JP2000193071A - 歯車の強制潤滑装置 - Google Patents

歯車の強制潤滑装置

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JP2000193071A
JP2000193071A JP37283598A JP37283598A JP2000193071A JP 2000193071 A JP2000193071 A JP 2000193071A JP 37283598 A JP37283598 A JP 37283598A JP 37283598 A JP37283598 A JP 37283598A JP 2000193071 A JP2000193071 A JP 2000193071A
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JP
Japan
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gear
lubricating liquid
supply pipe
transmission
lubrication device
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JP37283598A
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Atsuhiro Mori
淳弘 森
Kunihiko Morikawa
邦彦 森川
Masahiro Shinmyo
正弘 新明
Ryuta Nishihara
隆太 西原
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0456Lubrication by injection; Injection nozzles or tubes therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0493Gearings with spur or bevel gears
    • F16H57/0495Gearings with spur or bevel gears with fixed gear ratio

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一対の歯車と、該歯車組に対して
潤滑液を直接噴射する潤滑液供給管とを備える歯車の強
制潤滑装置において、製造コストを上昇させることな
く、歯面損傷が生じやすい歯車の歯元部に対して十分な
潤滑を行えるようにする。 【解決手段】 一対の歯車1,2と、該歯車組に対して
潤滑液を直接噴射する潤滑液供給管3とを備える歯車の
強制潤滑装置において、この潤滑液供給管3の噴射部4
を、小径歯車1の回転中心線O1 に指向する第1線分L
1 と、大径歯車2の歯先円Ac(2)の接線に指向する第2
線分L2 とがなす角度αの間を指向するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに回転自在に
嵌合する少なくとも一対の歯車と、該歯車組に対して潤
滑液を直接噴射する潤滑液供給管とを備える歯車の強制
潤滑装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の歯車強制潤滑装置としては、例え
ば、図6に示した特開平10−122310号公報に記
載のものがある。この歯車強制潤滑装置は、大小2つの
歯車組1,2および潤滑液供給管30を有し、歯車1,
2のピッチ円をそれぞれ実線Pc(1),Pc(2)で、また、
歯先円および歯元円をそれぞれ一点鎖線Ac(1),Ac(2)
および二点鎖線Ad(1),Ad(2)で示す。潤滑液供給管3
0は、歯車1,2の噛合部IL での焼付きを防止するた
めに、歯車1,2の噛合部IL に向かって潤滑油を矢印
Dの方向に強制的に供給するものである。
【0003】また、他の従来装置としては、図7に示す
ようなものがある。この従来装置は、図6の歯車1,2
の少なくとも一方の歯車(ここでは歯車1)の軸を中空
として、この中空部Hs から歯底面tb(1)に対して放射
状に貫通穴hを設け、この貫通穴hから、軸心中空部H
s に供給された潤滑油を歯車1の回転による遠心力を利
用して歯底面tb(1)に供給するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つの従来技術には、以下の問題が生じる。
【0005】まず、図6に示すような従来装置にあって
は、歯車1,2の回転が高速の場合、歯車1,2に供給
される潤滑油が歯先部で弾かれて歯元部まで十分に供給
されにくいため、歯元部においてピッチングなどが発生
し、歯面の損傷を引き起こすといった不都合が生じる。
【0006】次に、図7に示すような従来装置にあって
は、潤滑油が歯先部で弾かれることなく歯元部まで十分
に供給されるものの、歯車1を成形した後に歯底面tb
(1)に貫通穴hを形成するための穴加工が必要となるた
めに製造コストの上昇を招くといった不都合が生じる。
【0007】本発明の解決すべき課題は、上述の事実に
鑑みてなされたものであって、互いに回転自在に嵌合す
る少なくとも一対の歯車と、該歯車組に対して潤滑液を
直接噴射する潤滑液供給管とを備える歯車の強制潤滑装
置に関して、製造コストを上昇させることなく、歯面損
傷が生じやすい歯車の歯元部に対して十分な潤滑を行え
るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1発明である歯車の強制潤滑装置は、互
いに回転自在に嵌合する少なくとも一対の歯車と、該歯
車組に対して潤滑液を直接噴射する潤滑液供給管とを備
える歯車の強制潤滑装置において、前記潤滑液供給管の
噴射部は、前記歯車組の一方の歯車の回転中心線に指向
する第1線分と、前記歯車組の他方の歯車歯先円の接線
に指向する第2線分とがなす角度の間を指向することを
特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、第1発明に
おいて、前記潤滑液供給管の噴射部は、前記第1線分と
同一方向に指向することを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、上記第1お
よび第2発明において、前記潤滑液供給管の噴射部を、
歯車の噛み込みが終る側に位置決めすることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、上記第1乃
至3発明のいずれか一発明において、前記歯車ははすば
歯車であり、前記潤滑液供給管の噴射部を、前記はすば
歯車の歯幅方向における歯車の噛合い始めから歯幅中心
までの間に位置決めすることを特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、上記第1乃
至4発明のいずれか一発明において、前記潤滑液供給管
の噴射部に噴射ノズルを設けることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項6に記載の第6発明は、上記第1乃
至5発明のいずれか一発明において、前記一方の歯車
は、ベルト式無段変速機のファイナルギア対におけるピ
ニオンギアであることを特徴するものである。
【0014】請求項7に記載の第7発明は、上記第6発
明において、前記潤滑液供給管に潤滑液を供給するため
の圧力源は、変速機内に備わる内部ポンプであることを
特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載の第8発明は、上記第6ま
たは第7発明において、前記圧力源からの潤滑液を、変
速機内に備わる冷却器を介して冷却する構成としたこと
を特徴するものである。
【0016】請求項9に記載の第9発明は、上記第6乃
至第8のいずれか一発明において、前記潤滑液供給管
は、変速機内に備わる変速機潤滑用配管から分岐した配
管であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の効果】第1発明である歯車の強制潤滑装置は、
歯車に対して特別な加工を行うことなく、潤滑液供給管
から歯車組に対して適切な方向に潤滑液が供給される。
このため、前記歯車組のうち、潤滑を必要とする一方の
歯車に対して供給される潤滑油が、他方の歯車の歯部に
弾かれることなく供給される。従って、第1発明によれ
ば、製造コストを上昇させることなく、歯面損傷が生じ
やすい歯車の歯元部に対して十分な潤滑を行うことがで
きる。また第1発明によれば、歯元部に対し、従来に比
べてさらに多くの潤滑油を供給できるから、潤滑油によ
る冷却を必要とする歯車に対して特に有効である。
【0018】第2発明は、潤滑液供給管からの噴射方向
が、潤滑を必要とする前記一方の歯車の回転中心線に向
けられるから、該一方の歯車の歯先に噴射されて弾かれ
る潤滑液の量を最小限に抑えることができる。従って、
第2発明によれば、歯面損傷が生じやすい歯車の歯元部
に対して最も効果的な潤滑を行うことができる。また第
2発明によれば、最も効果的に潤滑油を供給できるか
ら、歯車の歯元付近の冷却が効果的である。
【0019】第3発明は、歯車の噛み込みにより高温に
なっている歯面に対して、歯車の噛み込みが終る側の位
置から潤滑液を供給する。従って本発明によれば、潤滑
液と歯面との温度差が大きいため、さらに効果的に歯面
が冷却され、歯面の損傷限界を向上させることができ
る。
【0020】第4発明は、潤滑液供給管の噴射部をはず
ば歯車の歯幅方向における歯車の噛み合い始めから歯幅
中心までの間に位置決めするため、潤滑液供給管からの
潤滑液は、前記はずば歯車の歯幅方向の噛み合い始め側
から歯溝に沿って歯幅全体に供給される。従って第4発
明によれば、歯幅全体において歯面の損傷限界を向上さ
せることができる。
【0021】第5発明は、潤滑液供給管の噴射部に噴射
ノズルを設け、潤滑液の供給位置をさらに高い精度の範
囲で噴射することができるから、上記第1乃至4発明に
おいて大きな作用効果が得られる。
【0022】第6発明は、一方の歯車が、ベルト式無段
変速機のファイナルギア対におけるピニオンギアである
から、以下の作用効果を得られる。一般的に、ベルト式
無段変速機のファイナルギア対は歯数比が大きく、歯数
の少ないピニオンギアに対する負荷が大きく、かつ、変
速機ケース内におけるピニオンギアの配置はファイナル
ギアの上方であるため潤滑状態が不利である。従って第
6発明のように、ベルト式無段変速機のファイナルギア
対におけるピニオンギアを潤滑すれば、上記第1乃至4
発明において大きな作用効果が得られる。
【0023】第7発明は、前記潤滑液供給管に潤滑液を
供給するための圧力源が変速機内に備わる内部ポンプで
あるから、新たな圧力源を設ける必要がないため、コス
ト低減を図ることができる。
【0024】第8発明は、前記圧力源からの潤滑液を、
変速機内に備わる冷却器を介して冷却する構成であるか
ら、歯面に対して冷却された潤滑液が供給される。従っ
て第8発明によれば、冷却された潤滑液によって歯面の
冷却効率が高くなるので、歯面の損傷限界を向上させる
ことができる。
【0025】第9発明は、前記潤滑液供給管が、変速機
内に備わる変速機潤滑用配管から分岐した配管であるか
ら、前記潤滑液供給管のほとんどを既存の変速機潤滑用
配管と共用できるため、配管に伴うコストの上昇を最小
限に抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態
になる歯車の強制潤滑装置を示した概略図である。この
装置は、互いに回転自在に嵌合する一対の小径平歯車1
および大径平歯車2と、これら平歯車1,2に対して潤
滑油を直接噴射する潤滑油供給管3とを備える。小径平
歯車1は、中心線O1 を中心に矢印F1 の向きに回転
し、大径平歯車2は、中心線O2 を中心に矢印F2 の向
きに回転する。従って歯車1,2は図面左側から噛み込
み始め、図面右側で噛み込みを終る。
【0027】潤滑油供給管3は、ポンプ5を介して導入
した油槽7のオイルを噴射部4から歯車1,2に対して
直接噴射する構成であって、噴射部4は、一方の歯車1
の中心線O1 に指向する第1線分L1 と、他方の歯車2
の歯先円Ac(2)の接線に指向する第2線分L2 とがなす
角度αの間を指向する。なお、本実施形態の噴射部4は
潤滑油供給管3に形成された穴である。
【0028】上記構成では、歯車1,2に対して、例え
ば図7で説明したような特別な加工を行うことなく、潤
滑油供給管3から歯車1,2に対して適切な方向(矢印
D)に潤滑油が供給される。このため、これら歯車組の
うち、潤滑を必要とする小径歯車1に対して供給される
潤滑油が、小径歯車1の歯部11もしくは大径歯車2の
歯部21に弾かれることなく供給される。従って、上記
構成によれば、製造コストを上昇させることなく、歯面
損傷が生じやすい歯車の歯元部Rt(1)に対して十分な潤
滑を行うことができる。また上記構成によれば、歯元部
Rt(1)に対し、従来に比べてさらに多くの潤滑油を供給
できるから、潤滑油による冷却を必要とする歯車に対し
て特に有効である。
【0029】なお、潤滑油供給管3の噴射部4は、第1
線分L1 と同一方向に指向することが好ましい。この場
合、潤滑油供給管3からの噴射方向が、潤滑を必要とす
る小径歯車1の回転中心線O1 に向けられるから、小径
歯車1の歯先に噴射されて弾かれる潤滑油の量を最小限
に抑えることができる。従って、上記構成によれば、歯
面損傷が生じやすい歯車に対して最も効果的な潤滑を行
うことができる。また上記構成によれば、最も効果的に
潤滑油を供給できるから、歯車の歯元付近の冷却が効果
的である。
【0030】さらに、潤滑油供給管3の噴射部4は、歯
車1,2の噛み込みが終る側に位置決めさせることが好
ましい。この場合、歯車1,2の噛み込みにより高温に
なっている歯面に対して、歯車1,2の噛み込みが終る
側の位置から潤滑油を供給する。従って上記構成によれ
ば、潤滑油と歯面との温度差が大きいため、さらに効果
的に歯面が冷却され、歯面の損傷限界を向上させること
ができる。
【0031】図2は、本発明の他の実施形態になる歯車
の強制潤滑装置を歯車の噛み込みが始まる側から示した
概略図である。この実施形態における歯車8は、はすば
歯車であって、このはすば歯車8の歯車軸9は、軸受B
によって回転自在に支持されている。この実施形態で
は、歯車組の噛み込みを歯幅方向から見ると、図面右側
から噛み合い始め、図面左側で噛み合いを終る。なお、
図2において、対をなす他方のはすば歯車は、説明を容
易にするため省略する。
【0032】歯車がはすば歯車8である上記実施形態で
は、潤滑油供給管3の噴射部4はさらに、はすば歯車8
の歯幅方向における歯車の噛み合い始めから歯幅中心ま
での間ΔWに位置決めさせることが好ましい。この場
合、潤滑油供給管3からの潤滑油は、はすば歯車8の歯
幅方向の噛み合い始め側から歯溝f8 に沿って歯幅W全
体に供給される。従って上記構成によれば、歯幅W全体
において歯面の損傷限界を向上させることができる。
【0033】なお、潤滑油供給管3の噴射部4は、潤滑
油供給管3に形成された穴でもよいが、上記実施形態で
は、潤滑油供給管3の噴射部4には噴射ノズルn4 が設
けられている。この場合、潤滑油の供給位置をさらに高
い精度の範囲で噴射することができるから、図1〜3で
説明した実施形態の作用効果が大きい。
【0034】図4は、本発明装置を採用したベルト式無
段変速機を軸線方向から示し、変速部入力軸40の中心
線Oin,変速部出力軸41の中心線Oout ,リダクショ
ン軸42の中心線Or ,ファイナルギア軸43の中心線
Of からなる4軸構造である。上記実施形態では、変速
部入力軸40および変速部出力軸41間には伝達ベルト
(図示せず)が巻き掛けられ、変速部入力軸40から入
力されたエンジン(図示せず)からの動力が、伝達ベル
トを介して変速部出力軸41に伝達される。
【0035】リダクション軸42は、変速部出力軸41
のアウトプットギアGout と回転自在に嵌合するアイド
ラギアGi と、ファイナルギア軸43のファイナルギア
Gfと回転自在に嵌合するピニオンギアGp とを有し、
ピニオンギアGp とファイナルギアGf とでファイナル
ギア対を構成する。
【0036】従って変速部出力軸41の回転は、アウト
プットギアGout と回転自在に嵌合するリダクション軸
42のアイドラギアGi を経てファイナルギアGf のフ
ァイナルギア軸43に出力され、変速されたエンジン回
転を車輪に対して伝達可能にする。
【0037】ところで、上記無段変速機においては、入
力軸40およびファイナルギア軸43が変速機の下方に
配置する必要があるため、出力軸41およびリダクショ
ン軸42は変速機の上方に配置される。このため、変速
機ケース100内の下方に貯まった潤滑油(油面F)が
掻き上げられて、各部のギアを潤滑する効果が得られる
が、変速機ケース100内の上方に位置するアウトプッ
トギアGout および、アイドラギアGI ,ピニオンギア
Gp は掻き上げによる潤滑効果が小さい。
【0038】さらに、上記のようなファイナルギア対は
一般的に、歯数比が大きく、歯数の少ないピニオンギア
Gp に対する負荷が大きく、かつ、変速機ケース100
内におけるピニオンギアGp の配置はファイナルギアG
f の上方である。このため、ファイナルギア対における
ピニオンギアGp は、変速機ケース100内の下部に貯
まったオイルが潤滑油となるファイナルギアGf に比べ
て潤滑状態が不利である。
【0039】従って、潤滑油供給管3の噴射部4が、ピ
ニオンギアGp の中心線Or に指向する第1線分と、フ
ァイナルギアGf の中心線Of に指向する第2線分とが
なす角度αの間を指向するように構成し、ファイナルギ
ア対のピニオンギアGp を潤滑すれば、図1〜3で説明
した実施形態の作用効果が大きい。
【0040】なお、図4は、ピニオンギアGp ,ファイ
ナルギアGf および潤滑油供給管3の一実施形態を示
し、潤滑油供給管3の噴射部4には、噴射ノズルn4 が
設けられているが、上述のように、噴射部4は、潤滑油
供給管3に形成された穴であってもよい。
【0041】また、潤滑油供給管3に潤滑油を供給する
ための圧力源は、専用のポンプを用いてもよいが、変速
機内に備わる内部ポンプ、例えば、オイルポンプである
ことが好ましい。この場合、新たに専用ポンプを設ける
必要がないため、コスト低減を図ることができる。
【0042】さらに、オイルポンプからの潤滑油は、油
槽から直接供給してもよいが、変速機内に備わる冷却器
(オイルクーラ)6を介して冷却することが好ましい
(図1参照)。この場合、ピニオンギアGp の歯面に対
して冷却された潤滑油が供給される。従ってオイルクー
ラ6を介して潤滑油を冷却すれば、冷却された潤滑油に
よって歯面の冷却効率が高くなるので、歯面の損傷限界
を向上させることができる。
【0043】加えて、潤滑油供給管3は、オイルポンプ
から直接配管してもよいが、変速機内に備わる変速機潤
滑用配管31、例えば伝達ベルトやファイナルギアGf
に対する潤滑用に設けた既存の配管から分岐させた配管
であることが好ましい。この場合、潤滑油供給管3のほ
とんどを既存の変速機潤滑用配管31と共用できるた
め、配管に伴うコストの上昇を最小限に抑えることがで
きる。
【0044】図5は、本発明である歯車の強制潤滑装置
と、従来装置とでピニオンギアGpを潤滑した際のデー
タ図である。この図では、横軸に潤滑油量 (L/min)を、
縦軸に歯面温度上昇(℃)を取り、本発明装置の試験結
果を白印、従来装置の試験結果を黒印で示す。この図か
らも明らかなように、本発明装置の潤滑によれば、従来
装置に比べて歯面の温度上昇が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である歯車の強制潤滑装置の一実施形態
を示した概略図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示した概略図である。
【図3】本発明装置を採用したベルト式無段変速機を軸
線方向から示した図である
【図4】同実施形態におけるピニオンギア,ファイナル
ギアおよび潤滑油供給管を示した一部断面図である。
【図5】本発明装置と従来装置とでピニオンギアを潤滑
した際のデータ図である。
【図6】従来装置を示した概略図である。
【図7】他の従来装置を示した概略図である。
【符号の説明】
1 小径平歯車 Rt(1) 歯元部(小径平歯車) 2 大径平歯車 3 潤滑油供給管 4 噴射部(潤滑油供給管) n4 噴射ノズル 5 オイルポンプ(内部ポンプ) 6 オイルクーラ(冷却器) 7 油槽 8 はすば歯車 f8 歯溝 9 歯車軸 11 歯部 31 変速機潤滑用配管 40 変速部入力軸 Oin 変速部入力軸中心線 41 変速部出力軸 Oout 変速部出力軸中心線 Gout アウトプットギア Gi アイドラギア 42 リダクション軸 Or リダクション軸中心線 Gp ピニオンギア(ファイナルギア対) 43 ファイナルギア軸 Of ファイナルギア軸中心線 Gf ファイナルギア(ファイナルギア対) 100 変速機ケース B 軸受 D 潤滑油の向き L1 第1線分 L2 第2線分 W 歯幅 ΔW 噛み合い始めおよび歯幅中心間の距離
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月25日(1999.6.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態
になる歯車の強制潤滑装置を示した概略図である。この
装置は、互いに回転自在に嵌合する一対の小径歯車1お
よび大径歯車2と、これら歯車1,2に対して潤滑油を
直接噴射する潤滑油供給管3とを備える。小径歯車1
は、中心線O1 を中心に矢印F1 の向きに回転し、大径
歯車2は、中心線O2 を中心に矢印F2 の向きに回転す
る。従って歯車1,2は図面左側から噛み込み始め、図
面右側で噛み込みを終る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】図3は、本発明装置を採用したベルト式無
段変速機を軸線方向から示し、変速部入力軸40の中心
線Oin,変速部出力軸41の中心線Oout ,リダクショ
ン軸42の中心線Or ,ファイナルギア軸43の中心線
Of からなる4軸構造である。上記実施形態では、変速
部入力軸40および変速部出力軸41間には伝達ベルト
(図示せず)が巻き掛けられ、変速部入力軸40から入
力されたエンジン(図示せず)からの動力が、伝達ベル
トを介して変速部出力軸41に伝達される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】リダクション軸42は、変速部出力軸41
のアウトプットギアGout と回転自在に嵌合するアイド
ラギアGI と、ファイナルギア軸43のファイナルギア
Gfと回転自在に嵌合するピニオンギアGp とを有し、
ピニオンギアGp とファイナルギアGf とでファイナル
ギア対を構成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】従って変速部出力軸41の回転は、アウト
プットギアGout と回転自在に嵌合するリダクション軸
42のアイドラギアGI を経てファイナルギアGf のフ
ァイナルギア軸43に出力され、変速されたエンジン回
転を車輪に対して伝達可能にする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】従って、潤滑油供給管3の噴射部4が、ピ
ニオンギアGp の中心線Or に指向する第1線分と、フ
ァイナルギアGf の歯車歯先円の接線に指向する第2線
分とがなす角度αの間を指向するように構成し、ファイ
ナルギア対のピニオンギアGp を潤滑すれば、図1〜3
で説明した実施形態の作用効果が大きい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】加えて、潤滑油供給管3は、オイルポンプ
から直接配管してもよいが、変速機内に備わる変速機潤
滑用配管31(図3参照)、例えば伝達ベルトやファイ
ナルギアGf に対する潤滑用に設けた既存の配管から分
岐させた配管であることが好ましい。この場合、潤滑油
供給管3のほとんどを既存の変速機潤滑用配管31と共
用できるため、配管に伴うコストの上昇を最小限に抑え
ることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 小径歯車 Rt(1) 歯元部(小径歯車) 2 大径歯車 3 潤滑油供給管 4 噴射部(潤滑油供給管) n4 噴射ノズル 5 オイルポンプ(内部ポンプ) 6 オイルクーラ(冷却器) 7 油槽 8 はすば歯車 f8 歯溝 9 歯車軸 11 歯部 31 変速機潤滑用配管 40 変速部入力軸 Oin 変速部入力軸中心線 41 変速部出力軸 Oout 変速部出力軸中心線 Gout アウトプットギア GI アイドラギア 42 リダクション軸 Or リダクション軸中心線 Gp ピニオンギア(ファイナルギア対) 43 ファイナルギア軸 Of ファイナルギア軸中心線 Gf ファイナルギア(ファイナルギア対) 100 変速機ケース B 軸受 D 潤滑油の向き L1 第1線分 L2 第2線分 W 歯幅 ΔW 噛み合い始めおよび歯幅中心間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新明 正弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 西原 隆太 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J063 AB22 AC03 BA11 CA01 CB12 XD03 XD32 XD56 XD62 XD72 XE15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに回転自在に嵌合する少なくとも一
    対の歯車と、該歯車組に対して潤滑液を直接噴射する潤
    滑液供給管とを備える歯車の強制潤滑装置において、 前記潤滑液供給管の噴射部は、前記歯車組の一方の歯車
    の回転中心線に指向する第1線分と、前記歯車組の他方
    の歯車歯先円の接線に指向する第2線分とがなす角度の
    間を指向することを特徴とする歯車の強制潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑液供給管の噴射部は、前記第1
    線分と同一方向に指向することを特徴とする請求項1に
    記載の歯車の強制潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記潤滑液供給管の噴射部を、歯車の噛
    み込みが終る側に位置決めすることを特徴とする請求項
    1または2に記載の歯車の強制潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記歯車ははすば歯車であり、前記潤滑
    液供給管の噴射部を、前記はすば歯車の歯幅方向におけ
    る歯車の噛合い始めから歯幅中心までの間に位置決めす
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の歯車の強制潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記潤滑液供給管の噴射部に噴射ノズル
    を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一
    項に記載の歯車の強制潤滑装置。
  6. 【請求項6】 前記一方の歯車は、ベルト式無段変速機
    のファイナルギア対におけるピニオンギアであることを
    特徴する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の歯車の
    強制潤滑装置。
  7. 【請求項7】 前記潤滑液供給管に潤滑液を供給するた
    めの圧力源は、変速機内に備わる内部ポンプであること
    を特徴とする請求項6に記載の歯車の強制潤滑装置。
  8. 【請求項8】 前記圧力源からの潤滑液を、変速機内に
    備わる冷却器を介して冷却する構成としたことを特徴す
    る請求項6または7に記載の歯車の強制潤滑装置。
  9. 【請求項9】 前記潤滑液供給管は、変速機内に備わる
    変速機潤滑用配管から分岐した配管であることを特徴と
    する請求項6乃至8のいずれか一項に記載の歯車の強制
    潤滑装置。
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