JP2000193192A5 - 転がり軸受への潤滑油塗布方法及び潤滑油塗布装置 - Google Patents

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【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1つの吐出口を備えた液体定量吐出装置を使用し、
前記吐出口を転がり軸受の転動体の真上で且つ該転動体に十分に近付けた状態にして、規定量の潤滑油を前記吐出口から前記転動体に移すことにより、前記転がり軸受の内部に潤滑油を塗布することを特徴とする転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項2】 前記液体定量吐出装置には、前記転がり軸受の転動体の数と同数以下の吐出口を設け、同時に全ての前記吐出口が前記転動体の真上に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項3】 前記転がり軸受を保持した状態で、その軸心回りに回転させながら前記転がり軸受の位相をセンサーにより検出し、その検出結果に基づき、前記吐出口が前記転動体の真上に位置するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項4】 前記転がり軸受を保持する保持台に設けた係合部に、前記転がり軸受を係合させることにより、前記吐出口が前記転動体の真上に位置するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項5】 前記吐出口を前記転動体に十分近付けた状態で、前記吐出口から規定量の潤滑油を吐出させることにより、前記潤滑油を前記転動体に移すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項6】 前記吐出口を前記転動体に十分近付ける前に、前記吐出口から規定量の潤滑油を吐出させることにより、前記吐出口に油滴を作り、その後、前記吐出口を前記転動体に十分近付けて前記油滴を前記転動体に接触させることにより、前記潤滑油を前記転動体に移すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項7】 潤滑油を溶媒に溶かして前記吐出口から吐出させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の転がり軸受への潤滑油塗布方法。
【請求項8】 転がり軸受に規定量の潤滑油を塗布する潤滑油塗布装置であって、
潤滑油が塗布される転がり軸受を保持する保持台と、
先端が吐出口となっている少なくとも1つの給油パイプを備えると共に1回に定量の潤滑油を前記吐出口から吐出する液体定量吐出手段と、
前記液体定量吐出手段の吐出口が前記転がり軸受の転動体の真上に十分近付いた状態となるように位置決めする位置決め手段と
を備えて成ることを特徴とする潤滑油塗布装置。
【請求項9】 前記液体定量吐出手段は、前記転がり軸受の転動体の数と同数の吐出口を前記転動体と同一ピッチで備えて成ることを特徴とする請求項8に記載の潤滑油塗布装置。
【請求項10】 前記位置決め手段は、前記転がり軸受を前記液体定量吐出手段の吐出口に対して相対的に回転させる回転手段と、前記転がり軸受の転動体の位置を検出するセンサーとを備えて成ることを特徴とする請求項8または9に記載の潤滑油塗布装置。
【請求項11】 前記位置決め手段は、前記保持台に設けられ且つ前記転がり軸受が係合することにより前記転がり軸受の転動体の真上に前記液体定量吐出手段の吐出口が位置するようにされて成る係合部を有することを特徴とする請求項8または9に記載の潤滑油塗布装置。
【請求項12】 前記給油パイプの外径面を溌油処理して成ることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の潤滑油塗布装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受の内部に潤滑油を塗布するための転がり軸受への潤滑油塗布方法及び潤滑油塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
に転がり軸受の構成を示す。同図において、700は転がり軸受で、これは、外輪701と内輪702との間に、複数個の球状の転動体703を保持した冠型保持器704を設けて構成されている。
本発明は上述した従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転がり軸受の内部の必要な部分にのみ潤滑油を容易且つ確実に塗布することができる転がり軸受への潤滑油塗布方法及び潤滑油塗布装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の転がり軸受への潤滑油塗布方法は、少なくとも1つの吐出口を備えた液体定量吐出装置を使用し、前記吐出口を転がり軸受の転動体の真上で且つ該転動体に十分に近付けた状態にして、規定量の潤滑油を前記吐出口から前記転動体に移すことにより、前記転がり軸受の内部に潤滑油を塗布することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明の潤滑油塗布装置は、転がり軸受に規定量の潤滑油を塗布する潤滑油塗布装置において、転がり軸受を保持する保持台と、先端が吐出口となっている少なくとも1つの給油パイプを備えると共に1回に定量の潤滑油を前記吐出口から吐出する液体定量吐出手段と、前記液体定量吐出手段の吐出口が前記転がり軸受の転動体の真上に十分に近付いた状態となるように位置決めする位置決め手段とを備えて成ることを特徴とする。
図1は、本実施の形態に係る潤滑油塗布方法を実施するために使用する潤滑油塗布装置の構成を示す側面図であり、同図において、1は液体定量吐出装置(液体定量吐出手段)で、プランジャポンプ本体2を有している。このプランジャポンプ本体2の先端(図1において下端)側面部に接続された液体吸入口3には、潤滑油タンク4が取り付けられている。また、プランジャポンプ本体2の先端面(図1において下端面)に突設されたノズル接続口5には、給油ノズル6が取り付けられている。この給油ノズル6の先端面(図1において下端面)には、図2に示すように複数本の給油パイプ7が、転がり軸受700の転動体703の配列と同じ配列で取り付けられている。給油パイプ7の外径面には油付着を防止するため溌油処理を施している。給油パイプ7の外径面に油が付着すると、その油が転がり軸受700の平面部やシール溝などに再付着したり、塗油量が不安定になるなどの場合があるが、溌油処理により、これを防ぐことができる。
回転装置9の回転テーブル11の保持部12に、潤滑油を塗布しようとする転がり軸受700を保持した後、回転駆動用モータ25により回転装置9の回転テーブル11を回転駆動する。すると、この回転テーブル11と一体に転がり軸受700が回転して、該転がり軸受700の転動体703が潤滑油吐出口8の真下に位置すると、センサ13から転動体検出信号が出力されて、該転動体検出信号がコントローラ20に入力されることにより回転駆動用モータ25が停止する。次いで、上下駆動用モータ27が一方向に回転駆動して上下スライドテーブルが下降し、この上下スライドテーブルと一体に液体定量吐出装置1が下降する。そして、予め設定されている下降端で停止する。下降端は、潤滑油吐出口8が転動体703に十分近付いた高さ(図1の2点鎖線の状態)に設定しておく。
この状態になると、コントローラ21により電磁弁23が切り換え制御されて、液体定量吐出装置1のプランジャポンプ本体2のプランジャが駆動され、潤滑油30が給油ノズル6の潤滑油吐出口8から吐出する。この状態では潤滑油吐出口8が転動体703に十分近付いているため、潤滑油30は転動体703に付着し、次いで転がり軸受700の外輪701の軌道面と転動体703との間の隙間、内輪702の軌道面と転動体703との間の隙間及び保持器704と転動体703との間の隙間に、それぞれ流れ込む。
また、上記実施の形態では、センサー13が潤滑油を塗布しようとする転がり軸受700の転動体703を検出したときに、転動体703が給油パイプ7の真下に位置するように設置されているが、センサー13が潤滑油を塗布しようとする転がり軸受700の転動体703を検出したときに、転動体703が給油パイプ7の真下に位置するように設置しないで、その状態から転動体703が給油パイプ7の真下に位置するまでの回転装置9の回転テーブル11の回転角度を予め測定しておき、その測定値に基づいた補正角度値を、回転装置9の回転制御装置の記憶部に記憶させておき、センサー13が潤滑油を塗布しようとする転がり軸受700の転動体703を検出後に、前記補正角度だけ回転装置9の回転テーブル11を回転させた後、その回転を停止させるようにしても良い。
潤滑油タンク4のアウトポートには濾過器31が接続されており、この濾過器31のアウトポートとプランジャポンプ本体2の液体吸入口3は、プランジャポンプ本体2の上下動を妨げないように、可撓性チューブ32で配管、接続されている。このチューブ32の中央は分岐され、エア抜き用コック33が接続されている。また、図7において、34は空気圧レギュレータである。
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