JP2000198759A - バナジウム系触媒、その製造方法、およびアルファ―オレフィンの(共)重合における使用 - Google Patents
バナジウム系触媒、その製造方法、およびアルファ―オレフィンの(共)重合における使用Info
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Abstract
臭素から選択された1〜6個のハロゲン原子、好ましく
は塩素、を有する単官能性炭化水素基であり、Xは塩素
または臭素、好ましくは塩素であり、Lは電子供与体で
あり、p+n=3、4または5、好ましくは3であり、
nは1以上であり、mは0〜3である)を有するバナジ
ウム錯体。上記錯体の製造およびその、α−オレフィン
の(共)重合における使用も開示する。
Description
法、およびその、アルファ−オレフィンの(共)重合に
おける使用に関する。より詳しくは、本発明は、バナジ
ウム錯体、アルキルアルミニウムを基剤とする共触媒お
よび、所望により、再活性化剤からなる触媒に関する。
さらに、本発明は、該触媒の存在下におけるα−オレフ
ィンの(共)重合方法に関する。
体、アルキルアルミニウムおよび塩素化再活性化剤から
なる。バナジウム錯体は、アルキルアルミニウムとの相
互作用により形成される活性物質の前駆物質である。こ
の物質は、重合を開始するが、同じアルキルアルミニウ
ムにより容易に失活し、活性が低下する。再活性化剤
は、活性物質を再構築する機能を有し、触媒の長い寿命
を確保し、その結果、触媒活性を増大させる(G. Natta
et al., Makromol. Chem., 81, 161-172, 1965、E. Ad
isson, J. Pol. Sc., Part A: Polymer Chemistry, Vo
l. 31, 831-839頁、1993 参照)。しかし、触媒活性を
有するためには、試薬の少なくとも1種を塩素化しなけ
ればならない(G. Natta et al., J. Polym. Sc., Vol.
51, 411-427, 1961参照)。実際、V(acac)3/Al
Et2ClまたはVCl4/Al(C6H13)3の様
な系は、エチレンとプロピレンの共重合では活性である
のに対し、V(acac)3/Al(i−Bu)3およびV
(acac)3/AlMe3の様な他の、塩素を含まない系
では重合体を与えないが、Cl3CCOORやCCl4
の様な塩素化再活性化剤をその系に加えると、活性にな
る(E. Adisson etal. J. Pol. Sc., Part A: Polymer
Chemistry, Vol. 32, 1033-1041頁、1994参照)。
残留物、特に塩素、から精製する工程を含まない懸濁液
における製法でエチレン−プロピレンエラストマー状共
重合体(EPRおよびEP(D)M)を製造する場合に
は特に有害である。このために、生成物の純度低下が避
けられず、その結果、特定の用途(例えばケーブル)に
使用できなくなる。さらに、重合体中に無機塩素が存在
すると、重合体を加工する際に塩酸が生じることがあ
り、酸防止添加剤の使用が必要になるために、製造コス
トが増加する。したがって、塩素の含有量ができるだけ
低く、この分野で公知の触媒の活性と同等以上の触媒活
性を有するバナジウム触媒がなお必要とされている。
を形成できる新規な触媒が開発された。これらの触媒
は、配位子としてハロゲン化カルボキシル基を有するバ
ナジウム錯体を基剤とする。そこで本発明の第一の目的
は、一般式(I) (RCOO)nVXpLm (I) (式中、Rは、1〜20個の炭素原子、および塩素およ
び臭素から選択された1〜6個のハロゲン原子、好まし
くは塩素、を有する単官能性炭化水素基であり、Xは塩
素または臭素、好ましくは塩素であり、Lは電子供与体
であり、p+n=3、4または5、好ましくは3であ
り、nは1以上であり、mは0〜3である)を有するバ
ナジウム錯体に関する。
例は、下記の群から選択される。 1)R−COO= 式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、同一であ
るか、または異なるものであって、H、ClまたはB
r、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールア
ルキル、アルキルアリール、または塩素または臭素を含
むアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアル
キル、アルキルアリール、から選択されるが、ただし、
R1〜R5残基の少なくとも1個は塩素または臭素、ま
たは塩素または臭素を含むアルキル、シクロアルキル、
アリール、アリールアルキル、アルキルアリール基から
選択され、qは0〜10である。これらの誘導体の例と
しては、Cl3COO、CCl3CH2COO、CCl
3(CH2)2COO、CHCl2COO、CH3CC
l2COO、C6H5CCl2CH2COO、(C6H
5)2CClCOO、CH3CH2CCl2COO、C
6H5CH2CH2CH2CHClCOO、ClC6H
4CHClCOO、ClC6H4CH2COO、および
2−シクロプロピル−2,2−ジクロロ−酢酸がある
が、これらに限定するものではない。
または異なるものであって、H、ClまたはBr、アル
キル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、
アルキルアリール、または塩素または臭素を含むアルキ
ル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ア
ルキルアリール、から選択されるが、ただし、R1〜R
4残基の少なくとも1個は塩素または臭素、または塩素
または臭素を含むアルキル、シクロアルキル、アリー
ル、アリールアルキル、アルキルアリールであり、rお
よびsは、独立して、0〜5であるが、r+sは1〜5
である。 これらの誘導体の例としては、Cl3CC6
H4COO、ClCH2C6H 4COO、ClCH2C
6H2Cl2COO、およびC6Cl5COOがある
が、これらに限定するものではない。
は、同一であるか、または異なるものであって、H、C
l、Br、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリ
ールアルキル、アルキルアリール、または塩素または臭
素を含むアルキル、シクロアルキル、アリール、アリー
ルアルキル、アルキルアリール、から選択されるが、た
だし、ZおよびR1〜R6残基の少なくとも1個は塩素
または臭素、または塩素または臭素を含むアルキル、シ
クロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキル
アリール基であり、tおよびuは、独立して、0〜1
0、好ましくは0〜2である。これらの誘導体の例とし
ては、CCl3CH=CHCOO、CCl3CCl=C
ClCOO、およびCCl2=CClCCl2COOが
あるが、これらに限定するものではない。
少なくとも1個の塩素または臭素で、または少なくとも
1個の塩素または臭素を含むヒドロカルビル基で置換さ
れているシクロアルキル、ポリシクロアルキル、シクロ
アルケニル、ポリシクロアルケニルから選択されるR−
COO。これらの誘導体の例としては、2−クロロ−シ
クロヘキサンカルボン酸、2,2−ジクロロシクロプロ
パン−カルボン酸、2,2−3,3−テトラクロロシク
ロプロパン−カルボン酸、ペルクロロシクロヘキサンカ
ルボン酸、およびシクロヘキサ−2−エン−2−トリク
ロロメチル−カルボン酸があるが、これらに限定するも
のではない。L、すなわち電子供与体、に関する限り、
典型的な例は、アルキルおよびシクロアルキルエーテ
ル、芳香族および脂肪族カルボン酸のアルキルエステ
ル、脂肪族ケトン、脂肪族アミン、および脂肪族アルコ
ールである。Lは好ましくはテトラヒドロフラン(TH
F)、ジメトキシメタン、およびジエトキシエタンから
選択する。
する錯体の製造方法であって、 a)一般式RCOOTl(式中、Rは上記の意味を有す
る)を有するタリウム(Tl)塩を、ハロゲン化バナジ
ウム、好ましくはVCl3で、脂肪族または芳香族の、
エーテルまたは塩素化された炭化水素(単独または混合
物)中、好ましくはTHFとジメトキシエタンの混合物
中、温度0〜50℃、好ましくは15〜30℃で、30
分間〜6時間、好ましくは1〜4時間処理する工程、 b)反応により形成されたハロゲン化Tlを分離、好ま
しくは濾過、する工程、および c)バナジウム錯体を遊離させる工程を含んでなる方法
に関する。
剤を蒸発させるか、または好適な析出剤、通常は炭化水
素溶剤、好ましくはペンタン、を加えて錯体を析出させ
ることにより行なう。これらの合成の典型的な例(これ
らの例に限定するものではない)を実験の項に記載する
が、そこでは特に、VCl3とTl(CCl3COO)
のモル比1/3の反応によりV(CCl3COO)
3を、VCl3とCH2Cl−C6H4COOTlのモ
ル比1/3の反応によりV(CH2Cl−C6H4−C
OO)3を、VCl3とTl(CCl3COO)のモル
比1/2の反応によりV(CCl3COO)2Clを、
およびVCl3とCCl3CH2CH2COOTlのモ
ル比1/3の反応によりV(CCl3CH2CH2CO
O)3を製造する。
(I)を有するバナジウム錯体、(b)一般式(II)Al
RnXm(式中、RはC1〜C20アルキル基であり、
Xは塩素または臭素、好ましくは塩素、であり、n+m
=3であるが、n=0である化合物は除外する)を有す
る有機アルミニウム誘導体、および(c)所望により、
好ましくは塩素化された再活性化剤からなる、α−オレ
フィン(共)重合用の触媒系に関する。一般式(I)を
有するバナジウム化合物の中で、RCOOが一般式(Ia) CCl3−(−CH2−)n−COO (Ia) を有し、式中、nが0〜2の整数である化合物、すなわ
ちトリクロロアセテート(n=0)、トリクロロプロピ
オネート(n=1)、およびトリクロロブチレート(n
=2)が特に効果的であることが分かった。一般式(II)
を有する化合物の代表例は、AlEt2Cl(ジエチル
クロロアルミニウム)、AlMe3 (トリメチルアル
ミニウム)、AlEt3(トリエチルアルミニウム)、
Al(i−Bu)3(トリイソブチルアルミニウム)で
ある。好ましい実施態様では、一般式(II)を有する共触
媒は、RとしてC1〜C20アルキル基を有し、n=3
およびm=0である。さらに好ましくは、Rはイソブチ
ル基である。
(I)を有する触媒のモル比は1〜500、好ましくは
3〜100、より好ましくは20〜50である。一般式
(II)を有する共触媒中で、mが0ではない場合、好まし
い共触媒はジエチルクロロアルミニウムである。一般式
(II)を有する共触媒中で、m=0である場合、好ましい
共触媒はトリイソブチルアルミニウムである。好ましい
実施態様では、共触媒と触媒のモル比は5〜10であ
る。
えばトリクロロ酢酸エチル、過塩素クロトン酸n−ブチ
ル、ジクロロマロン酸ジエチル、四塩化炭素、およびク
ロロホルム、から選択される。可能な再活性化剤とバナ
ジウムのモル比は0:1〜100:1、好ましくは1:
1〜40:1、さらに好ましくは1:1〜10:1であ
る。一般式(II)を有する共触媒中、mが0ではない場
合、好ましい再活性化剤はトリクロロ酢酸エチルであ
り、再活性化剤とバナジウムの好ましいモル比は4:1
〜10:1である。一般式(II)を有する共触媒中、mが
0である場合、好ましい再活性化剤は四塩化炭素であ
り、再活性化剤とバナジウムの好ましいモル比は10:
1〜50:1である。好ましい実施態様では、再活性化
剤を使用しない。
(溶液または懸濁液)中(共)重合において、低または
中程度の圧力(15〜50 ate)および温度−5〜75
℃で使用することができる。好ましい実施態様では、温
度は25〜60℃であり、圧力は6〜35 ateである。
こうして得られた重合体または共重合体は、平均分子量
が非常に高い。分子量を低い値に調整する必要がある場
合、分子量調整剤として水素を使用することができる。
との三元共重合に使用する触媒は、アルキルアルミニウ
ムを、脂肪族または芳香族炭化水素溶剤に溶解させたV
錯体と、および所望により再活性化剤と接触させること
により、製造される。接触は別に、重合させるべきオレ
フィンの混合物無しに、1〜30分間、好ましくは5〜
20分間の時間、温度0℃〜50℃、好ましくは15℃
〜40℃行なうか、または重合反応器中で、モノマー混
合物の存在下で行なうことができる。この場合、3種類
の試薬を個別に、またはこれらの中の2種類の混合物と
して加えることができる。触媒は好ましくは、溶剤(ヘ
プタンまたは液体プロピレン)、試薬混合物、および所
望により、ターモノマー、をすでに含むオートクレーブ
中にアルキルアルミニウムを入れ、V錯体を可能な再活
性化剤と共にトルエンに入れた溶液を加えることによ
り、「その場で」製造する。
に、好ましくはエチレンの重合に、エチレンとプロピレ
ンおよび高級α−オレフィンの共重合に、およびエチレ
ンとプロピレンおよびジエンの三元共重合に使用し、密
度が0.96g/cm3〜0.86g/cm3である重合体を製
造することができる。エチレン−プロピレンの共重合に
よるEPRエラストマー系共重合体の製造およびエチレ
ン−プロピレン−非共役ジエンの三元共重合によるEP
(D)Mゴムの製造が特に好ましい。
例えば1,4−ヘキサジエンおよび1,6−オクタジエ
ン、−分岐鎖を有する非環式ジエン、例えば5−メチル
−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−
オクタジエンおよび3,7−ジメチル−1,7−オクタ
ジエン、−単一の環を有する脂環式ジエン、例えば1,
4−シクロヘキサジエンおよび1,5−シクロオクタジ
エン、−縮合され、ブリッジされた脂環式環を有するジ
エン、例えばメチルテトラヒドロインデン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン(ENB)および5−プロペニ
ル−2−ノルボルネンから選択することができる。好ま
しい実施態様では、ジエンはENBまたは1−メチレン
−2−ビニル−シクロペンタンである。本発明の触媒に
より得られるEPRおよびEP(D)Mエラストマー状
共重合体は、20〜65モル%のプロピレンおよび15
%を超えない量のENBを含む。水素の存在下で得られ
る重合体の重量平均分子量は50,000〜500,0
00である。
る。 実施例 下記の実施例に記載する 1H−NMR分光法による分
析は、Bruker MSL-200分光計で行なった。FTIR分光法に
よる分析は、解像度4cm−1および64走査を有するPe
rkin-Elmer 1800 FTIR分光計で行なった。バナジウムの
測定は、Perkin-Elmer Plasma IIと誘導連結したプラズ
マ分光計(ICP)で原子放射検出(AES)で行なっ
た。
を備えたPhilips PW 1404/10逐次X線蛍光分光計(XR
F)で行なった。総塩素量は、無機塩素(すなわち、V
および/またはAlに結合した塩素)および有機塩素
(すなわち、ヒドロカルビル残基に結合した塩素)の合
計から得た。測定は、バナジウム錯体のアルコール溶液
を、2重量%HNO3のMilliQ水で、Vの測定には1:
100、塩素の測定には1:1の比に希釈して行なっ
た。VおよびClの濃度は、測定すべき元素(Vまたは
Cl)の滴定濃度が既知であり、試料の組成(水、Et
OH、HNO3)と等しい組成を有する基準溶液で得た
校正曲線を基準にして計算した。無機塩素の測定は、Ti
troprocessor 670およびKNO3 の飽和溶液を満たし
たAg電極(cod. 6.0404.000) (どちらもMetrohm)を使
用して電位差測定により行なった。試料のアルコール溶
液は3MのH2SO4で酸性化し、0.1NのAgNO
3で滴定した。
(GPC)により行なった。試料の分析は、1,2,4
−トリクロロベンゼン(N,N’−m−フェニレンジマ
レイミドで安定化した)中、135℃で、検出器として
Watersの示差屈折計を使用するWATERS 150-CV クロマト
グラフで行なった。クロマトグラフィーによる分離は、
細孔寸法103、104、105および106Aを有す
る一連のμStyragel HTカラム(Waters)を使用し、溶離
液の流量1ml/分を設定して行なった。得られたデータ
をMaxima 820ソフトウエアバージョン3.30(Millipo
re)で処理した。数平均分子量(Mn)および重量平均分子
量(Mw)の計算に使用する校正曲線は、分子量6,50
0,000〜2,000のポリスチレン標準試料を使用
し、線状ポリエチレンおよびポリプロピレンに有効なMa
rk-Houwink等式を適用して作成し、分子量の値はScholt
eの等式を使用して重合体の組成に関して補正した。
の形態にある試料で、解像度4cm− 1および64走査を
有するPerkin-Elmer 1800 FTIR分光計を使用し、エチレ
ン−プロピレン共重合体では4390および4255cm
−1における吸収帯を測定することにより、エチレン−
プロピレン−ENBターポリマーでは4390、433
0、4255および1688cm−1における吸収帯を測
定し、それぞれ既知の組成を有する共重合体およびター
ポリマーで作成した校正曲線に基づいて決定した。
H3)3の合成 アセチルアセトン(CH3−CO−CH2−CO−CH
3)3g(15ミリモル)をNa2CO3(0.79
g、100ml中75ミリモル)水溶液に加え、この混合
物を室温で15分間強く攪拌する。次いで、クロロホル
ム100mlを加え、VCl30.79g(5ミリモル)
を水50mlに溶解させた溶液を滴下して加える。この混
合物を室温で2時間攪拌すると、有機相が褐色になる
が、水相は無色のままである。有機相を分離し、溶剤を
蒸発させる。明褐色の固体2.9gが得られる。 収率:90%、V:7.48%、Cl:44%、Cl/
V=8.61 H−NMR(C6D6中、δppm):シス異性体−5
6.8 ppm(CH3)、44ppm(CH)、トランス異
性体−73、61、54ppm(CH3)、65、51、
35ppm(CH)。
合成 固体CCl3COOH5.1g(0.031ミリモル)
を、Tl2CO37.0g(0.0149ミリモル)を
メタノール100mlに入れた懸濁液に加え、この混合物
を室温で攪拌する。次いで、溶液を濾過し、濾液を15
℃、20mmHgで蒸発させる。得られた固体をエチルエ
ーテル(10x50ml)で洗浄し、10 −3mmHgで乾
燥させる。三塩化酢酸タリウム10.1gが白色固体の
形態で得られる。 収率:92%。IR(ペースト中):1540cm
−1(ν−CO)
OO)3(THF)1の合成 TlCCl3COO8.43g(23ミリモル)をTH
F70mlに溶解させた溶液を、VCl3(THF)3(A
ldrich−97%)2.86g(7.7ミリモル)をTH
F60mlに溶解させた溶液に徐々に加える。室温で4時
間反応させることにより、白色固体(TlCl)が沈殿
し、赤色から緑がかった褐色に変色する。沈殿物を濾過
し、溶剤を蒸発させ、真空下で乾燥させる。明るい緑色
の固体4.5gが得られる。 収率:97%、V:7.98%、Cl:50%、Cl/
V=9.1、IR(ペースト):1600〜1800cm
−1(ν非対称CO2)、1403cm−1、1263cm
−1(ν対称CO2)。
3(THF)1.9の合成 TlCCl3COO84g(228ミリモル)をTHF
300mlに溶解させた溶液を、VCl3(THF)
3(L.E. Manzer, Inorg. Synthesis, 21, 135, (1982))
28.5g(76.2ミリモル)をTHF300mlに溶
解させた溶液に徐々に加える。室温で4時間反応させる
ことにより、TlClが沈殿し、最初は赤色であった懸
濁液が緑色に変色する。沈殿物を濾過し、溶剤を蒸発さ
せる。得られた生成物をさらにTHF200mlおよびペ
ンタン600mlに溶解させ、−40℃に2時間冷却す
る。沈殿した固体を濾過し、ペンタンで洗浄し、室温で
30時間乾燥させる。緑色の生成物47.5gが得られ
る。 収率:91%、V:7.42%、Cl:47.9%、C
l/V=9.3、THF/V=1.88(1H−NM
R、CD3CN) IR(ペースト):1650〜1800cm−1(ν非対
称CO2)、1263cm −1(ν対称CO2)。
の合成 触媒(IIa)400mgをトルエン約20mlに溶解させる。
数分後、沈殿物が溶液から分離し始める。この懸濁液を
室温で4日間放置し、次いで濾過し、固体を真空下で乾
燥させ、明るい緑色の固体200mgを得る。 収率:50%、V:9%、Cl:57.1%、Cl/V
=9.3、 THF=(1H−NMR、CD3CN):痕跡量、IR
(ペースト):1645cm−1(ν非対称CO2)、1
403cm−1(ν対称CO2)。
合成 500mlのフラスコ中でVCl3(Aldrich-97%)
0.92g(5.8ミリモル)をトルエン150mlに懸
濁させ、3−クロロメチル安息香酸(CH2Cl−C6
H4−COOH、Fluka)3g(17.6ミリモル)を
トルエン50mlに入れた懸濁液を加える。気体状NH3
を約2時間吹き込むことにより、最初は紫色の懸濁液が
褐色になる。5時間還流加熱した後、懸濁液は緑色にな
る。形成された塩化アンモニウムを濾別し、濾液を真空
下で蒸発させる。緑色の生成物1gが得られる。 収率:30%、V:8.39%、Cl:16.4%、C
l/V=2.9
合成 VCl3(THF)3(Aldrich-97%)3.7g(1
0ミリモル)をTHF100mlに溶解させる。得られた
溶液に、CCl3COOTl7.3g(20ミリモル)
をTHF80mlに溶解させた溶液を(約3.5時間かけ
て)徐々に加える。室温で約1時間反応させる。沈殿物
(TlCl)が形成され、懸濁液は赤色から褐色に変化
する。沈殿物を濾過し、溶剤を蒸発させ、固体を真空下
で乾燥させる。得られた固体を(それぞれ50mlの)ペ
ンタンで3回洗浄し、濾過し、ポンプで乾燥させる。 収率:83%、V:10.54%、Cl合計:51.3
5%、Cl無機:7.33%、Cl合計/V=7、Cl
無機/V=1
HF)1の合成 5a)4,4,4−トリクロロ−ブチロ−ニトリルの合
成(Bruson H.A. et al.J. Am. Chem. Soc. 67, 601,
(1945)) 機械的攪拌機、滴下漏斗および窒素気流に接続した2ラ
イン部品、および温度計を備えた三つ口フラスコに、C
HCl3242ml(3.02ミリモル)、[C 6H5C
H2N]+[(CH3)3Cl]− 36.0g(0.19
6モル、BTMACl)およびKOH11.0g(0.196
モル)を水27mlに入れた液を加える。低温調節装置を
使用して0〜5℃に冷却した後、CH2=CHCN30
0ml(4.56モル)を約3時間かけて加える。混合物
をこの温度で24時間攪拌する。反応混合物を3回水洗
する。水相をエチルエーテルで抽出する。エーテル相お
よびクロロホルム相を合わせ、濃縮する。混合物を蒸留
し、91〜103℃(16mmHg)の画分を集める。得
られた蒸留物91.0gはフラスコ中で固化する。 収率:17%1 H−NMR(CDCl3中、δppm):3.08(2
H,t)、2.85(2H,t)、IR(ペースト
中):2260cm−1(ν−CN)
(0.236モル)および濃HCl 170mlを250
mlフラスコに入れる。この混合物を60℃で6時間攪拌
する。沈殿した固体の酸を濾過し、水洗し、機械的ポン
プで乾燥させる。4,4,4−トリクロロ−酪酸43.
4gが得られる。 収率:97%、融点54.8℃(文献値55℃)、1 H−NMR(CDCl3中、δppm):10.82
(1H,s広)、3.15(2H,t)、2.92(2
H,t)。 IR(ペースト中):3260cm−1(ν−OH)、1
720cm−1(ν−CO)
ムの合成 CCl3CH2CH2COOH12.0g(0.063
モル)をメタノール20mlに入れた溶液を、Tl2CO
312g(0.026モル)をメタノール100mlに入
れた懸濁液に加え、攪拌する。この混合物をメタノール
50mlで希釈し、室温で2時間攪拌する。次いで、溶液
を濾過し、濾液を20℃、20mmHgで蒸発させる。得
られた固体をエチルエーテル(10x50ml)で洗浄
し、10− 3mmHgで乾燥させる。タリウム塩17.6
gが白色固体として得られる。 収率86%1 H−NMR(CD3OD中、δppm):3.01(2
H,t)、2.62(2H,t) IR(ペースト中):1540cm−1(ν−CO)
を無水THF160mlに溶解させた溶液を250mlの三
つ口フラスコに入れる。固体のCCl3CH2CH2C
OOTl 10.11g(26.61ミリモル)を徐々
に加える。溶液が透明な赤色から暗緑色に変色する。溶
液を約4時間攪拌する。この溶液を濾過し、緑色の濾液
を真空下で蒸発させる。得られた固体を10−3mmHg
で24時間乾燥させる。錯体4.44gが得られる。 収率75%、V:7.55%、Cl:50.2%、Cl
/V=9.5
成 a)ジクロロ酢酸タリウムTl(CHCl2COO)の
合成 CCl2 HCOOH3.5ml(0.045モル)をメ
タノール20mlに入れた溶液を、Tl2CO39.37
g(0.020モル)をメタノール100mlに入れた懸
濁液に加え、攪拌する。この混合物をメタノール50ml
で希釈し、室温で2時間攪拌する。次いで、溶液を濾過
し、濾液を15℃、20mmHgで蒸発させる。得られた
固体をエチルエーテル(10x50ml)で洗浄し、10
−3mmHgで乾燥させる。タリウム塩10.2gが白色
固体として得られる。 収率76%1 H−NMR(CD3OD中、δppm):5.93(1
H,s) IR(ペースト中):1580cm−1(ν−CO)
ル)を無水THF250mlに入れた液を、アルゴン雰囲
気中で、500mlの試験管に入れ、Tl(CCl 2HC
OO)8.58g(0.02589モル)を加える。1
5時間後、TlClを濾過し、THFで洗浄する。溶剤
を蒸発させ、緑色残留物が固化し難いので、固体を機械
的ポンプで50℃で乾燥させる。錯体26gが得られ
る。 収率59%、V:10.06%、Cl:37.5%、C
l/V=5.4
1の合成 a)2,4,4,4−テトラクロロブト−1−エンの合
成 機械的攪拌機、窒素気流に接続した部品、および温度計
を備えた三つ口フラスコに、1,2−ジクロロエタン8
0mlおよび1,1−ジクロロエチレン166.6ml
(2.46モル)を入れる。混合物を−70℃に冷却
し、無水AlCl314g(0.105モル)を加え
る。温度を徐々に−25℃に上げ、混合物を8時間攪拌
する。溶液は暗青色になる。次いで、温度が−20℃を
超えない様に水および氷で加水分解する。溶液を塩化メ
チレンで抽出し、中性になるまで水洗し、Na2SO4
で除湿する。過剰の溶剤を30℃、20mmHgで蒸留す
る。残留物を0.9mmHgで蒸留し、生成物53.0g
が得られる。 収率:22.3%1 H−NMR(CDCl3中、δppm):5.6(1
H,t)、5.55(1H,t)、3.67(2H,
s)
の合成 機械的攪拌機および温度計を備えた750mlフラスコ
に、テトラクロロブテン6g、炭酸ナトリウム1g、水
250mlおよび過マンガン酸カリウム13.7gを入れ
る。混合物全体を攪拌し、水および氷で温度を45℃に
維持する。続いて、テトラクロロブテン6gおよびKM
nO4 13.7gを15分間の規則的な間隔で、5
回、テトラクロロブテンの合計が30gになる様に加え
る。次いで、重亜硫酸ナトリウム54.0gを、十分な
希硫酸と共に加え、透明な溶液を形成する。溶液をエチ
ルエーテルで抽出し、水洗し、硫酸ナトリウムで除湿
し、溶剤を蒸発させる。酸15.0gが黄色固体として
得られる。 収率:45%1 H−NMR(CDCl3中、δppm):10.50
(1H,s広い)、3.83(2H,s)
タリウムTl(CCl3CH2COO)の合成 3,3,3−トリクロロプロピオン酸5.14g(0.
029モル)を、Tl 2CO36.80g(0.014
5モル)をメタノール100mlに入れた懸濁液に加え、
攪拌する。この混合物を室温で一晩攪拌する。次いで、
溶液を濾過し、濾液を15℃、20mmHgで蒸発させ
る。得られた固体をエチルエーテル(10x50ml)で
洗浄し、10−3mmHgで乾燥させる。タリウム塩1
0.05gが白色固体の形態で得られる。 収率89.6%1 H−NMR(CD3OD中、δppm):4.85(2
H,s)
3CH2COOTl7.34g(0.019モル)およ
び混合物全体を溶解させるためのTHFを500mlの試
験管に入れる。この混合物を約15時間攪拌し、次いで
濾過し、濾液を真空下で乾燥させ、緑色固体5.12g
が得られる。 収率、V:9.84%、Cl:43.5%、Cl/V=
6.3
2の合成 a)2,2−ジクロロプロピオン酸タリウムTl(CH
3CCl2COO)の合成 2,2−ジクロロプロピオン酸6.83g(0.047
7モル)を、Tl2CO311.28g(0.0248
モル)をメタノール180mlに入れた懸濁液に加え、攪
拌する。この混合物を室温で一晩攪拌する。次いで、溶
液を濾過し、濾液を15℃、20mmHgで蒸発させる。
得られた固体をエチルエーテル(10x50ml)で洗浄
し、10−3mmHgで乾燥させる。タリウム塩15.0
5gが白色固体の形態で得られる。 収率:93.8%1 H−NMR(CD3OD中、δppm):4.5(3
H,s)
水THF CH3CCl2COOTl60mlに溶解させ
た溶液を、アルゴン雰囲気中で、150mlの試験管に入
れる。固体2.81g(8.06ミリモル)を徐々に加
える。この混合物を約4時間攪拌し、次いで濾過する。
緑色溶液を蒸発させ、得られた固体を10−3mmHgで
24時間乾燥させる。錯体1.29gが得られる。 収率:87%、V:8.21%、Cl:30.7%、C
l/V=5.4
F)1の合成 a)4,4,4−トリクロロ−ブト−2−エン酸の合成
ルテニウムの合成 RuCl3・H2O 0.5gをアルゴン雰囲気中で無
水メタノール150mlに溶解させ、その溶液を5分間還
流させる。次いで、溶液を室温に戻し、トリフェニルホ
スフィン2.3gを加える。溶液を再度3時間還流す
る。続いて溶液を室温に冷却し、得られた固体を濾過
し、機械的ポンプで乾燥させる。
チルの合成
[PPh3]3200mgおよび四塩化炭素28mlをアル
ゴン雰囲気中で500mlフラスコに入れる。混合物を9
0℃に約4時間加熱する。反応の完了はGC管理により
観察する。混合物を冷却し、石油エーテルを加え、沈殿
したトリフェニルホスフィンを濾過する。溶剤を蒸発さ
せ、粗製物13gが得られるので、これを次の工程に直
接使用する。
酸ブチルの合成
2.4ミリモル)を無水トルエン20mlに入れた液を不
活性ガス雰囲気中で250mlフラスコ中に入れ、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカン−7−エン
(DBU)5mlを加えて発熱させる。温度を3時間60
℃にする。反応の完了をGC管理により観察し、混合物
を冷却し、水を加え、混合物をエチルエーテルで抽出
し、Na2SO4で除湿する。溶剤を蒸発させ、シリカ
ゲル上クロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エ
チル=9/1)で精製した後、残留物4gが得られる。 収率:76%
の合成
(0.0128モル)をTHF300ml中に含む溶液
に、LiOH17.82gを水20mlに入れた液を加え
る。混合物を室温で1時間攪拌する。次いで、1N H
Clを加えて混合物のpHを中性にし、酢酸エチルで抽
出し、Na2SO4で除湿する。溶剤を減圧下で蒸発さ
せ、石油エーテルで洗浄した後、固体2.1gが得られ
る。 収率:87%
ン酸タリウムTl(CCl3CH=CHCOO)の合成 4,4,4−トリクロロブト−2−エン酸1.56g
(8.4ミリモル)を、Tl2CO31.94g(4.
2ミリモル)をメタノール80mlに入れた懸濁液に加
え、攪拌する。この混合物を室温で4時間攪拌する。次
いで、溶液を濾過し、15℃、20mmHgで蒸発させ
る。得られた固体をエチルエーテル(10x50ml)で
洗浄し、10−3mmHgで乾燥させる。タリウム塩3.
0gが白色固体の形態で得られる。 収率:91.2%
ル)を無水THF60mlに溶解させた溶液を、アルゴン
雰囲気中で、150mlの試験管に入れる。CCl 3CH
=CHCOOTl3g(6.54ミリモル)を徐々に加
える。溶液が変色する。この溶液を約4時間攪拌し、次
いで濾過する。緑色溶液を洗浄し、蒸発させ、得られた
固体を10−3mmHgで24時間乾燥させる。錯体1.
40gが得られる。 収率:95%、V:7.12%、Cl:40.5%、C
l/V=9.3
2−COO)3の合成 2,4−ジクロロフェニル酢酸(Acros) 11.3g(5
5ミリモル)をトルエン150mlに入れた懸濁液を、サ
イホンにより、VCl3(Aldrich 、97%)2.9g
(18.2ミリモル)をトルエン100mlに入れた懸濁
液に加える。気体状NH3 を反応混合物中に2時間吹
き込むと、白色固体(酸のアンモニウム塩)が形成さ
れ、懸濁液が紫色から褐色に変色する。次いで、混合物
を還流温度に5時間加熱すると、懸濁液は緑色になる。
この懸濁液を真空下で蒸発させて濃縮し、形成された塩
化アンモニウムを濾別する。濾液を蒸発させ、固体の明
緑色生成物12gが得られる。 収率100%、V:7.82%
サーモスタットに接続した熱電対および加熱ジャケット
を備えた2リットル鋼製反応器を有するBuchiオートク
レーブに、真空−窒素を少なくとも3回、90℃で合計
約2時間加える。各試験の前に、90℃で攪拌しなが
ら、無水ヘプタン500mlおよびAl(i−Bu)35
mlを含む溶液を約2時間保持することにより、反応器を
洗浄する。底部にあるバルブを使用し、軽い窒素圧およ
びヘプタン1リットルおよび所望のAl/V比に対応す
る型および量のアルキルアルミニウムを含む溶液で、反
応器の内容物を排出する。0.2 ateの水素、プロピレ
ン200g(4.9 ate)およびエチレン7g(1 at
e)を順に加えてオートクレーブを加圧し、混合物全体
を30℃にサーモスタット調節する。この段階で、バナ
ジウム錯体0.042ミリモルをトルエン10mlに溶解
させた溶液、および所望により、所望の再活性化剤/バ
ナジウム比に対応する型および量の再活性化剤を、僅か
に過剰の窒素圧を作用させ、オートクレーブのヘッドに
配置されたビュレットを使用して導入する。触媒を導入
した後、この系を、エチレン流により一定圧に維持しな
がら、所望の時間放置する。最後に、反応器の内容物
を、底部のバルブを使用し、加圧下で排出し、約3リッ
トルのエタノール中に凝固させる。重合体を濾別し、ア
セトンで洗浄し、真空下、40℃で約8時間乾燥させ
る。
Bの共重合 磁気ドラッグアンカー攪拌機および温度調節用の熱交換
器に接続した外部ジャケットを備えた0.5リットル圧
力反応器中で重合を行なう。反応器を予め、温度80℃
で少なくとも2時間真空下(0.1パスカル)に保持し
て掃気する。23℃で、液体「重合グレード」プロピレ
ン120gおよび所望により水素およびジエン(EN
B)を表6および7に示す量で供給する。反応器を重合
温度40℃に加熱し、所望量のアルキルアルミニウムを
導入し、次いで、浸漬したパイプを使用し、所望の平衡
圧(20〜22ate)に達するまで「重合グレード」の
気体状エチレンを供給する。これらの条件下で液相中の
エチレン濃度は、系の総圧に応じて8〜12%である。
最後に、所望量のバナジウム塩のトルエン溶液(懸濁
液)を不活性ガス流中で金属容器に移し、そこから、窒
素の過圧により、反応器中に供給する。重合反応は40
℃で行ない、エチレンを連続的に供給し、反応した部分
を補給することにより、総圧を一定に維持する様に注意
する。1時間後、エチレン供給を止め、残留モノマーの
急速な脱気により、重合を停止する。重合体を回収し、
エチルアルコールで洗浄し、60℃、1パスカルで少な
くとも8時間乾燥させる。
おけるエチレン−プロピレンの溶剤中共重合試験の結果
を示し、表6および7は、H2の存在下並びに不存在下
で行なった液体プロピレン中でのエチレン−プロピレン
−ジエンの共重合および三元共重合試験の結果を示す。
比較例は、EP(D)Mの重合で公知の触媒である、ア
セチルアセトン酸および塩素化アセチルアセトン酸配位
子を含むV錯体V(CH3−CO−CH−CO−C
H3)3およびV(CCl3−CO−CH−CO−CH
3)3の存在下で行なった試験に関する。
V)が、DEACおよびETAの存在下で、V(acac)
3を基剤とする触媒系と(バナジウムおよび塩素の両方
に関する触媒活性および重合体の特性に関する限り)類
似の触媒系を形成することが分かる。表2のデータか
ら、本発明の触媒(II〜V)は、トリアルキルアルミニ
ウムの存在下で、触媒活性が無いV(acac)3、および
製造される重合体の量が20分の1であるトリクロロア
セチルアセトン酸バナジウムV(CCl3−CO−CH
−CO−CH3)3、よりも活性が高いことが分かる。
さらに、本発明の触媒の活性は、V(acac)3を活性化
するのに不可欠である再活性化剤の存在により変化しな
い(表3)。
0,000であり、分子量分布は一般的にかなり広く、
11の値にも達するが、下記の様な方法、すなわち ・Vに配位するTHFの量を変えることにより(表
4)、 ・クロロカルボン酸配位子の脂肪族鎖を(CCl3CO
OからCCl3CH2CH2COO−に)長くすること
により(表2、実施例9および12)、 ・特定の温度条件およびAl/V比で、V錯体をアルキ
ルアルミニウムによるエージングにかけることにより
(表5) 約3〜6の値に制限することができる。
/ETA(比較例1−表1)に対して、本発明の触媒お
よびAl(i−Bu)3からなる触媒系は、溶液におけ
る試験で、バナジウムに関して同等、またはより低い
が、塩素に関しては常により高い(2〜12倍)触媒活
性を示し、取り込まれるC3 の%がより低く(約35
モル%〜20−30モル%)、分子量(Mw)がより高
く(約100,000〜400,000)、分子量分布
がより広い(2〜少なくとも4−5)重合体を形成す
る。本発明の触媒は、液体プロピレン中で類似の挙動を
示す。事実、比較用の工業的系V(acac)3/AlEt
2Cl/ETAに対して、本発明の触媒系V(OCOC
Cl3)3(THF)2/Al(i−Bu)3は、液体
プロピレンにおける試験で(表6および7)、Vに関し
ては同等であるが、塩素に関してはより高い(2〜8
倍)触媒活性を示し、取り込まれるC3の%がより低く
(約50〜20−35重量%)、取り込まれるENBの
%がより高く(3.5〜6−7重量%)、分子量(M
w)がより高い重合体を形成する。これらの分子量は、
H2無しに行なった試験から得られた重合体では70
0,000−1,000,000から>1,000,0
00の値(GPCでは最早測定不可)にもなり、H2の
存在下で行なった試験から得られた重合体では300,
000までの値に達する。
得られた重合体の収率は、H2無しに行なった試験から
得られた重合体の収率よりも低いのに対し、取り込まれ
たコモノマーおよびターモノマーの量は等しい。しか
し、製造された重合体の量は少ないが、塩素に関する活
性は、比較用の系で得られた活性よりも高いことに注意
すべきである。
Claims (17)
- 【請求項1】一般式(I) (RCOO)nVXpLm (I) (式中、Rは、1〜20個の炭素原子、および塩素およ
び臭素から選択された1〜6個のハロゲン原子を有する
単官能性炭化水素基であり、Xは塩素または臭素であ
り、Lは電子供与体であり、p+n=3、4または5で
あり、nは1以上であり、mは0〜3である)を有する
ことを特徴とするバナジウム錯体。 - 【請求項2】Rが、1〜6個の塩素原子を有する単官能
性ヒドロカルビル基である、請求項1に記載のバナジウ
ム錯体。 - 【請求項3】Xが塩素である、請求項1に記載のバナジ
ウム錯体。 - 【請求項4】p+n=3である、請求項1に記載の錯
体。 - 【請求項5】R−COOが (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、同一で
あるか、または異なるものであって、H、ClまたはB
r、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールア
ルキル、アルキルアリール、または塩素または臭素を含
むアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアル
キル、アルキルアリール、から選択されるが、ただし、
R1 〜R5 残基の少なくとも1個は塩素または臭
素、または塩素または臭素を含むアルキル、シクロアル
キル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール
基から選択され、qは0〜10である)である、請求項
1に記載の錯体。 - 【請求項6】R−COOが 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は請求項5に記載
の意味を有し、rおよびsは、独立して、0〜5である
が、r+sは5以下である)である、請求項1に記載の
錯体。 - 【請求項7】R−COOが (式中、Z、R1、R2、R3、R4、R5、およびR
6は、同一であるか、または異なるものであって、H、
Cl、Br、アルキル、シクロアルキル、アリール、ア
リールアルキル、アルキルアリール、または塩素または
臭素を含むアルキル、シクロアルキル、アリール、アリ
ールアルキル、アルキルアリール、から選択されるが、
ただし、ZおよびR1〜R6残基の少なくとも1個は塩
素または臭素、または塩素または臭素を含むアルキル、
シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキ
ルアリール基であり、tおよびuは、独立して、0〜1
0、好ましくは0〜2である)である、請求項1に記載
の錯体。 - 【請求項8】Rが、3〜20個の炭素原子を有し、塩素
または臭素で、または塩素または臭素を含むヒドロカル
ビル基で置換されているシクロアルキル、ポリシクロア
ルキル、シクロアルケニル、ポリシクロアルケニルから
選択される、請求項1に記載の錯体。 - 【請求項9】一般式(I)を有するバナジウム錯体の製
造方法であって、 a)一般式RCOOTl(式中、Rは請求項1に記載の
意味を有する)を有するタリウム(Tl)塩を、ハロゲ
ン化バナジウム、好ましくはVCl3と、脂肪族または
芳香族の、エーテルまたは塩素化された炭化水素溶剤
(単独または混合物)中、好ましくはTHFおよびジメ
トキシエタンから選択された溶剤中、温度0〜50℃、
好ましくは15〜30℃で、30分間〜6時間、好まし
くは1〜4時間反応させる工程、 b)反応により形成されたハロゲン化Tlを分離、好ま
しくは濾過する工程、および c)バナジウム錯体を遊離させる工程を含んでなること
を特徴とする方法。 - 【請求項10】α−オレフィン(共)重合用の触媒系で
あって、(a)一般式(I)を有するバナジウム錯体、
(b)一般式(II)AlRnXm(式中、RはC1〜C
20アルキル基であり、Xは塩素または臭素であり、n
+m=3であるが、n=0である化合物は除外する)を
有する有機アルミニウム誘導体、および(c)所望によ
り、再活性化剤からなることを特徴とする触媒系。 - 【請求項11】Xが塩素である、請求項10に記載の触
媒系。 - 【請求項12】再活性化剤(c)が塩素化化合物であ
る、請求項10に記載の触媒系。 - 【請求項13】バナジウム錯体(I)が、一般式 (CCl3−(−CH2−)n−COO)3V (Ia) (式中、nは0〜2である)を有する、請求項10に記
載の触媒系。 - 【請求項14】有機アルミニウム誘導体(II)が一般式A
lR3を有し、RがC1〜C20アルキル基である、請
求項10に記載の触媒系。 - 【請求項15】Rがイソブチルである、請求項14に記
載の触媒系。 - 【請求項16】再活性化剤が存在しない、請求項14に
記載の触媒系。 - 【請求項17】低または中程度の圧力、温度−5〜75
℃におけるα−オレフィンの液相中(共)重合方法であ
って、前記(共)重合を、請求項10に記載の触媒系の
存在下で行なうことを特徴とする方法。
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