JP2000191588A - シクロ化合物及びその医薬用途 - Google Patents

シクロ化合物及びその医薬用途

Info

Publication number
JP2000191588A
JP2000191588A JP10206751A JP20675198A JP2000191588A JP 2000191588 A JP2000191588 A JP 2000191588A JP 10206751 A JP10206751 A JP 10206751A JP 20675198 A JP20675198 A JP 20675198A JP 2000191588 A JP2000191588 A JP 2000191588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
lower alkyl
acid
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10206751A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Shinkai
久 新海
Hidekazu Koseki
英和 小関
Takeshi Ota
毅 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP10206751A priority Critical patent/JP2000191588A/ja
Publication of JP2000191588A publication Critical patent/JP2000191588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式〔1〕 【化1】 〔式中、Aは 【化2】 (ここで、Rはハロゲン原子で置換された低級アルキ
ル基であり、Rはハロゲン原子又は低級アルキル基で
あり、Rは低級アルキル基であり、Rは低級アルキ
ル基である。)であり、Rは水素原子、低級アルキル
基、アリール基、シクロアルキル基又はアラルキル基で
ある。〕で示されるシクロ化合物又は医薬上許容される
塩。 【効果】本発明の糖尿病治療薬は、高血糖状態において
は優れた血糖低下作用を有し、しかも正常な範囲の血糖
状態あるいは低血糖状態においては、血糖に何ら影響を
及ぼさず、即ち低血糖等の重篤な副作用を起こさない、
糖尿病治療薬として有用であり、糖尿病の慢性合併症の
予防剤としても有用な薬剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロ化合物及び
その医薬用途に関する。更に詳しくは、シクロ構造を有
する化合物及びその医薬上許容し得る塩を含有してなる
低血糖等の重篤な副作用のない、高血糖状態のみを改善
する優れた薬理作用を有する新規な糖尿病治療薬に関す
る。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、インスリン作用の不足によっ
て、糖、脂質、アミノ酸代謝異常のもたらされる慢性的
な疾患である。無治療の状態では持続する高血糖や尿糖
を示す。糖尿病は、インスリン依存型とインスリン非依
存型に分けられ、糖尿病患者の約90%はインスリン非
依存型の糖尿病である。インスリン依存型糖尿病は、イ
ンスリン分泌能が消失しているため、ケトン血症、アシ
ドーシスに傾きやすく、放置すれば糖尿病性昏睡に陥
る。食餌や経口血糖降下剤では治療効果はなく、インス
リンによってのみ治療可能である。一方、インスリン非
依存型糖尿病は、インスリン作用が正常よりも低下して
いるものの、ケトン血症、アシドーシス傾向は乏しく治
療上必ずしもインスリンを必要としない。インスリン非
依存型糖尿病患者の高血糖の原因の一つに糖刺激に対す
るインスリン分泌の異常や標的細胞におけるインスリン
抵抗性の増大等が指摘されている。インスリン分泌の異
常は、膵臓β細胞に於いて血液中の糖濃度を感知してそ
れに応じてインスリンを分泌する機能が異常を来たして
いると考えられるが、詳細なメカニズムは未だ解明され
ていない。インスリン分泌異常としては、インスリン分
泌能力不足ばかりでなく、初期分泌の消失や分泌の遅延
が挙げられ、その結果として高血糖を引き起こしている
ためと考えられている。インスリンの抵抗性とは、細胞
における糖の取り込みにおけるインスリン作用が低下し
ていることを指す。その意味ではインスリン自体の異
常、標的細胞におけるインスリン受容体の異常、細胞内
での伝達系の異常等が原因と考えられる。しかし、イン
スリンの抵抗性が、なぜ起こっているのかは完全には解
明されていない(治療学29(4)378〜381頁
(1995))。
【0003】現在、高血糖を是正する目的で、インスリ
ン製剤、スルホニルウレア剤、ビグアナイド剤、インス
リン抵抗性を改善する糖尿病治療剤、α−グルコシダー
ゼ阻害剤等が存在する。インスリン製剤は、インスリン
依存性糖尿病に用いる薬剤であり、確実に血糖を低下さ
せるが、注射により投与しなければならないうえに低血
糖になるおそれもある。スルホニルウレア剤は膵β細胞
を刺激し、内因性インスリン分泌を促進するが、インス
リン分泌のタイミング及び分泌量は、血糖値とは関係な
く、薬物の投与タイミング、投与量によって決まる。こ
のため副作用として、しばしば薬剤の作用持続に起因す
る低血糖を呈する。また、食欲不振等の消化器症状が現
れる。重症ケトーシス又は肝若しくは腎機能障害のある
患者には禁忌である。ビグアナイド系薬物は膵β細胞刺
激はなく、単独投与によっては健常人及び糖尿病患者の
いずれも低血糖を生じない。作用機序として嫌気的解糖
作用による糖利用の増大、糖新生の抑制、糖の腸管吸収
抑制などが考えられる。副作用として比較的重篤な乳酸
性アシドーシスを起こしやすい。インスリン抵抗性を改
善する薬剤はチアゾリジン誘導体があるが、チアゾリジ
ン誘導体化合物は、インスリン分泌促進作用を及ぼさ
ず、インスリン作用の増強を有し、インスリン受容体キ
ナーゼ活性化、抹消組織の糖取り込み促進作用、肝糖産
生亢進状態の改善等がみられるが、副作用として消化器
症状及び浮腫等が起こり、また、赤血球数、ヘマトクリ
ット、ヘモグロビンの低下とLDHの上昇が起こる事が
示されている(新しい糖尿病治療学、90〜99頁(1
994)医薬ジャーナル社)。一方、他の糖尿病治療薬
としてはα−グルコシダーゼを阻害する薬物が存在す
る。α−グルコシダーゼ阻害薬は消化管における糖質の
消化・吸収を遅延させ食後の血糖上昇を抑制するが、膨
満感、腹鳴、下痢等の副作用が問題となっている(JOSL
IN'S DIABETES MELLITUS 13Th Ediition 521-522)。そ
の他、特開昭63−54321号公報には投与直後に急
激かつ一過性のインスリン分泌を示し、速攻性かつ短時
間作用型の経口血糖降下剤が示されている。しかしなが
ら、血糖量に応じたインスリン分泌を行うものではな
く、しかも効果が薬剤の投与量、投与タイミングに依存
するために、血糖コントロールがむずかしく誤投与によ
る低血糖の危険が残る。さらに、特開平4−12826
6号公報には、アルドース還元酵素阻害剤がグルコース
濃度依存的なインスリン分泌促進作用を合わせもつこと
が記載されている。しかしながら、投与量が多いうえに
十分な血糖コントロールが得られていない。そこで、単
に血糖を下げる薬剤ではなく、正常範囲内に血糖をコン
トロールできる薬剤が望まれていた。
【0004】なお、糖尿病治療薬に係る発明で構造的に
類似する化合物としては以下の物が公知である。しかし
ながら、このような化合物が本発明のごとき正常範囲内
に血糖をコントロールできるという優れた糖尿病治療薬
として有効であることを示す公知の文献は存在せず、ま
してや、それを示唆するデータも全く開示されていな
い。以下に、これら公知化合物の構造式と文献名(Re
gistry Number(R.N.)、特許公報番
号又は文献名)及びそこに開示される主たる用途を表1
乃至表8に示す。
【0005】
【表1】
【0006】
【表2】
【0007】
【表3】
【0008】
【表4】
【0009】
【表5】
【0010】
【表6】
【0011】
【表7】
【0012】
【表8】
【0013】また、我々は特願平9−49803号にお
いて本発明と同様な作用を有する化合物を先に出願して
いる。
【0014】
【発明が解決する課題】本発明者等は、高血糖状態にお
いては血糖低下作用を有し、低血糖等の副作用を起こさ
ない薬剤を見い出すべく鋭意検討した結果、投与しても
低血糖等の重篤な副作用を起こさず、高血糖状態のみに
作用を及ぼし、糖尿病治療薬として有用であり、糖尿病
の慢性合併症の予防剤としても有用な薬剤を見い出し、
本発明を完成した。
【0015】
【発明を解決するための手段】即ち、本発明は、下記
(1)乃至(7)に示される化合物、その医薬上許容し
得る塩、その医薬用途及び医薬組成物に関する。
【0016】(1) 一般式〔1〕
【0017】
【化6】
【0018】〔式中、Aは
【0019】
【化7】
【0020】(ここで、R2はハロゲン原子で置換され
た低級アルキル基であり、R3はハロゲン原子又は低級
アルキル基であり、R4は低級アルキル基であり、R5
低級アルキル基である。)であり、R1は水素原子、低
級アルキル基、アリール基、シクロアルキル基又はアラ
ルキル基である。〕で示されるシクロ化合物又は医薬上
許容される塩。
【0021】(2) Aが
【0022】
【化8】
【0023】であり、R2におけるハロゲン原子で置換
された低級アルキル基のハロゲン原子及びR3における
ハロゲン原子がフッ素であり、R1が水素原子である
(1)記載のシクロ化合物又は医薬上許容される塩。
【0024】(3) Aが
【0025】
【化9】
【0026】(ここで、R2はフッ素で置換された低級
アルキル基である。)である(2)記載のシクロ化合物
又は医薬上許容される塩。
【0027】(4) Aが
【0028】
【化10】
【0029】である(1)記載のシクロ化合物又は医薬
上許容される塩。
【0030】(5) trans−4−〔4−(フルオ
ロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタン酸、t
rans−4−〔4−(トリフルオロメチル)シクロヘ
キシル〕−4−オキソブタン酸、4−(4,4−ジメチ
ルシクロヘキシル)−4−オキソブタン酸、(±)−4
−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)−4−オキソ
ブタン酸、4−(4−c−フルオロ−4−t−メチル−
1−r−シクロヘキシル)−4−オキソブタン酸、エチ
ル 〔(trans−4−メチルシクロヘキサンカルボ
ニル)アミノ〕アセテート及び〔(trans−4−メ
チルシクロヘキサンカルボニル)アミノ〕酢酸からなる
群より選ばれるシクロ化合物又は医薬上許容される塩。
【0031】(6) (1)乃至(5)いずれかに記載
のシクロ化合物又はその医薬上許容される塩と医薬的に
許容される担体とを含有してなる医薬組成物。
【0032】(7) (1)乃至(5)いずれかに記載
のシクロ化合物又は医薬上許容される塩を含有してなる
糖尿病治療薬。
【0033】本明細書において使用する各置換基の定義
は次の通りである。「低級アルキル基」とは炭素数1乃
至6の直鎖又は分枝してもよいアルキル基であり、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基又はヘキ
シル基等である。R3、R4及びR5における低級アルキ
ル基として好ましくは炭素数1乃至4の直鎖又は分枝し
てもよいアルキル基であり、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、
より好ましくはメチル基である。R1における低級アル
キル基として好ましくは炭素数1乃至4の直鎖又は分枝
してもよいアルキル基であり、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、
より好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0034】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、フッ
素又はヨウ素であり、好ましくはフッ素である。
【0035】「ハロゲン原子で置換された低級アルキル
基」とは、上記低級アルキル基が上記ハロゲン原子で置
換されているものであり、例えばフルオロメチル基、ジ
フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオ
ロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオ
ロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジ
フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル
基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル
基、3−フルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロ
ピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1−フ
ルオロブチル基、2−フルオロブチル基、3−フルオロ
ブチル基、4−フルオロブチル基、4,4−ジフルオロ
ブチル基、4,4,4,4−トリフルオロブチル基、ク
ロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル
基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1,1
−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,
2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル
基、1−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3
−クロロプロピル基、3,3−ジクロロプロピル基、
3,3,3−トリクロロプロピル基、1−クロロブチル
基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−ク
ロロブチル基、4,4−ジクロロブチル基、4,4,4
−トリクロロブチル基、ブロムメチル基、ジブロムメチ
ル基、トリブロムメチル基、1−ブロムエチル基、2−
ブロムエチル基、1,1−ジブロムエチル基、1,2−
ジブロムエチル基、2,2−ジブロムエチル基、2,
2,2−トリブロムエチル基、1−ブロムプロピル基、
2−ブロムプロピル基、3−ブロムプロピル基、3,3
−ジブロムプロピル基、3,3,3−トリブロムプロピ
ル基、1−ブロムブチル基、2−ブロムブチル基、3−
ブロムブチル基、4−ブロムブチル基、4,4−ジブロ
ムブチル基、4,4,4−トリブロムブチル基等であ
り、好ましくはフルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2
−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、
1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチ
ル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1−フルオ
ロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロ
プロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、
2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、4−フ
ルオロブチル基、4,4−ジフルオロブチル基、4,
4,4,4−トリフルオロブチル基等であり、より好ま
しくはフルオロメチル基、トリフルオロメチル基であ
る。
【0036】「アリール基」とは、フェニル基、ビフェ
ニリル基、ナフチル基等であり、好ましくはフェニル基
である。
【0037】「シクロアルキル基」とは、炭素数3乃至
7のシクロアルキル基であり、具体的には、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基又はシクロヘプチル基であり、好ましくはシク
ロペンチル基又はシキロヘキシル基であり、より好まし
くはシクロヘキシル基である。
【0038】「アラルキル基」とは、アリール基がフェ
ニル基を意味し、かつアルキル部が炭素数1乃至6個の
アルキル基であるアリールアルキル基であって、例えば
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、
フェニルブチル基、フェニルペンチル基又はフェニルヘ
キシル基等であり、好ましくはベンジル基又はフェニル
エチル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0039】「医薬上許容し得る塩」とは、上記一般式
〔1〕で示される化合物と無毒性の塩を形成するもので
あればいかなるものであってもよい。例えば塩酸塩、臭
化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸付加
塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グ
リコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、P−ト
ルエンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸付加
塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ
酸との塩;ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等の
アルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のア
ルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩;
トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン
塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’
−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩;リジ
ン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸との塩を挙げる
ことができる。また、本発明の化合物は不斉炭素を有す
る場合もあり、その場合、光学的に純粋なエナンチオマ
ー、そのラセミ体、あるいはそれらの組み合わせ及び比
率が任意である混合物が存在し、本発明は、それらのい
かなる異性体からなる糖尿病治療薬をも包含する。ま
た、ラセミ体の場合には必要であれば光学分割法によ
り、一方の光学活性体のみを得ることができ、不斉合成
法を用いれば、直接一方の光学活性体のみを得ることが
できる。 更に、本発明の化合物は場合によっては、水
和物であってもよく、溶媒和物であってもよい。なお、
本発明においては各化合物のプロドラッグ及び代謝物も
包含される。「プロドラッグ」とは薬物分子を化学的に
修飾した誘導体でそれ自体は生理活性を示さず、投与後
体内で、元の薬物分子に復元し薬効を示すものをいう。
【0040】本発明の化合物の医薬製剤としては通常、
それ自体公知の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希
釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化
剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補
助剤、その他の添加剤、具体的には、水;植物油;エタ
ノール、ベンジルアルコール又はヒドロキシプロピルア
ルコールのようなアルコール;ポリエチレングリコー
ル、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、ラクトー
ス、でんぷんのような炭水化物;ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、ラノリン、ワセリン、白糖、ブドウ糖、
マンニット、ソルビット、結晶セルロース、アラビアゴ
ム、デキストリン、ヒドロキシメチルプロピルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、カルナバロウ、ポリオキシ
エチレン、ポリオキシプロピレン、グリコール、カカオ
脂、ラウリン酸、レシチン、グリセリン、パラオキシ安
息香酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、
ソルビン酸カリウム等と混合して錠剤、丸剤、散剤、顆
粒剤、座剤、注射剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤等
の形態により経口又は非経口的に投与することができ
る。投与量は、疾患の程度、投与する化合物並びに投与
経路、患者の年齢、性別、体重により変わり得るが、経
口の場合、通常成人1日当たり本発明の化合物を0.0
01〜1000mg、特に0.1〜100mg投与すれ
ばよい。なお、本発明化合物は動物用医薬としても適応
することができる。
【0041】次に、本発明に係わる一般式〔1〕で表わ
されるシクロ化合物の製造方法について述べるが、本発
明化合物の製造方法は例示の製造方法に限定されるもの
ではないのは勿論である。以下、合成方法を示し、更に
詳しく説明する。 製造方法1〔Aが
【0042】
【化11】
【0043】の場合;R2=−CH21(X1はハロゲン
原子である。)〕
【0044】
【化12】
【0045】(ここでR6はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、tert−ブチル基等の低級アルキ
ル基であり、R7はtert−ブチル基であり、R1’
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級ア
ルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;
フェニル基等のアリール基;ベンシル基等のアラルキル
基等である。X及びX2は同一又は異なって塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子であり、X1
フッ素等のハロゲン原子である。)
【0046】工程1 メタノール、エタノール等のアルコール類の溶媒中、化
合物(2)をアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等)の塩基の存在下、氷冷下乃
至室温下で反応させ、次に塩酸、硫酸硝酸等の無機酸で
中和させることにより部分加水分解をした化合物(3)
を得ることができる。
【0047】工程2 ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中もしくはそれら
の混合溶媒中又は無溶媒で化合物(3)をオキサリルク
ロリド、オキサリルブロミド、チオニルクロリド等と冷
却下乃至加温下、好ましくは0℃乃至加温下にて反応さ
せることにより化合物(4)を得ることができる。本反
応はジメチルホルムアミド等を添加することにより、よ
り好ましい結果を得ることがある。
【0048】工程3 ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類の溶媒中、
水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシホウ素ナ
トリウム等の還元剤の存在下、化合物(4)を反応させ
ることにより化合物(5)を得ることができる。
【0049】工程4 化合物(5)をクロロホルム、塩化メチレン等の溶媒
中、氷冷下乃至加温下、N,N−ジエチル(2−クロロ
−1,1,1−トリフルオロエチル)アミンで代表され
るフッ化アミン試薬や三フッ化(ジエチルアミノ硫黄)
等のフッ化剤を反応させることにより化合物(6)を得
ることができる。また、化合物(5)をクロロホルム、
塩化メチレン等の溶媒中、または無溶媒でピリジン、N
−メチルモルホリン、トリエチルアミン等の有機塩基の
存在下、氷冷下乃至室温にてメタンスルホン酸クロリ
ド、p−トルエンスルホン酸クロリド、トリフルオロメ
タンスルホン酸無水物等と反応させることによりスルホ
ン酸エステルとしたのち、ジエチレングリコール、テト
ラヒドロフラン等のエーテル溶媒中、室温乃至加温下、
フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、テトラブチルアン
モニウムフルオリド等のフッ化物と反応させることによ
り化合物(6)を得ることができる。
【0050】工程5 水または水とメタノール、エタノール等のアルコール類
若しくは1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
環状エーテル類との混合溶媒中、水酸化リチウム、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、化合
物(6)を冷却下乃至加温下にて加水分解させることに
より化合物(7)を得ることができる。
【0051】工程6 ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中もしくはそれら
の混合溶媒中又は無溶媒で化合物(7)をオキサリルク
ロリド、オキサリルブロミド、チオニルクロリド等と冷
却下乃至加温下、好ましくは0℃乃至加温下にて反応さ
せることにより化合物(8)を得ることができる。本反
応はジメチルホルムアミド等を添加することにより、よ
り好ましい結果を得ることがある。
【0052】工程7 エチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド等の溶媒またはそれらの混合溶媒
中、水素化リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムジイソプロ
ピルアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の
存在下、化合物(8)と化合物(9)を冷却下乃至加温
下で反応させることにより化合物(10)を得ることが
できる。
【0053】工程8 ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒中もしくはそれら
の混合溶媒中又は無溶媒でギ酸、トリフルオロ酢酸、p
−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下にて冷却下乃
至室温下、好ましは室温乃至加温下、化合物(10)を
反応させることにより化合物〔1〕を得ることができ
る。
【0054】工程9 水または水とメタノール、エタノール等のアルコール類
若しくは1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
環状エーテル類との混合溶媒中、水酸化リチウム、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、化合
物〔1〕を冷却下乃至加温下にて加水分解させること
により化合物〔1〕を得ることができる。
【0055】尚、既知化合物
【0056】
【化13】
【0057】を出発原料とする場合は、工程6から順次
工程9まで行なうことによりAが
【0058】
【化14】
【0059】であって、目的化合物の一つである
【0060】
【化15】
【0061】を得ることができる。
【0062】製造方法2(Aが
【0063】
【化16】
【0064】の場合;R3’は低級アルキル基であり、
4は前記の通りである。)
【0065】
【化17】
【0066】(式中、R1’、R3’、R4、R7及びX2
は前記の通りである。)
【0067】工程1 製造方法1の工程6と同様にしてベンゼン、トルエン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロ
ホルム等の溶媒中もしくはそれらの混合溶媒中又は無溶
媒で化合物(11)をオキサリルクロリド、オキサリル
ブロミド、チオニルクロリド等と冷却下乃至加温下、好
ましくは0℃乃至加温下にて反応させることにより化合
物(12)を得ることができる。本反応はジメチルホル
ムアミド等を添加することにより、より好ましい結果を
得ることがある。
【0068】工程2 製造方法1の工程7と同様にして、エチルエーテル、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等の溶媒またはそれらの混合溶媒中、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下、化合物
(12)と化合物(9)を冷却下乃至加温下で反応させ
ることにより化合物(13)を得ることができる。
【0069】工程3 製造方法1の工程8と同様にして、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、ク
ロロホルム等の溶媒中もしくはそれらの混合溶媒中又は
無溶媒でギ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホ
ン酸等の酸触媒の存在下にて冷却下乃至加温下、好まし
は室温乃至加温下、化合物(13)を脱保護し脱炭酸さ
せることにより化合物〔1〕を得ることができる。
【0070】工程4 製造方法1の工程9と同様にして、化合物〔1〕を水
または水とメタノール、エタノール等のアルコール類も
しくは1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環
状エーテル類との混合溶媒中、水酸化リチウム、水酸化
カリウム、水素化ナトリウム等の塩基の存在下、冷却下
乃至加温下にて加水分解させることにより化合物
〔1〕を得ることができる。
【0071】製造方法3(Aが
【0072】
【化18】
【0073】の場合;式中、R3”はハロゲン原子であ
り、R4及びR5は前記の通りである。)
【0074】
【化19】
【0075】(式中、X2、R1’、R3”、R4、R5
びR7は前記の通りである。)
【0076】工程1 製造方法1の工程6と同様にしてベンゼン、トルエン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロ
ホルム等の溶媒中若しくはそれらの混合溶媒中又は無溶
媒で化合物(14)をオキサリルクロリド、オキサリル
ブロミド、チオニルクロリド等と冷却下乃至加温下、好
ましくは0℃乃至加温下にて反応させることにより化合
物(15)を得ることができる。本反応はジメチルホル
ムアミド等を添加することにより、より好ましい結果を
得ることがある。
【0077】工程2 製造方法1の工程7と同様にして、エチルエーテル、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等の溶媒又はそれらの混合溶媒中、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下、化合物
(15)と化合物(9)を冷却下乃至加温下で反応させ
ることにより化合物(16)を得ることができる。
【0078】工程3 製造方法1の工程8と同様にして、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、ク
ロロホルム等の溶媒中もしくはそれらの混合溶媒中又は
無溶媒でギ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホ
ン酸等の酸触媒の存在下にて冷却下乃至室温下、好まし
は室温乃至加温下、化合物(16)を反応させることに
より化合物〔1〕を得ることができる。
【0079】工程4 化合物〔1〕をエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類の溶媒中、氷冷下乃至加温下、フッ化水素ピリ
ジン錯体又はフッ化水素トリエチルアミン錯体を反応さ
せることにより化合物〔1〕を得ることができる。ま
たは、化合物〔1〕をクロロホルム、塩化メチレン等
の溶媒中、トリエチルアミン三フッ化水素錯体とN−ク
ロロコハク酸イミド又はトリエチルアミン三フッ化水素
錯体とN−ブロモコハク酸イミド等を反応させ、次い
で、ベンゼン、トルエン等の溶媒中、加温下、水素化ト
リブチルスズ、水素化トリフェニルスズ等の有機スズ水
素化合物と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)等のラジカル開始剤を反応させることにより化合物
〔1〕を得ることができる。
【0080】工程5 製造方法1の工程9と同様にして、水または水とメタノ
ール、エタノール等のアルコール類もしくは1,4−ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類との
混合溶媒中、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム等の塩基の存在下、化合物〔1〕を冷却下
乃至加温下にて加水分解させることにより化合物
〔1〕を得ることができる。
【0081】工程5’ 工程5と同様にして、水または水とメタノール、エタノ
ール等のアルコール類もしくは1,4−ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類との混合溶媒中、
水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等
の塩基の存在下、化合物〔1〕を冷却下乃至加温下に
て加水分解させることにより化合物〔1〕を得ること
ができる。
【0082】製造方法4(Aが
【0083】
【化20】
【0084】の場合〕
【0085】
【化21】
【0086】〔式中、X2及びR1’は前記の通りであ
り、R1”は水素原子又はナトリウム、カリウム、リチ
ウム等のアルカリ金属である。〕
【0087】工程1 製造方法1の工程6と同様にして、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、ク
ロロホルム等の溶媒中もしくはそれらの混合溶媒中又は
無溶媒で化合物(17)をオキサリルクロリド、オキサ
リルブロミド、チオニルクロリド等と冷却下乃至加温
下、好ましくは0℃乃至加温下にて反応させることによ
り化合物(18)を得ることができる。本反応はジメチ
ルホルムアミド等を添加することにより、より好ましい
結果を得ることがある。
【0088】工程2 化合物(18)を塩化メチレン、クロロホルム、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジメトキシメタン、トルエン等の溶媒中若しくはそ
れらの混合溶媒中、化合物(19)で表わされるグリシ
ンエステル誘導体を、ピリジン、トリエチルアミン、N
ーメチルモルホリン等の有機塩基の存在下、氷冷下乃至
加温下、反応させることにより化合物〔1〕を得るこ
とができる。
【0089】工程3〔R1’=メチル、エチルの場合〕 メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、1,4
−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒
又は水、若しくはこれらの混合溶媒中、化合物〔1
を水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等の無機塩基と反応させ、対応するリチウム塩、カリウ
ム塩、ナトリウム塩である化合物〔110〕を得ること
ができる。またそれらを塩酸、硫酸等の無機酸で中和す
ることによりR1”が水素原子である化合物を得ること
ができる。
【0090】〔R1’=ベンジルの場合〕メタノール、
エタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、テトラ
ヒドロフラン等の溶媒中、化合物〔1〕をパラジウム
−炭素、水酸化パラジウム−炭素等のパラジウム触媒を
用いて、室温乃至加温下、1気圧乃至5気圧の水素と反
応させることによりR1”が水素原子である化合物を得
ることができる。
【0091】以下に、本発明の糖尿病治療薬に用いる化
合物の実施例を示すが本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではないことは勿論である。
【0092】実施例1 trans−4−〔4−(フル
オロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタン酸 a)4−メトキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸 ジメチル 1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
(24.6g)のメタノール(80ml)溶液に0℃に
て水酸化カリウム(6.54g)加え、3時間撹拌し
た。メタノールを減圧溜去後、得られた残渣を水に溶解
し、水層をエーテルで洗浄した。水層を塩酸で酸性とし
た後、酢酸エチルで抽出、濃縮し表題化合物(7.10
g)を得た。
【0093】b)メチル 4−(クロロホルミル)シク
ロヘキサンカルボキシレート 実施例1のa)で得られた4−メトキシカルボニルシク
ロヘキサンカルボン酸(10.4g)の塩化メチレン
(200ml)溶液に、室温にてオキサリルクロリド
(5.70ml)を加え、次にジメチルホルムアミド
(0.1ml)を加え撹拌した。反応終了後、反応液を
濃縮し、表題化合物(11.4g)を得た。
【0094】c)メチル 4−(ヒドロキシメチル)シ
クロヘキサンカルボキシレート 実施例1のb)で得られたメチル 4−(クロロホルミ
ル)シクロヘキサンカルボキシレート(11.4g)の
1,4−ジオキサン(228ml)溶液を水素化ホウ素
ナトリウム(4.21g)と還流下反応させた。反応終
了後、氷水に注ぎ、酸性にした後、酢酸エチルで抽出し
た。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽
和食塩水にて順次洗浄し、濃縮して、表題化合物(7.
56g)を得た。
【0095】d)メチル 4−〔(トリフルオロメタン
スルホニル)オキシメチル〕シクロヘキサンカルボキシ
レート 実施例1のc)で得られたメチル 4−(ヒドロキシメ
チル)シクロヘキサンカルボキシレート(1.465
g)の塩化メチレン(29ml)溶液に0℃にて、ピリ
ジン(0.826ml)とトリフルオロメタンスルホン
酸無水物(2.15ml)を加え、1時間撹拌した。反
応を希硫酸で終了させ、有機層を水で洗浄し、濃縮し
て、表記化合物(2.214g)を得た。
【0096】e)メチル 4−(フルオロメチル)シク
ロヘキサンカルボキシレート 実施例1のd)で得られたメチル 4−〔(トリフルオ
ロメタンスルホニル)オキシメチル〕シクロヘキサンカ
ルボキシッレート(2.214g)とテトラブチルアン
モニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液(1M,
72.8ml)を混合し、55℃にて1時間反応させ
た。反応混合物を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに
溶解し、水で洗浄後、濃縮した。カラムクロマトグラフ
ィーにて精製し表題化合物(0.952g)を得た。
【0097】f)4−(フルオロメチル)シクロヘキサ
ンカルボン酸 実施例1のe)で得られたメチル 4−(フルオロメチ
ル)シクロヘキサンカルボキシレート(0.952g)
のメタノール(3.5ml)溶液に室温にて水酸化ナト
リウム水溶液(1N,7.1ml)を加え、12時間撹
拌した。メタノールを減圧留去後、水層を酸性とした後
酢酸エチルで抽出し、濃縮して、表題化合物(0.75
4g)を得た。
【0098】g)4−(フルオロメチル)シクロヘキサ
ンカルボニル クロリド 実施例1のf)で得られた4−(フルオロメチル)シク
ロヘキサンカルボン酸(0.754g)の塩化メチレン
(15ml)溶液に室温にて、オキサリルクロリド
(0.534ml)を加え、次にジメチルホルムアミド
(0.05ml)を加え、撹拌した。反応終了後、反応
液を濃縮し、表題化合物(0.841g)を得た。
【0099】h)エチル 4−〔4−(フルオロメチ
ル)シクロヘキシル〕−4−オキソ−3,3−ビス(t
ert−ブトキシカルボニル)ブタノエート 水素化ナトリウム(60%オイルディスパージョン,
0.198g)のテトラヒドロフラン(2.0ml)懸
濁液にジ−tert−ブチル 2−(エトキシカルボニ
ルメチル)プロパンジオエート(1.42g)のテトラ
ヒドロフラン(30ml)溶液を室温にて滴下し撹拌し
た。次に反応液に実施例1のg)で得られた4−(フル
オロメチル)シクロヘキサンカルボニル クロリド
(0.841g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶
液を滴下し、撹拌した。反応終了後、反応液の飽和塩化
アンモニウム水溶液を加え、混合液を酢酸エチルで抽出
した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮し
て、表題化合物(2.092g)を得た。
【0100】i)エチル trans−4−〔4−(フ
ルオロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタノエ
ート 実施例1のh)で得られたエチル 4−〔4−(フルオ
ロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキソ−3,3−ビ
ス(tert−ブトキシカルボニル)ブタノエート
(2.092g)のトルエン(40ml)溶液にP−ト
ルエンスルホン酸・一水和物(0.0895g)を加
え、反応液を3時間還流した。反応終了後、反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、濃縮し、表題化合物(0.840g)を得た。
【0101】j)trans−4−〔4−(フルオロメ
チル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタン酸 実施例1のi)で得られたエチル trans−4−
〔4−(フルオロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキ
ソブタノエート(0.840g)のメタノール(4.0
0ml)溶液に室温にて水酸化ナトリウム水溶液(1
N,3.78ml)を加え、12時間撹拌した。メタノ
ールを減圧留去後、水層を酸性とした後、酢酸エチルで
抽出し、濃縮して、表題化合物(0.539g)を得
た。
【0102】実施例2 trans−4−〔4−(トリ
フルオロメチル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタン
酸 4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンカルボン酸
より実施例1のg)、h)、i)、j)の工程と同様に
して表題化合物を得た。
【0103】実施例3 4−(4,4−ジメチルシクロ
ヘキシル)−4−オキソブタン酸 4,4−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸より実施例
1のg)、h)、i)、j)の工程と同様にして表題化
合物を得た。
【0104】実施例4 (±)−4−(4−メチル−3
−シクロヘキセニル)−4−オキソブタン酸 (±)−4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸よ
り実施例1のg)、h)、i)、j)の工程と同様にし
て表題化合物を得た。
【0105】実施例5 4−(4−c−フルオロ−4−
t−メチル−1−r−シクロヘキシル)−4−オキソブ
タン酸 a)エチル (±)−4−(4−メチル−3−シクロヘ
キセニル)−4−オキソブタノエート (±)−4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸よ
り実施例1のg)、h)、i)、の工程と同様にして表
題化合物を得た。
【0106】b)エチル (±)−4−(3−ブロモ−
4−フルオロ−4−メチルシクロヘキシル)−4−オキ
ソブタノエート 実施例5のa)で得られたエチル (±)−4−(4−
メチル−3−シクロヘキセニル)−4−オキソブタノエ
ート(2.126g)の塩化メチレン(42.5ml)
溶液にN−ブロモコハク酸イミド(1.69g)とトリ
エチルアミン三フッ化水素酸塩(2.78ml)を加え
た。反応液を室温にて30分間撹拌し、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄し、濃縮して、表題化合物(3.
06g)を得た。
【0107】c)エチル 4−(4−c−フルオロ−4
−t−メチル−1−r−シクロヘキシル)−4−オキソ
ブタノエート 実施例5のb)で得られたエチル (±)−4−(3−
ブロモ−4−フルオロ−4−メチルシクロヘキシル)−
4−オキソブタノエート(3.06g)のトルエン(1
22.4ml)溶液に水素化トリブチルスズ(2.80
ml)と2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
(0.155g)を加え、反応液を2時間還流した。反
応液を室温にて飽和フッ化ナトリウム水溶液で洗浄し、
濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し表題化合物(1.61g)を得た。
【0108】d)4−(4−c−フルオロ−4−t−メ
チル−1−r−シクロヘキシル)−4−オキソブタン酸 実施例5のc)で得られたエチル 4−(4−c−フル
オロ−4−t−メチル−1−r−シクロヘキシル)−4
−オキソブタノエートより実施例1のj)と同様にして
表題化合物を得た。
【0109】実施例6 エチル 〔(trans−4−メチルシクロヘキサンカ
ルボニル)アミノ〕アセテート a)trans−4−メチルシクロヘキサンカルボニル
クロリド trans−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸(2
5.0g)の塩化メチレン(250ml)溶液にオキサ
リルクロリド(16.85ml)とジメチルホルムアミ
ド(0.1ml)を加え、室温にて1時間撹拌し反応さ
せ、反応液を濃縮し、表題化合物(22.8g)を得
た。
【0110】b)エチル 〔(trans−4−メチル
シクロヘキサンカルボニル)アミノ〕アセテート グリシンエチルエステル塩酸塩(0.627g)のジメ
チルホルムアミド(20.0ml)溶液にN−メチルモ
ルホリン((1.10ml)を加え撹拌し、続けて実施
例6のa)で得られたtrans−4−メチルシクロヘ
キサンカルボニル クロリド(0.722g)を加え撹
拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに
溶解し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、5%
硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、表題化
合物(0.679g)を得た。
【0111】実施例7 〔(trans−4−メチルシクロヘキサンカルボニ
ル)アミノ〕酢酸 a)ベンジル 〔(trans−4−メチルシクロヘキ
サンカルボニル)アミノ〕アセテート 実施例6のa)で得られたtrans−4−メチルシク
ロヘキサンカルボニルクロリドとグリシンベンジルエス
テル塩酸塩を用い、実施例6のb)と同様にして表題化
合物を得た。
【0112】b)〔(trans−4−メチルシクロヘ
キサンカルボニル)アミノ〕酢酸 実施例7のb)で得られたベンジル 〔(trans−
4−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ〕アセテ
ート(1.68g)のエタノール(50ml)溶液に5
%パラジウム−炭素(1.52g)を加え、室温にて1
気圧水素雰囲気下で5時間撹拌した。5%パラジウム−
炭素を濾去し濾液を濃縮して表題化合物(1.20g)
を得た。以下に実施例化合物の物性値を示す。
【0113】
【表9】
【0114】
【表10】
【0115】製剤例 以下、製剤処方例により本発明を具体的に説明する。 製剤処方例 式[1]の化合物 3.0mg 結晶セルロース 67.0mg コーンスターチ 25.0mg タルク 4.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 上記組成を十分に混合し、造粒後、乾燥し打錠機にて1
錠100mgの錠剤とした。
【0116】試験例 以下、試験例により本発明を具体的に説明する。試験例
1 絶食ラットを用いた耐糖能試験 体重約250gのWistar系雄性ラット(日本チャ
ールスリバー)を実験前日より16時間絶食した後用い
た。ブドウ糖(1g/kg)を腹腔内投与し、30、6
0及び120分後に尾静脈より採血(0.2ml)し
た。血清を得た後、ヘキソキナーゼ法により血糖値を測
定した。被検薬物は、0.5%カルボキシメチルセルロ
ース又はコーンオイルに懸濁し、ブドウ糖負荷の30分
前に経口投与した。コントロールには0.5%カルボキ
シメチルセルロースを投与した。血糖値上昇の抑制活性
は、ブドウ糖負荷後30分後のコントロールの血糖上昇
値を100%とし、被検薬物投与群の抑制率(%)で表
示した。また、120分後の血糖値もコントロールに対
する変化率(%)で表示した。以下に、試験結果を示
す。
【0117】
【表11】
【0118】一例として、本発明化合物(実施例1)と
コントロールを経口投与した際の血糖値の経時的な変化
を図1に示した。図1においては、本発明化合物の投与
量を種々に変えて測定した結果を示している。図1によ
れば、本発明化合物はブドウ糖負荷後30分後の高血糖
状態においては血糖を有意に低下させるが、120分後
の血糖状態ではもはや血糖を必要以上に低下させる事は
なかった。さらに本発明化合物は投与量にかかわらず、
ブドウ糖負荷後30分後の高血糖状態においては血糖を
有意に低下させ、120分後の血糖状態ではもはや血糖
を必要以上に低下させないという傾向が認められる。他
の実施例化合物も同様の作用を示した。
【0119】
【発明の効果】以上の試験結果等より、本発明にかかる
化合物は、高血糖状態においては優れた血糖低下作用を
有し、しかも低血糖等の重篤な副作用を起こさない。従
って、糖尿病治療薬として有用であり、糖尿病の慢性合
併症の予防剤としても有用な薬剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブドウ糖負荷した後、種々の用量の本発明化合
物(実施例1)とカルボキシメチルセルロース(コント
ロール)を経口投与したときの血糖の変化(縦軸)と経
過時間(横軸)を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 59/80 C07C 59/80 69/716 69/716 Z 69/738 69/738 Z 233/63 233/63 (72)発明者 太田 毅 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 DA11 DB11 DB56 DB57 GA06 MA01 MA04 NA14 ZC35 4H006 AA01 AA03 AB20 BJ20 BJ50 BM10 BM20 BR20 BS10 BS20 BT12 BT14 BT16 BV62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 〔式中、Aは 【化2】 (ここで、R2はハロゲン原子で置換された低級アルキ
    ル基であり、R3はハロゲン原子又は低級アルキル基で
    あり、R4は低級アルキル基であり、R5は低級アルキル
    基である。)であり、R1は水素原子、低級アルキル
    基、アリール基、シクロアルキル基又はアラルキル基で
    ある。〕で示されるシクロ化合物又は医薬上許容される
    塩。
  2. 【請求項2】 Aが 【化3】 であり、R2におけるハロゲン原子で置換された低級ア
    ルキル基のハロゲン原子及びR3におけるハロゲン原子
    がフッ素であり、R1が水素原子である請求項1記載の
    シクロ化合物又は医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】 Aが 【化4】 (ここで、R2はフッ素で置換された低級アルキル基で
    ある。)である請求項2記載のシクロ化合物又は医薬上
    許容される塩。
  4. 【請求項4】 Aが 【化5】 である請求項1記載のシクロ化合物又は医薬上許容され
    る塩。
  5. 【請求項5】trans−4−〔4−(フルオロメチ
    ル)シクロヘキシル〕−4−オキソブタン酸、tran
    s−4−〔4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシ
    ル〕−4−オキソブタン酸、4−(4,4−ジメチルシ
    クロヘキシル)−4−オキソブタン酸、(±)−4−
    (4−メチル−3−シクロヘキセニル)−4−オキソブ
    タン酸、4−(4−c−フルオロ−4−t−メチル−1
    −r−シクロヘキシル)−4−オキソブタン酸、エチル
    〔(trans−4−メチルシクロヘキサンカルボニ
    ル)アミノ〕アセテート及び〔(trans−4−メチ
    ルシクロヘキサンカルボニル)アミノ〕酢酸からなる群
    より選ばれるシクロ化合物又は医薬上許容される塩。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれかに記載のシクロ
    化合物又はその医薬上許容される塩と医薬的に許容され
    る担体とを含有してなる医薬組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5いずれかに記載のシクロ
    化合物又は医薬上許容される塩を含有してなる糖尿病治
    療薬。
JP10206751A 1997-08-15 1998-07-22 シクロ化合物及びその医薬用途 Pending JP2000191588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10206751A JP2000191588A (ja) 1997-08-15 1998-07-22 シクロ化合物及びその医薬用途

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23540097 1997-08-15
JP9-235400 1997-08-15
JP10206751A JP2000191588A (ja) 1997-08-15 1998-07-22 シクロ化合物及びその医薬用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000191588A true JP2000191588A (ja) 2000-07-11

Family

ID=26515845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10206751A Pending JP2000191588A (ja) 1997-08-15 1998-07-22 シクロ化合物及びその医薬用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000191588A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2375017C (en) Hydrochloride of fused-heterocycle compound
JP3144624B2 (ja) N−ベンジルジオキソチアゾリジルベンズアミド誘導体及びその製造法
EP2639229B9 (en) Thiazole Derivative and use thereof as VAP-1 Inhibitor
JPWO2006137509A1 (ja) Ppar調節剤を含有する医薬組成物
JP4766693B2 (ja) 代謝障害の処置のための化合物
JPS61267580A (ja) チアゾリジン誘導体
KR20080098615A (ko) 물질대사 장애의 치료용 화합물
JP4697973B2 (ja) 代謝障害の処置のための化合物
EP1981842A2 (fr) Derives de sulfonamides, leur preparation et leur application en therapeutique
JP2013501812A (ja) 炎症またはエネルギー代謝/産生関連疾患の治療または予防のためのPPARδリガンドの使用
JP4703563B2 (ja) 代謝障害を治療するための化合物
KR20210141622A (ko) 과혈당증의 치료에 유용한 헤테로시클릴(페닐)메탄올 화합물
JP2001514632A (ja) 新規ヘテロサイクリック化合物
JP5252585B2 (ja) 代謝障害の治療のための化合物
WO1989002890A1 (en) Thiohydantoin compounds
JP2000191588A (ja) シクロ化合物及びその医薬用途
WO1999008991A1 (fr) Composes cycliques et leur utilisation medicinale
JPH0135831B2 (ja)
US7396858B2 (en) Biguanide derivative and therapeutic agent for diabetes containing the same
JPH0440356B2 (ja)
JPS59152328A (ja) サリチル酸誘導体含有鎮痛剤
WO1995007898A1 (fr) Compose d'acide succinamique, procede pour sa fabrication, et son utilisation
JPH062748B2 (ja) 新規ヒダントイン誘導体及び該化合物を有効成分として含有する医薬組成物
WO1992014730A1 (en) Thiazolidine-2,4-dione derivative, salt thereof, and production thereof
FR3110164A1 (fr) Procédé de préparation du nitazoxanide et de ses dérivés et utilisation pour la prévention ou le traitement d’états pathologiques dus à l’infection par des virus du type coronavirus, et plus particulièrement du type SARS-CoV-2