JP2000183443A - スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法 - Google Patents

スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000183443A
JP2000183443A JP10360100A JP36010098A JP2000183443A JP 2000183443 A JP2000183443 A JP 2000183443A JP 10360100 A JP10360100 A JP 10360100A JP 36010098 A JP36010098 A JP 36010098A JP 2000183443 A JP2000183443 A JP 2000183443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
semiconductor
region
layer
spot size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10360100A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4100792B2 (ja
Inventor
Shusuke Kasai
秀典 河西
Atsushi Shimonaka
淳 下中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP36010098A priority Critical patent/JP4100792B2/ja
Priority to US09/466,174 priority patent/US6865207B1/en
Publication of JP2000183443A publication Critical patent/JP2000183443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4100792B2 publication Critical patent/JP4100792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/10Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
    • G02B6/12Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
    • G02B6/122Basic optical elements, e.g. light-guiding paths
    • G02B6/1228Tapered waveguides, e.g. integrated spot-size transformers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ領域と光導波路領域との接合面
で半導体層が斜めに形成され、また、半導体レーザのビ
ーム径と光導波路の固有モードのビーム径が不一致であ
るため、ロスが多い。 【解決手段】 半導体基板上に、少なくとも、端面出射
型半導体レーザ領域と、光導波路領域とを、横方向に集
積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置にお
いて、前記半導体レーザ領域と前記光導波路領域との接
合領域に、半導体層を埋め込んでなり、特に前記半導体
層の屈折率が層方向に連続して、又は段階的に変化する
層であることにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバや光導
波路に高効率で光を結合することができるスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、急速な発展を遂げているマルチメ
ディア技術は、近い将来、オフィスだけではなく各家庭
においても100Mbps以上という高速、大容量の光
通信を可能にすると考えられる。その中で、ファイバー
・ツー・ザ・ホーム(FTTH)技術は幹線系の光ファ
イバを各家庭まで引き込む技術として期待されている。
ところが通常の半導体レーザの出力光を光ファイバに導
入しようとすると、半導体レーザの出射光のスポットサ
イズ(〜1μm)とシングルモードの光ファイバのスポ
ットサイズ(〜10μm)が大きく異なるため、両者を
直接接続した場合、モード不整合から大きな挿入損失が
発生する。
【0003】また、半導体レーザのスポットサイズが小
さいため、微小な位置ずれが挿入損失の増大を引き起こ
すという問題も発生する。例えば、半導体レーザと光フ
ァイバの接合時に1μm程度の位置ずれが起きると場合
によっては10dBもの過剰損失が発生する。解決策と
しては、半導体レーザよりも大きなスポットサイズを有
する光導波路を、半導体レーザと同一基板上に集積化し
たスポットサイズ変換器付き半導体レーザが考えられ
る。
【0004】それを実現する一つの方法として図7
(a)に示す突き合わせ接合がある。この図は理想的な
構造を図示したもので、半導体基板100上に形成した
屈折率結合型の分布帰還型半導体レーザ(DFBレー
ザ)200の一部を垂直にエッチング除去し、その領域
に光導波層301が2つの光閉じ込め層302、303
で挟まれた光導波路構造300が形成されている。半導
体レーザ200から出力された光は直接光導波路300
に結合され、光導波層301を導波する。
【0005】このようなスポットサイズ変換器付き半導
体レーザ装置は、出力光のスポットサイズが半導体レー
ザより大きく、光ファイバとの結合の際に、微小位置ず
れの影響が緩和されるという特長を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例は
下記の欠点を有している。
【0007】(1) 垂直にエッチングされた領域に光
導波路構造を形成する際に、実際には図7(a)のよう
な理想的な形状は実現されず、例えば図7(b)に示す
ようになる。このとき、光導波層301は半導体レーザ
と光導波路の結合場所の近傍で水平から傾斜して形成さ
れている。この領域では光はこの構造の屈折率分布を反
映し、光導波層に結合されない光の割合が増加し、理想
的な形状から予想される結合率より大きく低下する。
【0008】(2) 半導体レーザ200の垂直方向の
ビーム径と光導波路300の垂直方向の固有モードのビ
ーム径とが一致していない場合、その違いが大きいほど
光が半導体レーザから光導波路に結合される光の割合い
は低下する。
【0009】以下に上記(1)、(2)で挙げた問題点
を今少し具体的に説明する。
【0010】図7(b)は、具体的にはInGaAsP
系1.3μm帯分布帰還(DFB)型半導体レーザを垂
直にエッチングした後、有機金属熱分解法(MOCVD
法)によってInGaAsP系の材料を成長した場合の
一例である。この成長においては成長速度の面方向依存
性が大きいため、成長速度の小さい面が露出するように
成長が進行し、同図に示すような形状の成長となってい
る。この場合、水平から傾いた方向に層構造が出現する
ため、光の一部はその形状の影響を受けて界面で反射さ
れ、或いは界面で屈折し、結果として光導波層301に
結合せずに導波路外へ放射される。即ち、放射損失を生
じる。本発明者等の実験結果によれば、約1dBの光が
この影響で放射されることが確認された。上記とは異な
る他の条件で成長した場合、形状はさまざまに変化した
が、同図(a)に示したような理想的な形状を実現する
ことは不可能であり、いずれの場合も0.5dBから1
dB程度の放射損失が確認された。
【0011】また、この例では、半導体レーザ200の
垂直方向のビーム径約1μmに対し、光導波路300の
光導波層301の層厚は約2μmで作製した。この違い
によって、光が結合するときに大きなモード不整合が生
じ、それに起因する放射損失1.7dBが確認された。
このように、両者を合計すると約2.7dBの損失が生
じることになり、半導体レーザ200には実際に必要と
される光以上に高い出力が要求され、半導体レーザ20
0の消費電力が高くなる。加えて、その信頼性も低下す
るという大きな問題が発生する。半導体レーザと、通常
モード径が10μm程度である光ファイバとの結合を考
えた時、光導波路部分の層厚はさらに厚い方が望まし
く、その場合、上記放射損失は更に大きくなる。
【0012】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、半導体レーザと光導波路の接続部におけ
る上記光損失を最小限に抑え、低損失かつ高信頼性を有
するモード変換器付き半導体レーザ装置及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係るスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置は、半
導体基板上に、少なくとも、端面出射型半導体レーザ領
域と、光導波路領域とを、横方向に集積したスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置において、前記半導体
レーザ領域と前記光導波路領域との接合領域に、半導体
層を埋め込んでなることによって上記の目的を達成す
る。
【0014】この半導体層は、接合領域に埋め込むこと
ができ、半導体レーザや光導波路の動作に影響を及ぼさ
ない材料であることが好ましく、特に、半導体レーザか
らの出射光に対し、できる限り透明であって、光吸収が
少ないものが、ロスが少なく、より好ましい。
【0015】この発明(請求項2)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、前記半導体層が、そ
の屈折率がほぼ一定である層であることによって上記の
目的を達成する。
【0016】このとき、前記半導体層はその横方向の長
さが20μm以下であることが好ましい。
【0017】この発明(請求項3)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、前記半導体層が、そ
の屈折率が層方向に連続して、又は段階的に変化する層
であることによって上記の目的を達成する。
【0018】このとき、前記半導体層の屈折率は、層方
向の周辺部から中心部に向けて高くなる2次関数状に変
化する領域を含むことが好ましい。前記半導体層の屈折
率の変化は該半導体層の組成比を変化させることにより
形成することが好ましい。
【0019】この発明(請求項4)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、前記半導体層の屈折
率の最も高い領域が、前記半導体レーザ領域からの出射
光分布の略中心部に一致させると共に、前記光導波領域
の固有モードの略中心部に一致させてなることによって
上記の目的を達成する。
【0020】この発明(請求項5)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、請求項3又は4に記
載の前記半導体層と、前記半導体レーザ領域との境界及
び/又は前記光導波路領域との境界に、屈折率がほぼ一
定である他の半導体層を形成してなることによって上記
の目的を達成する。
【0021】この発明(請求項6)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、請求項3又は4に記
載の前記半導体層と、前記半導体レーザ領域との境界及
び/又は前記光導波路領域との境界に、誘電体層を形成
してなることによって上記の目的を達成する。
【0022】この発明(請求項7)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、半導体基板上に、少
なくとも、端面出射型半導体レーザ領域と、光導波路領
域とを、横方向に集積したスポットサイズ変換器付き半
導体レーザ装置において、前記半導体レーザ領域と前記
光導波路領域との接合領域に、誘電体層を埋め込んでな
ることによって上記の目的を達成する。
【0023】この発明(請求項8)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、半導体基板上に、少
なくとも、端面出射型半導体レーザ領域と、半導体層と
を、横方向に積層したスポットサイズ変換器付き半導体
レーザ装置であって、前記半導体層が、その屈折率が層
方向に連続して、又は段階的に変化する層であることに
よって上記の目的を達成する。
【0024】このとき、前記半導体層の屈折率は、層方
向の周辺部から中心部に向けて高くなる2次関数状に変
化する領域を含むことが好ましい。また、前記半導体層
の屈折率の変化は該半導体層の組成比を変化させること
により形成することが好ましい。
【0025】この発明(請求項9)に係るスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置は、前記半導体層の屈折
率の最も高い領域は、前記半導体レーザ領域からの出射
光分布の略中心部に一致させてなることによって上記の
目的を達成する。
【0026】この発明(請求項10)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置は、請求項8又は9に
記載の前記半導体層と、前記半導体レーザ領域との境界
に、屈折率がほぼ一定である他の半導体層を形成してな
ることによって上記の目的を達成する。
【0027】この発明(請求項11)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置は、請求項8又は9に
記載の前記半導体層と、前記半導体レーザ領域との境界
に、誘電体層を形成してなることによって上記の目的を
達成する。
【0028】この発明(請求項12)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法は、半導体
基板上に、少なくとも、端面出射型の半導体レーザ領域
と、光導波路領域とを、横方向に集積した請求項1乃至
6のいずれかに記載のスポットサイズ変換器付き半導体
レーザ装置の製造方法であって、半導体基板上に半導体
レーザを構成する半導体積層構造を形成する工程と、該
半導体積層構造の一部を略垂直な断面を有するようにエ
ッチング除去する工程と、エッチング除去された領域に
光導波路を構成する半導体積層構造を形成する工程と、
該半導体レーザの光出射端面と該光導波路の光入射面と
の境界を含む領域を略垂直な断面を有するようにエッチ
ング除去する工程と、前記半導体レーザと前記光導波路
との間のエッチング除去領域に、半導体層を形成する工
程と、を有してなることによって、上記の目的を達成す
る。
【0029】この発明(請求項13)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法は、半導体
基板上に、少なくとも、端面出射型の半導体レーザ領域
と、半導体層とを、横方向に集積した請求項8乃至11
のいずれかに記載のスポットサイズ変換器付き半導体レ
ーザ装置の製造方法であって、半導体基板上に半導体レ
ーザを構成する半導体積層構造を形成する工程と、該半
導体積層構造の一部を略垂直な断面を有するようにエッ
チング除去する工程と、エッチング除去された領域に、
半導体層を形成する工程と、を有してなることによって
上記の目的を達成する。
【0030】この発明(請求項14)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法は、請求項
12又は13に記載の方法において、前記エッチング除
去領域の側面にのみ誘電体層を形成した後、前記半導体
層を形成してなることによって上記の目的を達成する。
【0031】この発明(請求項15)に係るスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法は、半導体
基板上に、少なくとも、端面出射型の半導体レーザ領域
と、光導波路領域とを、横方向に集積した請求項7に記
載のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の製造
方法であって、半導体基板上に半導体レーザを構成する
半導体積層構造を形成する工程と、該半導体積層構造の
一部を略垂直な断面を有するようにエッチング除去する
工程と、エッチング除去された領域の側面にのみ誘電体
層を形成する工程と、エッチング除去された残りの領域
に光導波路を構成する半導体積層構造を形成する工程
と、を有してなることによって上記の目的を達成する。
【0032】上述の誘電体層は、如何なる方法を用いて
形成しても構わないが、前記半導体基板にバイアス電圧
を印加しながらスパッタリングを行うバイアススパッタ
法で形成するのが好ましい。
【0033】また、半導体層の屈折率を層方向に連続し
て又は段階的に変化させる際、MOCVD装置のマスフ
ローコントローラの流量を制御することにより、前記半
導体層の層方向の中心位置を、半導体レーザの出射光分
布の中心に一致させることが容易となる。
【0034】上述の半導体レーザ領域の半導体レーザ
は、端面から出射されるタイプのものであれば、いずれ
でも構わないが、分布帰還型半導体レーザを用いると、
他の半導体レーザに比べて本発明の作用効果をよりよく
得られる。
【0035】以下に、本発明の作用について説明する。
【0036】半導体レーザと光導波路の接合領域に、そ
の屈折率がほぼ一定である半導体層を埋め込む構成によ
れば、半導体レーザと光導波路の接合部に水平方向から
傾いた層構造が存在しないスポットサイズ変換器付き半
導体レーザ装置が実現できる。このため半導体レーザ部
と埋め込み領域との界面及び埋め込み領域と光導波路部
との界面における等価屈折率の差を小さくでき、これら
の界面で導波光はほとんど反射されず、また、屈折され
ないので、放射損失を低減できる。
【0037】また、半導体レーザと光導波路の接合領域
に屈折率が層方向に実質的に連続して変化するか若くは
段階的に変化する半導体層を埋め込む構成によれば、こ
の半導体層のレンズ効果によって導波路中の光のモード
プロファイルが伝搬中に連続的に変化し、光導波路の固
有モードのビーム径に一致したところで光導波路に結合
されるので、モード不整合に起因する結合損失をより一
層効果的に低減できる。
【0038】また、半導体レーザと屈折率が層方向に実
質的に連続して変化するか若くは段階的に変化する光導
波路とを半導体基板上の横方向に集積する構成によれ
ば、この半導体層のレンズ効果によって導波路中の光の
モードプロファイルが伝搬中に連続的に変化し、光導波
路の固有モードのビーム径に一致したところで光導波路
に結合されるので、モード不整合に起因する結合損失を
より一層効果的に低減できる効果を少ない成長回数で得
ることができる。
【0039】また、半導体レーザと半導体層の接合領域
に誘電体層を介在させる構成によれば、半導体レーザと
光導波路の接合部に水平方向から傾いた層構造が存在し
ないスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置を実現
できるので、上記同様に結合損失を低減できる。
【0040】また、半導体レーザと半導体層の接合領域
に誘電体層を介在させ、且つ半導体レーザと半導体層の
接合領域に屈折率が層方向に実質的に連続して変化する
か若くは段階的に変化する光導波路とを形成する構成に
よれば、水平方向から傾いた層構造が存在しないこと
と、モード不整合が無いことによる相乗効果により、結
合損失を大幅に低減できるスポットサイズ変換器付き半
導体レーザ装置を実現できる。
【0041】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づき具体的に説明する。
【0042】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
を示す。本実施形態1は量子井戸構造の半導体レーザを
備えたスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置に本
発明を適用した例を示す。以下にその構造を製造プロセ
スとともに説明する。まず、分子線エピタキシー(MB
E)装置内にGaAs基板(ウエハー)100を導入
し、GaAs基板100上にGaInNAs量子井戸層
とGaAsガイド層から構成される活性層と、AlGa
As系材料から構成されるクラッド層で作製した半導体
レーザ200を構成する半導体層をMBE法で成長し
た。ここで、半導体レーザ200の垂直方向のビーム径
は約1μmであった。GaInNAs系混晶は、1.3
μmの発光波長をGaAs基板上に実現できる材料であ
り、FTTH用光源として有望である。
【0043】次に、上記半導体層が形成されたウエハー
をMBE装置から取り出し、塩素ガスを用いたリアクテ
ィブ・イオン・ビーム・エッチング(RIBE)を用い
てGaAs基板100に到達する深さまで垂直にエッチ
ングした。その後、MOCVD装置内にウエハーを導入
し、MOCVD法を用いて光導波路を構成する半導体層
300を成長した。この半導体層は、光導波層301が
上下の光閉じ込め層303、302で挟まれた構成にな
っている。ここで光導波層のAl混晶比は0.2、その
層厚は2μmである。
【0044】また、上下の光閉じ込め層303、302
のAl混晶比及び層厚は同一の値であり、Al混晶比は
0.22、層厚は1μmとした。このときの断面形状は
従来例と同様に水平方向から傾斜した構造になってい
る。ただし、半導体レーザ200と光導波路300の接
合部近傍から遠ざかるに従ってその傾斜の影響は小さく
なり、3μm以上離れるとほぼ水平となった。ここで光
導波路部300は半導体レーザの出力光(1.3μm)
に対して透明であり、低損失な導波路として機能する。
また、エッチングの深さ制御性は2%程度が得られてお
り、その後のMOCVD成長の成長層厚の制御性1%と
合わせても、半導体レーザの出力光分布の中心と水平に
なったあとの光導波路の固有モードの中心の高さは0.
1μmの精度で合わせることができた。
【0045】次に、半導体レーザ200と光導波路30
0の接合領域を幅2μmにわたって垂直にエッチングし
た。このときのエッチング深さは光導波路部300を突
き抜けていればよく、精密な制御は必要としない。ここ
でのエッチングも、先と同じRIBEを適用した。
【0046】続いて、エッチングした領域に、再びMO
CVD法によってAl混晶比0.2のAlGaAs層4
00を埋め込み成長した。最後に、半導体レーザ部に成
長した光導波路層を形成する半導体層(太線部より上、
図1では除去する前の状態も合わせて図示している。)
を除去した後、リッジ形状に加工して、横方向の光閉じ
込めを行い、レーザ部200への電極付け、へき開等の
プロセスを施し、これにより実施形態1のスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置を得た。
【0047】本実施形態1のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ素子装置においては、半導体レーザ部20
0で発生したレーザ光は、AlGaAs層400を突き
抜け、光導波路部300に到達し、光導波路部300を
伝搬したのち、端面部より出射光304が出射される。
本実施形態1のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ
装置は水平方向から傾斜した層構造をほとんどもたず、
従来例にみられた放射損失に起因する大きな損失は確認
されなかった。
【0048】本素子の場合、半導体レーザ部200で発
生した光は半導体レーザ部200と埋め込み領域400
との界面、及び埋め込み領域400と光導波路部300
との界面でほとんど反射されない。このことは、これら
の界面において等価屈折率の差が小さいことに起因して
いる。従って、このレーザは半導体レーザ部200と埋
め込み領域400、及び光導波路部300全体を共振器
とした外部共振器モードで良好に動作した。
【0049】また、本実施形態1のスポットサイズ変換
器付き半導体レーザ装置においては、最後に埋め込んだ
領域は縦方向に光の閉じ込め構造を有しないが、その長
さが今回の素子のように2μm程度と短い場合、放射さ
れる光の量は無視できる程度である。このため、本実施
形態1のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置に
ついて、実際に光学特性を評価したところ、結合損失は
モード不整合に起因する1.7dBのみであり、上記従
来例に比べて結合損失を大幅に低減することが確認され
た。
【0050】更に埋め込み領域の長さを変化させて放射
損失を調べてみたところ、15μm程度までは顕著な損
失は測定されず、それ以上で少しずつ損失が確認され
た。そして、埋め込み領域の長さを20μmとしたとき
には約1dBの結合損失となった。要求される損失量に
よってこの長さの許容範囲は変わるが、20μm以下に
設定すると1dB以下の損失に抑えられ、望ましい特性
が得られることが確認された。
【0051】(実施形態2)図2(a)、(b)は本発
明スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の実施形
態2を示す。本実施形態2は吸収性回折格子を有する利
得結合分布帰還型半導体レーザを備えた集積型半導体レ
ーザ装置に本発明を適用した例を示す。以下にその構造
を製造工程と共に説明する。
【0052】まず、GaAs基板100上にGaInN
As量子井戸層とGaAsガイド層からなる活性層を有
し、GaInNAs光吸収層以外の層をAlGaAs系
材料で形成したDFBレーザ201を構成する半導体層
を有機金属気相成長(MOCVD)法で成長した。
【0053】ここで、このレーザに関しては例えばY.
Nakano、他JapaneseJournal o
f Applied Physics,32巻2号82
5〜829頁(1993)に詳細に記述されている。垂
直方向のビーム径はこの場合も約1μmであった。活性
層には3層の量子井戸構造を採用し、発振波長1.3μ
mに設定した。
【0054】次に、塩素ガスを基板に直接照射するとと
もに塩素イオン、もしくはアルゴンイオンを同時照射す
るケミカリー・アシスティッド・イオン・ビーム・エッ
チング(CAIBE)を用いて基板に到達する深さまで
垂直にエッチングした。このエッチングに関してはH.
Kawanishi、他Japanese Journ
al of Applied Physics,35巻
7B号880〜882頁(1996)に詳細な記述があ
る。
【0055】その後、再びMOCVD法を用いて光導波
路を構成する複数の半導体層300を成長した。この半
導体層に関しては、実施形態1と同じであるが、今回は
酸化珪素膜をマスクとした選択成長を行うことにより、
半導体レーザ部201には成長が起らない条件で成長し
た。
【0056】なお、図中の符号303、302は上記実
施形態1同様に上下の光閉じ込め層を示している。
【0057】このとき、成長後の基板表面は平坦に埋め
込まれていたが、断面形状の観察より、水平方向から傾
いた層構造が従来と同様に確認された。光導波層301
の層厚は2μmとした。本実施形態2においても、実施
形態1同様に、半導体レーザ201の出力光分布の中心
と水平になったあとの光導波路300の固有モードの中
心の高さは0.1μmの精度で合わせることができた。
次に、半導体レーザ201と光導波路の接合領域を含む
形で幅7.8μmにわたって垂直にエッチングした。こ
のエッチング深さは光導波路部を突き抜け、7.0μm
に制御した。
【0058】続いて、エッチングされた領域に連続的に
屈折率nが変化する構造を含む半導体層500を成長し
た。図2(b)は半導体層500の層方向(層厚方向)
における屈折率分布を示す。同図(b)に示すように、
屈折率の分布は層方向の周辺部から中心部に向かって屈
折率が大きくなる2次関数的に変化しており、この屈折
率分布はAlの混晶比の変化を用いて形成した。
【0059】ここで、半導体層500(以後 GRad
ed INdex(GRIN)領域と記述する)の厚さ
は片側(中心部から周辺部)2.894μm、中心部の
屈折率3.4(屈折率の最大値)、周辺部の屈折率3.
2(屈折率の最小値)、中心置は半導体レーザ201の
出力光分布の中心及び光導波路300の固有モードの中
心の高さに一致させた。この位置合わせ制御はMOCV
D装置のマスフローコントローラの流量をコンピュータ
制御することにより容易に実現できた。
【0060】その後、半導体レーザ201、GRIN領
域500、光導波路領域300にわたり、幅2μmの横
幅で導波路領域を規定する溝をエッチングした。この溝
は、全ての層を貫するように深い溝とした。最後にエッ
チングした領域に半導体層(図示せず)を埋め込むこと
により埋め込み導波路構造を形成し、横モード閉じ込め
構造として本実施形態2のスポットサイズ変換器付き半
導体レーザ装置が完成した。
【0061】本実施形態2のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置は、半導体レーザ部201はDFBレ
ーザであり、半導体レーザ201とGRIN領域500
の界面で反射がなくてもレーザ発振するため、半導体レ
ーザ部201で独立して良好に発振した。出力光はGR
IN層500と光導波路部300を通過し端面から出射
光304として出射された。
【0062】本実施形態2のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置について、半導体レーザ201から光
導波路300への結合損失を評価したところ、約0.4
dBであった。このうち、GRIN層成長時の水平から
ずれた成長に起因する損失が0.2dBと見積もられ、
モード不整合に起因する損失はGRIN層の採用により
大幅に低減できたことが確認された。その理由は、GR
IN領域500のレンズ効果によって導波中の光のモー
ドプロファイルが伝搬中に連続的に変化し、光導波路3
00の固有モードのビーム径に一致したととろで光導波
路300に結合されているためである。実際、GRIN
領域500の長さを変化させて結合損失を測定してみた
ところ、周期的に変化することが確認されている。
【0063】従って、GRIN領域500の長さは、上
記のとおり光導波路の固有モードのビーム径に合わせて
最適化することが望ましい。また、本実施形態2ではG
RIN領域500の屈折率変化として2次関数を用いた
が、実質的に同様のレンズ効果を有すればこれに限ら
ず、他の屈折率分布を用いることも可能である。また、
ここでは屈折率が2次関数状に連続して変化する構造と
したが、これを線分で近似したりして段階的に変化させ
ても同様の特性が得られることは明らかである。
【0064】(実施形態3)図3は本発明スポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置の実施形態3を示す。本
実施形態3のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装
置は、実施形態2の手法と実施形態1の手法とを組み合
わせて作製したものである。
【0065】即ち、GRIN層500成長時の水平から
ずれた成長に起因する結合損失を低減させるために、半
導体レーザ201とGRIN領域500の接合領域を含
む領域、或いはGRIN領域500と光導波路層300
の接合領域を含む領域、もしくはその両方の領域をエッ
チングし、その屈折率がほぼ一定である層400を成長
させることで実施形態2の効果に実施形態1の効果を付
加したものである。
【0066】ここで、上記の説明におけるエッチングと
しては、ほぼ垂直にエッチングができさえすればよく、
一般的なエッチング方法を用いることができる。例えば
リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)等を用い
ても良いし、ウエットエッチングを用いることも可能で
ある。
【0067】また、結晶成長についても上記に述べたM
OCVD法、MBE法に限らず、場合によっては液相成
長、クロライドVPE法等を用いることも可能である。
なお、実施形態1及び実施形態2と対応する部分には同
一の符号を付してある。
【0068】(実施形態4)図4(a)、(b)は本発
明スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の実施形
態4を示す。本実施形態4のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置は、その製造プロセスに特徴を有する
ものである。以下にその構造を製造工程と共に説明す
る。本実施形態4では、吸収性回折格子を有する利得結
合分布帰還型半導体レーザを備えたスポットサイズ変換
器付き半導体レーザ装置に本発明を適用している。
【0069】まず、GaInNAs量子井戸層とGaA
sガイド層からなる活性層を有し、GaInNAs光吸
収層以外の層をAlGaAs系材料で形成したDFBレ
ーザ201を構成する半導体層をMOCVD法で成長し
た。垂直方向のビーム径はこの場合も約1μmであっ
た。活性層には2層の量子井戸構造を採用し、発振波長
1.3μmに設定した。
【0070】次に、RIBE法を用いて基板に到達する
深さまで垂直にエッチングした。ここでエッチングマス
クとしては酸化珪素膜を用いた。続いて、エッチングさ
れた領域の側面に酸化珪素膜6000を形成した。
【0071】この形成には、GaAs基板100にバイ
アス電圧を印加しながらスパッタリングを行うバイアス
スパッタ法を用いて行った。そうしたところ、エッチン
グ底面には酸化珪素の形成は見られず、エッチング側面
のみに酸化珪素膜6000を形成することができた。
【0072】ここで、酸化珪素膜6000の膜厚は20
nmとした。このように膜厚を薄くすると、酸化珪素膜
6000による光の反射は生じなかった。この時点で、
酸化珪素膜6000はエッチングされていない領域とエ
ッチングされた領域の側面に形成され、エッチング底に
は形成されていない。
【0073】引き続き、MOCVD法を用いて光導波路
を構成する半導体層300を成長した。この半導体層3
00に関しては酸化珪素膜6000をマスクとした選択
成長を行うことにより、半導体レーザ部201には成長
が起らない条件で成長した。本実施形態4のスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置では、エッチング側面
に酸化珪素膜6000からなる誘電体層が形成されてい
るので、エッチング側面に垂直な方向の成長も抑制さ
れ、それによって半導体層の成長時、水平から傾射した
成長は見られず、すべて基板に平行に成長は進行した。
【0074】なお、光導波層301の膜厚は2μmとし
た。本実施形態4のスポットサイズ変換器付き半導体レ
ーザにおいても、半導体レーザ201の出力光分布の中
心と水平に形成された光導波路300の固有モードの中
心の高さは0.1μmの精度で合わせることができた。
【0075】本実施形態4のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置について、半導体レーザ201から光
導波路300への光の結合損失を評価したところ、約
1.8dBであり、モードの不整合に起因する損失のみ
であることが確認された。なお、図4は作製途中段階の
図を示しており、実際の光出力端面は図示されていな
い。
【0076】(実施形態5)図5は本発明スポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置の実施形態5を示す。本
実施形態5のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装
置は、実施形態2の手法と、実施形態4の手法を組み合
わせて作製したものである。以下にその構造を製造工程
と共に説明する。
【0077】まず、InP基板1000上にInGaA
sP系DFBレーザ2001を構成する半導体層をMB
E法で成長した。本実施形態5のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置は、半導体レーザ2001として
吸収性回折格子を有する利得結合型半導体レーザを用い
ている。この半導体レーザ2001の垂直方向のビーム
径は約1μmであり、活性層には5層の量子井戸構造を
採用し、発振波長1.55μmに設定した。
【0078】次に、RIBE法を用いてInP基板10
00に到達する深さまで垂直にエッチングした。その
後、MOCVD法を用いて光導波路を構成する半導体層
3000を成長した。この半導体層3000に関しては
酸化珪素膜をマスクとした選択成長を行うことにより、
半導体レーザ部2001には成長が起らない条件で成長
した。
【0079】このとき、成長後の基板表面は平坦に埋め
込まれていたが、断面形状の観察より、水平方向から傾
いた層構造が従来と同様に確認された。光導波層300
1の層厚は1.5μmとした。
【0080】本実施形態5のスポットサイズ変換器付き
型半導体レーザ装置も、半導体レーザ2001の出力光
分布の中心と水平になったあとの光導波路の固有モード
の中心の高さは0.1μmの精度で合わせることができ
た。次に、酸化珪素マスクを用いて、半導体レーザ20
01と光導波路3000の接合領域を含む形で幅4.1
7μmにわたって垂直にエッチングした。このエッチン
グ深さは光導波路部を突き抜け、6.0μmに制御し
た。
【0081】続いて、エッチングされた領域の側に酸化
珪素膜6000を形成した。この形成には実施形態4同
様にバイアススパッタ法を用いて行った。そうしたとこ
ろ、エッチング底面には酸化珪素の形成は見られず、エ
ッチング側面のみに酸化珪素6000を形成することが
できた。酸化珪素6000の膜厚は20nmとした。引
き続き、エッチングされた領域に連続的に屈折率が変化
する構造(GRIN層)5000を含む半導体層を成長
した。屈折率はIn、As組成の変化を用いて変化させ
た。
【0082】ここで、GRIN領域5000の中心位置
は半導体レーザ2001の出力光分布の中心、及び光導
波路3000の固有モードの中心の高さに一致させた。
この位置合わせ制御は、実施形態4同様にMOCVD装
置のマスフローコントローラの流量をコンピュータ制御
することにより容易に実現できた。
【0083】本実施形態5のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置においても、エッチング側面に誘電体
層が形成されているので、エッチング側面に垂直な方向
の成長は抑制され、それによってGRIN層5000の
成長時、水平から傾射した成長は見られず、すべてIn
P基板1000に平行に成長は進行した。
【0084】本実施形態5のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置について、半導体レーザ2001から
光導波路3000への結合損失を評価したところ、約
0.2dBであり、水平から傾射して成長する半導体層
がないことと、モード不整合が無いことにより、大幅な
損失の低減が確認された。本実施形態においては、半導
体レーザの側面及び光導波路側面の両方に誘電体膜を形
成したが、これは必ずしも両側に形成する必要はなく、
片側でも相応の効果を有する。ただし、両側に形成する
ことにより、その効果は倍増することになる。
【0085】(実施形態6)図6(a)、(b)は本発
明スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の実施形
態6を示す。本実施形態6のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置は、その製造プロセスと構造に特徴を
有するものである。以下にその構造を製造工程と共に説
明する。本実施形態6では、吸収性回折格子を有する利
得結合分布帰還型半導体レーザを備えたスポットサイズ
変換器付き半導体レーザ装置に本発明を適用している。
【0086】まず、GaInNAs量子井戸層とGaA
sガイド層からなる活性層を有し、GaInNAs光吸
収層以外の層をAlGaAs系材料で形成したDFBレ
ーザ201を構成する半導体層をMOCVD法で成長し
た。垂直方向のビーム径は約1μmであった。活性層に
は2層の量子井戸構造を採用し、発振波長1.3μmに
設定した。
【0087】次に、RIBE法を用いて基板に到達する
深さまで垂直にエッチングした。ここでエッチングマス
クとしては酸化珪素膜を用いた。続いて、エッチングさ
れた領域の側面に酸化珪素膜6000を形成した。この
形成には、GaAs基板100にバイアス電圧を印加し
ながらスパッタリングを行うバイアススパッタ法を用い
て行った。
【0088】そうしたところ、エッチング底面には酸化
珪素の形成は見られず、エッチング側面のみに酸化珪素
膜6000を形成することができた。ここで、酸化珪素
膜6000の膜厚は20nmとした。このように膜厚を
薄くすると、酸化珪素膜6000による光の反射は生じ
なかった。この時点で、酸化珪素膜6000はエッチン
グされていない領域とエッチングされた領域の側面に形
成され、エッチング底面には形成されていない。
【0089】引き続き、エッチングされた領域に連続的
に屈折率が変化する構造(GRIN層)5000を含む
半導体層300を成長した。屈折率はIn、As組成の
変化を用いて変化させた。ここで、GRIN領域500
0の中心位置は半導体レーザ201の出力光分布の中
心、及び光導波路3000の固有モードの中心の高さに
一致させた。この位置合わせ制御は、実施形態4同様に
MOCVD装置のマスフローコントローラの流量をコン
ピュータ制御することにより容易に実現できた。
【0090】本実施形態6のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置においても、エッチング側面に誘電体
層が形成されているので、エッチング側面に垂直な方向
の成長は抑制され、それによってGRIN層5000の
成長時、水平から傾射した成長は見られず、すべてIn
P基板1000に平行に成長は進行した。
【0091】本実施形態6のスポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置について、半導体レーザ201から半
導体層5000への結合損失を評価したところ、約0.
2dBであり、水平から傾射して成長する半導体層がな
いことと、モード不整合が無いことにより、大幅な損失
の低減が確認された。
【0092】さらに、本実施形態6においては実施形態
5と比較して結晶成長工程を1回少なくすることが可能
であり、低価格化が可能である。ただし、本実施形態6
の場合は、最後に素子をへき開する場所によって出射さ
れる光のビーム径が変化するため、へき開には注意が必
要である。
【0093】
【発明の効果】以上の本発明スポットサイズ変換器付き
半導体レーザ装置によれば、半導体レーザと光導波路の
接合領域に、その屈折率がほぼ一定である半導体層を埋
め込む構成をとるので、半導体レーザと光導波路の接合
部に水平方向から傾いた層構造が存在しないスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置が実現でき、これらの
界面で導波光はほとんど反射されず、また屈折されない
ので、放射損失を低減できる。
【0094】この結果、本発明によれば、結合損失を低
減したスポットサイズ変換器付き半導体レーザが実現で
き、消費電力が低減され、かつ信頼性の高いスポットサ
イズ変換器付き半導体レーザ装置が実現できる。
【0095】また、特に、半導体レーザと光導波路の接
合領域に、屈折率が層方向に実質的に連続して変化する
半導体層を埋め込む構成をとることにより、この半導体
層のレンズ効果によって導波中の光のモードプロファイ
ルが伝搬中に連続的に変化し、光導波路の固有モードの
ビーム系に一致したところで光導波路に結合されるの
で、モード不整合に起因する結合損失をより一層効果的
に低減できる。
【0096】また、上記2つの構成を組み合わせる構成
によれば、両者の効果を相乗的に発揮でき、放射損失を
一層効率良く低減できるスポットサイズ変換器付き半導
体レーザ装置を実現できる。
【0097】また、特に光導波路領域を形成しない場合
には、少ない成長回数で、上記効果が得られるため、低
価格でスポットサイズ変換器付き半導体レーザが実現で
きる。
【0098】また、特に誘電体層を介在させることによ
り、上述の効果を相乗的に発揮でき、放射損失を一層効
率良く低減できるスポットサイズ変換器付き半導体レー
ザ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置を示す構成図であり、(a)は同
断面図、(b)はGRIN層の屈折率分布を示す概念図
である。
【図3】本発明の第3の実施例の変形例のスポットサイ
ズ変換器付き半導体レーザ装置を示す構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置を示す構成図である。
【図5】本発明の第5の実施例のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置を示す構成図である。
【図6】本発明の第6の実施例のスポットサイズ変換器
付き半導体レーザ装置を示す構成図である。
【図7】従来例の光集積回路装置を示す構成図である。
【符号の説明】
100:GaAs基板、 200:GaInNAs/AlGaAs系半導体レー
ザ、 300:光導波路を構成する半導体層、 301:光導波層、 302:下側の光閉じ込め層、 303:上側の光閉じ込め層、 304:スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置半
導体レーザの出力光、 400:AlGaAs埋め込み層、 201:AlGaAs系DFBレーザ、 500:GRIN領域、 1000:InP基板、 2001:InGaAsP系DFBレーザ、 3000:光導波路を構成する半導体層、 5000:GRIN領域、 6000:酸化珪素膜、

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、少なくとも、端面出射
    型半導体レーザ領域と、光導波路領域とを、横方向に集
    積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置にお
    いて、 前記半導体レーザ領域と前記光導波路領域との接合領域
    に、半導体層を埋め込んでなることを特徴とするスポッ
    トサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体層は、その屈折率がほぼ一定
    である層であることを特徴とする請求項1に記載のスポ
    ットサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体層は、その屈折率が層方向に
    連続して、又は段階的に変化する層であることを特徴と
    する請求項1に記載のスポットサイズ変換器付き半導体
    レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体層の屈折率の最も高い領域
    は、前記半導体レーザ領域からの出射光分布の略中心部
    に一致させると共に、前記光導波領域の固有モードの略
    中心部に一致させてなることを特徴とする請求項3に記
    載のスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の前記半導体層
    と、前記半導体レーザ領域との境界及び/又は前記光導
    波路領域との境界に、屈折率がほぼ一定である他の半導
    体層を形成してなることを特徴とするスポットサイズ変
    換器付き半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載の前記半導体層
    と、前記半導体レーザ領域との境界及び/又は前記光導
    波路領域との境界に、誘電体層を形成してなることを特
    徴とするスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に、少なくとも、端面出射
    型半導体レーザ領域と、光導波路領域とを、横方向に集
    積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置にお
    いて、 前記半導体レーザ領域と前記光導波路領域との接合領域
    に、誘電体層を埋め込んでなることを特徴とするスポッ
    トサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 半導体基板上に、少なくとも、端面出射
    型半導体レーザ領域と、半導体層とを、横方向に積層し
    たスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置であっ
    て、 前記半導体層は、その屈折率が層方向に連続して、又は
    段階的に変化する層であることを特徴とするスポットサ
    イズ変換器付き半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体層の屈折率の最も高い領域
    は、前記半導体レーザ領域からの出射光分布の略中心部
    に一致させてなることを特徴とする請求項8に記載のス
    ポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の前記半導体層
    と、前記半導体レーザ領域との境界に、屈折率がほぼ一
    定である他の半導体層を形成してなることを特徴とする
    スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 請求項8又は9に記載の前記半導体層
    と、前記半導体レーザ領域との境界に、誘電体層を形成
    してなることを特徴とするスポットサイズ変換器付き半
    導体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に、少なくとも、端面出
    射型の半導体レーザ領域と、光導波路領域とを、横方向
    に集積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置
    の製造方法であって、 半導体基板上に半導体レーザを構成する半導体積層構造
    を形成する工程と、 該半導体積層構造の一部を略垂直な断面を有するように
    エッチング除去する工程と、 エッチング除去された領域に光導波路を構成する半導体
    積層構造を形成する工程と、 該半導体レーザの光出射端面と該光導波路の光入射面と
    の境界を含む領域を略垂直な断面を有するようにエッチ
    ング除去する工程と、 前記半導体レーザと前記光導波路との間のエッチング除
    去領域に、半導体層を形成する工程と、を有してなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスポ
    ットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 半導体基板上に、少なくとも、端面出
    射型の半導体レーザ領域と、半導体層とを、横方向に集
    積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置の製
    造方法であって、 半導体基板上に半導体レーザを構成する半導体積層構造
    を形成する工程と、 該半導体積層構造の一部を略垂直な断面を有するように
    エッチング除去する工程と、 エッチング除去された領域に、半導体層を形成する工程
    と、を有してなることを特徴とする請求項8乃至11の
    いずれかに記載のスポットサイズ変換器付き半導体レー
    ザ装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記エッチング除去領域の側面にのみ
    誘電体層を形成した後、前記半導体層を形成してなるこ
    とを特徴とする請求項12又は13に記載のスポットサ
    イズ変換器付き半導体レーザ装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 半導体基板上に、少なくとも、端面出
    射型の半導体レーザ領域と、光導波路領域とを、横方向
    に集積したスポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置
    の製造方法であって、 半導体基板上に半導体レーザを構成する半導体積層構造
    を形成する工程と、 該半導体積層構造の一部を略垂直な断面を有するように
    エッチング除去する工程と、 エッチング除去された領域の側面にのみ誘電体層を形成
    する工程と、 エッチング除去された残りの領域に光導波路を構成する
    半導体積層構造を形成する工程と、を有してなることを
    特徴とする請求項7に記載のスポットサイズ変換器付き
    半導体レーザ装置の製造方法。
JP36010098A 1998-12-18 1998-12-18 スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4100792B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36010098A JP4100792B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法
US09/466,174 US6865207B1 (en) 1998-12-18 1999-12-17 Semiconductor laser device withspot-size converter and method for fabricating the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36010098A JP4100792B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000183443A true JP2000183443A (ja) 2000-06-30
JP4100792B2 JP4100792B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=18467904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36010098A Expired - Fee Related JP4100792B2 (ja) 1998-12-18 1998-12-18 スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6865207B1 (ja)
JP (1) JP4100792B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276928A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4902044B2 (ja) * 1999-09-24 2012-03-21 シャープ株式会社 半導体レーザ装置、光伝送装置、光伝送システム、電子機器、制御装置、接続コネクタ、通信装置、ならびに光伝送方法、データ送受信方法
GB0128743D0 (en) * 2001-11-30 2002-01-23 Epiic Ltd Method of producing integrated semiconductor components on a semiconductor substrate
US9411105B2 (en) * 2014-07-14 2016-08-09 Cisco Technology, Inc. Multi-axis graded-index photonic coupling

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62159489A (ja) 1986-01-08 1987-07-15 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体レ−ザ素子
US5228049A (en) * 1991-08-27 1993-07-13 Xerox Corporation Beam control in integrated diode laser and power amplifier
US5175643A (en) * 1991-09-30 1992-12-29 Xerox Corporation Monolithic integrated master oscillator power amplifier
JPH0964399A (ja) * 1995-08-29 1997-03-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 導波路型受光素子
DE19534936C2 (de) * 1995-09-20 1997-09-11 Siemens Ag Optoelektronische Sende-Empfangs-Vorrichtung
US5912910A (en) * 1996-05-17 1999-06-15 Sdl, Inc. High power pumped mid-IR wavelength systems using nonlinear frequency mixing (NFM) devices
JP4117854B2 (ja) * 1997-06-20 2008-07-16 シャープ株式会社 導波路型光集積回路素子及びその製造方法
US6480640B1 (en) * 1997-11-28 2002-11-12 Sharp Kabushiki Haisha Integrated optical circuit device and method for producing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276928A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置

Also Published As

Publication number Publication date
US6865207B1 (en) 2005-03-08
JP4100792B2 (ja) 2008-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8363314B2 (en) Reflective semiconductor optical amplifier (R-SOA) and superluminescent diode (SLD)
JP5133052B2 (ja) 多段一体型の光デバイス
US9780530B2 (en) Semiconductor integrated optical device, manufacturing method thereof and optical module
JP4117854B2 (ja) 導波路型光集積回路素子及びその製造方法
WO2009116140A1 (ja) 光半導体素子及びその製造方法
WO2016056498A1 (ja) 半導体光集積素子およびその製造方法
JP2008113041A (ja) 導波管
US5239600A (en) Optical device with an optical coupler for effecting light branching/combining by splitting a wavefront of light
JP2002057400A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH05129720A (ja) 半導体レーザ装置
JP4100792B2 (ja) スポットサイズ変換器付き半導体レーザ装置、及びその製造方法
JP4151043B2 (ja) 光半導体装置の製造方法
JP2002076510A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP7244784B2 (ja) 半導体光源素子および光半導体導波路窓構造の製造方法
JP4146974B2 (ja) 光半導体装置及び光伝送システム
JP2001274511A (ja) 導波路型光素子
US6707835B2 (en) Process for producing semiconductor laser element including S-ARROW structure formed by etching through mask having pair of parallel openings
JP2010129957A (ja) 光半導体集積化装置及びその製造方法
JP2000049102A (ja) 半導体光集積素子及びそれを用いた光通信用モジュール並びに光通信システムとその製造方法
JP2001352130A (ja) 半導体レーザーおよびその作製方法
JPH10223968A (ja) 光半導体装置
CN111971861A (zh) 一种光学集成芯片
JPH084178B2 (ja) 分布ブラツグ反射型半導体レ−ザの製造方法
JPH08162712A (ja) 半導体光増幅器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071122

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees