JP2000186487A - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JP2000186487A
JP2000186487A JP11174747A JP17474799A JP2000186487A JP 2000186487 A JP2000186487 A JP 2000186487A JP 11174747 A JP11174747 A JP 11174747A JP 17474799 A JP17474799 A JP 17474799A JP 2000186487 A JP2000186487 A JP 2000186487A
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JP
Japan
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adapter
rod
rear end
casing pipe
front adapter
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JP11174747A
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English (en)
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Takeshi Hayashi
猛 林
Kimiya Hisada
仁也 久田
Kazuyoshi Yoshida
和由 吉田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二重管ビット式の掘削工具において、ロッド
アダプタ8から掘削ビット4に与えられる打撃力を損な
うことなく、過大な打撃力が作用したときにフロントア
ダプタ7やケーシングパイプ1の破損や変形を防止す
る。 【解決手段】 ケーシングパイプ1の後端部に取り付け
られる筒状のフロントアダプタ7と、このフロントアダ
プタ7に後端側から挿入され、先端に掘削ビット4が取
り付けられてケーシングパイプ1内に挿入されたロッド
2の後端に連結されるロッドアダプタ8とを備え、フロ
ントアダプタ7の後端面7Bと、この後端面7Bに対向
するロッドアダプタ8の先端側を向く面8Cとの間に、
緩衝部材10を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略円筒状のケーシ
ングパイプ内に、先端に掘削ビットが取り付けられたロ
ッドが挿入された、いわゆる二重管ビット式の掘削工具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンカー工事や各種削井工事、基礎杭工
事などの土木工事において崩壊しやすい地盤の掘削を行
なう場合には、円筒状のケーシングパイプ内に挿入され
たロッドの先端に掘削ビットを取り付けた二重管ビット
式の掘削工具が多用されており、上記ロッドを介して掘
削ビットに回転打撃力等を与えて掘削を行いつつ、こう
して掘削された削孔にケーシングパイプを建て込んで削
孔の崩落を防ぐようにしている。ここで、かかる掘削工
具においては、上記ケーシングパイプの後端部に筒状の
フロントアダプタが取り付けられるとともに、このフロ
ントアダプタ内周部の挿入孔には後端側からロッドアダ
プタが挿入されてその先端部が上記ロッドの後端部に連
結されており、これらロッドアダプタ、ロッド、および
掘削ビットは上記ケーシングパイプおよびフロントアダ
プタに対して回転可能とされていて、掘削時には上記ロ
ッドアダプタに削岩機等の掘削装置から回転打撃力を与
えることによりロッドを介して掘削ビットにこの回転打
撃力を伝えるとともに、ケーシングパイプには打撃力だ
けを与えて掘削ビットにより形成された削孔内にケーシ
ングパイプを建て込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
ケーシングパイプに打撃力だけを与えるのに、従来の掘
削工具では、ケーシングパイプの後端にフロントアダプ
タの先端を当接させるとともに、上記ロッドアダプタ
を、フロントアダプタに挿入される小径の上記先端部と
これよりも大径となる後端部とから外形多段円柱状に形
成し、フロントアダプタの上記挿入孔の周りの後端面に
ロッドアダプタの上記後端部の先端側を向く面を当接さ
せてフロントアダプタを打撃することにより、このフロ
ントアダプタを介して打撃力をケーシングパイプに与え
るようにしていた。しかしながら、このような掘削工具
では、掘削装置からロッドアダプタに過大な打撃力が与
えられたときに、この打撃力によってフロントアダプタ
が直接打撃されてしまうためにフロントアダプタに破損
や変形が生じたり、あるいはかかる過大な打撃力がフロ
ントアダプタからケーシングパイプに伝えられてケーシ
ングパイプの破損や変形を招いたりするおそれがあっ
た。
【0004】特に最近のAGF工法等においては、上記
ケーシングパイプとして一般的な鋼管ではなく塩化ビニ
ール製の管を適用することがあり、このような塩化ビニ
ール管は鋼管と比較して荷重に弱く、僅かでも許容荷重
を越えるような打撃力が与えられると割れを生じてしま
い、ケーシングパイプの削孔内への建て込みができなく
なってしまうという問題がある。ところが、その一方
で、このような割れ等の破損や変形が生じないように、
常に小さい打撃力でケーシングパイプを建て込もうとす
ると、ロッドアダプタからロッドを介して掘削ビットに
与えられる打撃力も小さくなり、掘削効率を損なう結果
となる。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、上述のような二重管ビット式の掘削工具にお
いて、ロッドアダプタから掘削ビットに与えられる打撃
力を損なうことなく、過大な打撃力が作用したときにフ
ロントアダプタやケーシングパイプの破損や変形を防止
することが可能な掘削工具を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、ケーシング
パイプの後端部に取り付けられる筒状のフロントアダプ
タと、このフロントアダプタに後端側から挿入され、先
端に掘削ビットが取り付けられて上記ケーシングパイプ
内に挿入されたロッドの後端に連結されるロッドアダプ
タとを備え、上記フロントアダプタの後端側を向く面
と、この面に対向する上記ロッドアダプタの先端側を向
く面との間に、緩衝部材を介装したことを特徴とする。
従って、このような構成の掘削工具によれば、掘削装置
からロッドアダプタに与えられた打撃力は、掘削ビット
に向けてはロッドを介して直接的に作用する一方、フロ
ントアダプタには上記緩衝部材を介して作用することと
なるので、過大な打撃力が与えられた場合でもこれを緩
衝部材によって吸収してフロントアダプタやその先端側
のケーシングパイプに破損や変形が生じるのを防ぐこと
ができる。
【0007】ここで、上記緩衝部材は、上述のような過
大な打撃力を確実に吸収可能である一方、通常の打撃力
は損なうことなくフロントアダプタを介してケーシング
パイプに与えられるのが望ましく、その材質としては、
例えば硬質ウレタンゴム等のゴム材やナイロン、塩化ビ
ニールといった硬質樹脂材料、あるいは軟鋼や銅または
銅合金等の軟質な金属材料などが用いられるのが望まし
い。また、同様に上記緩衝部材は、その硬度がロックウ
ェルRスケールで100〜150程度の範囲に設定され
るのが望ましく、硬度がこの範囲を下回るほど緩衝部材
が柔らかいと、通常の打撃力も大部分が吸収されてしま
ってケーシングパイプの建て込みを効率的に行うことが
できなくなる一方、硬度が上記範囲を上回るほど緩衝部
材が硬いと、過大な打撃力が作用したときにこれを十分
に吸収しきれなくなるおそれが生じる。
【0008】一方、この緩衝部材としては、上述の硬質
樹脂材料や軟質金属材料のように材質自体の弾性や可塑
性によって過大な打撃力を緩衝するもののほかに、バネ
を用いることも可能である。ただし、この場合でも、そ
のバネ定数が小さくて緩衝部材が柔らかすぎるとケーシ
ングパイプの建て込みの効率が損なわれる一方、バネ定
数が大きくて緩衝部材が硬すぎると過大な打撃力を十分
に吸収できなくなるおそれがあるので、このバネ定数は
50〜150kgf/mmの範囲に設定されるのが望ましい。
また、少なくとも一対の上述のような緩衝部材を、ホル
ダの両端面からそれぞれ互いに反対向きに突出するよう
に該ホルダに取り付けて、上記フロントアダプタの後端
側を向く面とこの面に対向する上記ロッドアダプタの先
端側を向く面との間にホルダごと介装するようにしても
よく、これにより、ロッドアダプタからの打撃力は、ホ
ルダの一方の端面側の緩衝部材を介して一旦該ホルダに
伝えられ、さらに他方の端面側の緩衝部材を介してフロ
ントアダプタに伝えられることとなるので、より高い緩
衝効果を得ることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。これらの図において符号
1で示すのは軸線Oを中心とした略円筒状をなすケーシ
ングパイプであって、その内周部にはロッド2が挿入さ
れており、このロッド2の先端には、シャンク3がその
先端をケーシングパイプ1から突出させて取り付けられ
ていて、このシャンク3の突出した先端に掘削ビット4
が取り付けられている。ここで、上記ロッド2は、ケー
シングパイプ1の内径よりも一回り小さな外径を有する
厚肉の略円筒状に形成されて上記軸線Oと同軸に挿入さ
れ、その先端部の外周には雄ねじ部2Aが形成されると
ともに、後端部はケーシングパイプ1の後端から突出さ
せられ、この後端部の外周にも雄ねじ部2Bが形成され
ている。
【0010】また、上記シャンク3は、ケーシングパイ
プ1の内周に嵌挿可能な外径を有するとともに、その先
端部がこれよりも一段縮径するように形成された多段円
筒状をなしており、この先端部の外周には雄ねじ部3A
が形成されるとともに、その後端部の内周にはロッド2
先端の上記雄ねじ部2Aがねじ込み可能な雌ねじ部3B
が形成されていて、この雌ねじ部3Bに上記雄ねじ部2
Aがねじ込まれた状態でスプリングピン5,5が嵌挿さ
れることにより、当該シャンク3はロッド2の先端に抜
け止めされて取り付けられている。なお、このシャンク
3のケーシングパイプ1に嵌挿される大径部分の外周に
は、図3に示すように軸線Oに直交する断面が外周側に
向けて開口する「コ」字状をなす複数条の凹溝3C…
が、それぞれこの大径部分の先後端に開口するように該
大径部分の全長に亙って軸線Oに平行に延び、かつ互い
に周方向に等間隔に位置するように形成されており、ま
たこれらの凹溝3C…の外周側を向く底面には、該シャ
ンク3の内周部から外周側に向かうに従い工具後端側に
向けて延びるように分岐させられた空気孔3D…がそれ
ぞれ開口させられている。
【0011】さらに、上記掘削ビット4は、本実施形態
では掘削終了後にシャンク3から取り外されて削孔内に
取り残し可能とされた、いわゆるロストビットと称され
るものであって、ケーシングパイプ1の内径よりも大き
な外径を有する外形略有底円筒状をなしており、その円
筒部分の内周部には雌ねじ部4Aが形成されていて、こ
の雌ねじ部4Aにシャンク3の上記雄ねじ部3Aがねじ
込まれることにより、上記有底円筒の底の部分を工具先
端側に向けてシャンク3の先端に取り付けられる。な
お、この掘削ビット4の上記円筒部分の後端部外周は工
具後端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に形成
される一方、上記ケーシングパイプ1の先端部の内周
も、この掘削ビット4の後端部外周のテーパと等しいテ
ーパで工具後端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面
状に形成されている。
【0012】また、この掘削ビット4の先端部は、その
外径が上記円筒部分よりもさらに一段拡径するように形
成されており、この先端部の工具先端側を向く先端面は
上記軸線Oを中心に周方向に沿って工具先後端側に凹凸
するように形成されていて、このうち工具先端側に凸と
なる断面三角形状の山部の稜線部には、超硬合金等の硬
質材料よりなるチップ6…が図2に示すように上記軸線
Oを中心に放射状に植設される一方、工具後端側に凹と
なる谷部の外周側には、断面円弧状をなす凹溝4B…が
軸線Oに平行に形成されている。さらに、この掘削ビッ
ト4がなす上記有底円筒の内周部底面からは、シャンク
3の内周部に連通する空気孔4Cが軸線Oに沿って工具
先端側に向けて穿設されており、この空気孔4Cは上記
先端部において2つに分岐して、当該掘削ビット4の上
記先端面の軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する上記
谷部にそれぞれ開口させられている。
【0013】なお、本実施形態では、シャンク3の先端
部外周に形成された上記雄ねじ部3Aと、この雄ねじ部
3Aがねじ込まれる掘削ビット4の円筒部内周の上記雌
ねじ部4Aとが、そのねじのリード角が5°〜16°の
範囲に設定されるとともに、図4に示すように上記軸線
Oを含む断面において、これら雄ねじ部3Aと雌ねじ部
4Aのねじ山3a,4aが台形状をなし、かつこれらの
ねじ山3a,4aの斜面3b,4bが上記軸線Oに対し
てなす傾斜角θが40°〜70°の範囲に設定されてい
て、このような掘削工具のねじとして一般的に用いられ
るロープネジやハイリードねじなどよりも緩みやすい構
造とされており、掘削終了後にロッド2を逆回転させる
ことにより、上述のように掘削ビット4だけを取り外し
可能とされている。ただし、これら雌雄ねじ部3A,4
Aの捩れの向きは、掘削時のロッド2およびシャンク3
の回転によって掘削ビット4が緩むことのないように、
工具後端側に向かうに従いこれらロッド2およびシャン
ク3の掘削時の回転方向と反対向きに捩れるようにされ
ている。また、これらの雌雄ねじ部3A,4A以外の他
のねじ部には、一般的な、例えばロープネジなどが用い
られている。
【0014】一方、上記ケーシングパイプ1の後端部に
は略円筒状をなすフロントアダプタ7が取り付けられて
いて、上記ロッド2はこのフロントアダプタ7内周の挿
入孔7A内の軸線O方向略中央にその後端を位置させる
とともに、このフロントアダプタ7の挿入孔7Aには、
先端側に向けて一段縮径する多段円筒状のロッドアダプ
タ8の先端部8Aが後端側から挿入されており、このロ
ッドアダプタ8の先端部8Aはフロントアダプタ7内に
収容されたカップリング9を介して上記ロッド2の後端
に連結されている。そして、上記フロントアダプタ7後
端側の挿入孔7Aの周りの円環状の後端面7Bと、この
後端面7Bに対向して先端側を向くロッドアダプタ8の
後端部8Bの円環状の先端面8Cとの間には、緩衝部材
10が介装されている。
【0015】この緩衝部材10は、本実施形態では、上
記ロッドアダプタ8の先端部8Aに外嵌可能な内径とロ
ッドアダプタ8の後端部8Bおよび上記フロントアダプ
タ7の外径と略等しい外径とを有する断面概略正方形の
円環状に形成されており、その円環状をなす両端面10
A,10Bをフロントアダプタ7の後端面7Bとロッド
アダプタ8の後端部8Bの上記先端面8Cとに密着させ
て介装されている。また、本実施形態では、この緩衝部
材10は、硬質ウレタンゴム等のゴム材やナイロン、塩
化ビニールといった硬質樹脂材料、あるいは軟鋼や銅ま
たは銅合金等の軟質な金属材料によって形成されたもの
であり、しかもその硬度がロックウェルRスケールの1
00〜150の範囲となるように設定されている。
【0016】なお、上記フロントアダプタ7内周の挿入
孔7Aは後端側に向けて多段状に縮径するように形成さ
れていて、その先端側は上記ケーシングパイプ1が嵌挿
可能な内径に形成されるとともに、後端側の内径はロッ
ドアダプタ8の先端部8Aが嵌挿可能な大きさとされて
おり、これらの間の中間部分の内径は上記ケーシングパ
イプ1の内径と略同じに設定されている。また、このフ
ロントアダプタ7の外周部には、その軸線O方向略中央
部が内周側に凹むようにして、該軸線Oに平行かつ互い
にも平行とされた一対の平坦面7C,7Cが形成されて
おり、さらにこれらの平坦面7C,7Cには、当該フロ
ントアダプタ7を軸線Oに対する径方向に貫通するよう
にして、軸線O方向に延びる長円状の窓部7D,7Dが
形成されるとともに、上記平坦面7C,7Cよりも先端
側には、該フロントアダプタ7を径方向に貫通する他の
窓部7E,7Eも形成されている。
【0017】さらに、上記ロッドアダプタ8は、上述の
ようにその外径が先端側に向けて軸線O方向の略中央部
で一段縮径する略円筒状に形成されており、その上記先
端部8Aの外径は上記ロッド2の外径と等しくされると
ともに、後端部8Bの外径はフロントアダプタ7の外径
と等しくされている。また、このロッドアダプタ8の内
周部は後端側において一段拡径するとともに、この拡径
した内周部には雌ねじ部8Cが形成されており、この雌
ねじ部8Cに図示されない削岩機等の掘削装置の駆動軸
がねじ込まれた上で、図6に示すようにU字状の止め具
11が挿通されることにより、ロッドアダプタ8は上記
駆動軸に対して回り止めされて一体回転可能とされ、該
駆動装置によって軸線O回りに回転力が与えられるとと
もに該軸線O方向先端側に向けて打撃力が与えられる。
【0018】さらにまた、上記フロントアダプタ7の挿
入孔7Aに挿入されるこのロッドアダプタ8の先端部8
Aの外周には雄ねじ部8Dが形成されており、この雄ね
じ部8Dは、ロッド2の後端部に形成された雄ねじ部2
Bと等しい寸法および形状のねじとされている。また、
このロッドアダプタ8の先端部8Aの軸線O方向の長さ
は、上記ケーシングパイプ1の後端にフロントアダプタ
7を嵌挿するとともにその後端側から該ロッドアダプタ
8の先端部8Aを挿入し、このロッドアダプタ8の後端
部8Bの先端面8Cを上記緩衝部材10を介してフロン
トアダプタ7の後端面7Bに当接させた状態で、上記ロ
ッド2の後端面とロッドアダプタ8の先端面とが図1に
示すようにフロントアダプタ7の上記窓部7Dの位置で
互いに当接するように設定されている。
【0019】さらに、これらロッド2の後端部とロッド
アダプタ8の先端部8Aとは、それぞれの雄ねじ部2
B,8Dが上記カップリング9の内周部に形成された雌
ねじ部9A,9Bにねじ込まれることにより、該カップ
リング9を介して連結されている。ここで、このカップ
リング9は外形筒状をなし、その内周部の先端側と後端
側とにそれぞれ上記雌ねじ部9A,9Bが形成される一
方、外周部は、フロントアダプタ7の挿入孔7Aの上記
中間部分に嵌挿可能な外径の軸線Oを中心とする円筒面
を、該軸線Oに平行な4つの平坦面9C…によって切り
欠いた形状をなしており、これらの平坦面9C…は、軸
線Oを挟んで反対側に位置する一対の平坦面9C,9C
同士が互いに平行とされるとともに、周方向に隣接する
平坦面9C,9C同士は垂直な方向に配置されている。
【0020】このように構成された掘削工具において
は、上述のように掘削装置の駆動軸がロッドアダプタ8
の後端にねじ込まれて連結されることにより、掘削時に
はロッドアダプタ8、カップリング9、ロッド2、シャ
ンク3、および掘削ビット4が軸線O回りに所定の回転
方向に一体に回転されつつ該軸線O方向先端側に向けて
打撃力を受けて削孔が形成されるとともに、ロッドアダ
プタ8からフロントアダプタ7およびケーシングパイプ
1には緩衝部材10を介して先端側に向けての衝撃力だ
けが与えられ、これにより上記削孔内にケーシングパイ
プ1が建て込まれて行く。なお、この掘削時には上記掘
削装置からロッドアダプタ8、ロッド2、およびシャン
ク3の内周部を通して圧縮空気が先端側に供給され、こ
の圧縮空気は掘削ビット4の上記空気穴4C…から噴出
されて、掘削時に生成されたくり粉を後端側に押し出
し、こうして押し出されたくり粉はシャンク3の上記凹
溝3C…からケーシングパイプ1内に導入されて該ケー
シングパイプ1内を通り、フロントアダプタ7の上記他
の窓部7E,7Eから排出される。
【0021】しかるに、上記構成の掘削工具において
は、ロッドアダプタ8の後端部8Bの先端面8Cとフロ
ントアダプタ7の後端面7Bとの間に緩衝部材10が介
装されており、削孔を形成する掘削ビット4には上記掘
削装置から与えられた回転打撃力が、上記ロッドアダプ
タ8の先端部8Aからカップリング9、ロッド2、およ
びシャンク3を介して直接的に作用することとなるのに
対し、上記回転打撃力のうちケーシングパイプ1を建て
込むためにロッドアダプタ8からフロントアダプタ7に
伝えられる打撃力は、この緩衝部材10を介してフロン
トアダプタ7に作用することとなる。従って、上記構成
の掘削工具によれば、削孔の形成は掘削ビット4に直接
的に与えられる回転打撃力によって効率的に行うことが
できる一方、万一掘削装置から過大な打撃力がロッドア
ダプタ8に与えられた場合には、緩衝部材10が変形し
たりしてその衝撃を緩和することにより、かかる過大な
打撃力がロッドアダプタ8からフロントアダプタ7に直
接作用するのを抑えることができ、フロントアダプタ7
に破損や変形が生じたりするような事態を防止すること
が可能となるとともに、その先端のケーシングパイプ1
がたとえAGF工法等において用いられる塩化ビニール
製のものであっても、割れ等が生じたりするのを確実に
防止して円滑かつ効率的な掘削作業を促すことが可能と
なる。
【0022】また、特に本実施形態では、この緩衝部材
10が硬質ウレタンゴム等のゴム材やナイロン、塩化ビ
ニールといった硬質樹脂材料、あるいは軟鋼や銅または
銅合金等の軟質な金属材料によって形成されているた
め、通常の掘削時における打撃力は効率的にロッドアダ
プタ8からフロントアダプタ7に伝えてケーシングパイ
プ1の建て込みを行える一方、万一上述のような過大な
打撃力が作用した場合には確実にこれを緩和してフロン
トアダプタ7やケーシングパイプ1の破損や変形を防止
することができる。さらに、このような材質を選択する
ことにより、フロントアダプタ7の後端面7Bやロッド
アダプタ8の後端部8Bの先端面8Cと緩衝部材10の
端面10A,10Bとの滑りをよくしてロッドアダプタ
8の回転の摩擦抵抗を低減することができ、より効率的
に掘削ビット4に回転力を与えて削孔を形成可能である
という利点も得ることができる。
【0023】しかも、本実施形態では、上記緩衝部材1
0の硬度がロックウェルRスケールにおいて100〜1
50の範囲となるように設定されており、これにより、
通常の掘削時には一層効率的にケーシングパイプ1の建
て込みを行えるとともに、過大な打撃力が作用したとき
のフロントアダプタ7やケーシングパイプ1の破損等を
より一層確実に防止することができる。すなわち、この
緩衝部材10の硬度が上記範囲を下回るほど緩衝部材1
0が柔らかすぎると、通常の掘削時においてロッドアダ
プタ8からフロントアダプタ7に与えられる適正な打撃
力も該緩衝部材10に吸収されて緩和されてしまい、ケ
ーシングパイプ1の建て込みを効率的に行うことができ
なくなるおそれが生じる一方、硬度が上記範囲を上回る
ほど緩衝部材10が硬いと、過大な打撃力が作用した際
に緩衝部材10が十分に変形せず、この打撃力が直接的
にフロントアダプタ7に作用して破損や変形を引き起こ
すおそれがある。なお、本実施形態では、この緩衝部材
10を円環状に形成しているが、これを周方向に分割可
能な複数の弧状部材を接着、接合したりして形成するよ
うにすれば、過大な打撃力が作用して緩衝部材10が変
形したりしても、ロッドアダプタ8を取り外したりする
ことなく緩衝部材10を交換して速やかに掘削作業を再
開することができる。
【0024】ところで、この第1の実施形態では、上記
緩衝部材10としてこのように硬質樹脂材料または軟質
金属材料により円環状に形成された部材を用いて、ロッ
ドアダプタ8に過大な打撃力が作用した際には、この緩
衝部材10を構成する材質自体の弾性や可塑性により該
緩衝部材10を変形させたりして上記打撃力を吸収する
ようにしているが、これに代えて、例えば図7に示す本
発明の第2の実施形態のように緩衝部材31としてバネ
を用いて、これをフロントアダプタ7の後端側を向く上
記後端面7Bやロッドアダプタ8の先端側を向く後端部
8Bの上記先端面8Cとの間に介装し、この緩衝部材3
1を圧縮して弾性変形させて過大な打撃力を吸収するよ
うにしてもよい。ただし、この図7に示す第2の実施形
態において、図1ないし図6に示した第1の実施形態と
共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
【0025】ここで、本実施形態において上記緩衝部材
31は、バネ鋼等の金属よりなる断面略四角形の条材を
軸線方向に間隔をあけて螺旋状に巻回してなるコイルバ
ネであって、かかるコイルバネがロッドアダプタ8の先
端部8Aの外周に緩挿された上で、該先端部8Aがフロ
ントアダプタ7に挿入されてその雄ねじ部8Dがカップ
リング9の雌ねじ部9Bにねじ込まれることにより、フ
ロントアダプタ7の上記後端面7Bとロッドアダプタ8
の後端部8Bの上記先端面8Cに両端部を当接させてこ
れら先後端面8C,7B間に介装されている。なお、こ
の緩衝部材31として用いられるコイルバネのバネ定数
は、本実施形態では50〜150kgf/mmの範囲に設定さ
れている。
【0026】このように構成された第2の実施形態の掘
削工具においても、掘削時には掘削装置の駆動軸からロ
ッドアダプタ8、カップリング9、ロッド2、およびシ
ャンク3を介して掘削ビット4に軸線O回りの回転力と
軸線O方向先端側に向けての打撃力が与えられて掘削が
行われるとともに、ロッドアダプタ8からフロントアダ
プタ7およびケーシングパイプ1には緩衝部材31を介
して打撃力だけが与えられ、これにより削孔内にケーシ
ングパイプ1が建て込まれて行く。しかるに、本実施形
態においても、掘削装置からロッドアダプタ8に過大な
打撃力が作用した場合には、コイルバネよりなる緩衝部
材31が圧縮されて弾性変形することにより、この打撃
力が吸収されて緩和されるので、通常の打撃力は確実に
フロントアダプタ7からケーシングパイプ1に伝えて該
ケーシングパイプ1の削孔への建て込みを行いつつ、か
かる過大な打撃力によってフロントアダプタ7やケーシ
ングパイプ1に損傷等が生じたりするのを防いで、円滑
な掘削作業を促すことが可能となる。
【0027】しかも、本実施形態において緩衝部材31
として用いられるバネは、上述のように過大な打撃力が
作用することによって圧縮されて弾性変形しても、負荷
が解除されれば伸長して元の状態に復元するものである
ので、例えば緩衝部材10として軟質金属材料を用いた
場合の上記第1の実施形態のように過大な打撃力が作用
した際にこの緩衝部材10が塑性変形してこれを吸収す
るのに比べ、変形した緩衝部材31を交換してから掘削
を再開するような手間を要することがなく、従って一層
効率的な掘削作業を行うことができる。加えて、このよ
うなバネは、その材質や寸法を適宜選択する以外に、例
えば上記コイルバネの場合には単位長さ当たりの巻き数
を適宜選定したりすることによっても、その弾性力、す
なわちバネ定数を適当に設定することが可能であるの
で、限られたスペースのフロントアダプタ7とロッドア
ダプタ8との間に、吸収・緩和すべき打撃力の大きさに
合わせた適当なバネ定数の緩衝部材31を無理なく介装
することができるという利点も得られる。
【0028】なお、こうして設定される上記緩衝部材3
1のバネ定数についても、第1の実施形態の緩衝部材1
0の場合と同様に、このバネ定数が小さくて当該緩衝部
材31が柔らかすぎると、ケーシングパイプ1を削孔に
建て込むのに必要な通常の打撃力も吸収されてしまい、
このケーシングパイプ1の建て込みの効率が損なわれる
おそれがあり、逆にこのバネ定数が大きくて緩衝部材3
1が硬すぎると、ロッドアダプタ8から過大な打撃力が
作用した際にこれを十分に吸収できなくなるおそれがあ
る。このため、この第2の実施形態のように緩衝部材3
1としてバネを用いた場合には、そのバネ定数は上述の
ように50〜150kgf/mmの範囲に設定されるのが望ま
しい。また、本実施形態では緩衝部材31としてコイル
バネを用いているが、他の種のバネを用いることも勿論
可能であり、例えば1または複数の皿バネを緩衝部材と
してロッドアダプタ8の先端部8A外周に緩挿して、上
記先端面8Cとフロントアダプタ7の後端面7Bとの間
に介装するようにしてもよい。
【0029】さらに、図8ないし図11は本発明の第3
の実施形態を示すものであり、図1ないし図7に示した
第1、第2の実施形態と共通する部分には、やはり同一
の符号を配して説明を省略する。しかるに、上記第1、
第2の実施形態では、硬質樹脂材料や軟質金属材料より
なる緩衝部材10やバネよりなる緩衝部材31が、フロ
ントアダプタ7の後端面7Bとロッドアダプタ8の後端
部8Bの先端面8Cとの間に直接に介装されていたのに
対し、この第3の実施形態では、少なくとも一対、すな
わち複数のこのような緩衝部材41…が、ホルダ42の
両端面42A,42Aからそれぞれ互いに反対向きに突
出するように該ホルダ42に取り付けられ、このホルダ
42ごと上記先後端面8C,7B間に介装されているこ
とを特徴とする。
【0030】ここで、上記ホルダ42は緩衝部材41よ
りも硬質の鋼材等により外形略円環状に形成されたもの
であって、その内径はロッドアダプタ8の先端部8Aに
外嵌可能に設定されるとともに、外径はフロントアダプ
タ7およびロッドアダプタ8の後端部8Bの外径と略等
しくされている。また、このホルダ41の両端面42
A,42Aには断面円形をなす有底の凹孔42Bが、ホ
ルダ42の周方向に等間隔かつ互いに反対側の端面42
A,42Aに交互に同数ずつ(本実施形態では6つず
つ)形成されており、その深さは該凹孔42Bの有底部
分を残してホルダ42の肉厚の1/2よりも大きくされ
ている。一方、上記緩衝部材41は、本実施形態では上
記第1の実施形態と同様に硬質ウレタンゴム等のゴム材
やナイロン、塩化ビニール等の硬質樹脂材料あるいは軟
鋼や銅または銅合金等の軟質金属材料により、外径が上
記凹孔42Bに嵌挿可能とされるとともに長さは凹孔4
2Bの深さよりも若干大きくされた円柱状に形成されて
いる。そして、本実施形態ではこのような緩衝部材41
…がホルダ42の凹孔42B…にそれぞれ嵌挿されて取
り付けられており、従って各緩衝部材41…は、その先
端がホルダ42の両端面42A,42Aから互いに反対
向きに突出させられている。
【0031】このようにホルダ42に取り付けられた緩
衝部材41…は、ホルダ42がロッドアダプタ8の先端
部8Aに外嵌されることにより、上述のようにロッドア
ダプタ8の後端部8Bの先端面8Cとフロントアダプタ
7の後端面7Bとの間に介装される。従って、この第3
の実施形態においても、削孔を形成するための回転打撃
力はロッドアダプタ8からロッド2を介して先端側の掘
削ビットに確実に伝えられる一方、ケーシングパイプ1
を建て込むための打撃力はロッドアダプタ8からフロン
トアダプタ7に緩衝部材41…およびホルダ42を介し
て伝えられることとなり、過大な打撃力が作用した場合
にはこれを緩衝部材41…によって緩和してフロントア
ダプタ7やケーシングパイプ1に破損や変形が生じたり
するのを防ぐことができる。
【0032】しかも、この第3の実施形態において上記
緩衝部材41…はホルダ42の両端面42A,42Aか
らそれぞれ互いに反対向きに突出させられて取り付けら
れており、こうしてホルダ42の両端面42A,42A
から突出した緩衝部材41…が上記ロッドアダプタ8の
後端部8Bの先端面8Cとフロントアダプタ7の後端面
7Bとに密着させられて上記打撃力を吸収、緩和するた
め、ロッドアダプタ8から過大な打撃力が作用した場合
に、この打撃力はまずこのロッドアダプタ8の上記先端
面8Cに密着する緩衝部材41…によって緩衝されて一
旦ホルダ42に伝えられ、次いでこのホルダ42からフ
ロントアダプタ7の上記後端面7Bに密着する緩衝部材
41…によって緩衝されて該フロントアダプタ7に伝え
られる。従って、本実施形態によれば、このようにホル
ダ42の両端面42A,42Aに突出する緩衝部材41
…それぞれによって打撃力を吸収、緩和して高い緩衝効
果を得ることができ、より過大な打撃力が作用した場合
でもフロントアダプタ7やケーシングパイプ1の破損や
変形を確実に防止することができる。
【0033】また、特に上記第3の実施形態において
は、硬質樹脂材料や軟質金属材料よりなる緩衝部材41
…が円柱状に形成されていて、ホルダ42に形成された
凹孔42B…に嵌挿されて取り付けられており、第1の
実施形態のように上記材料よりなる緩衝部材10が円環
状に形成されて剥き出しに上記先後端面7B,8C間に
介装されている場合などに比べ、緩衝部材41…の圧潰
や摩耗による損傷が少なく、その寿命の延長を図ること
ができる。また、本実施形態では上記凹孔42B…がホ
ルダ42の周方向に等間隔かつ互いに反対側の端面42
A,42Aに交互に開口するように形成されており、こ
れによりロッドアダプタ8からの打撃力を均等に分散し
てフロントアダプタ7に伝えることができるとともに、
各凹孔42B…の深さがホルダ42の肉厚の1/2より
も大きくされているので、該凹孔42Bに収容可能な緩
衝部材41の長さも大きくすることができ、しかもこの
ような緩衝部材41…が互いに反対側の端面42A,4
2Aから突出するように取り付けられるため、上記先後
端面7B,8C間の間隔を大きくできない場合でも、ホ
ルダ42を介しての緩衝部材41…による打撃力吸収性
をさらに大きく確保して、一層の緩衝効果の向上を図る
ことができる。
【0034】なお、本実施形態ではこのように凹孔42
B…に第1の実施形態と同様の硬質樹脂材料や軟質金属
材料よりなる緩衝部材41…を嵌挿して取り付けている
が、これに代えて第2の実施形態と同じようにコイルバ
ネ等のバネを緩衝部材として挿入して取り付けることも
可能であり、また場合によっては異なる材料よりなる緩
衝部材41…を凹孔42B…に取り付けたり、これら上
述のような緩衝部材41とバネよりなる緩衝部材とを併
用したりすることも可能である。さらに、このような凹
孔42B…を周方向に等間隔かつ交互に形成して緩衝部
材を取り付けるのに代えて、例えばホルダ42の両端面
42A,42Aに円環状に周回する凹溝をそれぞれ形成
し、これらの凹溝に、硬質樹脂材料や軟質金属材料から
円環状に形成した緩衝部材を填め込んで取り付けたり、
あるいはコイルバネや皿バネ等のバネよりなる緩衝部材
を取り付けたりすることも可能である。
【0035】一方、このような第1ないし第3の実施形
態の掘削工具において、単一のケーシングパイプ1やロ
ッド2よりも深い削孔を形成してケーシングパイプ1を
建て込むには、先に削孔に建て込まれたケーシングパイ
プ1およびロッド2の後端に次のケーシングパイプ1お
よびロッド2を継ぎ足してゆくこととなるが、この場合
には、まず図5に示すようなレンチ状の作業用工具21
によってカップリング9の回動を拘束した上で、上記掘
削装置の駆動軸を逆回転させることによりロッドアダプ
タ8だけを取り外し、次いで緩衝部材10,31および
フロントアダプタ7を取り外した後、カップリング9の
後端側の雌ねじ部9Bに次のロッド2先端の雄ねじ部2
Aをねじ込むとともにケーシングパイプ1の後端に次の
ケーシングパイプ1を接続する。ここで、上記作業用工
具21は、ハンドル22の先端に略U字状をなす一対の
顎部23,23が形成されるとともに、これらの顎部2
3,23にそれぞれクランプネジ24,24が互いに内
側に向けて該顎部23,23を貫通するようにねじ込ま
れたものであり、これらの顎部23,23は、その間の
幅がフロントアダプタ7の上記平坦面7C,7Cの間の
部分を嵌挿可能な大きさに設定されている。
【0036】従って、この作業用工具21の顎部23,
23によってフロントアダプタ7の上記平坦面7C,7
Cの間の部分をくわえ込んだ上で、上記クランプネジ2
4,24をねじ込み、この平坦面7C,7Cに形成され
た上記窓部7D,7Dからクランプネジ24,24の先
端をフロントアダプタ7内周の挿入孔7Aに突出させ
て、カップリング9の互いに平行とされた一対の上記平
坦面9C,9Cに垂直に当接させることにより、このク
ランプネジ24,24の先端がカップリング9の平坦面
9C,9Cに係合してカップリング9の軸線O回りの周
方向の回動が拘束される。このため、これら第1ないし
第3の実施形態によれば、上述のようなケーシング1お
よびロッド2の継ぎ足し時にロッドアダプタ8を掘削時
とは逆方向に回転させても、カップリング9およびその
先端のロッド2がとも回りしてしまうようなことがな
く、ロッドアダプタ8だけを確実に取り外すことが可能
となるとともに、ロッド2の先端に取り付けられた掘削
ビット4が上述のような緩みやすいねじ構造を有するロ
ストビットであったとしても、ロッド2等の継ぎ足し時
に該掘削ビット4が外れて削孔内に脱落してしまうよう
な事態を防止することができる。
【0037】また、上記第1ないし第3の実施形態で
は、上記カップリング9の回動を拘束するに際して、フ
ロントアダプタ7がケーシングパイプ1の後端に嵌挿さ
れたままの状態において、このフロントアダプタ7に形
成された窓部7D,7Dから作業用工具21の係合部と
してのクランプネジ24,24をねじ込んで、その先端
をカップリング9の平坦面9C,9Cに当接させること
により、カップリング9と作業用工具21とを係合させ
ることができる。このため、例えばロッド2や掘削ビッ
ト4を一旦後退させてからフロントアダプタ7を後退さ
せて保持した上でロッドアダプタ8を取り外したりする
ような煩雑な作業を行う必要もなく、ケーシングパイプ
1やロッド2の継ぎ足し作業を簡略化して掘削作業の効
率化を図ることができる。しかも、ロッド2を後退させ
る必要がないことから、例えば実開昭56−12178
6号に記載されたようなロッドを後退させてビットを取
り外すロストビットを掘削ビットとして用いた場合で
も、この継ぎ足し時に掘削ビットが脱落してしまうよう
なこともない。
【0038】さらに、上記各実施形態においては、上記
フロントアダプタ7に一対の窓部7D,7Dが周方向に
互いに反対側に形成されるとともに、カップリング9の
外周部には二対の上記平坦面9C…がそれぞれ周方向に
反対側に形成されており、該カップリング9の回動を拘
束するに際しては、このうち周方向に互いに反対側に位
置する一対の平坦面9C,9Cに、上記窓部7D,7D
から作業用工具21の一対のクランプネジ24,24を
挿入して当接させることにより、カップリング9をその
直径方向に挟み込んで保持するようにしている。このた
め、例えばカップリング9の外周部を1点で押さえ付け
てその回動を拘束するような場合に対し、より安定的に
カップリング9の回動を拘束することができ、ロッド2
の継ぎ足し時等の先端側のロッド2や掘削ビット4のと
も回りを一層確実に防止してロッドアダプタ8だけを取
り外すことができる。
【0039】なお、上記実施形態では、このようにカッ
プリング9の外周部に平坦面9C…を形成し、これにク
ランプネジ24,24の先端を当接させて係合させてい
るが、例えばカップリング9の肉厚を十分に確保できる
場合などには、このカップリング9の外周部に凹穴や凹
溝を形成し、これに作業用工具21の上記クランプネジ
24の先端を挿入して周方向に係合させることによりカ
ップリング9の回動を拘束したりするようにしてもよ
い。さらに、上記実施形態では、作業用工具21の先端
に形成された顎部23にねじ込まれるクランプネジ24
をカップリング9に係合させているが、特に上述したよ
うにカップリング9の外周部に凹穴や凹溝を被係合部と
して形成している場合などには、例えばフロントアダプ
タ7の窓部7Dからその内周部に出没可能とされて上記
凹穴や凹溝に係合するピンなどを係合させるようにして
もよい。
【0040】また、上記第1ないし第3の実施形態で
は、上記フロントアダプタ7外周の窓部7D,7Dの周
辺に平坦面7C,7Cが形成されるとともに、作業用工
具21にはこれら平坦面7C,7Cに係合可能な顎部2
3,23が形成されており、これらの顎部23,23の
間に上記平坦面7C,7Cの間の部分を嵌挿させてフロ
ントアダプタ7をくわえ込み、該フロントアダプタ7の
回動をも拘束した状態で、上記クランプネジ24,24
を平坦面9C,9Cに係合させてカップリング9の回動
を拘束するようにしている。従って、これら第1ないし
第3の実施形態によれば、ロッド2の継ぎ足し等の際に
ロッドアダプタ8の逆回転に伴うなどしてフロントアダ
プタ7が回動してしまうようなこともなく、かかるフロ
ントアダプタ7の回動によって作業用工具21のクラン
プネジ24の上記平坦面9Cへの係合が阻害されるのを
防止して、カップリング9の回動をさらに確実に拘束す
ることが可能となる。
【0041】さらにまた、上記実施形態では、第1の実
施形態で説明したように上記ロッド2の先端にシャンク
3を介して取り付けられる掘削ビット4が上述したロス
トビットであって、しかもこの掘削ビット4をシャンク
3の先端に取り付けるための雌雄ねじ部3A,4Aは、
そのねじのリード角が5°〜16°の範囲に設定される
とともに、軸線Oを含む断面においてこれら雄ねじ部3
Aと雌ねじ部4Aのねじ山3a,4aが台形状をなし、
かつこれらのねじ山3a,4aの斜面3b,4bが上記
軸線Oに対してなす傾斜角θが40°〜70°の範囲に
設定されていて、ねじ込み方向と逆方向に回転させたと
きには雌雄ねじ部3A,4Aが緩みやすくされている。
従って、上記実施形態によれば、掘削終了後にロッド2
を削孔から抜き取るときには、該ロッド2を掘削時とは
逆方向に回転させることによって掘削ビット4を容易に
シャンク3から取り外して脱落させ、ロッド2およびシ
ャンク4を確実に削孔から引き抜くことが可能となると
いう効果も得られる。ただし、上記実施形態では、掘削
ビットとしてこのような雌雄ねじ部3A,4Aによって
取り付けられた掘削ビット4を用いているが、同じロス
トビットでも上記実開昭56−121786号に記載さ
れたようなものを採用することも可能であるし、またこ
のようなロストビットではない掘削ビットを採用するこ
とも勿論可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
削孔を形成する掘削ビットにはロッドアダプタからロッ
ドを介して効率的に回転打撃力を与えることができる一
方、万一過大な打撃力がロッドアダプタに与えられた場
合でも、緩衝部材が変形したりしてこの打撃力を吸収す
ることにより、かかる過大な打撃力によってフロントア
ダプタやケーシングパイプが破損したり変形したりする
のを防止することができ、経済的かつ効率的な掘削作業
を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態の掘削ビット4を先端側
から見た正面図である。
【図3】 図1におけるXX断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態の雌雄ねじ部3A,4A
の軸線Oを含む拡大断面図である。
【図5】 図1におけるYY断面図である。
【図6】 図1におけるZZ断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態を示すロッド2の後
端部周辺の側断面図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態を示すロッド2の後
端部周辺の側断面図である。
【図9】 図8に示す実施形態の緩衝部材41…および
ホルダ42を示す正面図である。
【図10】 図9に示す緩衝部材41…およびホルダ4
2の一部破断側面図である。
【図11】 図9に示す緩衝部材41…およびホルダ4
2の斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシングパイプ 2 ロッド 3 シャンク 4 掘削ビット 7 フロントアダプタ 7A フロントアダプタ7の挿入孔 7B フロントアダプタ7の後端面(フロントアダプタ
の後端側を向く面) 8 ロッドアダプタ 8A ロッドアダプタ8の先端部 8B ロッドアダプタ8の後端部 8C 後端部8Bの先端面(ロッドアダプタの先端側を
向く面) 9 カップリング 10,31,41 緩衝部材 21 作業用工具 42 ホルダ O ケーシングパイプ1の中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 和由 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングパイプの後端部に取り付けら
    れる筒状のフロントアダプタと、このフロントアダプタ
    に後端側から挿入され、先端に掘削ビットが取り付けら
    れて上記ケーシングパイプ内に挿入されたロッドの後端
    に連結されるロッドアダプタとを備え、上記フロントア
    ダプタの後端側を向く面と、この面に対向する上記ロッ
    ドアダプタの先端側を向く面との間に、緩衝部材が介装
    されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記緩衝部材は、硬質樹脂材料または軟
    質金属材料により形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 上記緩衝部材は、その硬度がロックウェ
    ルRスケール100〜150の範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工
    具。
  4. 【請求項4】 上記緩衝部材は、バネであることを特徴
    とする請求項1に記載の掘削工具。
  5. 【請求項5】 上記バネは、そのバネ定数が50〜15
    0kgf/mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求
    項4に記載の掘削工具。
  6. 【請求項6】 少なくとも一対の上記緩衝部材がホルダ
    の両端面からそれぞれ互いに反対向きに突出するように
    該ホルダに取り付けられて介装されていることを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の掘削工
    具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101573438B1 (ko) 2012-12-10 2015-12-02 김명용 부스러기 방출보조장치
JP2016069908A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社竹中土木 無拡幅agf工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具

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