JP2000186719A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2000186719A
JP2000186719A JP36451998A JP36451998A JP2000186719A JP 2000186719 A JP2000186719 A JP 2000186719A JP 36451998 A JP36451998 A JP 36451998A JP 36451998 A JP36451998 A JP 36451998A JP 2000186719 A JP2000186719 A JP 2000186719A
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JP36451998A
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Yuji Nakano
裕司 中野
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C25/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for wear or play
    • F16C25/06Ball or roller bearings
    • F16C25/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/54Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ安価な構成で、稼働条件等が変化し
ても、予圧を所定範囲内に良好に維持できるようにした
軸受装置を提供すること。 【解決手段】 テーパ組み合わせ間座を構成する外筒1
3と内筒15の熱膨張係数の差(αA−αB)が、(6
〜19)×10-6の範囲となるように、外筒13と内筒
15の材料を選定する。これにより、実用上の稼働条件
(例えば温度条件)等が変化しても予圧の増減を相殺す
ることができるので、実用範囲内において、常に予圧を
適正範囲内に維持することができる。従って、例えば、
低速から高速まで良好に回転性能を維持できるスピンド
ルユニット等も提供可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受装置に関し、
例えば工作機械等の主軸(スピンドル)を軸支するため
の所謂予圧式の軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スピンドルの回転性能に及ぼす予圧の影
響は大きく、回転中の温度上昇や遠心力の影響で予圧の
増加や減少が生じると、スピンドルの回転性能等に悪影
響を及ぼすおそれがあるため、その対策として、例え
ば、以下のような技術が提案されている。即ち、特開平
8−303476号には、軸受間に設置する内輪と外輪
の間座の熱膨張係数の差を変えて予圧を調整する技術が
開示されている。また、特公平3−78488号には、
間座の変形によって予圧を調整するものが開示されてい
る。 このように、予圧の変化を制御してスピンドルの
回転性能等を所定に維持するための技術としては、内輪
間座と外輪間座の熱膨張差を利用するものと幾何学的な
変形を利用したものが大きな流れとなっている。このよ
うな流れの中にあって、特開平1−135916号のよ
うに、テーパ間座を組み合わせることにより予圧を調整
する幾何学的な対策を主とし、更に内筒の熱膨張係数を
外筒より小さくする技術を組み合わせることにより、間
座の移動と熱膨張の相乗効果による予圧調整を可能とす
るものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開平
1−135916号に開示される技術を始めとして、上
記従来技術の他、当該技術に関連する特公平4−578
91号、特開平6−307441号等のいずれもが熱膨
張差を利用して予圧調整を行うにもかかわらず、それぞ
れにどのような熱膨張係数の材料を用いれば良いのかに
ついての具体的な検討がなされていないのが実情であ
る。即ち、上記列挙した従来技術は、隙間が小さくなる
ことによる予圧の増加に対する対策を思想として提案し
てはいるが、組み合わせる間座の熱膨張係数の差が小さ
ければ効果が小さく予圧の増加を十分抑制することはで
きないし、逆に熱膨張係数の差を大きくしすぎると予圧
抜けの状態が生じるおそれがあるが、そのような検討が
具体的になされていなかった。なお、ハウジングと軸の
熱膨張係数の差が大きいための予圧抜け対策として間座
を用いた例として、実開平6−1837号に開示される
ものがあるが、このものも、どのような熱膨張差にすれ
ば良いのかについての具体的な検討はなされていない。
【0004】ところで、軸受予圧の調整を熱膨張差を利
用して行うために熱膨張係数の差を検討した例としては
特公平4−57891号等がある。しかしながら、この
ものは、ハウジング、軸受、主軸の熱膨張係数を変える
ものであるため、設計の幅が限られており、異なる稼働
条件(例えば、異なる温度条件、回転速度など)に対応
して良好に予圧抜けを抑制できるものではなかった。即
ち、主軸やハウジングと軸受の熱膨張係数が異なる場合
は、特許第2650400号に示されるように、軸受内
外輪の取付けに関し極めて複雑な対策が必要である。
【0005】本発明は、このような従来の実情に鑑みな
されたものであり、簡単かつ安価な構成でありながら、
稼働条件等が変化しても、予圧を所定範囲内に良好に維
持できるようにした軸受装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明は、回転軸を回転可能に軸支する軸受と、軸受
外輪の回転軸方向に略直角な端面に当接される外輪間座
と、軸受内輪の回転軸方向に略直角な端面に当接し、該
軸受内輪を回転軸方向で位置決めする内輪位置決め手段
と、を含んで構成され、前記外輪間座の回転軸方向にお
ける軸受外輪との当接位置と、前記内輪位置決め手段の
回転軸方向における軸受内輪との当接位置と、の偏差
を、軸受内輪に作用する回転軸方向押圧力で調整するこ
とで、軸受に所定予圧を付与することができるように構
成された軸受装置であって、前記内輪位置決め手段が、
外周面にテーパ面を有し、回転軸の外周に摺動可能に嵌
挿される内筒部材と、内周面にテーパ面を有し、前記内
筒部材の外周面に該テーパ面を介して摺動可能に嵌挿さ
れる外筒部材と、を含んで構成されると共に、軸受内輪
に作用する回転軸方向押圧力が、前記内筒部材の回転軸
方向に略直角な端面から、前記テーパ面を介して、該テ
ーパ面を挟んで対向する前記外筒部材の回転軸方向に略
直角な端面に作用するように構成されたものにおいて、
前記外筒部材と前記内筒部材との熱膨張係数差が、6〜
19×10-61/℃となるように設定する。
【0007】かかる構成とすれば、軸受装置の稼働条件
変化(例えば、軸受温度の増減等)に伴う軸受予圧の増
減を、外筒部材と内筒部材との熱膨張差による内輪位置
決め手段の回転軸方向長さの膨張・収縮で良好に相殺す
ることができるため、必要以上に予圧が増大したり、或
いは予圧が低下し過ぎたりすることを防止することがで
きる。即ち、本発明によれば、簡単かつ安価な構成であ
りながら、実用範囲内で軸受装置の稼働条件が変化して
も、常に、軸受予圧を適正に維持することができるよう
になる。従って、例えば、低速から高速まで良好に回転
性能を維持できるスピンドルユニットを提供すること等
が可能となる。
【0008】なお、他の態様としては、回転軸を回転可
能に軸支する軸受と、軸受外輪の回転軸方向に略直角な
端面に当接される外輪間座と、軸受内輪の回転軸方向に
略直角な端面に当接される内輪間座と、を含んで構成さ
れ、前記外輪間座の回転軸方向における軸受外輪との当
接位置と、前記内輪間座の回転軸方向における軸受内輪
との当接位置と、の偏差を、軸受内輪に作用する回転軸
方向押圧力で調整することで、軸受に所定予圧を付与す
ることができるように構成された軸受装置であって、前
記外輪間座と前記内輪間座との熱膨張係数差が、5.5
〜16.5×10-61/℃となるように設定することも
できる。
【0009】かかる構成とすれば、請求項1に記載の発
明と同様に、軸受装置の稼働条件変化(例えば、軸受温
度の増減等)に伴う軸受予圧の増減を、外輪間座と内輪
間座との熱膨張差による内輪間座の回転軸方向長さの膨
張・収縮で良好に相殺することができるため、必要以上
に予圧が増大したり、或いは予圧が低下し過ぎたりする
ことを防止することができる。即ち、本発明によれば、
より一層簡単かつ安価な構成でありながら、実用範囲内
で軸受装置の稼働条件が変化しても、常に、軸受予圧を
適正に維持することができるようになる。従って、例え
ば、低速から高速まで良好に回転性能を維持できるスピ
ンドルユニットを提供すること等が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に基づいて説明する。本発明の第1の実施の形
態を示す図1において、主軸(回転軸)1の周囲に嵌挿
される2つの軸受5及び7は、外輪間座21及び内輪ス
ペーサ23を介して背面組み合わせで配設されている。
軸受5及び7は、ここではアンギュラ軸受で示してある
が、他の軸受、例えば円錐ころ軸受、深溝玉軸受等であ
ってもよい。
【0011】内輪スペーサ23は、軸受5及び7のそれ
ぞれの内輪5b及び7bとの間に軸方向隙間、即ちアキ
シャル隙間δao/2を有するように配設されている。
従って、全体としてアキシャル隙間δaoを有してい
る。図1中、符号17は、軸受カバーである。
【0012】軸受7とスリーブナット9との間には、外
筒13及びそれより小径の内筒15とからなるテーパ組
み合わせ間座(本発明の内輪位置決め手段に相当す
る。)が設けられている。外筒13の軸方向の一端はス
リーブナット9の端面に、また内筒15の軸方向の一端
は軸受7の内輪7bにそれぞれ当接している。外筒13
及び内筒15はそれぞれが有するテーパ面13aとテー
パ面15aとで構成される合わせ面で相対的に摺動可能
となっている。この摺動により、外筒13及び内筒15
は相対的に軸方向に変位することができる。
【0013】なお、外筒13と、内筒15と、の嵌合関
係を逆に構成することもできる。即ち、符号15側の部
材の内面にテーパ面を設けて符号13の部材の外周側に
配設してこれを内輪7bに当接させ、符号13の部材の
外面にテーパ面を設け符号15の部材より内周側に配設
してこれをスリーブナット9に当接させるように構成す
ることもできる。
【0014】図1において、スリーブナット9を図中左
方に締め付けていくと、図中点線で示したように、荷重
が作用する。即ち、スリーブナット9→外筒13及び内
筒15→軸受7→外輪間座21→軸受5→主軸1の肩部
の順に荷重がかかり、軸受5及び7にアキシャル変位が
生じて、予圧を付与できるようになっている。
【0015】なお、軸受5及び7がアキシャル変位δa
o/2づつ微少変位して、軸受内輪と軸受の内輪スペー
サ23とが接触するときの荷重Faoは、一般に予圧荷
重と称されている。通常は、この状態から更にスリーブ
ナット9を締め付けるため、軸受内輪を介して内輪スペ
ーサ23にPoの荷重が加わり、その結果内輪スペーサ
23はΔδaoだけ微少変形する。このため、軸受5及
び7にも更に荷重が加わり、予圧荷重もΔFaoだけ増
大され、以て所定の予圧を付与できることになる。
【0016】ここで、上記のようにして付与された所定
の予圧は、工作機械等の稼働時(軸受稼働時)におい
て、以下のようなメカニズムで必要以上に昇圧されるも
のと考えられ、これに基づき種々検討した結果、本願の
発明者等は、後述するような、稼働時における必要以上
の予圧の増加を抑制することが可能な条件を見い出し
た。
【0017】即ち、軸受5、7の予圧増加(所定予圧を
与えた後の必要以上の予圧増加)のメカニズムは、以下
のように考えられる。〔内輪の膨張〕→〔軸受のアキシ
ャル隙間の減少〕→〔軸受の予圧増加〕従って、予圧増
加を防ぐには、内輪の膨張によるアキシャル隙間の減少
分だけ予圧を小さくする必要がある。これには、内輪の
膨張をテーパ組み合わせ間座の収縮で吸収することで対
処できる。
【0018】そこで、〔内輪膨張によるアキシャル隙間
の減少量〕=〔テーパ組み合わせ間座の収縮量〕となる
ように、本実施形態では、テーパ組み合わせ間座の外筒
13と内筒15の線膨張係数差(αA−αB)を選定す
るようにする。
【0019】以下に、図1に示したようなテーパ組み合
わせ間座(以下、単に間座とも言う。)の内筒15と外
筒13の熱膨張係数を変える場合について、具体的に説
明する。なお、各部材或いは各構成要素の符号は、ここ
では省略し、以下の各関係式を、本実施形態には限定さ
れない一般的な或いは普遍的な概念として説明すること
とする。
【0020】軸受のアキシャル隙間の減少量:Δaと
すると、 Δa=Δrcot(β/2) ≒Diαi(Ti−T0)cot(β/2) で表される。 Di:軸受内輪の平均径 β:軸受接触角 Ti:軸受内輪温度 T0:周囲温度 αi:軸受内輪の熱膨張係数 間座のアキシャル方向の縮み量:Δδとすると、 Δδ=(1/2)Dm{(TA-T0)αA-(TB-T0)αB}・cotγ ≒(1/2)Dm{(TA−T0)(αA−αB)}・cotγ で表される。 Dm:間座平均径 γ:間座テーパ角 TA:間座外筒(外筒13)温度 αA:間座外筒(外筒13)熱膨張係数 TB:間座内筒(内筒15)温度 αB:間座内筒(内筒15)熱膨張係数 TA≒TB T0:周囲温度 〔軸受のアキシャル隙間の減少量〕=〔間座のアキシ
ャル方向の縮み量〕にするには、 Δa=Δδより、これに上式を代入すれば、 Diαi(Ti-TO)cot(β/2)=(1/2)Dm{(TA-TO)(αA-
αB)}cotγ となる。ここで、Di≒Dm、Ti≒TAと近似できる
ので、 αicot(β/2)=(1/2)(αA−αB)cotγ (αA−αB)=2αicot(β/2)/(cotγ) となる。 そして、αi=12.5×10-6(軸受鋼) β=20゜(接触角) γ=5゜ (間座テーパ角) とすると、 (αA−αB)=12.4×10-6 ・・・(A) なる条件が得られることになる。
【0021】なお、これに近い条件を満たすものとして
は、例えば、αA=(12〜22)×10-6:鋼、ステ
ンレス、アルミ合金及び銅合金等 αB=(2〜5)×10-6:セラミック、インバー合金
等 の組み合わせ等が考えられる。
【0022】ところで、計算上は上記の各式を用いて数
値{条件式(A)}が示せるが、実用上は軸・軸受及び
ハウジングの材質とそれらの温度上昇差や間座の加工公
差、軸受・間座及び軸の温度上昇による伸び、軸・ハウ
ジング・軸受及び間座等の比重・比熱・熱容量・熱伝導
率・熱伝達率等の影響も加わり、組立て部品間の接触に
よるなじみ等を計算値からのズレとして考慮すると、上
記計算式から±50%の範囲、即ち、軸受温度上昇に伴
う軸受予圧の増加を間座(外筒13と内筒15)の熱膨
張差(αA−αB)で相殺または軽減するため、軸受の
アキシャル隙間の減少量Δa、間座の軸方向寸法の減少
量Δδが、0.5Δa≦Δδ≦1.5Δaとなるよう
に、熱膨張係数の異なる材料を組み合わせて用いること
により、予圧の増加に対する相殺または軸受性能に影響
がない程度に予圧増加の軽減が可能となる。
【0023】そこで、外筒13と内筒15の熱膨張係数
差(αA−αB)=12.4×10-6を基に、この値を
計算すると、(αA−αB)=(6〜19)×10-6
範囲が得られ、この得られた範囲において、間座(外筒
13と内筒15)を組み合わせて選定すれば、計算値か
らの実際のズレ等が考慮された良好な結果、即ち、実用
的な使用において常に所定範囲内に予圧を維持すること
ができることになる(図3参照)。
【0024】なお、ここでいう、軸受性能に影響がない
程度というのは、軸受温度上昇により予圧が増大し、そ
の予圧増加がさらに温度上昇を引き起こすという不安定
現象を生じないということであり、温度上昇が起こって
もある値で飽和点が存在するという範囲である。
【0025】ところで、温度上昇を低く抑えるためであ
れば、上記計算式に従って計算し、その±20%の範囲
(0.8Δa≦Δδ≦1.2Δa)に入るように熱膨張
係数の差を設定して材料を選定することが望ましい。
【0026】また、間座テーパ角度が小さい(γ≒0)
とわずかの温度変化で内筒が外筒に入り込むことにな
り、間座テーパ角度が大きいと内筒と外筒が膨張後に釣
り合う位置に移動する際、嵌め合い部の摩擦力によりス
ムーズに移動しないという問題がある。このため、間座
テーパ角度は3゜〜10゜が適当である。接触角βはア
ンギュラ玉軸受では15゜、30゜、40゜等が一般的
であり、玉軸受でもスラスト荷重が作用すると接触角が
生じる。さらに円錐ころ軸受をも含め、予圧の増加に対
しこれを相殺または軽減する必要が生じるのは、接触角
(7゜〜40゜)で使われる軸受が対象となる。
【0027】そして、温度上昇を管理する必要がある場
合は、接触角及び間座テーパ角度を基に上記の式にした
がって熱膨張係数の差が計算値の±20%の範囲に入る
よう選定することが望ましいことは既述したが、実用上
は、外筒13と内筒15の熱膨張係数の差が(αA−α
B)=(6〜19)×10-6の範囲となる材料を選定す
ることにより熱的不安定による焼き付きを防止すること
ができる。
【0028】なお、上記では、図1に示すような軸受装
置に関して説明したが、本発明は、図2に示すような軸
受5と軸受7との間に、外筒13と内筒15とからなる
テーパ組み合わせ間座を用いる場合にも同様に適用で
き、同様な効果を奏することができるものである。
【0029】図1、図2は、アンギュラ玉軸受を用いた
場合の例を示しているが、本発明は、アンギュラ玉軸受
に限らず通常の玉軸受をスラスト荷重を負荷して接触角
が生じるように使用する場合、或いは円錐ころ軸受につ
いても同様に適用でき、同様の効果を奏することができ
る。また、図1は複列、図2は単列の軸受の組み合わせ
となっているが、本発明は、これに限らず種々の列数の
組み合わせに適用できるものである。
【0030】以上説明したように、第1の実施の形態に
よれば、稼働条件(例えば温度、回転速度など)の変化
による予圧の増減を軸受のアキシャル隙間の増減として
とらえ、その隙間の増減を、実用上の稼働条件(例えば
温度条件)等が変化しても相殺または軽減することがで
きるように、テーパ間座(内筒と外筒)の収縮量を設定
するようにしたので、常に予圧を適正予圧の範囲内に維
持することができる。従って、例えば、高速回転に適し
たスピンドルユニットの提供も可能となる。
【0031】また、本実施形態では、テーパ間座(内筒
と外筒)の収縮量を適正に設定することで対応するよう
にしたので、比較的簡単な形状(円筒、円錐、或いはそ
れらの組み合わせ)により対応可能であり、以て加工等
が容易で材料の選定幅も広くできる。従って、稼働条件
(例えば温度、回転速度)等が変化しても、予圧を適正
範囲内に維持することができると共に、なおかつ、構成
の簡略化と、低コスト化等を図ることができる。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。当該第2の実施の形態は、図4に示すような
外輪間座31と内輪間座32の熱膨張係数を変える場合
についての実施の形態である。図4では、図1と同一要
素には同一符号を付し、ここでは各構成要素の詳細な説
明は省略する。
【0033】なお、軸受5、7の予圧増加と内外輪の間
座31、32による予圧調整メカニズムは、第1の実施
の形態で説明したテーパ間座による場合と同じである。
【0034】内外輪の間座31、32による予圧調整
が、第1の実施の形態で説明したテーパ間座による予圧
調整に対して最も異なる点は、第1の実施の形態ではテ
ーパ間座(内筒と外筒)が内輪の予圧負荷調整であった
のに対し、本実施形態では外輪間座31と内輪間座32
の伸び量を調整することにより予圧を調整する点であ
る。なお、以下の説明において、第1の実施の形態の場
合と同様、各部材或いは各構成要素の符号は省略して説
明することにする。
【0035】即ち、軸受5、7の予圧増加(所定予圧を
与えた後の必要以上の予圧増加)のメカニズムは、〔内
輪の膨張〕→〔軸受のアキシャル隙間の減少〕→〔軸受
の予圧増加〕と考えられる。
【0036】従って、予圧増加を防ぐには、内輪の膨張
によるアキシャル隙間の減少分だけ予圧を小さくする必
要がある。これには、間座の収縮で吸収することで対処
できる。
【0037】そこで、〔内輪膨張によるアキシャル隙間
の減少量×2〕=〔間座の収縮量〕となるように、内輪
間座31と外輪間座32の線膨張係数差を選定するよう
にする。
【0038】軸受のアキシャル隙間の減少量:Δaと
すると、 Δa=Δrcot(β/2) ≒Diαi(Ti−T0)cot(β/2) Di:軸受内輪の平均径 β:軸受接触角 Ti:軸受内輪温度 T0:周囲温度 αi:軸受内輪の熱膨張係数 間座のアキシャル方向の縮み量:Δδとすると、 Δδ=L{(TA’−T0)αA’−(TB’−T0)αB’} ≒L{(TA’−T0)(αA’−αB’)} L:間座長さ TA’:外輪間座(外輪間座31)温度 αA’:外輪間座(外輪間座31)熱膨張係数 TB’:内輪間座(内輪間座32)温度 αB’:内輪間座(内輪間座32)熱膨張係数 TA’≒TB’ 〔2×軸受のアキシャル隙間の減少量〕=〔間座のア
キシャル方向の縮み量〕 とするには、 2Δa=Δδより、 2Diαi(Ti-TO)cot(β/2)=L{(TA’-TO)(α
A’-αB’)} Ti≒TA’と近似できるので Diαicot(β/2)=L(αA’−αB’) (αA’−αB’)=2(Di/L)αicot(β/
2) となる。 そして、 αi=12.5×10-6(軸受鋼) β=25゜(接触角) (Di/L)=0.1 とすると (αA’−αB’)=11.0×10-6 なる条件が得られることになる。
【0039】なお、これに近い条件を満たすものとして
は、例えば、 αA’=(12〜22)×10-6:鋼、ステンレス、ア
ルミ合金及び銅合金等 αB’=(2〜5)×10-6:セラミック、インバー合
金等 の組み合わせ等が考えられる。
【0040】この場合も、前項(1)で説明したテーパ
間座の場合と同様に、軸受温度上昇に伴う軸受予圧の増
加を間座の熱膨張差(αA’−αB’)で相殺または軽
減するため、対向する2個の軸受のアキシャル隙間の減
少量Δa、間座の軸方向寸法の減少量Δδが、0.5Δ
a≦Δδ≦1.5Δaとなるように熱膨張係数の異なる
材料を組み合わせて用いることにより、予圧の増加に対
する相殺または軸受性能に影響がない程度に軽減が可能
である。
【0041】外輪間座31と内輪間座32の熱膨張係数
差(αA’−αB’)=11×10-6を基に、この値を
計算すると、(αA’−αB’)=(5.5〜16.
5)×10-6の範囲が得られ、この得られた範囲におい
て、間座を組み合わせて選定すれば、第1の実施の形態
で説明したと同様に、計算値からの実際のズレ等が考慮
された良好な結果が得られることになる。
【0042】なお、ここでいう、軸受性能に影響がない
程度というのは軸受温度上昇により予圧が増大し、その
予圧増加がさらに温度上昇を引き起こすという不安定現
象を生じないということであり、温度上昇が起こっても
ある値で飽和点が存在するという範囲である。
【0043】ところで、温度上昇を低く抑えるためであ
れば、上記計算式にしたがって計算し、その±20%の
範囲(0.8Δa≦Δδ≦1.2Δa)に入るように熱
膨張係数の差を設定して材料を選定することが望まし
い。
【0044】なお、回転による周囲温度からの軸受温度
上昇は約20〜45℃程度であり、内輪に組み合わせテ
ーパ間座を用いる場合はTA≒TBが成り立ち、内輪と
外輪の間座の熱膨張係数を変える場合も内外輪の温度差
が小さい場合はTA’≒TB’が成り立ち上記計算結果
が適用できる。
【0045】また、内外輪の温度差が比較的大きい場合
は、軸受内外輪の測定または推定温度を基に、軸受隙間
の減少量と間座の収縮量を計算して間座の熱膨張差(α
A’−αB’)を決定する必要がある。
【0046】以上説明したように、第2の実施の形態に
よれば、第1の実施の形態と同様に、稼働条件(例えば
温度、回転速度など)の変化による予圧の増減を軸受の
アキシャル隙間の増減としてとらえ、その隙間の増減
を、実用上の稼働条件(例えば温度条件)等が変化して
も相殺または軽減することができるように、内外輪間座
の収縮量を設定するようにしたので、常に予圧を適正予
圧の範囲内に維持することができる。従って、例えば、
高速回転に適したスピンドルユニットの提供も可能とな
る。
【0047】また、本実施形態では、内外輪間座の収縮
量を適正に設定することで対応するようにしたので、比
較的簡単な形状(円筒、円錐、或いはそれらの組み合わ
せ)により対応可能であり、以て加工等が容易で材料の
選定幅も広くできる。従って、稼働条件(例えば温度、
回転速度)等が変化しても、予圧を適正範囲内に維持す
ることができると共に、なおかつ、構成の簡略化と、低
コスト化等を図ることができる。
【0048】なお、上記各実施の形態の説明では、軸受
の一対の内輪と外輪との間に一列で転動体を配設した単
列式軸受について説明したが、本発明は、一対の内輪と
外輪との間に並列で転動体を配設する所謂複列式軸受に
も適用できるものである。
【0049】ここにおいて、本発明で要求される熱膨張
係数の差を生じさせることができる代表的材料の一例
を、以下に列挙しておく。 (a)熱膨張係数が大きい材料 ・黄銅 ………20 ×10-6/℃ ・アルミ合金 ………(21.5〜22.0)×10-6/℃ ・SUS304 ………(15.7〜16.8)×10-6/℃ ・マグネシウム合金………25.9 ×10-6/℃ (b)熱膨張係数が小さい材料 ・セラミック ………3.9 ×10-6/℃ ・インバー系合金 ………2.5 ×10-6/℃ (c)組み合わせによりどちらにも使える材料 ・鋼 ………12.5 ×10-6/℃ (d)C/Cコンポジット(炭素繊維と炭素マトリック
ス)のように、繊維の配向により熱膨張係数と熱伝導率
が異なるもの………同一材料を材料採取の際に異なるよ
うに製作することにより熱膨張差を出すことができる。 商品名:エクセルシーの場合 ・長さ方向 ………1.1 ×10-6/℃ ・厚さ方向 ………8.4 ×10-6/℃
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、稼働条
件(例えば温度、回転速度など)の変化による予圧の増
減を軸受のアキシャル隙間の増減としてとらえ、その隙
間の増減を、実用上の稼働条件(例えば温度条件)等が
変化しても相殺または軽減することができるように、内
輪位置決め手段の内筒部材と外筒部材、或いは内外輪間
座の収縮量を設定するようにしたので、実用範囲内にお
いて、常に予圧を適正予圧の範囲内に維持することがで
きる。従って、例えば、低速から高速まで良好に予圧
を、延いては回転性能を維持できるスピンドルユニット
等も提供可能となる。
【0051】また、本発明では、間座の収縮量を適正に
設定することで対応するようにしたので、比較的簡単な
形状(円筒、円錐、或いはそれらの組み合わせ)により
対応可能であり、以て加工等が容易で材料の選定幅も広
くできる。従って、稼働条件(例えば温度、回転速度)
等が変化しても、常に予圧を適正範囲内に維持すること
ができることに加えて、なおかつ、構成の簡略化と、低
コスト化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る軸受装置(テ
ーパ間座を用いたスピンドルユニット例)を説明する断
面図である。
【図2】同上実施の形態に係る軸受装置(テーパ間座を
用いたスピンドルユニット例)の他の一例を説明する断
面図である。
【図3】同上実施の形態により設定される予圧許容範囲
を、軸受隙間の減少に関連して説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る軸受装置(内
外輪間座を用いたスピンドルユニット例)を説明する断
面図である。
【符号の説明】
1 主軸(回転軸) 5 軸受 5a 外輪 5b 内輪 7 軸受 7a 外輪 7b 内輪 9 スリーブナット 13 外筒(外筒部材) 15 内筒(内筒部材) 21 外輪間座 23 内輪スペーサ 31 外輪間座 32 内輪間座

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸を回転可能に軸支する軸受と、 軸受外輪の回転軸方向に略直角な端面に当接される外輪
    間座と、 軸受内輪の回転軸方向に略直角な端面に当接し、該軸受
    内輪を回転軸方向で位置決めする内輪位置決め手段と、 を含んで構成され、 前記外輪間座の回転軸方向における軸受外輪との当接位
    置と、前記内輪位置決め手段の回転軸方向における軸受
    内輪との当接位置と、の偏差を、軸受内輪に作用する回
    転軸方向押圧力で調整することで、軸受に所定予圧を付
    与することができるように構成された軸受装置であっ
    て、 前記内輪位置決め手段が、 外周面にテーパ面を有し、回転軸の外周に摺動可能に嵌
    挿される内筒部材と、 内周面にテーパ面を有し、前記内筒部材の外周面に該テ
    ーパ面を介して摺動可能に嵌挿される外筒部材と、 を含んで構成されると共に、 軸受内輪に作用する回転軸方向押圧力が、前記内筒部材
    の回転軸方向に略直角な端面から、前記テーパ面を介し
    て、該テーパ面を挟んで対向する前記外筒部材の回転軸
    方向に略直角な端面に作用するように構成されたものに
    おいて、 前記外筒部材と前記内筒部材との熱膨張係数差が、6〜
    19×10-61/℃となるように設定されたことを特徴
    とする軸受装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007070911A1 (de) * 2005-12-21 2007-06-28 Austrian Aerospace Gmbh Wälzlager mit temperaturgesteuerter vorspannungsverstellung für raumfahrtanwendungen
WO2009049980A1 (de) * 2007-10-20 2009-04-23 Schaeffler Kg Kompensationsvorrichtung zum ausgleich thermisch bedingter relativer axialer lageänderungen zwischen zwei bauteilen

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