JP2000190133A - 主軸クランプ用部品およびその製造方法 - Google Patents

主軸クランプ用部品およびその製造方法

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JP2000190133A
JP2000190133A JP10371177A JP37117798A JP2000190133A JP 2000190133 A JP2000190133 A JP 2000190133A JP 10371177 A JP10371177 A JP 10371177A JP 37117798 A JP37117798 A JP 37117798A JP 2000190133 A JP2000190133 A JP 2000190133A
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vacuum furnace
powder sintered
clamping
spindle
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JP10371177A
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Takashi Meguro
黒 孝 目
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬さと引張強さとともに靱性を兼備した高強
度のプルスタッド、コレットなどの主軸クランプ用部品
を提供する。 【解決手段】 工具鋼とバナジウムを含む粉末を焼結し
た粉末焼結素材をクランプ用部品に機械加工する工程
と、クランプ用部品を真空炉で焼なましし応力を除去す
る工程と、クランプ用部品を真空炉またはソルトバスで
焼入れ焼戻しする工程を経て、焼戻しマルテンサイトの
素地にバナジウム炭化物の微細粒子が均一に分布した組
織の部品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸の
ツールクランプ装置に使用されているプルスタッドやコ
レットなどの主軸クランプ用部品およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、自動工具交換装置が搭載された
工作機械の主軸に組み込まれるツールクランプ装置を示
す。10は、工具Tが装着される主軸であり、この主軸
10は、主軸ハウジング11内に軸受12を介して回転
可能に支持されている。主軸10の先端部には、テーパ
付の工具取付穴13が形成され、この工具取付穴13に
工具ホルダ14のテーパシャンク15が挿着される。テ
ーパシャンク15の先端にはプルスタッド16が取り付
けられている。
【0003】主軸10内には、その軸方向にドローバー
17が移動可能に挿入され、このドローバー17の先端
部にプルスタッド16を把持するコレット18が設けら
れている。ドローバー17の後端部には、皿ばね19が
設けられ、この皿ばね19の引張力により引き込まれる
ドローバー17はコレット18を介して工具ホルダ14
を主軸10にクランプする。なお、20は、工具ホルダ
14を取り外すため、ドローバー17を押し出し、コレ
ット18とプルスタッド16の係合を外す作用をする油
圧シリンダである。
【0004】従来、コレット18やプルスタッド16な
どの部品は、軸受鋼、SCM材、SNCM材などの溶製
材を材料として、図2に示すような工程を経て製造され
る。コレットは、素材の軸受鋼を焼なまししてから機械
加工し、さらに焼入れをして硬さをHRC60程度に高
めている。プルスタッドは、素材のSCM材、SNCM
材を機械加工してから、表面の耐摩耗性を強化するため
に浸炭焼入により表面に浸炭硬化層を形成する処理を行
っている。
【0005】近年の自動化および高性能化の進んだ工作
機械では、コレットやプルスタッドの使用条件がますま
す厳しくなっており、工具のクランプ性能の信頼性を確
保するために、破損のない高強度のものが求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように溶製素材を材料とする部品では、焼入れや浸炭焼
入れなどの熱処理の過程で、表層が粒界酸化することが
あり、この粒界酸化層は切り欠き効果で疲労強度を低下
させるという問題がある。また、コレットのようにツー
ルをクランプした時に応力が段付部に集中する部品で
は、脆性破壊が生じないように靱性が要求されるが、軸
受鋼製では硬さに比べて靱性に劣っていた。他方、ツー
ルをクランプしたときに軸方向と直角な断面に一様に引
張応力が作用するプルスタッドでは、内部と浸炭硬化層
とで引張強さが異なり、高強度化の点で問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、硬さと引張強さとともに靱性を
兼備した高強度の主軸クランプ用部品を提供することに
ある。
【0008】また、本発明の他の目的は、部品の表層が
粒界酸化および脱炭しないように熱処理を行え、硬さと
引張強さとともに靱性を兼備した高強度の主軸クランプ
用部品を製造できる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、工作機械の主軸に内蔵されるツールク
ランプ装置を構成するクランプ用部品の製造方法であっ
て、工具鋼とバナジウムを含む粉末を焼結した粉末焼結
素材をクランプ用部品に機械加工する工程と、前記クラ
ンプ用部品を真空炉で焼なましし応力を除去する工程
と、前記クランプ用部品を真空炉またはソルトバスで焼
入れ焼戻しする工程と、からなることを特徴とするもの
である。
【0010】また、本発明は、工作機械の主軸に内蔵さ
れるツールクランプ装置を構成するクランプ用部品であ
って、焼戻しマルテンサイトの素地にバナジウム炭化物
の微細粒子が均一に分布した粉末焼結素材を材質とする
ことを特徴とするものである。
【0011】本発明では、材料を従来の溶製材に替え
て、炭素(C)、バナジウム(V)を多く含む粉末焼結
素材としている。この粉末焼結素材では、Vが炭化物
〔V43〕を生成する時に、周辺の素地の炭素と化合す
るので、高炭素鋼主体であっても靱性が高まり、脆性破
壊が起こりにくくなる。また、粉末焼結材であるから、
組織が微細化して強度を向上させ異方性をなくす。さら
にバナジウム炭化物自体が炭化物のなかでも硬度が高
く、その微細粒子を素地に分布させることができ、優れ
た耐摩耗性を付与することができる。また、焼なまし後
に、焼入れ焼戻しをすることで、部品の表層の粒界酸化
や脱炭などの欠陥の発生を防止する。
【0012】上記粉末焼結素材の組成は、好ましくは、
重量比〔%〕で、Cが1.0〜2.0、Vが5.0〜1
2.0、その他Cr、Moを含み、残部をFeとする。
また、工具鋼材料としては、SKH9、SKH10、S
KH52、SKH53、SKH54、SKH55、SK
H56、SKH57が好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、添付の図面を参照しながら説明する。図1は、本発
明の製造方法の工程図である。粉末焼結素材は、工具鋼
を主体にV、Cr、Mo,Mnを含む粒径30〜200
μの粉末を材料にして熱間静水圧焼結法により焼成した
ものである。焼結条件は、圧力50〜150MPa、温
度1100〜1200℃、加熱時間1〜4時間である。
【0014】次いで、焼成した粉末焼結素材からコレッ
トやプルスタッドの部品形状に機械加工する。加工した
部品は、真空炉で550〜590℃の温度を4時間保持
してから徐冷する焼きまなしを行って組織内部の残留応
力を除去する。
【0015】次いで、部品をソルトバスに入れて、予熱
してから、1065℃から1120℃に加熱し、炉から
取り出し空冷することで焼入れ処理をする。その後、部
品をソルトバスに入れ、540〜595℃で2時間加熱
し焼戻しをする。この焼戻し処理は2回行う。焼入れ焼
戻しは真空炉で行ってもよい。必要があれば、最後に研
磨仕上げを行なって、コレットあるいはプルスタッドが
製作される。
【0016】
【発明の実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をより
具体的に説明する。コレットとプルスタッドを製造する
にあたって、この実施例の粉末焼結素材の組成〔重量
%〕は、次の通りである。 C: 1.78 V: 9.0 Mn: 0.5 Si: 0.9 Cr: 5.25 Mo: 1.3 Fe: 残部 この組成の粉末焼結素材を上記実施形態の加工条件にし
たがってコレットとプルスタッドを製作した。そして、
部品の機械的性質について、引張試験、硬さ試験、衝撃
試験などを行ったところ以下のような結果が得られた。 引張強さ 200.4kgf/mm2 硬さ HRC55 靱性〔シャルピーノッチ〕7.14kg・m/cm2 表面に粒界酸化や脱炭などの欠陥もみられず、また、耐
摩耗性も秀でた部品を得ることができた。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、硬さと引張強さの強化とともに、硬脆さを改
善し、高強度で耐摩耗性に優れた主軸クランプ用部品を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による主軸クランプ用部品の製造方法の
工程図。
【図2】従来の主軸クランプ用部品の製造方法の工程
図。
【図3】ツールクランプ装置を内蔵する工作機械主軸の
断面図。
【符号の説明】
10 主軸 11 主軸ハウジング 12 軸受 13 工具取付穴 14 工具ホルダ 15 テーパシャンク 16 プルスタッド 17 ドローバー 18 コレット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工作機械の主軸に内蔵されるツールクラン
    プ装置を構成するクランプ用部品の製造方法であって、 工具鋼とバナジウムを含む粉末を焼結した粉末焼結素材
    からクランプ用部品を機械加工する工程と、 前記クランプ用部品を真空炉で焼なましし応力を除去す
    る工程と、 前記クランプ用部品を真空炉またはソルトバスで焼入れ
    焼戻しする工程と、からなることを特徴とする主軸クラ
    ンプ用部品の製造方法。
  2. 【請求項2】工作機械の主軸に内蔵されるツールクラン
    プ装置を構成するクランプ用部品であって、 焼戻しマルテンサイトの素地にバナジウム炭化物の微細
    粒子が均一に分布した粉末焼結素材を材質とすることを
    特徴とする主軸クランプ用部品。
  3. 【請求項3】粉末焼結素材の組成は、重量比〔%〕で、 Cが1.0〜2.0、 Vが5.0〜12.0、 その他Cr、Moを含み、 残部をFeとすることを特徴とする請求項2に記載の主
    軸クランプ用部品
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102126114A (zh) * 2011-04-01 2011-07-20 常州德丰机电有限公司 全液压转向器转子加工方法
CN103934633A (zh) * 2014-03-16 2014-07-23 泰州市兴东煤矿机械制造有限公司 一种采煤刀具的加工的方法
CN106695262A (zh) * 2017-01-21 2017-05-24 马鞍山佳鼎通信科技有限公司 一种手机电池焊接夹具处理方法
CN112719800A (zh) * 2019-09-30 2021-04-30 福州力王电子科技有限公司 一种高精度手持打磨雕刻机转动主轴的加工方法
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