JP2000185270A - 生ごみ処理機 - Google Patents

生ごみ処理機

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JP2000185270A
JP2000185270A JP10364562A JP36456298A JP2000185270A JP 2000185270 A JP2000185270 A JP 2000185270A JP 10364562 A JP10364562 A JP 10364562A JP 36456298 A JP36456298 A JP 36456298A JP 2000185270 A JP2000185270 A JP 2000185270A
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Japan
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catalyst
garbage
catalyst device
catalyst layer
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JP10364562A
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English (en)
Inventor
Koichi Nakano
幸一 中野
Tadami Suzuki
忠視 鈴木
Yoshifumi Moriya
好文 守屋
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性が優れかつ臭気低減効果の大きな生ご
み処理機を提供する。 【解決手段】 処理中に生ごみから発生する排気に含ま
れる臭気を脱臭する触媒装置(図示せず)を、絶縁性平
板22と波板状にかつエキスパンド加工された金属製の
基材21とを互いに積層し巻回して形成された基材完成
品20と、前記基材完成品20の表面にアンダーコート
層と、触媒層を順に形成し、さらに前記基材21に通電
して触媒層を加熱するようにして臭気成分を分解するよ
うにしたもので、基材21に通電することで、基材21
自体が発熱体となり、間接的な加熱に比べて熱的なエネ
ルギーのロスがなく基材21は触媒活性温度に早く到達
することができる。また、基材21が金属製なので、熱
伝導度が極めて大きく、迅速に温度が上昇することにな
り、臭気低減に優れた生ごみ処理機を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱などの手段に
より生ごみを乾燥処理する際に発生する臭気成分を、触
媒により分解して脱臭する触媒装置を備えた生ごみ処理
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加熱、乾燥手段で生ごみを乾燥処理する
従来の生ごみ処理機においては、処理中の生ごみから発
生するガスが悪臭や不快臭となるため、排気経路に配置
されセラミック担体を用いたハニカム状の酸化触媒を、
外部から加熱することにより触媒活性を与え、悪臭や不
快臭を酸化分解することによって、臭気の低減をはかっ
ていた。
【0003】ここで触媒としては上記のようにハニカム
形状に成形し焼結したセラミックを担持体として、その
表層に活性アルミナ等の無機微粒子と貴金属類とを混合
したスラリーを焼結、担持したものが一般的である。ま
た、そのほかにもセラミック繊維堆積ペーパーのハニカ
ム成形体に酸化マンガンを主体とする成分を吸着担持し
たもの等も存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の触媒脱
臭装置ではセラミックを担体とするため、熱容量が大き
く、熱伝導度が小さいので、触媒を活性温度とするのに
時間を要し、迅速性に欠けていた。このため、本体を作
動させ臭気ガスが発生していても、触媒が活性温度に到
達していなければ、未分解臭気成分や、分解途中の中間
生成物である酢酸やホルマリン等が排出され、臭気が低
減されないものであった。
【0005】また、触媒を間接的にヒータ等の加熱手段
で加熱するため、触媒の温度不均一も生じ必要性能を得
るには熱的なエネルギーロスも少なくないものであり、
省エネルギーの観点からも好ましいものではなかった。
【0006】本発明は上記課題を解決しようとするもの
であり、熱容量が小さく昇温迅速性、酸化分解性能を向
上させることにより臭気の低減を図り、また、熱効率を
高めエネルギーロスを抑えることにより省エネルギーを
図り、さらには安全で高性能な脱臭能力をもつ触媒脱臭
装置を有する生ごみ処理機を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、処理時に生ごみから発生する排気を排出す
る排気経路の途中に配された触媒装置を、絶縁性平板と
波板状にかつエキスパンド加工された金属製の基材とを
互いに積層し巻回して形成された基材完成品と、前記基
材完成品の表面に順に形成されたアンダーコート層と、
触媒層で形成し、さらに前記基材に通電して触媒層を加
熱するようにしたもので、基材に通電することで、基材
自体が発熱体となるため、間接的な加熱に比べて熱的な
エネルギーのロスがなく、基材は触媒活性温度に早く到
達することができる。また、基材が金属製なので、熱伝
導度が極めて大きく、迅速に温度が上昇することにな
り、臭気低減に優れた生ごみ処理機を提供することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、生ごみを
収納する処理容器と、処理時に生ごみから発生する排気
を排出する排気経路と、前記排気経路の途中に配された
触媒装置を備え、前記触媒装置を、絶縁性平板と波板状
にかつエキスパンド加工された金属製の基材とを互いに
積層し巻回して形成された基材完成品と、前記基材完成
品の表面に順に形成されたアンダーコート層と、触媒層
で形成し、さらに前記基材に通電して触媒層を加熱する
ようにしたもので、基材に通電することで、基材自体が
発熱体となるため、間接的な加熱に比べて熱的なエネル
ギーのロスがなく、基材は触媒活性温度に早く到達する
ことができる。また、基材が金属製なので、熱伝導度が
極めて大きく、迅速に温度が上昇することになり、臭気
低減に優れた生ごみ処理機を提供することが出来るもの
である。又、基材をエキスパンド加工することにより、
排気が通過するとき排気と触媒との接触、拡散の繰り返
しが確実に起こり触媒との接触効率が良好となる。
【0009】本発明の請求項2記載の発明は、基材を加
熱不動態膜を有するステンレス材料で形成したもので、
耐久性が優れ、また固有抵抗が高い発熱体として有用な
ものである。
【0010】本発明の請求項3記載の発明は、触媒装置
を、電気絶縁材料でかつ難湿性の材料よりなるシートを
介在させて排気経路に取着したもので、直接通電される
基材を有する触媒装置と生ごみ処理機本体との電気的絶
縁が確実に確保されるものである。
【0011】本発明の請求項4記載の発明は、請求項3
記載の発明に加え、シートを加熱する加熱手段を備えた
もので、仮に、シートに水蒸気が凝結し絶縁性能が多少
低下しても、加熱手段でシートを加熱することで、シー
トに吸湿された水分を蒸発させて、絶縁性能を回復させ
ることができる。
【0012】本発明の請求項5記載の発明は、触媒装置
を通気方向に直列に分割して配置し、少なくとも排気の
最上流側の触媒装置に通電して触媒層を加熱するように
したもので、最上流側の触媒装置は電源投入により触媒
活性温度まで迅速に上がり、一方下流側の触媒装置は通
電しなくても、上流側の触媒装置からの熱伝達および輻
射により温度が上がり、複数の触媒装置で構成し、個々
に通電するときよりも、熱を効果的に利用でき、結果と
して同等の脱臭性能を得るのに、エネルギーを少なく抑
えることができる。
【0013】本発明の請求項6記載の発明は、アンダー
コート層をアルミニウムと、セリウムと、バリウムを含
有する焼結酸化物で形成したもので、その焼結体である
酸化アルミニウム、セリウムの複合酸化物によって基材
との相互密着性が向上し、アンダーコート層が強固に密
着保持し続け、耐久性に富む触媒装置とすることができ
る。またバリウムを含有することにより、上記の高密着
性に加え、従来の酸化マンガン触媒で転化不良のために
発生していた酢酸臭気の発生を特に低減し、さらに浄
化、脱臭性能の良好なものとすることができる。
【0014】本発明の請求項7記載の発明は、触媒層を
白金、パラジウムの少なくとも一方を含有する貴金属で
形成したもので、白金、パラジウムは貴金属触媒として
高活性を有し、臭気成分である低沸点分子を酸化分解す
るのに最も効果的であり、さらに臭気低減が可能となる
ものである。
【0015】
【実施例】(実施例1)以下本発明の第一の実施例につ
いて図1〜8を参照しながら説明する。
【0016】図1は生ごみ処理機の部分概略を示すもの
で、1は生ごみを収納する処理容器で、2は前記処理容
器1と外気を連通する排気経路で、3は前記排気経路2
の途中に設けられた触媒装置収納部であり略円筒状にに
形成されている。4はシート状のセラミックペーパーか
らなる絶縁シートでありここでは円周方向への排気のリ
ークを防ぐパッキン材を兼ねている。
【0017】5は絶縁シート4を介在して、触媒装置収
納部3に収納された触媒装置であり、やはり円筒形状を
している。6は触媒装置収納部3の外側に巻かれた20
0Wのリボンヒータであり、ここでは絶縁シート4の加
熱手段として用いている。なお図中の矢印は、処理容器
1内の生ごみから発生する臭気を含む排気の流れを表し
ている。
【0018】図2は、触媒装置5の作成途中の基材21
の形状を示すものである。図2において、21は金属薄
板の基材であるが以下のようにして加工されたものであ
る。
【0019】まず、基材21の材質としては、耐久性が
優れたまた固有抵抗が高く発熱体として有用なNi−C
r系耐熱鋼、Fe−Cr−Al系耐熱鋼が適している。
本実施例では、基材21の表面に設ける後述のアンダー
コート層、触媒層の熱膨張係数と整合させるために、厚
さ0.1mmのFe−Cr−Al耐熱鋼(NTK N
O.4L日本金属工業製)を用いた。
【0020】上記耐熱鋼から成る基材21に、Lw3m
m、Sw2mmのエキスパンド加工を施した。
【0021】次に、このエキスパンド加工した基材21
を、950℃の空気雰囲気中で焼鈍処理を施した。これ
は、焼鈍させ表面に緻密な不動態被膜を形成させること
により、さらに耐久性を高めることができるためであ
る。また、950℃としたのは発明者らの試験結果によ
れば、900℃以下では酸化皮膜の形成量が不十分であ
り耐久性が低下し、1000℃を越えると結晶粒が成長
しすぎて脆くなり、強度が不十分となるためである。
【0022】さらに、このエキスパンド加工した基材2
1を、幅70mm、長さ500mmの形状に裁断し、図
示されるように、それに波板加工を施した。本実施例で
は、前記波板形状を高さを略3mm、各山間のピッチを
略2mmとした。
【0023】図2に示されるように、基材21の長手方
向の両端には電極端子23、24が取り付けられてい
る。22は厚さ0.5mmのシート状セラミックペーパ
ーからなる絶縁性平板である。
【0024】次にこの基材21と絶縁性平板22を1層
ずつ積層して巻回して、外径略50mm、高さ70mm
の円筒形状の基材完成品20を得た。このとき基材21
の層間は絶縁性平板22により絶縁されているため、巻
回しても積層間で短絡が起こる事が無く、両電極には巻
き方向にのみ電圧がかかるので、発熱させるのに十分な
抵抗値が確保されるものである。
【0025】次に、基材完成品20の表面に以下に述べ
るアンダーコート層32を形成させる。
【0026】最初に、アンダーコート層32の材料とな
るアンダーコートスラリーを、以下に説明する焼結酸化
物を用いて製造する。
【0027】水酸化アルミニウム720重量部、硝酸セ
リウム6水和物217重量部、炭酸バリウム38重量
部、イオン交換水1520重量部を撹拌、混合し100
℃で乾燥させた後、1000℃で60分間焼結した後、
粉砕する。こうして得られた焼結酸化物を400重量
部、硝酸アルミニウム9水和物50重量部、コロイド状
アルミナ80重量部、イオン交換水460重量部を混合
した後、ボールミルで粉砕し、粘度105cP、平均粒
径4.1μmに調整したものをアンダーコートスラリー
とした。
【0028】前記基材完成品20を、上記アンダーコー
トスラリー液に浸して、各部の表面に前記アンダーコー
トスラリーを約5.0g付着させた後、130℃の温度
で20分間乾燥させ、さらに600℃で20分焼成し
て、基材完成品20の表面にアンダーコート層32を形
成した。
【0029】次に、4.5wt%のジニトロジアミンパ
ラジウム硝酸水溶液と同じく4.5wt%のジニトロジ
アミン白金硝酸水溶液を1対1の割合で混合し、5.0
gをアンダーコート層32の表面に塗布し、この後13
0℃で20分間乾燥後、600℃で20分間焼成して、
触媒層33を形成した。
【0030】以上のようにして、基材完成品20の表面
にアンダーコート層32,触媒層33を形成した。ここ
でアンダーコート層32は、基材21と触媒層33のつ
なぎの働きをしており、基材21上に触媒層33を強固
にとどめるもので、その模式図を図3に示す。
【0031】次に、上記構成を有する触媒装置5を生ご
み処理機に組み込み、脱臭性能を評価するために行った
実験とその結果を示す。なお、生ごみ処理機本体とし
て、松下電器産業株式会社より販売されているMS−N
10型を用いた。
【0032】(実験例1)基本的な脱臭性能をみるた
め、触媒装置を備えた排気経路のみを取り出し、標準ガ
スの除去性能を調べた。標準ガスとしては野菜などから
発生する臭気成分である硫化ジメチル((CH3)2S)を空
気で希釈し、500ppmの濃度としたものを用いた。
【0033】このときの空間速度(SV)は実際の生ご
み処理機と同レベルの5000(h -1)として、触媒前
後の硫化ジメチル濃度をガスクロマトグラフのFIDを
用いて調べその除去率を、投入電力ごとに調べた。
【0034】このときの対照実験として、同体積、同形
状を有する従来のセラミックハニカムに同成分、同量の
触媒を担持したものを用い、ハニカムの前段にシーズヒ
ータを装着して同様に投入電力ごとに調べた。なお両実
験とも、外部は断熱材を巻いて、外部への熱放散は極力
なくした。
【0035】結果を図4に示す。図4より本実験例では
約160W投入で99.5%の除去率を得たが、対照実
験のものは同除去率を得るのに約220W必要であり、
ハニカム触媒に比べて25%以上のエネルギーの削減と
なった。
【0036】これは、間接加熱では温度の不均一など熱
的なロスが生じるのに対して、本実施例の直接加熱では
ロスが低減されることを示している。
【0037】ここでは波板状でエキスパンド加工された
基材21とセラミックペーパーからなる絶縁平板22を
積層・巻回して形成された基材完成品20を用いたが、
この構成とすることにより、各基材20間に絶縁平板2
2があるため基材21間での短絡がないため発熱に十分
な抵抗値を確保することが可能となり、基材21全体が
有効に発熱し、また、外径形状が円筒形状であるため、
排気流が基材21間をスムーズに流れ、また、波板状に
エキスパンド加工をしているので、排気流と触媒との接
触、拡散が最も効率的に行われているものである。
【0038】ここでは触媒装置収納部3の断面形状が円
形であるため、それに合わせて基材完成品20の断面形
状も円形としたが、円形以外でも、図5(A)のように
断面形状を楕円形状のものや、または巻回せず、図5
(B)のように上記の積層をつづら折りしたものでも、
上記と同様の効果が得られるものである。
【0039】(実験例2)実験例2では、触媒装置5の
温度の立ち上がり状況を調べた。
【0040】本実験例、対照実験とも200Wの加熱容
量を有する加熱手段6を用いて、触媒装置5の中心部の
温度を調べた。結果を示す図6からも明らかなように、
本実施例の触媒装置5の中心温度が400℃に到達する
のに、電源投入直後から1分もかからなかったが、対照
実験では5分以上要した。
【0041】これはセラミックハニカム基材の熱容量
は、金属製の基材に比べ大きく、逆に熱伝導、熱伝達は
極めて小さいことを示しており、触媒が活性温度となる
までに時間が長くその間排気の臭気は低減できなかった
ものが、本実施例によれば、触媒が活性温度となるまで
に時間が極めて短くなるので、臭気も迅速に低減できる
ものである。
【0042】(実験例3)本発明の請求項2記載の発明
の効果を示す実験例を以下に示す。
【0043】触媒装置5本体を用い耐食実験を行った。
耐食実験として、5%の塩水噴霧1時間、200℃12
時間、70℃相対湿度90%11時間を1サイクルとし
て100サイクル後の様子を観察した。
【0044】本実施例では950℃の空気雰囲気中で焼
鈍処理を施したものであるが、対照実験としては焼鈍処
理を行わなかったものを用いた。
【0045】本実施例のものでは何ら変化は認められな
かったが、対照実験品は触媒が数カ所はがれ、内部から
腐蝕が起こっていた。このように焼鈍処理を行えば、さ
らに耐食性、耐食性が増大するものである。 (実験例4)次に、本発明の請求項3記載の発明の効果
を示す実験例を以下に示す。
【0046】標準的な生ごみを用いて、生ごみ処理機本
体を作動させて電気的絶縁実験を行った。
【0047】ここで標準生ごみとして、キャベツ150
g、みかん150g、ごはん150g、鶏肉150g、
しょうゆ20g、ウスターソース20g、サラダオイル
20g、ドレッシング20g、さとう20gの計700
gを1回分の処理量として用いた。
【0048】実験方法は、最初に完全に乾燥させた生ご
み処理機の筐体部(図示せず)と基材完成品20に設け
られた充電部(電極端子23,24)との間を500V
での絶縁抵抗を計測し、その後標準生ごみを投入し、乾
燥処理する。
【0049】処理終了後の500Vの絶縁抵抗の経時変
化をみる。絶縁シート4として、吸水率が0.1%であ
る厚さ0.5mmのガラスクロス基材に無機系耐熱ワニ
スを含浸させたシート材(菱電化成製 SGX−77
7)を用いた。
【0050】対照実験として、吸水率が10%以上であ
る厚さ0.5mmのセラミックペーパーを用いた。実験
結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示されるように、吸湿量の大きいセ
ラミックペーパーでは処理後すぐに絶縁性能が落ち、そ
れが回復するまでに長時間要するが、吸湿の少ないSG
X−777では、やや絶縁抵抗は落ちるものの実用上問
題ないことが示される。 (実験例5)本発明の請求項4記載の発明による効果を
検証するための実験例を以下に示す。
【0053】絶縁シート4に、セラミックペーパーを用
いると、上述の実験例4に示すように吸湿するため絶縁
性能が低下するが、図1に示された加熱手段6としてに
リボンヒーターを使用し、それに通電させ加熱すること
で、吸湿した絶縁シート4から水分を蒸発させて、再生
することが出来る。
【0054】そして実験例4と同様に500V印加時の
絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、このときは終了
後の処理残差を処分し、また1時間経過して水分の発生
がなくなってから加熱を始めた。その結果を表2に示
す。
【0055】
【表2】
【0056】上記のように、吸湿量の大きいセラミック
ペーパーでは処理後すぐに絶縁性能は低下するが、表2
に示されるように、加熱手段6に電源を投入して加熱す
ると、10分以内で再生する事が示されている。
【0057】本実施例では加熱手段として200Wのリ
ボンヒータを用いたが、その他の加熱手段でもかまわな
いものである。
【0058】よって、加熱手段6を用いれば、ある程度
吸湿性のあるシートを絶縁シートとして用いることも可
能となるが、吸湿性の少ないシートと併用すればさらに
効果があがるものである。
【0059】また、このときは、再生してから本体の処
理電源が入る回路構成とすることが必要となる。 (実験例6)本発明の請求項5記載の発明の効果を検証
する実験例を以下に示す。
【0060】本実施例では直径50mm、高さ70mm
の基材完成品20としたが、図7に示すように、本実験
例では同様の作成方法で直径50mm、高さ35mmの
基材完成品を2個作成し触媒装置A71,触媒装置B7
2とし、間を5mm程開けて排気の上流側に触媒装置A
71、下流側に触媒装置B72が配されるように直列に
触媒装置収納部3に収納するものである。
【0061】そして触媒装置A71のみが電源に接続さ
れている。なお図7では加熱手段等は省略している。
【0062】実験例1と同様に、触媒装置を備えた排気
経路のみを取り出し、標準ガス(硫化ジメチル 100
ppm)の除去性能を調べた。空間速度(SV)も同様
に5000(h-1)として、触媒前後の硫化ジメチル濃
度をガスクロマトグラフのFIDを用いて調べその除去
率を、投入電力ごとに調べた。
【0063】対照実験として実験例1をそのまま用い
る。結果を図8に示す。図8より実験例1つまり、触媒
装置5単体のものは99.5%以上の除去率となるのに
約160W要するが、本実験例つまり触媒装置5を2分
割して触媒装置A71、触媒装置B72とし、上流側の
触媒装置A71のみに通電すれば同除去率とするのに、
約130W要するのにとどまり、15%以上のエネルギ
ー削減となる。
【0064】これは、前段である触媒装置A71に通電
すれば、下流側の触媒装置B72は輻射、および排気流
による熱伝達により熱を受け取るためであり、1個の触
媒装置を用いてその全体を発熱させるよりもさらに熱的
なエネルギー効率がよくなることを示している。
【0065】なお本実施例では、触媒装置を2分割し
て、前段のみに通電したが、SVや水蒸気の有無などの
個々の条件により、さらに複数に分割し、各ユニットを
最適な電力で加熱しても良い。 (実験例7)本発明の請求項6記載の発明の効果を検証
する為の実験例を示す。
【0066】耐久性能をみるため400Wの連続通電を
行った。対照実験としては、水酸化アルミニウム、硝酸
セリウム、炭酸バリウムの焼結酸化物を添加しないアン
ダーコートスラリーを用いたものとした。
【0067】対照実験のものは500時間経過後で、ア
ンダーコート層を含む触媒層の剥離が数カ所見られた
が、アルミニウム、セリウムとバリウムを含有する焼結
酸化物からなるアンダーコート層を用いた本実施例のも
のでは、2000時間経過後でも触媒層に何ら変化が見
られなかった。
【0068】上記結果からも明らかなように、水酸化ア
ルミニウム、硝酸セリウム、炭酸バリウムの焼結酸化物
がアンダーコートも密着性、耐久性に効果があることが
示される。 (実験例8)さらに本発明の請求項6記載の発明の効果
を示す実験例を示す。
【0069】生ごみ処理機本体を用いて、実際に標準生
ごみを処理したときの排気を評価した。対照実験として
は炭酸バリウムのみ添加しないアンダーコートスラリー
を用いて調整したものを用いた。
【0070】処理開始から約1時間後に排気の酢酸濃度
を検知管で調べた。本実施例では検知されなかったが、
対照実験品ではわずかに変色し0.5ppm程度検知さ
れた。
【0071】また同様に処理開始から約1時間後に、排
気を3リットルのにおい袋にサンプリングし、パネル6
名ににおいをかいでもらい、そのときのにおいの質を回
答してもらった。
【0072】対照実験品では「すっぱい」と回答したも
のが3名いたが、バリウムを含有する焼結酸化物からな
るアンダーコート層を用いた本実施例のものでは、「酸
っぱい」と回答した人はいなかった。
【0073】以上から、バリウムを配合すれば酢酸臭に
対して顕著な効果が認められるものである。 (実験例9)本発明の請求項7記載の発明の効果を示す
実験例を示す。
【0074】生ごみ処理機本体を用いて、実際に標準生
ごみを処理したときの排気を官能評価した。脱臭装置へ
の投入電力は400Wとした。対照実験としては白金の
み、パラジウムのみ、また酸化マンガン触媒を担持した
脱臭装置を用いた。
【0075】処理開始から約1時間後に、排気を3リッ
トルのにおい袋にサンプリングし、パネル6名ににおい
をかいでもらい、そのときの6段階臭気強度を回答して
もらった。6段階臭気強度は、0:無臭、1:においが
あるのがかすかにわかる、2:何のにおいかやっとわか
る:3何のにおいか楽にわかる、4:強いにおい、5:
強烈なにおい、の6段階でにおいの強度を示したもので
ある。
【0076】触媒層に白金、パラジウムを含有させた本
実施例では、臭気強度を上下カットして平均をとった結
果、2.0であり、一方対照実験では白金のみの場合が
1.8、パラジウムのみの場合が2.1、酸化マンガン
のみの場合では2.9であった。1ランク程度、明らか
に臭気強度に差があり白金、パラジウムが脱臭効果に大
きく効果を示していることが示されている。
【0077】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明によれば、
生ごみを収納する処理容器と、処理時に生ごみから発生
する排気を排出する排気経路と、前記排気経路の途中に
配された触媒装置を備え、前記触媒装置を、絶縁性平板
と波板状にかつエキスパンド加工された金属製の基材と
を互いに積層し巻回して形成された基材完成品と、前記
基材完成品の表面に順に形成されたアンダーコート層
と、触媒層で形成し、さらに前記基材に通電して触媒層
を加熱するようにしたもので、基材に通電することで、
基材自体が発熱体となるため、間接的な加熱に比べて熱
的なエネルギーのロスがなく基材は触媒活性温度に早く
到達することができる。また、基材が金属製なので、熱
伝導度が極めて大きく、迅速に温度は上昇することにな
り、臭気低減に優れた生ごみ処理機を提供することが出
来るものである。又、基材をエキスパンド加工すること
により、排気が通過するとき排気と触媒との接触、拡散
の繰り返しが確実に起こり触媒との接触効率が良好とな
る。
【0078】本発明の請求項2記載の発明によれば、基
材を加熱不動態膜を有するステンレス材料で形成したも
ので、耐久性が優れ、また固有抵抗が高い発熱体として
有用なものである。
【0079】本発明の請求項3記載の発明によれば、触
媒装置を、電気絶縁材料でかつ難湿性の材料よりなるシ
ートを介在させて排気経路に取着したもので、直接通電
される基材を有する触媒装置と生ごみ処理機本体との電
気的絶縁が確実に確保されるものである。
【0080】本発明の請求項4記載の発明によれば、請
求項3記載の発明に加え、シートを加熱する加熱手段を
備えたもので、仮に、シートに水蒸気が凝結し絶縁性能
が多少低下しても、加熱手段でシートを加熱すること
で、シートに吸湿された水分を蒸発させて、絶縁性能を
回復させることができる。
【0081】本発明の請求項5記載の発明によれば、触
媒装置を通気方向に直列に分割して配置し、少なくとも
排気の最上流側の触媒装置に通電して触媒層を加熱する
ようにしたもので、排気最上流側の触媒装置は電源投入
により触媒活性温度まで迅速に上がり、一方下流側の触
媒装置は通電しなくても、上流側の触媒装置からの熱伝
達および輻射により温度が上がり、複数の触媒装置で構
成し、個々に通電するときよりも、熱を効果的に利用で
き、結果として同等の脱臭性能を得るのに、エネルギー
を少なく抑えることができる。
【0082】本発明の請求項6記載の発明によれば、ア
ンダーコート層をアルミニウムと、セリウムと、バリウ
ムを含有する焼結酸化物で形成したもので、その焼結体
である酸化アルミニウム、セリウムの複合酸化物によっ
て基材との相互密着性が向上し、アンダーコート層が強
固に密着保持し続け、耐久性に富む触媒装置とすること
ができる。またバリウムを含有することにより、上記の
高密着性に加え、従来の酸化マンガン触媒で転化不良の
ために発生していた酢酸臭気の発生を特に低減し、さら
に浄化、脱臭性能の良好なものとすることができる。
【0083】本発明の請求項7記載の発明によれば、触
媒層を白金、パラジウムの少なくとも一方を含有する貴
金属で形成したもので、白金、パラジウムは貴金属触媒
として高活性を有し、臭気成分である低沸点分子を酸化
分解するのに最も効果的であり、さらに臭気低減が可能
となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す生ごみ処理機の部
分概略図
【図2】同生ごみ処理機の基材完成品の構成を示す図
【図3】同基材完成品の部分拡大図
【図4】同生ごみ処理機による脱臭効果を示す特性図
【図5】(A)同生ごみ処理機の基材完成品の他の例を
示す斜視図 (B)同生ごみ処理機の基材完成品の他の例を示す斜視
【図6】同生ごみ処理機の実験例2の結果を示す特性図
【図7】同生ごみ処理機の実験例6を実施したときの概
略を示す図
【図8】同生ごみ処理機の実験例6の時の効果を示す特
性図
【符号の説明】
1 処理容器 2 排気経路 4 絶縁シート 5 触媒装置 6 加熱手段 21 基材 22 絶縁性平板 32 アンダーコート層 33 触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 好文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA03 CA22 CA42 CA48 CB32 CB43 CB50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生ごみを収納する処理容器と、処理時に
    生ごみから発生する排気を排出する排気経路と、前記排
    気経路の途中に配された触媒装置とを備え、前記触媒装
    置を、絶縁性平板と波板状にかつエキスパンド加工され
    た金属製の基材とを互いに積層し巻回して形成された基
    材完成品と、前記基材完成品の表面に順に形成されたア
    ンダーコート層と、触媒層で形成し、さらに前記基材に
    通電して触媒層を加熱するようにした生ごみ処理機。
  2. 【請求項2】 基材を加熱不動態膜を有するステンレス
    材料で形成した請求項1記載の生ごみ処理機。
  3. 【請求項3】 触媒装置を、電気絶縁材料でかつ難湿性
    の材料よりなるシートを介在させて排気経路に取着した
    請求項1又は2記載の生ごみ処理機。
  4. 【請求項4】 シートを加熱する加熱手段を備えた請求
    項3記載の生ごみ処理機。
  5. 【請求項5】 触媒装置を通気方向に直列に分割して配
    置し、少なくとも排気の最上流側の触媒装置に通電して
    触媒層を加熱する請求項1〜4のいずれか一項記載の生
    ごみ処理機。
  6. 【請求項6】 アンダーコート層をアルミニウムと、セ
    リウムと、バリウムを含有する焼結酸化物で形成した請
    求項1から5のいずれか1項記載の生ごみ処理機。
  7. 【請求項7】 触媒層を白金、パラジウムの少なくとも
    一方を含有する貴金属で形成した請求項1〜7記載のい
    ずれか1項記載の生ごみ処理機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101542254B1 (ko) * 2008-08-14 2015-08-06 코웨이 주식회사 촉매방식 음식물처리기용 탈취필터

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