JP2000198127A - 遠心形成方法及びその装置 - Google Patents

遠心形成方法及びその装置

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JP2000198127A
JP2000198127A JP11060414A JP6041499A JP2000198127A JP 2000198127 A JP2000198127 A JP 2000198127A JP 11060414 A JP11060414 A JP 11060414A JP 6041499 A JP6041499 A JP 6041499A JP 2000198127 A JP2000198127 A JP 2000198127A
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JP
Japan
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mold
centrifugal forming
forming method
liquid material
centrifugal
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JP11060414A
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English (en)
Inventor
Minoru Matsuo
稔 松尾
Akiko Tanaka
亜希子 田中
Hideki Komatsu
秀樹 小松
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Belt Conveyors (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品毎に要求される成形型や治具の交換等の
煩雑な準備作業を改善して製造の能率化を図ると共に、
製造中に発生する溶剤蒸気の排気処理を容易にすること
ができる遠心形成方法を提供する。 【解決手段】 円筒状の型2内に製品を形成する硬化性
液状物質を注入し、該型2を高速回転させ、その遠心力
により該型2の内面形状にならった該液状物質の製品を
形成する遠心形成方法において、少なくとも、一端側の
端壁部が開放されているか、あるいは、開放可能な円筒
状の駆動体1を用い、該駆動体1の内周面上に該型2を
載置し、該型2内に液状物質を注入し、該駆動体1を高
速回転させて該型2を従動回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内に製品の原料
となる硬化性液状物質を注入し、該型を高速回転させ、
その遠心力により均一な厚さ・性質を有す樹脂あるいは
ゴム等の成形品を形成する遠心形成法の改良に関するも
ので、詳しくは、遠心成形で種類の異なる製品を効率よ
く製造でき、しかも製造中に発生する溶剤蒸気の排気処
理を容易にする方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】遠心形成はゴム、およびプラスチック製
品をはじめとする成形品の製造方法として、種々の工業
分野において広範に用いられている技術である。中で
も、画像形成装置の感光体ベルトや中間転写ベルト等の
無端状ベルトの形成方法の一つとしても用いられてい
る。
【0003】図5を用いて、従来の遠心形成法による上
記無端状ベルトの形成方法を説明する。図5は、円筒状
の型2の長手方向の断面図である。図5において、型2
内面に、原料となる熱硬化性液状物質をスプレーで塗
布、あるいはノズルから流し込み、該型を高速回転さ
せ、その遠心力により液が拡がり、ゲル状又は不完全な
固体状態の物質を形成させる。そして、さらに加熱し
て、均一な厚さ・性質を有した無端状ベルト3を形成す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の遠心
形成法における無端状ベルトの製造においては、以下の
ような様々な問題点があった。 (1)種類の異なった無端状ベルトを製造しようとする
場合、ベルトの寸法に応じて型が異なるため、その製造
の都度、必要寸法を有した型2を用意し、設置し直さな
ければならないという不便な点がある。 (2)高速回転中に位置ずれが生じないよう型2を安定
して回転させることが必要で、そのためには、型2を保
持するための保持治具を多段にする等複雑な構造にした
り、ベルト寸法に応じて複数の保持治具を備置・交換す
る等の作業を要する。 (3)型2の寸法により、ベルト製造の都度、ベルト原
料となる液の吐出口と型内面間の距離の調整・設定を要
す等、準備に手間がかかり、作業効率が良くない。 (4)ベルト製造の過程においては、ベルト素材である
熱硬化性液状物質が加熱乾燥する際に該物質中に含有さ
れた溶剤が蒸発するため、この蒸気の排気処理が環境上
必要不可欠であるが、この排気処理設備を整えるために
は、多額の費用がかかるという問題がある。
【0005】本発明は以上の問題点に鑑み、その第1の
目的とするところは、遠心形成法において、製品毎に要
求される成形型や治具の交換等の煩雑な準備作業を改善
して製造の能率化を図ると共に、製造中に発生する溶剤
蒸気の排気処理を容易にすることができる遠心形成方法
を提供することを目的とする。
【0006】ところで、遠心形成方法においては、成形
された製品を成形型から取り出す際に、硬化処理が不十
分であると、軟らかすぎて破れてしまったり、一方、硬
化処理が過剰であると、型への密着力が強くなりすぎて
やはり破れてしまったりするおそれがある。このよう
に、硬化性液状物質の硬化処理においては細心の制御が
必要であるため、昇温速度や到達保持温度などの加熱条
件を自在に制御できることが望ましい。
【0007】そこで、第2の目的とするところは、遠心
形成方法における硬化性液状物質の硬化処理において、
該物質の硬化状態を自在に制御することのできる遠心形
成方法を提供することである。
【0008】また、遠心形成方法により製品を形成する
ことができる遠心形成装置においては、上記成形型を保
持するための保持治具として、旋盤等の工作機械で加工
対象物を保持するための保持治具として通常使用されて
いる三爪チャックが利用されることがある。図10に、
三爪チャックを用いて成形型を保持する場合の例を示
す。図示の例では、成形型としての型2の内周面に配置
された三爪チャック60が、型2の中心部より外周に向
けて押圧するようにして型2を保持している。そして、
三爪チャック60を支持し且つ型2の軸方向に移動可能
な図示しない支持軸が、駆動源(不図示)からの駆動を
受けて回転することにより、型2が回転駆動されるよう
になっている。
【0009】ところが、上記三爪チャック60を用いる
場合、回転時に型2が空回りしたり軸方向に抜けてしま
ったりしないよう、それぞれの爪は、ある程度の押圧力
で型内周面に当接させる必要があり、三爪チャック60
の型2との当接部の形状によっては、当接部に局所的な
当接圧がかかってしまうおそれがある。このように型に
局所的な当接圧がかかると、型が変形してしまうことが
あり、その結果、成形製品の原料である上記硬化性液状
物質が遠心成形時に均一な厚さに成形されないという不
具合が発生する。また、型の材質によっては、当接圧に
より破損してしまうおそれもある。
【0010】そこで、第3の目的とするところは、成形
型保持治具との当接圧による成形型の変形や破損を防止
することのできる遠心形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、円筒状の型内に製品を形
成する硬化性液状物質を注入し、該型を高速回転させ、
その遠心力により該型の内面形状にならった該液状物質
の製品を形成する遠心形成方法において、少なくとも、
一端側の端壁部が開放されているか、あるいは、開放可
能な円筒状の駆動体を用い、該駆動体の内周面上に該型
を載置し、該型内に液状物質を注入し、該駆動体を高速
回転させて該型を従動回転させることを特徴とするもの
である。
【0012】請求項1の遠心形成方法においては、上記
駆動体の内周面上に上記型を載置し、上記型内に上記液
状物質を注入し、上記駆動体を高速回転させて上記型を
従動回転させる。ここで、この従動回転は、上記型が一
定の重量を有し、上記駆動体と上記型との間に摩擦力が
生じることにより可能となる。この遠心形成方法では、
上記型の従動回転による遠心力により上記型内に製品を
形成するので、上記駆動体の大きさを超えない範囲内
で、目的とする製品を成形するに必要な寸法・形状等を
有した上記型を用意しさえすれば、遠心形成法による所
望の製品を製造することができる。また、上記駆動体に
載置するのみで固定しないので、従来上記型を固定する
ために必要としていた治具が不要となる。これらの結
果、従来の、製品毎の上記型の変更による大がかりな取
り付け・取り外し作業や、治具の交換・固定等の煩雑な
準備作業が不要となるので、その分製造時間を短縮する
ことができ、作業効率を向上させることができる。ま
た、少なくとも一端側の端壁部が開放されているか、あ
るいは、開放可能な円筒状の駆動体を用い、該駆動体の
内周面上に上記型を配置することにより、上記型内に注
入された上記液状物質から発生する有害蒸気の拡散経路
が制限される。よって、別途、該蒸気の拡散防止部材を
設けるよりも、安価に該蒸気の拡散を抑制することがで
きる。また、該駆動体の開放部に排気管や排気口を設け
ることにより、容易に該蒸気の排気処理を行うことがで
きる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の遠心形成方
法において、上記駆動体は駆動体回転軸が水平な状態で
回転し、上記型は型回転軸が該駆動体回転軸に対して平
行な状態で回転することを特徴とするものである。
【0014】請求項2の遠心形成方法においては、上記
駆動体は駆動体回転軸が水平な状態で回転し、上記型は
型回転軸が該駆動体回転軸に対して平行な状態で回転す
るので、上記駆動体の高速回転中は、上記型は型回転軸
が水平な状態で従動回転する。しかも、上記型自体の自
重により、上記型は上記駆動体の内周面底部に留まって
従動回転するので、上記型は回転中に位置ずれが生じる
ことなく、定位置において終始安定して回転を続けるこ
とができる。これにより、上記液状物質が、上記型の回
転時に上記型内の一方向へ片寄って成形されるのを防止
でき、厚さが均一で、寄りのない良好な形状の製品を得
ることができる。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2の遠心
形成方法において、上記型の内部を加熱して、上記液状
物質の乾燥を行うことを特徴とするものである。
【0016】請求項3の遠心形成方法においては、上記
型の内部を加熱して、上記液状物質の乾燥を行う。従来
のように、型の外部からの加熱を行うと、この遠心形成
方法では、上記駆動体で熱が遮られて、記型内部に注入
された上記液状物質に対する熱効率が悪い。よって、上
記型内部からの加熱により、上記液状物質に対する熱効
率が高まり、効果的かつ経済的に上記液状物質の乾燥を
行うことができる。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項4の発明は、円筒状の型内に製品を形成する硬化
性液状物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠心力
により該型の内面形状にならった該液状物質の製品を形
成する遠心形成方法において、該型として、透明な部材
で構成された型を用いることを特徴とするものである。
【0018】また、請求項5の発明は、請求項1又は2
の遠心形成方法において、上記型として、透明な部材で
構成された型を用いることを特徴とするものである。
【0019】請求項4及び5遠心形成方法においては、
上記型として、透明な部材で構成された型を用いるの
で、加熱時に、上記型内の硬化性液状物質の状態を観察
することができる。よって、該物質の硬化状態を観察し
ながら、随時加熱条件を変更したり、加熱を停止したり
することができるので、所望の硬化状態になるように自
在に制御できる。なお、透明な部材としては、加熱処理
温度300℃程度に耐熱性を持つものが望ましく、硬質
ガラスや石英ガラスなどを用いることができる。
【0020】ここで、上述した従来の遠心形成方法にお
いては、上記硬化性液状物質を注入する型の材質として
は、一般的に金属の型が使用されており、特に、成形製
品の離型性のための鏡面に近い表面面粗度加工の難易
度、加熱冷却時の熱膨張または収縮による内部応力発生
の防止、そして、加熱処理温度に対する耐性などを考慮
して、アルミニウムが使用されている。また、従来で
は、一般的に加熱源として、ハロゲンランプ(可視光
線)あるいは遠赤外ランプ(遠赤外光)などを使用し
て、上述したように、型の外部から加熱を行っていた。
ところが、アルミニウムやアルミニウム合金製の型を使
用して加熱処理を行うと、加熱源からの加熱光線が型に
反射されて型の熱吸収効率が低くなるため、温度上昇は
極めて緩慢である。そこで、型の昇温速度を速めるため
に、型の厚みを薄くすることや、型の外周面に熱吸収効
率の良い黒体塗料を塗布することなどの改善方法が試み
られている。
【0021】しかしながら、遠心形成方法においては、
型の機械的強度の面から、型の厚さはある程度以上の厚
さを保つ必要があり、型自体の熱容量はある程度までし
か下げられない。このため、上記黒体塗料を型に塗布し
て熱吸収効率を上昇させたとしても、型が暖まるまでに
はある程度の時間を要してしまう。そして、型が暖まら
なければ上記硬化性液状物質も昇温されないため、加熱
処理時間の短縮化にも限界があった。
【0022】そこで、請求項6の発明は、請求項4又は
5の遠心形成方法において、上記透明な部材で構成され
た型の外部から加熱して、上記液状物質の乾燥を行うこ
とを特徴とするものである。
【0023】この遠心形成方法においては、上記透明な
部材で構成された型の外部から加熱して、上記液状物質
の乾燥を行うので、加熱源からの加熱光線が部材中を透
過して直接上記硬化性形状物質に到達する。よって、該
物質に対する熱効率が高まり、加熱処理時間を短縮する
ことができる。
【0024】また、請求項7の発明は、請求項4又は5
の遠心形成方法において、上記型を保持する保持治具と
して、該保持治具の上記型に当接する部分の形状が上記
型の周面に沿った面形状である保持治具を用いることを
特徴とするものである。
【0025】この遠心形成方法においては、上記型を保
持する保持治具として、該保持治具の上記型に当接する
部分の形状が上記型の周面に沿った面形状である保持治
具を用い、この保持治具の当接面全体で上記型を保持す
る。よって、当接圧が当接面全体に分散され、上記型に
局所的に大きな当接圧がかかることがないので、局所的
な当接圧による型の変形や破損を防止することができ
る。
【0026】また、請求項8の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6又は7の遠心形成方法において、上記硬
化性液状物質として、加熱源からの光又は赤外光線を吸
収する物質を含んでいる液状物質を用いることを特徴と
するものである。
【0027】この遠心形成方法においては、上記硬化性
液状物質として、加熱源からの光又は赤外光線を吸収す
る物質を含んでいる液状物質を用いるので、該物質に対
する熱効率が高まり、加熱処理時間を短縮することがで
きる。なお、加熱源からの光又は赤外光線を吸収する物
質としては、電気抵抗制御材として使用されるカーボン
を挙げることができ、カーボンブラックやグラファイト
を使用することによって、熱効率の向上と抵抗制御を同
時に行うことができる。
【0028】請求項9の発明は、円筒状の型を有し、該
型内に製品の原液である硬化性液状物質を注入し、該型
の高速回転による遠心力で該硬化性液状物質を該型の内
面形状にならった形状の製品に形成する遠心形成装置に
おいて、該型が、透明な部材で構成されていることを特
徴とするものである。
【0029】この遠心形成装置においては、該型が、透
明な部材で構成されているので、加熱時に、上記型内の
硬化性液状物質の状態を観察することができる。よっ
て、該物質の硬化状態を観察しながら、随時加熱条件を
変更したり、加熱を停止したりすることができるので、
所望の硬化状態になるように自在に制御できる。なお、
透明な部材としては、加熱処理温度300℃程度に耐熱
性を持つものが望ましく、硬質ガラスや石英ガラスなど
を用いることができる。
【0030】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項10の発明は、円筒状の型を有し、該型内に製品
の原液である硬化性液状物質を注入し、該型の高速回転
による遠心力で該硬化性液状物質を該型の内面形状にな
らった形状の製品に形成する遠心形成装置において、該
型を保持する保持治具の該型に当接する部分の形状を、
該型の周面に沿った面形状に形成したことを特徴とする
ものである。
【0031】この遠心形成装置においては、上記型を保
持する保持治具の上記型との当接部の形状を、上記型の
当接部形状に沿った面形状に形成し、この保持治具の当
接面全体で上記型を保持する。よって、当接圧が当接面
全体に分散され、上記型に局所的に大きな当接圧がかか
ることがないので、局所的な当接圧による型の変形や破
損を防止することができる。
【0032】また、請求項11の発明は、請求項9の遠
心形成装置において、上記型と上記保持治具とが、中間
部材を介して当接するように構成したことを特徴とする
ものである。
【0033】この遠心形成装置においては、上記型と上
記保持治具とが、中間部材を介して当接し、両者が直接
接触することがないので、上記型にかかる当接圧をいっ
そう緩和できる。よって、型の変形や破損をより効果的
に防止することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕まず、上記第1の
目的を達成することのできる遠心形成方法の一実施形態
について説明する。本実施形態(以下、本実施形態を
「実施形態1」という。)では、駆動体として円筒を用
いた。該駆動体は水平で、該駆動体の少なくとも一端側
の端壁部は開放するか、あるいは開放可能な状態にす
る。目的とする樹脂あるいはゴムの形成品を製造するに
必要な寸法を有した型を駆動体の開放可能な一端側から
挿入し、該型内周面上に載置する。この時、該型の中心
軸線は、駆動体の回転軸線に対して平行になるようにお
く。該型は駆動体内周面上に載っているだけである。該
駆動体をゆっくり回転させながら、型内に原料となる硬
化性液状物質を注入し、該駆動体を高速回転させると、
型は駆動体との接触部の摩擦力によって、駆動体の高速
回転に伴って従動回転する。該駆動体の回転中に該型に
軸方向の位置ずれは生じなかったが、万全を期すため、
軸方向の位置ずれ防止として、該駆動体の内面の周方向
にテープ状のストッパーを設けてよい。該型の従動回転
によって、公知の遠心形成法と同様に注入した液状物質
はゲル状又は不完全な固体状態の物質に形成される。そ
の後、該物質を乾燥させる工程においては、熱効率を上
げるため、型内部に設置したヒータで該物資を直接加熱
し、樹脂あるいはゴム等の成形品を形成する。
【0035】なお、原料となる熱硬化性液状物質を型内
に注入する際は、型について抽出開始位置、および停止
位置を設定後、製造する樹脂あるいはゴム等の成形品の
種類に応じて該物質の幅を調節した。型の径を大幅に変
更しない限りは、型の厚さを一定にしておくことで、液
状物質吐出部から型内面の底部までの間の距離は一定で
変更不要である。成形品製造の都度、該物質吐出部の位
置を設定する必要はない。
【0036】以下に本発明に係る遠心形成方法の具体的
実施形態ついて説明する。複写機、ファクシミリ、およ
びプリンター等の静電複写プロセスにおいて、中間トナ
ー担持体として使用される無端状ベルトを遠心形成方法
により製造した場合を例に挙げる。
【0037】図1(a)〜(f)は、本実施形態に係る
遠心形成方法を実施するのに使用可能な遠心形成装置の
一例を示すものである。この遠心形成装置では、金属製
の円筒状型を駆動体1として使用する。図1(a)は、
この駆動体1の内周面上に型2を載置し、該型2の内周
面に沿って無端状ベルト3が形成された状態を示す断面
図である。この装置の構造及びこれを使用した無端状ベ
ルト3の製造方法の詳細は、以下のとおりである。
【0038】図1(a)に示すように、この装置は、上
記駆動体1の図中左側端部が、例えば嵌合で固定的に取
り付けられて駆動体1全体を支持可能で、図示しない駆
動系により回転駆動される円盤状の回転治具4を備えて
いる。また、この回転治具4で支持された駆動体1の右
側端部に、図示しない押しつけ機構で押し当てられる押
し当て治具5を備えている。この押し当て治具5本体は
回転しないように、かつ、該駆動体1の右端部から図中
矢印で示すように離間方向に移動できるように、上記押
しつけ機構あるいは図示しない専用の保持機構により保
持される。その駆動体1端部側の端面部には、上記押し
当てで駆動体1の右側端部に直接突き当たる突き当て部
材6が、ボールベアリングを介して回転自在に設けてあ
る。この突き当て部材6及び上記押し当て治具5本体
は、駆動体1の回転軸線を中心として筒状に中空部が形
成されており、この中空部は、押し当て治具5の右側端
部に一端が連結された排気管9内に連通されている。
【0039】上記のように、上記駆動体1は、図中左側
端部の回転治具4と、右側端部の自在回転する突き当て
部材6および右側最端部の回転しない押し当て治具5の
一体化した治具によってその両端部を挟まれながら、左
側端部の回転治具4に回転力を付与されて高速回転す
る。少なくとも該駆動体1の高速回転中は、型2内部の
硬化性液状物質から発生した溶剤蒸気は、突き当て部材
6と、該押し当て治具5の中空部から排気管9を通って
排気される。
【0040】図1(b)〜(f)は、無端状ベルトを遠
心形成方法で製造した様子を具体的に示している。駆動
体として内径200φの円筒の塗布用金型を用いた。図
1(b)に示すように、上述の通り該駆動体1の左側端
部は円盤状の回転治具4で支持され、該回転治具4は支
持体に支えられ駆動体1の回転に伴って自在回転するよ
うになっている。該回転治具4の中心部分には中空部が
形成されており、該中空部からベルト原料である液状物
質を注入する吐出口7とヒーター8が該型2内に挿入さ
れる。該ヒーター8は、予め該型2内に挿入しておいて
もよいし、乾燥段階において挿入してもよい。吐出口7
とヒーター8は、回転治具4の回転に伴って回転しない
ように構成されている。
【0041】図中駆動体1の左側を回転治具4に押し当
てて水平に固定した。該駆動体1の右側の空洞部は開放
されており、該空洞部から内径の異なる肉厚5mmの塗布
用金型(型)2を挿入した。該型2の中心軸線が該駆動
体1の回転軸線と平行になるように該型2を該駆動体1
の内面上に載置した。図中右側には該駆動体1の右側を
支持する二つの治具、自在回転する突き当て部材6と自
在回転しない押し当て治具5が配設されており一体とな
っている。上記のように該型2を該駆動体1内部へ出し
入れする際には、上記治具が離間方向に移動し、該駆動
体1の右側端部に突き当たったり離れたりできるように
構成されている。該駆動体1をゆっくり回転させるとき
は、図中左側端部の回転治具4単独で該駆動体1を回転
支持できるが、該駆動体1を高速回転させるときは単独
で回転支持することはできない。該駆動体1を高速回転
させるときは、該駆動体1の右側を支持する一体化した
治具、つまり上述の自在回転する突き当て部材6と自在
回転しない押し当て治具5を該駆動体1の右側端部に押
し当てて支持させることが必要である。また、図中右側
の一体化した治具には中空部が形成されており、この中
空部は、右側最端部の押し当て治具5を通して排気管9
と連通している。
【0042】図1(c)に示すように、該駆動体1をゆ
っくり回転させながら上記液吐出口7から該型2の内面
に該ベルトの原料となる硬化性液状物質を注入した。該
物質としては、ポリイミド前駆体を溶剤N,N−ジメチ
ルアセドアミド(DMAC)に溶解し、30%に希釈し
て調整したポリアミド酸溶液を使用した。その後上記突
き当て部材6と押し当て治具5を一体化させた治具をス
ライドさせて、該駆動体1の右側端部に突き当てた。こ
れにより、該駆動体1は左側は回転治具4で支持され、
右側は突き当て部材6と押し当て治具5の一体化した治
具で支持された状態になっている。該型2内の物質から
発生する溶剤蒸気は、右側の一体化させた治具から排気
管9を通って排気される。なお、上記排気については、
該物質を型2内面に注入する前から駆動させた。該駆動
体1をゆっくり回転させ、該物質を該型2内面に注入す
る間は時間的に短いので、該駆動体1の右側端部を上記
一体化させた治具を押し当てて、該一体化した治具の中
空を通して排気しなくても問題はない。この時は、上記
液吐出口7とヒータ8は該駆動体1の右側つまり排気側
から挿入してもよい。一方、該型2を駆動体1内部に挿
入し該物質を型2内に注入する前から、右側の上記一体
化させた治具をスライドさせて、該駆動体1の右側端部
に押し当ててもよい。すると、該物質を該型2内に注入
している間も該物質から発生する溶剤蒸気は、右側の一
体化させた治具から排気管9を通って排気され、溶剤蒸
気が駆動体1の外部に漏れることはない。
【0043】図1(d)に示すように、上記状態で該駆
動体1を高速回転させ、該型2の回転速度が1000rp
mとなるように、該駆動体1の回転速度を調整した。該
駆動体1の高速回転により以降は、周知の遠心形成法に
より該型2の内面形状にならって半液体状の無端状ベル
ト3が形成された。遠心形成法においては、上記半液体
状ベルトに含有する溶剤を加熱して蒸発させることを要
する。
【0044】図1(e)の左側の支持部から、該駆動体
1の左側を固定する回転治具4の中空部を通して、該型
2内部に片端子のカートリッジヒータ8を挿入した。該
ヒーター8は、該駆動体1の高速回転前に予め該型2内
に挿入しておいてもよいし、乾燥段階において挿入して
もよい。該ヒータ8を通電加熱して、半液体状の上記ベ
ルト3を加熱し、該ベルト3に含有する溶剤が蒸発する
まで加熱を継続した。加熱により該型2内部において該
ベルト3に含有の溶剤が蒸発するが、該溶剤蒸気は該駆
動体1内部から、右側端部の上記突き当て部材6と押し
当て治具5を一体化させた治具の中空部から排気管9を
通って外部の排気ダクトへ排気される。該ベルト3を乾
燥後、該駆動体1の回転を止めた。その後上記右側の一
体化した治具を該駆動体1の右側端部から取り外し、ス
ライドさせて移動した。
【0045】図1(f)に示すように、該駆動体1の右
側端部の中空部から、該ベルト3が付着したまま該型2
を取り出した。該型2を別に用意した加熱炉内でさらに
加熱して最終的に完全固化した無端状ベルト3を成型し
た。該型2から剥離した該無端状ベルト3は、膜厚・幅
等目標寸法を有しており、しわ・寄り・変形等の外観異
常も認められず、良好な形状を有していた。
【0046】上記型2の回転速度は該型2を載置した駆
動体1の回転速度を制御することによって調節するが、
該型2の回転に滑りがなければ該型2の外周と上記駆動
体1の内周とはその回転距離が等しいため、次式から該
駆動体1の回転速度ωを求めて設定した。 r×ω=r×ω:駆動体1の内周半径、 r:型2の外周半径 ω:駆動体1の回転速度、 ω:型2の回転速度
【0047】また、次のような内径の型を用い、それに
あわせて駆動体の回転速度を調節して上記方法によって
無端状ベルトを製造した。その結果、厚さが均一で目的
の寸法を有した無端状ベルトを形成することができた。
ベルトに寄れや歪み等形状に問題なく、いずれも良好な
状態であった。上記の遠心形成方法によれば、型は駆動
体に載置するだけなので型の交換は非常に簡単であり、
従来の方法では不可欠であった型や治具の交換等の準備
作業は不要となり、製造時間を大いに短縮することがで
きた。特別な装置を必要とせず、目的寸法を有する型を
準備するだけで、数種の無端状ベルトを従来より効率よ
く製造することができた。また、駆動体の周壁の作用に
より排気の問題も容易に解決でき環境上の問題もない。 型の内径;180φ(駆動体の回転速度;900rpm) 同 ;150φ(同 ;750rpm) 同 ;120φ(同 ;600rpm)
【0048】図2(a)および(b)は、図1の装置で
無端状ベルトが形成された状態を拡大した断面図であ
る。図2(a)は、駆動体1の回転軸方向に沿った断面
図、図2(b)は、該駆動体1の回転軸方向から見た断
面図である。参考のため図2(b)には、無端状ベルト
の原料となる硬化性液状物質の吐出部7およびベルト乾
燥用ヒータ8も図示した。
【0049】上記方法を利用して、目的の寸法を有する
型を用意すれば、一度の工程で数個の無端状ベルトの製
造が可能となる。上記方法を利用した例を図3および図
4に示した。図3(a)および(b)は、同じ寸法の型
3個を駆動体の回転軸線に平行に並べて、一度に3個の
無端状ベルトを形成したときの製造状態を示す断面図で
ある。図4(a)および(b)は、同じ寸法の型2個を
回転方向に並べて、一度に2個の無端状ベルトを形成し
たときの製造状態を示す断面図である。図3および図4
の(a)は、駆動体1の回転軸方向に沿った断面図、
(b)は、駆動体1の回転軸方向から見た断面図であ
る。
【0050】本実施形態に係る遠心形成方法によって、
特別の設備・準備を要することなく、目的寸法を有した
無端状ベルトを効率よく容易に製造することができた。
製造中に発生する溶剤蒸気も簡単に処理でき環境上の問
題もなかった。該ベルトは厚さが均一で、型くずれやよ
れ等の変形はなく良好な形状を有していた。上記の遠心
形成方法によって製造した該ベルトを、実際に中間転写
ベルトとして電子複写機((株)リコー製フルカラー複
写機プリテール)に取り付け、該ベルトの耐久性や画質
を調べた。駆動中に該ベルトのよれやずれ等の異常は生
じることなく、正常に駆動し、耐久性も良好であった。
出力画像・階調性共に優れ、中間転写ベルトとして画像
形成装置に適していた。本実施形態に係る遠心形成方法
によれば、従来の方法と比較して明らかに作業効率は向
上する。
【0051】〔実施形態2〕次に、上記第2及び第3の
目的を達成することのできる遠心形成方法及び装置の実
施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)
について説明する。なお、本実施形態においても、上記
実施形態1と同様に、複写機、ファクシミリ、およびプ
リンター等の静電複写機の中間トナー担持体として使用
される無端状のポリイミドベルトを形成する場合を例に
説明する。
【0052】図6は、本実施形態で使用される無端状ベ
ルトの成形型20の軸方向断面図である。成形型20
は、石英ガラスからなる透明な円筒状の型である。成形
型20は、その両端部を保持治具40によって保持され
ている。また、成形型20は、保持治具40を支持し且
つ成形型20の軸方向に移動可能な図示しない支持軸が
駆動源(不図示)からの駆動を受けて回転することによ
り、回転駆動されるようになっている。
【0053】保持治具40の成形型20との当接部にお
ける断面図を図7に示す。図7に示すように、保持治具
40の当接部は、円盤状部材を3分割したような3つの
扇型チャック40aで構成されており、3つの扇型チャ
ック40aのそれぞれが、成形型20の中心部より外周
に向けて押圧するようにして成形型20を保持してい
る。そして、この扇型チャック40aは、成形型20の
内周面ほぼ全域に当接するように、成形型20との当接
部形状が成形型20の内周面形状に沿った扇型に形成さ
れており、保持治具40による当接圧が局所的に大きく
なるのを防止している。よって、本実施形態の石英ガラ
スからなる成形型20にように、局所的な当接圧によっ
て破損しやすい部材を成形型として用いる場合にも、破
損を防止することができる。なお、図8に示すように、
成形型20と保持治具40の扇型40aを、中間部材5
0を介して当接させるように構成してもよい。本実施形
態においては、金属製のワッカを用いた。これにより、
両者が直接接触することがないので、成形型20にかか
る当接圧をいっそう緩和することができる。
【0054】上記の構成において、成形型20を回転さ
せながら、成形型20の内周面にポリイミドベルトの原
料となるポリアミド酸溶液を注入すると、成形型20の
回転による遠心力で、該溶液が成形型20の内面形状に
ならって、半液体状の無端状ベルト3が形成される(図
6参照)。そして、この半液状の無端状ベルト3をさら
に硬化させるために、成形型20の外部に配置されてい
るヒーター8により加熱処理を行う。このとき、成形型
20が透明な部材で形成されているため、ヒーター8か
らの加熱光線が成形型20中を透過して直接無端状ベル
ト3に達し、金属製の成形型のように加熱光線を反射し
てしまうことはない。よって、金属製の成形型を用いる
場合に比して、ベルトに対する熱効率を高めることがで
き、加熱処理時間を短縮できる。なお、ベルトに対する
熱効率をさらに高めるために、上記ポリアミド酸溶液に
加熱光線を吸収することができる物質を混入させてもよ
い。具体的には、電気抵抗制御材としてのカーボンブラ
ックやグラファイトを使用することができ、これによ
り、熱効率の向上と抵抗制御を同時に行うことができ
る。
【0055】次いで、成形型20を保持治具40から解
放して、ベルト3を付着させたままの成形型20を、別
に用意した加熱炉でさらに加熱する。このとき、成形型
20が、透明な部材で形成されていることにより、成形
型20内の無端状ベルト3の硬化状態を観察しながら、
随時加熱条件を変更したり、加熱を停止したりして、所
望の硬化状態になるように自在に制御することができ
る。よって、最終的に完全成形された無端状ベルト3を
成形型20から取り外す際には、加熱不足でベルトが軟
らかすぎて破れてしまったり、加熱過剰で型への密着力
が強くなりすぎて破れてしまったりすることなく、良好
に取り出すことができる。
【0056】次に、上記実施形態2のより具体的な実施
例及び比較例を説明する。本実施例及び比較例において
は、下表1に示すように、3種類の保持治具で、石英ガ
ラスの型及びアルミニウム製の型を保持した場合の成形
型の変形具合、及び、それぞれ遠心形成後の無端状ベル
トの膜厚周方向のばらつきを評価した。なお、成形型の
内径はそれぞれ200mm、ポリイミドベルトの原料と
してDMACに30%に希釈して調整したポリアミド酸
溶液を使用し、成形型20を1000rpmで回転させ
た。成形後の無端状ベルト3の膜厚のねらいは100μ
mである。
【表1】
【0057】上記結果より、本実施形態における保持治
具(実施例)は、従来の三爪チャック(比較例)に比較
して、成形型の変形を防止する効果があることが認めら
れた。また、成形型の変形を防止することにより、無端
状ベルトの膜厚のばらつきを防止できることも確認でき
た。
【0058】なお、上記実施形態2においては、上記成
形型20を透明部材で形成した例を説明したが、上記実
施形態1で説明した遠心形成装置の駆動体1あるいは型
2(図1及び図2参照)に適用することもできる。この
場合、図9に示すように、ヒーター8を型2の内部に配
置すれば、上記実施形態1と同様に、内部からの加熱に
より、熱効率を高めることができるので、効果的かつ経
済的に乾燥を行うことができる。また、図9で示すよう
に、ヒーター8を成形型2の外部に配置しても、透明部
材からなる成形型2を適用することで、本実施形態で示
したように加熱光線が型を透過して直接上記硬化性形状
物質に到達するようになるので、該物質に対する熱効率
を高めることができ、加熱処理時間を短縮できる。以下
に、加熱条件を変化させた場合の実験例を説明する。
【0059】本実験例においては、上記実施形態1の図
1及び図2で示した遠心形成装置において、上記駆動体
1としてガラス製の型とアルミニウム製の型の2種類を
用意し、それぞれの型内部に挿入する上記型2として透
明硬質ガラス製の型を用いた。そして、表2に示すよう
に、ヒーターの配置場所を変えてを加熱処理したとき無
端状ベルトの乾燥状況及び製膜状況を調査した。なお、
型2の外径はそれぞれ180mm、内径はそれぞれ17
0mmであり、ポリイミドベルトの原料としてDMAC
に30%に希釈して調整したポリアミド酸溶液を使用
し、型2を1000rpmで回転させた。成形後の無端
状ベルト3の膜厚のねらいは100μmである。
【表2】
【0060】上記の結果より、透明なガラス製の型を用
いることで、無端状ベルト3の加熱処理時間を短縮でき
ることが確認できた。
【0061】なお、上記実施形態1及び2として、複写
機、ファクシミリ、およびプリンター等の静電複写プロ
セスにおいて、中間トナー担持体として使用される無端
状ベルトを取り挙げたが、これに限るものではなく、本
実施形態に係る遠心形成方法は、遠心形成法が用いられ
る樹脂あるいはゴム等の成形品を製造する様々な工業分
野において実施できるものである。
【0062】
【発明の効果】請求項1乃至3の発明によれば、上記型
の従動回転による遠心力により上記型内に製品を形成す
るので、目的とする製品を成形するに必要な寸法・形状
等を有した上記型を用意しさえすれば、遠心形成法によ
る所望の製品を製造することができる。また、従来上記
型を固定するために必要としていた治具が不要となる。
これらの結果、従来の、製品毎の上記型の変更による大
がかりな取り付け・取り外し作業や、治具の交換・固定
等の煩雑な準備作業が不要となるので、その分製造時間
を短縮することができ、作業効率を向上させることがで
きるという優れた効果がある。また、上記駆動体で、上
記液状物質の乾燥中に発生する有害蒸気の拡散経路を制
限することができるので、別途、有害蒸気の拡散防止部
材を設けるよりも、安価に有害蒸気の拡散を抑制するこ
とができる。また、上記駆動体の開放部に排気管や排気
口を設けることで、有害蒸気の排気処理を容易に行うこ
とができる。よって、環境上問題のある有害蒸気を安価
に、かつ、容易に処理することができるという優れた効
果がある。
【0063】特に、請求項2の発明によれば、上記型は
回転中に位置ずれが生じることなく、定位置において終
始安定して回転を続けることができ、上記液状物質が、
上記型の回転時に上記型内の一方向へ片寄って成形され
るのを防止できる。よって、厚さが均一で、寄りのない
良好な形状の製品を得ることができるという優れた効果
がある。
【0064】特に、請求項3の発明によれば、上記型内
部からの加熱により、上記液状物質に対する熱効率を高
めることができるので、効果的かつ経済的に上記液状物
質の乾燥を行うことができるという優れた効果がある。
【0065】請求項4、5、6及び9の発明によれば、
該物質の硬化状態を観察しながら、随時加熱条件を変更
したり、加熱を停止したりできるので、所望の硬化状態
となるよう自在に制御することができる。よって、硬化
後の上記液状物質を上記型から取り出す際に、該物質が
破れにくいような硬さに制御することができるという優
れた効果がある。
【0066】特に、請求項6の発明によれば、加熱源か
らの加熱光線が型を透過して直接上記硬化性形状物質に
到達するようになるので、該物質に対する熱効率を高め
ることができ、加熱処理時間を短縮できるという優れた
効果がある。
【0067】請求項8の発明によれば、加熱源からの光
又は赤外光線を吸収する物質を含む硬化性液状物質で、
該物質に対する熱効率を高めることができるので、加熱
処理時間を短縮できるという優れた効果がある。
【0068】請求項7、10及び11の発明によれば、
上記型に局所的な当接圧がかかることがないので、局所
的な当接圧による型の変形を防止することができる。こ
れにより、該変形により発生する成形製品の厚さのバラ
ツキを防止することができるという優れた効果がある。
また、特に、上記型の材質として、硬質ガラスや石英ガ
ラスなどの局所的な当接圧によって破損するおそれがあ
る材質を用いる場合にも、破損を防止することができる
という優れた効果がある。
【0069】特に、請求項11の発明によれば、上記型
にかかる当接圧をいっそう緩和させることができるの
で、型の変形や破損をより効果的に防止することができ
るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施形態1に係る遠心形成方法を実
施するのに使用可能な装置の説明図。(b)、(c)、
(d)、(e)、(f)は、実施形態に係る遠心形成方
法によって無端状ベルトを製造した様子の説明図
【図2】(a)および(b)は、図1に示す装置で無端
状ベルトが形成された様子の拡大図。
【図3】(a)および(b)は、実施形態1に係る遠心
形成方法を応用した製造方法の説明図。
【図4】(a)および(b)は、実施形態1に係る遠心
形成方法を応用した製造方法の説明図。
【図5】従来の遠心形成方法を説明する説明図。
【図6】実施形態2に係る遠心形成方法を実施するのに
使用可能な装置の説明図。
【図7】実施形態2に係る成形型及び保持治具の成形型
軸方向断面図。
【図8】同保持治具の他の構成を示す拡大図。
【図9】ヒーターの配置例を説明する説明図。
【図10】従来の保持治具を説明する説明図。
【符号の説明】
1 駆動体として使用した型 2 製品を形成するのための型 3 型内面に成形された無端状ベルト 4 回転治具 5 押し当て治具 6 突き当て部材 7 硬化性液状物質の吐出部 8 乾燥用ヒータ 9 排気管 20 成形型(実施形態2) 40 保持治具 50 中間部材 60 三爪チャック

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の型内に製品を形成する硬化性液状
    物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠心力により
    該型の内面形状にならった該液状物質の製品を形成する
    遠心形成方法において、 少なくとも、一端側の端壁部が開放されているか、ある
    いは、開放可能な円筒状の駆動体を用い、該駆動体の内
    周面上に該型を載置し、該型内に液状物質を注入し、該
    駆動体を高速回転させて該型を従動回転させることを特
    徴とする遠心形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の遠心形成方法において、 上記駆動体は駆動体回転軸が水平な状態で回転し、上記
    型は型回転軸が該駆動体回転軸に対して平行な状態で回
    転することを特徴とする遠心形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の遠心形成方法において、 上記型の内部を加熱して、上記液状物質の乾燥を行うこ
    とを特徴とする遠心形成方法。
  4. 【請求項4】円筒状の型内に製品を形成する硬化性液状
    物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠心力により
    該型の内面形状にならった該液状物質の製品を形成する
    遠心形成方法において、 上記型として、透明な部材で構成された型を用いること
    を特徴とする遠心形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2の遠心形成方法において、 上記型として、透明な部材で構成された型を用いること
    を特徴とする遠心形成方法。
  6. 【請求項6】請求項4又は5の遠心形成方法において、 上記透明な部材で構成された型の外部から加熱して、上
    記液状物質の乾燥を行うことを特徴とする遠心形成方
    法。
  7. 【請求項7】請求項4又は5の遠心形成方法において、 上記型を保持する保持治具として、該保持治具の上記型
    に当接する部分の形状が上記型の周面に沿った面形状で
    ある保持治具を用いることを特徴とする遠心形成装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7の遠
    心形成方法において、 上記硬化性液状物質として、加熱源からの光又は赤外光
    線を吸収する物質を含んでいる液状物質を用いることを
    特徴とする遠心形成方法。
  9. 【請求項9】円筒状の型を有し、該型内に製品の原液で
    ある硬化性液状物質を注入し、該型の高速回転による遠
    心力で該硬化性液状物質を該型の内面形状にならった形
    状の製品に形成する遠心形成装置において、 該型が、透明な部材で構成されていることを特徴とする
    遠心形成装置。
  10. 【請求項10】円筒状の型を有し、該型内に製品の原液
    である硬化性液状物質を注入し、該型の高速回転による
    遠心力で該硬化性液状物質を該型の内面形状にならった
    形状の製品に形成する遠心形成装置において、 上記型を保持する保持治具の上記型に当接する部分の形
    状を、上記型の周面に沿った面形状に形成したことを特
    徴とする遠心形成装置。
  11. 【請求項11】請求項9の遠心形成装置において、 上記型と上記保持治具とが、中間部材を介して当接する
    ように構成したことを特徴とする遠心形成装置。
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