JP2000195450A - 蛍光表示管 - Google Patents

蛍光表示管

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JP2000195450A
JP2000195450A JP10374562A JP37456298A JP2000195450A JP 2000195450 A JP2000195450 A JP 2000195450A JP 10374562 A JP10374562 A JP 10374562A JP 37456298 A JP37456298 A JP 37456298A JP 2000195450 A JP2000195450 A JP 2000195450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動及び衝撃によるフィラメントとグリッド
との接触を防止すると共に、製造コストを低減すること
ができる蛍光表示管を提供する。 【解決手段】 内部が真空雰囲気に封止された外囲器
と、この外囲器の内部に設けられ電子を放出する複数本
のフィラメント1と、このフィラメント1の端部を支持
し張設するフィラメント支持体と、フィラメント1から
離隔して配置され所望の表示パターンをなす陽極上に形
成されフィラメント1から放出された電子が衝突するこ
とにより励起発光する蛍光体3と、フィラメント1と蛍
光体3との間に配設されフィラメント1から放出された
電子を制御するグリッド2と、を有し、フィラメント1
は単一芯線からなりその横断面は長方形であって、その
長辺がグリッド2の表面に垂直であるように配置されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィラメントから放
出される電子をグリッドにより制御して、蛍光体に衝突
させることにより蛍光体を励起発光させて所望の表示を
行う蛍光表示管に関し、特に、振動及び衝撃によるフィ
ラメントとグリッドとの接触を防止することができると
共に、製造コストを低減することができる蛍光表示管に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の蛍光表示管を示す図であっ
て、(a)は斜視図、(b)は模式的断面図である。図
3(a)及び(b)に示すように、従来の蛍光表示管に
おいては、真空雰囲気に封止された外囲器(図示せず)
の内部に、複数本のフィラメント(陰極)51が設けら
れている。このフィラメント51は、金属線からなり電
子を放出する電子源であって、その横断面は円形であ
る。また、金属板材からなり選択的に湾曲状に成形され
た部分を有するフィラメント支持体4が設けられてお
り、その湾曲部の端部にはフィラメント溶接部5aが形
成されている。フィラメント51はその端部をフィラメ
ント溶接部5aに溶接されて張設されている。
【0003】また、フィラメント51から離隔して所望
の表示パターンをなす陽極(図示せず)上に形成された
蛍光体3が配置されている。この蛍光体3はフィラメン
ト51から放出された電子が衝突すると、励起発光する
ようになっている。更に、フィラメント51と蛍光体3
との間にはフィラメント51から放出された電子を制御
するメッシュ状のグリッド2が配設されている。このグ
リッド2においては、例えば、正電圧を印加することに
より、フィラメント51から放出された電子を加速する
ことができるようになっている。
【0004】このように構成された従来の蛍光表示管に
おいては、フィラメント51に電圧が印加されることに
より、フィラメント51が一定の温度になると熱電子が
放出される。そして、グリッド2に正電圧が印加される
ことにより熱電子は加速されて、陽極に向かい、この陽
極上に形成された蛍光体3に衝突する。これにより、蛍
光体3が励起し、自発光することにより所望の表示が行
われる。
【0005】実開昭60−69464号公報には、線状
陰極の横断面が楕円形である蛍光表示管が開示されてい
る。
【0006】また、特開平1−206537号公報に
は、陰極基体を絶縁被覆されたヒータ芯線に、金属細線
を巻装した構造の傍熱型陰極が開示されている。
【0007】更に、特開平5−12984号公報に開示
された平面画像表示装置においては、線径10μmのタ
ングステン芯線5本を4本束ねて螺旋状に捲回した線状
陰極が設けられている。この線状陰極は背面基板近くに
配設され、蛍光面は前面基板に形成されている。
【0008】更にまた、特許2584048号公報及び
特開平2−247958号公報に開示された平型画像表
示装置においては、直線状芯線の周囲へそれより細い線
を螺旋状に巻回し、その巻き線間に酸化物陰極材を塗布
した線状陰極が設けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示す従来の蛍光表示管においては、フィラメント51は
端部を固定されて張設されているため、振動及び衝撃が
加わることによりグリッド2の表面に対し垂直な方向
(以下、垂直方向)の振動が発生し、フィラメント51
とグリッド2とが接触する虞があった。特に、フィラメ
ントの断面が円形状の場合は、その断面2次モーメント
(断面形状のみにより決まる梁の曲がりにくさを表すパ
ラメータ)が小さく、振動発生時の撓み(振幅)が大き
い。なお、フィラメント51とグリッド2とが接触する
と、フィラメント51が断線したり、また、蛍光表示管
を駆動する回路又は電源回路が破壊する虞があり、好ま
しくない。
【0010】また、実開昭60−69464号公報に開
示された蛍光表示管においては、線状陰極はその断面が
楕円形であるため、上述の図3に示す従来技術と同様
に、断面2次モーメントが小さく、振動発生時の撓み
(振幅)が大きいという難点がある。
【0011】更に、特開平1−206537号公報に開
示された傍熱型陰極においては、陰極基体を絶縁被覆さ
れたヒータ芯線に、金属細線を巻装した構成であるの
で、陰極の製造コストが高いという欠点がある。
【0012】更にまた、背面透過型を除く蛍光表示管に
おいては、通常、線状陰極は表示蛍光体画素が形成され
た背面基板と前面ガラスとの間に配設されるものであ
り、線状陰極の線径が大きいと直接使用者に視認され画
質が劣化するため、通常、陰極の線径の大きさは30乃
至40μmに設定される。しかしながら、特開平5−1
2984号公報に開示された平面画像表示装置において
は、線状陰極は背面基板近くに配設され、蛍光面は前面
基板に形成された構成であるため、線状陰極は直接使用
者に視認されないものである。このため、線状陰極の線
径の小径化が考慮されておらず、そのため、細線径の陰
極に適用することができない。
【0013】更にまた、特許2584048号公報及び
特開平2−247958号公報に開示された平型画像表
示装置においては、直線状芯線の周囲へそれより細い線
を螺旋状に巻回し、その巻き線間に酸化物陰極材を塗布
したものであるため、陰極の製造コストが高いという問
題点がある。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、振動及び衝撃によるフィラメントとグリッ
ドとの接触を防止することができると共に、製造コスト
を低減することができる蛍光表示管を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光表示管
は、内部が真空雰囲気に封止された外囲器と、この外囲
器の内部に設けられ電子を放出する複数本のフィラメン
トと、このフィラメントの端部を支持し張設するフィラ
メント支持体と、前記フィラメントから離隔して配置さ
れ所望の表示パターンをなす陽極上に形成され前記フィ
ラメントから放出された電子が衝突することにより励起
発光する蛍光体と、前記フィラメントと前記蛍光体との
間に配設され前記フィラメントから放出された電子を制
御するグリッドと、を有し、前記フィラメントは単一芯
線からなりその横断面は長方形であって、その長辺が前
記グリッドの表面に垂直であるように配置されているこ
とを特徴とする。
【0016】本発明においては、フィラメントの横断面
は長方形であって、その長辺がグリッドの表面に垂直で
あるように配置されているため、その方向の断面2次モ
ーメントが大きい。このため、振動及び衝撃が加わるこ
とによりフィラメントに発生するグリッドの表面に対し
垂直な方向の撓み(振幅)が小さい。このため、フィラ
メントがグリッドに接触することを防止することができ
る。また、フィラメントは単一芯線からなるので、従来
の多数の金属線から構成されるフィラメント(陰極)が
設けられた蛍光表示管と比較して、フィラメントの製造
コストを低減することができる。
【0017】この場合、前記フィラメントは、その横断
面の長辺を含む側面を前記フィラメント支持体に溶接し
固定することができる。これにより、横断面の短辺を含
む側面を溶接面にしてフィラメント支持体に溶接し固定
する場合と比較して、溶接面積が大きいので、安定感を
有して固定することができる。このため、フィラメント
がグリッドの表面に対し傾くことにより、断面2次モー
メントが小さくなることを防止することができる。従っ
て、接触防止性能の安定度を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る蛍光
表示管について、添付の図面を参照して具体的に説明す
る。図1は本発明の実施例に係る蛍光表示管を示す図で
あって、(a)は斜視図、(b)は模式的断面図であ
る。
【0019】図1に示すように、本実施例の蛍光表示管
おいては、真空雰囲気に封止された外囲器(図示せず)
の内部に、複数本のフィラメント(陰極)1が設けられ
ている。このフィラメント1は、タングステン等の金属
線からなり電子を放出する電子源であって、その横断面
は長方形である。また、金属板材からなり選択的に湾曲
状に成形された部分を有するフィラメント支持体4が設
けられており、その湾曲部の端部にはフィラメント溶接
部5aが形成されている。フィラメント1はその端部を
フィラメント溶接部5aに溶接されて張設されている。
【0020】また、フィラメント1から離隔して所望の
表示パターンをなす陽極(図示せず)上に形成された蛍
光体3が配置されている。この蛍光体3は発光部であっ
てフィラメント1から放出された電子が衝突すると、励
起発光するようになっている。更に、フィラメント1と
蛍光体3との間にはフィラメント1から放出された電子
を制御するメッシュ状のグリッド2が配設されている。
このグリッド2においては、例えば、正電圧を印加する
ことにより、フィラメント1から放出された電子を加速
することができるようになっている。なお、フィラメン
ト1はその横断面が長方形であって、その長辺がグリッ
ド2の表面に垂直であるように配置されている。
【0021】このように構成された本実施例の蛍光表示
管においては、フィラメント1はその横断面が長方形で
あって、その長辺がグリッド2の表面に垂直であるよう
に配置されているため、グリッド2の表面に垂直な方向
の断面2次モーメント(断面形状のみにより決まる梁の
曲がりにくさを表すパラメータ)を大きくすることがで
きる。従って、振動及び衝撃が加わることにより発生す
る振動によるフィラメント1の撓み(振幅)を小さくす
ることができる。このため、フィラメント1とグリッド
2とが接触することを防止することができる。
【0022】次に、フィラメントの横断面が長方形であ
る場合におけるその長辺方向の断面2次モーメント、及
びこの長方形の長辺と同一長さの辺を有する正方形の辺
方向の断面2次モーメントを計算し、理論上の最大撓み
(振幅)の比較を行う。
【0023】フィラメントの長さをL、ヤング率をE、
断面2次モーメントをI、分布加重をWとすると、最大
撓みδmax.は、以下に示す数式1となる。
【0024】
【数1】δmax.=WL2/384EI
【0025】また、W及びLは一定であり、Eは定数で
あるため、δmax.は以下に示す数式2のように、I-1
比例する。
【0026】
【数2】δmax.∝I-1
【0027】ここで、断面2次モーメントIは、断面寸
法を長辺:h、短辺:aとすると、以下に示す数式3と
なる。
【0028】
【数3】I=ah3/12
【0029】数式3より、以下に示す数式4のように、
δmax.は(ah3-1に比例することがわかる。
【0030】
【数4】δmax.∝(ah3-1
【0031】従って、断面形状が正方形(a=h)の場
合のδmax.と、断面形状が長方形(a<h)の場合のδ
max.とを比較すると、以下に示す数式5の関係になる。
【0032】
【数5】δmax.(a<h)<δmax.(a=h)
【0033】上述した数式1乃至5に示すように、フィ
ラメントの横断面が長方形である場合におけるその長辺
方向の最大撓みは、横断面が正方形である場合と比較し
て、小さくなることがわかる。
【0034】ところで、従来、フィラメントをフィラメ
ント支持体に固定する場合において、図3(a)に示す
ように、フィラメント支持体4のフィラメント溶接部5
aはその溶接面をグリッド2の表面に平行にして配置さ
れている。この構造を横断面が長方形であって、その長
辺がグリッドの表面に垂直であるように配置するフィラ
メントに適用すると、図2(a)に示すように、フィラ
メント1の横断面の短辺を含む側面がフィラメント溶接
部5aに当接するように溶接されることになる。この溶
接方法では、溶接面積が小さく、フィラメント1に安定
感がないため、フィラメント1をグリッド2の表面に対
して垂直な状態を保つことが困難であった。フィラメン
ト1が傾くと断面2次モーメントが小さくなり、フィラ
メント1が撓みやすくなるため、好ましくない。
【0035】そこで、本発明においては、図2(b)に
示すように、フィラメント溶接部5bをその溶接面がグ
リッド2の表面に垂直になるように配置し、この溶接面
にフィラメント1の横断面の長辺を含む側面を溶接する
ことにより、フィラメント1をフィラメント溶接部5b
に固定することができる。
【0036】このようにフィラメント溶接部5bに固定
されたフィラメント1においては、フィラメント支持部
5bの表面に、横断面の長辺を含む側面を溶接面にして
固定されているので、溶接面積が大きく確保でき、安定
感を有して固定することができる。このため、断面2次
モーメントが小さくなることを防止することができるた
め、接触防止性能の安定度を向上させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
振動及び衝撃が加わることにより、フィラメントに発生
するグリッドの表面に対し垂直な方向の撓み(振幅)が
小さい。このため、フィラメントがグリッドに接触する
ことを防止することができる。また、フィラメントは単
一芯線からなるので、従来の多数の金属線から構成され
るフィラメント(陰極)が設けられた蛍光表示管と比較
して、フィラメントの製造コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る蛍光表示管を示す図であ
って、(a)は斜視図、(b)は模式的断面図である。
【図2】フィラメントのフィラメント支持体への固定方
法を示す図であって、(a)は従来方法により固定され
たフィラメントを示す模式図、(b)は本実施例方法に
より固定されたフィラメントを示す模式図である。
【図3】従来の蛍光表示管を示す図であって、(a)は
斜視図、(b)は模式的断面図である。
【符号の説明】
1、51;フィラメント 2;グリッド 3;蛍光体 4;フィラメント支持体 5a、5b;フィラメント溶接部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空雰囲気に封止された外囲器
    と、この外囲器の内部に設けられ電子を放出する複数本
    のフィラメントと、このフィラメントの端部を支持し張
    設するフィラメント支持体と、前記フィラメントから離
    隔して配置され所望の表示パターンをなす陽極上に形成
    され前記フィラメントから放出された電子が衝突するこ
    とにより励起発光する蛍光体と、前記フィラメントと前
    記蛍光体との間に配設され前記フィラメントから放出さ
    れた電子を制御するグリッドと、を有し、前記フィラメ
    ントは単一芯線からなりその横断面は長方形であって、
    その長辺が前記グリッドの表面に垂直であるように配置
    されていることを特徴とする蛍光表示管。
  2. 【請求項2】 前記フィラメントは、その横断面の長辺
    を含む側面が前記フィラメント支持体に溶接されて固定
    されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光表示
    管。
  3. 【請求項3】 前記フィラメントはタングステンからな
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光表示
    管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100418182C (zh) * 2003-12-26 2008-09-10 则武伊势电子株式会社 真空荧光显示器

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