JP2000191774A - 水溶性導電性ポリアニリンの製造方法 - Google Patents

水溶性導電性ポリアニリンの製造方法

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JP2000191774A JP11290142A JP29014299A JP2000191774A JP 2000191774 A JP2000191774 A JP 2000191774A JP 11290142 A JP11290142 A JP 11290142A JP 29014299 A JP29014299 A JP 29014299A JP 2000191774 A JP2000191774 A JP 2000191774A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性導電性ポリアニリンまたはその誘導体
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリアニリンまたはその誘導体をスルホ
ン化剤を用いてスルホン化するに際し、ポリアニリンま
たはその誘導体を反応溶媒中に分散し、実質的な凝集に
よる粒塊の生成を抑制することを特徴とする。反応の溶
媒は、スルホン化剤と反応しない有機溶媒であることが
好ましい。スルホン化反応の初期撹拌動力は、0.03
kW/m3以上あることが、好ましく、前記ポリアニリ
ンまたはその誘導体の含水率が8wt%以下であること
が好ましい。また、本発明は、スルホン基が導入されて
いるポリアニリンまたはその誘導体を、水と親水性有機
溶媒との混合溶液中で加水分解反応することを特徴とす
る。前記親水性有機溶媒が、アルコール類類であること
が好ましい。該製造方法で得られる水溶性導電性ポリア
ニリン等の水溶液は、スピンコート、ディップコートお
よびバーコート等の簡便な手法により薄膜を形成し、各
種帯電防止用途、非線形光学材料等に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性導電性ポリ
アニリンまたはその誘導体の製造方法に関する。該製造
方法で得られる水溶性導電性ポリアニリン等の水溶液
は、スピンコート、ディップコートおよびバーコート等
の簡便な手法により薄膜を形成し、各種帯電防止用途、
透明電極、電磁波遮蔽材、光電変換素子、有機エレクト
ロルミネッセンス素子、有機エレクトロクロミック素
子、防錆剤、半導体光触媒、フォトレジスト、非線形光
学材料等に利用できる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ドー
プされたポリアニリンまたはその誘導体は、導電性ポリ
マーとして、安定であり、原料が安価であるため、フィ
ルム電極、二次電池、コンデンサ、帯電防止剤、電磁波
遮蔽材等としての応用展開が進められている。しかし、
一般にポリアニリンは不溶、不融であり、成形、加工が
しにくいという難点があった。従って、ポリアニリンを
可溶化することは、工業的に重要であるが、製造設備上
は水溶性とするのが、コスト的に最も有利である。
【0003】そこで、近年水溶性を付加させるために、
様々な手法によりスルホン基の導入が提案されている。
例えば、アニリンとo−、m−アミノベンゼンスルホン
酸を電気化学的に共重合してスルホン化ポリアニリンを
合成する方法(特開平2−166165号公報)、アニ
リンとアミノベンゼンスルホン酸を化学酸化的に共重合
する方法(特開平1−301714号公報、特開平6−
56987号公報)、アニリンとアミノベンゼンスルホ
ン酸およびその誘導体の共重合物をスルホン化する方法
(特開平5−178989号公報)、o−、m−アミノ
ベンゼンスルホン酸を電気化学的に酸化重合する方法、
o−、m−アミノベンゼンスルホン酸およびその誘導体
を化学的に酸化重合する方法(特開平7−324132
号公報、特開平8−41320号公報)などのアミノベ
ンゼンスルホン酸をモノマーとして重合する方法があ
る。
【0004】また、エメラルディン塩タイプの重合体を
無水硫酸/リン酸トリエチル錯体を用いてスルホン化を
行う方法(特開昭61−197633号公報)、脱ドー
プされたポリアニリン(エメラルディン塩基)を発煙硫
酸を用いてスルホン化する方法(WO91−0688
7、J.Am.Chem.Soc.,1990,vo
l.112,p2800、J.Am.Chem.So
c.,1991,vol.113,p2665)、脱ド
ープされたポリアニリン(エメラルディン塩基)をクロ
ロ硫酸中でスルホン化する方法(Polymer,19
92,vol.33,p4410)、ロイコエメラルデ
ィン塩基のポリアニリンを発煙硫酸でスルホン化する方
法(J.Am.Chem.Soc.,1996,vo
l.118,p2545)などのポリアニリンをスルホ
ン化剤にてスルホン基を導入する方法が提案されてい
る。
【0005】しかしながら、アミノベンゼンスルホン酸
およびその誘導体をアニリンと電気化学的または化学的
に酸化共重合する方法では、芳香環5個に1個の割合で
しかスルホン基が導入されておらず、アルカリにはわず
かに可溶であるが、水そのものには不溶であり溶解性の
点で問題がある。また、これら共重合体をさらにスルホ
ン化する方法では、芳香環2個に対し、1個強のスルホ
ン基が導入されているが、アルカリには可溶であるが、
水そのものには不溶であり溶解性の点で問題がある。
【0006】また、o−、m−アミノベンゼンスルホン
酸を電気化学的に酸化重合する方法では、水溶性導電性
高分子が得られたとの記載があるが、電極反応であるた
め、生成物の単離が困難、工業的な大量合成には適して
いないなどの問題がある。また、o−、m−アミノベン
ゼンスルホン酸およびその誘導体を酸性溶液、塩基性溶
液中で化学的に酸化重合する方法を追試したところ、赤
褐色のオリゴマー状の生成物しか得られず、エメラルデ
ィン塩を繰り返し単位とするスルホン化ポリアニリンを
得ることはできなかった。一般に、置換基を有するアニ
リンモノマーを重合してエメラルディン塩特有の緑色を
有する高分子量のポリアニリンを得ることは困難であ
る。
【0007】また、スルホン化剤を用いてスルホン基を
導入する方法において、無水硫酸/リン酸トリエチル錯
体を用いてポリアニリンをスルホン化する方法では、芳
香環5個に対し1個の割合でしかスルホン基が導入され
ておらず、導電体(ドープ状態)では、水に対し全く不
溶であり、溶解性の点で問題がある。また、発煙硫酸を
用いてスルホン化する方法では、芳香環2個に1個の割
合でスルホン基が導入された自己ドープ型のポリアニリ
ンが得られるが、スルホン基がアニリンのドープに利用
されているため、中性および酸性水溶液には不溶であ
り、溶解させるためにはアルカリと作用させる必要があ
る。しかし、一般にポリアニリンはアルカリと作用させ
ると、絶縁体となる。そのため、自己ドープ型のポリア
ニリンは、導電性を付与するために溶解後の再ドープが
必要であり、成形性、加工性の点でも十分な物とはいえ
ない。
【0008】また、クロロ硫酸中でスルホン化する方法
では、芳香環5個に対し4個のスルホン基が導入された
自己ドープ型のポリアニリンが得られるが、スルホン基
がアニリンのドープに利用されているため、中性および
酸性水溶液には不溶であり、溶解させるためにはアルカ
リと作用させる必要があり、成形性、加工性の点で問題
がある。また、ロイコエメラルディン塩基のポリアニリ
ンを発煙硫酸でスルホン化する方法では、芳香環4個に
対し3個のスルホン基が導入されているが、自己ドープ
型であるため、水に対しわずかに溶けるのみであり、溶
解性、成形性の点で問題がある。
【0009】さらに、上記の発煙硫酸、クロロ硫酸を用
いてスルホン化する方法においては、ポリアニリンに対
して大過剰のスルホン化剤を用いてスルホン化を行って
おり、大量の廃酸処理が困難であるという問題がある。
【0010】高い導電性を有する状態、即ちドープ状態
で水溶性であるポリアニリンとしては、ジフェニルアミ
ン−4−スルホン酸を化学的に酸化重合したN−スルホ
ン化ポリアニリン(Polymer,1993,vo
l.34,p158)、ポリアニリンと1,3−プロパ
ンスルトンを反応させたN−プロパンスルホン酸置換ポ
リアニリン(J.Am.Chem.Soc.,199
4,vol.116,p7939、J.Am.Che
m.Soc.,1995,vol.117,p1005
5)、o−アミノベンジルホスホン酸を酸化重合したホ
スホン化ポリアニリン(J.Am.Chem.So
c.,1995,vol.117,p8517)が知ら
れている。
【0011】しかしながら、N−スルホン化ポリアニリ
ンは、高溶解性のため重合後の単離に高速遠心分離を必
要とするため、単離が非常に煩雑という問題がある。ま
た、N−プロパンスルホン酸置換ポリアニリンは、自己
ドープ型のポリアニリンのため、ドープ状態では水に対
して不溶であり、ナトリウム塩水溶液をイオン交換樹脂
で処理する方法でしかドープ状態で水に溶解することが
できず、成形性、加工性の点で非常に煩雑な手法を用い
なければならない問題がある。また、ホスホン化ポリア
ニリンは、重合原料であるo−アミノベンジルホスホン
酸を得るために数段階の反応を必要とするため、工業的
に非常に煩雑であるという問題があり、高い導電性を有
する状態、すなわちドープ状態で水溶性であるポリアニ
リンを簡便な方法にて製造する方法はいままで知られて
いなかった。
【0012】一方、高分子フィルム、高分子繊維、高分
子樹脂成形品等は電気絶縁体であるため、静電気を帯び
やすく、電子部品を破損したり、ごみを吸着したり、と
きには発火源となることさえあり、その対策は不可欠の
ものとなっている。
【0013】従来、これらの帯電防止剤としては主に界
面活性剤が使われてきた。しかし、界面活性剤は空気中
の水分を利用したイオン伝導を示すため、表面抵抗を1
9Ω/□以下にすることは困難であるうえに、低湿の
条件下では帯電防止効果がほとんどなくなってしまうと
いった問題がある。一方、カーボンブラックやアルミニ
ウム、銅、銀等の金属微粒子および酸化インジウムす
ず、フッ素ドープされた酸化すず等の半導体微粒子をフ
ィラーとして汎用高分子中に分散した電子伝導タイプの
帯電防止剤がある。しかし、これらのフィラーはかなり
の量を添加しなければならないこと、添加量を増やすと
あるところで急激に電気抵抗が下がるので電気抵抗の調
節は困難であること、フィラーが塗膜表面にでてきて平
滑な膜にはならないこと、透明性がよくないこと、塗膜
の強度が低いこと等が問題点としてあげられる。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述のごとく、ポリアニ
リンまたはその誘導体の特性は、その製造方法と密接に
関連し、中性の水溶液に対する溶解性に優れるポリアニ
リンまたはその誘導体の製造は極めて困難である。ま
た、製造過程において、環境保全の観点から廃酸処理の
容易な製造方法の開発が望まれるところである。更に、
導電性ポリマーとして使用する場合には、優れた導電率
を有することが必要である。従って本発明は、係る特性
を発揮するため、ドープ状態で水溶性であるポリアニリ
ンまたはその誘導体の新規な製造方法を提供するもので
ある。
【0015】上記諸目的は、下記の(1)〜(17)に
より達成される。
【0016】(1) 含水率0〜8質量%のポリアニリ
ンまたはその誘導体1kgに対し、スルホン化剤を単位
時間当たり0.5〜8kg/hrの速度で滴下し、かつ
初期撹拌動力0.03〜0.3kW/m3で撹拌してス
ルホン化し、次いで加水分解することを特徴とする水溶
性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0017】(2) スルホン化剤が、クロロ硫酸であ
ることを特徴とする上記(1)記載の水溶性導電性ポリ
アニリンの製造方法。
【0018】(3) スルホン化剤と反応しない有機溶
媒中でスルホン化反応することを特徴とする上記(1)
または(2)記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方
法。
【0019】(4) 該ポリアニリンまたはその誘導体
が、有機溶媒中に1〜30質量%で反応することを特徴
とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水溶性
導電性ポリアニリンの製造方法。
【0020】(5) ポリアニリンがエメラルディン型
のポリアニリンであることを特徴とする、上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の水溶性導電性ポリアニリンの
製造方法。
【0021】(6) 該ポリアニリンがプロトン酸でド
ープされたドープ型ポリアニリンであることを特徴とす
る、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の水溶性導電
性ポリアニリンの製造方法。
【0022】(7) ポリアニリンまたはその誘導体を
スルホン化剤を用いてスルホン化反応するに際して、ポ
リアニリンの実質的な凝集による粒塊の生成を抑制する
ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載
の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0023】(8) ポリアニリンまたはその誘導体の
スルホン化物の凝集塊が、最大10mm以下であること
を特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の
水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0024】(9) 該加水分解が、水と親水性有機溶
媒との混合溶液中でポリアニリンまたはその誘導体のス
ルホン化物の濃度0.1〜30質量%で、温度40〜1
20℃で加水分解するものである、上記(1)〜(8)
のいずれかに記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方
法。
【0025】(10) 該水と親水性有機溶媒との混合
比が、水1質量部に対し5〜18質量部であることを特
徴とする、上記(9)記載の水溶性導電性ポリアニリン
の製造方法。
【0026】(11) 前記親水性有機溶媒が、アルコ
ール類であることを特徴とする上記(9)または(1
0)記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0027】(12) ポリアニリンまたはその誘導体
のスルホン化物を、水と親水性有機溶媒との混合溶液中
で、該スルホン化物の濃度0.1〜30質量%で、温度
40〜120℃で加水分解することを特徴とする、水溶
性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0028】(13) 該スルホン化物が、エメラルデ
ィン型のポリアニリンであることを特徴とする、上記
(12)記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
【0029】(14) 該ポリアニリンがプロトン酸で
ドープされたドープ型ポリアニリンであることを特徴と
する、上記(12)記載の水溶性導電性ポリアニリンの
製造方法。
【0030】(15) 上記(1)〜(14)記載の方
法で製造されたことを特徴とする、溶解度0.1〜10
質量%の水溶性導電性ポリアニリン。
【0031】(16) 上記(1)〜(14)記載の方
法で製造されたことを特徴とする、表面抵抗が1×10
2〜1×1012Ω/□の水溶性導電性ポリアニリン。
【0032】(17) 含水率0〜8質量%のポリアニ
リンまたはその誘導体1kgに対して、スルホン化剤を
単位時間当たり0.5〜8kg/hrの速度で滴下し、
かつ初期撹拌動力0.03〜0.3kW/m3で撹拌す
ることを特徴とする、ポリアニリンまたはその誘導体の
スルホン化方法。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の水溶性導電性ポリアニリ
ンの製造方法は、ポリアニリンまたはその誘導体をスル
ホン化剤、例えば、クロロ硫酸でスルホン化する際に、
前記ポリアニリンまたはその誘導体を有機溶媒中に分散
し、凝集することなくスルホン化することを特徴とす
る。凝集するとスルホン化の程度がひくく、水溶性かつ
導電性に優れるポリアニリンを得ることが困難となるこ
とを見出したからである。
【0034】また、本発明は、ポリアニリンまたはその
誘導体をスルホン化剤でスルホン化した後、水と親水性
有機溶媒との混合溶液中で加水分解反応することにより
スルホン酸基を導入し、水溶性かつ導電性のスルホン化
ポリアニリンまたはその誘導体を製造する方法である。
スルホン化ポリアニリンを加水分解する方法の相違によ
って、水溶性導電性ポリアニリンの溶解性が異なること
が判明したからである。本発明によって得られた水溶性
導電性ポリアニリンは水溶液中に存在し、これをスピン
コート等の簡便な手法により薄膜を形成させ、各種帯電
防止用途に使用することができる。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0035】本発明では、水溶性導電性ポリアニリンの
原料としてポリアニリンまたはその誘導体を使用する
が、原料の導電性が最終生成物である水溶性導電性ポリ
アニリンの導電率にも影響するので、なるべく導電性に
優れたポリアニリンまたはその誘導体を用いることが好
ましい。このため、エメラルディンのポリアニリンが最
も好ましい。ここに、エメラルディンのポリアニリン
は、例えば一般式(1)で示される還元型単位(フェニ
レンジアミン骨格)と酸化型単位(キノンイミン骨格)
が1対1の割合で存在する基本骨格を繰り返し単位とし
て含有するものである。
【0036】
【化1】
【0037】本発明では、エメラルディンであれば、ド
ープ状態(エメラルディン塩)、脱ドープ状態(エメラ
ルディン塩基)いずれのものでもよい。しかしながら、
好ましくはドープ状態(エメラルディン塩)のものを用
いる方がよい。特に本発明では、このエメラルディンの
ポリアニリンまたはその誘導体をプロトン酸でドープし
たものが好ましい。エメラルディン塩基のポリアニリン
を使用すると、エメラルディン塩基にするために得られ
た酸性の重合体をアルカリ中和した後に、脱ドーピング
する必要があるが、予めエメラルディン塩を使用すれば
この工程が不要となるからである。尚、エメラルディン
塩のドーパントは、プロトン酸であればいずれでもよ
く、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ弗化水素酸、過塩
素酸、アミド硫酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、プ
ロピオン酸等を用いることができる。
【0038】一般に、エメラルディン塩のポリアニリン
の製造方法は、公知のいずれの方法によって得たもので
あってもよい。例えば、電気化学的酸化重合法と酸化剤
を用いた化学的酸化重合法の2種類がありそのいずれで
もよい。しかしながら、工業的な製造方法としては、酸
化剤を用いた化学的酸化重合の方が好ましく、ポリアニ
リンの化学的酸化重合方法としては、アニリンおよびそ
の誘導体の酸性あるいは塩基性溶液に酸化剤を加えて撹
拌して行うことができる。なお、本発明でスルホン化す
るための原料たるポリアニリンまたはその誘導体として
は、アニリンおよびo−、m−置換アニリンを電気化学
的、または化学的に酸化重合して得ることができる。
【0039】このようなポリアニリンは、アニリンを酸
化重合して調製することができる。該重合する際に使用
する酸化剤としては、アニリンを酸化できる酸化剤であ
ればいずれでもよいが、過硫酸アンモニウム、過硫酸、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸類、過酸
化水素、第二塩化鉄等が挙げられ、特に過硫酸アンモニ
ウムに代表される過硫酸類が好ましく、モノマー1モル
に対し0.1〜5モルがよく、特に0.5〜1.5モル
が好ましい。
【0040】また、アニリンの重合溶媒としては、水、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、アセトン、2−ブタノ
ン、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に水、メタ
ノールが好ましい。
【0041】重合の反応温度は−15℃〜70℃の間が
よく、特に−10℃〜20℃の間が好ましい。上記の温
度範囲内で、優れた導電率を有するポリアニリン誘導体
が得られるからである。なお、ポリアニリンの誘導体と
は、アニリンの芳香環に炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のチオ
アルキル基、炭素数1〜20のカルボキシエステル基、
シアノ基などの置換基や、フッ素原子、塩素原子、フッ
素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を付加させたも
のをいう。
【0042】本発明では、上記製造方法によって得られ
たポリアニリンに制限されるものではないが、例えば、
上記によって得られたポリアニリンまたはその誘導体を
有機溶媒に分散し、次いでスルホン化する。
【0043】スルホン化に使用するポリアニリンまたは
その誘導体は、含水率が0〜8質量%、好ましくは0〜
5質量%である。含水率が8質量%を越えると、含まれ
る水によりスルホン化剤から硫酸が発生し、これをスル
ホン化ポリアニリンまたはその誘導体が吸収する結果、
ポリアニリンまたはその誘導体の実質的な凝集による粒
塊が生成する場合があるからである。ここに「実質的
な」とは、ポリアニリンまたはその誘導体が凝集する場
合であっても、スルホン化に支障のない程度であれば差
し支えないとする趣旨である。従って、ポリアニリン等
のスルホン化の進行の観点から判断すればよく、粒塊の
大きさに特に制限はない。しかしながら、粒塊の大きさ
としては好ましくは粒塊が10mm以下であることが好
ましい。例えば、粒塊が10mmを越えると均一にスル
ホン酸基を導入することができず、溶解性が低下する場
合があるからである。なお、実質的な凝集による粒塊の
生成状態がひどい場合には、反応器を破壊する恐れもあ
る。
【0044】スルホン化反応の溶媒としては、ポリアニ
リンまたはその誘導体が溶解または分散し、かつスルホ
ン化剤と反応しない溶媒であればいずれでもよく、例え
ば、二硫化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2,−テト
ラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル
ム、ジクロロメタン等が挙げられ、特に1,2−ジクロ
ロエタン、1,1,2,2,−テトラクロロエタンがク
ロロ硫酸との相溶性がよく好ましい。
【0045】該溶媒とポリアニリンまたはその誘導体の
仕込み量は、1〜30質量%が好ましい。30質量%を
越えると、ポリアニリンまたはその誘導体が溶媒中に均
一に分散できず、凝集により粒塊が著しく生じ易いから
である。また、1質量%を下回ると生産性の面で不向き
である。
【0046】本発明で使用するスルホン化剤としては、
濃硫酸、発煙硫酸、SO3、クロロ硫酸、フルオロ硫酸
を使用することができる。しかしながら、これらの中で
もクロロ硫酸を使用することが好ましい。スルホン化の
過程で大量の硫酸が存在すると、ポリアニリンまたはそ
の誘導体が硫酸を吸収して凝集し、粒塊が生じるが、ク
ロロ硫酸は、反応の過程で大量の硫酸が存在することが
ないため、凝集を抑制することができるのである。更
に、クロロ硫酸は、塩化水素と無水硫酸との反応物であ
り、反応時に塩酸が生成し、この塩酸がポリアニリンに
ドーピングされる。このため、付加したスルホン酸基の
プロトンがフリーの状態になり、中性の水に対し高い水
溶性を有するスルホン化ポリアニリンが得られる。
【0047】スルホン化の際のクロロ硫酸の仕込量は、
ポリアニリンまたはその誘導体の芳香環1対して0.5
倍〜10倍がよく、より好ましくは0.5倍〜3倍であ
る。例えば、0.5倍を下回って反応を行うと、芳香環
2個に対しスルホン基が1個以下しか導入されず水に対
する溶解性が低下するからである。また、10倍を超え
て反応を行うと、スルホン基が過剰に導入され、溶解性
は向上するが導電率が低下する傾向がある。
【0048】また、スルホン化反応の初期撹拌動力は、
0.03〜0.3kW/m3、より好ましくは0.04
〜0.15kW/m3であることが好ましい。0.03
kW/m3未満であると、ポリアニリンが凝集により器
壁もしくは底に粒塊を生じ、この粒塊が10mm以上に
なると、均一にスルホン酸基が導入されず、溶解性が低
下するから傾向がある。その一方、0.3kW/m3
越えると、ポリアニリンが反応容器の器壁にすり鉢状に
付着し、不利である。このような撹拌動力に調整するに
は、撹拌機の容積と撹拌翼のサイズおよび撹拌速度から
算出することができる。具体的には、撹拌速度で調整す
る。
【0049】スルホン化剤の添加速度は、何れのスルホ
ン化剤を使用した場合にも、ポリアニリン1kgに対し
て0.5〜8kg/hrの速度で行うことが好ましく、
より好ましくは1〜8kg/hrである。ポリアニリン
またはその誘導体の凝集は、スルホン化剤により直接ま
たは間接に生ずる硫酸をポリアニリンまたはその誘導体
が吸収するためと考えられるが、滴下速度8kg/hr
を越えると硫酸の発生が急激に生じ、有機溶媒に均一に
分散されず、凝集により10mm以上の粒塊が生じ易い
からである。粒塊の生成により、均一なスルホン化が阻
害され、凝集状態がひどい場合には、反応器を破壊する
恐れがある。これに対し、0.5kg/hrを下回る
と、反応が緩慢で生産効率が低下するため好ましくな
い。
【0050】なお、スルホン化の反応温度は、20℃〜
200℃がよく、好ましくは40℃〜150℃であり、
特に50℃〜100℃が好ましい。上記の範囲内で、優
れた溶解性または導電性を有するからである。
【0051】本発明では、この様にして得られたポリア
ニリンまたはその誘導体のスルホン化物は、粒塊の最大
形が10mm以下であり、より好ましくは5mmであ
る。粒塊が大きい場合にはスルホン化の程度が低く、水
溶性に劣る場合があるからである。
【0052】本発明においては、反応液中のポリアニリ
ンまたはその誘導体のスルホン化物をろ過しまたは遠心
分離等により分離し、次いで、水と親水性溶媒との混合
溶液中で加水分解する。
【0053】加水分解反応は、水を含む親水性有機溶媒
中で加熱することで達成できる。使用できる親水性有機
溶媒としては、水と混合するものであればいずれでもよ
く、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2-プロパノール等のアルコール類類、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール等のセロソルブ類、アセトニト
リル等が挙げられる。特にメタノール、エタノール、1
−プロパノール、2-プロパノール等アルコール類類
は、クロロスルホニル化ポリアニリンまたはその誘導体
との相溶性がよく好ましい。また、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2-プロパノール等のアルコ
ール類は、得られたスルホン化ポリアニリンまたはその
誘導体を含有する反応液中から容易に取り出すことがで
きるため、特に大量生産に適するものである。
【0054】また、加水分解反応での水と親水性有機溶
媒の仕込み比は、水1に対し、親水性有機溶媒が5〜1
8の範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜15であ
る。5を下回ると加水分解反応後に生成物が溶媒に溶解
してしまい、簡便に取り出すことが出来なくなる。ま
た、18を越えると、ほとんど溶解しないが、加水分解
反応が十分に進行せず、生成物の水に対する溶解度が低
下する傾向がある。なお、本発明では水と親水性有機溶
媒との混合溶液を用いてスルホン化ポリアニリンまたは
その誘導体を加水分解するが、水単独で加水分解する場
合に比較して親水性溶媒の除去が極めて容易となるた
め、大量生産等の工業的生産に優れている。
【0055】加水分解反応での水と親水性有機溶媒との
混合溶液中へのスルホン化ポリアニリンまたはその誘導
体の仕込量は、0.1〜30質量%が好ましく、さらに
好ましくは1〜20質量%である。30質量%を越える
と、加水分解が十分に進行せず、その一方、0.1質量
%を下回ると、液量が多すぎて経済的でない。即ち、上
記の範囲内で優れた反応効率を有するからである。
【0056】また、この時の反応温度は、40〜120
℃が好ましく、さらに好ましくは40〜80℃である。
上記の範囲を外れると、溶解性もしくは導電性が低下す
る傾向がある。
【0057】本発明により水溶性導電性ポリアニリン等
の重合度は、2〜10,000、好ましくは20〜1,
000である。また、電気伝導度が10-6S/cm以
上、好ましくは10-4S/cm以上である状態で、水に
対する溶解度(25℃)が0.5質量%以上、好ましく
は3質量%以上である。各種透明電極、電磁波遮断剤、
光電変換素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等の
各種の利用に最適に使用できるからである。
【0058】本発明により製造される水溶性導電性ポリ
アニリンとしては、ポリアニリン骨格の芳香環が芳香環
1個当り平均して0.1〜4個のSO3Mおよび平均し
て0〜3.9個のR(ただし、SO3MとRとの合計は
4である。)で置換され、かつ該主骨格中の窒素原子
(置換基中の窒素原子を除く)1個当り0.025〜1
個が外部ドーパントでドーピングされてなるものであ
る。
【0059】ここに、SO3M中のMは、水素原子、ア
ルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグ
ネシウム等)およびアンモニウム基よりなる群から選ば
れたものであり、好ましくは水素原子である。
【0060】また、Rは、水素原子、ハロゲン原子、好
ましくは塩素原子、フッ素原子および臭素原子、炭素原
子数1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基、炭素原
子数1〜20、好ましくは1〜8のアルコキシ基、炭素
原子数1〜20、好ましくは1〜8のアルキルチオ基、
炭素原子数1〜20、好ましくは1〜8のアルキルアミ
ノ基、カルボキシル基、エステル残基の炭素原子数が1
〜20、好ましくは1〜8のカルボン酸エステル基、ニ
トロ基およびシアノ基よりなる群から選ばれた少なくと
も1種のものである。これらのうち、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ
基等の電子供与性基であることが好ましい。
【0061】また、SO3Mは、好ましくは平均して
0.5〜1.5個であり、またRは、好ましくは平均し
て2.5〜3.5個である。ただし、SO3MとRとの
合計は4である。さらに、該ポリアニリンの主骨格中の
窒素原子1個当り0.025〜1個、好ましくは0.1
〜0.5個が外部ドーパントでドーピングされているも
のである。
【0062】本発明により製造される水溶性導電性ポリ
アニリン等を構造式で示すと、一般式(2)[ただし、
式中、MおよびRは前記のとおりであり、pは0.1〜
4、qは0〜3.9(ただしp+q=4)、Xはドーパ
ントであるプロトン酸の陰イオンであり、また、nは陰
イオンの価であり、通常1〜3価、好ましくは1〜2価
である。]で表される繰り返し単位を必須の繰り返し単
位として有し、さらに必要により式(3)および/また
は式(4)で表される繰り返し単位あるいはその他の繰
り返し単位を有してなるものである。
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】プロトン酸の陰イオンとしては、塩化物イ
オン(例えば塩素イオン)、臭化物イオン(例えば、臭
素イオン)、沃化物イオン(沃素イオン)、硝酸イオ
ン、硫酸イオン、リン酸イオン、ホウフッ化イオン、過
塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロ
ピオン酸イオン、pトルエンスルホン酸イオン、トリフ
ルオロ酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ン等の1〜3価の陰イオンがあり、好ましくは1〜2価
の陰イオンである。
【0067】典型的な例として、スルホン化剤としてク
ロロ硫酸を用いた場合の本発明により得られた水溶性導
電性ポリアニリンは、元素分析の結果により、窒素/硫
黄の比が8/8〜8/5であり、スルホン酸基は芳香環
8個に対し5〜8個の割合で導入されている。また、5
0〜100%のドーピング率で塩化物イオンがドーピン
グされており、自己ドープ型ポリアニリンとは異なった
外部ドープ型のスルホン化ポリアニリンである。
【0068】本発明の製造方法によると、水溶性導電性
ポリアニリンは水に対して高い溶解性を示すため、水溶
液の状態で得ることができる。従って、この単独の水溶
液から基材に直接塗付することができ、容易に薄膜を製
造することができる。なお、塗付性、基材との密着性、
塗膜の強度、耐水性等を改善するためには、必要に応じ
て、水溶性の高分子や水系の高分子エマルジョンとブレ
ンドして用いることもできる。なお、薄膜形成には、ス
ピンコート、ディップコートおよびバーコート等の簡便
な手法がある。これにより、得られた水溶性導電性ポリ
アニリンまたはその誘導体を各種帯電防止用途、透明電
極、電磁波遮蔽材、光電変換素子、有機エレクトロルミ
ネッセンス素子、有機エレクトロクロミック素子、防錆
剤、半導体光触媒、フォトレジスト、非線形光学材料等
に利用できる。
【0069】ポリアニリンおよび本発明の水溶性導電性
ポリアニリンとそれを用いた帯電防止剤の電気伝導度の
測定は、圧縮ペレット試料または水溶液からコートして
得られるフィルム試料に直流4端子法を用いて行うこと
ができる。また、本発明の水溶性導電性ポリアニリンを
汎用の水溶性ポリマーとブレンドした樹脂組成物の水溶
液からコートして得られる帯電防止フィルムの表面抵抗
はフィルムに金電極を蒸着し2端子法により測定するこ
とができる。
【0070】本発明によれば、極めて水溶性に優れるポ
リアニリンを工業的に容易に製造することができる。ポ
リアニリンまたはその誘導体の特性は、その製造方法と
密接に関連し、スルホン化が均一でなければ、水溶性に
優れたポリアニリンまたはその誘導体の製造は極めて困
難である。しかし、本発明によれば、有機溶媒中にポリ
アニリンまたはその誘導体を分散させ、凝集することな
くスルホン化を行うことにより、均一なスルホン化が可
能となり水溶性に優れると共に導電性に優れるポリアニ
リンまたはその誘導体を製造することができる。また、
クロロ硫酸によるスルホン化と水と親水性溶媒との混合
溶液中での加水分解反応により、中性の水溶液において
も水溶性に優れ、かつ導電性に優れるポリアニリン誘導
体を製造することができる。しかも、クロロ硫酸の使用
量を押さえ、環境保全の観点から廃酸処理を容易にする
ことができるのである。
【0071】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。ポリアニリンと本発明により製造されるスルホン化
ポリアニリンの電気伝導度は、それらの粉末を錠剤成形
器を用いて圧縮ペレットを作成し、直流4端子法により
測定した。このとき、外側の2端子に定電流ソース(ケ
スレー社製220型)から1μAの定電流を流し、内側
2端子の電位差をデジタルマルチメーター(ケスレー社
製2001型)により測定した。本発明の帯電防止剤薄
膜の表面抵抗は、薄膜上に真空蒸着装置(真空機工株式
会社製VPC−410)を用いて櫛型金電極を蒸着し、
2端子法で、絶縁抵抗計(ケスレー社製6517型)に
より測定した。薄膜の膜厚は走査プローブ顕微鏡(ディ
ジタルインスツルメンツ社製ナノスコープIIIa)の
タッピングモード原子間力顕微鏡を用いて測定した。ポ
リアニリンの含水率は、カール・フィッシャー水分計
(京都電子工業株式会社製MAK−500)を用いて測
定した。
【0072】(合成例1)1.2モル/リットルの塩酸
水溶液10リットルにアニリン930gを滴下撹拌して
加えた。これを10℃に冷却した。2.8kgの過硫酸
アンモニウムをイオン交換水5.1kgに溶解し、先の
溶液に4時間かけて滴下した。滴下終了後さらに一晩、
10℃にて撹拌した。析出した緑色沈殿を濾過し、ろ液
の色がなくなるまで、イオン交換水で洗浄した。さら
に、メタノールでろ液の色がなくなるまで洗浄した。乾
燥質量1.03kgであった。得られたポリアニリンを
ペレットに成型し、4端子法による電気伝導度を測定し
た結果、4.4S/cmであった。カール・フィッシャ
ー水分計で含水率を調べたところ、2.3%であった。
【0073】(実施例1)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに撹拌分散し、80℃に加熱した。この時の初期撹拌
動力は0.043kW/m3であった。クロロ硫酸44
gを1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分か
けて滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で
反応を行った。反応中、凝集による10mm以上の粒塊
は観測されなかった。冷却後反応物をろ別し、得られた
ウエットケーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶
液300gに撹拌分散し、60℃にて4時間加水分解反
応を行った。冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過
し、緑色ケーキを得た。これを2−プロパノールでろ液
に色が着かなくなるまで洗浄した。乾燥質量24gであ
った。また、室温での水に対する溶解度を測定した結
果、5.5質量%であった。
【0074】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.18μ
mで、表面抵抗は3.0×106Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0075】(実施例2)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール(IPA)=1/9混合溶液
300gに分散し、50℃にて4時間加水分解反応を行
った。冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑
色ケーキを得た。これを2−プロパノールでろ液に色が
つかなくなるまで洗浄した。乾燥質量 25gであっ
た。室温での水に対する溶解度を測定した結果、5.9
質量%であった。
【0076】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.23μ
mで、表面抵抗は3.7×106Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0077】(実施例3)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩35.0gを1,2−ジクロロエタン390
gに分散し、80℃に加熱した。この時の初期撹拌動力
は0.15kW/m3であった。クロロ硫酸88gを
1,2−ジクロロエタン88gに溶解し、120分かけ
て滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反
応を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエット
ケーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300
gに分散し、60℃にて4時間加水分解反応を行った。
冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケー
キを得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かな
くなるまで洗浄した。乾燥質量 48gであった。室温
での水に対する溶解度を測定した結果、6.0質量%で
あった。
【0078】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.18μ
mで、表面抵抗は3.2×106Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0079】(実施例4)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300g
に分散し、75℃にて4時間加水分解反応を行った。冷
却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキ
を得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かなく
なるまで洗浄した。乾燥質量22gであった。室温での
水に対する溶解度を測定した結果、5.9質量%であっ
た。
【0080】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.16μ
mで、表面抵抗は1.6×107Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0081】(実施例5)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300g
に分散し、75℃にて2時間加水分解反応を行った。冷
却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキ
を得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かなく
なるまで洗浄した。乾燥質量21gであった。室温での
水に対する溶解度を測定した結果、5.8質量%であっ
た。
【0082】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.15μ
mで、表面抵抗は9.0×106Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0083】(実施例6)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300g
に分散し、50℃にて16時間加水分解反応を行った。
冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケー
キを得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かな
くなるまで洗浄した。乾燥質量23gであった。室温で
の水に対する溶解度を測定した結果、7.2質量%であ
った。
【0084】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.18μ
mで、表面抵抗は3.9×106Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0085】(実施例7)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液600g
に分散し、75℃にて2時間加水分解反応を行った。冷
却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキ
を得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かなく
なるまで洗浄した。乾燥質量21gであった。室温での
水に対する溶解度を測定した結果、8.0質量%であっ
た。
【0086】得られたスルホン化ポリアニリンの5質量
%水溶液を調製し、スライドガラス上にスピンコート
し、薄膜を作成した。得られた薄膜の膜厚は0.15μ
mで、表面抵抗は1.8×107Ω/□であった。結果
を表1に示す。
【0087】(比較例1)初期撹拌動力を0.019k
W/m3とした以外実施例1と同様に反応を行った。合
成例1で得られたポリアニリン塩酸塩17.5gを1,
2−ジクロロエタン440gに撹拌分散し、80℃に加
熱した。クロロ硫酸44gを1,2−ジクロロエタン4
4gに溶解し、60分かけて滴下して加えた。滴下終了
後さらに5時間80℃で反応を行った。ポリアニリンの
ほとんどが凝集して板状の粒塊を形成し反応容器の器壁
および底に貼り付いた。冷却後反応物をろ別し、得られ
たウエットケーキを水/2−プロパノール=1/9混合
溶液300gに撹拌分散し、60℃にて4時間加水分解
反応を行った。冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ
過し、緑色ケーキを得た。これを2−プロパノールでろ
液に色が着かなくなるまで洗浄した。
【0088】乾燥質量は、25gであった。得られたス
ルホン化ポリアニリンの3質量%水溶液を調製したとこ
ろ、不溶分が観察された。結果を表1に示す。
【0089】(比較例2)ポリアニリンの含水率を10
%とした以外実施例1と同様に反応を行った。合成例1
で得られたポリアニリン塩酸塩17.5gを放置して、
含水率が10%となるまで吸湿させた(約1.3g)。
1,2−ジクロロエタン440gを加えて撹拌分散し、
80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを1,2−ジクロ
ロエタン44gに溶解し、60分かけて滴下して加え
た。滴下終了後、10分ほどでポリアニリンのほとんど
が凝集して団子状の粒塊を形成し、撹拌が困難となった
ため反応を中止した。結果を表1に示す。
【0090】(比較例3)スルホン化剤の滴下時間を1
5分とした以外実施例1と同様に反応を行った。合成例
1で得られたポリアニリン塩酸塩17.5gを1,2−
ジクロロエタン440gに撹拌分散し、80℃に加熱し
た。クロロ硫酸44gを1,2−ジクロロエタン44g
に溶解し、15分かけて滴下して加えた。滴下終了後さ
らに5時間80℃で反応を行った。ポリアニリンのほと
んどが凝集して板状の粒塊を形成し反応容器の器壁およ
び底に貼り付いた。冷却後反応物をろ別し、得られたウ
エットケーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液
300gに撹拌分散し、60℃にて4時間加水分解反応
を行った。冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過
し、緑色ケーキを得た。これを2−プロパノールでろ液
に色が着かなくなるまで洗浄した。
【0091】乾燥質量は、24gであった。得られたス
ルホン化ポリアニリンの3質量%水溶液を調製したとこ
ろ、不溶分が観察された。結果を表1に示す。
【0092】(比較例4)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300g
に分散し、30℃にて16時間加水分解反応を行った。
冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケー
キを得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かな
くなるまで洗浄した。乾燥質量28gであった。室温で
の水に対する溶解度を測定した結果、3質量%以下であ
った。結果を表1に示す。
【0093】(比較例5)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/9混合溶液300g
に分散し、75℃にて1時間加水分解反応を行った。冷
却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキ
を得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かなく
なるまで洗浄した。乾燥質量23gであった。室温での
水に対する溶解度を測定した結果、3質量%以下であっ
た。結果を表1に示す。
【0094】(比較例6)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩35.0gを1,2−ジクロロエタン390
gに分散し、80℃に加熱した。この時の初期撹拌動力
は0.35kW/m3であった。クロロ硫酸88gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、120分かけ
て滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反
応を行った。ポリアニリンのほとんどが凝集して板状の
粒塊を形成し反応容器の器壁および底に貼り付いた。冷
却後反応物をろ別し、得られたウエットケーキを水/2
−プロパノール=1/9混合溶液300gに分散し、7
5℃にて2時間加水分解反応を行った。冷却後、得られ
た緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキを得た。これ
を2−プロパノールでろ液に色が着かなくなるまで洗浄
した。乾燥質量23gであった。室温での水に対する溶
解度を測定した結果、3質量%以下であった。結果を表
1に示す。
【0095】(比較例7)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/4混合溶液300g
に分散し、75℃にて2時間加水分解反応を行った。冷
却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケーキ
を得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かなく
なるまで洗浄した。乾燥質量18gであった。室温での
水に対する溶解度を測定した結果、3質量%以下であっ
た。結果を表1に示す。
【0096】(比較例8)合成例1で得られたポリアニ
リン塩酸塩17.5gを1,2−ジクロロエタン440
gに分散し、80℃に加熱した。クロロ硫酸44gを
1,2−ジクロロエタン44gに溶解し、60分かけて
滴下して加えた。滴下終了後さらに5時間80℃で反応
を行った。冷却後反応物をろ別し、得られたウエットケ
ーキを水/2−プロパノール=1/19混合溶液300
gに分散し、75℃にて2時間加水分解反応を行った。
冷却後、得られた緑色スラリー溶液をろ過し、緑色ケー
キを得た。これを2−プロパノールでろ液に色が着かな
くなるまで洗浄した。乾燥質量26gであった。室温で
の水に対する溶解度を測定した結果、3質量%以下であ
った。結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】本発明により得られる水溶性導電性ポリ
アニリンは、水溶性に優れ、得られる水溶液をスピンコ
ート、ディップコートおよびバーコート等の簡便な手法
により薄膜を形成し、各種帯電防止用途、透明電極、電
磁波遮蔽材、光電変換素子、有機エレクトロルミネッセ
ンス素子、有機エレクトロクロミック素子、防錆剤、半
導体光触媒、フォトレジスト、非線形光学材料等に利用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 龍司 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 浅子 佳延 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水率0〜8質量%のポリアニリンまた
    はその誘導体1kgに対しに、スルホン化剤を単位時間
    当たり0.5〜8kg/hrの速度で滴下し、かつ初期
    撹拌動力0.03〜0.3kW/m3で撹拌してスルホ
    ン化し、次いで加水分解することを特徴とする水溶性導
    電性ポリアニリンの製造方法。
  2. 【請求項2】 スルホン化剤が、クロロ硫酸であること
    を特徴とする請求項1記載の水溶性導電性ポリアニリン
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 スルホン化剤と反応しない有機溶媒中で
    スルホン化反応することを特徴とする請求項1または2
    記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
  4. 【請求項4】 該ポリアニリンまたはその誘導体が、有
    機溶媒中に1〜30質量%で反応することを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性導電性ポリ
    アニリンの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアニリンがエメラルディン型のポリ
    アニリンであることを特徴とする、請求項1〜4のいず
    れかに記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
  6. 【請求項6】 該ポリアニリンがプロトン酸でドープさ
    れたドープ型ポリアニリンであることを特徴とする、請
    求項1〜5のいずれかに記載の水溶性導電性ポリアニリ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリアニリンまたはその誘導体をスルホ
    ン化剤を用いてスルホン化反応するに際して、ポリアニ
    リンの実質的な凝集による粒塊の生成を抑制することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性導電
    性ポリアニリンの製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリアニリンまたはその誘導体のスルホ
    ン化物の凝集塊が、最大10mm以下であることを特徴
    とする、請求項1〜7のいずれかに記載の水溶性導電性
    ポリアニリンの製造方法。
  9. 【請求項9】 該加水分解が、水と親水性有機溶媒との
    混合溶液中で該スルホン化物の濃度0.1〜30質量%
    で、温度40〜120℃で加水分解するものである、請
    求項1〜8のいずれかに記載の水溶性導電性ポリアニリ
    ンの製造方法。
  10. 【請求項10】 該水と親水性有機溶媒との混合比が、
    水1質量部に対し5〜18質量部であることを特徴とす
    る、請求項9記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記親水性有機溶媒が、アルコール類
    であることを特徴とする請求項9または10記載の水溶
    性導電性ポリアニリンの製造方法。
  12. 【請求項12】 ポリアニリンまたはその誘導体のスル
    ホン化物を、水と親水性有機溶媒との混合溶液中で、ス
    ルホン化ポリアニリンまたはその誘導体の濃度0.1〜
    30質量%で、温度40〜120℃で加水分解すること
    を特徴とする、水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
  13. 【請求項13】 該スルホン化物が、ドープ型エメラル
    ディンポリアニリンであることを特徴とする、請求項1
    2記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方法。
  14. 【請求項14】 該ポリアニリンがプロトン酸でドープ
    されたドープ型ポリアニリンであることを特徴とする、
    請求項12記載の水溶性導電性ポリアニリンの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14記載の方法で製造され
    たことを特徴とする、溶解度0.1〜10質量%の水溶
    性導電性ポリアニリン。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14記載の方法で製造され
    たことを特徴とする、表面抵抗が1×102〜1×10
    12Ω/□の水溶性導電性ポリアニリン。
  17. 【請求項17】 含水率0〜8質量%のポリアニリンま
    たはその誘導体1kgに対し、スルホン化剤を単位時間
    当たり0.5〜8kg/kg/hrの速度で滴下し、か
    つ初期撹拌動力0.03〜0.3kW/m3で撹拌する
    ことを特徴とする、ポリアニリンまたはその誘導体のス
    ルホン化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9550861B2 (en) 2013-04-12 2017-01-24 Osaka University Method for producing polyaniline having self-doping function and antistatic agent containing polyaniline produced thereby

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