JP2000193037A - 動力伝達ベルトおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達ベルトおよび動力伝達装置

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JP2000193037A
JP2000193037A JP10369968A JP36996898A JP2000193037A JP 2000193037 A JP2000193037 A JP 2000193037A JP 10369968 A JP10369968 A JP 10369968A JP 36996898 A JP36996898 A JP 36996898A JP 2000193037 A JP2000193037 A JP 2000193037A
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power transmission
transmission belt
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rubber
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Takeshi Nitta
剛士 新田
Hiroshi Kida
博 貴田
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Unitta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力伝達ベルトの共振現象を回避することに
より、ベルトの耐久性を向上させ、ベルトにより生じる
騒音を低下させる。 【解決手段】 動力伝達ベルト20が第1、第2および
第3のベルト部から成る。第1のベルト部A1の背面部
26および歯面部23は第1の基材により構成される。
第2のベルト部A2の背面部26および歯面部23は第
1の基材よりもベルト長手方向の単位長さ当たりの重量
が小さい第2の基材により構成される。第3のベルト部
A3の背面部26および歯面部23は第1の基材と第2
の基材とにより構成される。動力伝達ベルト20の周方
向に沿って単位重量が不均一になり、共振現象が回避さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用の内
燃機関に設けられる複数の機器間において、動力伝達ベ
ルトを用いて回転を伝達する動力伝達装置に関し、さら
に詳しくは、動力伝達ベルトが回転を伝達するときに生
じる共振音を防止するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来動力伝達ベルトすなわち歯付ベルト
の、周方向に沿った単位長さ当たりの重量(単位重量)
は通常略均一である。この歯付ベルトには、複数のベル
ト歯が周方向に規則的に配列されており、歯付ベルトに
よって駆動軸側の歯付プーリ(駆動プーリ)の回転が他
の歯付プーリに伝達される。歯付ベルトと歯付プーリと
が噛合する際、振動が発生し、この振動は歯付プーリの
歯数とその回転数により定まるプーリ噛合周波数を有す
る。また歯付ベルトは横固有振動数を有し、この横固有
振動数は歯付ベルトの周方向の単位重量、および歯付ベ
ルトのプーリ間距離であるベルトスパン長等により定ま
る。これらのプーリ噛合周波数と横固有振動数とが略一
致すると、共振現象が生じる。この共振現象により歯付
ベルトには大きな繰り返し荷重がかかり、歯付ベルトの
耐久性が減少する。また共振現象により大きな騒音が生
じるという問題があった。
【0003】以上のような耐久性と騒音の問題を解決す
るために、特開平2−217652号公報に記載の動力
伝達装置が提案されている。この動力伝達装置に用いら
れる歯付ベルトでは、歯付ベルトの半周分の歯部および
背面部に金属粉末等が混入される。これにより歯付ベル
トの単位重量が半周分の部位において異なり、その単位
重量の異なる部位では歯付ベルトの横固有振動数が他の
部位とは異なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような動力伝達装
置では、歯付ベルトの半周分の部位において歯付ベルト
は周方向に一定の単位重量を有する。このため、歯付ベ
ルトが半周する間、歯付ベルトの周方向の単位重量は一
定である。また歯付ベルトのベルトスパン長が歯付ベル
トの半周分よりも短いので、歯付ベルトはそのベルトス
パン間が一定の単位重量となっている間、特定の横固有
振動数を有する。したがってその間、歯付ベルトの横固
有振動数がプーリ噛合周波数に一致し、共振現象が生じ
てしまう。また歯付ベルトの半周分の部位において歯付
ベルトの周方向の単位重量が一定であるので、プーリの
様々な配置に対応して、共振現象を回避することができ
ない。
【0005】本発明は、動力伝達ベルトの共振現象を回
避することにより、ベルトの耐久性を向上させ、ベルト
により生じる騒音を低下させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の動力
伝達ベルトは、内燃機関に設けられる複数の機器間にお
いて、回転を伝達するための動力伝達ベルトであって、
この動力伝達ベルトの少なくとも一部が、第1の基材と
この第1の基材よりもベルト周方向の単位長さ当たりの
重量が小さい第2の基材とにより形成され、この動力伝
達ベルトの歯面側または背面側の何れか一方に第1の基
材が配置され、他方に第2の基材が配置されることを特
徴としている。
【0007】好ましくは、動力伝達ベルトのベルト周方
向に沿って、第1の基材と第2の基材の割合が徐々に変
化する。
【0008】本発明に係る第2の動力伝達ベルトは、内
燃機関に設けられる複数の機器間において、回転を伝達
するための動力伝達ベルトであって、第1の基材により
構成される第1のベルト部と、第1の基材よりもベルト
周方向の単位長さ当たりの重量が小さい第2の基材によ
り構成される第2のベルト部と、第1の基材と第2の基
材とにより構成される第3のベルト部とを有する。
【0009】好ましくは、第3のベルト部では動力伝達
ベルトの歯面側または背面側の何れか一方に第1の基材
が設けられ、他方に第2の基材が設けられる。
【0010】本発明に係る動力伝達装置は、複数のベル
ト歯を有する動力伝達ベルトと、ベルト歯の歯数と素数
の関係にある歯数のプーリ歯を有する駆動プーリと、駆
動プーリとともに動力伝達ベルトにより巻回され、駆動
プーリの回転を伝達される従動プーリとを備えることを
特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の動
力伝達ベルトを用いた内燃機関の動力伝達装置を示す模
式図であり、図2は、第1の実施形態の動力伝達ベルト
を示す斜視図である。また図3は図2に示す矢印Bの範
囲の動力伝達ベルトを拡大した図である。
【0012】動力伝達装置10は、例えば車両用内燃機
関に設けられ、従動プーリ11、駆動プーリ12、テン
ショナ13および動力伝達ベルト20により構成され
る。駆動プーリ12は駆動軸であるクランク軸(不図
示)に連結され、従動プーリ11は従動軸であるカムシ
ャフト(不図示)に連結されている。この従動プーリ1
1と駆動プーリ12の外周側には、複数のプーリ歯(不
図示)が形成されている。
【0013】従動プーリ11と駆動プーリ12の外周側
には、動力伝達ベルト20が巻回される。動力伝達ベル
ト20はスパン長L1、L2、L3の間において、各プ
ーリ11、12から解放され、この動力伝達ベルト20
には、ベルト周方向に沿って複数のベルト歯22が規則
的に配設される。ベルト歯22は各プーリ11、12の
プーリ歯に噛合する。従動プーリ11と駆動プーリ12
の間には、動力伝達ベルト20の張力To を調整するた
めのテンショナ13が設けられる。
【0014】動力伝達ベルト20は、ベルト歯22を有
する歯面部23と、背面部26とから成り、背面部26
には、ガラス繊維等により構成される心線24が埋設さ
れている。ベルト歯22は例えば丸歯であり、ベルト歯
22の表面には歯布28が貼付されている。
【0015】動力伝達ベルト20は、ベルト周方向の単
位長さ当たりの重量、すなわち単位重量がベルト周方向
に沿って不均一であり、第1、第2および第3のベルト
部A1、A2、A3から成る。第1および第2のベルト
部A1、A2は相互に異なる単位重量を有しており、第
3のベルト部A3では単位重量がベルト周方向に沿って
変化する。
【0016】第1のベルト部A1において、歯面部23
と背面部26を形成する基材は、水素添加ニトリルゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン等を配合したゴム
(第1のゴム)であり、相対的に大きい単位重量を有す
る。これに対し第2のベルト部A2において歯面部23
と背面部26を形成する基材は、上述のゴムの配合率を
変えたもの(第2のゴム)であり、第1のベルト部A1
の基材より小さい単位重量を有する。
【0017】第3のベルト部A3において、歯面部23
と背面部26を形成する基材は、第1のゴムと第2のゴ
ムとから成り、動力伝達ベルト20の背面側には第1の
ゴムが存在し、動力伝達ベルト20の歯面側には第2の
ゴムが存在する。なお、図3では白色で示される部位が
第2のゴムから成り、白色以外の部位は第1のゴムから
成る。
【0018】以上のような動力伝達ベルト20の製造方
法について説明する。図4に動力伝達ベルトを製造する
ための金型70を示す。金型70の成形部70bは円筒
形状であり、その側面にはベルト歯の形状に対応する溝
70aが形成されている。この金型70の成形部70b
には、図5に示すように歯布(図5では見えない)と心
線24が巻き付けられ、さらにその周囲に第1および第
2のゴムの複数枚のシートを組み合わせた組合せシート
35が巻き付けられる。この組合せシート35の詳細は
後述する。このような状態の金型70が対になる型に嵌
め込まれ、これを加熱とともに加圧することにより成形
が行なわれる。その後金型70が取除かれ、図6に示す
成形体25が得られる。この成形体25が所定の幅d毎
に円周方向に沿って裁断され、その結果図2に示すよう
な動力伝達ベルト20が形成される。
【0019】組合せシート35を構成する複数枚のゴム
のシートについて説明する。図7に示すように第1のゴ
ムにより四辺形の大シートG0が形成される。この第1
のゴムの大シートの一辺S1は図4に示す金型70のモ
ールド長M10に等しく、他方の辺S2は後述する4枚
の小シートを得ることができる長さである。同様に、第
2のゴムにより四辺形の大シートH0が形成され、この
第2のゴムの大シートの一辺S1は金型70のモールド
長M10に等しく、他方の辺S3は後述する2枚の小シ
ートを得ることができる長さである。これらの第1およ
び第2のゴムの大シートがそれぞれ辺S1に沿って(一
点鎖線に沿って)裁断され、これにより第1のゴムの小
シートが4枚と、第2のゴムの小シートが2枚得られ
る。
【0020】図8を参照する。第1のゴムの小シートと
して4枚の小シートG1〜G4が第1のゴムの大シート
を裁断して作成される。小シートG1の幅は図1に示す
駆動プーリ12の弧M2の長さとスパン長L1の略1/
3の長さとの総和であり、小シートG2の幅はスパン長
L2の略1/2の長さである。また小シートG3の幅は
駆動プーリ12の弧M2の長さとスパン長L1と従動プ
ーリ11の弧M1の略1/3の長さとの総和であり、小
シートG4の幅はスパン長L3の略2/3の長さとテン
ショナ13の弧M3の長さとスパン長L2との総和であ
る。
【0021】第2のゴムの小シートとして2枚の小シー
トH1、H2が第2のゴムの大シートを裁断して作成さ
れる。小シートH1の幅はスパン長L1の略2/3の長
さと従動プーリ11の弧M1の長さとスパン長L3とテ
ンショナ13の弧M3の長さとスパン長L2の略1/2
の長さとの総和である。
【0022】上述の4枚の第1のゴムの小シートG1〜
G4と2枚の第2のゴムの小シートH1、H2とが組み
合わされることにより組合せシート35が構成される。
詳述すると、1つ目の組合せシート31として第1のゴ
ムの小シートG1と小シートG2の間に、第2のゴムの
小シートH1が配置される。2つ目の組合せシート33
として第1のゴムの小シートG3と小シートG4の間
に、第2のゴムの小シートH2が配置される。これらの
組合せシート31、33を重ね合せることにより組合せ
シート35が構成され、その幅はベルト周長M0であ
り、その長さ(図8の紙面に垂直な方向)は図4に示す
モールド長M10である。この組合せシート35には第
1のゴムのみから成る部位A1’と第2のゴムのみから
成る部位A2’と第1のゴムおよび第2のゴムから成る
部位A3’とが形成される。これらの部位A1’、A
2’、A3’はそれぞれ図2に示す第1、第2および第
3のベルト部A1、A2、A3に対応する。このような
組合せシート35が金型70に巻き付けられた歯布、心
線の周囲に配置され、この状態で金型70が上述のよう
に対になる型に嵌め込まれ、加熱および加圧により成形
体25が成形される。そして成形体25を裁断すること
により動力伝達ベルト20が得られる。なお組合せシー
ト35を一旦構成することなく、4枚の第1のゴムの小
シートG1〜G4と2枚の第2のゴムの小シートH1、
H2とを金型70に巻き付けられた歯布、心線の周囲に
配置することにより成形体25が成形されてもよい。
【0023】上述のように製造された動力伝達ベルト2
0において組合せシート35の部位A3’に対応する第
3のベルト部A3では、成形時の加熱および加圧により
第1のゴムと第2のゴムが融合して、ベルト周方向の単
位重量が徐々に変化する。組合せシート35の部位A
1’、A2’に対応する第1および第2のベルト部A
1、A2では、単位重量は略一定であり、第1のベルト
部A1の単位重量は第2のベルト部A2の単位重量より
も大きい。
【0024】第1の実施形態の動力伝達ベルト20を用
いた動力伝達装置における共振現象について説明する。
【0025】駆動プーリ12は、駆動軸の回転に伴い矢
印C方向に回動して、動力伝達ベルト20を駆動する。
動力伝達ベルト20により、駆動プーリ12の回転は従
動プーリ11に伝達される。この回転伝達において、駆
動プーリ12のプーリ歯が動力伝達ベルト20のベルト
歯22に噛合することにより、振動が発生する。この振
動は(1)式により算出されるプーリ噛合周波数を有す
る。プーリ噛合周波数をfnとすると、 fn=N・Z/60 ・・・(1) である。ここでNは駆動プーリ12の回転数であり、Z
は駆動プーリ12のプーリ歯数である。
【0026】また動力伝達ベルト20は各スパン間にお
いて(2)式により算出される横固有振動数を有する。
この横固有振動数をfsとすると、 fs=n/(2S・To 1/2 ・g)/r ・・・(2) である。ここでnは振動次数、Sはスパン長L1、L
2、L3、To は張力、gは重力加速度、rはベルト周
方向の単位長さ当たりの重量すなわち単位重量である。
【0027】例えばベルト周方向に沿って均一な単位重
量rを有する従来のベルトでは、上述の横固有振動数f
sとプーリ噛合周波数fnとが略一致することがあり、
動力伝達ベルト20には共振現象が生じる。しかしなが
ら第1の実施形態の動力伝達ベルト20はベルト周方向
に沿って不均一な単位重量rを有している。すなわち横
固有振動数fsがベルト周方向に沿って変化する。この
ため、横固有振動数fsはプーリ噛合周波数fnと同期
しにくくなり、動力伝達ベルト20には、共振現象が生
じない。なお(1)、(2)式によりプーリ噛合周波数
fn、横固有振動数fsが定まるので、この共振現象に
は駆動プーリの回転方向は影響をおよぼさない。
【0028】以上のように第1の実施形態の動力伝達ベ
ルト20は第1、第2および第3のベルト部A1、A
2、A3から成り、第1のベルト部A1は比較的大きな
単位重量を有し、第2のベルト部A2は第1のベルト部
A1より小さな単位重量を有する。また第3のベルト部
A3は第1のベルト部A1と第2のベルト部A2との間
に配置され、その単位重量は第1のベルト部A1の単位
重量から第2のベルト部A2の単位重量まで徐々に変化
する。すなわち動力伝達ベルト20の単位重量が3つの
ベルト部によって異なる。このように動力伝達ベルト2
0がベルト周方向に沿って不均一な単位重量を有するた
め、動力伝達ベルト20を用いた動力伝達装置では、動
力伝達ベルト20のスパン間の単位重量が経時的に変化
する。これにより横固有振動数fsが経時的に変化し、
この固有振動数fsとプーリ噛合周波数fnとが比較的
長い時間の間一致した状態になることがなく、共振現象
が回避される。したがって動力伝達ベルト20には繰り
返し荷重が作用せず、動力伝達ベルト20の耐久性が向
上する。また動力伝達ベルト20の騒音も削減される。
【0029】第1の実施形態の動力伝達ベルト20を用
いた動力伝達装置の応用例について説明する。この動力
伝達装置では、動力伝達ベルト20のベルト歯数が12
0歯であるとき、駆動プーリ12のプーリ歯数は動力伝
達ベルト20のベルト歯数と素数の関係にある21歯で
ある。このように動力伝達ベルト20の歯数と駆動プー
リ12の歯数とを定めると、駆動プーリ12の特定のプ
ーリ歯に、動力伝達ベルト20の或るベルト歯が噛合し
て、動力伝達ベルト20が21回転した後、動力伝達ベ
ルト20の同一のベルト歯が再び駆動プーリ12の特定
のプーリ歯に噛合する。すなわち駆動プーリ12のプー
リ歯と動力伝達ベルト20のベルト歯との組合せは動力
伝達ベルト20が21回転して一周期となる。
【0030】以上の第1の実施形態を適用した動力伝達
装置の応用例では、駆動プーリ12のプーリ歯と動力伝
達ベルト20のベルト歯との組合せの周期が、プーリ歯
の歯数とベルト歯の歯数とが素数の関係にない場合に比
べ長くなる。このため、同一のプーリ歯と同一のベルト
歯とが噛合することにより生じる共振現象の周期が長く
なり、共振現象がさらに回避できる。
【0031】図9を参照して第2の実施形態について説
明する。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、動力伝達ベルトの製造方法において、図5に示す歯
布と心線24とが巻き付けられた金型70の周囲に巻き
付けられる組合せシートの構成であり、その他の点は同
様である。以下異なる点についてのみ説明する。
【0032】組合せシート45を構成する複数のシート
は、8枚の第1のゴムの小シートG5〜G12と4枚の
第2のゴムの小シートH3〜H6である。第1のゴムの
小シートG5〜G12では、小シートG5の幅は小シー
トG7の幅より短く、小シートG7の幅は小シートG9
の幅より短く、さらに小シートG9の幅は小シートG1
1の幅より短い。また同様に小シートG6の幅は小シー
トG8の幅より短く、小シートG8の幅は小シートG1
0の幅より短く、さらに小シートG10の幅は小シート
G12の幅より短い。第2のゴムの小シートH3〜H6
では、小シートH3の幅は小シートH4の幅より長く、
小シートH4の幅は小シートH5の幅より長く、小シー
トH5は小シートH6の幅より長い。
【0033】1つ目の組合せシート37として第1のゴ
ムの小シートG5と小シートG6の間に、第2のゴムの
小シートH3が配置される。この組合せシート37の幅
はベルト周長M0であり、その長さ(図9の紙面に垂直
な方向)はモールド長M10(図4参照)である。同様
に2つ目の組合せシート39として第1のゴムの小シー
トG7と小シートG8の間に第2のゴムの小シートH4
が配置され、3つ目の組合せシート41として第1のゴ
ムの小シートG9と小シートG10の間に、第2のゴム
の小シートH5が配置され、また4つ目の組合せシート
43として第1のゴムの小シートG11と小シートG1
2の間に第2のゴムの小シートH6が配置される。これ
らの組合せシート39、41、43の幅はベルト周長M
0であり、その長さはモールド長M10である。
【0034】以上の組合せシート37〜41を重ねあわ
せることにより組合せシート45が構成される。この組
合せシート45の幅はベルト周長M0であり、その長さ
(図9の紙面に垂直な方向)はモールド長M10(図4
参照)である。この組合せシート45では第1のゴムの
みから成る部位A1’と第2のゴムのみから成る部位A
2’と第1および第2のゴムから成る部位A3’とが形
成される。これらの部位A1’、A2’、A3’はそれ
ぞれ第1、第2および第3のベルト部A1、A2、A3
(図2参照)に対応している。ただし第2の実施形態で
は第1、第2および第3のベルト部A1、A2、A3の
ベルト周方向の長さが第1の実施形態のものと異なる。
【0035】以上の第2の実施形態においても、動力伝
達ベルトが第1、第2および第3のベルト部A1、A
2、A3から成り、ベルト周方向に沿って不均一な単位
重量を有するため、この動力伝達ベルトを用いた動力伝
達装置では、動力伝達ベルトのスパン間の単位重量が経
時的に変化する。これにより横固有振動数fsが経時的
に変化し、この固有振動数fsとプーリ噛合周波数fn
とが一致し難く、共振現象が回避される。したがって動
力伝達ベルト20には繰り返し荷重が作用せず、動力伝
達ベルト20の耐久性が向上する。また動力伝達ベルト
20の騒音も削減される。
【0036】図10を参照して第3の実施形態について
説明する。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、動力伝達ベルトの製造方法において、図5に示す歯
布と心線24とが巻き付けられた金型70の周囲に巻き
付けられる組合せシートの構成であり、その他の点は同
様である。以下異なる点についてのみ説明する。
【0037】組合せシート47を構成する複数のシート
は、第1のゴムのシートG13と第2のゴムのシートH
7である。この第1および第2のゴムのシートG13、
H7は所定の型にそれぞれのゴムの原料を流し込み、加
硫成形することにより形成される。第2のゴムのシート
H7の厚さは徐々に厚くなり、その厚さが厚さW1にな
ると、徐々に薄くなる。これに対し第1のゴムのシート
G13の厚さは厚さW1から徐々に薄くなり、第2のゴ
ムのシートH7が厚さW1になる位置に対応する位置か
ら徐々に厚くなる。このシートH7にシートG13を嵌
合することにより組合せシート47が構成される。この
組合せシート47の幅はベルト周長M0であり、その長
さ(図10の紙面に垂直な方向)は図4に示すモールド
長M10である。また組合せシート47の全ての部位が
第1および第2のゴムから成り、このシートの幅方向す
なわちベルト周方向に沿って、第1のゴムと第2のゴム
の割合が変化する。
【0038】組合せシート47の第2のゴムのシートH
7側が図5に示す心線24に接するように、組合せシー
ト47は金型70に巻き付けられた心線24の周囲に巻
き付けられる。その状態の金型70が対になる型に嵌め
込まれ、それを加熱および加圧することにより成形体が
成形される。
【0039】以上の第3の実施形態の動力伝達ベルトで
は、歯面側に第2のゴムが存在し、背面側に第1のゴム
が存在する。そして第1および第2のゴムの割合がベル
ト周方向に沿って徐々に変化し、したがって動力伝達ベ
ルトの単位重量がベルト周方向に沿って徐々に変化す
る。このため、この動力伝達ベルトを用いた動力伝達装
置では、動力伝達ベルトのスパン間の単位重量が経時的
に変化する。これにより横固有振動数fsが経時的に変
化し、この固有振動数fsとプーリ噛合周波数fnとが
一致し難く、共振現象が回避される。したがって動力伝
達ベルト20には繰り返し荷重が作用せず、動力伝達ベ
ルト20の耐久性が向上する。また動力伝達ベルト20
の騒音も削減される。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、動力伝達
ベルトの共振現象を回避することにより、ベルトの耐久
性が向上され、ベルトにより生じる騒音が低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の動力伝達ベルトを用いた内燃
機関の動力伝達装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態の動力伝達ベルトを示す斜視図
である。
【図3】図2に示す矢印Bの範囲の動力伝達ベルトを拡
大した図である。
【図4】動力伝達ベルトを製造するための金型を示す図
である。
【図5】動力伝達ベルトの製造工程を示す図である。
【図6】動力伝達ベルトの成形体を示す図である。
【図7】動力伝達ベルトの基材となるゴムの大シートを
示す図である。
【図8】第1のゴムの小シートと第2のゴムの小シート
とを組合せた組合せシートを示す図である。
【図9】第2の実施形態に用いられる第1のゴムの小シ
ートと第2のゴムの小シートとを組合せた組合せシート
を示す図である。
【図10】第3の実施形態に用いられる第1のゴムの小
シートと第2のゴムの小シートとを組合せた組合せシー
トを示す図である。
【符号の説明】
20 動力伝達ベルト A1 第1のベルト部 A2 第2のベルト部 A3 第3のベルト部 H1、H2 第2のゴムの小シート G1、G2、G3、G4 第1のゴムの小シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に設けられる複数の機器間にお
    いて、回転を伝達するための動力伝達ベルトであって、
    この動力伝達ベルトの少なくとも一部が、第1の基材と
    この第1の基材よりもベルト周方向の単位長さ当たりの
    重量が小さい第2の基材とにより形成され、この動力伝
    達ベルトの歯面側または背面側の何れか一方に前記第1
    の基材が配置され、他方に前記第2の基材が配置される
    ことを特徴とする動力伝達ベルト。
  2. 【請求項2】 前記動力伝達ベルトのベルト周方向に沿
    って、前記第1の基材と前記第2の基材の割合が徐々に
    変化することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ベ
    ルト。
  3. 【請求項3】 内燃機関に設けられる複数の機器間にお
    いて、回転を伝達するための動力伝達ベルトであって、
    第1の基材により構成される第1のベルト部と、前記第
    1の基材よりもベルト周方向の単位長さ当たりの重量が
    小さい第2の基材により構成される第2のベルト部と、
    前記第1の基材と前記第2の基材とにより構成される第
    3のベルト部とを有することを特徴とする動力伝達ベル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記第3のベルト部では、前記動力伝達
    ベルトの歯面側または背面側の何れか一方に前記第1の
    基材が設けられ、他方に前記第2の基材が設けられるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の動力伝達ベルト。
  5. 【請求項5】 複数のベルト歯を有する動力伝達ベルト
    と、前記ベルト歯の歯数と素数の関係にある歯数のプー
    リ歯を有する駆動プーリと、前記駆動プーリとともに前
    記動力伝達ベルトにより巻回され、前記駆動プーリの回
    転を伝達される従動プーリとを備えることを特徴とする
    動力伝達装置。
JP10369968A 1998-12-25 1998-12-25 動力伝達ベルトおよび動力伝達装置 Withdrawn JP2000193037A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005332460A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Fuji Photo Film Co Ltd サーボライタ
EP3719351A1 (en) 2019-04-05 2020-10-07 Leys A belt drive system for reducing mechanical vibrations

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