JP2000191762A - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルの製造方法

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JP2000191762A
JP2000191762A JP10370837A JP37083798A JP2000191762A JP 2000191762 A JP2000191762 A JP 2000191762A JP 10370837 A JP10370837 A JP 10370837A JP 37083798 A JP37083798 A JP 37083798A JP 2000191762 A JP2000191762 A JP 2000191762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アセチル化反応槽と縮重合槽
を用いる芳香族ポリエステルの製造方法において、アセ
チル化反応槽における占有時間を短縮し、縮重合槽の容
量を低減し得る芳香族ポリエステルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アセチル化反応槽と縮重合槽
を用いる芳香族ポリエステルの製造方法において、アセ
チル化反応物を縮重合槽に移送する際に、縮重合槽に受
け入れられた内容液が140℃以上、260℃以下にな
るように縮重合槽を加熱しながらアセチル化反応物を受
け入れ、縮重合槽より留出する低沸分を留去することを
特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアセチル化反応槽と
縮重合槽を用いる芳香族ポリエステルの製造方法に関す
る。詳しくは、アセチル化反応物を縮重合槽に移送する
際に、縮重合槽に受け入れられた内容液が特定の温度範
囲になるように縮重合槽を加熱しながらアセチル化反応
物を受け入れ、副生した酢酸等の低沸分を縮重合槽より
留去させることを特徴とする工業的に有用な芳香族ポリ
エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルは芳香族ヒドロキシ
カルボン酸類、芳香族ジカルボン酸類および芳香族ジオ
ール等から選ばれるモノマー類と無水酢酸を原料とし
て、アセチル化後、縮重合させることにより得られるこ
とが知られている。一般的には、芳香族ポリエステルの
製造方法として、単一槽にて原料モノマー類の水酸基を
予め無水酢酸によりアセチル化したのち、カルボン酸類
と縮重合させる方法等が知られている。(J.Polym.Sc
i.:Polym.Chem.Ed.,vol.14,p2043-2058(1976))。しか
しながら、単一槽による方法は、アセチル化反応および
縮重合反応のみならずアセチル化反応によって副生する
酢酸等の低沸分まで留去するため、目的物を得るために
長時間を要する、という問題があった。上記問題を解決
するため、アセチル化反応槽と縮重合槽の2槽に分離
し、アセチル化反応槽にてアセチル化反応後、低沸分を
大部分留去したうえで縮重合槽に移送する方法が提案さ
れている(特開平6−192404)。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら、この方法ではアセチル化反
応槽に耐腐食性のあるグラスライニング製(以下GL製
という)反応槽を使用するため、急激な昇温を避けなけ
ればならず、長時間かけて昇温することを余儀なくされ
る結果、低沸分を留去するためにアセチル化反応槽を長
時間占有しなければならない、という問題があった。そ
こで、本発明者らは、アセチル化反応槽における占有時
間を短縮するため、低沸分の留去量を少なくすることを
試みたが、未留去の低沸分が増加する結果、縮重合槽の
容量が過大となる、という問題があった。本発明の目的
は、アセチル化反応槽における占有時間を短縮し、縮重
合槽の容量を低減し得る、工業的に有用な芳香族ポリエ
ステルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明者らは、アセチル化反応槽と縮重合
槽を用いる芳香族ポリエステルの製造方法において、ア
セチル化反応物を縮重合槽に移送する際に、縮重合槽に
受け入れられた内容液が特定の温度範囲になるように縮
重合槽を加熱しながらアセチル化反応物を受け入れ、縮
重合槽より留出する低沸分を留去するならば、アセチル
化反応槽における占有時間を短縮し、縮重合槽の容量を
低減し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、アセチル化反応槽と
縮重合槽を用いる芳香族ポリエステルの製造方法におい
て、アセチル化反応物を縮重合槽に移送する際に、縮重
合槽に受け入れられた内容液が140℃以上、260℃
以下になるように縮重合槽を加熱しながらアセチル化反
応物を受け入れ、縮重合槽より留出する低沸分を留去す
ることを特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法を提
供するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される芳香族ポリエステルの原料としては、例え
ば、芳香族ヒドロキシカルボン酸類、芳香族ジカルボン
酸類および芳香族ジオール等のモノマー類ならびにアセ
チル化剤が挙げられる。
【0007】本発明で一般的に用いられる芳香族ヒドロ
キシカルボン酸類としては、例えば下記一般式 HO−X−CO−O−R1 [式中、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数6〜16のアリール基を表し、Xは、2価の芳香族
基を表す。]で表されるものが挙げられる。中でも、X
が下記式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種類
の2価の芳香族基であることが好ましい。また、これら
の芳香族基にアルキル、アリール、アルコキシまたはハ
ロゲン基等が置換してもよい。
【0008】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸類として
は具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
p−ヒドロキシ安息香酸フェニル、 p−ヒドロキシ安
息香酸ベンジル、p−(4−ヒドロキシフェニル)安息
香酸、 p−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸メチ
ル、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ
−6−ナフトエ酸メチルおよび2−ヒドロキシ−6−ナ
フトエ酸フェニル等が例示される。中でもp−ヒドロキ
シ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸等が
好適である。
【0009】また、本発明で一般的に用いられる芳香族
ジカルボン酸類としては、例えば下記一般式 R2−O−CO−Y−CO−O−R2 [式中、R2は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数6〜16のアリール基を表し、Yは、2価の芳香族
基を表す。]で表されるものが挙げられる。中でも、Y
が下記式(4)〜(8)から選ばれる少なくとも1種類
の2価の芳香族基であることが好ましい。また、これら
の芳香族基にアルキル、アリール、アルコキシまたはハ
ロゲン基等が置換してもよい。 [Aは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキル基、カル
ボニル基またはスルホニル基を表す]
【0010】上記芳香族ジカルボン酸類としては、具体
的には、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジカ
ルボキシジフェニル、1,2−ビス(4−カルボキシフ
ェノキシ)エタン、2,5−ジカルボキシナフタレン、
2,6−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキ
シナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、テレ
フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル
酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル、4,4’−ジ
メトキシカルボニルジフェニル、2,6−ジメトキシカ
ルボニルナフタレン、1,4−ジクロロカルボニルナフ
タレンおよび1,5−ジフェノキシカルボニルナフタレ
ン等が例示される。中でも、テレフタル酸、イソフタル
酸および2,6−ジカルボキシナフタレン等が好適であ
る。
【0011】本発明で一般的に用いられる芳香族ジオー
ルとしては、例えば下記一般式 HO−Z−OH [式中、Zは、2価の芳香族基を表す。]で表されるも
のが挙げられる。中でも、Zが下記式(9)〜(12)
から選ばれる少なくとも1種類の2価の芳香族基である
ことが好ましい。また、これらの芳香族基にアルキル、
アリール、アルコキシまたはハロゲン基等が置換しても
よい。 [Aは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキル基、カル
ボニル基またはスルホニル基を表す]
【0012】上記芳香族ジオールとしては、具体的に
は、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、4,4’
−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、2,6−ジヒドロキシナフタ
レンおよび1,5−ジヒドロキシナフタレン等が例示さ
れる。中でも、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニル、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン等が好適である。
【0013】本発明で用いられる芳香族ヒドロキシカル
ボン酸類、芳香族ジカルボン酸類および芳香族ジオール
の使用比率は特に限定されないが、芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸類、芳香族ジカルボン酸類および芳香族ジオー
ルの合計100モル%に対して、通常、芳香族ヒドロキ
シカルボン酸類が30〜80モル%程度、芳香族ジカル
ボン酸類が35〜10モル%程度、芳香族ジオールが3
5〜10モル%程度から選ばれる範囲である。
【0014】本発明の芳香族ポリエステルは、原料をア
セチル化反応槽にてアセチル化したのち、縮重合槽に移
送する方法等により製造されるが、予めアセチル化され
た化合物を原料モノマー類の1部として使用しても良
い。また、アセチル化されない芳香族ジカルボン酸類等
はアセチル化反応槽あるいは縮重合槽等のいずれにおい
て使用してもよいが、通常、アセチル化反応槽にて他の
原料等とともに使用される。
【0015】本発明で用いられるアセチル化剤として
は、通常、無水酢酸等が用いられる。無水酢酸は原料の
水酸基と反応し、目的物であるアセチル化された原料モ
ノマー類を与えるほか、酢酸を副生する。アセチル化反
応における温度および圧力は、アセチル化反応溶液が還
流する条件ならば特に限定されないが、通常、常圧下、
140〜150℃程度で実施される。該反応温度が還流
する温度に達しなければ、反応時間が長くなる傾向にあ
る。また、アセチル化反応は、還流が開始されてから、
通常、約1〜5時間程度実施される。アセチル化反応物
とは、上記アセチル化反応終了後の溶液を表し、通常、
未反応原料、酢酸、アセチル化された原料モノマー類等
が含まれる溶液である。アセチル化反応槽の材質は、上
記アセチル化反応物に耐腐食性があることが好ましく、
通常、GL製等が用いられる。
【0016】アセチル化反応槽から縮重合槽へのアセチ
ル化反応物の移送は、縮重合槽に受け入れられた内容液
の温度が140〜260℃程度に維持されるように縮重
合槽を加熱しながら実施する。縮重合槽に受け入れられ
た内容液の温度が140℃に達しなければアセチル化反
応物を縮重合槽に移送する際に、縮重合槽から留去され
る低沸分量が少なくなる傾向にあり、結果として、アセ
チル化反応物を受け入れるために大容量の縮重合槽を必
要とするため好ましくない。また、該温度が260℃を
超える場合、アセチル化された原料モノマー類等が低沸
分とともに同伴留出して、目的物の収量を低下させる傾
向にあり、好ましくない。
【0017】縮重合槽に受け入れられた内容液から留去
される低沸分には、未反応無水酢酸、アセチル化反応で
副生される酢酸等が挙げられるが、もちろん、縮重合反
応によって生じる酢酸、水、アルコールおよびフェノー
ル等も含まれていて良い。アセチル化反応物を縮重合槽
に移送する際に、上記低沸分を留去するために、縮重合
槽を加熱する。上記の加熱源の温度としては、140℃
〜350℃程度に保持することが好ましい。中でも該温
度が150℃〜300℃、とりわけ150℃〜260℃
程度に保持されることが好ましい。該温度が140℃に
達しなければアセチル化反応物を縮重合槽に移送する際
に、縮重合槽から留去される低沸分量が少なくなる傾向
にあり、結果として、アセチル化反応物を受け入れるた
めに大容量の縮重合槽を必要とするため好ましくない。
また、加熱源の温度が350℃よりも高い場合、得られ
た芳香族ポリエステルの分解などの副反応が生じる傾向
にあり、好ましくない。
【0018】アセチル化反応物をアセチル化反応槽から
縮重合槽に移送する方法としては、例えば、アセチル化
反応槽を窒素等の不活性ガスにて約1kg/cm2・G程度に
加圧したのち、常圧下の縮重合槽に圧力差で移送する方
法、常圧のアセチル化反応槽から減圧された縮重合槽に
圧力差で移送する方法、アセチル化反応槽を縮重合槽の
上部に置き、その高低差で移送する方法および耐酸性の
ポンプにより移送する方法等が挙げられる。中でも、ア
セチル化反応槽を加圧する方法と高低差で移送する方法
は、設備的に簡便でかつ移送量を簡単に制御できること
から好ましい。
【0019】縮重合槽の材質はアセチル化反応物等に対
して耐腐食性であることが好ましく、具体的にはSUS
316、SUS316L、2相ステンレス、ニッケル−
モリブデン系合金、不浸透黒鉛、チタン、ジルコニウ
ム、GLおよびタンタル等が例示される。ニッケル−モ
リブデン系合金の具体例としては、ハステロイ−B(三
菱マテリアル(株)登録商標)、ハステロイ−C(三菱
マテリアル(株)登録商標)等が挙げられる。縮重合槽
およびその翼の形状は公知のものを使用すれば良く、具
体的には、縦型の撹拌槽などの場合、多段のパドル翼、
タービン翼、ダブルヘリカム翼、錨形翼、櫛形翼等が用
いられる。
【0020】アセチル化反応物が縮重合槽に移送された
のち、公知の条件で縮重合反応を実施することにより、
目的の芳香族ポリエステルを得ることができる。具体例
としては、低沸分を留去させながら、常圧下、270〜
350℃程度まで縮重合槽の加熱源の温度を昇温し、同
温度程度において0〜5時間程度保温すれば芳香族ポリ
エステルを製造する方法等が挙げられる。また、酢酸を
十分留去するために、縮重合槽での昇温および保温等を
減圧下で実施してもよい。
【0021】縮重合の反応速度を増大させるために触媒
を使用しても良い。触媒としては、例えば、金属酸化
物、有機金属塩等が挙げられる。具体的には、ゲルマニ
ウム、スズ、チタン、アンチモン、コバルトまたはマン
ガン等の酸化物、酢酸塩、シュウ酸塩等が例示される。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。 (低沸分の測定方法)高速液体クロマトグラフィー法:
ウォ−タ−ズ社製600Eマルチソルベント送液システムに
より、移動相としてメタノール/酢酸(体積比が1000/
5)および水/酢酸(体積比が1000/5)を使用し、低圧
グラジエント法により測定した。使用したカラムは、内
径6.0mm、長さ15cmのオクタデシルシリル(ODS)カラム
である。定量計算は絶対検量線法によって実施した。
【0023】(実施例1)図1に示した装置を使用して
次の反応を行なった。パドル翼を有する0.3m3のGL製
アセチル化反応槽に、p-ヒドロキシ安息香酸74.82 kg
(542.2モル)、4,4'-ジヒドロキシジフェニル 33.61
kg(180.7モル)、テレフタル酸 22.5 kg(135.5モ
ル)、イソフタル酸 7.5 kg(45.2モル)および無水酢
酸 101.5 kg(994モル)を仕込み、窒素置換した。次
に該槽を加熱して、145℃にて全還流状態に達したの
ち、さらに3時間、還流、撹拌した。得られたアセチル
化反応物は約240Lであった。
【0024】櫛形撹拌翼を有する0.2m3のSUS-316製縮重
合槽を200℃の熱媒にて加熱したのち、移送された内
容液が150〜200℃になるように上記のアセチル化
反応物を縮重合槽に移送した。移送の開始とともに酢酸
等の低沸分が留出し始め、約35分で移送が完了した。
平均移送速度は、6.9L/分であった。移送終了時、
凝縮器により凝縮して得られた低沸分は約35Lで、こ
の低沸分には原料モノマー類およびそのアセチル化され
たモノマー類は検出されなかった。その後、さらに低沸
分を留去しながら縮重合槽の熱媒を昇温し、熱媒温度が
300℃に到達したのち、該温度を300℃に維持した
まま75分間撹拌した。最終的に留出した低沸分は、移
送時の低沸分とあわせて 114.5 kg であった。また、得
られた芳香族ポリエステルは淡黄色のポリマー 125 kg
であった。
【0025】(実施例2)実施例1と同一の縮重合槽を
250℃の熱媒にて加熱したのち、移送された内容液が
155〜250℃になるように、実施例1と同様の方法
で得られたアセチル化反応物をアセチル化反応槽から縮
重合槽に移送した。移送の開始とともに低沸分が留出し
始め、約31分で移送が完了した。平均移送速度は、
7.7L/分であった。移送終了時、凝縮器により凝縮
して得られた低沸分は約37.5Lで、この低沸分には
原料モノマー類およびそのアセチル化されたモノマー類
は検出されなかった。その後、さらに低沸分を留去しな
がら縮重合槽の熱媒を昇温し、熱媒温度が310℃に到
達したのち、該温度を310℃に維持したまま60分間
撹拌した。最終的に留出した低沸分は、移送時の低沸分
とあわせて 114 kg であった。また、得られた芳香族ポ
リエステルは淡黄色のポリマー 126 kgであった。
【0026】(比較例)実施例1と同一の縮重合槽を1
35℃の熱媒にて加熱したのち、実施例1と同様の方法
で得られたアセチル化反応物を平均移送速度は、6.9
L/分にてアセチル化反応槽から縮重合槽に移送した。
移送を開始しても低沸分は留出せず、アセチル化反応物
を約85%移送した時点で縮重合槽が溢れそうになった
ので、移送を中止した。その後、実施例1と同様に、低
沸分を留去しながら縮重合槽の熱媒を昇温し、熱媒温度
が300℃に到達したのち、該温度を300℃に維持し
たまま75分間撹拌した。最終的に留出した低沸分は、
97.2 kg であった。また、得られた芳香族ポリエステル
は淡黄色のポリマー 106.0 kgにとどまった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、アセチル化反応槽と縮
重合槽を用いる芳香族ポリエステルの製造方法におい
て、アセチル化反応槽における占有時間を短縮し、縮重
合槽の容量を低減し得るので、本発明は工業生産上有利
となる芳香族ポリエステル製造方法を提供することがで
きた。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する製造装置の一例を示す略断面
図である。
【符号の説明】
1:アセチル化反応槽 2:縮重合槽 3:移送管 4:凝縮器 5:酢酸抜き出しバルブ 6:凝縮器冷却水 7:排ガス
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA06 AB05 BB04A BB05A BB10A BB12A BB13A BC05A BC06A BE03 BF14A BH02 CB05A CB06A CB10A CB12A CC05A CC06A CC07 CE04 CF08 CG13X CH02 DB07 DB13 EB05A EB08 EC05A EC06A KB02 KD01 KD17 KE01 KE06 LA00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセチル化反応槽と縮重合槽を用いる芳香
    族ポリエステルの製造方法において、アセチル化反応物
    を縮重合槽に移送する際に、縮重合槽に受け入れられた
    内容液が140℃以上、260℃以下になるように縮重
    合槽を加熱しながらアセチル化反応物を受け入れ、縮重
    合槽より留出する低沸分を留去せしめることを特徴とす
    る芳香族ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】縮重合槽を140℃以上、350℃以下に
    加熱することを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】芳香族ポリエステルの原料が、芳香族ヒド
    ロキシカルボン酸類、芳香族ジカルボン酸類、芳香族ジ
    オールおよび無水酢酸であることを特徴とする請求項1
    〜2記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】芳香族ヒドロキシカルボン酸類、芳香族ジ
    カルボン酸類および芳香族ジオールの使用量が下記比率
    であることを特徴とする請求項3記載の芳香族ポリエス
    テルの製造方法。 芳香族ヒドロキシカルボン酸:30〜80モル% 芳香族ジカルボン酸類:35〜10モル% 芳香族ジオール:35〜10モル% ただし、芳香族ヒドロキシカルボン酸類、芳香族ジカル
    ボン酸類および芳香族ジオールの合計は100モル%で
    ある。
  5. 【請求項5】芳香族ヒドロキシカルボン酸類が下記一般
    式 HO−X−CO−O−R1 [式中、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭
    素数6〜16のアリール基を表し、Xは、2価の芳香族
    基を表す。]で表されることを特徴とする請求項3〜4
    記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】Xが下記式(1)〜(3)から選ばれる少
    なくとも1種類の2価の芳香族基であることを特徴とす
    る請求項3〜5記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】芳香族ヒドロキシカルボン酸類が、p−ヒ
    ドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−
    ナフトエ酸であることを特徴とする請求項3〜6記載の
    芳香族ポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】芳香族ジカルボン酸類が下記一般式 R2−O−CO−Y−CO−O−R2 [式中、R2は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭
    素数6〜16のアリール基を表し、Yは、2価の芳香族
    基を表す。]で表されることを特徴とする請求項3〜7
    記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】Yが下記式(4)〜(8)から選ばれる少
    なくとも1種類の2価の芳香族基であることを特徴とす
    る請求項3〜8記載の芳香族ポリエステルの製造方法。 [Aは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキル基、カル
    ボニル基またはスルホニル基を表す]
  10. 【請求項10】芳香族ジカルボン酸類が、テレフタル
    酸、イソフタル酸および2,6−ジカルボキシナフタレ
    ンから選ばれる少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸
    類であることを特徴とする請求項3〜9記載の芳香族ポ
    リエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】芳香族ジオールが下記一般式 HO−Z−OH [式中、Zは、2価の芳香族基を表す。]で表されること
    を特徴とする請求項3〜10記載の芳香族ポリエステル
    の製造方法。
  12. 【請求項12】Zが下記式(9)〜(12)から選ばれ
    る少なくとも1種類の2価の芳香族基であることを特徴
    とする請求項3〜11記載の芳香族ポリエステルの製造
    方法。 [Aは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキル基、カル
    ボニル基またはスルホニル基を表す]
  13. 【請求項13】芳香族ジオールが、ヒドロキノン、レゾ
    ルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2’
    −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,
    4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少
    なくとも1種類の芳香族ジオールであることを特徴とす
    る請求項3〜12記載の芳香族ポリエステルの製造方
    法。
  14. 【請求項14】アセチル化反応槽が、グラスライニング
    製であることを特徴とする請求項1〜13記載の芳香族
    ポリエステルの製造方法。
  15. 【請求項15】縮重合槽が、SUS316、SUS31
    6L、2相ステンレス、ニッケル−モリブデン系合金、
    不浸透黒鉛、チタン、ジルコニウム、GLおよびタンタ
    ルから選ばれる少なくとも1種類の材質であることを特
    徴とする請求項1〜14記載の芳香族ポリエステルの製
    造方法。
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