JP2000192185A - アルミニウム合金焼結体およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金焼結体およびその製造方法

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JP2000192185A
JP2000192185A JP10369847A JP36984798A JP2000192185A JP 2000192185 A JP2000192185 A JP 2000192185A JP 10369847 A JP10369847 A JP 10369847A JP 36984798 A JP36984798 A JP 36984798A JP 2000192185 A JP2000192185 A JP 2000192185A
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aluminum alloy
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Katsuyoshi Kondo
勝義 近藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度、高ヤング率および高い曲げ強さを有
するアルミニウム合金焼結体とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アルミニウム合金焼結体は、素地となる
アルミニウム合金粒子と、そのアルミニウム合金粒子の
表面に形成されたAlN (窒化アルミニウム) 層と、素
地中に分散するAlN粒子とを備えている。ロックウェ
ルAスケールによる硬度が50HRA以上80HRA以
下であり、ヤング率が100GPa以上130GPa以
下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム合金焼
結体およびその製造方法に関し、特に、高硬度、高ヤン
グ率および高い曲げ強さを有するアルミニウム合金焼結
体およびその製造方法に関するものである。本アルミニ
ウム合金焼結体では、高負荷が作用する部品に使用して
も変形および欠損などが生じることがなく、さらに軽量
であることにより、鉄系部品との代替が可能であり、た
とえば、内燃機関の動弁機構においてピストンとコンロ
ッドとを接続するために用いられるピストンピンなどへ
適用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン用ピストンピンをはじめ
とする高負荷が作用する動弁系部品に対して、炭素鋼製
や合金製のものが主として用いられている。近年、ピス
トン周辺の慣性能力の向上、ひいてはエンジンの高出力
化、燃費改善および高回転領域における出力の消費とな
るフリクションロス低減等の実現のために、その動弁系
部品に対して軽量化のニーズが高まっている。
【0003】そのようなニーズに対して、特殊用途とし
てチタン合金製のものも用いられてきたり、窒化珪素な
どのセラミックスを適用した「ピストンピン」(特開平
5−149429号公報)も提案され、一部で実用化が
進められている。
【0004】しかしながら、チタン製やセラミックス製
では、従来使用されてきた鉄系部品に比べて高価であ
り、使用が限定されている。また、内燃機関から発生す
る出力をコンロッドを介してタイヤなどの伝達部に伝え
る際に、過大な負荷がピストンやピストンピンに加わる
ために、コンロッドとの連結部であるピストンピンには
破壊が起こりやすい。
【0005】これらの問題を解消するために、安価であ
り、かつ高硬度、高ヤング率および高曲げ強さを有する
軽量材料として、アルミニウム合金にセラミックス粒子
を分散させた複合材料が有力な候補材として考えられて
いる。
【0006】このような複合材料の製造方法の1つとし
て、たとえば、特開昭60−50138号公報には、粉
末冶金法を用いて、SiCやAlN、Al2 3 などの
セラミックス粒子をアルミニウム合金粉末に配合した混
合粉末を焼結固化することにより、セラミックス粒子分
散型アルミニウム焼結合金を製造する方法が提案されて
いる。
【0007】また、セラミックス粒子分散型アルミニウ
ム合金を得る他の方法として、特開平8−3601号公
報には、直接窒化反応法によりAlN(窒化アルミニウ
ム)を焼結体中に反応生成させる方法が提案されてい
る。この方法では、アルミニウム合金粉末を型押成形し
た圧粉成形体を窒素雰囲気中で加熱して、原料粉末中の
アルミニウム(Al)成分と雰囲気中の窒素(N)とを
反応させることにより、AlNが焼結体中に生成分散さ
れる。特にこの方法によれば、アルミニウム成分と窒素
とが反応することによってAlNが生成されるため、生
成したAlNとアルミニウム合金素地との界面には隙間
がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
セラミックス粒子をアルミニウム合金粉末に配合する方
法では、十分な時間をかけて混合処理をしても、セラミ
ックス粒子が凝集偏析するために、得られた焼結材にお
いてセラミックス粒子の均一な分散が得られない。その
結果、製品の強度が部分的に不均一となるために実用的
ではなかった。また、添加したセラミックス粒子はアル
ミニウム合金素地と反応しないために、セラミックス粒
子とアルミニウム合金素地との界面には隙間が存在し
て、高負荷が作用した際に亀裂の発生および伝播を誘発
するために、使用中に欠損しやすく実用部品への応用は
困難であった。
【0009】後者の直接窒化反応法による方法では、圧
粉成形体の表面から焼結が進行するために、焼結の進行
につれて圧粉成形体の表面の空孔が優先して減少あるい
は消滅しやすく、圧粉成形体の内部にまで窒素ガスが侵
入することができないことがあった。その結果、焼結体
の内部に多量のAlNを均一に生成分散させることが困
難であった。
【0010】さらに、後者の方法では、AlNが均一に
分散されたアルミニウム合金焼結体を製造するには、窒
素雰囲気中で長時間加熱保持することが必要となるため
に、非生産的であり実用的ではなかった。
【0011】本発明の目的は、上述した従来の問題点に
鑑みてなされたものであり、予め原料粉末に混合添加し
たAlN粒子と、直接窒化反応法により生成するAlN
とを焼結合金内部において均一に分散させて、鉄系材料
並みの機械的特性(高い硬度、高いヤング率、高い曲げ
強さ)を有したアルミニウム合金焼結体と、その製造方
法とを提供することにある。特に、本発明は、ピストン
ピンなどの動弁系部品に適用することにより、エンジン
などの性能を一層向上させることができるアルミニウム
合金焼結体を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的は、以下の
発明によって達成される。
【0013】本発明の1つの局面におけるアルミニウム
合金焼結体は、AlN(窒化アルミニウム)粒子と、窒
化反応により生成したAlN層とを含有するアルミニウ
ム合金焼結体であって、ロックウェルAスケールによる
硬度が50HRA以上80HRA以下であり、ヤング率
が100GPa以上130GPa以下である。AlN粒
子とAlN層とを合わせた全AlNの含有量が、焼結体
の全体に対して30重量%以上70重量%以下である。
AlN粒子は平均粒径3μm以上20μm以下である。
全AlNの含有量を100とするとき、全AlNに対す
るAlN粒子の含有重量比率が20以上80以下であ
る。
【0014】この焼結体は、Mg(マグネシウム)を
0.05重量%以上含有することが好ましい。
【0015】本発明の他の局面におけるアルミニウム合
金焼結体は、素地となるアルミニウム合金粒子と、その
アルミニウム合金粒子の表面に形成されたAlN(窒化
アルミニウム)層と、素地中に分散するAlN粒子とを
備え、ロックウェルAスケールによる硬度が50HRA
以上80HRA以下であり、ヤング率が100GPa以
上130GPa以下である。
【0016】そして、AlN層と前記AlN粒子とを合
わせた全AlNの含有量が、焼結体の全体に対して30
重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
【0017】また、AlN粒子の平均粒径は3μm以上
20μm以下であることが好ましい。
【0018】さらに、AlN粒子とAlN層とを合わせ
た全AlNの含有量を100とするとき、全AlNに対
するAlN粒子の含有重量比率が20以上80以下であ
ることが好ましい。
【0019】本発明のさらに他の局面におけるアルミニ
ウム合金焼結体の製造方法は、混合工程と、成形工程
と、窒化工程とを備えている。混合工程では、アルミニ
ウム合金粉末と平均粒径3μm以上20μm以下のAl
N(窒化アルミニウム)粒子とを混合して混合粉末を形
成する。成形工程では、混合粉末を圧粉成形して圧粉成
形体を形成する。窒化工程では、圧粉成形体を窒素雰囲
気中で加熱保持することによって、アルミニウム合金粉
末の旧粉末粒界にAlNを反応生成する。
【0020】窒化工程は、アルミニウム合金粒子同士を
焼結させると同時に、AlN粒子がアルミニウム合金粒
子同士の焼結を抑制することによって確保された圧粉成
形体中の空孔を窒素ガスの導入経路として、その導入経
路に窒素ガスを導くことにより、アルミニウム合金粉末
のアルミニウム成分と窒素ガスとを反応させてアルミニ
ウム合金粒子の表面にAlNを生成する工程を含んでい
ることが好ましい。
【0021】また、焼結工程における圧粉成形体を加熱
保持する温度は500℃以上580℃以下であることが
好ましい。
【0022】さらに、アルミニウム合金粉末はMg(マ
グネシウム)を0.05重量%以上含有していることが
好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明に係るアルミニウム合金焼結
体の特徴について以下に詳細に説明する。
【0024】AlNの種類について 本発明に係るアルミニウム合金焼結体中に分散するAl
Nは2種類からなることを特徴とする。その1つは原料
粉末として添加したAlN粒子であり、他の1つは直接
窒化反応法により原料のアルミニウム合金粉末中のアル
ミニウム(Al)成分と焼結雰囲気中の窒素(N)成分
とを反応させて得られるAlN層である。本アルミニウ
ム合金焼結体では、このような2種類のAlNが分散し
て存在している。
【0025】硬度およびヤング率について 本発明に係るアルミニウム合金焼結体では、ロックウェ
ルAスケールによる硬度が50HRA以上80HRA以
下であり、ヤング率は100GPa以上130GPa以
下である。ピストンピンのような動弁系部品にアルミニ
ウム合金焼結体を適用すると、高負荷が部品に作用す
る。このとき、アルミニウム合金焼結体の硬度が50H
RA未満またはヤング率が100GPa未満であれば、
部品が撓んだりあるいは部品に欠損や摩耗損傷が生じ
る。
【0026】一方、硬度が80HRA以上またはヤング
率が130GPa以上の場合では、部品には撓みや摩耗
損傷等の問題は発生しない。しかしながら、僅かな表面
傷に敏感になって、高負荷によって部品が欠損するとい
った靱性に欠ける問題が生じる。したがって、本発明に
係るアルミニウム合金焼結体では、硬度は50HRA以
上80HRA以下、ヤング率は100GPa以上130
GPa以下であることが好ましい。
【0027】AlNとその含有量について 上記の硬度およびヤング率を満足するために、焼結アル
ミニウム合金中にAlNが分散される。このような目的
を達成するためには、AlN以外にもSiC(シリコン
カーバイト)、Si3 4 (窒化珪素)、Al2
3 (アルミナ)などのセラミックスを適用することも有
効である。
【0028】しかしながら、焼結アルミニウム合金の被
削性の観点からはSiCでは硬すぎるために好ましくな
い。また、焼結アルミニウム合金の熱伝導性の観点から
は、Si3 4 、Al2 3 では十分な効果を有さな
い。
【0029】これに対して、AlNはSi3 4 、Al
2 3 に比べて高い熱伝導性を有し、かつ、アルミニウ
ム合金焼結体中に分散しても被削性を顕著に低減させる
ことはないので、分散セラミックス粒子として適切であ
る。
【0030】さらに本発明では、圧粉成形体中に適正量
のAlN粒子を予め添加分散させることにより、このA
lN粒子が焼結時における圧粉成形体表面の空孔が減少
したりまたは消滅したりするのを抑制する効果があるこ
とを見出した。本発明者は、これを用いることによっ
て、アルミニウム合金焼結体の内部にまで均一に直接窒
化反応法によるAlN層を生成分散できることを明らか
にした。
【0031】すなわち、適正な粒径のAlN粒子を事前
にアルミニウム合金粉末に適正量だけ添加混合した混合
粉末を固化して得られた圧粉成形体を焼結して焼結体を
形成する際に、旧粉末粒界に分散するAlN粒子により
顕著な焼結現象が抑制される。その結果、窒素ガスが侵
入できる連結空孔が確保されて、直接窒化反応が焼結体
の内部にまで進み、AlN層を焼結体中に均一に生成分
散させることができる。
【0032】次に、AlNの含有量について実験的に検
討したところ、アルミニウム合金焼結体中に含有するA
lN粒子と生成されたAlN層とを合わせた全AlNの
量は、焼結体の全体に対して30重量%以上70重量%
以下であり、残部がAlであることが望ましいことが判
明した。
【0033】つまり、全AlNの量が30重量%未満の
場合には、得られたアルミニウム合金焼結体の硬度また
はヤング率が上記の適正範囲の下限値を下回るために、
アルミニウム合金焼結体からなる部品が撓んだり、その
部品に欠損や摩耗損傷が生じる。
【0034】一方、全AlNの量が70重量%を超える
場合には、得られたアルミニウム合金焼結体の硬度また
はヤング率が上記の適正範囲の上限値を超えるために、
アルミニウム合金焼結体の靱性が低下する。したがっ
て、本発明に係るアルミニウム合金焼結体中の全AlN
の量は30重量%以上70重量%以下であることが望ま
しい。
【0035】以上のようにして、硬度、ヤング率および
曲げ強さなどの機械的特性の低下を招くことなく、本発
明が規定する30重量%以上70重量%以下のAlNを
含有するアルミニウム合金焼結体が得られる。
【0036】なお、上記の直接窒化反応法により生成し
たAlN層は、アルミニウムの旧粉末粒界から外方に向
かって一方向に成長した樹枝状または繊維状組織構造で
あることが特徴であり、原料粉末として予め添加した粒
状のAlN粒子と、生成したAlN層とは構造的に明確
に区別することができる。
【0037】AlN粒子の粒径および含有量について 本発明に係るアルミニウム合金焼結体では、原料のアル
ミニウム合金粉末とともに事前に添加混合されるAlN
粒子の平均粒径は、3μm以上20μm以下であること
が好ましい。平均粒径が3μm未満であれば、AlN粒
子同士が凝集および偏析するために、得られたアルミニ
ウム合金焼結体の靱性または曲げ強さが低下する。そし
て、これを解消するためには、長時間の混合攪拌処理が
必要となり生産上好ましくない。
【0038】一方、平均粒径が20μmを超えると、高
負荷が作用した際に粗大なAlN粒子とアルミニウム合
金素地との界面において亀裂の発生および伝播を誘発
し、アルミニウム合金焼結体の靱性または曲げ強さなど
の機械的特性が低下する。したがって、本発明に係るア
ルミニウム合金焼結体に添加するAlN粒子の平均粒径
は3μm以上10μm以下が好ましく、機械的特性、均
一分散性および被削性の観点からは5μm以上10μm
以下がより好ましい。
【0039】また、アルミニウム合金焼結体に含まれる
全AlNの量、すなわち予め焼結前に添加するAlN粒
子と直接窒化反応法により生成するAlN層とを合わせ
た量を100とするとき、全AlNの量に対するAlN
粒子の含有重量比率は、20以上80以下であることが
好ましい。つまり、AlN層は全AlNに対して、20
重量%以上80重量%以下であることが好ましい。
【0040】アルミニウム合金焼結体中の全AlNの量
に対して添加したAlN粒子の含有重量比率が20未満
であれば、焼結の際に圧粉成形体表面の空孔が減少した
り消滅するのを、AlN粒子が十分に抑制することがで
きない。そのため、焼結体の内部にまで均一に窒素ガス
が侵入することができなくなり、直接窒化反応が焼結体
の内部にまで進まず、AlN層を内部に均一に生成分散
することができない。
【0041】一方、全AlNに対して添加するAlN粒
子の含有重量比率が80を超える場合には、AlN粒子
とアルミニウム合金素地との界面が多くなるために亀裂
の発生および伝播を誘発する。そのため、アルミニウム
合金焼結体の靱性および曲げ強さが低下し、部品が欠損
しやすくなる。
【0042】Mg(マグネシウム)の作用効果について 直接窒化反応法によりアルミニウム合金粉末中のアルミ
ニウム成分と焼結雰囲気中の窒素とを反応させて、アル
ミニウム合金焼結体中にAlN層を生成分散させるため
には、事前にアルミニウム合金粉末中にMgを0.05
重量%以上含有させておく必要がある。Mgは、窒素雰
囲気中でアルミニウム合金粉末成形体を加圧焼結する際
に、粉末表面を覆う酸化アルミニウム被膜を還元反応に
より分解して除去する効果を有するため、窒素ガスとア
ルミニウム成分とを容易に反応させてAlN層を生成さ
せやすくすることができる。
【0043】したがって、本発明に係るアルミニウム合
金焼結体では、Mgは必須元素であり、その含有量は
0.05重量%以上である。Mgの含有量が0.05重
量%未満の場合では、Mgによる還元反応が十分に生じ
ないために、AlN層をアルミニウム合金焼結体中に均
一に生成することができない。
【0044】たとえば、粉末(Al−12重量%Si−
0.07重量%Mg)からなる圧粉成形体を窒素雰囲気
中、温度530℃で3時間加熱保持した場合には、アル
ミニウム合金焼結体中には2.2重量%のAlN層が生
成した。また、粉末(Al−12重量%Si−0.2重
量%Mg)からなる圧粉成形体を上記と同一の焼結条件
の下で加熱保持した場合には、アルミニウム合金焼結体
中には2.6重量%のAlN層が生成した。
【0045】これに対して、粉末(Al−12重量%S
i−0.02重量%Mg)からなる圧粉成形体を同一の
焼結条件の下で加熱保持したところ、得られたアルミニ
ウム合金焼結体中のAlN層の量は0.1重量%未満で
あった。この値は分析限界値以下であることから、アル
ミニウム合金焼結体中にはAlN層はほとんど生成して
いないと考えられる。
【0046】したがって、直接窒化反応法を利用してA
lN層を内部に均一に生成分散したアルミニウム合金焼
結体を製造するためには、アルミニウム合金粉末中のM
gの含有量は0.05重量%以上であることが好まし
い。
【0047】次に、本発明に係るアルミニウム合金焼結
体の製造方法に関する具体的な製造条件について以下に
詳細に説明する。
【0048】原料粉末の準備について アルミニウム合金粉末に平均粒径3μm以上20μm以
下のAlN粒子を添加した混合粉末を原料粉末として用
いる。このとき、アルミニウム合金粉末は0.05重量
%以上のMgを含有し、残部は実質的にAlである。M
gは上述したように、アルミニウム合金粉末表面の酸化
被膜を還元作用により分解する働きを有している。
【0049】Mgの他に、Si、Fe、Ni、Cr、Z
rなどの元素を予め原料粉末中に添加し合金化してもよ
い。これらの元素は、アルミニウム合金焼結体の靱性や
ヤング率などの特性を向上させる効果を有している。な
お、本発明に係るアルミニウム合金焼結体の製造方法で
は、特に上述した元素の添加量に関しては規定していな
いが、適宜添加してよいのは言うまでもない。
【0050】上述した元素を含むアルミニウム合金粉末
は、アトマイズ法(噴霧法)により製造される。ただ
し、たとえば、Sn、Pb、Cuなどの焼結温度以下に
融点または液相線温度を有する元素の場合には焼結過程
において液相を生成するために、これらの元素を添加し
たアルミニウム合金焼結体では、過大な寸法収縮、反り
または変形などが生じやすい。そのため、本発明では高
寸法精度の確保の観点から、これらの元素は不純物程度
の含有量とし、可能な限り添加および含有を抑制するこ
とが好ましく、たとえばアルミニウム合金粉末において
は0.05重量%以下に抑えることが好ましい。
【0051】また、アルミニウム合金粉末とともに添加
混合するAlN粒子は、得られたアルミニウム合金焼結
体中に含まれる全AlNの量を100とした場合に、そ
のAlN粒子の含有重量比率が80以下20以上であ
る。添加するAlN粒子の含有重量比率が20未満であ
れば、AlN粒子が焼結の際の圧粉成形体表面の空孔の
減少または消滅を十分に抑制できないために、内部にま
で均一に窒素ガスが侵入することができない。そのた
め、直接窒化反応が焼結体の内部にまで進まずAlN層
を均一に生成分散させることができない。
【0052】一方、添加するAlN粒子の含有重量比率
が80を超える場合には、添加したAlN粒子とアルミ
ニウム合金素地との界面が多くなるために、亀裂の発生
および伝播が誘発されて、アルミニウム合金焼結体の靱
性および曲げ強さが低下する。したがって、AlN粒子
の含有重量比率は80以下20以上であることが好まし
い。
【0053】圧粉成形・焼結工程について 上述した混合粉末を圧粉成形した後、得られた圧粉成形
体を窒素雰囲気中で焼結することにより、アルミニウム
合金粉末同士を焼結させて焼結体を作製すると同時に、
アルミニウム合金粉末中のAl成分と窒素とを反応させ
てAlN層をアルミニウム合金粉末の旧粉末粒界に生成
分散させることにより、本発明に係るアルミニウム合金
焼結体を製造することができる。
【0054】上述したように、圧粉成形体を焼結する際
には、事前に圧粉成形体にはAlN粒子が添加されてい
るため、アルミニウム合金粉末の旧粉末粒界に分散する
AlN粒子により顕著な焼結現象が抑制される。その結
果、窒素ガスが侵入できる連結空孔が確保されて、直接
窒化反応が焼結体の内部にまで進み、AlN層を焼結体
中に均一に生成分散させることができる。
【0055】また、圧粉成形体中の空孔率は5体積%以
上20体積%以下であることが好ましい。空孔率が5体
積%未満であれば、焼結雰囲気中の窒素ガスが圧粉成形
体の内部にまで侵入することができないか、または、侵
入するために長時間を要するために、直接窒化反応法に
よるAlN層の最適な生成量が得られない。また、焼結
に長時間を要するために生産性が悪化し、経済性の点で
問題が生じる。
【0056】一方、空孔率が20体積%を超えると圧粉
成形体の曲げ強さが低下するために、運搬や移動時に圧
粉成形体が欠損するといったハンドリング性の問題が生
じる。
【0057】焼結温度は500℃以上580℃以下であ
ることが好ましい。温度が500℃未満であれば、直接
窒化反応が十分に進行しないためにAlN層を生成する
ことができない。また、直接窒化反応を進行させるため
に長時間の焼結が必要となる。一方、焼結温度が580
℃より高い場合には、得られるアルミニウム合金焼結体
に寸法収縮、反りまたは変形などが生じる。
【0058】焼結後の加工工程について 得られたアルミニウム合金焼結体に対して、必要に応じ
て加圧圧縮または熱間押出または熱間鍛造等の塑性加工
を施すことにより、アルミニウム合金焼結体中の空孔を
閉鎖させて緻密化することができる。これにより、アル
ミニウム合金焼結体中の空孔率が3体積%未満となっ
て、アルミニウム合金焼結体の靱性および曲げ強さをさ
らに向上させることができる。
【0059】加圧圧縮に関しては、得られたアルミニウ
ム合金焼結体を金型中に挿入した状態で常温または常温
以上で圧縮するサイジングまたはコイニング処理を適用
することができる。
【0060】
【実施例】(実施例1)Al−10重量%Si−0.5
重量%Mgの組成を有するアルミニウム合金粉末と、平
均粒径5μmのAlN粒子を出発原料粉末として準備し
た。さらに、両粉末を表1に示す重量比率で混合した粉
末を相対密度で80〜85%になるように成形した。得
られた圧粉成形体を窒素雰囲気中、温度540℃の下で
加熱保持することにより、内部にAlN(層) が生成し
たアルミニウム合金焼結体からなる焼結体を作製した。
この焼結体を、常温で再圧縮することにより、焼結体中
の空孔率を5体積%以下になるように調整した。また、
生成させるAlNの量は焼結時の加熱時間により制御し
た。
【0061】得られた焼結体について、生成したAlN
とAlN粒子とを合わせた全AlNの量、焼結体の硬
度、ヤング率および曲げ強さを測定した結果を表1に示
す。
【0062】なお、硬さはロックウェル硬度計(Aスケ
ール)により測定した。ヤング率は日本工業規格(JI
S−R1602)による「ファインセラミックスの弾性
率試験方法」に基づく曲げ共振法により測定した。曲げ
強さは同規格(JIS−R1601)による「ファイン
セラミックスの曲げ強さ試験方法」に準じた室温4点曲
げ試験により算出した。また、一つの測定を15本の焼
結体についてそれぞれ行ない、得られた値の平均値を採
用した。
【0063】生成したAlNの量は、焼結前後における
重量増加率が反応過程で吸収した窒素量であることか
ら、窒素の重量増加率から算出した。
【0064】表1に示されるように、本発明例1〜6の
アルミニウム合金焼結体からなる焼結体では、適正範囲
を満足する合金組成およびAlNの量を有しており、さ
らに、所定の硬度およびヤング率を有している。
【0065】また、これらのアルミニウム合金焼結体を
ピストン形状(直径18mmφ、内径5mmφ、長さ5
5mm)に加工したものをピストンピンとして実エンジ
ンに適用して、潤滑油温度:135℃、冷却水温度:1
10℃、回転数:6400rpm、エンジン出力:93
〜97kWのもとで評価試験を100時間行なった。こ
の試験の後、ピストンピンには欠損、摩耗および摺動傷
などの発生はなく、使用上の問題は発生しなかった。
【0066】一方、他の試料(比較例7〜9)では以下
のような問題が発生した。比較例7では、アルミニウム
合金焼結体中の全AlNの量が24重量%と少なく、十
分な硬度およびヤング率が得られなかった。比較例8で
は、アルミニウム合金焼結体中の全AlNの量に対し
て、事前に添加したAlN粒子の含有比率が89と大き
く、生成するAlN層の量が少ないためにアルミニウム
合金焼結体の曲げ強さが低かった。比較例9では、アル
ミニウム合金焼結体中の全AlNの量が72重量%と多
くなり過ぎたために、十分な曲げ強さが得られなかっ
た。
【0067】上記の比較例7〜9のアルミニウム合金焼
結体を加工してピストンピンを作製して実エンジンに適
用し、上述した条件と同じ条件のもとでピストン評価を
行なったところ、それぞれの場合において欠損が発生
し、実用に耐えられないことが判明した。
【0068】
【表1】
【0069】(実施例2)Al−12重量%Si−3重
量%Fe−0.5重量%Mgの組成を有するアルミニウ
ム合金粉末と、表2に示す平均粒径を有するAlN粒子
を出発原料粉末として準備した。次に、両粉末を80:
20の重量比率で混合した粉末を用いて、相対密度で8
3〜87%になるように圧粉成形した。得られた圧粉成
形体を窒素雰囲気中、温度550℃の下で加熱保持し、
内部にAlN(層)が生成したアルミニウム合金焼結体
からなる焼結体を作製した。
【0070】なお、直接窒化反応法によるAlNの生成
量は焼結時の加熱時間により制御した。また、アルミニ
ウム合金粉末とAlN粒子を混合する際に、すべての場
合において所定の比率に配合した両粉末をV型ミキサー
に投入後、30分間混合処理を施した。
【0071】得られた焼結体に、さらに常温で再圧縮を
施すことにより、焼結体中の空孔率を5体積%以下にな
るように調整した。得られた焼結体について、生成した
AlNの量、全AlNの量、硬度、ヤング率および曲げ
強さを測定した結果を表2に示す。
【0072】なお、直接窒化反応法により生成したAl
Nの量は、実施例1の場合と同様に、焼結前後における
重量増加率から算出した。
【0073】本発明例10〜13のアルミニウム合金焼
結体からなる焼結体では、適正範囲を満足する平均粒径
を有するAlN粒子を原料粉末に用いて、所定の適正な
AlNの量を有しており、さらに、良好な硬度、ヤング
率および曲げ強さを有している。また、被削性はAlN
粒子の粒径が5μm以上10μm以下の場合に特に良好
であった。
【0074】一方、比較例については以下の問題が発生
した。比較例14では、AlN粒子の平均粒径が0.5
μmと小さく、アルミニウム合金焼結体中にAlN粒子
の凝集部が存在し、曲げ強さが低くなった。比較例15
では、AlN粒子の平均粒径が1μmと小さく、アルミ
ニウム合金焼結体中にAlN粒子の凝集部が存在したた
めに、AlN粒子が均一に分散せず曲げ強さが低くなっ
た。比較例16では、AlN粒子の平均粒径が23μm
と大きく、AlN粒子がアルミニウム合金焼結体中にお
いて亀裂の発生および伝播経路となっており、曲げ強さ
が低くなった。
【0075】
【表2】
【0076】(実施例3)Al−17重量%Si−2重
量%Ni−0.5重量%Mgの組成を有するアルミニウ
ム合金粉末と、平均粒径8μmのAlN粒子を出発原料
粉末として準備した。次に、両粉末を混合する際に、A
lN粒子を、表3に示す含有比率となるように配合し、
各混合粉末を相対密度で83〜88%になるように圧粉
成形した。得られた圧粉成形体を窒素雰囲気中、温度5
50℃の下で5時間加熱保持することにより、内部にA
lN (層) が生成したアルミニウム合金焼結体を作製し
た。
【0077】得られたアルミニウム合金焼結体につい
て、直接窒化反応により生成したAlNの量を測定した
結果を表3に示す。なお、この量は実施例1と同様に、
焼結前後における重量増加率から算出した。
【0078】本発明例17〜19のアルミニウム合金焼
結体では、原料混合粉末において適正量のAlN粒子を
含有することにより、焼結体中に直接窒化反応法によっ
て所定の適正なAlNの量を生成することができた。
【0079】一方、比較例では次の問題が発生した。比
較例20では、混合粉末中に事前に混合添加したAlN
粒子の量がアルミニウム合金焼結体全体に対して10重
量%と少ないために、焼結過程において圧粉成形体表面
の空孔が減少して、直接窒化反応によるAlNの生成量
が本発明例に比べて少なくなった。その結果、アルミニ
ウム合金焼結体中の全AlNの量が21重量%であっ
た。
【0080】比較例21では、AlN粒子の添加量がア
ルミニウム合金焼結体全体に対して4重量%と少ないた
めに、焼結過程において圧粉成形体表面の空孔が減少し
て、直接窒化反応によるAlNの生成量が本発明例に比
べて少なくなった。その結果、アルミニウム合金焼結体
中の全AlNの含有量が10重量%であった。
【0081】
【表3】
【0082】(実施例4)Al−10重量%Si−5重
量%Fe−0.5重量%Mgの組成を有するアルミニウ
ム合金粉末と、平均粒径5μmのAlN粒子を出発原料
粉末として準備した。次に、両粉末を80:20の重量
比率で混合した混合粉末を、相対密度が82%になるよ
うに圧粉成形した。得られた圧粉成形体を窒素雰囲気中
で、表4に示す焼結条件の下で加熱保持することによ
り、内部にAlN (層) が生成したアルミニウム合金焼
結体を作製した。
【0083】得られたアルミニウム合金焼結体につい
て、直接窒化反応により生成したAlNの量と全AlN
の量を測定した結果を表4に示す。なお、直接窒化反応
法により生成したAlNの量は、実施例1の場合と同様
に、焼結前後における重量増加率から算出した。
【0084】本発明例22〜25の製造方法では、所定
の適正な焼結条件を適用することにより、焼結体中に直
接窒化反応法により適正な量のAlNを生成することが
できた。
【0085】一方、比較例26〜29では以下の問題が
発生した。比較例26では、焼結温度が485℃であ
り、4時間の加熱処理を施しても焼結体中に直接窒化反
応法によるAlNが生成せず、所定のAlNの量を含有
するアルミニウム合金焼結体を作製することができなか
った。比較例27では、焼結温度が485℃であり、6
時間の加熱処理を施しても焼結体中に直接窒化反応法に
よるAlNが生成せず、所定のAlNの量を含有するア
ルミニウム合金焼結体を作製することができなかった。
【0086】比較例28では、焼結温度が590℃であ
り、このために焼結過程において圧粉成形体の表面の空
孔が減少または閉鎖して、直接窒化反応が焼結体の内部
にまで進行せずに、所定のAlNの量を含有するアルミ
ニウム合金焼結体を作製することができなかった。ま
た、得られたアルミニウム合金焼結体において反りまた
は変形が発生した。
【0087】比較例29では、焼結温度が600℃であ
り、このため焼結過程において圧粉成形体の表面の空孔
が減少または閉鎖して、直接窒化反応が焼結体の内部に
まで進行せずに、所定のAlNの量を含有するアルミニ
ウム合金焼結体を作製することができなかった。また、
得られたアルミニウム合金焼結体において反りまたは変
形が発生した。
【0088】
【表4】
【0089】(実施例5)Al−8重量%Si−4重量
%Fe−0.5重量%Mgの組成を有するアルミニウム
合金粉末と、平均粒径6μmのAlN粒子を出発原料粉
末として準備した。次に、両粉末を70:30の重量比
率で混合した混合粉末を、相対密度が85%になるよう
に圧粉成形した。次に、得られた圧粉成形体を窒素雰囲
気中、温度540℃の下で2時間加熱保持することによ
り、内部にAlN (層) が生成したアルミニウム合金焼
結体を作製した。その後、そのアルミニウム合金焼結体
に対して表5に示す条件で塑性加工を施した。
【0090】アルミニウム合金焼結体について、直接窒
化反応法により生成したAlNの量とAlN粒子とを合
わせた全AlNの量、硬度、ヤング率および曲げ強さを
測定した結果を表5に示す。なお、直接窒化反応法によ
り生成したAlNの量は、実施例1と同様に、焼結前後
における重量増加率から算出した。
【0091】塑性加工を施した本発明例31〜33のア
ルミニウム合金焼結体の硬度などの機械的特性は、塑性
加工を施さない本発明例30に比べて向上していること
がわかる。このことから、圧縮、熱間鍛造または熱間押
出などの塑性加工は、アルミニウム合金焼結体の機械的
特性をさらに向上させるために有効な手段であると言え
る。
【0092】さらに、実施例1および実施例2と同様
に、得られたアルミニウム合金焼結体をピストンピン形
状に加工した後に、実エンジンに適用して評価実験を行
なった。その結果、本発明例30〜33ではいずれの場
合も部品に破損は生じず、実用に耐えることが判明し
た。
【0093】
【表5】
【0094】今回開示された実施の形態は全ての点で例
示であって、制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウム合金焼結体では、高負荷が作用する部品に適用
しても変形、損傷または欠損等を生じることがなく、軽
量で、鉄系材料並みの機械的特性を有し、鉄系部品との
代替が可能になる。その結果、本アルミニウム合金焼結
体を、たとえば、エンジン用ピストンピンなどの動弁系
部品へ適用することが可能となる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlN(窒化アルミニウム)粒子と、窒
    化反応により生成したAlN層とを含有するアルミニウ
    ム合金焼結体であって、 ロックウェルAスケールによる硬度が50HRA以上8
    0HRA以下であり、 ヤング率が100GPa以上130GPa以下であり、 前記AlN粒子と前記AlN層とを合わせた全AlNの
    含有量が、焼結体の全体に対して30重量%以上70重
    量%以下であり、 前記AlN粒子は平均粒径3μm以上20μm以下であ
    り、 前記全AlNの含有量を100とするとき、前記全Al
    Nに対する前記AlN粒子の含有重量比率が20以上8
    0以下である、アルミニウム合金焼結体。
  2. 【請求項2】 前記焼結体は、Mg(マグネシウム)を
    0.05重量%以上含有する、請求項1記載のアルミニ
    ウム合金焼結体。
  3. 【請求項3】 素地となるアルミニウム合金粒子と、 該アルミニウム合金粒子の表面に形成されたAlN(窒
    化アルミニウム)層と、 前記素地中に分散するAlN粒子とを備え、 ロックウェルAスケールによる硬度が50HRA以上8
    0HRA以下であり、 ヤング率が100GPa以上130GPa以下である、
    アルミニウム合金焼結体。
  4. 【請求項4】 前記AlN層と前記AlN粒子とを合わ
    せた全AlNの含有量が、焼結体の全体に対して30重
    量%以上70重量%以下である、請求項3記載のアルミ
    ニウム合金焼結体。
  5. 【請求項5】 前記AlN粒子の平均粒径は3μm以上
    20μm以下である、請求項3または4に記載のアルミ
    ニウム合金焼結体。
  6. 【請求項6】 前記AlN粒子と前記AlN層とを合わ
    せた全AlNの含有量を100とするとき、前記全Al
    Nに対する前記AlN粒子の含有重量比率が20以上8
    0以下である、請求項3〜5のいずれかに記載のアルミ
    ニウム合金焼結体。
  7. 【請求項7】 アルミニウム合金粉末と平均粒径3μm
    以上20μm以下のAlN(窒化アルミニウム)粒子と
    を混合して混合粉末を形成する混合工程と、 前記混合粉末を圧粉成形して圧粉成形体を形成する成形
    工程と、 前記圧粉成形体を窒素雰囲気中で加熱保持することによ
    って、前記アルミニウム合金粉末の旧粉末粒界にAlN
    を反応生成する窒化工程とを備えた、アルミニウム合金
    焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記窒化工程は、前記アルミニウム合金
    粒子同士を焼結させると同時に、前記AlN粒子が前記
    アルミニウム合金粒子同士の焼結を抑制することによっ
    て確保された前記圧粉成形体中の空孔を窒素ガスの導入
    経路として、該導入経路に窒素ガスを導くことにより、
    前記アルミニウム合金粉末のアルミニウム成分と窒素ガ
    スとを反応させてアルミニウム合金粒子の表面に前記A
    lNを生成する工程を含む、請求項7記載のアルミニウ
    ム合金焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記焼結工程における前記圧粉成形体を
    加熱保持する温度は500℃以上580℃以下である、
    請求項7または8に記載のアルミニウム合金焼結体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記アルミニウム合金粉末はMg(マ
    グネシウム)を0.05重量%以上含有する、請求項7
    〜9のいずれかに記載のアルミニウム合金焼結体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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