JP2000188957A - 植物苗貯蔵方法および装置 - Google Patents
植物苗貯蔵方法および装置Info
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Abstract
らず、光補償点に相当する光強度を自動的に得られる植
物苗貯蔵方法および装置を提供する。 【解決手段】外光および外気を遮断した低温貯蔵庫1内
に植物苗2を貯蔵し、低温貯蔵庫1内で植物苗2を照明
装置3により照射するとともに、低温貯蔵庫1内の二酸
化炭素濃度を測定して、低温貯蔵庫1内が光補償点とな
るように照明装置3を調光する。また温度を測定し温度
に応じて照明装置の調光を制御する。
Description
の植物苗を低温で保存する植物苗貯蔵方法および装置に
関するものである。
われてきたが、徒長、黄化等、苗質が低下することが問
題にされていた。貯蔵期間が長くなるほど苗質の低下は
大きく、長期にわたる貯蔵は困難であった。
より、徒長、黄化を防ぎ、苗質を低下させることなく、
より長い期間貯蔵できることが明らかになってきた( 例
えば特開平5-34052 号) 。
成育してしまい、逆に光が弱すぎると上記のように徒
長、黄化してしまうといった問題があった。
る光の強度は、光補償点が望ましいことが明らかになっ
てきた(参考文献「Acta Horticulturae No.393,March
1995」久保田, 古在ら) 。ここで光補償点とは、植物の
光合成によるCO2 の吸収と、呼吸によるCO2 の排出
が釣り合い、見かけ上CO2 濃度の増減が0になる光強
度を指す。
の種類や周囲温度、苗の育成ステージによって変わるた
めに、光強度を最適値に調節するのは非常に困難であっ
た。
償点は低下し、周囲温度が高くなると光補償点も高くな
ることが知られている。
る照明装置の調光を制御する方法では、植物苗の光補償
点が貯蔵時の周囲温度により変化するため、貯蔵庫内の
温度を常時一定にしなければならない。しかし、実際の
貯蔵庫は温度制御装置の性能に伴い庫内の温度がある範
囲で上下し、温度を一定に維持するのは困難である。つ
まり、庫内の温度が上下することで光補償点が変動し、
それに伴い二酸化炭素濃度が変動することとなる。この
ような要因からこの貯蔵方法では、光補償点を維持でき
ず苗質の劣化を招くなどの問題が生じる。
類、周囲温度、苗の育成ステージ等によらず、光補償点
に相当する光強度を自動的に得られる植物苗貯蔵方法お
よび装置を提供することである。
ることを考慮し、低温貯蔵庫内の二酸化炭素濃度および
温度により苗の育成ステージに応じた光補償点となる調
光制御を行なうことで、常に植物苗の光補償点を維持
し、貯蔵中の植物苗の品質劣化を抑制することができる
植物苗貯蔵方法および装置を提供することである。
蔵方法は、外光および外気を遮断した低温の空間内に植
物苗を配置し、前記空間内で前記植物苗を照明装置によ
り照射するとともに、前記空間内の二酸化炭素濃度を測
定して、前記空間内が光補償点となるように前記照明装
置を調光することを特徴とするものである。
低温の空間内の二酸化炭素濃度を測定しこれと関連して
照明装置を調光することにより、植物の種類や雰囲気温
度等に係わらず、常に光補償点まで自動的に調節し、苗
質を維持することができる。
よび外気を遮断した低温の空間内に植物苗を配置し、前
記空間内で前記植物苗を照明装置により照射するととも
に、前記空間内の温度および二酸化炭素濃度を測定し
て、前記植物内の光補償点となるように前記照明装置を
調光することを特徴とするものである。
請求項1と同様な効果のほか、照明装置の調光制御を貯
蔵庫内温度変化をパラメータとして加えることで、請求
項1の光補償点貯蔵と比較してより厳密でかつ、光補償
点へのすみやかに収束する制御が可能となる。
2において、温度上昇時が光補償点となるレベルまで照
度をアップし、温度下降時は光補償点となるレベルまで
照度をダウンするものである。
請求項2と同様な効果がある。
よび外気を遮断して内部に植物苗を貯蔵した低温貯蔵庫
と、この低温貯蔵庫内に設けられて前記植物苗を照射す
る調光可能な照明装置と、前記低温貯蔵庫内の二酸化炭
素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定装置と、前記低温
貯蔵庫内が光補償点となるように前記照明装置を調光制
御する制御装置とを備えたものである。
請求項1と同様な効果がある。
よび外気を遮断して内部に植物苗を貯蔵した低温貯蔵庫
と、この低温貯蔵庫内に設けられて前記植物苗を照射す
る調光可能な照明装置と、前記低温貯蔵庫内の温度を測
定する温度測定装置と、前記低温貯蔵庫内の二酸化炭素
濃度を測定する二酸化炭素濃度測定装置と、前記低温貯
蔵庫内が前記植物苗の光補償点となるように前記照明装
置を調光制御する制御装置とを備えたものである。
請求項4と同様な効果のほか、照明装置の調光制御を行
なう制御装置を備えることで、貯蔵庫内の温度および二
酸化炭素濃度から常時光補償点を追従した貯蔵が可能と
なり、省力化が図れることとなる。
5において、温度上昇時が光補償点となるレベルまで照
度をアップし、温度下降時は光補償点となるレベルまで
照度をダウンするものである。
請求項5と同様な効果がある。
物苗貯蔵方法を図1および図2により説明する。すなわ
ち、この植物苗貯蔵方法は、外光および外気を遮断した
低温の空間、例えば低温貯蔵庫1内に植物苗2を配置
し、低温貯蔵庫1内で植物苗2を照明装置3により照射
するとともに、低温貯蔵庫1内の二酸化炭素(CO2 )
濃度を測定して、低温貯蔵庫1内が光補償点となるよう
に照明装置3を調光制御するものである。
呼吸による低温貯蔵庫1内のCO2濃度の増減が0にな
る点であり、その計測はこの植物苗貯蔵方法により、苗
貯蔵の環境調節を光強度変化で行ない、二酸化炭素濃度
測定装置5と照明装置3とを連動させて、光環境設定を
自動的に行なうものである。すなわち、低温貯蔵庫1内
のCO2 濃度をCO2 濃度測定装置5により測定し、C
O2 濃度の参照比較用に庫外の空気中のCO2 濃度も測
定し、これらを比較してCO2 濃度を求める。CO2 濃
度測定装置5の出力信号は制御装置4に入力され、この
制御装置4からCO2 濃度に対応した照明調光信号を低
温貯蔵庫1内の調光型照明装置3に出力して照明装置3
を調光し光補償点を求める。言い換えると庫内外のCO
2 濃度を対比して照明装置3の照度が光補償点になるよ
うに照明装置3が制御される。低温貯蔵庫1内のCO2
濃度が増加しているときは照明装置3の照度をアップし
て光合成を促進し、CO2 濃度を下げる。CO2 濃度が
減少しているときは照明装置3の照度をダウンしてCO
2 濃度を上げる。したがって調光制御により光補償点に
することができる。
プS1でCO2 濃度を測定し、ステップS2で槽内のC
O2 濃度Cinと槽外のCO2 濃度Cout が等しいか否か
を判断し、等しいときはステップS3で濃度計測を終了
するか否かを判断し、等しくないときはステップS4で
槽内の濃度Cinが大きいか否かを判断し、大きいときは
ステップS5で照度をアップし、光合成によるCO2 の
吸収を促進させて庫内濃度を下げ、反対に大きくないと
きはステップS6で照度をダウンし、いずれの場合もス
テップS1に戻り、ステップS2の判断を行なう。これ
により、自動的に光補償点に収束することができる。
して庫外CO2 濃度を測定しているが、特になくてもよ
い。一般的な大気中のCO2 濃度(約350ppm)を
基準として、それに合わせるように制御することができ
る。なお精度を向上させるために、照明装置3には均斉
度の良い(被照射面の照度分布にばらつきが少ない)こ
とが望ましいが、特にこれに限られない。
る低温貯蔵庫1内の二酸化炭素濃度を測定しこれと関連
して照明装置3を調光することにより、植物の種類や雰
囲気温度等に係わらず、常に光補償点まで自動的に調節
し、苗質を維持することができる。
図4により説明する。この植物貯蔵装置は、低温貯蔵庫
10と、照明装置11と、二酸化炭素(CO2 )濃度測
定装置12と、制御装置13とを有する。
して内部に植物苗16を貯蔵している。実施の形態では
貯蔵用のチャンバ14(三洋電機(株)製)内に密閉用
透明アクリル製の容器(槽)15を収納し、容器15内
に植物苗16を入れた器17を設置している。容器15
は例えば、厚さ2mmのアクリル板を接着して容器を作
製し、内寸は長さ37cm×幅18cm×高さ17cm
であり、容量11.3リットルである。容器15内には
例えば銅、コンスタンチン熱電対を用いた温度センサ1
8、および例えばホトダイオードを用いた照度センサ1
9を所定の位置に設けている。
れて植物苗16を照射する調光可能なものであり、例え
ば3波長型白色蛍光灯(20W)(松下電器産業(株)
製)を用い、チャンバ14内の容器15の上方に設置し
ている。
は、低温貯蔵庫10内の二酸化炭素濃度を測定する。実
施の形態では、CO2 測定装置12にポンプ(図示せ
ず)により、容器15内の空気(air 1 、2)を導入する
とともに、容器15外の空気(air 3)も導入して、容
器15の内外のCO2 濃度を測定する。例えば赤外線C
O 2 コントローラ(富士電機(株)製)を使用してい
る。空気流量はフローメータで測定し、開閉は電磁弁で
行なっている。
償点となるように照明装置11を調光制御する。実施の
形態では、低温貯蔵庫10内と外気との二酸化炭素濃度
を対比して低温貯蔵庫10内の照度が光補償点となるよ
うに照明装置11の調光を制御する。このため濃度測定
装置12、照度センサ18および温度センサ19からの
信号をデータロガー(例えば、Campbell Micrologger 2
1X(Campbell Scientific,Inc. 製))20に入力し、これ
を介して制御用パソコン21に入力し、制御用パソコン
21の出力はデータロガー20を介してPCライコン2
2に入力(DC0〜5V)され、PCライコン22によ
りDUTY信号が出力されて調光用安定器23に入力さ
れ、調光用安定器23により照明装置11の出力が調整
される(貯蔵用照明装置、PCライコン(PCライトコ
ントローラ)および安定器:松下電工(株)製)。図4
は植物苗貯蔵装置のフローチャートを示す。ステップS
1で運転開始条件として、苗の投入、照度設定L0 、温
度設定T0、湿度設定R0の設定、照明ONおよび冷却
機ONを行なう。ステップS2で温度センサ18による
温度計測T1を行い、ステップS3でT1=T0 か否か
を判断し、NOならステップS2に戻り、YESならつ
ぎにステップS4に進み、照度センサ19により照度L
1 を計測し、ステップS5でL1 =L0 か否かを判断
し、NOならステップS4に戻り、YESならつぎにス
テップS6で濃度計測を開始する。このようにして冷却
機、および照明装置11の調光により槽内を所定の温度
および照度に調節する。
外のCO2 濃度Cout と等しいか否かを判断し、NOの
ときはステップS8でCin>Cout か否かを判断し、Y
ESのときはステップS9で制御装置13により照明装
置11を調光制御して照度アップし、光合成すなわちC
O2 の吸収を促進させて濃度Cinを下げ、ステップS1
0で照度計測L2 を行いステップS11でL2 >L1 か
否かを判断し、NOならステップS9に戻り、YESな
らステップS6にもどる。またステップS8がNOであ
ればステップS12で照度ダウンを行い、ステップS1
3で照度計測L2 を行い、ステップS14でL2 <L1
を判断し、NOならステップS12に戻り、YESなら
ステップS6にもどる。
S15で照度計測L3 を行い、ステップS16でL3 =
L2 か否かを判断し、YESならステップS17で終了
信号は入力されたか否かを判断し、NOならステップS
6に戻り、またステップS16がNOのときもステップ
S6に戻る。
を除いた部分がこの発明の概念部分である。
(288穴)内の培養土に播種後、表1の条件で約3週
間育苗した。
6個体分)にカットし、容器15内に入れた。容器1
5、照明装置11は図3に示したとおり、チャンバ14
内にセットした。照明装置11は被照射面の照度分布が
できるだけ均一になるように改善したものを用いた。照
射エリア内での最小照度/最大照度の比は、最小照度/
最大照度>0.9である。チャンバ14内の温度、湿
度、空気流量、初期光強度を設定後に測定を開始した。
データサンプリング間隔は庫内(IN)、庫外(OU
T)側共に5秒毎である。光補償点への収束時の光強度
を測定し収束時間も参考までに測定し、収束時の光強度
が光補償点と一致するかどうかを確認した。その実験結
果を表2に示す。
よる。
が、植物の種類や雰囲気温度にかからわず、常に光補償
点まで自動的に調節し、維持できるシステムであること
が確認できた。
説明する。この植物貯蔵方法および装置は図3の装置を
用い、第1の実施の形態において、庫内の二酸化炭素濃
度とともに温度に応じて光補償点を制御するものであ
る。
ャートである。ステップS30で周囲温度を計測し、ス
テップS31で測定時の槽内温度Tnと前回測定時の槽
内温度Tpが等しいか否かを判断し、等しいときはステ
ップS32へ移行し、等しくないときはステップS38
に移行する。ステップS38で槽内温度Tnが槽内温度
Tpより大きいか否かを判断し、大きいときはステップ
S39で照度をアップし、光合成によるCO2 の吸収を
促進させて庫内濃度を下げ、反対に大きくないときはス
テップS40で照度をダウンし、ステップS41で照度
アップまたはダウンを実行し、いずれの場合もステップ
S30に戻る。
S32でCO2 濃度を計測し、ステップS33で槽内の
CO2 濃度Cinと槽外のCO2 濃度Cout が等しいか否
かを判断し、等しいときはステップS34で濃度計測を
終了するか否かを判断し、等しくないときはステップS
35で槽内の濃度Cinが大きいか否かを判断し、大きい
ときはステップS36で照度をアップし、光合成による
CO2 の吸収を促進させて庫内濃度を下げ、反対に大き
くないときはステップS37で照度をダウンし、ステッ
プS41で照度アップまたはダウンを実行し、いずれの
場合もステップS30に戻る。
なるレベルまで照度をアップし、温度下降時は光補償点
となるレベルまで照度をダウンする。その結果、照明装
置の調光制御を貯蔵庫内温度変化をパラメータとして加
えることで、第1の実施の形態の光補償点貯蔵と比較し
てより厳密でかつ、光補償点へのすみやかに収束する制
御が可能となり、温度および二酸化炭素濃度から常時光
補償点を追従した貯蔵が可能となるので省力化が図れ
る。
成型苗の貯蔵実験を行なった。表3は、植物苗としてナ
スセル成型苗(千両2号)を用い、周囲温度および二酸
化炭素濃度の計測による照明装置の調光時における、光
補償点貯蔵時および暗黒貯蔵時の光強度を示している。
および48日目の、光補償点貯蔵の場合と暗黒貯蔵の場
合の乾物重を測定した結果を示す。
貯蔵では乾物重が維持されているため、貯蔵0日目の苗
質がほぼ維持されたと考えられる。また外観上では光補
償点貯蔵では葉の黄化や萎れがほとんどなかった。
ば、低温の空間内の二酸化炭素濃度を測定しこれと関連
して照明装置を調光することにより、植物の種類や雰囲
気温度等に係わらず、常に光補償点まで自動的に調節
し、苗質を維持することができる。
請求項1と同様な効果のほか、照明装置の調光制御を貯
蔵庫内温度変化をパラメータとして加えることで、請求
項1の光補償点貯蔵と比較してより厳密でかつ、光補償
点へのすみやかに収束する制御が可能となる。
請求項2と同様な効果がある。
請求項1と同様な効果がある。
請求項4と同様な効果のほか、照明装置の調光制御を行
なう制御装置を備えることで、貯蔵庫内の温度および二
酸化炭素濃度から常時光補償点を追従した貯蔵が可能と
なり、省力化が図れることとなる。
請求項5と同様な効果がある。
説明図である。
る。
御フローチャートである。
Claims (6)
- 【請求項1】 外光および外気を遮断した低温の空間内
に植物苗を配置し、前記空間内で前記植物苗を照明装置
により照射するとともに、前記空間内の二酸化炭素濃度
を測定して、前記植物内の光補償点となるように前記照
明装置を調光することを特徴とする植物苗貯蔵方法。 - 【請求項2】 外光および外気を遮断した低温の空間内
に植物苗を配置し、前記空間内で前記植物苗を照明装置
により照射するとともに、前記空間内の温度および二酸
化炭素濃度を測定して、前記植物内の光補償点となるよ
うに前記照明装置を調光することを特徴とする植物苗貯
蔵方法。 - 【請求項3】 温度上昇時は光補償点となるレベルまで
照度をアップし、温度下降時は光補償点となるレベルま
で照度をダウンする請求項2記載の植物苗貯蔵方法。 - 【請求項4】 外光および外気を遮断して内部に植物苗
を貯蔵した低温貯蔵庫と、この低温貯蔵庫内に設けられ
て前記植物苗を照射する調光可能な照明装置と、前記低
温貯蔵庫内の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度
測定装置と、前記低温貯蔵庫内が前記植物苗の光補償点
となるように前記照明装置を調光制御する制御装置とを
備えた植物苗貯蔵装置。 - 【請求項5】 外光および外気を遮断して内部に植物苗
を貯蔵した低温貯蔵庫と、この低温貯蔵庫内に設けられ
て前記植物苗を照射する調光可能な照明装置と、前記低
温貯蔵庫内の温度を測定する温度測定装置と、前記低温
貯蔵庫内の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測
定装置と、前記低温貯蔵庫内が前記植物苗の光補償点と
なるように前記照明装置を調光制御する制御装置とを備
えた植物苗貯蔵装置。 - 【請求項6】 温度上昇時は光補償点となるレベルまで
照度をアップし、温度下降時は光補償点となるレベルま
で照度をダウンする請求項5記載の植物苗貯蔵装置。
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ID=26559399
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