JP2000192989A - 摩擦部材、ディスク組立体及びトルクコンバ―タ - Google Patents

摩擦部材、ディスク組立体及びトルクコンバ―タ

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JP2000192989A
JP2000192989A JP10369804A JP36980498A JP2000192989A JP 2000192989 A JP2000192989 A JP 2000192989A JP 10369804 A JP10369804 A JP 10369804A JP 36980498 A JP36980498 A JP 36980498A JP 2000192989 A JP2000192989 A JP 2000192989A
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turbine
friction member
fluid
friction
impeller
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Hiroshi Takashima
博 高島
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Exedy Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H2045/005Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches comprising a clutch between fluid gearing and the mechanical gearing unit

Abstract

(57)【要約】 【課題】流体室内で回転可能な円板状の摩擦部材におい
て、回転に伴う流体の圧力低下を抑える。 【解決手段】1対の摩擦フェーシング41,42は、そ
れぞれ中心に孔を有し中心軸まわりに回転可能な円板状
の部材である。環状摩擦面41a,42aには、それぞ
れ、内周端から外周端まで貫通し途中に曲部を持つ溝9
0が複数形成されている。溝90の曲部は屈曲してお
り、外周溝90aと内周溝90bとからなる、摩擦フェ
ーシング41,42の回転方向に向かって開いたV字型
をしている。軸方向面に形成された溝が曲部を有するた
め、流体が溝沿いに流れにくい。その結果、摩擦部材が
回転しても流体の圧力低下が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中心に孔を有し、
中心軸まわりに回転可能な円板状の摩擦部材に関する。
【0002】別の見地にかかる本発明は、内部に流体が
充填された流体室内において作動する摩擦部材組立体に
関する。
【0003】さらに別の見地にかかる本発明は、トルク
を入力回転体から出力回転体に伝達するためのディスク
組立体に関する。
【0004】さらに別の見地にかかる本発明は、入力回
転体からのトルクを流体によって出力回転体に伝達する
ためのトルクコンバータに関する。
【0005】
【従来の技術】トルクコンバータは、エンジンからのト
ルクを流体によってトランスミッションに伝達するため
の装置である。トルクコンバータは、エンジンからのト
ルクが入力されるフロントカバーと、フロントカバーの
トランスミッション側に配置されフロントカバーととも
に流体室を構成するインペラーと、流体室内においてイ
ンペラーに対向しインペラーとともに流体作動室を構成
するタービンと、インペラーとタービンとの内周部側に
配置され、タービンからインペラーに流れる流体の流れ
を整流するためのステータと、フロントカバーとタービ
ンとの軸方向間に配置されタービンからのトルクをトラ
ンスミッションに伝達及び遮断可能な動力遮断クラッチ
とを備えている。
【0006】動力遮断クラッチは、エンジンに連結され
た1対のドライブプレートと、1対のドライブプレート
を駆動するピストンと、中心軸まわりに回転する円板状
のドリブンプレートと、ドリブンプレートの軸方向両面
に固定的に連結された1対の摩擦フェーシングとを含
む。ここで、1対のドライブプレートは、タービンに連
結され、軸方向両側からドリブンプレートと1対の摩擦
フェーシングとを挟持している。さらにドリブンプレー
トは、トランスミッションに連結されている。
【0007】1対の摩擦フェーシングは、中心に孔を有
し、中心軸まわりに回転可能な円板状の部材である。1
対の摩擦フェーシングの、ドリブンプレートに固定され
ていない方の面には、複数の溝が形成されている。この
複数の溝は、図7に示すように、ある直径と平行な第1
の方向に延びる複数の溝と、前記第1の方向と直交する
第2の方向に延びる複数の溝とからなる。
【0008】トルクコンバータが作動すると、流体室内
の流体は遠心力を受けて外周方向に移動する。この時、
1対のドライブプレートとドリブンプレートとの間を通
る流体の速度は、フロントカバーとエンジン側のドライ
ブプレートとの間を通る流体の速度よりも速くなる。特
に、ドリブンプレートの軸方向両面に固定されている摩
擦フェーシングの面が流体の流れの方向と一致している
時、流体は当接面に設けられた溝を通って外周側に流れ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】クラッチの連結が解除
される時、ピストンのトランスミッション側の流体の圧
力が下がり、これによってピストン及びピストンに近接
しているドライブプレートは、もう一方のドライブプレ
ート及びドリブンプレートから引き離される。この時、
1対のドライブプレートとドリブンプレートとの間を流
れる流体の速度は、エンジン側のドライブプレートとフ
ロントカバーとの間の流体の速度及びピストンのトラン
スミッション側の流体の速度よりも速い。このため、1
対のドライブプレートとドリブンプレートとの間の流体
の圧力が低くなる。この結果、1対のドライブプレート
がドリブンプレートに引きこまれ、クラッチの切れが悪
くなり、トランスミッションにドラッグトルクが伝達さ
れる。
【0010】本発明の目的は、流体室内で回転可能な円
板状の摩擦部材において、回転に伴う流体の圧力低下を
抑えることにある。
【0011】別の見地に係る本発明の目的は、前述のよ
うな摩擦部材と摩擦部材が連結されたプレートを含み、
流体室内に配置される摩擦部材組立体を得ることにあ
る。
【0012】さらに別の見地に係る本発明の目的は、ト
ルクを入力回転体から出力回転体に伝達するためのディ
スク組立体であって、前述のような摩擦部材組立体を含
むディスク組立体を得ることにある。
【0013】さらに別の見地に係る本発明の目的は、ト
ルクを入力回転体から出力回転体に伝達するためのトル
クコンバータであって、前述のようなディスク組立体を
含むトルクコンバータを得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の摩擦部
材は、中心に孔を有し、中心軸まわりに回転可能な円板
状である。軸方向に対向する面のうちの少なくとも一方
は、内周端から外周端まで貫通し途中に曲部を持つ溝を
複数有する。
【0015】請求項2に記載の摩擦部材は、請求項1に
記載の摩擦部材であって、溝の曲部は屈曲している。
【0016】請求項3に記載の摩擦部材は、請求項2に
記載の摩擦部材であって、溝が摩擦部材の回転方向に開
いたV字型である。
【0017】請求項4に記載の摩擦部材組立体は、内部
に流体が充填された流体室内に配置される摩擦部材組立
体である。摩擦部材組立体は、円板状のプレートと、請
求項1乃至3のいずれかに記載の摩擦部材からなる第1
摩擦フェーシングとを含む。円板状のプレートは、流体
室内で中心軸まわりに回転する。第1摩擦フェーシング
は、プレートの外周部において軸方向面の少なくとも一
方に固定的に連結されている。
【0018】請求項5に記載の摩擦部材組立体は、請求
項4に記載の摩擦部材組立体であって、プレートの外周
部において、軸方向面のもう一方に、固定的に連結され
た請求項1乃至3に記載のいずれかに記載の摩擦部材か
らなる第2摩擦フェーシングをさらに含んでいる。
【0019】請求項6に記載のディスク組立体は、トル
クを入力回転体から出力回転体に伝達するためのディス
ク組立体である。ディスク組立体は、請求項4または5
に記載の摩擦部材組立体と、摩擦部材組立体を軸方向両
側から挟持する挟持機構と、挟持機構を駆動する駆動機
構とを含んでいる。摩擦部材組立体は、入力回転体及び
出力回転体のいずれか一方に連結され、挟持機構は入力
回転体及び出力回転体のいずれかもう一方に連結されて
いる。
【0020】請求項7に記載のトルクコンバータは、入
力回転体からのトルクを出力回転体に伝達するためのト
ルクコンバータである。トルクコンバータは、入力回転
体からのトルクが入力されるフロントカバーと、インペ
ラーと、タービンと、ステータと、動力遮断クラッチと
を備えている。インペラーは、フロントカバーの出力回
転体側に配置され、フロントカバーとともに流体室を構
成する。タービンは、流体室内においてインペラーに対
向しインペラーとともに流体作動室を構成する。ステー
タは、インペラーとタービンの内周部側に配置され、タ
ービンからインペラーに流れる流体の流れを整流する。
動力遮断クラッチは、フロントカバーとタービンとの軸
方向間に配置され、タービンからのトルクを出力回転体
に伝達及び遮断可能である。動力遮断クラッチは請求項
6に記載のディスク組立体を含み、挟持機構はタービン
に連結され、プレートは出力回転体に連結されている。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態とし
てのトルクコンバータ1を示している。O−Oはトルク
コンバータ1の回転軸線である。トルクコンバータ1
は、車両のエンジンとトランスミッションとの間に配置
され、エンジンからのトルクを流体によってトランスミ
ッションに伝達するための装置である。より具体的に
は、トルクコンバータ1は、入力回転体の一例としての
エンジンのクランクシャフト5から、出力回転体の一例
としてのトランスミッションのメインドライブシャフト
3にトルクを伝達する。
【0022】トルクコンバータ1は、主にフロントカバ
ー6と、インペラー14と、タービン15と、ステータ
20と、動力遮断クラッチ2とを含んでいる。フロント
カバー6には、エンジンのクランクシャフト5からトル
クが入力されるようになっている。インペラー14は、
フロントカバー6のトランスミッション側に配置され、
フロントカバー6とともに流体室を構成している。ター
ビン15は、流体室内においてインペラー14に対向
し、インペラー14とともに流体作動室を構成してい
る。ステータ20は、インペラー14とタービン15と
の内周部側に配置され、タービン15からインペラー1
4に流れを整流する。動力遮断クラッチ2は、フロント
カバー6とタービン15との軸方向間に配置され、ター
ビン5からのトルクをトランスミッションに伝達及び遮
断することができる。
【0023】フロントカバー6は、エンジン側に配置さ
れた円板状の部材である。フロントカバー6の内周部に
はハブ7が溶接により固定されている。ハブ7は中心部
分11とその外周からトランスミッションに延び側に延
びる筒状部12とから主に構成されている。フロントカ
バー6の外周部には軸方向トランスミッション側に延び
る筒状の外周壁10が形成されている。
【0024】インペラー14は、主にインペラーシェル
8、ブレード13及びインペラーハブ9から構成されて
いる。インペラーシェル8の外周縁はフロントカバー6
の外周壁10の先端に固定されている。複数のブレード
13は、インペラーシェル8の流体室内側に設けられて
いる。インペラーシェルの内周縁にはインペラーハブ9
が固定されている。インペラーハブ9は軸方向トランス
ミッション側に延びる筒形状である。
【0025】タービン15は、流体室内においてインペ
ラー14に対向する位置に配置されている。タービン1
5は、タービンシェル16とタービンシェル16に固定
された複数のタービンブレード17とから主に構成され
ている。タービン15は後述の動力遮断クラッチ2にト
ルクを出力するようになっている。タービンシェル16
の内周部は複数のリベット19によりタービンハブ18
に固定されている。タービンハブ18は環状の部材であ
り、図3に示すようにブッシュを介してメインドライブ
シャフト3に回転自在に支持されている。
【0026】ステータ20は、インペラー14とタービ
ン15との内周部側に配置されており、キャリア21と
キャリア21に設けられた複数のブレード22とから主
に構成されている。ステータ20は、タービン15から
インペラー14に流れる作動油を整流するためのもので
ある。ステータ20はワンウェイクラッチ25を介して
固定シャフト4に支持されている。固定シャフト4は、
インペラーハブ9の内周側に配置された筒状の部材であ
り、トランスミッションのフロントカバー(図示せず)
に固定されている。以上に述べたインペラー14、ター
ビン15及びステータ20により、流体が作動すること
でトルクが伝達されるトーラス形状の流体作動室79が
形成されている。
【0027】ステータ20のキャリア21やワンウェイ
クラッチ25は、インペラーハブ9とタービンハブ18
との軸方向間に支持されて配置されると共に、両部材と
の間に半径方向に貫通する流体通路として機能する隙間
23,24をそれぞれ確保している。ステータ20とイ
ンペラーハブ9との間の隙間23は、インペラーハブ9
と固定シャフト4との間の第1油路27に連通してい
る。ステータ20とタービンハブ18との間の隙間24
は、固定シャフト4とメインドライブシャフト3との間
に形成された第2油路28に連通している。第1油路2
7及び第2油路28は、軸方向に環状に延び、トルクコ
ンバータ1の流体作動室79から作動油が排出されるた
めの油路である。第1及び第2油路27,28は、オイ
ルポンプ、コントロールバルブや各種油路からなる油圧
作動機構(図示せず)に連通している。
【0028】動力遮断クラッチ2は、トルクコンバータ
1の出力部材であるタービン15とメインドライブシャ
フト3とのトルク伝達経路間に配置されたクラッチであ
り、つまりトルクコンバータ1の流体によるトルク伝達
部と直列に配置されている。具体的には、動力遮断クラ
ッチ2は、流体室内においてフロントカバー6の円板状
部分とタービン15との軸方向間に配置されている。動
力遮断クラッチは、1対のドライブプレート34,35
とピストン36とドリブンプレート33と1対の摩擦フ
ェーシング41,42とから主に構成されている。
【0029】本実施例では、ピストン36のトランスミ
ッション側には入力プレート32がタービン15のエン
ジン側に近接して配置されている。入力プレート32
は、円板状または環状の部材であり、内周部がリベット
19によりタービンハブ18に固定されている。これに
より、入力プレート32,タービンハブ18及びタービ
ン15は、一体回転する構成となっており、ブッシュを
介してメインドライブシャフト3に回転自在に支持され
ていることになる。入力プレート32には、外周縁にエ
ンジンに向かって延びる筒状部39が形成されている。
筒状部39の内周側には、断面が軸方向にストレートな
内周面39aがタービン15側に形成され、複数の歯4
5がさらにエンジン側に形成されている。歯45は円周
方向に複数形成され、それぞれが軸方向に延びている。
【0030】1対のドライブプレート34,35は、タ
ービン15に連結されており、エンジンからのトルクを
受けるようになっている。1対のドライブプレート3
4,35は、エンジン側に配置された第1ドライブプレ
ート34と、トランスミッション側に配置された第2ド
ライブプレート35とから構成されている。1対のドラ
イブプレート34,35は筒状部39の内周側に配置さ
れている。第1ドライブプレートには筒状部39の歯4
5に係合する歯43が外周縁に形成されている。これに
より、第1ドライブプレート34は入力プレート32に
対して相対回転不能かつ軸方向に移動可能となってい
る。第1ドライブプレート34には、軸方向トランスミ
ッション側に延びる複数の突起44が内周部に形成され
ている。各突起44は後述のピストン36に形成された
複数の凹部46内に挿入されている。
【0031】第2ドライブプレート35は、第1ドライ
ブプレート34に対向して軸方向エンジン側に配置され
た環状のプレート部材である。第2ドライブプレート3
5の内周部は第1ドライブプレート34の内周部付近ま
で延びている。第2ドライブプレート35は、筒状部3
9の歯45に係合する外周歯47を有している。これに
より第2ドライブプレート35は入力プレート32と一
体回転するようになっている。
【0032】第2ドライブプレート35の軸方向エンジ
ン側の外周縁には、スナップリング37が当接されてい
る。スナップリング37は第2ドライブプレート35が
軸方向エンジン側に移動するのを妨げるための部材であ
り、ピストン36による荷重を支持するための部材であ
る。スナップリング37は筒状部39の先端側すなわち
軸方向エンジン側の内周面に固定されている。具体的に
は、スナップリング37は外周部が歯45に形成された
環状の溝52に嵌め込まれている。スナップリング37
は第2ドライブプレート35の外周部のみに当接してお
り、ピストン36の押圧面49と軸方向平面視で互いに
重なる環状部分を有している。
【0033】ピストン36は、1対のドライブプレート
34,35を駆動するためのものである。ピストン36
は環状かつ円板状の部材であり、入力プレート32の円
板状部分のフロントカバー6側かつ第1ドライブプレー
ト34のトランスミッション側に近接して配置されてい
る。ピストン36は外周面36aが入力プレート32の
筒状部39の内周面39aに支持されている。ピストン
36の外周面36aには環状の溝が形成されその中には
Oリング40が配置されている。Oリング40は内周面
39aに当接することでその軸方向両側をシールしてい
る。ピストン36の内周面36bは後述のドリブンハブ
54のフランジ56の外周面56aに軸方向に移動可能
に支持されている。外周面56aには環状の溝が形成さ
れその中にOリング38が配置されている。Oリング3
8はピストン36の内周面36bに当接しその軸方向両
側をシールしている。このようにピストン36は、外周
面36aが入力プレート32にシール状態で支持されさ
らに内周面36bがドリブンハブ54にシール状態で支
持され、軸方向に摺動しながら移動可能となっている。
【0034】ピストン36の外周部で軸方向エンジン側
面には、押圧面49が形成されている。押圧面49は、
平坦かつ環状の面であり、ピストン36の内周側部分に
比べてクラッチ第1ドライブプレート34側に突出して
いる。ピストン36の入力プレート32側には環状かつ
平坦な当接面50が形成されている。当接面50はピス
トン36の外周部分より軸方向トランスミッション側に
突出している。従って、図2に示すようにピストン36
が最も入力プレート32側に移動した状態で、当接面5
0は入力プレート32の環状平坦面32aに当接してい
る。
【0035】ピストン36の軸方向エンジン側面のほぼ
中間部には、複数の凹部46が形成されている。凹部4
6の円周方向両端には、第1ドライブプレート34の突
起44の円周方向両端が当接するようになっており、こ
れにより両部材は一体回転するようになっている。すな
わち第1ドライブプレート34とピストン36との間に
は相対回転が生じない。
【0036】ドリブンプレート33は、フロントカバー
6とインペラー14によって形成された流体室内におい
て中心軸O−Oまわりに回転する円板状の部材である。
ドリブンプレート33の外周部は1対のドライブプレー
ト34,35の軸方向間に位置している。ドリブンプレ
ート33の内周部はピストン36の内周部よりさらに半
径方向内側に延び、ドリブンハブ54のフランジ56の
軸方向エンジン側かつハブ7の環状部12の外周に位置
している。ドリブンプレート33の内周部においてピン
57に対応する部分には軸方向に孔58が形成されてい
る。孔58内にはピン57が挿入され、両者は係合して
いる。これにより、ドリブンプレート33はドリブンハ
ブ54に相対回転可能かつ軸方向移動自在に支持されて
いることになる。すなわちドリブンプレート33のトル
クはピン57を介してドリブンハブ54に伝達される。
【0037】ドリブンハブ54はメインドライブシャフ
ト3に直接トルクを出力するための部材である。ドリブ
ン54はタービンハブ18の軸方向エンジン側に配置さ
れている。ドリブンハブ54は筒状部55と筒状部55
の軸方向トランスミッション側端から外周側に延びるフ
ランジ56とから構成されている。筒状部55はメイン
ドライブシャフト3の外周面と中心部分11の筒状部1
2との間に配置されている。筒状部55の内周面にはメ
インドライブシャフト3の先端外周面に形成されたスプ
ライン65に係合するスプラインが形成されている。こ
れにより、ドリブンハブ54はメインドライブシャフト
3と一体回転する。すなわちドリブンプレート33のト
ルクはドリブンハブ54を通じてトランスミッションの
メインドライブシャフト3に伝達されるようになってい
る。ドリブンハブ54のフランジ56には外周面56a
が形成されている。外周面56aは内周面39aに対向
している。
【0038】ドリブンプレート33は、外周部の1対の
ドライブプレート34,35に対応する位置において軸
方向両面に固定的に連結された1対の摩擦フェーシング
41,42を備えている。この1対の摩擦フェーシング
41,42は、ドリブンプレート33と1対のドライブ
プレート34,35との間の環状摩擦面41a,42a
をそれぞれ含んでいる。1対の摩擦フェーシング41,
42は、それぞれ中心に孔を有し中心軸まわりに回転可
能な円板状の部材である。環状摩擦面41a,42aに
は、それぞれ、内周端から外周端まで貫通し途中に曲部
を持つ溝90が複数形成されている。図4に示すよう
に、本実施例における溝90の曲部は、摩擦フェーシン
グ41,42の回転方向R1に向かって開いたV字型と
なるよう屈曲しており、外周溝90aと内周溝90bと
を含んでいる。
【0039】ピストン36は入力プレート32の円板状
部分との間に油圧作用空間74(油圧室)を形成してい
る。また、ドリブンハブ54(特にフランジ56)と入
力プレート32及びタービンハブ18との軸方向間には
所定の隙間が確保されている。具体的には、フランジ5
6の外周部と入力プレート32の最内周縁部との間には
第1隙間91が確保され、フランジ56の内周部とター
ビンハブ18との間には第2隙間92が確保されてい
る。第1隙間91と第2隙間92はワッシャー61の切
欠き61aを介して連通している。油圧作用空間74
は、内周部がタービンハブ18とドリブンハブ54との
間の軸方向間の隙間(61,91,92)を通って、開
口部72を通ってメインドライブシャフトの第1通路7
0に連通している。第1通路70は油圧作用空間74の
油圧を変化させることでピストン36を軸方向に移動さ
せるための通路である。
【0040】メインドライブシャフト3に形成された第
2通路71は、軸方向先端まで貫通し、ハブ7の中心部
分11との間の空間75に連通している。空間75は、
フロントカバー6と動力遮断クラッチ2との間の軸方
向、軸方向空間77に連通している。軸方向空間77
は、動力遮断クラッチ2とフロントカバー6の外周壁1
0との間の空間80と連通している。空間80は流体作
動室79の外周部すなわちインペラー14出口とタービ
ン15入口との間の隙間から流体作動室79に連通して
いる。このようにして、第2通路71から供給された作
動油は動力遮断クラッチ2の軸方向エンジン側を通って
トルクコンバータ1の流体作動室79内に流入する。流
体作動室79内の作動油は前述の第1及び第2油路2
7,28を通って排出される。このようにして、トルク
コンバータ1全体において作動油が循環する。
【0041】次に動作について説明する。動力遮断クラ
ッチ2によるクラッチ解除に際しては、図示しない油圧
作動機構により第1通路70から油圧作用空間74内の
作動油がドレンされる。すると、油圧作用空間74内の
油圧が下がり、、軸方向空間77の油圧が相対的に大き
くなるため、ピストン36は軸方向トランスミッション
方向の圧力を受ける。この時、図4に示すように摩擦フ
ェーシング41,42近傍を流れる作動油は外周溝90
aを半径方向内側R2に、内周溝90bを半径方向外側
R3に向かって流れる。これらの流れは溝90の中心部
でぶつかるため、摩擦フェーシング41,42の環状摩
擦面41a,42aの溝90に沿って流れる流れは生じ
ないことになる。従って、摩擦フェーシング41,42
とドライブプレート34,35との間の流体の油圧低下
を抑えることができ、ピストン36のドリブンプレート
33方向への引き込みを防ぐことができる。この結果、
ドラッグトルクの発生を抑えることができる。(図5参
照) (他の実施形態)摩擦フェーシング41,42の環状摩
擦面41a,42aの溝90における外周溝90aと内
周溝90bとのなす角は、180°未満の範囲で、より
大きくすることが可能である。
【0042】摩擦フェーシング41,42の環状摩擦面
41a,42aの溝93は、図6に示すように曲部を2
つ持つ形状でもよい。
【0043】本発明は、トルクコンバータの動力遮断ク
ラッチのみならず、ロックアップクラッチにも採用でき
る。さらに、本発明はトルクコンバータに限定されず、
トランスミッションの湿式多板クラッチ等他のクラッチ
にも採用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る摩擦部材によれば、軸方向
面に形成された溝が曲部を有するため、流体が溝沿いに
流れにくい。その結果、摩擦部材近傍を流れる流体の圧
力低下を抑えることができる。
【0045】さらに本発明によれば、前述のような摩擦
部材を有する摩擦部材組立体を得ることができる。
【0046】さらに本発明によれば、前述のような摩擦
部材組立体を有するディスク組立体を得ることができ
る。
【0047】さらに本発明によれば、前述のようなディ
スク組立体を有するトルクコンバータを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのトルクコンバータ
の縦断面概略図。
【図2】図1の動力遮断クラッチ外周部拡大図。
【図3】図1の動力遮断クラッチ内周部拡大図。
【図4】摩擦フェーシングの環状摩擦面の正面図。
【図5】環状摩擦面の溝形状によるドラッグトルクの発
生量比較図。
【図6】本発明の他の実施形態による摩擦フェーシング
の、図4に相当する図。
【図7】従来の摩擦フェーシングの図4に相当する図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 動力遮断クラッチ 3 メインドライブシャフト 6 フロントカバー 14 インペラー 15 タービン 20 ステータ 32 入力プレート 33 ドリブンプレート 34 第1ドライブプレート 35 第2ドライブプレート 36 ピストン 41、42 摩擦フェーシング 41a,42a 環状摩擦面 90 溝 90a 外周溝 90b 内周溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心に孔を有し、中心軸まわりに回転可能
    な円板状で、 軸方向に対向する面のうちの少なくとも一方が、内周端
    から外周端まで貫通し途中に曲部を持つ溝を複数有す
    る、 摩擦部材。
  2. 【請求項2】前記溝の前記曲部は屈曲している、請求項
    1に記載の摩擦部材。
  3. 【請求項3】前記溝は、前記摩擦部材の回転方向に向か
    って開いたV字型である、請求項2に記載の摩擦部材。
  4. 【請求項4】内部に流体が充填された流体室内に配置さ
    れる摩擦部材組立体であって、 前記流体室内で中心軸まわりに回転する円板状のプレー
    トと、 前記プレートの外周部において軸方向面の少なくとも一
    方に固定的に連結された請求項1乃至3のいずれかに記
    載の摩擦部材からなる第1摩擦フェーシングと、 を含む摩擦部材組立体。
  5. 【請求項5】前記プレートは外周部に、軸方向面のもう
    一方に固定的に連結された請求項1乃至3のいずれかに
    記載の摩擦部材からなる第2摩擦フェーシングをさらに
    含む、請求項4に記載の摩擦部材組立体。
  6. 【請求項6】トルクを入力回転体から出力回転体に伝達
    するためのディスク組立体であって、 前記入力回転体及び前記出力回転体のいずれか一方に連
    結された請求項4または5に記載の摩擦部材組立体と、 前記入力回転体及び前記出力回転体のいずれかもう一方
    に連結された、前記摩擦部材組立体を軸方向両側から挟
    持する挟持機構と、 前記挟持機構を駆動する駆動機構と、 を備えたディスク組立体。
  7. 【請求項7】入力回転体からのトルクを流体によって出
    力回転体に伝達するためのトルクコンバータであって、 前記入力回転体からのトルクが入力されるフロントカバ
    ーと、 前記フロントカバーの前記出力回転体側に配置され、前
    記フロントカバーとともに流体室を構成するインペラー
    と、 前記流体室内において前記インペラーに対向し前記イン
    ペラーとともに流体作動室を構成するタービンと、 前記インペラーと前記タービンとの内周部側に配置さ
    れ、前記タービンから前記インペラーに流れる流体の流
    れを整流するためのステータと、 前記フロントカバーと前記タービンとの軸方向間に配置
    され、前記タービンからのトルクを前記出力回転体に伝
    達及び遮断可能な動力遮断クラッチとを備え、 前記動力遮断クラッチは請求項6に記載のディスク組立
    体を含み、前記挟持機構は前記タービンに連結され、前
    記プレートは前記出力回転体に連結されている、トルク
    コンバータ。
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