JP2000193387A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書

【発明の名称】 偏平状熱交換管およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁とを備えており、上壁形成部および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部および下壁形成部の左右両側縁に立上がり状に一体成形された側壁形成部を有する板状下構成部材とが、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせられるとともに、相互に接合されてなる偏平状熱交換管であって、
上構成部材が、金属素板の左右両側部分を、金属素板の片面に形成された折目溝に沿って折目溝が内側にくるように折り曲げることによって形成されている偏平状熱交換管。
【請求項2】 上構成部材の上壁形成部の下面における左右両側縁寄りの部分に、それぞれ側壁形成部と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条が下方突出状に一体に形成されることにより、側壁形成部と倒れ防止用凸条との間に、下構成部材の側壁形成部の上端部を嵌入する溝が形成され、下構成部材の側壁形成部の上端部が前記溝内に嵌め入れられている請求項1記載の偏平状熱交換管。
【請求項3】 上構成部材の側壁形成部の垂下長さが下構成部材の側壁形成部の高さよりも大きくなされており、上構成部材の側壁形成部の下端部が左右方向内方に折り曲げられて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させられている請求項2記載の偏平状熱交換管。
【請求項4】 上構成部材の上壁形成部の下面に、長さ方向に伸びかつ下方隆起状に一体に形成された2つの凸条からなる対が、左右方向に間隔をおいて複数対設けられ、各対の2つの凸条が、上下両構成部材を組み合わせたさい下構成部材の各補強壁形成部の上端面の左右両側縁部に当接するようになされている請求項2または3記載の偏平状熱交換管。
【請求項5】 請求項1の偏平状熱交換管を製造する方法であって、金属素板を圧延することにより下壁形成部および側壁形成部を有する下構成部材をつくる工程と、金属素板を圧延することにより、その片面に長さ方向に伸びる2つの折目溝を、下構成部材の両側壁形成部の外側縁部間の間隔と等しい間隔をおき、かつ素板の両側縁部と両折目溝との間隔が互いに等しくなるように形成した後、ロールフォーミングにより金属素板における折目溝よりも幅方向外側の部分を、折目溝に沿って折目溝が内側にくるように折り曲げることにより上壁形成部および側壁形成部を有する上構成部材をつくる工程と、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後両者をろう付する工程とを含む偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項6】 請求項3の偏平状熱交換管を製造する方法であって、上構成部材をつくる工程において、金属素板を圧延して折目溝を形成するさいに、金属素板の左右両側縁と折目溝との間隔を下構成部材の側壁形成部の高さよりも大きくしておくとともに、折目溝が形成される面における両折目溝の幅方向内側の部分にそれぞれ折目溝と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる凸条を形成しておき、上下両構成部材を組み合わせてろう付する工程において、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させることにより、下構成部材の側壁形成部の上端部を上構成部材の側壁形成部と凸条との間の溝に嵌め入れた状態で上下両構成部材を仮止めしておくことを特徴とする請求項5記載の偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項7】 請求項1〜4のうちのいずれかに記載の偏平状熱交換管が用いられている熱交換器。
【請求項8】 請求項7記載の熱交換器を備えたカーエアコン。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーエアコン用コンデンサ、カーエアコン用エバポレータ、ルームエアコン用コンデンサ、自動車用オイルクーラ、産業機械用オイルクーラ等の熱交換器に用いられる偏平状熱交換管およびその製造方法に関する。
【0002】
この明細書において、図1〜図4、図8および図9の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。但し、図5〜図7および図10に関する説明については、これらの図の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近時、たとえばカーエアコン用コンデンサとして、図10に示すように、互いに間隔をおいて左右に平行に配置された一対のヘッダ(61)(62)と、両端がそれぞれ両ヘッダ(61)(62)に接続された並列状の偏平状冷媒流通管(63)(熱交換管)と、隣り合う冷媒流通管(63)の間の通風間隙に配置されるとともに、両冷媒流通管(63)にろう付されたコルゲート・フィン(64)と、左のヘッダ(61)の周壁上端部に接続された入口管(65)と、右ヘッダ(62)の周壁下端部に接続された出口管(66)と、左ヘッダ(61)の中程より上方位置の内部に設けられた左仕切板(67)と、右ヘッダ(62)の中程より下方位置の内部に設けられた右仕切板(68)とを備えており、入口管(65)と左仕切板(67)間の冷媒流通管(63)の本数、左仕切板(67)と右仕切板(68)間の冷媒流通管(63)の本数、右仕切板(68)と出口管(66)間の冷媒流通管(63)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口管(65)から流入した気相の冷媒が、出口管(66)より液相となって流出するまでに、コンデンサ内を各通路群単位に蛇行状に流れるようになされているいわゆるマルチフロー型と称されるコンデンサ(特公平3−45300号公報参照)が、従来のサーペンタイン型コンデンサに代わり高性能化、低圧力損失化および超コンパクト化を実現しうるものとして広く使用されてきている。
【0004】
上記コンデンサに用いられる偏平状冷媒流通管は、その内部に高圧ガス冷媒が導入されるため、耐圧性が要求される。この要求にこたえるとともに熱交換効率を高めるために、本出願人は、先に、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、左右両側壁間において上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有しており、上壁形成部、および上壁形成部の左右両側縁に一体成形された側壁形成部からなる板状上構成部材と、下壁形成部、下壁形成部の左右両側縁に一体成形された側壁形成部、および下壁形成部に上方隆起状に一体成形された補強壁形成部からなる板状下構成部材とよりなり、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように両構成部材が組み合わされ、下構成部材の側壁形成部および補強壁形成部の先端が上構成部材の上壁形成部にろう付されるとともに、下構成部材の側壁形成部と上構成部材の側壁形成部とがろう付された偏平状熱交換管を提案している(特願平8−295200号)。
【0005】
このような偏平状熱交換管は、たとえば次の方法で製造される。
【0006】
すなわち、この製造方法は、金属素板を圧延することにより、下面の左右両側縁部に左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜部を有する下壁形成部および側壁形成部を有する下構成部材をつくる工程と、ロールフォーミングにより金属素板の左右両側縁部を折り曲げて上壁形成部および垂下長さが側壁形成部の高さよりも大きい側壁形成部を有する上構成部材をつくる工程と、上下両構成部材を上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の傾斜部に係合させることにより、上下両構成部材を仮止めし、両者を相互にろう付する工程とを含むものである。
【0007】
ところで、前述したような上構成部材は、金属素板からロールフォーミングにより形成されるが、そのさい金属素板のパスラインがロールの軸方向にずれると、形成された上構成部材の両側壁形成部の左右方向の幅が異なったものとなり、たとえば一方の側壁形成部の幅が所定の幅よりも小さくなり、他方の側壁形成部の幅が所定の幅よりも大きくなる。上構成部材の側壁形成部の幅が所定の幅よりも小さいと、上下両構成部材の側壁形成部の接触面積が小さくなり、耐圧性が不足するおそれがある。また、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の傾斜部に係合させるさいに、上構成部材の側壁形成部の下端部の下構成部材の下壁形成部下面に対する係合長さが短くなり、両構成部材をうまく仮止めすることができないという問題がある。しかも、下構成部材の側壁形成部が左右方向内方に倒れることがあり、この場合上下両構成部材の側壁形成部どうしの間に大きな隙間ができ、両構成部材をろう付したさいに側壁形成部どうしの間にろう付不良が発生するという問題がある。
【0008】
一方、上構成部材の側壁形成部の幅が所定の幅よりも大きいと、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の傾斜部に係合させるさいに、上構成部材の側壁形成部が外側に膨らみ、両構成部材の側壁形成部どうしの間に隙間ができ、両構成部材をろう付したさいに側壁形成部どうしの間にろう付不良が発生するという問題がある。
【0009】
この発明の目的は、上記問題を解決した偏平状熱交換管およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による偏平状熱交換管は、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁とを備えており、上壁形成部および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部および下壁形成部の左右両側縁に立上がり状に一体成形された側壁形成部を有する板状下構成部材とが、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせられるとともに、相互に接合されてなる偏平状熱交換管であって、上構成部材が、金属素板の左右両側部分を、金属素板の片面に形成された折目溝に沿って折目溝が内側にくるように下方に折り曲げることによって形成されているものである。
【0011】
請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、上構成部材が、金属素板の左右両側部分を、金属素板の片面に形成された折目溝に沿って折目溝が内側にくるように折り曲げることによって形成されているので、両側壁形成部の左右方向の幅を所望の寸法にすることができる。したがって、上下両構成部材の側壁形成部の接触面積を十分大きくすることができ、両者のろう付強度が増大して、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。
【0012】
請求項2の発明による偏平状熱交換管は、請求項1の発明において、上構成部材の上壁形成部の下面における左右両側縁寄りの部分に、それぞれ側壁形成部と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条が下方突出状に一体に形成されることにより、側壁形成部と倒れ防止用凸条との間に、下構成部材の側壁形成部の上端部を嵌入する溝が形成され、下構成部材の側壁形成部の上端部が前記溝内に嵌め入れられているものである。
【0013】
請求項2の発明の偏平状熱交換管によれば、上構成部材の上壁形成部の下面における左右両側縁寄りの部分に、それぞれ側壁形成部と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条が下方突出状に一体に形成されることにより、側壁形成部と倒れ防止用凸条との間に、下構成部材の側壁形成部の上端部を嵌入する溝が形成され、下構成部材の側壁形成部の上端部が前記溝内に嵌め入れられているので、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせるさいに、上構成部材の倒れ防止用凸条の働きにより、下構成部材の側壁形成部が左右方向内方に倒れることが防止される。したがって、両構成部材をろう付したさいに両構成部材の側壁形成部どうしの間にろう付不良が発生するのを防止することができる。
【0014】
請求項3の発明による偏平状熱交換管は、請求項2の発明において、上構成部材の側壁形成部の垂下長さが下構成部材の側壁形成部の高さよりも大きくなされており、上構成部材の側壁形成部の下端部が左右方向内方に折り曲げられて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させられているものである。
【0015】
請求項3の発明の偏平状熱交換管によれば、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の傾斜部に係合させるさいに、上構成部材の倒れ防止用凸条の働きにより、下構成部材の側壁形成部が左右方向内方に倒れることが防止される。したがって、両構成部材をろう付したさいに両構成部材の側壁形成部どうしの間にろう付不良が発生するのを防止することができる。
【0016】
請求項4の発明による偏平状熱交換管は、請求項2または3の発明において、上構成部材の上壁形成部の下面に、長さ方向に伸びかつ下方隆起状に一体に形成された2つの凸条からなる対が、左右方向に間隔をおいて複数対設けられ、各対の2つの凸条が、上下両構成部材を組み合わせたさい下構成部材の各補強壁形成部の上端面の左右両側縁部に当接するようになされているものである
【0017】
請求項5の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項1の偏平状熱交換管を製造する方法であって、金属素板を圧延することにより下壁形成部および側壁形成部を有する下構成部材をつくる工程と、金属素板を圧延することにより、その片面に長さ方向に伸びる2つの折目溝を、下構成部材の両側壁形成部の外側縁部間の間隔と等しい間隔をおき、かつ素板の両側縁部と両折目溝との間隔が互いに等しくなるように形成した後、ロールフォーミングにより金属素板における折目溝よりも幅方向外側の部分を、折目溝に沿って折目溝が内側にくるように折り曲げることにより上壁形成部および側壁形成部を有する上構成部材をつくる工程と、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後両者をろう付する工程とを含むものである。
【0018】
請求項5の発明の製造方法によれば、金属素板を圧延することにより、その片面に長さ方向に伸びる2つの折目溝を、下構成部材の両側壁形成部の外側縁部間の間隔と等しい間隔をおき、かつ素板の両側縁部と両折目溝との間隔が互いに等しくなるように形成した後、ロールフォーミングにより金属素板における折目溝よりも幅方向外側の部分を、折目溝に沿って折目溝が内側にくるように折り曲げることにより上壁形成部および側壁形成部を有する上構成部材をつくっているので、両側壁形成部の左右方向の幅を所望の寸法にすることができる。したがって、上下両構成部材を組み合わせたさいに、上下両構成部材の側壁形成部どうしの接触面積を十分大きくすることができ、両者のろう付強度が増大して、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。しかも、下構成部材の各側壁形成部と上構成部材の各側壁形成部との間に大きな隙間が生じることはなく、両構成部材をろう付したさいに側壁形成部と側壁形成部との間にろう付不良が発生するのを防止することができる。
【0019】
請求項6の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項5の発明において、請求項3の偏平状熱交換管を製造する方法であって、上構成部材をつくる工程において、金属素板を圧延して折目溝を形成するさいに、金属素板の左右両側縁と折目溝との間隔を下構成部材の側壁形成部の高さよりも大きくしておくとともに、折目溝が形成される面における両折目溝の幅方向内側の部分にそれぞれ折目溝と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条を形成しておき、上下両構成部材を組み合わせてろう付する工程において、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させることにより、下構成部材の側壁形成部の上端部を上構成部材の側壁形成部と倒れ防止用凸条との間の溝に嵌め入れた状態で上下両構成部材を仮止めしておくことを特徴とするものである。
【0020】
請求項6の発明の製造方法によれば、上構成部材をつくる工程において、金属素板を圧延して折目溝を形成するさいに、金属素板の左右両側縁と折目溝との間隔を下構成部材の側壁形成部の高さよりも大きくしておくとともに、折目溝が形成される面における両折目溝の幅方向内側の部分にそれぞれ折目溝と所定の間隔をおいて長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条を形成しておき、上下両構成部材を組み合わせてろう付する工程において、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させることにより、下構成部材の側壁形成部の上端部を上構成部材の側壁形成部と倒れ防止用凸条との間の溝に嵌め入れた状態で上下両構成部材を仮止めしているので、上下両構成部材を、上構成部材の側壁形成部が下構成部材の側壁形成部の外側にくるように組み合わせた後、上下両構成部材に上下から力を加えた状態で上構成部材の側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の下壁形成部下面の傾斜部に係合させるさいに、上構成部材の倒れ防止用凸条の働きにより、下構成部材の側壁形成部が左右方向内方に倒れることが防止される。したがって、両構成部材をろう付したさいに側壁形成部どうしの間にろう付不良が発生するのを防止することができる。
【0021】
請求項7の発明による熱交換器は、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の偏平状熱交換管が用いられているものである
【0022】
請求項8の発明によるカーエアコンは、請求項7記載の熱交換器を備えたものである
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0024】
図1および図2はこの発明による偏平状熱交換管を示す。
【0025】
図1および図2において、偏平状熱交換管(A) は、平らな上下壁(1)(2)と、上下壁(1)(2)の左右両側縁にまたがる2重構造の左右両側壁(3)(4)と、左右両側壁(3)(4)間において上下壁(1)(2)にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(5)とを備え、内部に並列状の流体通路(6)を有するものであり、下壁(2)、左右両側壁(3)(4)および補強壁(5)を構成するアルミニウム製下構成部材(10)と、上壁(1)および左右両側壁(3)(4)を構成するアルミニウム製上構成部材(20)とにより形成されたものである。
【0026】
上壁(1)内面における左右両側縁寄りの部分に、それぞれ左右両側壁(3)(4)に接するようにその長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条(7)が下方隆起状に一体に形成されている。下壁(2)内面における隣接する補強壁(5)どうしの間の部分には、それぞれ伝熱面積を増大させる目的で、長さ方向に間隔をおいて複数の突起(8)が上方隆起状に一体に形成されている。左右両側壁(3)(4)は、上壁(1)の左右両側縁に垂下状に一体に形成された側壁形成部(22)と、下壁(2)の左右両側縁に立上がり状に一体に形成された側壁形成部(14)とが、上壁(1)の側壁形成部(22)が外側にくるように重ね合わせられて相互に接合されることにより形成されたものである。補強壁(5)は、下壁(2)に一体に形成された補強壁形成部(11)が上壁(1)内面に接合されて形成されたものである。補強壁(5)の左右方向のピッチは4mm以下にすることが好ましく、補強壁(5)の高さは2mm以下にすることが好ましい。また、補強壁(5)には、並列状の流体通路(6)どうしを通じされる連通孔(9)があけられている。連通孔(9)は、平面から見て千鳥配置となっている。連通孔(9)があけられていると、並列状の流体通路(6)をそれぞれ流通する流体は、連通孔(9)を通って偏平状熱交換管(A)の幅方向に流れ、すべての流体通路(6)に行き渡って混合され、流体通路(6)間で流体に温度差が生じることはなくなる。したがって、熱交換効率が向上する。各補強壁(5)におけるすべての連通孔(9)の占める割合である開口率は、10〜40%、特に10〜30%の範囲内であることが好ましく、20%程度であることが望ましい。この場合に、連通孔(9)を形成することによる熱交換効率向上効果が顕著なものとなる。連通孔(9)は、補強壁形成部(11)の上縁に所定間隔おきに形成された切欠き(12)が、上壁(1)によりその開放部が塞がれることによって形成されたものである。この場合、複数の補強壁(5)にあけられた連通孔(9)が平面から見て千鳥配置となっているので、偏平状熱交換管(A)の幅方向において、両構成部材(10)(20)どうしの接合部が存在することになり、十分な接合強度が確保される。
【0027】
偏平状熱交換管(A)は、次のようにして製造される。
【0028】
まず、図3に示すような板状のアルミニウム製下構成部材(10)と、同じく板状のアルミニウム製上構成部材(20)とをつくる。
【0029】
下構成部材(10)は、平らな下壁形成部(13)と、下壁形成部(13)の左右両側縁に一体に形成された側壁形成部(14)と、下壁形成部(13)の両側壁形成部(14)間に立上がり状にかつ相互に所定間隔をおいて一体に形成された補強壁形成部(11)とよりなり、補強壁形成部(11)の上縁にその長さ方向に所定間隔をおいて複数の台形状切欠き(12)が、平面から見て千鳥配置となるように形成されている。下構成部材(10)の下壁形成部(13)下面における左右両側縁部に、左右方向外側に向かって上方に傾斜した傾斜面(15)が形成されている。また、下構成部材(10)の下壁形成部(13)の上面に突起(8)が一体に形成されている。下構成部材(10)の両側壁形成部(14)の高さは、補強壁形成部(11)の高さと等しくなっている。このような下構成部材(10)は、片面にろう材層(図示略)を有するアルミニウムブレージングシート(金属素板)を圧延することによりつくられたものであり、ろう材層は、下構成部材(10)の外面、すなわち下壁形成部(13)下面および両側壁形成部(14)外面に存在している。
【0030】
上構成部材(20)は、平らな上壁形成部(21)と、上壁形成部(21)の左右両側縁に一体に形成されかつ下構成部材(10)の側壁形成部(14)の外側に重なる側壁形成部(22)とよりなる。上構成部材(20)の上壁形成部(21)下面における左右両側縁寄りの部分に、それぞれ長さ方向に伸びる倒れ防止用凸条(7)が下方隆起状に一体に形成されており、側壁形成部(22)と凸条(7)との間に溝(23)が形成されている。側壁形成部(22)と凸条(7)との間隔、すなわち溝(23)の幅は、下構成部材(10)の側壁形成部(14)の肉厚とほぼ等しくなされており、後述する上下両構成部材(20)(10)の仮止めのさいに、下構成部材(10)の側壁形成部(14)の上端部がぴったりと嵌め入れられるようになっている。また、上構成部材(20)の上壁形成部(21)の下面に、長さ方向に伸びかつ下方隆起状に一体に形成された2つの凸条(24)からなる対が、左右方向に間隔をおいて複数対設けられている。各対の2つの凸条(24)は、上下両構成部材(20)(10)を組み合わせたさい下構成部材(10)の各補強壁形成部(11)の上端面の左右両側縁部に当接するようになっている。また、各凸条(24)の突出高さは10〜200μm程度が好ましい。さらに、各凸条(24)の突出高さは、各倒れ防止用凸条(7)の突出高さと等しくなっている。このような上構成部材(20)は、両面にろう材層(図示略)を有するアルミニウムブレージングシート(30)(金属素板)を圧延した後、ロールフォーミングすることによりつくられたものである。すなわち、まずアルミニウムブレージングシート(30)を圧延することにより、その片面に下構成部材(10)の両側壁形成部(14)の外側縁部間の間隔と等しい間隔をおいて長さ方向に伸びる2つの折目溝(25)を形成するとともに、これと同じ面に凸条(7)(24)を形成する。このとき、アルミニウムブレージングシート(30)の左右両側縁と折目溝(25)との間隔を、互いに等しくかつ下構成部材(10)の側壁形成部(14)の高さよりも大きくしておく(図4参照)。ついで、アルミニウムブレージングシート(30)を、折目溝(25)および凸条(7)(24)が形成された面を上方に向けた状態で、図5に示すような上下両ずれ防止ロール(40)(41)間に通す。上側ずれ防止ロール(40)は下側ずれ防止ロール(41)の周面に形成された環状溝(41a)内に嵌まり込んでおり、アルミニウムブレージングシート(30)の両側縁が環状溝(41a)の両側面に当接することによって、アルミニウムブレージングシート(30)の幅方向のずれが防止されるようになっている。上側ずれ防止ロール(40)の周面における長さ方向の両端部を除いた部分に、凸条(7)(24)の突出高さよりも若干深い幅広の浅い環状溝(40a)が形成されている。環状溝(40a)の幅は、2つの折目溝(25)の左右方向外側面間の距離よりも若干広く、折目溝(25)が環状溝(40a)内に存在するようになっている。そして、アルミニウムブレージングシート(30)が上下両ずれ防止ロール(40)(41)間を通過するさいに、全ての凸条(7)(24)が環状溝(40a)内に入り、凸条(7)(24)の潰れが防止される。ついで、アルミニウムブレージングシート(30)を、第1の上下両成形ロール(42)(43)間に通すことにより、アルミニウムブレージングシート(30)の左右両側縁部を、折目溝(25)に沿って斜め上方に折り曲げる予備成形を行う(図6参照)。第1の上側成形ロール(42)の周面にも、上側ずれ防止ロール(40)の周面と同様に、凸条(7)(24)の潰れを防止するための浅い環状溝(42a)が形成されている。環状溝(42a)の幅は、上側ずれ防止ロール(40)の環状溝(40a)の幅よりも広く、2つの倒れ防止用凸条(7)の左右方向外側面間の間隔よりも若干、たとえば0.3mm程度広くなっている。その後、図示は省略したが、アルミニウムブレージングシート(30)を引き続いて、1または2以上の上下両成形ロール間に通して、折目溝(25)よりも外側の部分の曲げ角度を徐々に増やしていく。そして、図7に示すように、最後の上下成形ロール(44)(45)間にアルミニウムブレージングシート(30)を通すことによって、折目溝(25)よりも外側の部分の曲げ角度を90度にして、上壁形成部(21)および側壁形成部(22)を有する上構成部材(20)をつくる。この状態で、折目溝(25)は完全に潰れる。図面において、折目溝(25)が潰れた跡を(25A)で示す。なお、第1の上側成形ロール(42)に続く上側成形ロール(44)の周面にも、第1の上側成形ロール(42)と同様に、それぞれ凸条(7)(24)の潰れを防止する環状溝(42a)と同一幅でかつ同一深さの環状溝(44a)が形成されている。
【0031】
上述のようにして、上下両構成部材(20)(10)をつくってこれらに脱脂処理を施した後、フラックスを塗布する。ついで、上構成部材(20)を下構成部材(10)に嵌め被せて、両構成部材(20)(10)を、上構成部材(20)の側壁形成部(22)が下構成部材(10)の側壁形成部(14)の外側にくるように組み合わせる。
【0032】
ついで、上下両構成部材(20)(10)に上下から力を加えることにより、下構成部材(10)の補強壁形成部(11)の上端部および上構成部材(20)の凸条(24)を変形させるとともに、下構成部材(10)の側壁形成部(14)の上端部を、上構成部材(20)の側壁形成部(22)と倒れ防止用凸条(7)との間の溝(23)内に嵌め入れる。上構成部材(20)の上壁形成部(21)は若干変形する。この状態で、上構成部材(20)の側壁形成部(22)における下構成部材(10)の下壁形成部(13)よりも下方に突出した部分を左右方向内方に曲げて傾斜面(15)に密着させることにより、両構成部材(20)(10)を仮止めする。このとき、下構成部材(10)の側壁形成部(14)の上端部が、上構成部材(20)の溝(23)内に嵌まっているので、側壁形成部(14)の左右方向内方への倒れが防止される(図8および図9参照)。
【0033】
ついで、仮止めした両構成部材(20)(10)をろう付温度に加熱する。すると、下構成部材(10)の側壁形成部(14)上端部が上構成部材(20)の上壁形成部(21)および倒れ防止用凸条(7)にろう付されるとともに、下構成部材(10)の補強壁形成部(11)上端が凸条(24)にろう付される。ろう付時には、溶融したろう材は凸条(24)の部分に引き寄せられやすいので、各補強壁形成部(11)上面とこれに対応する2つの凸条(24)との間の隙間も塞がれる。さらに、上構成部材(20)の側壁形成部(22)と下構成部材(10)の側壁形成部(14)とがろう付されるとともに、上構成部材(20)の側壁形成部(22)下端の折り曲げられた部分が下構成部材(10)の傾斜面(15)にろう付される。こうして、偏平状熱交換管(A)が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明による偏平状熱交換管の横断面図である。
【図2】
図1の部分拡大図である。
【図3】
上構成部材と下構成部材を示す分解斜視図である。
【図4】
上構成部材をつくる素材であるアルミニウムブレージングシートの片面に凸条および折目溝を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】
アルミニウムブレージングシートを上下ずれ防止ロール間に通す状態を示し、(a)は全体の垂直断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図6】
アルミニウムブレージングシートを第1の上下成形ロール間に通す状態を示し、(a)は全体の垂直断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図7】
アルミニウムを最後の上下成形ロール間に通す状態を示し、(a)は全体の垂直断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図8】
上構成部材と下構成部材とを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図9】
図8の部分拡大図である。
【図10】
偏平状熱交換管が使用されたコンデンサの正面図である。
【符号の説明】
(1):上壁
(2):下壁
(3)(4):左右両側壁
(7):倒れ防止用凸条
(10):下構成部材
(13):下壁形成部
(14):側壁形成部
(20):上構成部材
(21):上壁形成部
(22):側壁形成部
(23):溝
(25):折目溝
(30):アルミニウムブレージングシート(金属素板)
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