JP2000187033A - 細胞染色液 - Google Patents

細胞染色液

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JP2000187033A
JP2000187033A JP10363197A JP36319798A JP2000187033A JP 2000187033 A JP2000187033 A JP 2000187033A JP 10363197 A JP10363197 A JP 10363197A JP 36319798 A JP36319798 A JP 36319798A JP 2000187033 A JP2000187033 A JP 2000187033A
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幸次 青木
Motoo Goto
元雄 後藤
Kayoko Shimizu
佳代子 志水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色後に色素が析出せず、長時間保存後でも
観察可能な標本を作製することを可能とする、細胞染色
液用安定化剤、及び該安定化剤を含む細胞染色液、並び
に該細胞染色液を使用した細胞染色方法の提供。 【解決手段】 糖アルコール又は/及び常温で液状の多
価アルコールを含んでなる細胞染色液用安定化剤、該安
定化剤を含む細胞染色液、並びに該細胞染色液を用いる
細胞染色方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、細胞染色液用安定化剤、
及び該安定化剤を含む細胞染色液、並びに該細胞染色液
を使用した細胞染色方法に関する。
【0002】
【発明の背景】微生物学や臨床検査学等に於いては、細
胞の形態や構造を観察するため、或いは細胞の数やその
種類を検査するために、顕微鏡を用いた細胞の観察が広
く行われている。
【0003】特に臨床検査分野では、検体の採取に制約
が小さく、広範な対象に適用できること、更に患者に対
する負荷が軽く、標本の作製が簡便・迅速であること等
の理由から、集団検診、日常検査、精密検査等の広範囲
に於いて、各種疾患の鑑別や疾患の程度の判定、治療効
果の判定等に顕微鏡による検査(鏡検)が行われてい
る。
【0004】腎・尿路系の感染症、炎症性病変、変性病
変、結石症、腫瘍などの疾患では、夫々の疾患に応じ
て、尿中に、例えば赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、
細菌、真菌、結晶、粘液糸など種々の有形成分が出現す
る。尿中成分の分析は、腎・尿路系疾患の早期発見や異
常部位を推定する上で特に重要である。例えば、尿中赤
血球の分析は、腎臓の糸球体から尿道に至る経路におけ
る出血の有無を判定する上で重要であり、また、赤血球
の形態や円柱の種類を調べることにより、その由来部位
を特定することもできる。また、尿中白血球の分析は、
腎・尿路系の炎症、感染症を早期発見する上で重要であ
る。更に、悪性細胞(癌細胞)の検出は、尿路系悪性腫
瘍の早期発見やその有無を判断する上で重要となる。
【0005】一方、尿中有形成分の分析方法としては、
先ず、尿を遠心分離処理した後濃縮処理し、得られた沈
渣物を、要すれば細胞染色液により細胞染色後、顕微鏡
スライド上に積載しカバーグラスをかけて標本を作製
し、顕微鏡下で目視検査により有形成分の分類・計数を
行う方法、即ち鏡検法が、従来より広く行われている。
また、近年、フラットシースフローと画像処理技術を組
み合わせた自動測定装置も開発されているが、この手法
は、コストが高い、病的成分の検出感度が低い、病的成
分の分類精度が低い等の問題点を有しており、依然とし
て、顕微鏡による目視検査(鏡検法)が主流であること
に変わりはない。
【0006】該鏡検法に於いては、血球や上皮細胞等細
胞種の鑑別が容易に行える等の点や、細菌の種類を推定
することが出来る等の点から、種々の細胞染色液により
染色した染色標本が用いられている。
【0007】しかしながら、従来の細胞染色液を用いて
作製した標本は、時間の経過とともに細胞染色液中の色
素が析出し、尿中有形成分との誤認を生じてしまう等、
有形成分の観察に支障をきたすという問題点を有してい
た。また、該染色標本は、有形成分の変性、細菌数の増
加、更には細胞、特に赤血球の溶血や形態変化等が経時
的に起こるため、長時間保存後の観察が困難であった。
【0008】上記した如き問題点を解決するために、細
胞染色液に細胞固定剤としてグルタルアルデヒドを添加
した細胞染色液が開発されている(特開平9-105744号公
報)。しかしながら該細胞染色液は、有形成分の経時的
変性や細菌数の増加等の問題点は解決されてはいるもの
の、標本中の染色色素の析出についての問題は何ら解消
されていない。
【0009】
【発明が解決すべき課題】本発明は、上記した如き状況
に鑑みなされたもので、染色後に色素が析出せずに長時
間観察可能な標本を作製することを可能とする、細胞染
色液用安定化剤、及び該安定化剤を含む細胞染色液、並
びに該細胞染色液を使用した細胞染色方法の提供をその
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、糖アルコール
又は/及び常温で液状の多価アルコールを含んでなる細
胞染色液用安定化剤の発明である。
【0011】また、本発明は、糖アルコール又は/及び
常温で液状の多価アルコールを含んでなる細胞染色液の
発明である。
【0012】更に、本発明は、上記細胞染色液を用いる
ことを特徴とする細胞染色方法の発明である。
【0013】即ち、本発明者らは、染色後に色素が析出
せずに長時間保存後でも観察可能な標本を作製するため
の細胞染色液を開発すべく鋭意研究を行った結果、糖ア
ルコール又は/及び常温で液状の多価アルコールを安定
化剤として含有する細胞染色液を用いて標本を作製すれ
ば、従来の細胞染色液に於ける上記した如き問題を解決
して、染色後に色素が析出せずに長時間保存後でも観察
が可能な標本を作製し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明の細胞染色液用安定化剤は、微生物
学や臨床検査学等に於いて行われる自体公知の染色法で
用いられる細胞染色液中に存在させて使用する。
【0015】このような細胞染色液としては、例えばナ
ショナルファストブルー、アルシアンブルー8GX、ア
ルシアンブルー8GS、アストラブルー等のフタロシア
ニン系色素、例えばピロニンB、ピロニンG等のキサン
テン系色素、例えばクリスタルバイオレット、ゲンチア
ナバイオレット等のパラロサニリン色素、例えばサフラ
ニン、フクシン、メチレンブルー、メチルバイオレッ
ト、エオジン、ビスマルクブラウン、クリソイジン、ヘ
マトキシリン、アニリンブルー、オレンジG、ビクトリ
アブルー、ライトグリーン、ベルリンブルー、クレシル
バイオレット等の色素を用いる染色液が挙げられ、より
具体的には、例えばパパニコロウ染色法用染色液、ギム
ザ染色法用染色液、ヘマトキシリン・エオジン重染色法
用染色液、PAS(periodic acid Schiff)染色法用染
色液、例えば尿沈渣染色に於いて用いられるSternheime
r-Malbin法用染色液、Sternheimer法用染色液、Sudan I
II染色法用染色液、Prescott-Brodie染色法用染色液、B
erlin Blue染色法用染色液等が挙げられる。
【0016】本発明に於いて用いられる糖アルコールと
しては、細胞染色液中の色素の析出を防止する作用を有
するものであればよく特に限定されないが、通常炭素数
4〜10、好ましくは4〜8、より好ましくは5〜6の鎖
状又は環状の糖アルコールが挙げられ、具体例として
は、例えばエリスリトール、スレイトール等のテトリト
ール、例えばペンタエリスリトール、キシリトール、リ
ビトール、アラビトール等のペンチトール、例えばソル
ビトール、マンニトール、ガラクチトール、アリトー
ル、イジトール等のヘキシトール、イノシトール、へプ
チトール、オクチトール等が挙げられる。これら糖アル
コールのなかでも、ペンタエリスリトール、キシリトー
ル、ソルビトール、マンニトールが好ましい。
【0017】本発明に於いて用いられる常温で液状の多
価アルコールとしては、常温で液状であって、細胞染色
液の色素の析出を防止する作用を有するものであればよ
く特に限定されないが、例えば2〜4価のアルコール類
が挙げられる。2価のアルコール類としては、炭素数2
〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6の鎖状
又は環状の2価アルコール類が挙げられ、具体例として
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、分子量190 〜400のポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のモノ又はポリアルキレングリコー
ル類、例えば1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シク
ロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオー
ル、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール等のアルカンジオール類等が挙げられ
る。3価のアルコール類としては、炭素数3〜10、好ま
しくは3〜8、より好ましくは3〜6の鎖状又は環状の
3価アルコール類が挙げられ具体例としては、例えばグ
リセリン、例えば1,2,4−ブタントリオール、1,
2,6−ヘキサントリオール等のアルカントリオール類
等が挙げられる。4価のアルコール類としては、炭素数
4〜10、好ましくは4〜8、より好ましくは4〜6の4
価のアルコール類が挙げられ、具体例としては、例えば
ジグリセリン等が挙げられる。尚、これら糖アルコール
及び常温で液状の多価アルコールは、単独で用いても、
或いは2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0018】本発明の細胞染色液用安定化剤は、上記し
た如き染色法で使用される細胞染色液中に予め含有させ
ておいても、或いは色素を含有する試液とは別に、本発
明の細胞染色液用安定化剤を含有する試液を調製してお
いてもよく、後者の場合は、標本作製(染色)時に上述
した如き色素を含有する試液と適宜混合して細胞染色液
として使用する。
【0019】本発明の細胞染色液は、安定化剤として上
記した如き本発明の細胞染色液用安定化剤、即ち、糖ア
ルコール又は/及び常温で液状の多価アルコールを使用
する以外は、上述した如き自体公知の染色法で通常用い
られる細胞染色液に含有される試薬類を用いて適宜調製
すればよく、本発明の細胞染色液用安定化剤以外の試薬
類は、通常この分野で用いられる濃度となるように適宜
細胞染色液中に添加すればよい。
【0020】本発明の細胞染色液用安定化剤の使用濃度
は、用いられる糖アルコールや多価アルコールの種類や
細胞染色液等の種類、或いは用いられる色素の種類等に
より異なるため一概にはいえないが、細胞染色液が有す
る細胞の染色性を阻害しない濃度であって、且つ細胞染
色液中の色素の析出を防止し得る濃度であればよく、特
に限定されない。より具体的には、例えば試料(被染色
物)が組織片等の固形状である場合には細胞染色液中の
濃度として、通常0.1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5
%(w/v)となるように細胞染色液中に含有させる。ま
た、例えば試料(被染色物)が尿沈渣等の液状である場
合には、標本(細胞染色液+被染色物)中の濃度とし
て、通常0.1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5%(w/
v)となるように細胞染色液中に含有させる。
【0021】本発明の細胞染色液としては、糖アルコー
ル又は多価アルコールと、フタロシアニン系色素又は/
及びキサンテン系色素をその主成分として調製されたも
のが、代表的なものとして挙げられる。尚、本発明の細
胞染色液であって、尿沈渣染色に用いられるものの中に
は、グルタルアルデヒド等を含有させておくことが望ま
しい。グルタルアルデヒドを含有させることにより、尿
沈渣染色の際に赤血球の溶血や形態変化を防止すること
が可能となる。また、本発明の細胞染色液中には、要す
れば塩化ベンゼトニウム、安息香酸、p-ヒト゛ロキシ安息香
酸メチル等の防腐剤、エタノール等のアルコール類、シュ
ウ酸アンモニウム等のpH調整剤、その他通常染色法に
於いて用いられる試薬類等が、通常この分野で用いられ
る濃度範囲で含まれていてもよい。
【0022】本発明に於いて用いられるフタロシアニン
系色素の使用濃度としては、例えば試料(被染色物)が
組織片等の固形状である場合には細胞染色液中の濃度と
して、通常0.01〜1.00%(w/v)、好ましくは0.1〜0.5
%(w/v)、より好ましくは0.15〜0.25%(w/v)であ
り、例えば試料(被染色物)が尿沈渣等の液状である場
合には、標本(細胞染色液+被染色物)中の濃度とし
て、通常0.01〜1.00%(w/v)、好ましくは0.1〜0.5%
(w/v)、より好ましくは0.15〜0.25%(w/v)である。
また、キサンテン系色素の使用濃度としては、例えば試
料(被染色物)が組織片等の固形状である場合には細胞
染色液中の濃度として、通常0.01〜1.00%(w/v)、好
ましくは0.04〜0.25%(w/v)、より好ましくは0.08〜
0.12%(w/v)であり、例えば試料(被染色物)が尿沈
渣等の液状である場合には、標本(細胞染色液+被染色
物)中の濃度として、通常0.01〜1.00%(w/v)、好ま
しくは0.04〜0.25%(w/v)、より好ましくは0.08〜0.1
2%(w/v)である。
【0023】本発明に於いて用いられるグルタルアルデ
ヒドの使用濃度としては、赤血球の溶血や形態変化を防
止し得る濃度であればよく、特に限定されないが、標本
〔細胞染色液+被染色物(試料)〕中の濃度として、通
常0.01〜3.00%(w/v)、好ましくは0.1〜1.0%(w/
v)、より好ましくは0.2〜0.5%(w/v)である。
【0024】また、本発明に於いて必要に応じて用いら
れる防腐剤としては、通常この分野で用いられているも
のであればよく、特に限定されないが、例えば塩化ベン
ゼトニウムを用いる場合、例えば試料(被染色物)が組
織片等の固形状である場合には細胞染色液中の濃度とし
て、通常0.005〜0.5%(w/v)、好ましくは0.02〜0.1%
(w/v)であり、例えば試料(被染色物)が尿沈渣等の
液状である場合には、標本(細胞染色液+被染色物)中
の濃度として、通常0.005〜0.5%(w/v)、好ましくは
0.02〜0.1%(w/v)である。
【0025】本発明の細胞染色方法は、本発明の細胞染
色液用安定化剤を含有する細胞染色液を用いる以外は、
常法に従って行えばよいが、より具体的には、例えば以
下の如く行えばよい。即ち、例えば本発明の細胞染色液
を用いて尿沈渣染色を行う場合には、先ず、採取した尿
を尿中成分が均等になるように充分混和する。次いで、
5〜15mlを遠心管に分注し、遠心力400〜600Gで3〜10
分間遠心分離処理する。遠心後、上清を取り除き、尿沈
渣を得る。得られた尿沈渣に、該沈渣量に対して通常1
/3以下、好ましくは1/4程度の本発明の細胞染色液
を加え、充分に混和することにより尿沈渣中の細胞を染
色し得る。尚、これを鏡検するには、混和後、その10〜
20μlをスライドガラスに積載し、更にカバーガラスを
掛けて鏡検すればよい。
【0026】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限
定されるものではない。
【0027】
【実施例】実施例1 本発明の細胞染色液用安定化剤を含む細胞染色液を使用
して、尿沈渣を染色し、細胞の染色性及び標本の経時安
定性を観察した。 〔試料〕尿10mlを遠心力500Gで5分間遠心分離処理し
た後、上清を取り除いて得られた尿沈渣物0.2mlを試料
とした。 〔細胞染色液〕1%(w/v)アルシアンブルー8GX(C
hroma社製)、0.5%(w/v)ピロニンB(Chroma社製)
及び所定の安定化剤を所定濃度含む水溶液を調製し、こ
れを細胞染色液とした。尚、本発明の細胞染色液用安定
化剤を含まないもの(安定化剤無添加)を対照として用
いた。 〔染色操作法〕尿沈渣0.2mlに細胞染色液50μlを添加・
混合し、該混合液15μlをスライドガラス上に積載した
後、カバーガラスを掛けて標本を作製した。該標本を光
学顕微鏡により目視で観察した。また、標本の経時安定
性については、標本作製後、室温で放置したものを所定
時間毎に同様に光学顕微鏡により観察した結果に基づい
て判定した。 〔結果〕観察結果を表1に示す。
【0028】比較例1 本発明の細胞染色液用安定化剤の代わりにポリプロピレ
ングリコール、分子量3000のポリエチレングリコール、
又はエタノールを含有する細胞染色液を使用した以外
は、実施例1と同様に尿沈渣を染色して標本を作製し、
細胞の染色性及び標本の経時安定性を観察した。 〔試料〕実施例1と同じ。 〔細胞染色液〕1%(w/v)アルシアンブルー8GX(C
hroma社製)、0.5%(w/v)ピロニンB(Chroma社製)
及び所定の化合物を所定濃度含む水溶液を調製し、これ
を細胞染色液とした。 〔染色操作法〕実施例1と同じ。 〔結果〕観察結果を実施例1と併せて表1に示す。
【0029】
【表1】表1 注)標本経時安定性*:良好;放置後3時間以上色素の析出を認めなかった 不良;放置後20分以内に色素の析出を認めた
【0030】表1の結果から明らかな如く、本発明の細
胞染色液用安定化剤を含む細胞染色液は、従来の細胞染
色液(安定化剤無添加)と同様、何れも細胞の染色性に
問題なく良好に使用し得ることが判る。また、従来の細
胞染色液(安定化剤無添加)を用いて標本を作製した場
合、20分間室温放置後には、細胞染色液中の色素の析出
が観察されるのに対して、本発明の細胞染色液用安定化
剤を含む細胞染色液を用いて標本を作製した場合、180
分間室温放置後も、細胞染色液中の色素の析出がなく、
観察に支障が生じないことが判る。また、本発明の細胞
染色液用安定化剤の代わりにポリプロピレングリコー
ル、分子量3000のポリエチレングリコール、或いはエタ
ノールを含む細胞染色液を用いて標本を作製した場合、
何れも室温放置後20分以内に細胞染色液中の色素の析出
が観察され、これら化合物には本発明の如き標本の安定
化効果がほとんどないことが判る。
【0031】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、新規な細胞
染色液用安定化剤、及び該安定化剤を含む細胞染色液、
並びに該細胞染色液を使用した細胞染色方法を提供する
ものであり、本発明によれば、従来のものに比較して染
色後に色素が析出せずに長時間保存後でも観察可能な標
本を作製することができるという効果を奏する。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖アルコール又は/及び常温で液状の多
    価アルコールを含んでなる細胞染色液用安定化剤。
  2. 【請求項2】 常温で液状の多価アルコールが、2〜4
    価のアルコールである請求項1に記載の安定化剤。
  3. 【請求項3】 常温で液状の多価アルコールが、モノ又
    はポリアルキレングリコール、アルカンジオール、又は
    アルカントリオールである請求項1又は2に記載の安定
    化剤。
  4. 【請求項4】 糖アルコールが、ペンタエリスリトー
    ル、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールであ
    る請求項1に記載の安定化剤。
  5. 【請求項5】 細胞染色液が、尿沈渣用である請求項1
    〜4の何れかに記載の安定化剤。
  6. 【請求項6】 糖アルコール又は/及び常温で液状の多
    価アルコールを含んでなる細胞染色液。
  7. 【請求項7】 細胞染色液が、尿沈渣用である請求項6
    に記載の細胞染色液。
  8. 【請求項8】 フタロシアニン系色素又は/及びキサン
    テン系色素を含む細胞染色液である請求項6又は7に記
    載の細胞染色液。
  9. 【請求項9】 常温で液状の多価アルコールが、2〜4
    価のアルコールである請求項6〜8の何れかに記載の細
    胞染色液。
  10. 【請求項10】 常温で液状の多価アルコールが、モノ
    又はポリアルキレングリコール、アルカンジオール、又
    はアルカントリオールである請求項6〜9の何れかに記
    載の細胞染色液。
  11. 【請求項11】 糖アルコールが、ペンタエリスリトー
    ル、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールであ
    る請求項6〜8の何れかに記載の細胞染色液。
  12. 【請求項12】 請求項6〜11に記載の細胞染色液を
    用いることを特徴とする細胞染色方法。
  13. 【請求項13】 細胞が尿沈渣中に含まれるものである
    請求項12に記載の方法。
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