JP2000186604A - 内燃機関の個々のシリンダのトルク寄与分均等化方法および電子式制御装置 - Google Patents

内燃機関の個々のシリンダのトルク寄与分均等化方法および電子式制御装置

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JP2000186604A JP11353987A JP35398799A JP2000186604A JP 2000186604 A JP2000186604 A JP 2000186604A JP 11353987 A JP11353987 A JP 11353987A JP 35398799 A JP35398799 A JP 35398799A JP 2000186604 A JP2000186604 A JP 2000186604A
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Udo Sieber
ウード・ズィーバー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ毎の弁制御により内燃機関における
回転規則性をさらに改善しかつ有害物質の排出をさらに
低下させる。 【解決手段】 制御装置17は、個々のシリンダの個々
のトルク寄与分に対する少なくとも1つの尺度を決定し
かつこれから出力値を形成する。この出力値が、空気ま
たはフレッシュガスによりシリンダ毎に少なくとも1つ
のシリンダの充填量を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の個々の
シリンダのトルク寄与分を均等化する方法および電子式
制御装置に関する。
【0002】本発明の出発点は、絞り弁とは独立の、機
関の負荷制御が可変入口弁リフトの調節(0−全開)に
より可能なように形成された前記可変入口弁リフトを有
する内燃機関である。補足または代替として、入口弁の
可変開放時間から出発されてもよい。
【0003】
【従来の技術】絞り弁のないオットー機関のこのような
制御が欧州特許公開第433632号から既知である。
既知の制御はとくに、加速ペダル位置および機関回転速
度の関数としてあらかじめ決定されたシリンダ毎の入口
弁開放時間を考慮している。これにより、構造上の理由
による空気通路の相違が均等化されることになる。この
結果、すべての作動シリンダがほぼ同じ量の空気/燃料
混合物を吸い込み、したがってすべてのシリンダに対し
きわめて均等なトルク分配およびできるだけ低い有害物
質の排出が達成されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シリンダ毎の弁制御に
より内燃機関における回転規則性をさらに改善すること
が本発明の課題である。
【0005】有害物質の排出をさらに低下させることが
他の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、個々のシリ
ンダの個々のトルク寄与分に対する少なくとも1つの尺
度が決定されかつ制御装置に供給され、かつ前記制御装
置の出力値が空気またはフレッシュガスによりシリンダ
毎にシリンダの充填量を調節する本発明の内燃機関の個
々のシリンダのトルク寄与分均等化方法により解決され
る。
【0007】上記課題はまた、内燃機関の個々のシリン
ダのトルク寄与分均等化のための電子式制御装置であっ
て、前記制御装置は、個々のシリンダの個々のトルク寄
与分に対する少なくとも1つの尺度を決定しかつこれか
ら出力値を形成し、前記出力値が、空気またはフレッシ
ュガスによりシリンダ毎に少なくとも1つのシリンダの
充填量を調節する本発明の電子式制御装置により解決さ
れる。
【0008】本発明は、経時変化とは無関係な構造上の
理由による充填量の差異のほかに、経時変化に関係する
入口弁のバルブ・クリアランスおよび製作公差が内燃機
関の個々のシリンダの異なる充填量の原因ともなってい
るという知見に基づいている。この充填量公差すなわち
充填量の差異は、シリンダに均等な燃料供給を行ったと
きにおいてもシリンダ毎にきわめて異なるトルク寄与分
を形成し、そして低回転速度範囲とくにアイドル運転に
おいてこれが回転不規則性として検出される。
【0009】本発明により、充填量公差が、回転規則性
(Laufruhe(ドイツ語))ないし回転不規則性
(Laufunruhe(ドイツ語))の評価により測
定されかつ制御装置に供給され、そして弁開放関数への
シリンダ毎の制御係合により補償が行われる。本発明
は、回転不規則性評価のための既存のセンサ装置および
信号処理に基づいている。これは、最新式内燃機関にお
いては燃焼ミスファイヤのオンボード診断のために既に
存在している。
【0010】内燃機関の運転中における、製作上の理由
による充填量公差を確実に均等化することは、この点に
おいて、可変入口弁装置に対する構造設計の余裕度を拡
大させる。これはコスト的に有利な構造を有利に形成可
能にする。
【0011】燃焼ミスファイヤ検出のために既に存在し
ている回転不規則性の検出および評価の利用は、少ない
追加費用により本発明の達成を可能にする。
【0012】本発明の一つの実施形態は、個々のシリン
ダの燃料/空気混合物の所望の一定平均λ値を保持しな
がら、均等化されたトルク寄与分を形成するために充填
量公差を補償することを可能にする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
より説明する。
【0014】図1における符号1は内燃機関を示し、内
燃機関1は、燃焼室2、噴射弁3、入口弁4、入口弁調
節要素5、出口弁6、出口弁調節要素7、吸気管8、絞
り弁9、絞り弁角αのための伝送器10、空気質量流量
計11、吸気管圧力伝送器12、機関温度伝送器13、
回転速度伝送器ないし誘導センサ14、マーキング19
およびセグメント20を有する角度伝送車18、および
排気管16内のλセンサ15、ならびに電子式制御装置
17を有している。電子式制御装置17は、吸込空気質
量流量ml、絞り弁開放角α、吸気管圧力p、機関温度
Tmot、回転速度n、および燃料/空気混合物組成λ
に関する図示されている信号を処理して、内燃機関のた
めの制御信号、例えば燃料噴射パルス幅ti、点火信号
等に変換する。図1において、制御装置17は信号EV
SおよびAVSもまた出力し、これら信号EVSおよび
AVSはガス交換弁4および6の開放関数を決定する。
弁操作の具体的な形態が油圧式であるか、機械式である
か、個々に調節可能であるか、またはグループ毎に調節
可能であるかは重要ではない。制御装置17が入口弁の
種々の開放関数を設定可能であることが重要である。図
2は、弁リフトVHをクランク軸の角度位置(クランク
軸角度)の関数として示した異なる開放関数の例を示し
ている。破線の開放関数は、流入空気に対するより強い
絞り作用、したがって低下されたシリンダ充填量を示し
ている。
【0015】好ましい実施形態においては、回転不規則
性はクランク軸回転またはカム軸回転の時間線図の評価
により判定される。時間線図の決定のために、各シリン
ダのピストン運動の特定範囲にセグメントと呼ばれるク
ランク軸角度範囲20が割り当てられている。セグメン
トは、例えばクランク軸と結合されている伝送車18上
のマーキング19(歯)により形成される。
【0016】内燃機関のクランク軸と結合されている角
度伝送車18の回転運動は、誘導センサとして形成され
ている角度センサ14により電気信号に変換され、この
電気信号の周期性は、マーキング19が角度センサ14
の位置を周期的に通過する状況を示している。したがっ
て、信号レベルの上昇および低下の間の時間は、クラン
ク軸がマーキングの範囲に対応する角度範囲だけ回転し
た時間に対応している。この時間は、コンピュータとし
て形成された制御器5内でさらに処理されて、内燃機関
の回転不規則性に対する尺度に変換される。クランク軸
が指数iを有する角度範囲を通過するセグメント時間t
iは、それ自身回転不規則性に対する尺度を示してい
る。セグメント時間相互間の偏差が小さければ小さいほ
ど、機関はより規則的に回転しかつその回転不規則性は
より小さくなる。
【0017】時間範囲内のこの評価の代わりに、周波数
範囲内で評価が行われてもよい。トルク寄与分が均等な
ときには、4サイクル機関におけるクランク軸の回転運
動は、720°クランク軸角度(KWW)/シリンダ数
に等しい周期Pを有する周期運動である。1つのシリン
ダが例えば系統的に低すぎるトルクを提供したとき、こ
れはクランク軸の2回転の周期すなわち720°KWW
の周期でクランク軸の回転運動に対し周期的にブレーキ
作用を与えることになる。したがって、不均等なトルク
寄与分は、クランク軸回転の周波数スペクトルにおける
点火周波数より低い周波数成分を提供する。これは周波
数解析により特定することができる。したがって、低い
周波数のこの追加成分の発生は不均等なトルク寄与分を
示している。
【0018】評価費用に応じてそれぞれ、両方の方法は
回転不規則性に関するシリンダ選択的またはシリンダ非
選択的情報を提供する。
【0019】シリンダ選択的情報においては、いずれの
シリンダがすべてのシリンダの平均値より小さいトルク
ないし大きいトルクを出力するかを特定することができ
る。
【0020】これが図3に実施形態として示されてい
る。ステップ3.1において、指数iを有するシリンダ
の充填量に対する尺度miの形成が行われる。例えば、
これは指数iを有するシリンダの燃焼行程に対するセグ
メント時間の測定により行われる。延長されたセグメン
ト時間tiは比較的大きいトルクmkによるものであ
り、したがって比較的大きいシリンダ充填量を信号で出
力する。この場合、符号kおよびiはそれぞれ点火工程
またはシリンダを示している。代替として、充填量が燃
焼室圧力により測定されてもよい。燃焼室圧力のみなら
ずセグメント時間もまた回転規則性を決定するトルクの
推測を可能にする。
【0021】ステップ3.2において、個々のシリンダ
の充填量に対するシリンダ毎の尺度miの平均値の形成
が行われる。平均値m ̄(注:「m ̄」はmの上に ̄を
付した記号を表す。)は、ステップ3.3または3.4
においてシリンダ毎の偏差の検出のための比較基準とし
て使用される。例えばシリンダiのトルクが平均値より
大きい場合、ステップ3.3における問い合わせは肯定
され、そしてステップ3.5においてこのシリンダの充
填量の低下が行われる。本発明により、これは、このシ
リンダのガス交換弁の開放関数への係合により行われ
る。例えば、このシリンダの入口弁の開放関数VHは、
図2において実線から破線へ変化される。
【0022】これに対し、ステップ3.4において低下
されたトルクが検出された場合、ステップ3.6におい
て、充填量を増大させるために破線の開放関数から実線
の開放関数への変化が行われる。
【0023】1つのシリンダに対して開放関数が変化し
たとき、他のシリンダの開放関数が逆方向に変化される
ことが有利であり、これによりすべてのシリンダを合計
した機関燃焼室の合計充填量は変化されない。これに関
してはステップ3.6および3.7が参照される。
【0024】言い換えると、例えば1つのシリンダが他
のシリンダより大きいトルクを提供するとき、その充填
量は低下されかつ他のシリンダの充填量は増大され、こ
れによりシリンダから出力される機関トルクはほとんど
変化されない。
【0025】残りのシリンダの充填量の増大は、とくに
1つのシリンダの充填量の低下分だけ機関トルクを均等
化させる働きをする。
【0026】さらに、この均等化は内燃機関の一定合計
トルクを形成することになる。したがって、機関回転速
度が均等化係合により変化しないことが有利である。こ
れがステップ3.7および3.8により示される。
【0027】弁制御への係合に平行してシリンダ毎の燃
料供給への係合が行われることが有利である。その充填
量が低下されたシリンダにおいては燃料供給量の低下が
行われる。残りのシリンダに対する燃料供給量は増大さ
れ、これによりすべてのシリンダを加算した合計燃料供
給量は変化されない。したがって、排気ガス内のλ値が
均等化係合により変化されないことが有利である。
【0028】シリンダ非選択法においては、全体回転規
則性の改善は、入口弁リフトおよび/または入口弁開放
時間の調節により行われるシリンダ毎の充填量の反復的
および交互的増大および低下により行われる。回転不規
則性に対する尺度として、例えば測定されたセグメント
時間の変動幅が設定される。
【0029】例えば、ランダムに選択されたシリンダに
おいて充填量係合が試験的に行われかつこの結果として
の回転不規則性の応答が評価されてもよい。最初の変化
ステップに対する回転不規則性の応答は、シリンダおよ
び変化方向の選択が目的に適っていたか否かを信号で出
力する。回転不規則性が改善されなかった場合、変化が
逆方向に行われる。言い換えると、この場合、均等化係
合を行う前に使用された弁制御および燃料供給のパラメ
ータが再び使用される。
【0030】これに対し均等化係合により回転規則性が
改善された場合、内燃機関の問題となっている運転点に
対する弁制御および燃料供給の新しいパラメータが記憶
され、したがってこのパラメータは次に同じ運転点で運
転されたときに直ちに利用することができる。
【0031】このようにして適応すなわち弁操作時間の
変化された運転条件への適合が行われる。
【0032】反復法は、全λが一定に保持されるのみで
なくアイドル回転速度もまた一定に保持されるように形
成することができる。
【0033】種々の運転条件において適合された最適操
作時間の記憶が両方の方法に対して実行可能である。言
い換えると、本発明を適応法の形で使用することによ
り、機関のアイドル過程の間の充填量に対するシリンダ
毎のアイドリング補正値およびほぼアイドリングに近い
補正値が、適応され、かつ不揮発性メモリ内に記憶され
る。変化された運転条件の一例は変化されたバルブ・ク
リアランスである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術的周辺図である。
【図2】ガス交換弁の種々の開放関数線図である。
【図3】本発明による方法の実施形態としての流れ図で
ある。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 燃焼室 3 噴射弁 4 入口弁 5 入口弁調節要素 6 出口弁 7 出口弁調節要素 8 吸気管 9 絞り弁 10 絞り弁角伝送器 11 空気質量流量計 12 吸気管圧力伝送器 13 機関温度伝送器 14 回転速度伝送器ないし誘導センサ 15 λセンサ 16 排気管 17 電子式制御装置 18 角度伝送車 19 マーキング 20 セグメント(クランク軸角度範囲)
フロントページの続き (72)発明者 ウーヴェ・マイエンベルク ドイツ連邦共和国 70180 シュトゥット ガルト,ファルベンヘンネンシュトラーセ 9 (72)発明者 ウード・ズィーバー ドイツ連邦共和国 74321 ビーティクハ イム,マイセンヴェーク 7/1

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々のシリンダの個々のトルク寄与分に
    対する少なくとも1つの尺度が決定されかつ制御装置に
    供給され、かつ前記制御装置の出力値が空気またはフレ
    ッシュガスによりシリンダ毎にシリンダの充填量を調節
    する、内燃機関の個々のシリンダのトルク寄与分均等化
    方法。
  2. 【請求項2】 前記制御装置の出力値が個々のシリンダ
    の少なくとも1つのガス交換弁の開放関数を調節するこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記開放関数が前記ガス交換弁のリフト
    または前記ガス交換弁の開放時間の変化あるいはこれら
    双方により調節されることを特徴とする請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 シリンダ毎に行われる係合において、残
    りのシリンダの充填量が、内燃機関から出力される合計
    トルクができるだけ変化しないように逆方向に調節され
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 充填量への係合に補足して、シリンダ毎
    の燃料供給が、シリンダ内で燃焼する燃料/空気混合物
    の組成ができるだけ変化しないように調節されることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 個々のシリンダのトルク寄与分に対する
    尺度が内燃機関の回転不規則性の評価に基づいて決定さ
    れることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 個々のシリンダのトルク寄与分に対する
    尺度がシリンダ毎に測定された燃焼室圧力に基づいて決
    定されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 内燃機関の個々のシリンダのトルク寄与
    分均等化のための電子式制御装置において、 前記制御装置は、個々のシリンダの個々のトルク寄与分
    に対する少なくとも1つの尺度を決定しかつこれから出
    力値を形成し、 前記出力値が、空気またはフレッシュガスによりシリン
    ダ毎に少なくとも1つのシリンダの充填量を調節する、
    電子式制御装置。
  9. 【請求項9】 前記出力値が個々のシリンダの少なくと
    も1つのガス交換弁の開放関数を調節することを特徴と
    する請求項8記載の電子式制御装置。
  10. 【請求項10】 前記開放関数が前記ガス交換弁のリフ
    トまたは前記ガス交換弁の開放時間の変化あるいはこれ
    ら双方により調節されることを特徴とする請求項9記載
    の電子式制御装置。
JP11353987A 1998-12-21 1999-12-14 内燃機関の個々のシリンダのトルク寄与分均等化方法および電子式制御装置 Withdrawn JP2000186604A (ja)

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