JP2000191549A - Hivに関連した異形症/代謝不全症候群の治療 - Google Patents

Hivに関連した異形症/代謝不全症候群の治療

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JP2000191549A JP10372070A JP37207098A JP2000191549A JP 2000191549 A JP2000191549 A JP 2000191549A JP 10372070 A JP10372070 A JP 10372070A JP 37207098 A JP37207098 A JP 37207098A JP 2000191549 A JP2000191549 A JP 2000191549A
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Abstract

(57)【要約】 【課題および解決手段】 HIV関連dismorphic/代謝
不全症候群(HADDS)および関連する症候群は、ヒ
ト成長ホルモンまたはhGH受容体に結合してシグナリ
ングを惹起する他の物質を有効量投与することによって
治療される。代わりに、内因性hGHの生成を刺激する
物質、たとえばヒト成長ホルモン放出ホルモンといった
もの、を投与することができる。HADDSには、頸背
部脂肪パッド(バッファローこぶ)および体幹部脂肪蓄
積(クリックス腹)を含むことができ、特に、プロテア
ーゼ阻害剤治療を受けているAIDS患者においてそう
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HIVに関連した
異形症/代謝不全症候群、および関連した症候群の治療
方法および薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日和見感染症の予防および治療の開発に
加えて、HIV感染症の抗ウイルス治療法の進歩は、H
IV陽性者の長期健康を著しく増進している。しかしな
がら、レトロウイルス感染症あるいはAIDS合併症罹
患のこれら治療の進歩にもかかわらず、栄養失調あるい
は他の理由により、体重が減少する患者は存在する。多
くの治療法研究が、減少した摂取カロリーによる栄養失
調に関連してきたが、摂取カロリー増加のための治療法
は、体重の減少を戻すまでの効果を証明されていない。
【0003】ここでHIVに関連した異形症-代謝不全
症候群、あるいはHADDS、あるいは代わりになるべ
きものとして、脂肪不均衡分布症候群、FMSは慢性の
HIV感染症にかかっている患者に認められ、しばしば
HIVプロテアーゼ抑制剤を含む抗活性複合抗レトロウ
イルス療法の使用と関連している(カーら、1998;ロ
ら、1998)。それはHIV感染症と関連した複数組織
の、性二形性異常であり、(1)身体構成あるいは体質
異常、(2)代謝変化、および(3)他の異常な生理機
能を含む。この症候群は比較的新しく、そして、従っ
て、この症候群のための標準的な名称はまだない。上記
以外の名称には、HIVに関連した脂肪再分布症候群
(HARS);プロテアーゼ瘤胃、この症候群は直接プ
ロテアーゼ阻害剤とは関係ないが;HIVに関連したバ
ッファローこぶ;HIVに関連した胸部拡張;HIVに
関連した対称性脂肪腫症:HIVに関連した脂肪欠乏症
候群(HALS);およびHIVに関連した異形症/代
謝不全症候群(HADMS)を含んでいる。
【0004】肢瘠痩、顔面瘠痩、および同時に生じる高
脂血症と高インシュリンを含む急激(数週間から数ヶ
月)な脂肪蓄積の複雑な症候群は、過コルチゾール症の
存在がなく、医学史上珍しい。その病因はわからない。
この症候群の身体上の現れは公衆衛生の意義上重要であ
る。体質の変化は患者にとって、ぎょっとするし、外観
をそこなうし、さらに汚名をきせる。これらの変化は、
身体的に不快にし、不具にし、他人へ症候群が知れるの
を恐れて、効果的な抗レトロウイルス治療の中断、ある
いは医学的に必要な抗レトロウイルス治療の開始の拒絶
をするかもしれない。このことは、HIVの増大した感
染性、日和見感染性の複雑化、そして医療コストの増大
をまねく。これらの医療的複雑化は、HIV/AIDS
を保持する患者の増加する接触頻度とともに起こる。こ
の症候群が薬物に関連するかは明らかでない。抗レトロ
ウイルス薬物療法(プロテアーゼ阻害剤を用いた高活性
抗レトロウイルス療法)を受けたHIV/AIDS患者
においては効果が大きいが、抗レトロウイルスを受けた
ことのない患者について、いくつかの例ではこの症候群
あるいはそのいくつかの現れが観察されている(ロら、
1998;カーら、1998)。この症候群の現れは、抗レトロ
ウイルス薬物療法が中断されあるいは変えられたとき
に、時には部分的に軽減するが、しかしこの現れはしば
しば完全には軽減せず、あるいは比較的早くは消散しな
い。これは、この症候群が、HIV−1の慢性的な抑制
に関連した免疫の再構成あるいは自己免疫現象と関連し
て、発生するかもしれないという考えを起こさせる。こ
の症候群のための効果的な医学療法はまだ知られていな
い。
【0005】HADDSにおいては、脂肪細胞の増殖あ
るいは増大が身体の多くの個所で発現する:腹腔網ある
いは内臓部位、頚背脂肪(これは「バッファローこぶ」
を作る)、あるいはその他の場所、まれには胸部脂肪蓄
積および複合脂肪腫および左右非対称脂肪腫を含む。手
足において筋肉消耗がおこるのと同様、筋肉あるいは非
脂肪性の器官に病的に分配され、生殖器の異常性はペイ
ロニー病に似ている。皮膚への現れといった、身体組織
の変化が他にも起こり得る:髪の減少、乾燥肌、異常つ
め、あるいは血管浮腫。この状態は股関節部の骨粗鬆症
あるいは虚血壊死とは関連していないであろう。体質の
変化はびっくりするし外観をそこなうし、心理的あるい
は肉体的に不快で、身体像の不安、抑うつ、および広場
恐怖症;バッファローこぶあるいは体幹肥満による運動
量低下;腹部脂肪の急激な蓄積にもしかしたら関連した
腹部ヘルニア;そして過剰の腹部脂肪の蓄積にもしかし
たら関連した不充分な呼吸をもたらす。これらの変化
は、患者がHIV/AIDSを持っているということを
あらわすかもしれないために、社会的に汚名をきせられ
うる。
【0006】それ以上に、この症候群の代謝的あらわれ
は、医学的に深刻な問題の発生の一因となり、たとえば
突然かつひどい過血糖症、真性糖尿病の始まり、扱いが
難しい過脂症、早期冠動脈症、痛風、または骨折や股関
節部の血管壊死を伴う骨粗鬆症といったものである。他
の典型的な代謝あるいは心理的な異常はトリグリセリド
の増加やコレステロール異常を含み、これは総コレステ
ロールの増加、LDLコレステロールの増加、またはH
DL−コレステロールの減少を含んでいる。普遍的では
ない代謝的あるいは精神的異常には、高血圧、ホルモン
異常、あるいは他の異常、たとえば補償機能のみだれや
凝固異常、これは血友病患者において出血の増加をもた
らす、を含む。
【0007】HIV感染症の抗レトロウイルス療法に関
連しているかもしれない体組成変化は、総脂肪量および
非脂肪性器官よりも部分的な脂肪分配に関連している。
エンゲルソンら(1998)は、抹消脂肪が減少して中枢脂
肪が増加したことを報告しているが、これは、全身MR
IおよびDXAスキャンを使用すると場所的には内臓で
あり皮下ではない。カーら(1998)は、プロテアーゼ阻
害剤を受けているHIV陽性患者において、末梢のHA
DDSを観察し、これは、たとえば過脂症および真性糖
尿病プロテアーゼ阻害剤といった既知の副作用ととも
に、プロテアーゼ阻害剤が代謝不安の原因となってイン
シュリン耐性を導くことを示唆する。カーら(1998)
は、二重エネルギーX線吸収法技術を用いてプロテアー
ゼ阻害剤で処理した対象の多く(64%)に増加した幹
脂肪を報告している。真性糖尿病が非常にまれであるこ
とが臨床的には明らかだが、彼らはインシュリン耐性の
証明も見つけている。HIVプロテアーゼの触媒部位の
アミノ酸配列は、低密度リポたんぱく質受容体のような
たんぱく質と重大な相同性を持つことが見出された。こ
れらの結果は、この問題の発生においてプロテアーゼ阻
害剤そのものを含意するが、しかし他の研究者はプロテ
アーゼ阻害剤それ自体がこれらの症状の原因ではないこ
とを見出している。
【0008】論文で報告されている患者の他の認識でき
る肉体的変化には、腕および脚が細くなること、顔のし
わの増加、特に鼻唇皺へきにおいて、が含まれる。鎖骨
上脂パッドが明らかなふくらみを伴って大きくなるのと
同様、バファローこぶ(頚背部脂肪パッド)が現れる可
能性もある。この症状は女性にも影響を与え、最も顕著
な変化は、ウェストサイズの増加とともに、ヒップが細
くなって胸が大きくなる。ヴィラベンら(1997)は、プ
ロテアーゼ阻害剤治療後に、局部的あるいは全身性の脂
肪失調症を発現した患者8人を含むケーススタディを報
告している。この患者のうち4人は、糖尿症あるいはイ
ンシュリン耐性をも見出された。2人の患者が、両脚か
らの進行性の皮下脂肪減少を発現する一方で、自然な臀
部および腹部の余分な脂肪が肥満の印象を与える。6人
の場合には、頬、耳下腺および耳前面の脂肪パッドの減
少によって、カシェの様相が観察された。2人の患者
は、顔から全面的な脂肪組織の減少を示した。
【0009】ロら(1998)は、バッファローこぶの研究
調査のために8人のHIV−1陽性患者についての研究
結果を報告している。この患者のうち4人のみ、プロテ
アーゼ阻害剤を含む3倍量の抗レトロウイルス下におい
た。患者にクッシング症候群以外の兆候は現れなかっ
た。バッファローこぶをもった患者のうち4人がプロテ
アーゼ阻害剤を使ったとことがないという事実は、クッ
シング状ではないバッファローこぶの発現は、プロテア
ーゼ阻害剤療法においては特別でないということを示
す。増加したトリグリセリド濃度および典型的でない身
体脂肪分配の間に関係があるという可能性が考えられる
が、バッファローこぶをもった患者においてトリグリセ
リド値のさらなる増加の機構は明らかでない。例えば、
もし増分の多くが内臓脂肪ならば、中枢脂肪蓄積はイン
シュリン耐性の代謝症候群、過トリグリセリド血液およ
び高血圧症をもたらす。
【0010】ミラーら(1998)は、インジナビル、プロ
テアーゼ阻害剤を、HIV−1感染症のための、薬物の
組み合わせに加えると、腹部肥満、膨張、あるいは鼓張
といった症状を伴った腹周囲増大を示す患者が幾人か存
在したことを報告した。これらの症状をもった患者の多
くについて、腹部コンピューター断層撮影(CT)スキ
ャンは過剰な腹腔内脂肪および比較的少量の皮下脂肪を
示した。内臓脂肪、過トリグリセリド血症、および過コ
レステロール血症の間には、関係がなかった。HADD
Sについての追加の報告が、レトロウイルスおよび日和
見感染症についての第5回会議(1998、2月1〜5日、シ
カゴ、イリノイ)でなされた。マリガンら(1998)は、
プロテアーゼ阻害剤あるいはラミブジンを含む抗レトロ
ウイルス摂取開始前と開始後の患者から得られた結果を
比較した。約4ヶ月の短期間ではどのグループにも、2
倍量X線吸収法によっては、全身または部分脂肪あるい
は除脂肪体重について有意の変化はなかった。
【0011】ケルリーら(1998)は、短期間のプロテア
ーゼ阻害剤の使用を、高血糖症および糖尿病との関連付
けで報告した。彼らは、ひどい高血糖症が100人/月に
つき0.35で、高血糖症の全程度では0.52の発症率である
ことを計算した。プロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サ
キナビル、およびインジナビル)の最初の使用後の着手
の中央値は53日であった。それゆえ、PI療法コースに
ついて初期から代謝変化が見られることが明らかな一
方、組織変化はそれ以上かかると思われる。ドン(199
8)らは、プロテアーゼ阻害剤の使用に関連した糖尿病
の全症例および、プロテアーゼ阻害剤の使用に関連した
全米からの高血糖症の6例を再検討して、プロテアーゼ
阻害剤誘導高血糖症が、まれな発症であると結論した。
ビョルントップ(1996)は、HIV−陰性患者につい
て、インシュリン耐性を含む胴体部肥満および代謝異常
に似た症候群を見出した。この非HIV関連症候群はX
症候群として知られている。
【0012】FDAは、HIV感染症の治療のためにプ
ロテアーゼ阻害剤を受けている患者において、脂肪代謝
の変化による末梢性のインシュリン耐性について報告が
あることを報告し、そしてこれら糖尿病の患者の中には
胴体部肥満があることを見出した。他の患者において、
この異常が最初に報告されたのはHIV感染症と関連し
てではあるが、合併症の存在あるいは非存在で、過トリ
グレセリド血症を持つことが見出された。治療開始前に
過トリグリセリド血症をもつ患者は、治療中に病気が悪
化していき、以前の状態には戻らない。他の患者におい
ては、危険な高値レベルになるのはまれだが、血清コレ
ステロール濃度が上昇する。患者の中には高血圧症を発
現し、そして他の患者では、低血清テストステロン濃度
を発現し、あるいは先在する性機能不全症が持続する。
【0013】上記から、プロテアーゼ阻害剤の投与がH
ADDSをもたらすかどうか、あるいはHADDSがプ
ロテアーゼの抗ウイルス効果によってもたらされるかど
うかは明確でない。プロテアーゼ阻害剤で治療した患者
に常に変化が見られるわけではなく、多くの患者には症
候群の若干の要素のみを持つ。中には、症候群あるいは
その現れが、抗レトロウイルスを受けたことの無い患者
に観察されている。異常脂肪分配の逆転の潜在性は不確
かである。報告から示唆されることは、HIV−1に感
染した個体におけるバッファローこぶは、必ずしもクッ
シング症候群あるいは高血糖症と関連があるわけではな
い。トリグリセリド濃度の上昇が、内臓脂肪蓄積あるい
はバッファローこぶとともに生じる証拠もある。上記の
ように、胴体部肥満の患者において、様々な頻度で血清
異常が起こる。24時間尿のないコルチゾールは徐々に上
昇するが、血清コルチゾール濃度は概して正常である。
他の研究は、血清コルチゾールの上昇を見出さなかっ
た。脂肪分配の異常のために、患者の中にはクッシング
症候群を暗示する表現型を持つように見えるが、しかし
これは他の全ての報告された症例から除外された。
【0014】多くの研究で、プロテアーゼ阻害剤治療の
結果としてインシュリン耐性を証明しており、そしてプ
ロテアーゼ阻害剤を受けた患者における真性糖尿病の発
生率は低いように思われ、つらさは変化する。シーロウ
ノ研究所インコーポレイテッドが作った組換えヒト成長
ホルモン(rhGH)であるSEROSTIM(登録商
標)が、AIDS患者における体重減少および消耗を治
療するために、最近FDA認可を早期に付与された。ヴ
ィンディッシュら(1998)らは、AIDSに関連した消
耗が、筋肉の弱化および組織機能不全をもたらす体重減
少、除脂肪体重の消耗および体脂肪の維持によって特徴
付けられることを報告した。FDAは、AIDS関連の
消耗を治療するために組換え成長ホルモンを認可した
が、不利な結果の側面は他の組換え成長ホルモン製品の
ものに類似している。AIDS患者の消耗を抑制する組
換え成長ホルモンの試験が奨励されている。1996年以降
SEROSTIM(登録商標)を市販後に受けた10,000
人を超えるAIDS消耗患者の経験は、3ヵ月コースが
98%の患者に有効であったことを示している。
【0015】シャンベランら(1996)らおよびクレンツ
ら(1993)らは、AIDSあるいはAIDS関連コンプ
レックスを持った10人のHIV陽性患者について、組換
えヒト成長ホルモンの生理に対する薬理的な投与量(5.
0対2.5 mg、毎日)によってもたらされる代謝および人
体測定上の変化を比較した。治療中、インシュリンに似
た成長要素1(IGF−1)レベルが薬理学rhGH治
療グループで有意に上昇し、rhGHの生理的投与を受
けたグループでは有意の変化はIGF−1では観察され
なかった。薬理的hGHによって治療したグループにお
いて、先行研究の体重減少は研究を終了した4人の各患
者で反対であった。この体重増加は、除脂肪体重および
全身体水分の増加、同時に生じる脂肪量の減少および尿
素窒素の排出と関連づけられた。薬理的投与hGH群に
おいて、有意の好ましい身体組織変化も観察され、これ
らの変化は身体機能の向上(トレッドミルパフォーマン
ス)と相関関係にあった。rhGHの薬理的投与は、血
漿グルコース、インシュリンおよびC−ペプチド濃度を
断つことによって増加する関係にあるが、これは臨床上
の有意性は無視して良い。
【0016】今までのところ、脂肪パッドの脂肪吸引あ
るいは形成外科の他は、HADDSの特色について効果
的な治療はない。しかしながら、これらの方法は、HA
DDSに見られる根源的な代謝異常には作用しない。さ
らに脂肪吸引は異常な脂肪沈積を減らす一方で、脂肪が
失われた場所に脂肪を戻すことはない。さらに、これら
の技術は麻酔やきずあとの危険性が存在する。また、腸
穿孔の危険性のため、内臓腹腔網脂肪の脂肪吸引は実行
可能ではない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術における欠点の克服である。本発明の別の目的
は、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)または、他の
物質で、ヒト成長ホルモン受容体に結びついてシグナル
を開始させ、あるいは内因性hGH.の活性をゆるめま
たは強化するよう刺激するもの、を用いて、頚背部脂肪
過剰蓄積、胸部脂肪蓄積および胴体部脂肪過多を含むH
ADDSおよび関連した症候群のいかなる種類をも治療
することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、X症候
群(X代謝症候群としても知られている)および遺伝的
脂肪失調症といった、HADDSおよび関連した症候群
を治療するためにヒト成長ホルモン(hGH)が投与さ
れる。投与されるヒト成長ホルモンは、好ましくは組換
えヒト成長ホルモン(rhGH)である。代わりになる
ものとして、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)あ
るいはGHRH受容体を阻害する他の物質といった、内
因性ヒト成長ホルモンの放出を刺激する物質を、使用す
ることができる。いかなるHADDS患者も、本発明に
よって治療することができる。
【0019】本発明は、HIV関連異形症/代謝不全症
候群(HADDS)が、ヒト成長ホルモンの効果的な量
を投与することによって治療することができるという発
見に関する。本発明にしたがって治療されるHADDS
は、たとえば、頸背部脂肪パッド(バッファローコ
ブ)、内臓脂肪(体幹部肥満、腹腔網脂肪蓄積、クリッ
クス腹、あるいはプロテアーゼ腹)、胸部脂肪異常蓄
積、および他の脂肪異常蓄積(一あるいは複数の脂肪腫
および左右対称形の脂肪腫を含む)で現れる。ソマトト
ロピンとしても知られる、ヒト成長ホルモンは、下垂体
前葉のソマトトロピン細胞によって産生され、分泌され
る。分泌は、放出因子すなわち成長ホルモン放出ホルモ
ン(GHRH)、および抑制因子のソマトスタチンによ
って制御される。
【0020】ヒト成長ホルモンは、タンパク、炭水化物
および脂質の代謝に対しての効果を通して身体成長の中
心的役割を果たす。ヒト成長ホルモンは、二つのジスル
フィド結合を持つ191のアミノ酸の単一ポリペプチド鎖
であり(ビューリーら、1972)、一つはCys-53およびCy
s-165の間であり、分子中で大きなループを形成してお
り、もう一つはCys-182およびCys-189であり、C末端近
くで小さなループを形成している。アミノ酸配列を確認
したDNA配列がマーシャルらによって報告された(19
79)。精製したhGHは白い非結晶のそれ自体滑らかで
親和力を持つ粉末であった。pH7.2以上で希釈緩衝水
溶液(濃度>10mg/L)に容易に溶解する。溶液中では、
hGHはモノマーとして優位に存在し、二量体としてと
および少し大きなオリゴマーとして少し存在する。一定
の条件下では、hGHは、より量の多いダイマー、トリ
マー、およびより大きなオリゴマーを形成するよう誘導
される。
【0021】天然産出的な誘導体、変異体、および代謝
生成物、生合成hGHの一次的分解生成物、および遺伝
的方法によって生成されたhGHの操作分解生成物を含
む、多数のhGH誘導体が知られている。hGHの天然
産出的誘導体の一つの例はGH−Vであり、これは胎盤
において見出された成長ホルモンの変異体である。遺伝
子座の他の部分は、チェンら(1989)によって記述され
ている。身体中で長寿命であるようにデザインされた誘
導体を含むどんなhGH誘導体でも、hGHの生物活性
を保持する限り本発明の目的のために使用することがで
きる。メチオニルhGHは、組換えDNA技術を通して
生成されたhGHの最初の形状である。この化合物は、
実際にN末端に付加的なメチオニン残基をひとつ持つh
GHの誘導体である(ゴーデルら、1979)。20−K−
hGHと呼ばれるhGHの天然産出変異体が、血流中は
もちろん下垂体中においても起こることが報告されてい
る(ルイスら、1978;ルイスら、1980)。この化合物
は、Glu-32からGln-46までの15アミノ酸残基を欠いてい
て、メッセンジャーリボ核酸の選択的スプライシングか
ら生じる(デノトら、1981)。この化合物は多くの、し
かし全てではない、hGHの生物学的特徴を持つ。
【0022】20−K−hGHは下垂体中で作られ、血
液に分泌される。これは成人の成長ホルモン産出の約5
%、小人の成長ホルモン産出の20%を占める。これは
22kD成長ホルモンと同様の成長促進活性を持ち、そ
して22kD形態と同様あるいはそれ以上の脂肪分解量
を持つことが報告されている。これは、22kD成長ホ
ルモンと同様の親和性で成長ホルモン受容体に結合し、
そして22kDホルモンの10分の1の乳腺刺激性(プ
ロラクチンのような)生物活性を持つ。22kDとは異
なり、20−K−hGHは弱い抗インシュリン活性を持
つ。
【0023】分子のタンパク分解性の変異によって、多
くのhGH誘導体が発生する。hGH代謝のための主要
経路には、タンパク分解が含まれる。hGHの130〜150
周辺の残基はタンパク分解の影響を受けやすく、この領
域に切れ目あるいは欠損を持つhGHの誘導体が多く報
告されている(ソーラシウス−アッシング、1987)。こ
の領域は、hGHの大きなループ中にあり、そしてそこ
でのペプチドの切断は、Cys-53およびCys-165でのジス
ルフィド結合によって結合している二本の鎖を生ずる結
果となる。これら二本鎖形態の多くは、増大した生物活
性を持つことが報告されている(シンら、1974)。多く
のヒト成長ホルモンの誘導体は、酵素の使用によって人
工的に産出されてきた。酵素トリプシンおよびサブチリ
シンは、他と同様、分子中いたるところのさまざまな部
分でhGHを修飾するために使用されてきた(ルイス
ら、1977;グラフら、1982)。このような誘導体の一つ
で二本鎖アナボリックタンパク質(2−CAP)が、ト
リプシンを使用しての制御したhGHのタンパク分解に
よって形成された(ベッカーら、1989)。2−CAP
は、無処置のhGH分子のそれに比べて、はっきりと識
別できる生物学的性質を持つことが見出されており、そ
れはhGHの成長促進活性はほとんど残していて、かつ
ほとんどの炭水化物代謝への影響が完全に破壊されてい
るという点である。
【0024】タンパク質中のアスパラギンおよびグルタ
ミン残基は、適当な条件下では脱アミド分解を受けやす
い。下垂体のhGHはこの種の反応を起こしやすいこと
が示され、その結果、Asn-152がアスパラギン酸に転換
し、また、より小さな程度で、Gln-137がグルタミン酸
に転換する(ルイスら、1981)。脱アミドhGHは、酵
素サブチリシンによってタンパク質分解の変化を受けや
すく、これは脱アミドが、hGHのタンパク質分解性の
切断に向けての生理的な影響を持つことを示唆してい
る。生合成hGHは、ある貯蔵条件下では分解すること
が知られており、異なるアスパラギン(Asn-149)にお
いて脱アミドすることとなる。これは脱アミドの第一部
位であるが、Asn-152でもまた脱アミドが見られる(ベ
ッカーら、1988)。Gln-137における脱アミドは、生合
成hGHにおいて報告されていない。タンパク質中のメ
チオニン残基は、酸化を受けやすく、最初にスルホキシ
ドになる。下垂体由来および生合成の両方のhGHは、
Met-14およびMet-125においてスルホキシド化を受ける
(ベッカーら、1988)。Met-170における酸化も下垂体
hGHで報告されているが、生合成hGHでは報告され
ていない。脱アミド化hGHおよびMet-14スルホキシド
hGHの両方ともに全生物学的活性を示すことが見出さ
れた(ベッカーら、1988)。
【0025】hGHの切断した形態が、酵素の働きある
いは遺伝子的方法の両方によって生成されている。トリ
プシンの制御した働きによって産生された2−CAP
は、hGHのN末端で最初の8残基を取り除かれてい
る。他のhGHを切断して作り換えたものは、適当な宿
主中で発現前に遺伝子を修飾することによって産生され
ている。ポリペプチド鎖が切断されていないという、特
有の生物学的特徴を持つ誘導体を産生するために、最初
の13残基が取り除かれている(ガートラー、1986)。ヒ
ト成長ホルモンは、屍体の下垂体腺から得たのが起源で
あるが、これらの製剤は電気泳動的には同種ではなく、
そして、50%純度のオーダーの製剤で治療した患者の血
清中に抗体、不活性成分に起因する免疫原性、が出現す
る。組換えDNA技術は、数多くの異なるシステム中で
hGHの無制限の供給生産を可能にした。培地からのh
GHの精製は、タンパク質混入が少ない存在であるとき
のみ促進される。実際、hGHは、逆相HPLCカラム
での単一精製段階によって実験室規模で精製できること
が示されている(シウンら、1989)。
【0026】組換えヒト成長ホルモン、rhGH、はS
EROSTIM(登録商標)としてセロノ研究所インコ
ーポレイテッドによって製造され、この製品はAIDS
患者における体重減少および消耗の治療に対するFDA
認可促進をもたらした。ジェネンテック・インコーポレ
イテッド(サウスサンフランシスコ、CA)によって製
造されているPROTROPIN(登録商標)は、自然
のhGH配列とは構造においてわずかに異なり、N末端
に付加的なメチオニン残基を持つ。組換えhGHは、一
般には、付加的な賦形剤、たとえばグリシンおよびマン
ニトール、を含み、凍結させてバイアルとして流通して
いる。対となる希釈液バイアルが準備されて、患者が服
用量の投与に先立って所望の濃度に製品を戻すことがで
きるようになっている。組換えhGHは他のよく知られ
ている方法によっても流通しており、たとえば予め充填
してある注射器等である。
【0027】静脈内投薬後、hGHの消失は、動物およ
び人ともに12〜20分の血清半減期を持つ一次反応速
度論によって記述される(ムーアら、1985;ヘンドリッ
クスら、1985)。伝統的に、筋肉内注入が、送達の好ま
しい経路としての選択の方法である。人においては、外
来性のhGH吸収は筋肉内部位と比べてさらに早いこと
が明らかで、皮下投与後4時間から6時間であるのに比し
て、2時間から4時間で最大濃度となる。血清からの消失
相は、筋肉内注入において12〜20時間であり、皮下投与
後20〜24時間の範囲であることが報告されている(アル
バートソン−ウィクランドら、1986;ヨーアンセンら、
1987)。一般的に、薬物動態学的あるいは生物学的活性
において、ヒトの組換え自然hGH配列、組換えN−メ
チオニル−hGH、あるいは下垂体誘導物質には有意な
差は見られない(ムアら、1988;ヨーアンセンら、198
8)。
【0028】本発明に使用される“ヒト成長ホルモン”
という用語は、天然産出誘導体を含むことを意図してお
り、上述したように、20kDおよび22kDヒト成長
ホルモン、GH−V、およびチンら(1989)によって記
述されているような他のヒト成長ホルモン遺伝子座を、
制限なく含んでいる。この用語は、成長ホルモンの生物
学的活性、すなわち、成長ホルモン受容体に対してアゴ
ニストとして作用する、を保持している官能基誘導体、
フラグメント、変異体、類似体、あるいは塩をも含んで
いる。言葉を変えれば、これらは成長ホルモン受容体に
結合して受容体のシグナル活性を開始することができ
る。ここで使用されている“官能基誘導体”は、既知の
従来技術によって残基上の側鎖としてあるいはN−また
はC−末端グループとして生じる官能基から生成される
誘導体をカバーし、そして製薬的に許容できる限り本発
明に含まれる。すなわちここに記述されたようなhGH
の生物学的活性、すなわちhGH受容体への結合能力お
よび受容体シグナルを開始する能力、を破壊せずに、そ
して含まれる成分に有毒な性質を与えない。誘導体は、
炭水化物あるいはリン酸残基といった化学的部分を持つ
ことができ、このような誘導体はhGHの生物学的活性
を保持し、製薬的に許容できる。
【0029】たとえば、誘導体はカルボキシル基の脂肪
族エステル、アンモニアあるいは一級または二級アミン
との反応によるカルボキシル基のアミド、アシル部分と
形成されるN−アシル誘導体またはアミノ酸残基の遊離
のアミノ基(たとえば、アルカノイルあるいは炭素環式
アロイル基)、あるいはアシル部分と形成される遊離ヒ
ドロキシル基のO−アシル誘導体(たとえば、そのセリ
ルあるいはスレオニル残基)を含むことができる。この
ような誘導体もまた、たとえば、抗原性部位をマスクし
て体液中の分子の持続時間を延長することができる、ポ
リエチレングリコール側鎖を含むことができる。長く持
続するために、誘導化あるいは複合薬剤と化合すること
が、成長ホルモンにおいて特に重要である。たとえば、
pegylated version、あるいは身体中で長時間持続を示
すよう遺伝的に操作された成長ホルモンは、本発明にし
たがってHADDSを治療するために使用することがで
きる。
【0030】N末端でアセチル化されたHGHが、単離
および同定されている(ルイスら、1979)。アセチル化
が制御的な役割を果たしているのかあるいは単に精製の
人工産物なのかは明らかでない。しかし、この分子が他
のhGH誘導体と類似の方法で抗HADDS活性を示す
ことが予期される。“誘導体”という用語は、一のアミ
ノ酸が、他の通常生じる20個の天然のアミノ酸には変わ
らない誘導体のみを含むことを意図している。
【0031】ここでの“塩”という用語は、hGH分子
あるいはその類似物の、カルボキシル基の塩およびアミ
ノ基の酸添加塩を示す。カルボキシル基の塩は既知の従
来技術によって形成することができ、そして、無機塩、
たとえばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄あ
るいは亜鉛の塩といったような塩、そしてたとえばトリ
エタノールアミンといったアミン、アルギニン、あるい
はリジン、ピペリジン、プロカイン等といったようなも
のと形成される有機塩基をもつ塩を含むことができる。
酸付加塩は、たとえば塩酸あるいは硫酸といった鉱酸を
もった塩、およびたとえば酢酸あるいはシュウ酸といっ
た有機酸をもった塩をたとえば含む。もちろん、このよ
うなどんな塩でも、本発明に関連したhGHの生物学的
活性、すなわちhGH受容体への結合および受容体シグ
ナリング開始能力、を保持するはずである。
【0032】本発明による成長ホルモンの“フラグメン
ト”は、分子のサブセット、これはすなわち所望の生物
学的活性を保持する短めのペプチド、のどれでもを呼
ぶ。フラグメントは、hGH分子の両末端からアミノ酸
を取り除くことによって容易に調製され、hGH受容体
作用薬としての性質を生成物について容易に試験でき
る。ポリペプチドのN末端およびC末端の両方からアミ
ノ酸を取り除くためのプロテアーゼは既知であり、そし
て所望の生物学的活性を保持するそのようにして決定し
たフラグメントは、ルーチン的な実験法のみを含む。加
えて、このようなhGH受容体作用薬活性を持つペプチ
ド、つまりhGHそのもの、類似物あるいは変異体、
塩、官能基誘導体あるいはフラグメントそのものは、h
GHポリペプチドに隣接する付加的なアミノ酸残基をも
含むことができる。生成分子がコアポリペプチドのhG
H受容体作用薬能力を保持している限り、コアペプチド
の基本的および新規な特性、すなわちその受容体作用薬
特性を、どの隣接する残基が影響しているかをルーチン
的な実験法によって決定することができる。明記された
配列を呼ぶのに使われる“本質的に〜からなる”という
用語は、明記された配列の基本的および新規な特性に影
響しない付加的な隣接残基が存在できることを意味す
る。この用語は、置換、欠損あるいは付加を特定配列中
に包含しない。
【0033】本発明によるヒト成長ホルモンの“変異
体”は、ペプチド全体あるいはその断片のどちらかに実
質的に類似している分子を指す。変異体ペプチドは従来
技術のよく知られた方法を使用して、変異体ペプチドの
直接化学合成によって容易に調製することができる。も
ちろん、変異体ヒト成長ホルモンは類似のhGH受容体
結合およびhGHとしてのシグナル開始活性を持ち、そ
してそれゆえhGHに類似の抗HADDS活性を持つこ
とが予想される。ヒト成長ホルモンのアミノ酸配列変異
体は、合成ヒト成長ホルモン誘導体をコード化するDN
A中の突然変異によって調製される。このような変異体
は、たとえば、アミノ酸配列中の残基からの欠損、ある
いは挿入、あるいは置換を含む。最終作成物が所望の活
性を所有するという条件で、欠損、挿入、および置換の
どんな組み合わせも、最終生成物に到達するためになさ
れる。明らかに、変異体ペプチドをコード化するDNA
中に作られる突然変異は読み枠を変更せず、そして好ま
しくは、二次mRNA構造を生成しうる相補領域を作り
出さない(たとえば、欧州特許広報第EP75,444号、全内
容は参照によってここに組み込まれる)。
【0034】遺伝子レベルではこれらの変異体は通常、
ペプチド分子をコード化しているDNA中のヌクレオチ
ドの部位特異的突然変異誘発によって生成され(エーデ
ルマンらによって例証されたように、1993)、これによ
って変異体をコード化しているDNAを生成し、そして
これによって組換え細胞培地中にDNAを発現する。変
異体は、非変異体ペプチドとしての生物学的活性と同様
の定性を一般に示す。本発明によるヒト成長ホルモンの
“類似物”は、全分子あるいはその活性断片のどちらか
に実質的に類似している非自然分子を示す。本発明に使
用できるヒト成長ホルモンの類似物は、抗HADDS活
性を示す。
【0035】本発明によってヒト成長ホルモン中に作ら
れる置換の種類は、異なる種の相同タンパク質間でのア
ミノ酸変化の頻度分析に基づくことができる。このよう
な分析に従って、保存的な交換は、以下5グループのう
ち、一つの中での交換としてここに限定されることがで
きる: I.小さい、脂肪族の、非極性あるいはわずかに極性の
残基: Ala、Ser、Thr、Pro、Gly II.極性で、負に帯電した残基およびそのアミド: Asp、Asn、Glu、Gln III.極性で、正に帯電した残基: His、Arg、Lys IV. 大きい、脂肪族の、非極性残基: Met、Leu、Ile、Val、Cys V. 大きい、芳香族残基: Phe、Try、Trp 前述のグループ中、以下の置換が“大いに保存的であ
る”と考えられる: Asp/Glu His/Arg/Lys Phe/Tyr/Trp Met/Leu/Ile/Val
【0036】半保存的な置換は、上記(I)、(II)、
および(III)からなるスーパーグループ(A)、ある
いは上記(IV)および(V)からなるスーパーグループ
(B)、に限定されるグループ(I)〜(IV)の二つの
間で置換されるよう決定される。置換は、遺伝子的にコ
ード化されあるいは天然産出的な、アミノ酸に限定され
ない。抗原決定基がペプチド合成によって作成される場
合、所望のアミノ酸は直接使用されることができる。替
わりになるべきものとして、遺伝子的にコード化された
アミノ酸は、選択された側鎖あるいは末端残基と反応す
ることができる有機誘導体化作用薬と反応することで、
修飾されることができる。システイン残基は、もっとも
一般的にはアルファハロアセテート(および相当するア
ミン)、たとえばクロロ酢酸あるいはクロロアセトアミ
ド、と反応し、カルボキシルメチルあるいはカルボキシ
アミドメチル誘導体を与える。システイン残基は、ブロ
モトリフルオロアセトン、アルファ−ブロモ−ベータ−
(5−イミダゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルリ
ン酸、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリ
ジルジスルフィド、メチル−2−ピリジルジスルフィ
ド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロロ水銀−4−ニ
トロフェノール、あるいはクロロ−7−ニトロベンゾ−
2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によっても誘
導化される。
【0037】この試薬はヒスチジン側鎖に比較的特異的
であるので、pH5.5〜7.0でジエチルプロ炭酸塩と反応
することによって、ヒスチジン残基は誘導化される。パ
ラブロモフェナシル臭素も使用することができる;この
反応は、好ましくはpH6.0で0.1Mのカコジル酸ナトリ
ウム中でなされる。リジンおよびアミノ末端残基はコハ
ク酸あるいは他のカルボン酸無水物と反応する。これら
の作用薬との誘導体化は、リジン残基の電荷を逆転する
効果がある。アルファ−アミノ酸含有残基の誘導体化の
ための他の適当な作用薬には、メチルピコリンイミデー
ト;ピリドキサールホスフェート;ピリドキサール;ク
ロロボロ水素化物;トリニトロベンゼンスルホン酸;O
−メチルイソ尿素;2,4−ペンタンジオン;およびグリ
オキシレートとのトランスアミナーゼ−触媒反応が含ま
れる。
【0038】アルギニン残基は、一あるいは複数の通常
の試薬、それらの中にはフェニルグリオキサール、2,3
−ブタンジオン;およびニンヒドリン、との反応によっ
て修飾される。アルギニン残基の誘導体化は、グアニジ
ン官能基の高いpKaのために、アルカリ性で反応がさ
れる必要がある。さらに、これらの試薬は、アルギニン
イプシロン−アミノグループと同様リジングループと反
応することができる。チロシン残基の特異的修飾は、芳
香族ジアゾニウム化合物あるいはテトラニトロメタンと
の反応によってチロシン残基中へスペクトル標識を導入
するということに特に関心をもたれて、それ自体詳細に
研究されている。もっとも一般的に、N−アセチルイミ
ダゾールおよびテトラニトロメタンが、O−アセチルチ
ロシル形式およびε−ニトロ誘導体を形成するために、
それぞれ使用される。
【0039】カルボキシル側鎖(アスパルチルあるいは
グルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−[2−モルフ
ォリニル−(4−エチル)]カルボジイミドあるいは1−
エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)
カルボジイミドといいたカルボジイミド(R’N−C−
NR’)との反応によって、選択的に修飾される。さら
に、アスパラチルおよびグルタミル残基は、アンモニウ
ムイオンとの反応によってアスパラギニルおよびグルタ
ミニル残基に変換される。グルタミニルおよびアスパラ
ギニル残基は、対応するグルタミルおよびアスパルチル
残基にしばしば脱アミド化される。替わりにこれらの残
基は、弱酸性条件下に脱アミド化される。これらの残基
のいずれの形も、本発明の範囲内である。
【0040】本発明中で使用するためのhGHの類似体
を得るために使用されることのできる、タンパク質中の
アミノ酸置換生成の例は、マークらによる米国特許第3
3,653号;第4,959,314号;第4,588,585号および第4,73
7,462号;クーツらによる第5,116,943号;ナーメンらに
よる第4,965,195号;およびリーらによる第5,017,691号
に開示されているようなあらゆる既知の方法段階、およ
び米国特許第4,904,584号に開示されたリジン置換タン
パク質(ショーら)を含む。本発明に従って使用される
ことのできるものは、ヒト成長ホルモン受容体に結合し
てシグナルを開始する物質の中で、文献中で既知の成長
ホルモン類似体および擬態全てであり、たとえば、米国
特許第5,851,992号;第5,849,704号;第5,849,700号;
第5,849,535号;第5,843,453号;第5,834,598号;第5,6
88,666号;第5,654,010号;第5,635,604号;第5,633,35
2号;第5,597,709号;および第5,534,617号といったも
のである。
【0041】好ましくは、hGH変異体あるいは類似体
はコア配列を持ち、これは自然の配列あるいはその生物
学的活性フラグメントと同様であり、これは自然のアミ
ノ酸配列と少なくとも70%の同一のアミノ酸配列を持
ち、その生物学的活性を保持している。さらに好ましく
は、このような配列は少なくとも80%の同一性、少なく
とも90%の同一性、あるいはさらに好ましくは少なくと
も95%の同一性を自然の配列に対して持つ。ここで使用
されている“配列同一性”という用語は、配列が以下の
ように比較されることである。-12のギャップ空隙ペナ
ルティー(ギャップ先頭のヌルに対して)および-4のギ
ャップ延長ペナルティー(ギャップ中の付加的な連続的
ヌル一つあたり)とするデフォルト(BLOSUM62)
マトリックス(値-4から+11)を使用して、遺伝子コン
ピューティンググループのGAP(グローバルアライン
メントプログラム)のバージョン9を使用して、配列を
整列化する。整列化後、請求した配列中のアミノ酸数の
パーセンテージとして対応の数を表示することによっ
て、同一性パーセンテージが計算された。
【0042】本発明による類似物あるいは変異体は、以
下の手順に従って決定することができる。自然の配列の
DNAは、従来技術に既知であり文献中に見出される
(マーシャルら、1979)。DNAあるいはRNAといっ
た、高い厳密性あるいは中程度に厳密な条件下で自然の
DNAあるいはRNAの補体をハイブリダイズする、核
酸にコード化されるポリペプチドならどんなものでも、
ポリペプチドが自然の配列の生物学的活性を維持してい
る限り、本発明の範囲内で考えることができる。厳密な
条件は、ハイブリダイゼーション実験において使用され
る温度の関数、一価の陽イオンのモル濃度、およびハイ
ブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの割合であ
る。与えられる条件のどんな組み合わせにも含まれる厳
密性の程度を決定するために、DNA−DNAハイブリ
ッドの融解温度Tmとして表現される100%同一性のハ
イブリッドの条件を決定するため、まずメインコーサら
の式(1984)を使用する:
【0043】Tm=81.5℃+16.6(LogM)+0.41(%
GC)−0.61(%form)−500/L 式中、Mは一価の陽イオンのモル濃度であり、%GCは
DNA中のGおよびCヌクレオチドのパーセンテージで
あり、%formはハイブリダイゼーション用液中のフォル
ムアミドのパーセンテージであり、そしてLは塩基対中
のハイブリッドの長さである。100%同一ハイブリッド
として計算されたものからTmが減じると1℃ごとに、
約1%の増加でミスマッチ量が許容される。このため、
指定された塩およびフォルムアミド濃度の与えられたハ
イブリダイゼーション実験に使用されるTmが、メイン
コーサの式による100%ハイブリッドとして計算された
Tmを10℃下回るとすると、約10%のミスマッチに及ん
でもハイブリダイゼーションは起こる。
【0044】ここで使用されているように、高い厳密性
の条件は、約15%に及ぶ配列の相違を許容する一方で、
ゆるやかな条件は約20%に及ぶ配列の相違を許容する。
制限なく、高い厳密性(ハイブリッドの計算したTmか
ら12〜15℃下回る)およびゆるやかな(ハイブリッドの
計算したTmから15℃〜20℃下回る)条件の実施例は、
ハイブリッドの計算したTmを下回る適当な温度で2×
SSC(標準クエン酸食塩水)および0.5%SDSを使
用する。究極の条件厳密性は第一に洗浄条件に従い、特
にもし使用されるハイブリダイゼーション条件が、安定
なハイブリッドとともに安定性の少し劣るハイブリッド
を形成することを許容する条件の場合にはそうである。
高い厳密性での洗浄条件は、安定性の少し劣るハイブリ
ッド除去する。上記のゆるい厳密性の洗浄条件に対して
高い厳密性で使用される一般のハイブリダイゼーション
条件は、6×SSC(あるいは6×SSPE)溶液、5
×デンハート試薬、0.5%SDS、100μg/ml変性断
片化鮭精子DNA、Tmをおよそ20から25℃下回る温度
である。もし混合したプローブが使用される場合は、S
SCではなくテトラメチルアンモニウムクロライド(T
MAC)を使用することが好ましい(アウスーベル、19
87−1998)。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明が、ヒト成長ホルモン誘導
体を作るための組換え方法を提供する一方で、これら誘
導体は当業者によく知られている従来のタンパク質合成
方法によって作られることができる。本発明による成長
ホルモン治療は、外来性成長ホルモンの投与によって、
あるいは直接的にかまたは内因性ソマトスタチン分泌を
抑制することによって間接的にかのどちらかによる内因
性成長ホルモンの生成を刺激する物質の投与によって、
達成することができる。ヒト成長ホルモン放出ホルモン
(hGHRH)がhGHの放出を刺激することが知られ
ている。このため、hGHの生物学的活性は、GHRH
または官能基誘導体、塩、変異体、類似体、あるいはそ
の断片、これはGHRHの生物学的活性すなわち成長ホ
ルモンの放出を刺激する能力を保持している、を投与す
ることによって間接的に得ることができる。このため、
たとえば、GHRHは別として、少なくとも70%の配列
同一性、さらに好ましくは80%または90%、または、も
っとも好ましくは、95%配列同一性を持ち、まだGHR
Hの生物学的活性を保持する、上記によるその官能基誘
導体、類似物またはその変異体を使用することができ、
あるいは、ゆるやかな厳密性の条件下、または好ましく
は高い厳密性の条件下に、GHRHをコードしている自
然のDNAとハイブリダイズするDNAによってコード
されたポリペプチドである変異体または類似物を使用す
ることができ、これらは全て上に与えられた記述によ
る。米国特許第5,792,747号;第5,776,901号;第5,696,
089号;第5,137,872号;第5,767,085号;第5,612,470
号;第5,846,936号;および第5,847,066号といった、文
献中に知られて成長ホルモンの放出を刺激するとして開
示されたGHRHまたはGHRH類似物または作用薬の
いずれも、本発明に使用することができる。ソルナーら
(1997)、フェリックスら(1995)、アルバ−ローズら
(1988)、フレンドら(1997)も参照。
【0046】本発明に従って使用することのできる、生
体内で成長ホルモンの放出を促進することができる他の
物質は、米国特許第5,807,985号;第5,804,578号;第5,
795,957号;第5,777,112号;第5,767,118号;第5,731,3
17号;第5,726,319号;第5,726,307号;第5,721,251
号;第5,721,250号、等に開示されているものを含む。
hGH受容体に結合して受容体のシグナルを惹起する他
のどんな分子も、本発明に従って使用することができ
る。たとえば、時には分泌促進物質と呼ばれ、hGH受
容体に結合してシグナルを凝集して惹起し、そのシグナ
ルイニシエーションは受容体に結合する自然のhGHに
よって得られるものと同一である、小さい分子が発生さ
れることが知られている。
【0047】このような分子は、たとえば、米国特許第
5,773,441号;第5,798,337号;第5,830,433号;第5,76
7,124号;および第5,723,616号から知られている。バウ
アーら(1991)、ソーナーら(1997)、キャマニら(19
98)、アンケルセンら(1998)、スミスら(1993)およ
びギーゴら(1998)も参照。このため、本発明は、HA
DDSの治療を考える限り、自然のhGHの投与と同様
の究極の定性的効果を得るために、hGH受容体に結合
してそのシグナルを惹起するあらゆる物質を含むことを
意図している。本発明による投薬のための製薬組成は、
製薬的に許容できる形で本発明によるヒト成長ホルモン
の少なくとも一から構成されることができ、選択的に製
薬的に許容できる担体と併用される。これらの組成は、
意図した目的を達成するあらゆる手段によって投与する
ことができる。本発明による成分の投与の量および療法
は、HADDSを治療する一般的な当業者によって容易
に決定することができる。
【0048】たとえば、皮下の、静脈内の、筋肉内の、
腹腔内の、エアロゾルの、または経皮のルート、といっ
た非経口的なルートによって投与することができる。投
与される投与量は、治療頻度および所望の効果の性質が
あるにしても、レシピエントの年齢、健康状態および体
重、最近または併用の治療に依存する。本発明の範囲内
にある組成は、意図した目的を達成するために効果的で
ある量の、本発明による、ヒト成長ホルモンまたは誘導
体、類似物、またはその変異体の少なくとも一から構成
される全ての組成を含む。個体差は必要とするが、それ
ぞれの成分の効果的な量の最適範囲は、当業者の範囲内
にある。典型的な投与量は、一日あたり約0.01から約0.
1mg/kg体重で構成され、これは普通、約1〜6mg/日に
達し、皮下で5〜30週続く。AIDS患者に投与される
場合、hGH抗HADDS治療は、他のAIDS治療と
ともに同時に投与することができる。
【0049】臨床的な価値は十分保有しているとの条件
で、有効であるためには、提供される治療が完全である
必要はない、ということが理解できるであろう。競合す
る薬剤よりも小さな程度で治療する薬剤でも、もし他の
薬剤が特定の人に効果的ではないならば、もしその薬剤
が他の薬剤と組み合わせて使用することで保護の全体的
なレベルを強めるならば、またはもし競合的な薬剤より
も安全であるならば、まだ価値がある。本発明による成
分の適切な投与量は、治療の頻度、および所望の効果の
性質があるにしても、レシピエントの年齢、健康、およ
び体重、併用する治療の種類に依存することが理解でき
る。しかしながら、過度の実験をすることなく、当業者
によって理解され決定されることができるように、それ
ぞれの患者にもっとも好ましい投与量を調整することが
できる。これは典型的には、たとえば患者の体重が少な
いときには投与量を減じるといった、標準投与量の調整
を含む。
【0050】それぞれの治療に必要とされる全投与量
は、複数投与または一回の投与によって投与することが
できる。単独、あるいはその病気に対する他の薬物治療
またはその病気の他の症状に対する他の薬物治療との組
み合わせで、この成分は投与することができる。本発明
の化合物に加えて、製薬的成分は適切に製薬学的に許容
できる担体、たとえば、製薬学的に使用することのでき
る製剤へ活性化合物を加工する事を促進する賦形剤、担
体および/または補助剤といったもの、を含むことがで
きる。
【0051】
【実施例】プロテアーゼ阻害剤(6人はインジナビル、
2人はリトナビル/サキナビル)を含む、高活性抗レト
ロウイルス治療(HAART)を長期間(平均12ヶ
月)受けた履歴を持つ、6人の男性および2人の女性で
ある、8人のAIDS患者が、血漿中性脂肪+/−コレ
ステロールの上昇した水準に加えて、バッファローこ
ぶ、中枢過脂肪症および疲労と関連した末梢筋肉萎縮症
を含むHADDSを発現した。6mg/日での皮下の投
与で、全ての患者についてrhGH(SEROSTI
M、登録商標)を用いた治療が開始された。4人の患者
が3ヵ月のrhGHを完了し、脂肪不均衡分布につい
て,バッファローこぶ症候群および腹囲の25〜75%削減
という、顕著な改善を持ったが、末梢脂肪ジストロフィ
ーには変化は無かった。体重は安定して、5〜10%の除
脂肪体重の増加を除いて、総体脂肪および血液脂質にお
いては一貫して変化はなかった。一人の患者は手根管症
候群のためにrhGHを中断して、HADDSを再発し
た。3人の患者は6ヵ月以上の治療を受けた。一人の患
者は、治療後六週の追跡調査ができなくなり、一人の患
者は8週間より短い治療を受けた。それでも、最新の知
見では、全員はバッファローこぶおよび体幹部脂肪蓄積
の大きさおよび堅固性に顕著な縮小をもった。これらの
実験は、バッファローこぶおよび体幹部脂肪蓄積の縮小
を含む、HADDSを治療するのにrhGHが効果的で
あることを立証する。
【0052】今、完全に本発明を記述してきて、本発明
の精神および視野から離れることなく、過度の実験をせ
ずに、等価のパラメータ、濃度および条件の広い範囲内
で同じことがなされることは、当業者によって認識され
るであろう。本発明は、本発明の特定の具体化と関連し
て述べてきたが、さらに修正することができるというこ
とは理解されるであろう。この応用は、一般に、本発明
の原則に従い、および、上記書き添えられた請求項の範
囲内に示された本質的特徴に、適しまたは適用すること
ができる技術範囲内の、既知または従来の実施の範囲内
にあるような本開示からの離脱を含んでいる、本発明の
あらゆる変形、使用または適用、をカバーすることを意
図している。
【0053】雑誌論文または抄録、公開または未公開米
国または他国の特許出願、頒布された米国または他国の
特許あるいはその他あらゆる参照文献を含む、ここに引
用した全ての参照文献は、ここに参照文献として全て組
み込まれ、引用した参照文献中に表現されたデータ、
表、図面および文章を含む。加えて、ここに引用した参
照文献中に引用した参照文献の全ての内容は、全て参照
文献によって組み込まれる。既知の方法ステップ、従来
方法のステップ、既知の方法または従来方法への言及
は、本発明のどんな解釈、記述または具体化も、関連技
術中に開示され、教示されまたは示唆されたことを容認
するものではない。
【0054】先に記述した特定の具体化は、本発明の一
般的性質を完全に明らかにして、当業者の範囲内の知識
(ここに引用した参照文献の内容を含む)を適用するこ
とによって、過度の実験をすることなく、本発明の普遍
的な概念から逸脱することなく、第三者が容易に修正お
よび/または適用を特定の具体化といったさまざまな応
用にすることができる。このため、このような適用およ
び修正は、ここに示した教示とガイダンスに基づき、開
示された具体化と同等物の範囲内の意味内にあることを
意図する。ここでの専門語または述語は、記載の目的で
あって制限する目的ではなく、このため本明細書の述語
または専門語は、一般的な当業者の知識と組み合わせ
て、ここに示された教示とガイダンスに照らして、熟練
者によって解釈できることが理解される。
【0055】参照文献 エーデルマンら、DNA 2:183(1983) アルバ−ロスら、J. Clin. Endocrin. Metab. 67:118
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(1998)
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Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト成長ホルモン(hGH)受容体に結
    合してシグナリングを惹起する物質あるいは内因性hG
    Hの放出を刺激しまたはその活性を増強する物質の、必
    要とされる有効量を患者に投与することからなるHAD
    DSを治療する方法。
  2. 【請求項2】 前記物質が: a)天然産出のヒト成長ホルモン; b)hGH受容体に作用薬活性を持つa)のフラグメン
    ト; c)少なくとも70%の配列同一性をa)またはb)に対
    して持ち、hGH受容体に作用薬活性を持つa)または
    b)の変異体; d)中位に厳しい条件下で、a)またはb)をコードす
    るネイテイブのDNA配列の補体とハイブリダイズする
    DNA配列によってコードされ、hGH受容体に作用薬
    活性を持つa)またはb)の変異体;または e)hGH受容体に作用薬活性を持つa)、b)、c)
    またはd)の、塩または官能基誘導体; である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記物質が天然産出ヒト成長ホルモンで
    ある、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記物質が組換えヒト成長ホルモンであ
    る、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記物質が: a)天然産出ヒト成長ホルモン放出ホルモン(hGHR
    H); b)hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)のフラグ
    メント; c)少なくとも70%の配列同一性をa)またはb)に対
    して持ち、hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)ま
    たはb)の変異体; d)中位に厳しい条件下で、a)またはb)をコードす
    る自然のDNA配列の補体とハイブリダイズするDNA
    配列によってコードされ、hGHRH受容体に作用薬活
    性を持つa)またはb)の変異体;または e)hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)、b)、
    c)またはd)の、塩または官能基誘導体; である、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記物質がhGH受容体に結合してシグ
    ナリングを惹起する小分子である、請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記物質が皮下に投与される、請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記物質が筋肉内に投与される、請求項
    1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記HADDSが頸背部脂肪パッドを含
    み、前記患者は頸背部脂肪パッドを呈しているAIDS
    患者を含む、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記HADDSが体幹部肥満症を含
    み、前記患者は体幹部肥満症を呈しているAIDS患者
    を含む、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 ヒト成長ホルモン(hGH)受容体に
    結合してシグナリングを惹起する物質あるいは内因性h
    GHの放出を刺激しまたはその活性を増強する物質の、
    有効量からなるHADDSを治療するための薬剤。
  12. 【請求項12】 前記物質が: a)天然産出のヒト成長ホルモン; b)hGH受容体に作用薬活性を持つa)のフラグメン
    ト; c)少なくとも70%の配列同一性をa)またはb)に対
    して持ち、hGH受容体に作用薬活性を持つa)または
    b)の変異体; d)中位に厳しい条件下で、a)またはb)をコードす
    る自然のDNA配列の補体とハイブリダイズするDNA
    配列によってコードされ、hGH受容体に作用薬活性を
    持つa)またはb)の変異体;または e)hGH受容体に作用薬活性を持つa)、b)、c)
    またはd)の、塩または官能基誘導体; である、請求項11記載の薬剤。
  13. 【請求項13】 前記物質が天然産出ヒト成長ホルモン
    である、請求項11記載の薬剤。
  14. 【請求項14】 前記物質が組換えヒト成長ホルモンで
    ある、請求項12記載の薬剤。
  15. 【請求項15】 前記物質が: a)天然産出ヒト成長ホルモン放出ホルモン(hGHR
    H); b)hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)のフラグ
    メント; c)少なくとも70%の配列同一性をa)またはb)に対
    して持ち、hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)ま
    たはb)の変異体; d)中位に厳しい条件下で、a)またはb)をコードす
    る自然のDNA配列の補体とハイブリダイズするDNA
    配列によってコードされ、hGHRH受容体に作用薬活
    性を持つa)またはb)の変異体;または e)hGHRH受容体に作用薬活性を持つa)、b)、
    c)またはd)の、塩または官能基誘導体; である、請求項11記載の薬剤。
  16. 【請求項16】 前記物質がhGH受容体に結合してシ
    グナリングを惹起する小分子である、請求項11記載の
    薬剤。
  17. 【請求項17】 前記物質が皮下に投与される、請求項
    11記載の薬剤。
  18. 【請求項18】 前記物質が筋肉内に投与される、請求
    項11記載の薬剤。
  19. 【請求項19】 前記HADDSが頸背部脂肪パッドを
    含み、前記患者は頸背部脂肪パッドを呈しているAID
    S患者を含む、請求項11記載の薬剤。
  20. 【請求項20】 前記HADDSが体幹部肥満症を含
    み、前記患者は体幹部肥満症を呈しているAIDS患者
    を含む、請求項11記載の薬剤。
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