JP2000195686A - 非常用照明装置 - Google Patents

非常用照明装置

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JP2000195686A
JP2000195686A JP36792598A JP36792598A JP2000195686A JP 2000195686 A JP2000195686 A JP 2000195686A JP 36792598 A JP36792598 A JP 36792598A JP 36792598 A JP36792598 A JP 36792598A JP 2000195686 A JP2000195686 A JP 2000195686A
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lighting
time
power failure
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Jun Matsuzaki
純 松崎
Hiroyuki Matsumoto
弘之 松本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源停電時の光出力を低く設定しても放
電灯を安定に点灯させ、しかも比較的簡単な構成で停電
時の表示面輝度を均一化する。 【解決手段】 制御回路1は、商用電源Vacの停電時
に放電灯Lに供給する電源が電池Eに切り替えられる
と、放電灯Lの光出力を定格の光出力よりも低くかつ商
用電源Vacの停電後の光出力として規定された停電時
光出力よりも高い光出力である励起用光出力に設定す
る。制御回路1は、励起用光出力で放電灯Lを点灯させ
る励起時間が経過すると、放電灯Lの光出力を停電時光
出力に低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源通電時に
は商用電源を電源として放電灯を点灯可能とし、商用電
源が停電すると電池を電源として放電灯を点灯させる非
常用照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、商用電源が停電すると電池を
電源として放電灯を点灯させる非常用照明装置が提供さ
れている。放電灯を光源とするこの種の非常用照明装置
には、消防法で定められた誘導灯のように、表示面輝度
の均一度だけではなく、平均輝度の上限値と下限値とが
決められているものがある。
【0003】つまり、停電時に輝度が高すぎると表示面
がかえって見にくくなるから平均輝度の上限値が規制さ
れ、下限値は、安全を確保するのに必要な照度が得られ
るように定められている。したがって、停電時における
光出力は定格光出力よりも低く設定されることになる。
例えば、実開昭58−167986号公報には、誘導灯
装置として、交流電源の非常時(停電時)に光出力を定
格光出力よりも低く設定するものが記載されている。
【0004】ところで、非常用照明装置は、商用電源が
停電すると電池を電源として放電灯を点灯させるから、
薄型かつ小型という市場の要望を満たしつつ停電時に放
電灯を所要時間だけ点灯させ続けるには、停電時の光出
力を上記下限値付近に設定し、停電時の電池の消耗をで
きるだけ抑制するのが望ましい。このように停電時の光
出力を上記下限値付近に設定した場合には、停電時の光
出力は定格光出力よりも大幅に低くなる。
【0005】上述のように停電時の光出力を上記下限値
付近に設定している場合、商用電源通電時に放電灯が点
灯している状態(いわゆる常用点灯)から停電したとき
には、商用電源の通電時に放電灯が十分に励起されてい
るから、停電時に電池を電源として放電灯を点灯させる
状態(いわゆる非常点灯)に移行して光出力を大きく低
下させても、放電灯を比較的安定した点灯状態に保つこ
とができる。
【0006】ところが、商用電源通電時に放電灯が消灯
している状態(いわゆる常用消灯)から停電した場合、
あるいは商用電源の通電・停電とは無関係に電池を電源
として放電灯を始動(いわゆる自起動)させる場合に
は、放電灯の始動前に放電灯が励起されていないから、
放電灯を初始動させることになり、放電灯の点灯が安定
するまでに通常よりも多くの時間を要したり始動不良を
生じたりし、また定格点灯時よりも安定点灯を維持する
のが難しいから、場合によっては立ち消えを起こすこと
もある。
【0007】特に、放電灯の周囲温度が低くなると、始
動不良や立ち消えをさらに起こしやすくなるから、非常
用照明装置は放電灯が始動不良や立ち消えを起こす限界
値に対して余裕を持つように設計されている。つまり、
非常用照明装置の停電時の光出力は一般には上記下限値
よりも高く設定される。
【0008】一方、停電時の光出力を必要以上に高く設
定すると、上述した上限値を超える場合もある。そこ
で、表示面輝度の条件を満たすために、商用電源の通電
時と停電時とで点灯させる放電灯の数や表示面の光透過
率を変えることによって、表示面輝度の均一化や平均輝
度の条件を満たすようにしているのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成を採用すると、複数灯の放電灯をそれぞれ点灯させ
るための点灯回路が必要になったり、表示面の光透過率
を変化させるための構成が必要になったりするから、非
常用照明装置の構成部品点数が増加し構成が複雑になる
という問題が生じる。
【0010】本発明は、上記事由に鑑みて為されたもの
であり、その目的は、商用電源停電時の光出力を低く設
定しても放電灯を安定に点灯させることができ、しかも
比較的簡単な構成で停電時の表示面輝度を均一化しかつ
平均輝度の条件を満たすようにした非常用照明装置を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、商用
電源および電池を電源として動作可能であり放電灯を点
灯させる点灯回路と、商用電源通電時に商用電源から点
灯回路に電源を供給させ商用電源停電時に電池から点灯
回路に電源を供給させる切替回路と、商用電源停電時に
放電灯の光出力を定格の光出力よりも低く商用電源停電
後の光出力として設定した停電時光出力よりも高い励起
用光出力に設定するとともにあらかじめ定めた励起時間
が経過した後に放電灯の光出力を停電時光出力に低下さ
せる制御回路とを備えるものである。この構成によれ
ば、商用電源停電時に放電灯の光出力を停電時の光出力
として設定した停電時光出力よりも高い励起用光出力に
設定するから、停電直後には放電灯に比較的大きい電力
を与えて放電灯を励起することができ、励起時間の経過
後に放電灯の光出力を停電時光出力に低下させても放電
灯の立ち消えが起こりにくくなる。その結果、停電時光
出力を低くしながらも、停電時の放電灯の始動が容易で
しかも立ち消えを起こしにくく、放電灯を安定に点灯さ
せることができるのであって、しかも光出力を変化させ
るだけの簡単な構成ながら、商用電源停電時の表示面輝
度を均一化するとともに平均輝度についての条件を満た
すことができる。さらに、停電時光出力を低く設定する
ことができるから、停電時の電源となる電池として容量
の比較的小さいものを用いることができ、全体を小型か
つ薄型に形成することが可能になる。
【0012】請求項2の発明は、商用電源を電源として
放電灯を点灯可能な第1の点灯回路と、電池を電源とし
て上記放電灯を点灯可能な第2の点灯回路と、商用電源
通電時には上記放電灯を第1の点灯回路に接続し商用電
源停電時には上記放電灯を第2の点灯回路に接続する切
替回路と、商用電源停電時に放電灯の光出力を定格の光
出力よりも低く商用電源停電後の光出力として設定した
停電時光出力よりも高い励起用光出力に設定するととも
にあらかじめ定めた励起時間が経過した後に放電灯の光
出力を停電時光出力に低下させる制御回路とを備えるも
のである。この構成によれば、2つの点灯回路を要する
から請求項1の発明に比較すると構成がやや複雑になる
が、他は請求項1の発明と同様の作用を奏し、しかも商
用電源を電源とする第1の点灯回路と電池を電源とする
第2の点灯回路とを個別に備えるから、各点灯回路の回
路設計が容易になる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、上記励起時間が、上記励起用光出力
で放電灯を点灯させることにより上記停電時光出力での
放電灯の点灯が安定する程度に放電灯を励起させる時間
であって、かつ上記停電時光出力を規定された維持時間
保つのに必要な電力が上記電池から供給可能となる範囲
内で設定されているものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、上記励起用光出力が、上記励起時間
だけ放電灯を点灯させたときに上記停電時光出力での放
電灯の点灯が安定する程度に放電灯を励起させる光出力
であって、かつ上記停電時光出力を規定された維持時間
保つのに必要な電力が上記電池から供給可能となる範囲
内で設定されているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】(実施形態1)本実施形態では、図1に示
すように、2灯の放電灯Lを1つの点灯回路2で点灯さ
せるようにした非常用照明装置を例示する。非常用照明
装置は、商用電源Vacの通電時には商用電源Vacか
ら電源が供給され、商用電源Vacの停電時には内蔵し
た電池Eを電源として放電灯Lを点灯させる。また、通
電時には放電灯Lを点灯させる場合と放電灯Lを消灯さ
せている場合とがある。
【0017】本実施形態における非常用照明装置は、商
用電源Vacを整流平滑する整流平滑回路6を備え、整
流平滑回路6から出力される直流電圧は降圧回路7によ
り降圧される。降圧回路7の出力電圧は停電検出回路4
によって監視されており、停電検出回路4では降圧回路
7の出力電圧が低下すると、商用電源Vacの停電を検
出する。電池Eは充電回路5を介して降圧回路7の出力
端に接続されており、商用電源Vacの通電時に充電回
路5を通して充電される。
【0018】降圧回路7と電池Eとは切替回路3を通し
て点灯回路2に接続されており、切替回路3は停電検出
回路4によって商用電源Vacの通電状態が検出されて
いる間には降圧回路7から点灯回路2に電源を供給させ
る。また、停電検出回路4によって商用電源Vacの停
電が検出されると、切替回路3は点灯回路2に電池Eか
ら電源を供給させる。
【0019】降圧回路7と電池Eとは、それぞれダイオ
ードD1,D2を通して制御回路1に接続されている。
制御回路1は点灯回路2の出力を制御するものであっ
て、停電検出回路7により商用電源Vacの停電が検出
されると、点灯回路2から放電灯Lへの供給電力を制御
して放電灯Lの光出力を調節する。つまり、点灯回路2
は放電灯Lに供給する電力が調節可能になっている。停
電時における放電灯Lの光出力の制御については後述す
る。また、制御回路1には電流検出部Sにより検出され
た各放電灯Lのランプ電流に相当する信号が与えられ、
制御回路1では各状態において、放電灯Lの光出力をほ
ぼ一定に保つようにフィードバック制御したり放電灯L
の立ち消えを検出したときに再始動したりするようにな
っている。
【0020】ところで、本実施形態は、商用電源Vac
の停電時に放電灯Lの光出力を、図2、図3のように変
化させる点に特徴がある。照明器具工業界の技術基準で
は、常用点灯時の光出力と非常点灯時の光出力との比で
ある光束比によって非常点灯開始から一定時間後の光出
力を規定しており、例えば誘導灯では非常点灯開始から
20分間は光出力を所定値以上に保つことが要求され、
非常灯では非常点灯開始から30分間は光出力を所定値
以上に保つことが要求されている。つまり、電池Eの有
効放電時間をこの時間以上に設定しておけばよく、この
時間の終了時点で光出力が所定値以上であればよいこと
になる。
【0021】そこで、停電時から光出力を所定値以上に
維持すべき時間を維持時間T2と呼び、維持時間T2の
終了時点での光出力η2を停電時光出力と呼ぶことにす
る。本発明の特徴は、商用電源Vacの停電時に放電灯
Lの光出力を、定格(ここでは商用電源Vacの通電
時)の光出力よりも低くかつ停電時光出力η2よりも高
い光出力として設定した励起用光出力η1となるように
制御し、この励起用光出力η1を規定の励起時間T1だ
け維持した後に、停電時光出力η2に低下させるのであ
る。
【0022】図2は商用電源Vacの通電時に放電灯L
を消灯させている状態から時刻tにおける停電時に放電
灯Lを点灯させる場合を示しており、放電灯Lの光出力
は0%(商用電源Vacの通電時の光出力を100%と
する)から励起用光出力η1に立ち上がることになる。
放電灯Lの光出力を励起用光出力η1に設定した状態で
励起時間T1が経過すると、放電灯Lの光出力を停電時
光出力η2に低下させる。この動作は商用電源Vacを
用いずに電池Eを電源として放電灯Lを点灯させる場合
(いわゆる自起動)も同様である。
【0023】また、図3は商用電源Vacの通電時に放
電灯Lを定格の光出力で点灯させている状態から時刻t
において停電した場合を示している。この場合、励起用
光出力η1は定格の光出力よりも小さいから、時刻tに
おいて放電灯Lの光出力は定格の光出力から励起用光出
力η1に低下することになる。この場合も図2の動作と
同様に、放電灯Lの光出力を励起用光出力η1に設定し
た状態で励起時間T1が経過すると、放電灯Lの光出力
を停電時光出力η2に低下させる。つまり、商用電源V
acの通電時に放電灯Lが点灯しているか消灯している
かにかかわらず、停電時には放電灯Lの光出力が同様に
変化するのである。
【0024】ところで、励起時間T1および励起用光出
力η1は、次の点を考慮して設定される。すなわち、励
起時間T1は、停電時光出力η2で放電灯Lを点灯させ
たときに維持時間T2の終了時点まで放電灯Lを安定に
点灯させることができる程度に放電灯Lを励起するため
に設けてあり、この間に放電灯Lが安定点灯するための
条件を満たすように、励起時間T1および励起用光出力
η1を設定する。また、消灯している状態で周囲温度が
比較的低い場所に長時間放置された放電灯Lでも維持時
間T2に安定点灯状態を保つことができるように、励起
時間T1および励起用光出力η1を設定する。ただし、
励起時間T1および励起用光出力η1は、停電時光出力
η2を維持時間T2の終了時点まで保つのに必要な電力
が電池Eから供給可能な範囲内で設定される。要する
に、励起時間T1および励起用光出力η1での電力消費
分を電池Eの容量から引いた後に停電時光出力η2を維
持時間T2の終了時点まで保つことができるように設定
される。
【0025】放電灯Lを励起する際には、励起用光出力
η1が高ければ励起時間T1は短くて済み、励起時間T
1が長ければ励起用光出力η1は低くて済むという関係
がある。つまり、図4(a)のように励起用光出力η1
が図4(b)の励起用光出力η1よりも高い場合には、
励起時間T1を図4(b)の励起時間T1よりも短く設
定することができ、反対に図4(b)のように励起時間
T1が長ければ励起用光出力η1を小さくしてもよいの
である。いずれの場合もほぼ同程度に放電灯Lを励起さ
せることができる。
【0026】また、励起時間T1は維持時間T2の50
%以下に設定される。このことによって電池Eに要求さ
れる容量をむやみに増大させることなく停電時光出力η
2を低く設定することができる。仮に、励起時間T1が
維持時間T2の50%を超えるとすれば、維持時間T2
のうち停電時光出力η2に設定される時間の割合が励起
用光出力η1に設定される時間(励起時間T1)よりも
短くなる。励起時間T1をこのように長く設定するので
あれば、維持時間T2の全体に亘って停電時光出力η2
を高めに設定したほうが、維持時間T2における安定点
灯を確保しながらも電池Eの容量を小さくすることがで
きることになる。したがって、励起時間T1は維持時間
T2の50%以下に設定されることになる。なお、励起
用光出力η1は、停電時光出力η2を25%とすれば、
25〜75%の間で設定される。
【0027】以上説明したように、本実施形態では、商
用電源Vacの停電時から定格の光出力よりは低くかつ
停電時光出力η2よりは高い光出力である励起用光出力
η1に設定するから、停電直後には放電灯Lに比較的大
きい電力を与えて放電灯Lを励起することができ、励起
時間T1の経過後に放電灯Lの光出力を停電時光出力η
2に低下させても放電灯の立ち消えが起こりにくく、安
定に点灯させることができる。また、放電灯Lの点灯数
を変化させるのではないから、商用電源Vacの停電時
における表示面輝度の均一化を容易に実現することがで
きる。しかも、停電時光出力η2は低く設定することが
できるから、停電時の電源となる電池Eとして容量の比
較的小さいものを用いることができ、非常用照明装置全
体を小型かつ薄型に形成することが可能になる。
【0028】ところで、本実施形態では2灯の放電灯L
を共通の点灯回路2で点灯させているから、図5、図6
のように、両放電灯Lを1つの器具本体8に取り付けて
非常用照明器具を構成することになる。器具本体8には
図示しない表示板が取り付けられる。
【0029】いま、励起用光出力η1で放電灯Lを点灯
させる励起時間T1を設けずに放電灯Lを点灯させると
すれば、従来構成として説明したように、非常点灯時
(つまり、商用電源Vacの停電時に放電灯Lを点灯さ
せているとき)の光出力を、常用点灯時(つまり、商用
電源Vacの通電時に放電灯Lを点灯させているとき)
の光出力に対してあまり小さくすることはできない。こ
こでは、常用点灯時の放電灯Lの光出力を100%と
し、励起時間T1を設けずに非常点灯時でも放電灯Lを
安定に点灯させるためには50%の光出力を要するもの
とする。このような条件で、図6(a)のように常用点
灯時(図には通常時として示してある)に各放電灯Lを
100%で点灯させることにより200%の光出力を得
るようにし、非常点灯時(図には非常時として示してあ
る)には50%の光出力を得ようとするのであれば、図
6(b)のように放電灯Lを1灯だけしか点灯させるこ
とができないことになる。つまり、図6(b)のように
2灯の放電灯Lの一方のみが50%で点灯し、他方は消
灯(0%)することになる。この場合、表示面(図の面
に平行な面として設定されているものとする)の輝度分
布が均一にならないという問題が生じる。
【0030】これに対して、本実施形態の構成を採用す
れば、励起時間T1を設けたことによって、非常点灯の
開始から励起時間T1が経過した後の光出力(停電時光
出力η2)を低く設定しても放電灯Lを安定に点灯させ
ることができる。例えば、常用点灯時に対して非常点灯
時には光出力を25%で安定に点灯させることが可能に
なったとする。図5のように器具本体8には2灯の放電
灯Lが配置されているから、図5(a)のように常用点
灯時(通常時)における両放電灯Lの光出力をそれぞれ
100%とするときに、図5(b)のように非常点灯時
(非常時)における各放電灯Lの光出力を25%に設定
することが可能になり、この状態での全体としての光出
力は50%になる。要するに、励起時間T1を設けない
場合には非常点灯時に両放電灯Lのうちの1灯だけを点
灯させなければならないから、表示板の輝度分布に偏り
が生じ、輝度分布を均一化するには特殊な設計の表示板
が必要になる。これに対して、本実施形態のように励起
時間T1を設けると非常点灯時であっても両放電灯Lを
ともに点灯させることが可能になるから、表示板の輝度
分布をほぼ均一にすることができるのである。
【0031】なお、本実施形態では、常用点灯時と非常
点灯時とにかかわらず2灯の放電灯Lを点灯させる例を
示したが、常用点灯時と非常点灯時とで点灯させる放電
灯の数Lの灯数を変えてもよい。例えば、常用点灯時に
4灯を点灯させ、非常点灯時には2灯を点灯させるよう
にしてもよい。ただし、常用点灯時と非常点灯時とで点
灯灯数を変更する場合には、表示板の輝度分布を均一化
しやすい位置に各放電灯を配置する。
【0032】(実施形態2)本実施形態は、図7に示す
ように、降圧回路7の出力を電源とする点灯回路2a
と、電池Eを電源とする点灯回路2bとを個別に設けた
ものである。実施形態1では点灯回路2への電源を切り
換える切替回路3を用いていたが、本実施形態では各点
灯回路2a,2bの出力側に2つの切替回路3aを設け
ている。両切替回路3aは停電検出回路4での停電の検
出の有無に応じて同時に切り替えられ、両点灯回路2
a,2bのどちらを放電灯Lに接続するかを選択する。
また、両点灯回路2a,2bは共通の制御回路1により
制御される。
【0033】電池Eは、商用電源Vacの通電時に降圧
回路7から充電回路5およびダイオードD3を介して充
電され、さらに電池Eから点灯回路2bに電源が供給さ
れている。ここに、ダイオードD3は電池Eから充電回
路5への逆流を阻止するために設けられている。
【0034】上述の回路で、商用電源Vacの通電時に
は点灯回路2aの出力により放電灯Lを点灯させ、商用
電源Vacが停電すると点灯回路2bの出力により放電
灯Lを点灯させるのである。他の構成および動作は実施
形態1と同様である。
【0035】この構成を採用すれば、2つの点灯回路2
a,2bを要するから実施形態1の構成よりもやや複雑
になるが、降圧回路7の出力電圧を電源とする点灯回路
2aと電池Eを電源とする点灯回路2bとを各別に設計
することができるから、点灯回路2a,2bの回路設計
が容易になる。
【0036】ところで、上述した各実施形態、表示板の
背方から放電灯Lにより照明する構成であるいわゆる
「内照方式」の非常用照明装置を想定しているが、図8
のように、放電灯Lを導光板12の端面に対向させて配
置したいわゆる「導光方式」の非常用照明装置において
も同様の効果が期待できる。「導光方式」では導光板1
2の表裏の少なくとも一面が表示面になる。つまり、器
具本体10に反射板9とともに放電灯Lが収納され、放
電灯Lを挟んで反射板9の反対側に導光板12の端面を
配置してある。この構成では、放電灯Lから放射され導
光板12の端面から導光板12内に入射した光が、導光
板12の内部で反射を繰り返しながら表示面から出射さ
れるように構成されている。
【0037】上述した各実施形態で説明した非常用点灯
装置は、常用点灯時と非常点灯時とのいずれにおいても
2灯の放電灯Lを点灯させるから、「導光方式」の非常
用点灯装置に用いる場合、表示面の輝度分布を均一化す
るために反射板9や導光板12に特別な構成を必要とせ
ず、反射板9および導光板12の設計が容易である。し
かも、非常点灯時の放電灯Lの光出力を低く設定するこ
とができるから、導光板12の効率を高めても非常点灯
時に規定されている光出力の上限値を超えることがな
く、結果的に効率の高い導光板12を用いることがで
き、常用点灯時における消費で力を抑制することができ
る。
【0038】なお、上述した各実施形態で使用する放電
灯Lは、蛍光灯のような熱陰極放電灯と冷陰極放電灯と
のいずれでもよいが、冷陰極放電灯を使用した誘導灯の
場合には、表示面の面積が小さく熱陰極放電灯を使用す
る場合よりも表示面の輝度が高くなりやすいから、上述
のように励起時間を設けて停電時光出力を低減すること
ができるようにするのが有効である。
【0039】ところで、放電灯Lとして冷陰極放電灯を
用いる場合には熱陰極放電灯に比較して放電灯Lの始動
に高電圧が必要になる。このような高電圧を必要とする
ときには、点灯回路2に昇圧トランスが用いられる。す
なわち、冷陰極放電灯は、予熱による熱電子放出がない
から、始動電圧が数100〜2000V程度必要なもの
が多い。このような冷陰極放電灯を点灯させるために用
いる昇圧トランスでは、二次側に高圧が発生するから絶
縁処理が重要である。
【0040】絶縁処理としては、巻線間に絶縁材料の層
間テープを巻いて巻線の層間の電圧傾度を小さくした
り、一次巻線と二次巻線とを分離して巻くことができる
分割ボビンを使用して空間距離を大きくすることにより
絶縁耐圧を確保したりして、耐電圧性能を確保すること
が知られている。しかしながら、昇圧トランスとして挿
入実装型トランスを使用するとすれば、昇圧トランスの
リード端子の先端部と回路部を収納した金属製のケース
との距離が小さいときには、挿入実装型トランスのリー
ド端子の先端部とケースとの間でのコロナ放電が発生し
やすくなる。仮に、挿入実装型トランスのリード端子の
先端部と金属製のケースとの間に合成樹脂からなる絶縁
材料を挿入しても、コロナ放電の発生を十分に抑制する
のは困難である。
【0041】そこで、昇圧トランスとして表面実装型ト
ランスを使用することによりこの種の問題を解決してい
る。すなわち、図9に示すように、昇圧トランス22お
よび回路部品23をともに表面実装型として両面プリン
ト基板21の表裏に面実装して金属製のケース20に収
納してある。この構成を採用すれば、挿入実装型トラン
スのようにリード端子がプリント基板に挿通されること
がなく、ピン状のリード端子とケースとの間で生じてい
たコロナ放電が発生しにくくなる。つまり、両面プリン
ト基板21における昇圧トランス22の実装面とは反対
側面(図の下面)とケース20との距離を挿入実装型ト
ランスを用いる場合よりも小さくすることができるか
ら、全体として小型化や薄型化が可能になる。
【0042】ここにおいて、両面プリント基板21とし
て耐トラッキング性能の高いガラスエポキシ基板を用い
ると、埃などが両面プリント基板21に堆積した場合で
あっても昇圧トランス22の端子とケース20との間で
のトラッキングが発生しにくくなり、安全性がより向上
する。
【0043】上述のようにガラスエポキシ基板を用いる
と耐トラッキング性は向上するが、ガラスエポキシ基板
は一般に使用されている紙フェノール基板に比較してコ
ストが数倍高い。そこで、回路部のうち耐トラッキング
性がとくに要求される部位にはガラスエポキシ基板の両
面プリント基板を用いるとともに表面実装型の部品を用
いるようにし、挿入実装型の部品が多く用いられる部位
では紙フェノール基板のような低コストの片面プリント
基板を用いるのが望ましい。
【0044】例えば、図10に示すように、回路部を、
昇圧トランス、昇圧トランス周辺の高圧発振回路部品
(つまり点灯回路2)、集積回路やマイコンにより構成
される制御回路1、制御回路1の入出力端子近傍に使用
される抵抗やコンデンサのような周辺部品などの点灯部
24と、整流平滑回路6や降圧回路7などの電源部25
とに分けて異なる種類の回路基板に実装するのである。
点灯部24には表面実装型部品を使用してガラスエポキ
シ基板などからなる両面基板に高密度実装し、電源部2
5には挿入実装型部品が多いから紙フェノール基板など
からなる片面基板を用いる。
【0045】電源部25と点灯部24とはコネクタ26
などを介して連結接続され、一つのケース20に収納さ
れる。このように、回路機能に応じて材料および配線層
数の異なる回路基板を適材適所に使用すれば、コストの
大幅な増加を抑制しながらも耐トラッキング性を維持す
ることができる。また、電源部25と点灯部24とを一
つのケース20に収納しているから、複数のケースを用
いる場合に比較すると組立性がよいものである。さら
に、点灯部24と電源部25とをそれぞれ複数種類用意
しておき、コネクタ26により適宜に組み合わせて連結
接続すれば、点灯羽24と電源部25との組み合わせに
よって幅広く商品を展開することができ、商品開発を効
率よく行うことができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明は、商用電源および電池
を電源として動作可能であり放電灯を点灯させる点灯回
路と、商用電源通電時に商用電源から点灯回路に電源を
供給させ商用電源停電時に電池から点灯回路に電源を供
給させる切替回路と、商用電源停電時に放電灯の光出力
を定格の光出力よりも低く商用電源停電後の光出力とし
て設定した停電時光出力よりも高い励起用光出力に設定
するとともにあらかじめ定めた励起時間が経過した後に
放電灯の光出力を停電時光出力に低下させる制御回路と
を備えるものであり、商用電源停電時に放電灯の光出力
を停電時の光出力として設定した停電時光出力よりも高
い励起用光出力に設定するから、停電直後には放電灯に
比較的大きい電力を与えて放電灯を励起することがで
き、励起時間の経過後に放電灯の光出力を停電時光出力
に低下させても放電灯の立ち消えが起こりにくくなると
いう効果がある。その結果、停電時光出力を低くしなが
らも、停電時の放電灯の始動が容易でしかも立ち消えを
起こしにくく、放電灯を安定に点灯させることができる
という利点があり、しかも光出力を変化させるだけの簡
単な構成ながら、商用電源停電時の表示面輝度を均一化
するとともに平均輝度についての条件を満たすことがで
きるという利点がある。さらに、停電時光出力を低く設
定することができるから、停電時の電源となる電池とし
て容量の比較的小さいものを用いることができ、全体を
小型かつ薄型に形成することが可能になるという効果が
ある。
【0047】請求項2の発明は、商用電源を電源として
放電灯を点灯可能な第1の点灯回路と、電池を電源とし
て上記放電灯を点灯可能な第2の点灯回路と、商用電源
通電時には上記放電灯を第1の点灯回路に接続し商用電
源停電時には上記放電灯を第2の点灯回路に接続する切
替回路と、商用電源停電時に放電灯の光出力を定格の光
出力よりも低く商用電源停電後の光出力として設定した
停電時光出力よりも高い励起用光出力に設定するととも
にあらかじめ定めた励起時間が経過した後に放電灯の光
出力を停電時光出力に低下させる制御回路とを備えるも
のであり、2つの点灯回路を要するから請求項1の発明
に比較すると構成がやや複雑になるが、他は請求項1の
発明と同様の作用を奏し、しかも商用電源を電源とする
第1の点灯回路と電池を電源とする第2の点灯回路とを
個別に備えるから、各点灯回路の回路設計が容易になる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック回路図であ
る。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】同上に対する比較例の動作説明図である。
【図7】本発明の実施形態2を示すブロック回路図であ
る。
【図8】本発明の他の構成例を示す概略断面図である。
【図9】本発明に用いるケースの概略断面図である。
【図10】本発明の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 制御回路 2 点灯回路 2a,2b 点灯回路 3 切替回路 3a 切替回路 E 電池 L 放電灯 T1 励起時間 T2 維持時間 Vac 商用電源 η1 励起用光出力 η2 停電時光出力

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源および電池を電源として動作可
    能であり放電灯を点灯させる点灯回路と、商用電源通電
    時に商用電源から点灯回路に電源を供給させ商用電源停
    電時に電池から点灯回路に電源を供給させる切替回路
    と、商用電源停電時に放電灯の光出力を定格の光出力よ
    りも低く商用電源停電後の光出力として設定した停電時
    光出力よりも高い励起用光出力に設定するとともにあら
    かじめ定めた励起時間が経過した後に放電灯の光出力を
    停電時光出力に低下させる制御回路とを備えることを特
    徴とする非常用照明装置。
  2. 【請求項2】 商用電源を電源として放電灯を点灯可能
    な第1の点灯回路と、電池を電源として上記放電灯を点
    灯可能な第2の点灯回路と、商用電源通電時には上記放
    電灯を第1の点灯回路に接続し商用電源停電時には上記
    放電灯を第2の点灯回路に接続する切替回路と、商用電
    源停電時に放電灯の光出力を定格の光出力よりも低く商
    用電源停電後の光出力として設定した停電時光出力より
    も高い励起用光出力に設定するとともにあらかじめ定め
    た励起時間が経過した後に放電灯の光出力を停電時光出
    力に低下させる制御回路とを備えることを特徴とする非
    常用照明装置。
  3. 【請求項3】 上記励起時間は、上記励起用光出力で放
    電灯を点灯させることにより上記停電時光出力での放電
    灯の点灯が安定する程度に放電灯を励起させる時間であ
    って、かつ上記停電時光出力を規定された維持時間保つ
    のに必要な電力が上記電池から供給可能となる範囲内で
    設定されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の非常用照明装置。
  4. 【請求項4】 上記励起用光出力は、上記励起時間だけ
    放電灯を点灯させたときに上記停電時光出力での放電灯
    の点灯が安定する程度に放電灯を励起させる光出力であ
    って、かつ上記停電時光出力を規定された維持時間保つ
    のに必要な電力が上記電池から供給可能となる範囲内で
    設定されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の非常用照明装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243641A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Mitsubishi Electric Corp 点灯装置、表示装置、誘導灯装置および照明器具
JP2010146889A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Panasonic Electric Works Co Ltd 非常用照明装置
JP2014023356A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Fuji Electric Co Ltd インバータ装置

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