JP2000190085A - 固体接合方法 - Google Patents

固体接合方法

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JP2000190085A
JP2000190085A JP10363448A JP36344898A JP2000190085A JP 2000190085 A JP2000190085 A JP 2000190085A JP 10363448 A JP10363448 A JP 10363448A JP 36344898 A JP36344898 A JP 36344898A JP 2000190085 A JP2000190085 A JP 2000190085A
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Yoshiaki Mori
義明 森
Koji Aoki
康次 青木
Osamu Kurashina
修 倉科
Hideo Nakada
英男 中田
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合材を用いずに固体同士を接合する。 【解決手段】 一方の被接合部材26は、リード部が錫
メッキしてあるTABテープであって、フッ化処理部1
0のフッ化処理室28内に配置する。放電ユニット12
は、四フッ化炭素ガスと水蒸気との混合ガスを介した高
周波放電により反応性フッ素系ガスを生成し、処理ガス
配管24を介してフッ化処理室28に供給し、被接合部
材26をフッ化処理する。フッ化処理した被接合部材2
6は、接合処理部50の100℃に加熱してあるホット
プレート54の上に配置される。金バンプを有する半導
体チップである他方の被接合部材46は、予熱処理部4
0において錫メッキの融点以上に加熱され、接合処理部
50に配置してある被接合部材26の上に配置され、被
接合部材26の錫メッキを瞬間的に融点以上に加熱し、
被接合部材26と接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属と金属あるい
は金属とセラミック等の固体同士を接合する固体接合方
法に係り、特に被接合部材の少なくとも一方の被接合部
材の接合対象部をハロゲン化処理して各被接合部材を相
互に接合する固体接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銅と銅、アルミニウムと銅などの
金属と金属、あるいは金属とセラミック、金属とガラス
などの固体同士を接合する場合、半田やインジウムなど
の低融点金属からなる接合材を溶融して行うのが一般的
である。また、近年、金属同士を接合する場合、接合す
る金属を真空容器中に配置し、金属の接合面(接合対象
部)にイオンビームを照射して酸化物を除去したのち、
接合する金属を加熱、加圧して接合する方法が開発され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】半田による固体の接合
は、フラックスを使用しなければならず、接合後に洗浄
してスラッジを除去しなければならない場合もある。ま
た、半田やインジウムなどの接合材を溶融して接合する
場合、被接合材の位置ずれを生じやすく、接合時におけ
る形状制御をすることが困難で形状が不安定となるばか
りでなく、接合後の見た目も悪い。
【0004】また、真空中でイオンビームにより金属の
表面酸化物を除去して接合する方法は、接合材を用いな
いために形状制御が容易でスラッジの問題を生じない
が、真空中で行う必要があるばかりでなく、真空中にお
いて加熱、加圧する必要があり、装置が高価で大型化す
るばかりでなく、ランニングコストも高くなる欠点があ
る。
【0005】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、接合材を用いずに固体同士を接
合することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属表面
をハロゲン化処理して半田などに対する濡れ性を向上さ
せて接合する実験を種々行っている過程において、ハロ
ゲン化した金属が接合材を用いなくとも接合できる現象
を見出した。
【0007】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、本発明の第1は、相互に接続する被接合部材の
少なくとも一方の被接合部材の接合対象部をハロゲン化
処理したのち、前記各被接合部材の接合対象部を相互に
接触させ、いずれか一方の前記被接合部材の前記接合対
象部を瞬間的に融点以上に加熱して接合することを特徴
としている。
【0008】このように構成した本発明の第1は、他方
の被接合部材と接触させた一方の被接合部材の接合対象
部の表面部が瞬間的に融点以上に加熱されて表層部が軟
化して密着性が向上するとともに、ハロゲン化処理によ
り少なくともいずれか一方の接合対象部に取り込まれた
ハロゲンが容易に他方の接合対象部にも拡散するため、
両被接合部材を接合材を用いたり加圧しなくとも相互に
接合することができる。このため、半田などの接合材を
用いる必要がなく、また接合材を溶融する必要がないと
ころから、接合時の形状を安定させることができ、接合
後の接合部の外見を美しくすることができる。しかも、
接合のために加圧しないところから、例えばTAB(T
ape Automated Bonding)のよう
に、プラスチックフィルムからなるテープ状の基板に半
導体チップを搭載するといった、圧力を避けることが望
ましい場合であっても容易に接合(実装)することがで
きる。
【0009】一方の接合対象部の融点以上への加熱は、
他方の被接合部材の接合対象部を予熱して一方の接合対
象部の融点より高い温度に加熱したのち、両方の接合対
象部とを相互に接触させることにより、特別な装置を用
いることなく容易に行うことができる。そして、一方の
被接合部材の接合対象部は、錫または錫系合金から構成
するとよい。錫または錫系合金は、比較的軟らかくて融
点が低いため、他方の被接合部材の加熱温度を低く押さ
えることができて他方の被接合部材の熱的損傷を避ける
ことができるばかりでなく、接合を容易に行うことがで
きる。
【0010】また、本発明の第2は、相互に接合する被
接合部材の少なくとも一方の被接合部材の接合対象部を
ハロゲン化処理したのち、前記各被接合部材の接合対象
部を相互に接触させて加圧密着させ、その後、加圧力を
解除して接合対象部を融点より低い温度に加熱すること
を特徴としている。
【0011】このように構成した本発明の第2は、瞬間
的に加圧して両被接合部材の接合対象部を相互に密着さ
せたのち、接合対象部を融点より低い温度に加熱するこ
とにより、いずれか一方の接合対象部に取り込まれたハ
ロゲンが他方の接合対象部へも容易に拡散するため、被
接合部材を相互に接合することができる。そして、加圧
は、両被接合部材の密着性を高めるためであって瞬間的
な加圧(例えば、1秒以下の加圧)でよいため、加圧後
の加熱をラインに流しながら行うことにより、1秒程度
もしくはそれ以下のタクトタイムに合わせた接合が可能
となる。加熱温度は、被接合部材に熱的損傷を与えず、
接合対象部が溶融しない温度であればなるべく高い温度
の方が望ましい。
【0012】さらに、本発明の第3は、相互に接合する
被接合部材の少なくとも一方の被接合部材の接合対象部
をハロゲン化処理したのち、前記各被接合部材の接合対
象部を相互に接触させ、接合対象部が相互に密接するよ
うに前記被接合部材を加圧して室温または非加熱状態に
長時間放置することを特徴としている。放置時間は長い
ほどよく、ハロゲン化処理の種類、状態によっても異な
るが、数時間以上を必要とし、例えば10時間または2
0時間程度以上放置することが望ましい。
【0013】このように構成した本発明の第3は、被接
合部材が加熱することができない場合、加圧して長時間
放置することにより、両接合対象部の密着性が保持さ
れ、少なくともいずれか一方の接合対象部に取り込まれ
たハロゲンが次第に他方の接合対象部に拡散する現象を
生じることにより、両被接合部材を相互に接合すること
が可能となる。
【0014】なお、本発明の第2、第3において、少な
くとも一方の被接合部材の接合対象部は、錫または錫系
合金によって形成するとよい。錫または錫系合金は、融
点が低いことと、比較的軟質な金属であるために容易に
密着させることができ、接触面積が増大してハロゲンの
拡散が容易に行われる。そして、上記のいずれの発明に
おいても、ハロゲン化処理は、フッ化処理であってよ
い。フッ素は、きわめて活性な元素であり、容易に他方
の接合対象部にも拡散するため、接合を比較的短時間
に、かつ容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の固体接合方法の好ましい
実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明に係る固体接合方法の第1
実施形態の説明図である。図1において、被接合部材を
ハロゲン化処理であるフッ化処理を行うフッ化処理部1
0には、フッ化処理をするためのガスを生成する放電ユ
ニット12が設けてある。この放電ユニット12は、対
向配置した図示しない高周波電極と接地電極とが配設し
てあって、高周波電極に高周波電源14が接続してあ
る。また、放電ユニット12には、原料配管16を介し
て原料ガス源18が接続してあって、原料ガスである四
フッ化炭素ガス(CF4 ガス)を放電ユニット12に供
給できるようになっている。そして、放電ユニット12
に供給する四フッ化炭素ガスは、一部が原料配管16に
設けた分岐管20を介して第1水バブリングユニット2
2に導入され、水(水蒸気)が添加されて原料配管16
に戻される。この水蒸気は、四フッ化炭素ガスとともに
放電ユニット12に供給される。
【0017】放電ユニット12は、四フッ化炭素ガスと
水蒸気(H2 O)との混合ガスを介した気体放電を発生
し、次のような反応によって四フッ化炭素ガスと水蒸気
とを反応させて活性な反応性フッ素系ガスを生成する。
すなわち、
【0018】
【化1】CF4 +e→F- +CF3 ++e
【0019】
【化2】F- +CF3 ++2H2 O→4HF+CO2 または、
【0020】
【化3】F- +CF3 ++H2 O→2HF+COF2 となり、HF、COF2 などの反応性フッ素系ガスが生
成される。
【0021】放電ユニット12によって生成されたHF
などの反応性フッ素系ガスは、一端が放電ユニット12
に接続された処理ガス配管24に送り出される。この処
理ガス配管24は、他端が被接合部材26を配置したフ
ッ化処理室28に接続してあって、放電ユニット12に
よって生成された反応性フッ素系ガスをフッ化処理室2
8に供給できるようにしてある。また、処理ガス配管2
4には、キャリアガス供給部30が接続してある。
【0022】キャリアガス供給部30は、圧縮空気源3
2からの圧縮空気をキャリアガスとしてキャリアガス配
管34を介して処理ガス配管24に流入させ、処理ガス
配管24を流れる処理ガスを希釈するとともに、処理ガ
スをフッ化処理室28に搬送する。また、圧縮空気の一
部は、キャリアガス配管34に設けた分岐管36を介し
て第2水バブリングユニット38に導かれ、水(水蒸
気)が添加されて再度キャリアガス配管34に戻され、
処理ガス配管24を流れるガスに水蒸気を添加する。
【0023】反応性フッ素系ガスは、圧縮空気と水蒸気
とが添加されて処理ガスとしてフッ化処理室28に供給
され、
【0024】
【化4】COF2 +H2 O→CO2 +2HF さらに、
【0025】
【化5】2HF+H2 O→HF- +H3 + のように水蒸気と反応し、HFやCOF2 よりも反応性
が高いフッ素系イオン分子に変わる。
【0026】これらのフッ素イオン分子は、フッ化処理
室28に配置してある被接合部材26をフッ化する。こ
の第1実施の形態の場合、フッ化処理する被接合部材2
6は、ポリイミドなどのプラスチックからなるTAB用
のテープ(TABテープ)であって、図示しない接合対
象部であるリード部が錫メッキしてあり、リード部の錫
メッキがフッ化される。
【0027】また、この実施形態においては、予熱処理
部40が設けてある。予熱処理部40は、ヒータ42を
備えた予熱室44を有しており、予熱室44の内部に、
一方の被接合部材26と接合するフッ化処理をした、ま
たはフッ化処理をしていない他方の被接合部材46が配
置され、被接合部材46を被接合部材26の接合対象部
となる錫メッキの溶融温度以上の所定温度に加熱できる
ようにしてある。なお、この実施形態の場合、他方の被
接合部材46は、接合対象部として金バンプを有する半
導体チップであって、フッ化処理をされていない状態に
おいて予熱処理部40により300℃以上に加熱され
る。そして、300℃以上に予熱された被接合部材46
は、接合処理部50に搬入される。
【0028】接合処理部50は、ヒータ52を備えたホ
ットプレート54を有していて、ホットプレート54の
上に被接合部材26を配置するようになっている。そし
て、ホットプレート54は、被接合部材26を接合対象
部が溶融しない所定の温度(この実施形態においては1
00℃)に加熱保持するようになっている。また、ホッ
トプレート54の上部には、覆い部56が配設してあ
る。この覆い部56には、配管58を介して窒素ガス源
59が接続してあって、覆い部56からホットプレート
54に向けて不活性ガスである窒素ガスを吹き出し、ホ
ットプレート54の周囲を非酸化雰囲気にして被接合部
材26の錫メッキが酸化されないようにしてある。しか
し、覆い部56を設けずに通常の大気中において接合を
行ってもよい。
【0029】予熱処理部40において300℃以上に加
熱された被接合部材46は、ホットプレート54によっ
て100℃に加熱保持されている被接合部材26のリー
ド部上に配置される。これにより、被接合部材の錫メッ
キが瞬間的に融点以上に加熱されて軟化して被接合部材
46の金バンプとの密着性が高まるとともに、フッ化処
理によって錫メッキの表面部に取り込まれたフッ素が錫
メッキのより深い部分に拡散するとともに、被接合部材
46の金バンプ側にも拡散することにより、被接合部材
26と被接合部材46とが接合される。なお、この接合
処理部50における接合時間は、被接合部材26のフッ
化処理の程度にもよるが、10秒から60秒程度であっ
てよい。
【0030】このように第1の実施形態においては、錫
メッキされたリード部(接合対象部)を有するTABテ
ープである一方の被接合部材26をフッ化処理するとと
もに、金バンプ(接合対象部)を有する半導体チップで
ある他方の被接合部材46を錫メッキの融点以上に加熱
して両者の接合対象部を接触させることにより、接合材
を用いることなく、また接合対象部を溶融することなく
両者を接合することができる。このため、接合材を溶融
することがなく、接合時に被接合部材26、46間の相
互の位置ずれなどを生ぜず、形状が安定して接合後の接
合部の形状(見た目)をよくすることができる。しか
も、半田を使用しないところから、いわゆる鉛フリーの
接合(鉛を使用しない接合)を行うことができ、環境問
題を生ずることがない。
【0031】なお、前記実施の形態においては、ハロゲ
ン化処理がフッ化処理である場合について説明したが、
ハロゲン化処理は塩素化などであってもよい。また、不
活性ガスは、アルゴンやヘリウムなどの希ガスであって
もよい。そして、前記実施の形態においては、フッ化処
理した接合対象部が錫メッキである場合について説明し
たが、接合対象部は半田やSnAg、SnZnなどの錫
系合金によって形成してあってもよい。さらに、前記実
施の形態においては、被接合部材がTABテープと半導
体チップである場合について説明したが、被接合部材は
これらに限定されるものでなく、例えば、ガラス繊維と
エポキシ樹脂とを積層した基板の端子部への半田ボール
の接合、マザーボードへの電子部品の接合等にも適用す
ることができる。
【0032】図2は、第2実施形態の要部の説明図であ
る。この第2実施形態においては、加圧処理部60のベ
ース62上に一方の被接合部材64と他方の被接合部材
66とを重ねて配置し、ベース62の上方に配設した加
圧手段となるシリンダ68によって被接合部材64、6
6を瞬間的に加圧して両者の接合対象部を密接できるよ
うにしてある。シリンダ68による加圧圧力は、任意で
あるが、被接合部材が破損しない範囲でより大きい方が
望ましく、この実施形態においては、15kgf/cm
2 にしてある。そして、加圧時間は、両被接合部材6
4、66の接合対象部の密接度を向上できればよく、
0.1〜0.2秒程度、またはそれ以下であってもよ
い。
【0033】この実施形態においては、被接合部材64
がガラス繊維とエポキシ樹脂とを積層した基板であっ
て、配線部やランド部が半田メッキされており、被接合
部材66が半田バンプを有する半導体チップである。ま
た、これらの被接合部材64、66は、少なくともいず
れか一方が図1に示したフッ化処理部10においてフッ
ク処理され、接合対象部となるランド部または半田バン
プにフッ素が添加されている。
【0034】加圧処理された被接合部材64、66は、
重ねられた状態のまま接合処理部70に搬入される。こ
の接合処理部70は、重ねられた被接合部材64、66
を次の工程に矢印72のように搬送するベルトコンベヤ
などの搬送装置74を有している。また、接合処理部7
0は、搬送装置74を跨ぐようにカバー部76が設けて
ある。このカバー部76には、ヒータ78が配設してあ
って、搬送装置74上を移動する被接合部材64、66
を所定の温度(例えば、150℃)に加熱することがで
きるようになっている。さらに、カバー部76には、配
管80を介して窒素ガス源82が接続してあって、カバ
ー部76内を非酸化性の窒素ガス雰囲気にできるように
してある。
【0035】このようになっている第2実施形態におい
ては、フッ化処理された被接合部材64、66が加圧処
理部60において加圧されて相互の接合対象部が密接さ
せられる。その後、接合処理部70の搬送装置74上に
配置され、次の工程に搬送される。そして、被接合部材
64、66は、搬送装置74によって搬送される途中に
おいてカバー部76に設けたヒータ78によって150
℃に加熱される。これにより、半田メッキまたは半田バ
ンプのいずれか一方または双方に存在するフッ素が相手
側に拡散するため、被接合部材64、66を相互に接合
することができる。
【0036】このように、第2実施の形態においては、
被接合部材64、66を瞬間的に加圧して両者の密着性
を高めたのち、接合対象部が溶融しない程度の温度に加
熱して接合するため、被接合部材64、66を次の工程
へ送る中において接合が可能であり、速いタクトタイム
に合わせた接合が可能となって、接合工程のインライン
化を行うことができる。
【0037】なお、例えば、被接合部材64、66の少
なくともいずれか一方をフッ化処理したのち、被接合部
材64の上に被接合部材66を重ね、加圧した状態で長
時間(例えば、15時間以上)放置することによっても
被接合部材64、66を相互に接合することができる。
このような接合は、相互に接合する被接合部材のいずれ
か一方または両方が加熱をできないような場合、もしく
は加熱を避ける方が望ましい場合の接合に好適であり、
例えばインクジェットプリンタの圧電素子を駆動するド
ライバの接合などに適用することができる。
【0038】
【実施例】《実施例1》リード部が錫メッキしてあるポ
リイミドからなるTAB用のテープ(TABテープ)を
フッ化処理し、金バンプを有する半導体チップを錫メッ
キの融点より高い温度に加熱してTABテープのリード
部に配置して接合する実験を行った。
【0039】TABテープは、幅が70mm、厚さが2
mil(約50.1μm)であって、リード部の銅箔厚
さが18μm、錫メッキの厚さが0.25μm、錫の銅
箔への拡散層の厚さが0.18μmである。また、半導
体チップは、チップサイズが2.16mm×15.62
mmであって、金バンプの高さが22±5μmである。
そして、TABテープのフッ化処理は、図3に示した装
置によって行った。なお、図3においては、前記実施の
形態において説明した部分に対応する部分には、同一の
符号が付してある。
【0040】図3において、原料ガス源18と放電ユニ
ット12とを接続した原料配管16には、マスフローコ
ントローラ84が設けてあって、マスフローコントロー
ラ84に図示しない除湿器を介して乾燥した四フッ化炭
素ガスが流入するようになっている。マスフローコント
ローラ84は、放電ユニット12に供給する四フッ化炭
素ガスの量を制御する。また、分岐管20にもマスフロ
ーコントローラ86が設けてあって、第1水バブリング
ユニット22に流入させる四フッ化炭素ガスの量を任意
に設定できるようになっている。
【0041】処理ガス配管24には、流量制御弁88を
有するキャリアガス配管90の一端が接続してある。キ
ャリアガス配管90の他端は、図示しない除湿器を介し
て窒素ガス源92が接続してあり、窒素ガス源からの乾
燥した窒素ガスをキャリアガスとして処理ガス配管24
に供給できるようにしてある。また、窒素ガス源92と
流量制御弁88との間のキャリアガス配管90には、希
釈ガス配管94の一端が接続してある。そして、希釈ガ
ス配管94の他端は、流量制御弁96、ヒータ98を介
して処理ガス配管24に接続してあって、希釈ガス配管
94に供給された乾燥窒素ガスを所定の温度に加熱し、
希釈ガスとして処理ガス配管24に流入させることがで
きるようにしてある。さらに、希釈ガス配管94には、
バイパス100が設けてある。
【0042】バイパス100は、一端が希釈ガス配管9
4の流量制御弁96の上流側に接続してあり、他端が流
量制御弁96とヒータ98との間の希釈ガス配管94に
接続してある。また、バイパス100には、流量制御弁
102と第2水バブリングユニット38とが設けてあっ
て、窒素ガスの一部を第2水バブリングユニット38に
流入させ、窒素ガスに水蒸気を添加できるようになって
いる。そして、処理ガス配管24には、ヒータ103を
備えた小チャンバ104が設けてあって、処理ガス配管
24に流入した放電ユニット12からの反応性ガスと、
キャリアガス配管90、希釈ガス配管94からの窒素ガ
スと水蒸気とを加熱し、充分に混合して小チャンバ10
4の下流側に設けたフッ化処理室28に流入させるよう
になっている。
【0043】フッ化処理室28は、図4に示したよう
に、横断面が矩形状となっていて、処理ガス配管24が
接続されるガス流入側の側部に流入ヘッド106が設け
てあり、フッ化処理室24に流入する処理ガスを分散で
きるようにしてある。また、流入ヘッド106を設けた
側と反対側の側壁には、流出ヘッド108を介して排気
管110が接続してある。この排気管110の先端は、
図示しない排気ポンプに接続してあって、排気ポンプに
よってフッ化処理室28内を吸引、排気できるようにな
っている。
【0044】一方、フッ化処理室28の内部には、流入
ヘッド106、流出ヘッド108を設けた側のそれぞれ
に多孔の拡散板112、114が配設してあり、フッ化
処理室28内を窒素ガスによって置換する際に、拡散板
112、114によって区画されたワーク配置部116
を窒素ガスが均一に流れ、充分な置換効果が得られるよ
うにしてある。また、フッ化処理室28の側部には、排
気口120が設けてあり、フッ化処理室28に流入した
処理ガスを図示しない除害装置に導くようにしてある。
なお、図4に示した符号118は、被接合部材であるT
ABテープであって、リード部に錫メッキが施してあ
る。
【0045】上記の装置によるTABテープ118のフ
ッ化処理は、次のごとくして行った。まず、TABテー
プ118をフッ化処理室28のワーク配置部116に並
べて配置する。次に、図示しない排気ポンプを作動させ
てフッ化処理室28内を排気するとともに、フッ化処理
室28に処理ガス配管24を介して窒素ガスを10l/
min供給し、フッ化処理室28の内部を10分間窒素
ガスによる置換を行った。その後、排気ポンプを停止す
るとともに、図4に示した排気口120を開放し、図3
の放電ユニット12において生成した反応性フッ素系ガ
スと窒素ガス、水蒸気とからなる処理ガスをフッ化処理
室28に供給してTABテープ118のフッ化処理を1
5分間行った。
【0046】このフッ化処理において、マスフローコン
トローラ84を介して放電ユニット12に供給した乾燥
四フッ化炭素ガスは30ml/minであり、第1水バ
ブリングユニット22を介して放電ユニット12に供給
した湿った四フッ化炭素ガスは10ml/minであ
る。また、流量制御弁88を有するキャリアガス配管9
0を介して処理ガス配管24に流入させた乾燥窒素ガス
の量は300ml/min、流量制御弁96を介して処
理ガス配管24に供給した希釈ガスとしての乾燥窒素ガ
スは3.5l/min、第2水バブリングユニット38
を通して処理ガス配管24に供給した水蒸気を含む窒素
ガスの量は70ml/minであって、ヒータ98の加
熱温度(ヒータ98の温度)は175℃に保持してあ
る。このとき、フッ化処理室28に流入する処理ガスの
HFの濃度は600ppmであり、相対湿度は12%で
あった。
【0047】このようにしてフッ化処理をしたのち、再
び排気ポンプを作動するとともに、フッ化処理室28に
窒素ガスを10l/min供給して窒素ガスによる置換
を10分間行い、TABテープ118をフッ化処理室2
8から取り出した。フッ化処理室28から取り出したT
ABテープ118は、大気中に約3時間放置したのち、
100℃に保持してある接合台の上に配置して100℃
に加熱した。そして、予め350℃に加熱した金バンプ
を有する半導体チップをTABテープ118の上に配置
して5秒間保持したところ、半導体チップをTABテー
プ118に接合することができた。
【0048】《実施例2》上記実施例1と同様にフッ化
処理した厚さ0.5mmの錫プレートを厚さ0.1mm
の金のプレート上に重ね、これらを重ねた状態でアルミ
ナなどの熱伝導性の悪いベース上に配置した。そして、
これらに400℃程度に加熱した高温窒素ガスを1秒間
吹き付けのち、高温窒素ガスの吹き付けを停止して自然
冷却させたところ、両者を接合することができた。この
とき、錫プレートは、溶解されなかった。さらに、両者
の接合力を測定したところ、おおむね良好な値を得るこ
とができた。また、比較としてフッ化処理をしていない
錫プレートを金のプレート上に配置して同様の接合試験
を行ったが、接合することができなかった。
【0049】なお、上記と同様に重ねたフッ化処理した
錫プレートと金プレートとに高温窒素ガスを1秒間吹き
付けたのち、冷たい窒素ガスによって急冷した場合にも
両者を接合することができた。さらに、錫プレートに代
えて厚さ0.5mmの8−2半田(Sn80%、PB2
0%の半田)プレートを使用して同様の実験を行ったと
ころ、半田プレートと金プレートとを接合することがで
きた。
【0050】なお、窒素ガスの温度は、熱電対によって
測定した。
【0051】《実施例3》フッ化処理をした錫プレート
または8−2半田プレートを金プレートの上に配置し、
室温において両者が密接するように加圧して20時間保
持したところ、両者を接合することができた。このとき
の加圧圧力は、15kgf/cm2 である。
【0052】また、フッ化処理した実施例2と同様の錫
プレートを実施例2と同様の金プレートの上に配置した
のち、室温において両者が密接するように15kgf/
cm2 の圧力でプレスによって瞬間的に加圧し、さらに
両者を100℃に加熱して10分間保持したところ、相
互に接合することができた。
【0053】また、フッ化処理した実施例2と同様の8
−2半田プレートを上記と同様の金プレートに重ねて上
記と同様の圧力で瞬間的に加圧したのち、両者を150
℃に加熱して10分間保持したところ、相互に両者を接
合することができた。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の第1に
よれば、他方の被接合部材と接触させた一方の被接合部
材の接合対象部の表面部が瞬間的に融点以上に加熱され
て表層部が軟化して密着性が向上し、ハロゲン化処理に
より少なくともいずれか一方の接合対象部に取り込まれ
たハロゲンが他方の接合対象部にも容易に拡散するた
め、接合材を用いず、また両被接合部材を加圧しなくと
も相互に接合することができる。
【0055】また、本発明の第2によれば、瞬間的に加
圧して両被接合部材の接合対象部を相互に密着させたの
ち、接合対象部を融点より低い温度に加熱することによ
り、少なくともいずれか一方の接合対象部に取り込まれ
たハロゲンが他方の接合対象部へも容易に拡散するた
め、被接合部材を相互に接合することができる。そし
て、加圧は、両被接合部材の密着性を高めるためであっ
て瞬間的な加圧でよいため、加圧処理後の加熱をライン
に流しながら行うことにより、1秒程度もしくはそれ以
下のタクトタイムに合わせた接合が可能となる。
【0056】そして、本発明の第3によれば、被接合部
材が加熱することができない場合、両被接合部材を重ね
て加圧した状態で長時間放置することにより、両接合対
象部の密着性が保持され、少なくともいずれか一方の接
合対象部に取り込まれたハロゲンが次第に他方の接合対
象部に拡散する現象を生じることにより、両被接合部材
を相互に接合することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る固体接合方法の説
明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る固体接合方法の
要部説明図である。
【図3】実施例において使用したフッ化処理部の説明図
である。
【図4】実施例において使用したフッ化処理室の説明図
である。
【符号の説明】
10 フッ化処理部 12 放電ユニット 18 原料ガス源 22 第1水バブリングユニット 26、46 被接合部材 28 フッ化処理室 30 キャリアガス供給部 32 圧縮空気源 38 第2水バブリングユニット 40 予熱処理部 42、52 ヒータ 50、70 接合処理部 59 窒素ガス源 60 加圧処理部 64、66 被接合部材 68 シリンダ 74 搬送装置 76 カバー部 78 ヒータ
フロントページの続き (72)発明者 倉科 修 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 中田 英男 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA01 AA18 AB01 BA03 DA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に接続する被接合部材の少なくとも
    一方の被接合部材の接合対象部をハロゲン化処理したの
    ち、前記各被接合部材の接合対象部を相互に接触させ、
    いずれか一方の前記被接合部材の前記接合対象部を瞬間
    的に融点以上に加熱して接合することを特徴とする固体
    接合方法。
  2. 【請求項2】 前記一方の接合対象部の融点以上の加熱
    は、他方の被接合部材の前記接合対象部を前記一方の接
    合対象部の融点より高い温度に加熱したのち、前記一方
    の被接合部材の前記接合対象部と前記他方の被接合部材
    の加熱した前記接合対象部とを相互に接触させて行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体接合方法。
  3. 【請求項3】 前記一方の被接合部材の接合対象部は、
    錫または錫系合金からなることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の固体接合方法。
  4. 【請求項4】 相互に接合する被接合部材の少なくとも
    一方の被接合部材の接合対象部をハロゲン化処理したの
    ち、前記被接合部材の接合対象部を相互に接触させて加
    圧密着させ、その後、加圧力を解除して接合対象部を融
    点より低い温度に加熱することを特徴とする固体接合方
    法。
  5. 【請求項5】 相互に接合する被接合部材の少なくとも
    一方の被接合部材の接合対象部をハロゲン化処理したの
    ち、前記各被接合部材の接合対象部を相互に接触させ、
    接合対象部が相互に密接するように前記被接合部材を加
    圧して室温または非加熱状態に長時間放置することを特
    徴とする固体接合方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の前記接合対象部は、錫
    または錫系合金からなることを特徴とする請求項4また
    は5に記載の固体接合方法。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化処理は、フッ化処理であ
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の固体接合方法。
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