ナイロン(67-ナイロン)、6,10-ナイロン(610-
ナイロン)、6,12-ナイロン(612-ナイロン)及び6-/6,6-
共重合ナイロンから選ばれる1種以上又は ◆共重合ナイロン組成物(b21):上記共重合ナイロンから
選ばれる2種以上の組合せ; ◆複合ナイロン組成物(b3):上記単独重合ナイロン組成
物(b11)と上記共重合ナイロン組成物(b21)との組合せ。
【0012】<強化用の長繊維>本発明の高流動性の長
繊維強化樹脂組成物(e)を構成する強化用の長繊維(d)と
しては各種の長繊維状物を用いることができる。この長
繊維は無機繊維及び有機繊維の中から、用途で要求され
る性状に応じて適宜選択され得る。無機繊維としてはガ
ラス繊維、金属繊維、炭素繊維並びに有機繊維例えば全
芳香族ポリアミド(別称:アラミド;商品名:ケルイミド
等)、全芳香族ポリエステル(商品名:ケブラー等)及びポ
リメチルメタアクリレート(PMMA)を挙げることがで
きる。これらの長繊維は上記の中から2種以上を用途に
応じて適宜組合わせたものであっても良く、原反の形で
供給される様な長い連続体であることが本発明の製法の
上から極めて重要である。
【0013】最も実用性に富む点で重要な長繊維はガラ
ス繊維であって、その絶対強度は多くの用途における要
求を充足する。比強度が最も重視される用途例えば航空
機及びレーシングカー等向けには炭素繊維が最適であ
る。また、導電性が最重要の用途向けには金属繊維又は
炭素繊維が選ばれるが、適度の導電性即ち、大き過ぎな
い導電性が要求に適合する場合例えば電熱手袋等向けに
は炭素繊維が好ましい。
【0014】通常用いられるガラス繊維は集束体形態で
あって、ロービング又はエンド等の形態で提供されてい
る。ガラス長繊維の集束体の1形態であるロービングは
繊維(ファイバー)の集束本数通常400〜10000
本、繊維の平均直径(平均径)4〜30μmのものであ
る。
【0015】<本発明の長繊維強化樹脂組成物の組成>
本発明の高流動性の長繊維強化樹脂組成物(e)は基本的
には上記ポリオレフィン系樹脂成分(a)と上記ポリアミ
ド系樹脂成分(b)とからなる熱可塑性樹脂マトリックス
(c)40〜90重量%、好ましくは45〜80重量%中
に強化用の長繊維(d)60〜10重量%、好ましくは5
5〜20重量%[成分(c)+成分(d)=100重量%にな
る様に組合わせる)が分散された組成物からなり、更に
この樹脂マトリックス(c)はポリオレフィン系樹脂成分
(a)の含有量50〜25重量%、好ましくは45〜30
重量%及びポリアミド系樹脂成分(b)の含有量50〜7
5重量%、好ましくは55〜70重量%[成分(a)+成分
(b)=100重量%になる様に組合わせる]から基本的に
は構成されている。
【0016】本発明の高流動性の長繊維強化樹脂組成物
(e)に更に含有される重合体成分として、改質ポリオレ
フィン(f)、特に無水マレイン酸改質ポリプロピレンの
含有量は重合体マトリックス[成分(a)+成分(f)]中にお
いて通常1重量%以上、好ましくは20重量%以上に設
定する。
【0017】<本発明の長繊維強化樹脂組成物を用いた
賦型操作>本発明の長繊維強化樹脂組成物(e)を成形す
る手段としては、それを一旦粒状物(ペレット)に一次成
形した上で溶融混練手段へ導入する段階を経る。なお、
本発明における「強化粒状物」又は「強化ペレット」は
強化用の長繊維が実質的にその長軸方向へ整列した状態
で含有された強化ストランドを所定の長さに切断する方
式で作成されたものであってそのL/Dが通常は1より
も大きなことから、別称として柱状体、棒状体等とも称
され得る。
【0018】本発明においては、この高流動性の長繊維
強化樹脂組成物から作成された強化粒状物が溶融混練さ
れた後には図1に示されたプレス3が最終の賦型手段と
なり、これに何等の別段の手段を付加することを要しな
い。即ち、上述の[従来の技術]における説明で予備成形
装置(スタンパブルシート成形装置)3と称された手段を
用いてスタンパブルシートを一旦作成する代わりに、こ
れらの上金型33uと下金型33dとの何れかを雄型、他
方を雌型としてその下金型33dの上面に本発明の高流
動性の長繊維強化樹脂組成物(e)を載置した後に上金型
33uを嵌合させて必要な温度及び圧力下に加熱押圧す
ることによって賦型及び形状固定を行なえば直接に成形
品を得ることができる。
【0019】<モールドスタンピング装置>本発明の各
工程を実行する為には公知のモールドスタンピング装置
(モールドスタンパー)として図1の模式的見取り図に示
された様な押出機1、移動式注入機2及びプレス装置3
の3者の組合せからなるモールドスタンプ装置を用い
て、スタンパブルシートを作成する中間段階を経ずに行
なわれる。
【0020】図1において左側奥(本発明における「上
下左右」等は説明の便宜上の表現である)に示された1
は押出機であり、そのバレル11の中に通常は混練及び
押出用スクリュウ(不図示)がその長手方向に内蔵されて
いて、周囲のバレルから供給される熱によって溶融され
た成形樹脂原料(c)と強化用の長繊維(d)とを内蔵スクリ
ュウによって必要程度に混練した後にバレルヘッド11
hから高流動性の長繊維強化樹脂組成物(e)として押出
す。
【0021】押出された成形原料である高流動性の長繊
維強化樹脂組成物(e)の溶融物はバレルヘッド11hに接
続された導管12を経由して図面中央手前に示された移
動式注入機2の受容部21を経由してバッファータンク
22へ送り込まれる。このバッファータンク22は押出
機1から供給される溶融樹脂を所定量まで貯留すると共
に、所定量に達した時点で該樹脂を空気圧等の衝撃によ
って次記の供給アーム23経由でプレス金型内へ一気に
送り込む役割を果たす。
【0022】受容部21には押出機バレル11に対して
垂直方向であって右方向へ供給アーム23が延び、それ
に内蔵された供給スクリュウ(不図示)によって給送され
て供給アーム23の先端の供給ヘッド24から高流動性
の長繊維強化樹脂組成物(e)の溶融物が賦型プレス装置
3の中の成形金型33(総称)における下金型33dの上
面へ流下供給される。ここで、受容部21、バッファー
タンク22、供給アーム23及び供給ヘッド24を一括
して「供給部」と称することがある。
【0023】移動式注入機2には供給部を図面において
前後方向及び右左方向へ往復移動させる駆動機構が内蔵
又は外付けされ(不図示)ており、図中の矢印で示された
方向へ供給部を移動させる役割を果たす。該供給部は架
台25の上面に架台25の長手方向へ往復移動可能に載
置されている。該架台25はその長手方向に対して垂直
な方向(押出機11のバレル11bと平行な方向)へ往復
移動可能に設置されている。
【0024】プレス装置3は頑丈な架設枠31(総称)と
その内部に架設された上金型固定板32u及びその下面
に固定された上金型33u、架設枠31の四隅に位置し
て上金型固定板32uを支えると共にその上下動を案内
する支柱31p及び四隅の支柱31pの上端付近相互間及
び下端付近相互間をそれぞれ連結して架設枠を直方体の
形状に保つ横材31b並びに下金型台32d及びその上面
に載置された下金型33dとから主として構成されてい
る。該上金型固定板32uは不図示の動力源によって駆
動されて該架設枠31内において上下方向へ移動可能で
ある。
【0025】
【発明の効果】本発明の組成物を用いれば、下記の諸種
の効果を奏することができる: (1)スタンプバールシートを経由しないで長繊維含有ペ
レットから直接に成形品を得ることができる (2)大きな展開性を備えた強化マトリックスであること
から、薄肉成形品を得ることができる (3)原料樹脂のMFRにも製品中のGF含有量にも制約
が大幅に緩和された結果、低粘度マトリックスの採用に
よる展開性の改善が可能になったことに加えて、強化用
長繊維例えばGF等の配合量(濃度)を高めて高剛性化製
品を得ることが可能となった。
【0026】
【実施例】本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的
に説明する。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0027】本発明において「融点(Tm)」とは差動走
査型熱量計(DSC)による試料の旧熱曲線におけるピー
クが位置する温度である。ピークが2個以上観測される
場合には最大面積のピークが位置する温度(℃)を融点
(Tm)とする。
【0028】
【実施例1】結晶性ポリプロピレン系単独重合体(a2)
[融点(Tm)164℃、MFR(230℃;21.2N)20g/10mi
n]80重量%と無水マレイン酸改質ポリプロピレン系樹
脂(f)[無水マレイン酸含有量0.5重量%、融点(Tm)1
64℃、MFR(230℃;21.2N)120g/10min]20重量
%とからなる結晶性ポリプロピレン系重合体(a2)40重
量%に対して、6-ナイロン(b1)[融点(Tm)225℃;商
品名:CM1017(東レ社製)]60重量%が配合されてなる樹
脂マトリックス(c)[結晶化平衡時間500sec;MFR(2
30℃;21.2N)300g/10min]を溶融状態で押出機から開
繊含浸装置へ装入すると共に、強化材であるガラス長繊
維ロービング(d)[繊維平均径17μm;集束本数4000
本;繊維平均長150mm(日本電気硝子社製)]を上記の開
繊含浸装置へ導入して装置内に略水平に多数本設けられ
た開繊ピンの表面に沿って千鳥型に刺通させながら溶融
樹脂によって開繊すると共に解繊された各線条の間に溶
融樹脂を含浸させて長繊維強化ストランド(e)を作成し
た。該ストランドを冷却後に平均長20mmに切断して強
化ペレット(別称:強化粒状物)(e)を作成した。この強化
ペレット(e)の強化材(d)含有量は40重量%であった。
【0029】押出機1の諸元: ・フルフライト型スクリュウ(50mmφ); ・L/D:17.0; ・フィード部溝深さ:9.0mm;メータリング部溝深さ:
5.0mm; ・圧縮比:1.6。
【0030】<長繊維入り樹脂ペレットの賦型>調製さ
れた高流動性の長繊維強化樹脂組成物(e)は上記押出機
1のバレル11中で溶融混練(280℃)後にヘッド11
bから導管12を介して移動式注入器2の受容部21へ
送られ21から張り出したバッファータンク(容量90
0cc)22内に貯留され、所定量に達した時点でバッフ
ァータンク22内に空気圧が作動して21から延びる供
給アーム23に内蔵されたスクリュウ(不図示;40mm
φ;圧縮比1.0)へ圧送によって装填され、23の先端
に設けられたヘッド24から直接に(スタンパブルシー
ト作成を経由せずに)賦型プレス装置3の下段に設けら
れた雄型である四角錘台形の下型33d(温度80℃)の
上面に注下された。注下終了後に雌型である上型33u
が上金型駆動機構によって下方へストローク800mm分
だけ移動されて下型に嵌合しながら所定型締め力(15
0tonf/cm2)で挟圧して所定の形状に賦型すると共に樹
脂マトリックス(c)を冷却固化させて、上開きの四角錘
台形の成形品を得た。得られた成形品の諸元は下記の通
りであった:口縁長辺500mm×口縁短辺300mm×高
さ50mm;底部長辺400mm×底部短辺200mm;口縁部
平均肉厚3mm;側壁部平均肉厚3mm;底部平均肉厚3mm;
平均繊維長3.2mmであった。成形試験及び成形品の性
状は下掲の通りであった:実施例1における成形所要時
間は2.0min、溶融時の展開性は成形品の長手方向にお
いてLb/Lc100%及び充填状態「良」、成形品の肉厚
均一性は肉厚さにおいて0.02mm、成形品の耐熱性は
荷重1.8MPaにおける熱変形温度220℃並びに耐衝撃
性はDynatup衝撃試験のトータルエネルギーで30N・mで
あった。それぞれの結果を表1に示す。
【0031】
【比較例1】実施例1におけると同一のポリアミド樹脂
(b1)を用いて、その使用量を80重量%に増加させた以
外には実施例1におけると同一に操作してマトリックス
組成物(c)[結晶化平衡時間230sec、MFR(230℃;2
1.2N)160g/10min]を得た。これ以降は実施例1にお
けると同一に操作してガラス長繊維強化ペレット(e)を
作製した。得られた長繊維強化ペレット(e)の平均長は
20mm及び長繊維強化材を40重量%含有していた。
【0032】この強化ペレット(e)を用いて実施例1に
おけると同一の押出機中で同一条件下にスタンプバール
シート(厚さ5mm)を作製しようと試みた。しかし、この
スタンパブルシートへの成形所要時間が8minに達し、
「溶融時の展開性」におけるLb/Lcは82%に留まり、
「充填状態」にはショートが生ずると共に、試作片の肉厚
の均一性の尺度である「肉厚差」が3.2mmに達しなが
ら、耐熱性の尺度である熱変形温度は220℃;耐衝撃
性はトータルエネルギーで31N・mであった。それぞれ
の結果を表1に示す。
【0033】
【実施例2】結晶性ポリプロピレン系単独重合体(a2)
[融点(Tm)164℃;MFR(230℃;21.N)20g/10min]
80重量%と無水マレイン酸改質ポリプロピレン樹脂
(f)[無水マレイン酸含有量0.5重量%;融点(Tm)16
4℃;MFR(230℃;21.2N)120g/10min]20重量%と
からなる結晶性ポリプロピレン系重合体(a)30重量%
に対し、6-ナイロン(b1)[結晶融点(Tm)225℃;商品
名:CM1017(東レ社製)]70重量%が配合されてなる樹脂
マトリックス(c)[結晶化平衡時間350sec;MFR(230
℃;21.2N)200g/10min]を溶融状態で押出機から開繊
含浸装置へ装入すると共に、強化材であるガラス長繊維
ロービング(d)として実施例1におけると同一のものを
用いてガラス長繊維強化ストランド(e)を作成した。該
強化ストランド(e)を冷却後に平均長20mmに切断して
ガラス長繊維強化ペレット(e)を作成した。この強化ペ
レット(e)の強化材(d)含有量は40重量%であった。
【0034】この強化ペレット(e)を用いて実施例1に
おけると同様にしてダイレクトモールドスタンピングを
行なって実施例1におけると同一諸元の四角錐台形成形
品を得た。この成形試験及び成形品の性状は下掲の通り
であった:実施例2における成形所要時間は2.3min、
溶融時の展開性は成形品の長手方向においてLb/Lc1
00%及び充填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚さ
において0.04mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaに
おける熱変形温度220℃並びに耐衝撃性はDynatup衝
撃試験のトータルエネルギーで31N・mであった。それ
ぞれの結果を表1に示す。
【0035】
【実施例3】結晶性ポリプロピレン系単独重合体(a2)
[融点(Tm)164℃;MFR(230℃;21.2N)20g/10min]
75重量%と無水マレイン酸改質ポリプロピレン樹脂
(f)[無水マレイン酸含有量0.5重量%、融点(Tm)16
4℃、MFR(230℃;21.2N)120g/10min]25重量%
とからなる結晶性ポリプロピレン系重合体(a)40重量
%に対して、6-ナイロン(b1)[結晶融点(Tm)225℃;
商品名:CM1017(東レ社製)]60重量%が配合されてなる
樹脂マトリックス(c)[結晶化平衡時間400sec;MFR
(230℃;21.2N)130g/10min]を溶融状態で押出機から
開繊含浸装置へ装入すると共に、強化材であるガラス長
繊維ロービング(d)[繊維平均径17μm;集束本数400
0本(日本電気硝子社製)]を用いて長繊維強化ストラン
ド(e)を作成した。該強化ストランド(e)を冷却後に平均
長5mmに切断して強化ペレット(e)を作成した。この強
化ペレット(e)の強化材(d)含有量は40重量%であっ
た。
【0036】この強化ペレット(e)を用いて実施例1に
おけると同様にしてダイレクトモールドスタンピングを
行なって四角錐台形の成形品を得た。成形試験及び成形
品の性状は下掲の通りであった:実施例3における成形
所要時間は2.0min、溶融時の展開性は成形品の長手方
向においてLb/Lc100%及び充填状態「良」、成形品
の肉厚均一性は肉厚差において0.02mm、成形品の耐
熱性は荷重1.8MPaにおける熱変形温度220℃並びに
耐衝撃性はDynatup衝撃試験のトータルエネルギーで3
3N・mであった。それぞれの結果を表1に示す。
【0037】
【比較例2】実施例1におけると同一のポリアミド樹脂
(b1)45重量%を用いる以外には実施例1におけると同
一の操作で作成された樹脂マトリックス(c)[結晶化衡時
間260sec、MFR(230℃;21.2N)70g/10min]を用
い、この樹脂マトリックス(c)中に実施例1におけると
同一の強化用ガラス長繊維(d)が含有された長繊維強化
ペレット(e)を得た。
【0038】この強化ペレット(e)を用いて実施例1に
おけると同様にして、四角錐台形の成形品を作成するこ
とを試みた。比較例2における成形所要時間は2.0min
に留まったものの、成形性の一端である「溶融時の展開
性」においてLb/Lcが100%に達し、「充填状態」は
「良」であると共に、「肉厚の均一性」の基準である「肉厚
差」は0.02mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaにおけ
る熱変形温度155℃並びに耐衝撃性はDynatup衝撃試
験のトータルエネルギーで28N・mに過ぎなかった。そ
れぞれの結果を表1に示す。
【0039】
【比較例3】比較例3は強化ペレットの平均長を1mmに
設定した以外には実施例1におけると同様にして行なわ
れた例である。比較例3における成形所要時間は2.0m
inに留まったものの、成形性の一端である「溶融時の展
開性」においてLb/Lcが100%に達し、「充填状態」は
「良」であると共に、「肉厚の均一性」の基準である「肉厚
差」は0.02mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaにおけ
る熱変形温度220℃並びに耐衝撃性はDynatup衝撃試
験のトータルエネルギーで5.2N・mに過ぎなかった。そ
れぞれの結果を表1に示す。
【0040】
【比較例4】比較例4は強化ペレットの平均長を150
mmに設定した以外には実施例1におけると同様にして成
形品を得ようと試みた。しかし、成形所要時間は2.5m
inに留まったものの、成形性の一端である「溶融時の展
開性」においてLb/Lcが88%にしか達しなかった結
果、「充填状態」にショートが生ずると共に、「肉厚の均
一性」の基準である「肉厚差」が2.8mmに達した。それぞ
れの結果を表1に示す。
【0041】
【実施例4】実施例4においては結晶性ポリプロピレン
系単独重合体(a2)として実施例1におけるものに代えて
(a21)[融点(Tm)164℃、MFR(230℃;21.2N)120
g/10min]を80重量%を用いると共に、ポリアミド(b1)
として実施例1におけると同一のポリアミド樹脂[融点
(Tm)225℃;商品名:CM1017(東レ社製)]60重量%
を用いた以外には実施例1におけると同一条件及び同一
操作で樹脂マトリックス(c)[結晶化平衡時間400sec;
MFR(230℃;21.2N)450g/10min]を得た。この樹脂
マトリックス(c)中に実施例1におけると同一の操作で
強化用ガラス長繊維(d)を均一分散状態で配合して、長
繊維強化ペレット(e)を作製した。この強化ペレット(e)
の平均長を100mmに設定する以外には実施例1におけ
ると同一条件及び同一操作でダイレクトモールドスタン
ピングを行なった結果、四角錐台形の成形品を得た。こ
の成形試験及び成形品の性状は下掲の通りであった:実
施例4における成形所要時間は2.1min、溶融時の展開
性は成形品の長手方向においてLb/Lc100%及び充
填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚さにおいて0.
05mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaにおける熱変形
温度220℃並びに耐衝撃性はDynatup衝撃試験のトー
タルエネルギーで38N・mであった。それぞれの結果を
表1に示す。
【0042】
【実施例5】実施例5では実施例1におけると同一の結
晶性ポリプロピレン系単独重合体(a2)80重量%と実施
例1におけると同一の無水マレイン酸改質ポリプロピレ
ン樹脂(f)20重量%とからなる結晶性ポリプロピレン
系単独重合体(a)40重量%に対して、実施例1におけ
ると同一の6-ナイロン(b1)60重量%が配合されてなる
実施例1におけると同一の樹脂マトリックス(c)[結晶化
平衡時間500sec;MFR(230℃;21.2N)300g/10mi
n]を得た。この樹脂マトリックス(c)を用いて、その中
に実施例1におけると同一のガラス長繊維強化材(d)を
均一分散状態で含有する平均長20mmのガラス長繊維強
化ペレット(e)を得た。この強化ペレット(e)中のガラス
長繊維強化材(d)の含有量は55重量%に設定した。
【0043】このガラス長繊維強化ペレット(e)を用
い、実施例1におけると同一条件及び同一操作でダイレ
クトモールドスタンピングを行なって四角錐台形の成形
品を得た。この成形試験及び成形品の性状は下掲の通り
であった:実施例5における成形所要時間は2.3min、
溶融時の展開性は成形品の長手方向においてLb/Lc1
00%及び充填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚さ
において0.05mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaに
おける熱変形温度220℃並びに耐衝撃性はDynatup衝
撃試験のトータルエネルギーで35N・mであった。それ
ぞれの結果を表1に示す。
【0044】
【実施例6】実施例6では実施例1におけると同一の結
晶性ポリプロピレン系単独重合体(a2)80重量%と実施
例1におけると同一の無水マレイン酸改質ポリプロピレ
ン樹脂(f)20重量%とからなる結晶性ポリプロピレン
系重合体(a)40重量%に対して、実施例1におけると
同一の6-ナイロン(b1)60重量%が配合されてなる実施
例1におけると同一の樹脂マトリックス(c)を得た。こ
の樹脂マトリックス(c)を用いて、樹脂マトリックス(c)
中に実施例1におけると同一のガラス長繊維ロービング
(d)を均一分散状態で含有する平均長20mmの強化ペレ
ット(e)を得た。この強化ペレット(e)中のガラス長繊維
強化材(d)の含有量は20重量%であった。このガラス
長繊維強化ペレット(e)を用い、実施例1におけると同
一条件で同一に操作してダイレクトモールドスタンピン
グを行なって四角錐台形の成形品を得た。この成形試験
及び成形品の性状は下掲の通りであった:実施例6にお
ける成形所要時間は2.0min、溶融時の展開性は成形品
の長手方向においてLb/Lc100%及び充填状態
「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚さにおいて0.05m
m、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaにおける熱変形温度
220℃並びに耐衝撃性はDynatup衝撃試験のトータル
エネルギーで28N・mであった。そそれぞれの結果を表
1に示す。
【0045】
【比較例5】マトリックス樹脂に対するガラス長繊維強
化材(d)の強化ペレット(e)中の配合量を80重量%に変
えた以外には実施例1と同様に操作して、長繊維強化材
(d)入り成形品を得ようと試みたが、「成形不能」であっ
た。その結果を表1に示す。
【0046】
【比較例6】マトリックス樹脂に対するガラス長繊維強
化材(d)の配合量を5重量%に変えた以外には実施例1
におけると同様に操作してガラス長繊維強化材(d)入り
成形品を得た。
【0047】比較例6における成形所要時間は1.8mi
n、溶融時の展開性は成形品の長手方向においてLb/Lc
100%及び充填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚
さにおいて0.02mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPa
における熱変形温度120℃並びに耐衝撃性はDynatup
衝撃試験のトータルエネルギーで4N・mであった。そそ
れぞれの結果を表1に示す。
【0048】
【実施例7】マトリックス樹脂を構成するポリアミド樹
脂をポリアミド-66(b2;ナイロン-66)に変更すると共に
その配合量を60重量%に変え、改質ポリオレフィン
(f)の基材重合体の種類を別種の物に変えると共にその
配合量を100重量%に変え、更にマトリックス樹脂を
構成するポリオレフィン系樹脂(a)の配合量を40重量
%に変えた外には実施例1と同様に操作して樹脂マトリ
ックス(c)[結晶化平衡時間500sec;MFR(230℃;21.
2N)300g/10min]を得た。この樹脂マトリックス(c)を
用いて、樹脂マトリックス中に実施例1におけると同一
のガラス長繊維ロービング(d)を均一分散状態で含有す
る平均長50mmの強化ペレットを(e)得た。この強化ペ
レット中のガラス長繊維(d)の含有量は40重量%であ
った。このガラス長繊維強化ペレット(e)を用い、実施
例1におけると同一条件で同一に操作してダイレクトモ
ールドスタンピングを行なって四角錐台形の成形品を得
た。この成形試験及び成形品の性状は下掲の通りであっ
た:実施例7における成形所要時間は2.4min、溶融時
の展開性は成形品の長手方向においてLb/Lc100%
及び充填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉厚さにおい
て0.03mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MPaにおける
熱変形温度265℃並びに耐衝撃性はDynatup衝撃試験
のトータルエネルギーで30N・mであった。それぞれの
結果を表1に示す。
【0049】
【実施例8】マトリックス樹脂を構成するポリアミド樹
脂をポリアミド-66(b2;ナイロン-66)に変更すると共に
その配合量を60重量%に変え、改質ポリオレフィン
(f)の基材重合体の種類を別種の物に変えると共にその
配合量を1重量%に変え、更に樹脂マトリックスを構成
する結晶性ポリオレフィン系樹脂(a)の配合量を99重
量%に変えた以外には実施例1と同様に操作して、樹脂
マトリックス(c)[結晶化平衡時間500sec;MFR(230
℃;21.2N)450g/10min]を得た。この樹脂マトリック
ス(c)を用いて、樹脂マトリックス中に実施例1におけ
ると同一のガラス長繊維ロービング(d)を均一分散状態
で含有する平均長50mmの強化ペレット(e)を得た。こ
の強化ペレット(e)中のガラス長繊維(d)の含有量は40
重量%であった。このガラス長繊維強化ペレット(e)を
用い、実施例1におけると同一条件で同一に操作してダ
イレクトモールドスタンピングを行なって四角錐台形の
成形品を得た。この成形試験及び成形品の性状は下掲の
通りであった:実施例8における成形所要時間は2.4m
in、溶融時の展開性は成形品の長手方向においてLb/L
c100%及び充填状態「良」、成形品の肉厚均一性は肉
厚さにおいて0.03mm、成形品の耐熱性は荷重1.8MP
aにおける熱変形温度265℃並びに耐衝撃性はDynatup
衝撃試験のトータルエネルギーで33N・mであった。そ
れぞれの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のダイレクトモールドスタンピン
グを実行する為の成形装置の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 移動式注入機 3 プレス 11 押出機バレル 12 導管 21 移動式注入機の受容部 22 移動式注入機から張り出したバッファータンク 23 移動式注入機の供給アーム 24 移動式注入機の供給ヘッド 31 架設枠(総称) 32 プレス用の金型固定板(総称) 33 プレス用の金型(総称) 11b 押出機のヘッド 31b 架設枠の横材 31p 架設枠の支柱 32d 下金型固定板 32u 上金型固定板 33d プレス用の下金型 33u プレス用の上金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/00 C08L 77/00 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AA09 AB04 AB05 AB06 AB09 AB10 AB11 AB14 AD04 AD44 AD53 AD54 AG05 AH05 AK04 AK14 AL01 4J002 BB01W BB12W BB21Z BG06Y CF16Y CL01X CL03X CL05X CL06Y DA026 DA066 DL006 FA04Y FA046 FD01Y FD016

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維強化材(d)が樹脂マトリックス(c)
    中に開繊状態で分散されると共に実質的に同一方向に整
    列した状態で含有されしかもその樹脂マトリックス(c)
    が結晶化平衡時間300sec以上でそのMFR(230℃;2
    1.2N)80〜500g/10minである長繊維強化樹脂組成物
    であって、その結晶性ポリオレフィン系樹脂成分(a)の
    含有量25〜75重量%及びそのポリアミド系樹脂成分
    (b)の含有量75〜50重量%[(a)成分+(b)成分=10
    0重量%になる様に組合わせる)からなる該樹脂マトリ
    ックス(c)40〜90重量%中に該長繊維強化材(d)60
    〜10重量%[(c)成分+(d)成分=100重量%になる
    様に組合わせる)が分散された高流動性の長繊維強化樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂マトリックス(c)がそのMFR(230
    ℃;21.2N)90〜450g/10minである請求項1に記載の
    高流動性の長繊維強化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂マトリックス(c)が結晶化平衡時間
    350sec以上である請求項1又は2に記載の高流動性
    の長繊維強化樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 結晶性ポリオレフィン系樹脂成分がプロ
    ピレン結晶性単独重合体である請求項1〜3の何れかに
    記載の高流動性の長繊維強化樹脂組成物。
  5. 【請求項5】結晶性ポリオレフィン系樹脂成分が改質ポ
    リオレフィン系樹脂又は非改質ポリオレフィン系樹脂と
    改質ポリオレフィン系樹脂との混合物である請求項1〜
    4の何れかに記載の高流動性の長繊維強化樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 長繊維強化材(d)が樹脂マトリックス(c)
    中に開繊状態で分散されると共に実質的に同一方向に整
    列した状態で含有されしかもその樹脂マトリックス(c)
    が結晶化平衡時間300sec以上でそのMFR(230℃;2
    1.2N)80〜500g/10minである高流動性の長繊維強化
    樹脂組成物であって、その結晶性ポリオレフィン系樹脂
    成分(a)の含有量25〜75重量%及びそのポリアミド
    系樹脂成分(b)の含有量75〜50重量%[(a)成分+(b)
    成分=100重量%になる様に組合わせる)からなる該
    樹脂マトリックス(c)40〜90重量%中に該長繊維強
    化材(d)60〜10重量%[(c)成分+(d)成分=100重
    量%になる様に組合わせる)が分散された高流動性の長
    繊維強化樹脂組成物からなる粒状物を流動可能にし、次
    いで圧縮成形することを特徴とする耐衝撃性及び耐熱性
    の成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、樹脂マトリックス
    (c)として、そのMFR(230℃;21.2N)90〜450g/10
    minのものを用いる高流動性の長繊維強化樹脂組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、樹脂マトリッ
    クス(c)として結晶化平衡時間350sec以上のものを用
    いる高流動性の長繊維強化樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8の何れかにおいて、結晶性
    ポリオレフィン系樹脂成分としてプロピレン結晶性単独
    重合体を用いる高流動性の長繊維強化樹脂組成物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の何れかにおいて、結晶性
    ポリオレフィン系樹脂成分が改質ポリオレフィン系樹脂
    又は非改質ポリオレフィン系樹脂と改質ポリオレフィン
    系樹脂との混合物である高流動性の長繊維強化樹脂組成
    物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168526A (ja) * 2008-12-25 2010-08-05 Toyobo Co Ltd 炭素長繊維強化複合材料
JP2010260891A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Toyobo Co Ltd 表面改質繊維を用いたプリプレグ
JP7428562B2 (ja) 2020-03-19 2024-02-06 三井化学株式会社 繊維強化樹脂組成物およびそれを含む成形体

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JP2010260891A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Toyobo Co Ltd 表面改質繊維を用いたプリプレグ
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