JP2000195074A - 光学ヘッド及び光学記録媒体の駆動装置 - Google Patents

光学ヘッド及び光学記録媒体の駆動装置

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JP2000195074A
JP2000195074A JP11196528A JP19652899A JP2000195074A JP 2000195074 A JP2000195074 A JP 2000195074A JP 11196528 A JP11196528 A JP 11196528A JP 19652899 A JP19652899 A JP 19652899A JP 2000195074 A JP2000195074 A JP 2000195074A
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immersion lens
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Isao Ichimura
功 市村
Koichiro Kijima
公一朗 木島
Yuji Kuroda
裕児 黒田
Kenji Yamamoto
健二 山本
Kiyoshi Osato
潔 大里
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録媒体に照射すべきレーザビームを収
束させる光学手段を搭載する光学ヘッドであって、ソリ
ッドイマージョンレンズにより開口数を大きくすること
ができ、かつ、静電容量に基づいてエアギャップを高精
度に制御することができ、しかも、フォーカスサーボの
ためのアクチュエータや信号処理を一層簡略化すること
のできるものを提供する。 【解決手段】 光学ヘッド1を、レーザビームLを収束
させる対物レンズ2と、対物レンズ2と光学記録媒体5
1との間に介在させるソリッドイマージョンレンズ3
と、レンズ2及び3を一体に保持した保持部材4と、保
持部材4をレーザビームLの光軸方向に移動させる移動
機構5aを備え、光学記録媒体51に対向する面に導電
性の素材を用いることにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体を用
いて情報の記録や再生を行なう技術分野に属しており、
特に、レーザビームを収束させる対物レンズの開口数の
増大により高密度記録を図るために用いて好適な光学ヘ
ッド及び光学記録媒体の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば相変形の光ディスクや光磁
気ディスクのような書換型の光ディスクには、ディスク
径を大きくすることなく動画像データのような大量のデ
ータを記録することを可能にするために、記録密度を増
大させることが求められている。この記録密度の増大
は、光ディスクの信号記録面に照射されるレーザビーム
のスポットサイズを小さくすることにより実現される。
【0003】このスポットサイズdは、レーザビームの
波長λに近いオーダーでは、フーリエ結像論に基づき、
この波長λとレーザビームを収束させる対物レンズの開
口数NAとから次式(1)により求められることが知ら
れている。
【0004】d=1.22・λ/NA …(1) したがって、レーザビームの波長が短く対物レンズの開
口数が大きいほど、このスポットサイズが小さくなるの
で、記録密度を増大させることができる。
【0005】このうち、開口数を大きくする方法として
は、ソリッドイマージョンレンズを用いる方法が知られ
ている。
【0006】この方法は、原理的には、図7中のAに示
すように、対物レンズ61と光ディスク62との間に、
対物レンズ61,光ディスク62に対向する面がそれぞ
れが球面63a,平面63bであるソリッドイマージョ
ンレンズ(SIL)63を介在させることにより、対物
レンズ61を経たレーザビームLを、SIL63の球面
63aに対して垂直に入射させて、その平面63bの中
央部に収束させるというものであり、SIL63の屈折
率をnとすると、対物レンズ61及びSIL63から成
るレンズ群の開口数(実効的な開口数)は、対物レンズ
61自体の開口数よりもn倍大きくなる。
【0007】ただし、実際には、後述するStigma
tic focusingの条件を満たして実効的な開
口数がn2 倍大きくなるようにするために、図7中のB
に示すように、対物レンズ61を経たレーザビームL
を、SIL63の球面63aに対して垂直とは異なる角
度で入射させることにより、球面63aで若干屈折させ
るようにする。
【0008】例えば、1993年発刊の『Optics
Letter』第18号の305〜307頁に掲載の
S.M.Mansfield氏等の論文「High−n
umerical−aperture lens sy
stem for optical storage」
(以下「参考文献1」と呼ぶ)や、1996年発刊の
『Applied Physics Letter』第
68号の141〜143頁に掲載のH.J.Mamin
氏等の論文「Near−field optical
data storage」(以下「参考文献2」と呼
ぶ)では、このソリッドイマージョンレンズを用いる方
法により、1を超える開口数が実現されることが報告さ
れている。
【0009】ところで、このように開口数が1を超える
と、レーザビームの光軸方向上でのソリッドイマージョ
ンレンズと光ディスクとの間の距離(エアギャップ)が
大きくなるにつれて、レーザービームのうち開口数が1
を超える成分のソリッドイマージョンレンズの平面での
反射率が大きくなることにより、ソリッドイマージョン
レンズを透過して光ディスクに照射されるレーザビーム
の強度が急激に低下していく。そして、このエアギャッ
プが近接場(ニアフィールド)の範囲以上になったとき
には、ソリッドイマージョンレンズの平面でこの開口数
が1を超える成分のほとんどが反射されるようになるの
で、光ディスクに照射されるレーザビームの強度が著し
く低くなってしまう。
【0010】図8は、そのことを具体的に表すために、
エアギャップが0nm,50nm,100nm,200
nm,500nmの各場合について、横軸に光ディスク
の信号記録面上でのレーザビームのスポット中心からの
距離をとり、縦軸にこの信号記録面に照射されるレーザ
ビームの強度(エアギャップが0nmのときのスポット
中心での強度に対する比)をとって、開口数NA=1.
5,波長λ=640nmのときのこの信号記録面上での
レーザビームの強度分布(Strehl intens
ity)の計算値を示したものである。
【0011】図8には、スポット中心でのレーザビーム
の強度は、エアギャップが50nmのときにはエアギャ
ップが0nmのときの85%程度であるが、エアギャッ
プが100nmになるとエアギャップが0nmのときの
60%程度になり、エアギャップが200nmに達する
とエアギャップが0nmのときの35%程度にまで低下
してしまうことが表れている。
【0012】そのため、開口数が1を超える場合には、
このエアギャップを十分小さくするような(図8の例の
場合には、最大でも100nm以内、望ましくは50n
m程度にするような)制御を行なわないと、光ディスク
の信号記録面に照射されるレーザビームの強度の低下に
より、記録精度や再生精度の悪化を招いてしまう。
【0013】エアギャップを小さくするような制御を行
なう方法としては、対物レンズ及びソリッドイマージョ
ンレンズを搭載した光学ヘッドを、ハードディスク装置
における磁気ヘッドと同様に、光ディスクの回転に伴う
空気流により光ディスクに対して浮上させる方法も存在
する。
【0014】しかし、この方法では、空気流の強さが光
ディスクの線速度に依存するので、例えばCAV(角速
度一定記録)方式の場合にはディスク半径方向上でのレ
ーザビームの照射位置が変化するにつれて(すなわちア
クセスするトラックが変化するにつれて)浮上量が変化
してしまい、CLV(線速度一定記録)方式の場合でも
線速度が異なる光ディスク装置同士では浮上量も異なっ
てしまう。その結果、この方法ではエアギャップを高精
度に制御することは困難である。
【0015】そこで、本出願人は、対物レンズとソリッ
ドイマージョンレンズとを別々のホルダに保持し、ソリ
ッドイマージョンレンズを保持するホルダに導電性の素
材を用いることにより、ソリッドイマージョンレンズの
光軸方向上での位置の制御を、対物レンズと光ディスク
との間の光軸方向上での距離の制御とは独立に、この導
電性の素材により形成される静電容量(コンデンサ)に
基づいて行なうようにした光学ヘッドや光学記録媒体の
駆動装置の発明を既に提案済みである(特許出願公開番
号:特開平8−212579)。この発明によれば、光
ディスクの線速度にかかわらず、エアギャップを高精度
に制御することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この本出願人
が提案した発明では、フォーカスサーボのためにレンズ
を光軸方向に移動させるアクチュエータとしても、ソリ
ッドイマージョンレンズを保持したホルダを移動させる
アクチュエータと、対物レンズを保持したホルダを移動
させるアクチュエータとの2つのアクチュエータが必要
である。
【0017】また、フォーカスサーボ用の制御信号を生
成する信号処理としても、静電容量に基づいてソリッド
イマージョンレンズの位置を制御する制御信号を生成す
る信号処理と、対物レンズと光ディスクとの間の距離を
制御する制御信号を生成する信号処理(例えば、光ディ
スクで反射されたレーザビームを受光した光検出器の出
力信号のマトリクス処理)との2系統の信号処理が必要
である。
【0018】一方、光ディスク記録装置においては、い
わゆる「DVD−RAM」で用いられているように、光
ディスク上に予め形成されたランド(突条部)及びグル
ーブ(溝部)の両方に情報信号を記録再生する手法、い
わゆる「ランド・グルーブ記録」により、記録密度を高
めることが可能であるが、ソリッドイマージョンレンズ
を用いた近接場光記録においては、前記エアギャップの
値を、ランド及びグルーブのそれぞれに対して、最適な
値に制御しなければならない。
【0019】したがって、本発明の課題は、ソリッドイ
マージョンレンズにより開口数を大きくすることがで
き、かつ、静電容量に基づいてエアギャップを高精度に
制御することができ、しかも、フォーカスサーボのため
のアクチュエータや信号処理を一層簡略化することので
きる光学ヘッド及び光学記録媒体の駆動装置を提供する
ことにある。
【0020】また、本発明は、いわゆる「ランド・グル
ーブ記録」を行う場合において、ランド及びグルーブの
それぞれに対して、最適なレンズ位置の制御が行える光
学ヘッド及び光学記録媒体の駆動装置を提供しようとす
るものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は、光源から発せられた光束を光学記録媒体
に収束させて照射する光学手段を備え該光束の照射によ
り該光学記録媒体に対する情報信号の記録再生を行う光
学ヘッドにおいて、光学手段の最も記録媒体側の面と該
記録媒体の表面との間の動作距離が100μm以下とな
されて使用され、光学手段が有する導電性部と記録媒体
が有する導電性部との間の静電容量に基づいて動作距離
を検出し、この検出結果に基づいて該動作距離を制御す
る動作距離制御手段を備えていることを特徴とするもの
である。
【0022】光学手段は、ソリッドイマージョンレンズ
を備えて構成されたものとすることができる。この場合
には、光学手段の導電性部は、ソリッドイマージョンレ
ンズの光学記録媒体に対向する対向面上に設けることが
できる。
【0023】また、本発明は、上述の光学ヘッドにおい
て、ランド部及びグループ部とを備える光学記録媒体を
用いてランド部とグループ部との両方に対して情報信号
の記録再生を行うこととし、動作距離制御手段は、ラン
ド部に対して情報信号の記録再生を行うときには該ラン
ド部について動作距離を制御し、グループ部に対して情
報信号の記録再生を行うときには該グループ部について
動作距離を制御することとしたものである。
【0024】さらに、上述の課題を解決するために、本
出願人は、光学記録媒体に照射すべきレーザビームを収
束させる対物レンズの機能を持つ光学手段と、この対物
レンズとこの光学記録媒体との間に介在させるソリッド
イマージョンレンズの機能を持つ光学手段とを、この対
物レンズとこのソリッドイマージョンレンズとの間の距
離を一定にして保持した保持部材と、この保持部材をこ
のレーザビームの光軸方向に移動させる移動機構とを備
え、この光学記録媒体に対向する面に導電性の素材を用
いた光学ヘッドを提案する。
【0025】この光学ヘッドでは、対物レンズの機能を
持つ光学手段とソリッドイマージョンレンズの機能を持
つ光学手段とが、対物レンズとソリッドイマージョンレ
ンズとの間の距離を一定にして1つの保持部材に一体に
保持されており、この保持部材が1つの移動機構により
レーザビームの光軸方向に移動されるので、対物レンズ
とソリッドイマージョンレンズとが、互いの距離を一定
にしたまま1つの移動機構により光軸方向に移動され
る。
【0026】そして、光学記録媒体に対向する面に導電
性の素材が用いられるので、この導電性の素材と光学記
録媒体との間に静電容量が形成される。
【0027】したがって、光学記録媒体の駆動装置のフ
ォーカスサーボ系で、この静電容量に基づいて光軸方向
上でのソリッドイマージョンレンズと光学記録媒体との
間の距離(エアギャップ)を制御する制御信号を生成
し、この制御信号に基づいてこの移動機構でこの保持部
材を移動させれば、対物レンズとソリッドイマージョン
レンズとが同時に光軸方向に移動することにより、エア
ギャップが高精度に制御されると同時に対物レンズと光
ディスクとの間の距離も高精度に制御されるので、フォ
ーカスサーボが実現される。
【0028】このように、光学ヘッドによれば、ソリッ
ドイマージョンレンズにより開口数を大きく(例えば1
を超えるように)することができ、かつ、エアギャップ
を十分小さく(例えば100nm以内に)する制御を静
電容量に基づいて高精度に行なうことができ、しかも、
1つの移動機構(アクチュエータ)でフォーカスサーボ
を実現することができるので、フォーカスサーボのため
の移動機構を一層簡略化することができる。
【0029】また、光学記録媒体の駆動装置のフォーカ
スサーボ系の側にも、静電容量に基づく1系統の信号処
理でフォーカスサーボを実現させることができるので、
フォーカスサーボのための信号処理を一層簡略化させる
こともできるようになる。
【0030】なお、この光学ヘッドにおいて、ソリッド
イマージョンレンズのうち光学記録媒体との対向面を、
中央部を突起させると共にその周辺部を平面とし、この
周辺部に導電性の素材から成る膜を形成することによ
り、ソリッドイマージョンレンズ自体と光学記録媒体と
の間に静電容量を形成するようにすることが好適であ
る。
【0031】それにより、例えば保持部材と光学記録媒
体との間に静電容量を形成する場合と比較して、導電性
の素材と光学記録媒体との間の距離を小さくすることに
より静電容量値を大きくすることができるので、静電容
量に基づく制御信号の生成を一層高精度に行なうことが
できるようになる。
【0032】また、図7にも示したようにレーザビーム
は、ソリッドイマージョンレンズのうち光学記録媒体へ
の対向面の中央部を通るので、この対向面の周辺部に形
成した膜が光学記録媒体へのレーザビームの照射にとっ
て妨げとなることはない。
【0033】また、この対向面の中央部が突起している
分だけ、光学ヘッドのその他の部分が光学記録媒体に対
して後退するので、仮に光学ヘッド全体が光学記録媒体
に対して傾いたような場合にも、光学ヘッドが光学記録
媒体に接触するおそれが少なくなる。
【0034】さらに、この光学ヘッドにおいて、保持部
材に導電性の素材を用い、ソリッドイマージョンレンズ
の周辺部の導電性の膜と保持部材とを電気的に接続させ
るようにすることが一層好適である。
【0035】それにより、保持部材を介して静電容量値
を検出することができるので、静電容量値の検出を容易
に行なえるようになる。
【0036】次に本出願人は、光学ヘッドとして、光学
記録媒体に照射すべきレーザビームを収束させる対物レ
ンズの機能を持つ光学手段と、この対物レンズとこの光
学記録媒体との間に介在させるソリッドイマージョンレ
ンズの機能を持つ光学手段とを、この対物レンズとこの
ソリッドイマージョンレンズとの間の距離を一定にして
保持した保持部材と、この保持部材をこのレーザビーム
の光軸方向に移動させる移動機構とを有し、この光学記
録媒体に対向する面に導電性の素材を用いたものを備え
ると共に、この導電性の素材とこの光学記録媒体とによ
り形成される静電容量に基づき、この光軸方向上でのこ
のソリッドイマージョンレンズとこの光学記録媒体との
間の距離を制御する制御信号を生成する信号処理手段を
備え、この制御信号に基づいてこの移動機構でこの保持
部材を移動させるようにした光学記録媒体の駆動装置を
提案する。
【0037】この光学記録媒体の駆動装置では、光学ヘ
ッドが設けられるとともに、この光学ヘッドに形成され
た静電容量に基づいてソリッドイマージョンレンズと光
学記録媒体との間の距離を制御する制御信号を生成する
信号処理手段が設けられており、この制御信号に基づい
て移動機構で保持部材を移動させることにより、エアギ
ャップが高精度に制御されると同時に、対物レンズと光
ディスクとの間の距離も高精度に制御されるので、フォ
ーカスサーボが実現される。
【0038】このように、光学記録媒体の駆動装置によ
れば、ソリッドイマージョンレンズにより開口数を大き
くすることができ、かつ、エアギャップを十分小さくす
る制御を静電容量に基づいて高精度に行なうことがで
き、しかも、1つの移動機構及び静電容量に基づく1系
統の信号処理でフォーカスサーボを実現することができ
るので、フォーカスサーボのための移動機構及び信号処
理を一層簡略化することができる。
【0039】なお、この光学記録媒体の駆動装置の信号
処理手段は、一例として、周波数と位相との少なくとも
いずれか一方がこの静電容量の変化に応じて変化する信
号を発生する手段と、所定の基準信号を発生する手段
と、この信号の周波数と位相との少なくともいずれか一
方をこの基準信号と比較することに基づいてこの制御信
号を生成する手段とで構成するようにしてよい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0041】この実施の形態は、本発明に係る光学ヘッ
ドを、図1に示すように、ソリッドイマージョンレンズ
(Solid immersion Lens(SI
L))を用いた光学ヘッドとして構成したものである。
【0042】また、以下では、光学記録媒体として相変
化形の光ディスクを用いる光学記録媒体の駆動装置、す
なわち、光ディスク駆動装置に本発明を適用した例につ
いて説明する。
【0043】図1は、この光ディスク駆動装置の光学ピ
ックアップに取り付けられた光学ヘッドの構成例を示
す。
【0044】この光学ヘッド1は、光ディスク駆動装置
に装着された相変化形の光ディスク51に照射すべきレ
ーザビームLを収束させる対物レンズ2及び光ディスク
51と該対物レンズ2との間に介在されるソリッドイマ
ージョンレンズ(SIL)3からなる光学手段と、これ
ら対物レンズ2及びソリッドイマージョンレンズ3から
なる光学手段を一体的に保持した保持部材となるレンズ
ホルダ4と、このレンズホルダ4を移動させる電磁アク
チュエータ5(レーザビームLの光軸方向に移動させる
フォーカスアクチュエータ5aと、光ディスク51のデ
ィスク面方向に移動させるトラッキングアクチュエータ
5b)とを備えている。
【0045】このように、対物レンズ2とソリッドイマ
ージョンレンズ3とが1つのレンズホルダ4に一体に保
持されており、レンズホルダ4が1つのフォーカスアク
チュエータ5aにより光軸方向に移動されるので、対物
レンズ2とソリッドイマージョンレンズ3とが、互いの
距離を一定にしたまま1つのフォーカスアクチュエータ
5aにより光軸方向に移動されるようになっている。
【0046】ソリッドイマージョンレンズ3は、球形レ
ンズの一部を切りとった形状をしたもの(一般に「Su
per Sphere SIL」または「Hyper
Sphere SIL」と呼ばれているもの)であり、
球面を対物レンズ2に対向させ、球面とは反対側の面
(以下「底面」と呼ぶ)を光ディスク51に対向させて
レンズホルダ4に保持されている。
【0047】このソリッドイマージョンレンズ3は、レ
ーザビームLを無収差に収束する(Stigmatic
focusingの条件を満たす)ように設計されて
おり、上記の球形レンズの半径をr、球面の屈折率をn
とすると、レーザビームLの光軸方向上でのソリッドイ
マージョンレンズ3の厚さtは、次式(2)のように決
定されている。
【0048】t=r・(1+1/n) …(2) 前述の参考文献2では、この対物レンズ2及びソリッド
イマージョンレンズ3から成るレンズ群の開口数(実効
的な開口数)NAeffは、対物レンズ2の開口数NAobj
と屈折率nとから、次式(3)により求められることが
報告されている。
【0049】NAeff=n2・NAobj …(3) ここでは、一例として、対物レンズ2として開口数NA
obj=0.45のものを用い、ソリッドイマージョンレ
ンズ3として屈折率n=1.83のものを用いる。した
がって、式(3)によりNAeffは約1.5になるの
で、レーザビームLの波長が例えば640nmである場
合には、図8を用いて説明したような理由から、レーザ
ビームLの光軸方向上でのソリッドイマージョンレンズ
3と光ディスク51との距離(エアギャップ)を、最大
でも100nm以内、望ましくは50nm程度に制御す
ることが必要となる。
【0050】図2は、図1に示したソリッドイマージョ
ンレンズ3の構造の詳細例を示す。このソリッドイマー
ジョンレンズ3の底面は、直径Dが1.5mmであり、
中央部3aが段差状に突起していると共に、その周辺部
3bが平面になっている。中央部3aの突起の径φ,高
さは、それぞれ約40μm,2μmである。
【0051】周辺部3bには、導電性の素材(一例とし
てアルミニウムとする)から成る膜6が、導電性部とし
て、中央部3aの突起の高さよりも薄く形成されてい
る。これにより、この膜6と光ディスク51のアルミニ
ウム製の反射面とがそれぞれ導電性部となり、これら膜
6及び反射面間に静電容量が形成される。
【0052】この静電容量の値Cは、周辺部3bと光デ
ィスク51との対向面積をS、ソリッドイマージョンレ
ンズ3と光ディスク51との間の距離をhとすると、次
式(4)により求められる。
【0053】C=ε0・εr・S/h …(4) ただし、ε0は真空誘電率(8.854×10-12 (F
/m))、εrは比誘電率(空気中ではほぼ1)であ
る。
【0054】この面積Sは、前述のようにソリッドイマ
ージョンレンズ3の底面の直径Dが1.5mmであるこ
とから、約1.766×10-62 となる。また、距離
hは、中央部3aが光ディスク51に接触するとき(エ
アギャップが0のとき)最小値2μmとなり、エアギャ
ップが50nm、100nm、200nmとなったと
き、それぞれ2.05μm,2.1μm,2.2μmと
なる。
【0055】したがって、エアギャップが0nm、50
nm、100nm、200nmのときの静電容量値C
は、(4)式から、それぞれ7.82pF、7.63p
F、7.45pF、7.11pFとなる。
【0056】この膜6は、図1に示すように、はんだ7
によりレンズホルダ4と接合されている。レンズホルダ
4は、導電性の素材(一例としてアルミニウムとする)
で構成されている。これにより、静電容量値Cを示す電
圧信号をレンズホルダ4から取り出す(すなわち、静電
容量値Cをレンズホルダ4を介して検出する)ことがで
きるようになっている。
【0057】次に、図3は、図1に示した光学ヘッド1
を光学ピックアップに取り付けた光ディスク駆動装置の
フォーカスサーボ及びトラッキングサーボ用の信号処理
系の構成例を示す。
【0058】この光ディスク駆動装置に装着された光デ
ィスク51は、スピンドルモータ11によりCAV(角
速度一定記録)方式で回転駆動される。
【0059】この光ディスク51に対して、光学ピック
アップ12及び光学ヘッド1により、後述のように波長
640nmのレーザビームが照射されることにより、情
報の記録及び再生が行なわれる。
【0060】フォーカスサーボ用の信号処理系は、次の
ようにして構成されている。
【0061】光学ヘッド1のレンズホルダ4(図1)か
ら取り出された、静電容量値Cを示す電圧信号が、VC
O(電圧制御発振器)13に供給される。
【0062】VCO13は、LC発振器から成ってお
り、この電圧信号の示す静電容量値CとVCO13内部
の一定値のインダクタンスLとに基づき、次式(5)に
示すような発振周波数fの信号を出力する。
【0063】る。
【0064】f=1/2π√(LC) …(5) ここでは、一例として、VCO13内部のインダクタン
スL=100μHとする。
【0065】したがって、エアギャップが0nm、50
nm、100nm、200nmのとき、前出の(4)式
から、静電容量値Cがそれぞれ7.82pF、7.63
pF、7.45pF、7.11pFとなるので、この
(5)式から、VCO13の発振周波数fは、それぞ
れ、5.69MHz、5.76MHz、5.83MH
z、5.97MHzとなる。
【0066】このVCO13の出力信号は、VCXO
(電圧制御発振器)14から出力される基準周波数5.
76MHz(すなわちエアギャップが50nmのときの
VCO13の発振周波数fに等しい周波数)の信号と共
に、周波数位相比較器としてのPLL(フェーズロック
ドループ)15に供給される。このPLL15は、CP
U(信号処理回路)22に制御されて動作する。
【0067】PLL15は、VCO13の出力信号の周
波数及び位相とVCXO14の出力信号の周波数及び位
相とを比較し、両者の周波数及び位相の誤差に応じた信
号を出力する。
【0068】このPLL15の出力信号は、位相補償回
路16により位相補償され、増幅器17で増幅された
後、光学ヘッド1の電磁アクチュエータ5のうちのフォ
ーカスアクチュエータ5aに、エアギャップを制御する
制御信号として供給される。
【0069】フォーカスアクチュエータ5aが、この制
御信号に従ってレンズホルダ4を光軸方向に移動させる
ことにより、エアギャップが50nmに調整されると同
時に、対物レンズ3と光ディスク51との間の距離も一
定に調整されるので、フォーカスサーボが実現される。
【0070】なお、CPU22は、光学ピックアップ1
2におけるレーザビームの出射パワーを制御するAPC
(オートパワーコントロール)回路23を制御してい
る。
【0071】ところで、相変化光ディスクのトラック部
は、図6に示すように、突条部(ランド部)71及び溝
部(グルーブ部)72が並列的に配列されることにより
形成されている。これら突条部71及び溝部72の段
差、すなわち、溝深さ73は、約20nmとなってい
る。
【0072】また、この実施の形態において、相変化記
録膜は、基板側から、Al、ZnS−SiO2、GeS
bTe、ZnS−SiO2によって構成されている。図
2及び図3に示した静電容量検出型の焦点制御サーボに
おいては、静電容量検出面積がφ=1.5mmとなって
おり、一方、ディスク基板上に形成された突条部71及
び溝部72の幅は、それぞれ約0.3μm程度と、前記
検出面積に比べてはるかに小さいため、この実施の形態
においては、突条部71及び溝部72を平均したエアギ
ャップが一定となるように制御されることとなる。
【0073】したがって、突条部71においてエアギャ
ップが50nmとなるように制御を行うためには、(式
4)におけるhが約60nmとなるように、一方、溝部
72においては、その値が約40nmとなるよう、前記
CPU22の指示により、切り換え制御をおこなえば良
いこととなる。このような切換え制御が行われることに
より、突条部71及び溝部72のそれぞれについて、ソ
リッドイマージョンレンズ3と光ディスク51との間の
距離が最適となるように、フォーカスアクチュエータ5
aが制御される。
【0074】そして、トラッキングサーボ用の信号処理
系は、次のようにして構成されている。
【0075】図4は、光学ピックアップ12の構成例を
示しており、半導体レーザ31から出射された波長64
0nmの直線偏光のレーザビームLが、コリメータレン
ズ32で平行光とされ、回折格子33でメインビーム
(0次光)とサイドビーム(±1次光)とに分離され、
1/2波長板34で偏光面を回転された後、偏光ビーム
スプリッタ35に入射する。
【0076】この入射ビームは、大部分が偏光ビームス
プリッタ35を通過し、1/4波長板36で円偏光とさ
れて、光学ヘッド1の対物レンズ2及びソリッドイマー
ジョンレンズ3(図1)により収束されて光ディスク5
1の信号記録面に照射される。
【0077】なお、この入射ビームの一部は、ビームス
プリッタ35で反射され、集光レンズ39を経て、レー
ザビームの強度のモニター用の光検出器40に入射す
る。
【0078】光ディスク51の信号記録面で反射された
レーザビームは、光学ヘッド1を経て、1/4波長板3
6で光ディスク51への入射時に対して直交する方向の
直線偏光とされ、ビームスプリッタ35で反射され、集
光レンズ37を経て、トラッキングエラー信号及びRF
信号検出用の光検出器38に入射する。
【0079】光検出器38は、図5に示すように、中央
部にメインビーム受光用の4分割の受光素子(フォトダ
イオード)38A〜38Dが配置され、その両側にサイ
ドビーム受光用の2分割の受光素子38E,38F、3
8G,38Hが配置された8分割の光検出器である。
【0080】光検出器38の各受光素子38A〜38H
の出力信号A〜Hは、図3に示すように、ヘッドアンプ
18で増幅された後、トラッキングマトリクス回路19
に供給される。
【0081】トラッキングマトリクス回路19は、出力
信号A〜Hに基づいて次式(6)の計算を行なうことに
より、トラッキングエラー信号TEを生成する。
【0082】 TE=(A+D)−(B+C)+k・{(E−F)+(G−H)}…(6) ただし、kは定数である。
【0083】なお、光検出器38の各受光素子38A〜
38Dの出力信号A〜Dは、ヘッドアンプ18で増幅さ
れた後この光ディスク駆動装置の再生信号処理系(図示
略)にも送られ、その再生信号処理系で次式(7)の計
算を行なうことにより、再生RF信号RFが生成され
る。
【0084】RF=A+B+C+D …(7) トラッキングエラー信号TEは、CPU22に制御され
る位相補償回路20により位相補償され、増幅器21で
増幅された後、光学ヘッド1の電磁アクチュエータ5の
トラッキングアクチュエータ5bに供給される。
【0085】トラッキングアクチュエータ5bが、この
トラッキングエラー信号TEに従ってレンズホルダ4を
光ディスク51のディスク面方向に移動させることによ
り、トラッキングサーボが実現される。
【0086】これらのフォーカスサーボ及びトラッキン
グサーボは、CPU22の制御のもとで行なわれる。
【0087】また、光学ピックアップ12のモニター用
の光検出器40(図4)の出力信号が、APC(自動パ
ワーコントロール)回路23に供給されており、CPU
22の制御のもとで、このAPC回路23により、光検
出器40の出力信号の値が所定の基準値(記録モードで
の基準値と再生モードでの基準値との2通りが存在す
る)と一致するように光学ピックアップ12の半導体レ
ーザ31(図4)の出力レベルが調整される。
【0088】以上のように、この光ディスク駆動装置に
よれば、ソリッドイマージョンレンズを用いることによ
り開口数が約1.5にされ、かつ、エアギャップを50
nm(光ディスク51の信号記録面に照射されるレーザ
ビームの強度の低下を招かない大きさである)にする制
御が、静電容量に基づいて高精度に行なわれる。しか
も、エアギャップの制御は、光ディスク51上に記録ト
ラックを形成する突条部71及び溝部72のそれぞれに
ついて最適となるように行われる。
【0089】しかも、この光ディスク駆動装置によれ
ば、1つのフォーカスアクチュエータ5a(図1)でフ
ォーカスサーボが実現されるので、フォーカスアクチュ
エータとして、ソリッドイマージョンレンズを保持した
ホルダを移動させるアクチュエータと、対物レンズを保
持したホルダを移動させるアクチュエータとの2つのア
クチュエータを必要とする場合と比較して、フォーカス
アクチュエータが一層簡略化されている。
【0090】また、静電容量に基づくVCO13乃至増
幅器17(図3)での1系統の信号処理でフォーカスサ
ーボが実現されるので、フォーカスサーボのための信号
処理として、静電容量に基づいてエアギャップを制御す
る制御信号を生成する信号処理と、対物レンズと光ディ
スクとの間の距離を制御する制御信号を生成する信号処
理(例えば、光ディスクで反射されたレーザビームを受
光した光検出器の出力信号のマトリクス処理)との2系
統の信号処理を必要とする場合と比較して、フォーカス
サーボのための信号処理も一層簡略化されている。
【0091】また、この光学ヘッドにおいては、図2に
示したように、ソリッドイマージョンレンズ3の底面に
アルミニウムの如き導電性材料よりなる膜6を形成する
ことにより、ソリッドイマージョンレンズ3自体と光デ
ィスク51との間に静電容量を形成している。したがっ
て、例えばレンズホルダ4と光ディスク51との間に静
電容量を形成する場合と比較して、膜6と光ディスク5
1との間の距離が小さくなることにより静電容量値Cが
大きくなっているので、静電容量に基づくフォーカスサ
ーボ用の制御信号の生成を一層高精度に行なえるように
なっている。
【0092】また、ソリッドイマージョンレンズ3の底
面の中央部3aを突起させ、その周辺部3bにこの突起
の高さよりも薄い膜6を形成しているので、この中央部
3aを基準としてエアギャップを制御する際に、膜6が
中央部3aよりも光ディスク51に近づいて接触したり
することはない。
【0093】また、ソリッドイマージョンレンズ3の底
面の中央部3aが突起している分だけ、光学ヘッド1の
その他の部分が光ディスク51に対して後退しているの
で、仮に光学ヘッド1全体が光ディスク51に対して傾
いたような場合にも、光学ヘッド1が光ディスク51に
接触するおそれが少なくなっている。
【0094】また、図1に示したように、この膜6とア
ルミニウムの如き導電性材料製のレンズホルダ4とを電
気的に接続させ、レンズホルダ4を介して静電容量値C
を検出できるようにしているので、静電容量値Cの検出
を容易に行なえるようになっている。
【0095】なお、以上の実施の形態では、光学ヘッド
1に、光ディスクに照射させるべきレーザビームを収束
させる対物レンズの機能を持つ光学素子と、この対物レ
ンズとこの光ディスクとの間に介在させるソリッドイマ
ージョンレンズの機能を持つ光学素子として、それぞれ
対物レンズ2とソリッドイマージョンレンズ3という2
つのレンズを設けている。
【0096】しかし、これに限らず、この対物レンズの
機能とソリッドイマージョンレンズの機能とを併せ持つ
単一の光学素子を光学ヘッドに設けるようにしてもよ
い。
【0097】そうした単一の光学素子としては、例え
ば、1998年にAspen社から発刊された『Dig
est of Optical Data Stora
ge』の137〜139頁に掲載のChul Woo
Lee氏等の論文「Feasibility stud
y on near field optical m
emory using a catadioptri
c optical system」に記載されている
反射型集光素子を挙げることができる。
【0098】あるいは、この対物レンズの機能を持つ光
学素子とソリッドイマージョンレンズの機能を持つ光学
素子として、3つ以上の光学素子を光学ヘッドに設ける
ようにしてもよく、ホログラム素子を光学ヘッドに設け
るようにしてもよい。
【0099】また、以上の実施の形態では、本発明を相
変化形の光ディスクの駆動装置に本発明を適用している
が、本発明は、光磁気ディスクの駆動装置や、再生専用
の光ディスクの駆動装置や、光ディスク以外の光学記録
媒体(例えば光カード)の駆動装置に適用することとし
てもよい。
【0100】また、本発明は、以上の実施の形態に限ら
ず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構
成をとりうることはもちろんである。
【0101】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る光学ヘッド
は、光源から発せられた光束を光学記録媒体に収束させ
て照射する光学手段を備え該光束の照射により該光学記
録媒体に対する情報信号の記録再生を行う光学ヘッドで
あって、光学手段の最も記録媒体側の面と該記録媒体の
表面との間の動作距離が100μm以下となされて使用
され、光学手段が有する導電性部と記録媒体が有する導
電性部との間の静電容量に基づいて動作距離を検出し、
この検出結果に基づいて該動作距離を制御する動作距離
制御手段を備えている。
【0102】そして、光学手段として、ソリッドイマー
ジョンレンズ、あるいは、それと同等の機能を有する光
学素子を備えたものとすることにより、開口数が1を越
える光学手段を実現することが可能となる。
【0103】また、本発明においては、いわゆる「ラン
ド・グルーブ記録」により光学記録媒体上の突条部及び
溝部の両方に情報信号を記録して記録密度を高める場合
においても、光学記録媒体と前記光学手段との間隔(エ
アギャップ)を任意の値に制御することが可能となる。
開口数が1を越える対物レンズを用い、光記録媒体に信
号を近接場(Near−field)記録再生する場
合、前記エアギャップをランド部・グルーブ部、それぞ
れに対して、50nm 以下の値に制御する必要があ
り、本発明を用いることで精密な制御を施すことが可能
となる。
【0104】また、本発明に係る光学ヘッドにおいて
は、例えばVCOの発振周波数として得られるエアギャ
ップの検出値を利用することで、浮上スライダを用いた
受動的な光学ヘッドにおいても、その浮上量の検出、及
び、最適化をおこなうことが可能となる。
【0105】また、本発明に係る光学ヘッドによれば、
ソリッドイマージョンレンズにより開口数を大きく(例
えば1を超えるように)することができ、かつ、エアギ
ャップを十分小さく(例えば100nm以内に)する制
御を静電容量に基づいて高精度に行なうことができ、し
かも、1つの移動機構(アクチュエータ)でフォーカス
サーボを実現することができるので、フォーカスサーボ
のための移動機構を一層簡略化することができる。
【0106】また、光学記録媒体の駆動装置のフォーカ
スサーボ系の側にも、静電容量に基づく1系統の信号処
理でフォーカスサーボを実現させることができるので、
フォーカスサーボのための信号処理を一層簡略化させる
こともできるようになる。
【0107】なお、この光学ヘッドにおいて、ソリッド
イマージョンレンズのうち光学記録媒体との対向面を、
中央部を突起させると共にその周辺部を平面とし、この
周辺部に導電性の素材から成る膜を形成することによ
り、ソリッドイマージョンレンズ自体と光学記録媒体と
の間に静電容量を形成するようにした場合には、例えば
保持部材と光学記録媒体との間に静電容量を形成する場
合と比較して、導電性の素材と光学記録媒体との間の距
離を小さくすることにより静電容量値を大きくすること
ができるので、静電容量に基づく制御信号の生成を一層
高精度に行なうことができるようになる。
【0108】また、この対向面の中央部が突起している
分だけ、光学ヘッドのその他の部分が光学記録媒体に対
して後退するので、仮に光学ヘッド全体が光学記録媒体
に対して傾いたような場合にも、光学ヘッドが光学記録
媒体に接触するおそれが少なくなる。
【0109】さらに、この光学ヘッドにおいて、ソリッ
ドイマージョンレンズの周辺部の導電性の膜と導電性の
素材を用いた保持部材とを電気的に接続させるようにし
た場合には、保持部材を介して静電容量値を検出するこ
とができるので、静電容量値の検出を容易に行なえるよ
うになる。
【0110】次に、本発明に係る光学記録媒体の駆動装
置によれば、ソリッドイマージョンレンズにより開口数
を大きくすることができ、かつ、エアギャップを十分小
さくする制御を静電容量に基づいて高精度に行なうこと
ができ、しかも、1つの移動機構及び静電容量に基づく
1系統の信号処理でフォーカスサーボを実現することが
できるので、フォーカスサーボのための移動機構及び信
号処理を一層簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学ヘッドの構成例を示す一部断
面側面図である。
【図2】図1のSILの底面の構造の詳細例を示す側面
図である。
【図3】本発明による光ディスク駆動装置のサーボ信号
処理系の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の光学ピックアップの構成例を示す側面図
である。
【図5】図4の光検出器38上の受光素子の配置例を示
す平面図である。
【図6】光ディスクにおけるランド部及びグループ部の
構成を示す斜視図である。
【図7】SILによる開口数の増大の原理を示す側面図
である。
【図8】開口数が1を超えるときの光ディスク上でのレ
ーザビームの強度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光学ヘッド、2 対物レンズ、3 ソリッドイマー
ジョンレンズ(SIL)、3a (SILの底面の)中
央部、3b (SILの底面の)周辺部、4レンズホル
ダ、5 電磁アクチュエータ、5a フォーカスアクチ
ュエータ、5b トラッキングアクチュエータ、6 ア
ルミニウム膜、7 はんだ、11 スピンドルモータ、
12 光学ピックアップ、13 VCO(電圧制御発振
器)、14 VCXO(電圧制御発振器)、15 PL
L(フェーズロックドループ)、16,20 位相補償
回路、17,21 増幅器、18 ヘッドアンプ、19
トラッキングマトリクス回路、22 CPU、23 A
PC(自動パワーコントロール)回路、31 半導体レ
ーザ、32 コリメータレンズ、33 回折格子、34
1/2波長板、35 偏光ビームスプリッタ、36
1/4波長板、37, 39 集光レンズ、38,40
光検出器、38A〜38H 受光素子(フォトダイオ
ード)、51 光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 裕児 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 山本 健二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大里 潔 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から発せられた光束を光学記録媒体
    に収束させて照射する光学手段を備え、該光束の照射に
    より該光学記録媒体に対する情報信号の記録再生を行う
    光学ヘッドであって、 上記光学手段の最も記録媒体側の面と該記録媒体の表面
    との間の動作距離が100μm以下となされて使用さ
    れ、 上記光学手段が有する導電性部と上記記録媒体が有する
    導電性部との間の静電容量に基づいて上記動作距離を検
    出し、この検出結果に基づいて該動作距離を制御する動
    作距離制御手段を備えていることを特徴とする光学ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 光学手段は、ソリッドイマージョンレン
    ズを備えて構成され、上記光学手段の導電性部は、上記
    ソリッドイマージョンレンズの光学記録媒体に対向する
    対向面上に設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の光学ヘッド。
  3. 【請求項3】 ソリッドイマージョンレンズを含む光学
    手段の開口数が1を超えていることを特徴とする請求項
    2記載の光学ヘッド。
  4. 【請求項4】 ランド部及びグループ部とを備える光学
    記録媒体を用いて、ランド部とグループ部との両方に対
    して情報信号の記録再生を行い、 動作距離制御手段は、ランド部に対して情報信号の記録
    再生を行うときには、該ランド部について動作距離を制
    御し、グループ部に対して情報信号の記録再生を行うと
    きには、該グループ部について動作距離を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 【請求項5】 光学手段は、ソリッドイマージョンレン
    ズを備えて構成され、上記光学手段の導電性部は、上記
    ソリッドイマージョンレンズの光学記録媒体に対向する
    対向面上に設けられていることを特徴とする請求項4記
    載の光学ヘッド。
  6. 【請求項6】 ソリッドイマージョンレンズを含む光学
    手段の開口数が1を超えていることを特徴とする請求項
    5記載の光学ヘッド。
  7. 【請求項7】 光学手段は、光学記録媒体に照射すべき
    光束であるレーザビームを収束させる対物レンズの機能
    を持つ光学素子と、前記対物レンズと前記光学記録媒体
    との間に介在されるソリッドイマージョンレンズの機能
    を持つ光学素子とを有し、 上記対物レンズの機能を持つ光学素子と前記ソリッドイ
    マージョンレンズの機能を持つ光学素子との間の距離を
    一定にして保持する保持部材を備え、 動作距離制御手段は、上記保持部材を上記レーザビーム
    の光軸方向に移動させる移動機構を備え、 上記ソリッドイマージョンレンズは、上記光学記録媒体
    に対向する対向面に導電性の素材からなる導電性部が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 ソリッドイマージョンレンズを含む光学
    手段の開口数が1を超えていることを特徴とする請求項
    7記載の光学ヘッド。
  9. 【請求項9】 ソリッドイマージョンレンズのうち光学
    記録媒体に対向する面は、中央部が突起していると共に
    その周辺部が平面であり、該周辺部に導電性の素材から
    成る膜である導電性部が形成されていることを特徴とす
    る請求項7記載の光学ヘッド。
  10. 【請求項10】 保持部材に導電性の素材が用いられて
    おり、ソリッドイマージョンレンズの光学記録媒体に対
    向する面の周辺部に形成された導電性の素材から成る膜
    が該保持部材と電気的に接続されていることを特徴とす
    る請求項9記載の光学ヘッド。
  11. 【請求項11】 光学記録媒体を駆動して前記光学記録
    媒体への情報の記録と前記光学記録媒体からの情報の再
    生との少なくともいずれか一方を行なう駆動装置におい
    て、 光学記録媒体に照射すべきレーザビームを収束させる対
    物レンズの機能を持つ光学手段と、前記対物レンズと前
    記光学記録媒体との間に介在させるソリッドイマージョ
    ンレンズの機能を持つ光学手段とを、前記対物レンズと
    前記ソリッドイマージョンレンズとの間の距離を一定に
    して保持した保持部材と、前記保持部材を前記レーザビ
    ームの光軸方向に移動させる移動機構とを有し、前記光
    学記録媒体に対向する面に導電性の素材が用いられた光
    学ヘッドと、 前記導電性の素材と前記光学記録媒体とにより形成され
    る静電容量に基づき、前記光軸方向上での前記ソリッド
    イマージョンレンズと前記光学記録媒体との間の距離を
    制御する制御信号を生成する信号処理手段とを備え、 前記制御信号に基づいて前記移動機構で前記保持部材を
    移動させることを特徴とする光学記録媒体の駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記対物レンズ及び前記ソリッドイマ
    ージョンレンズから成るレンズ群の開口数が1を超えて
    おり、 前記信号処理手段は、前記距離を100nm以内に制御
    する信号を生成することを特徴とする請求項11記載の
    光学記録媒体の駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記信号処理手段は、周波数と位相と
    の少なくともいずれか一方が前記静電容量の変化に応じ
    て変化する信号を発生する手段と、所定の基準信号を発
    生する手段と、前記信号の周波数と位相との少なくとも
    いずれか一方を前記基準信号と比較することに基づいて
    前記制御信号を生成する手段とを含むことを特徴とする
    請求項11記載の光学記録媒体の駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記対物レンズ及び前記ソリッドイマ
    ージョンレンズから成るレンズ群の開口数が1を超えて
    おり、 前記信号処理手段は、前記距離を100nm以内に制御
    する信号を生成することを特徴とする請求項13記載の
    光学記録媒体の駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100455122B1 (ko) * 2002-08-13 2004-11-06 엘지전자 주식회사 초점 심도 미세 보정장치
JP2016520216A (ja) * 2013-05-23 2016-07-11 アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド 評価システムおよび基板を評価する方法

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