JP2000186103A - 懸濁重合法 - Google Patents

懸濁重合法

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JP2000186103A JP9366279A JP36627997A JP2000186103A JP 2000186103 A JP2000186103 A JP 2000186103A JP 9366279 A JP9366279 A JP 9366279A JP 36627997 A JP36627997 A JP 36627997A JP 2000186103 A JP2000186103 A JP 2000186103A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用トナーの製造に好適な微細粒子の
懸濁重合法であって、透明性と離型性を兼ね備え、低温
定着性と透明性を両立し、トナーの転写性を向上できる
粒子を得るための懸濁重合法の改良。 【解決手段】 単量体組成物及び該単量体組成物と重合
可能な変性シリコーンオイルからなる分散相と、水性媒
質からなる連続相とを、各々独立した槽に保持し、所望
の大きさの重合性液滴群を有する懸濁液を得る工程と、
該造粒機より該懸濁液を取り出し、重合槽中に導いて重
合反応を完結させて重合体粒子を得る工程とからなる懸
濁重合法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は離型性が良好な重合
体粒子が得られる新規な懸濁重合法に関し、特に電子写
真用トナーの製造に関する懸濁重合法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粒子自身の機能を利用する粒子工
業の重要性が高まりつつあり、例えば間隙保持剤、滑り
性付与剤、機能性担体、表面活性を有する単分散粒子、
標準粒子、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充
填剤等の分野で応用されている。これらの粒子を重合法
で得るために、種々の方法が知られているが、一般には
乳化重合法あるいは懸濁重合法が用いられている。この
うち、従来技術による懸濁重合法は、単量体組成物、重
合開始剤、着色剤等からなる混合液を水性媒質に全て加
えた後に分散機により懸濁重合する方法が採用され、得
られる重合体粒子が球体であって流動性が優れており、
しかも製造工程が簡略であってコストも低廉という長所
を有するため、例えば電子写真法等に用いられるトナー
の製造に応用することが提案されている(特公昭36−
10231号公報、特公昭47−51830号公報、特
開昭57−53756号公報等)。
【0003】これら従来の重合法トナーにおいては、そ
の定着性能を向上させるために、例えば特公平7−62
765号公報では、パラフィンワックスやカルナウバワ
ックスをトナーに含有している。基本的に、トナーを構
成する主樹脂であるスチレン−アクリル共重合樹脂に非
相溶性のワックスを添加した場合、OHPなどでの光透
過性が劣る。又、重合法トナーにおいては、ワックスは
トナー粒子中で島状に分散しやすく、実質的に定着時に
おいて、トナー粒子と定着ローラー間に滲み出る効率が
悪く、離型効果が低い。このため、トナーへのワックス
含有率は大きく設定する必要が生じ、更に光透過性を低
下する原因となる。
【0004】又、ワックス等の低軟化点化合物を含有す
る場合、耐熱保存安定性が低下し、粒子同士が凝集しや
すくなる。このため、例えば特公平7−31417号公
報では、粒子まわりに環化ゴムなどによるカプセル構造
を導入することで該特性の向上を図っているが、トナー
粒子まわりを更に異種の材質で覆うことで、光透過性の
低下を招く原因となる。このように、低温定着トナーの
実現のためにワックス、あるいはカプセル構造を用いる
場合は、当該目的は達成されるものの、光透過性の低下
を招き、特にフルカラートナーの場合のように、光透過
性を重視する場合は致命的である。
【0005】このような背景から、トナーの離型効果を
高め、しかも透明性を損ねない材料としてトナーに相溶
化が可能なシリコーンオイルを用いることが考えられ
る。しかし、通常の非活性のシリコーンオイルの場合、
トナーに含有して離型性と透明性の両立は図れるもの
の、経時でトナー粒子表面にシリコーンオイルがマイグ
レーションし、トナーの流動性を損なうなど、安定性を
欠く。更にはトナー粒子から脱離したシリコーンオイル
が現像器を汚染し、耐久安定性を損ねる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、トナーの透明性と離型性の両立にある。更に別の目
的は低温定着性と透明性の両立にある。更に別の目的は
トナーの転写性の向上にある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明は、鋭意検討の結果、上
記目的を達成すべくなされたものであって、概略は以下
のとおりである。即ち、本発明は、少なくとも単量体組
成物及び該単量体組成物と重合可能な変性シリコーンオ
イルからなる分散相と、水性媒質からなる連続相とを、
各々独立した槽に保持し、かつそれぞれ独立した経路を
通して、両者を制御された比率で連続的に造粒器に供給
し、所望の大きさの重合性液滴群を有する懸濁液を得る
工程と、該造粒機より該懸濁液を取り出し、重合槽中に
導いて重合反応を完結させて重合体粒子を得る工程とか
らなることを特徴とする懸濁重合法であって、更には、
変性シリコーンオイルが下記化3の一般式(1)又は化
4の一般式(2)で表される有機基を有することを特徴
とする懸濁重合法である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】以下本発明の懸濁重合法を図1、図2を参
照しつつ説明する。まず図1に示すように、水性媒質よ
りなる連続相を入れた連続相槽1と、単量体組成物を主
成分とする分散相を入れた分散相槽2とをそれぞれ定量
ポンプ4,4を介して造粒機5に一定比率で同時に導入
するようにしてあり、ここで剪断力を与えて懸濁液とし
て排出し、凝縮器6を備えた重合槽3に導き、この重合
槽3の周囲に設けられている加熱用ジャケット7により
必要な加熱をして重合反応を完結させ、粒子径の小さ
く、かつ粒度分布の揃った重合体粒子を製造する。本発
明ではこの場合、特に分散相槽2内に変性シリコーンを
混合させることによって、従来技術では得ることができ
なかった耐オフセット性が良好で透明性が優れた重合体
粒子を得るものである。
【0011】なお、本発明で用いられる造粒機5の一例
は、図2に示すとおりで、造粒機5には分散相供給口1
4と連続相供給口13とを有し、両液は剪断領域11に
入る。この剪断領域11には回転軸8により撹拌翼10
が固定されている。撹拌翼10は回転軸8により回転
し、剪断領域11内で懸濁液を剪断力により生成する。
この剪断領域11の端縁部には排出規制用間隙12が設
けられており、この間隙を通過した分散液(懸濁液)が
上部の分散液吐出口9から吐出され、重合槽3に導かれ
るようになっている。
【0012】本発明に用いられる単量体組成物として
は、例えば、下記の如き重合可能な重合性単量体を用い
ることができる。例えばスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルス
チレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、等のスチレン及び
その誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン、等のエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、等
のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル、等の有機酸ビニルエステル類;
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、等のメ
タクリル酸及びその誘導体;アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ク
ロルエチル、アクリル酸フェニル、等のアクリル酸及び
その誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニルエーテル
類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロペニルケトン、等のビニルケトン類;N−ビ
ニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合
物;ビニルナフタリン類、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド等の重合性単量体がある。
これらのモノマーは、単独で、あるいは必要に応じて二
種以上を種々の組成に組み合わせて用いる。又、機能性
を付与する目的で他の材料を分散相中に分散させること
も可能である。その材料としては例えばカーボンブラッ
ク等の各種有機及び無機の顔料、染料、樹脂添加剤、有
機物等が挙げられる。
【0013】本発明において一般式(1)、(2)で示
される有機基を有する変性シリコーンオイルは、例えば
具体的に下記の化5、化6、化7、化8、化9、化1
0、化11及び化12が挙げられるが、これらに限るも
のではない。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】特に上記の一般式(3)〜(10)の中で
は一般式(3)あるいは(9)に示される側鎖反応型の
反応性シリコーンオイルが本発明においては好適に用い
られる。本発明においては従来の電子写真用に用いられ
るトナーにおいて離型剤として一般に用いられるスチレ
ン−アクリル共重合樹脂やポリエステル樹脂などの主樹
脂に対して非相溶性のワックス成分の替わりに、樹脂に
分子レベルで相溶し、かつ、樹脂を構成するモノマーに
重合可能な反応型の変性シリコーンオイルを用いること
により、従来のワックスでは得ることが困難であった透
明性を容易に得ることが可能となったのみならず、シリ
コーンが本来有する顕著な離型効果をも併せてトナーに
付与できるため、従来困難であった透明性と離型性の両
立が可能となった。
【0023】更には、従来の熱ローラー定着方式におけ
る定着エネルギー低減を目的とした低温定着化の課題に
対しては、トナーとして低分子量化は必須要件である
が、この際、内部凝集力の低下に伴うホットオフセット
現象の発生が大きな問題となる。この点に関しても反応
型の変性シリコーンオイルはトナー粒子と定着ローラー
間の離型効果が高いため、全く問題なく低温定着化を可
能ならしめる。
【0024】次に、本発明の更に別の目的として転写性
能の向上が挙げられている。本発明においては、反応型
の変性シリコーンオイル自体が持つ離型効果が高いため
に、転写時における感光体とトナー粒子間の剥離性が良
好であり、高い転写効率を得ることができる。この点に
関しても、従来の主樹脂に対して非相溶性のワックスで
は求められない特性向上を得ることができる。
【0025】本発明において用いられる反応型の変性シ
リコーンオイルは、その構造にビニル系モノマーと反応
可能な有機基を有するために、従来の不活性なシリコー
ンオイルにおいて問題とされた保存期間中や連続使用時
におけるシリコーンオイルのマイグレーションによる流
動性の低下や、トナーから脱離したシリコーンオイルに
よる現像器の汚染などの問題が発生せず、特性変化のな
い安定したトナー特性が得られる。
【0026】更には、主樹脂に対して反応性がない従来
のシリコーンオイルはトナーから脱離して複写機内部材
の汚染が発生し好ましくなかった。この点、特に本発明
の懸濁重合法に用いられる反応型の変性シリコーンオイ
ルはモノマー系と直接的に重合を行い、主樹脂中に良好
に固定化することが可能となった。このため、上記の複
写機汚染のない安定した特性を得ることが可能となっ
た。
【0027】本発明者らの検討によれば、本発明の反応
型の変性シリコーンオイルを従来のトナー用ビニル系ポ
リマー、例えばスチレン−アクリル共重合樹脂に混練粉
砕法を用いてトナーを製造しても、良好なトナー特性を
得ることができることを確認したが、未反応のシリコー
ンオイルによる複写機汚染は避けられなかった。この
点、本発明ではこのような問題点が発生しない。この点
に関する詳細な原因は不明であるが、重合過程において
本発明の反応型変性シリコーンオイルは樹脂中に極めて
良好に重合し、固定化することが可能であるためと思わ
れる。
【0028】本発明において用いられる反応型の変性シ
リコーンオイルの添加量は、好ましくは0.001〜1
0重量%、特に好ましくは0.005〜8重量%、更に
好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。当該範囲
未満ではシリコーンオイルの離型効果が期待できず、
又、10重量%を超えた場合ではモノマー系との反応性
は良好なものの、離型効果が過大となり、例えば2成分
現像剤系においてはキャリアとの、又、非磁性1成分現
像剤系においては層規制部材との摩耗帯電性が低下し、
現像に必要な良好な帯電性が得られない場合がある。
【0029】本発明において連続相は水性媒質よりなる
連続相成分によって形成される。連続相には、懸濁安定
剤を含有させることが好ましい。本発明で用いられる懸
濁安定剤は、その分子中に親水性基と疎水性基を有する
水溶性ポリマーが多く用いられている。懸濁安定剤は親
水性基として水酸基、カルボキシル基及びその塩、スル
ホン基及びその塩等の極性基を有し、疎水性基として、
脂肪族及び芳香族等の無極性基で構成されており、造粒
工程により形成された単量体組成物粒子の合一を防ぎ、
安定化する機能を有する化合物である。
【0030】このような懸濁安定剤は、例えば、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルハイドロキシプロピルセルロース、エチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、
ポリ(メタ)アクリル酸及びそれらの塩等が用いられて
いる。又そのほかにもリン酸カルシウム、澱粉末、シリ
カ等の無機粉体もしばしば用いられている。これらの懸
濁安定剤は、重合中は、液滴表面を被覆して液滴の合
一、集塊を防止する機能を有している。更に懸濁安定剤
の助剤として界面活性剤、例えばドデシルスルフォン酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
などを加えることも可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】実施例1 連続相としてポリビニルアルコール(東京化成社製、重
合度約2000、ケン化度約80%)を水に対して1
%、硫酸ナトリウムを水に対して3%の水溶液となるよ
う調製し、図1に示す連続相槽1に入れた。又、分散相
としてスチレン4000g、及びアクリル酸ブチル10
00gからなる単量体組成物に2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル15gを溶解させた混合液を調製し、こ
の混合液に銅フタロシアニンブルー(三洋色素社製 商
品名KRG)300gを分散させた。更にこの混合液に
下記構造式(1)で示される鉄錯体化合物200g及
び、構造式(2)で示される本発明の変性シリコーンオ
イル50gを加え超音波分散機により30分間分散させ
た。この混合液を図1に示す分散相槽2に入れた。
【0032】次に、分散相を100ml/分の流量、連
続相を400ml/分の流量で10分間造粒機5に供給
した。造粒機5は50mmの直径の回転部を有するもの
を使用し、10000rpmの条件にて前記分散相と連
続相との混合液を撹拌した。造粒機5を通過した分散液
を、タービン型撹拌翼で300rpmで撹拌しながら図
1に示す重合槽3中に導き、8時間反応させた。その
後、重合体粒子を遠心脱水機により分離し、更に充分水
洗した後乾燥させ、本発明による重合体粒子を得た。次
に該重合体粒子2000gに対し、流動性向上剤として
疎水性シリカ(ヘキスト社製 商品名:H−2000/
4)を10g添加し、ヘンシェルミキサーで2分間撹拌
して本発明による重合体粒子からなる電子写真用トナー
を得た。
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】実施例2 実施例1と同様にトナーを作製した。但し、変性シリコ
ーンオイルの添加量を5gとした。
【0036】実施例3 実施例1と同様にトナーを作製した。但し、変性シリコ
ーンオイルの添加量を200gとした。
【0037】比較例1 実施例1と同様にトナーを作製した。但し、変性シリコ
ーンオイルを用いず、下記構造式(3)のジメチルポリ
シロキサン構造を有するシリコーンオイルを50g添加
した。
【0038】
【化15】
【0039】比較例2 本発明の変性シリコーンオイルを用いず、実施例1と同
様にトナーを作製した。
【0040】比較例3 本発明の変性シリコーンオイルの替わりにポリプロピレ
ンワックス(商品名:ビスコール660P 三洋化成社
製)を100g添加した他は、実施例1と同様にしてト
ナーを作成した。
【0041】実施例4 実施例1において、構造式(2)の変性シリコーンオイ
ルの替わりに構造式(4)の変性シリコーンオイルを5
0g使用した。
【0042】
【化16】
【0043】実施例5 実施例1において構造式(2)の変性シリコーンオイル
の替わりに、構造式(5)の変性シリコーンオイルを5
0g使用した。
【0044】
【化17】
【0045】以上で得られた実施例及び比較例のトナー
を各60gと、フェライトキャリア(パウダーテック社
製 商品名FH37−2535)1140gとをV型混
合機を用いて30分間撹拌して電子写真用2成分現像剤
を調製し、市販の複写機にて未定着画像をサンプリング
した。得られた未定着画像を用いて、別に準備した温度
可変の熱ローラー定着器で、定着オフセット範囲を調べ
た。定着スピードは150mm/secとした。又、上
記と同じ複写機を用いて、OHPシートへの転写、定着
を行い、透明性を調べた。その結果は表1及び表2に示
すとおりである。
【0046】<定着オフセット性>
【0047】
【表1】
【0048】<透明性>
【0049】
【表2】
【0050】<耐久安定性>次に実施例1〜5、比較例
1〜3のトナーを上記と同様の市販の複写機を用いて連
続撮像による耐久性試験を実施し、その結果を表3に示
した。なお、表中のIDはベタ画像部をマクベス反射濃
度計RD−914で測定した反射濃度であり、BGは非
画像部を日本電色工業社製のカラーメーターZE200
0で測定した結果である。
【0051】
【表3】
【0052】上記のとおり、本発明の反応型の変性シリ
コーンオイルを用いた実施例1〜5のトナーに対し、反
応性のない単なるジメチルシリコーンオイルを用いた比
較例1は、透明性、定着オフセット性は比較的良好なも
のの、耐久安定性が劣る結果であった。5000枚後の
現像器を清掃したところ、シリコーンオイルの脱離に由
来する機内添汚が確認された。
【0053】次にシリコーンオイル等の離型剤を用いな
い比較例では、透明性、耐久安定性は比較的良好なもの
の、定着オフセット性は劣る結果であった。次にシリコ
ーンオイルの替わりに主樹脂に非相溶のポリプロピレン
ワックスを用いた比較例3は透明性が不充分な結果であ
った。一方、実施例のトナーは定着オフセット性、透明
性、耐久安定性共に満足する結果が得られたことから本
発明の優位性が立証できた。
【0054】
【発明の効果】本発明の懸濁重合法によれば、定着オフ
セット性、透明性、耐久安定性を十分に満足する電子写
真トナー用途の機能を有する重合体粒子を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる重合装置の一例を示
す説明図である。
【図2】本発明において用いられる造粒機の一例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 連続相槽 2 分散相槽 3 重合槽 4 定量ポンプ 5 造粒機 6 凝縮器 7 加熱用ジャケット 8 回転軸 9 分散液吐出口 10 撹拌翼 11 剪断領域 12 排出規制用間隙 13 連続相供給口 14 分散相供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥川 克弘 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 黒崎 雅有 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AC06 JA04 JA06 JA07 JA08 JA13 JB16 PA99

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも単量体組成物及び該単量体組
    成物と重合可能な変性シリコーンオイルからなる分散相
    と、水性媒質からなる連続相とを、各々独立した槽に保
    持し、かつそれぞれ独立した経路を通して、両者を制御
    された比率で連続的に造粒器に供給し、所望の大きさの
    重合性液滴群を有する懸濁液を得る工程と、該造粒機よ
    り該懸濁液を取り出し、重合槽中に導いて重合反応を完
    結させて重合体粒子を得る工程とからなることを特徴と
    する懸濁重合法。
  2. 【請求項2】 変性シリコーンオイルが下記一般式
    (1)又は(2)で表される有機基を有することを特徴
    とする請求項1記載の懸濁重合法。 【化1】 【化2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014009205A1 (de) 2012-07-11 2014-01-16 Wacker Chemie Ag Vernetzbare siloxane durch säurekatalysierte polymerisation von oxasilacyclen
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