JP2000182563A - セラミックス電極構造体、放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

セラミックス電極構造体、放電ランプおよび照明装置

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JP2000182563A
JP2000182563A JP10356789A JP35678998A JP2000182563A JP 2000182563 A JP2000182563 A JP 2000182563A JP 10356789 A JP10356789 A JP 10356789A JP 35678998 A JP35678998 A JP 35678998A JP 2000182563 A JP2000182563 A JP 2000182563A
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ceramic
cylindrical holder
discharge
opening
container
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JP10356789A
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Yuichiro Takahara
雄一郎 高原
Katsuhide Misono
勝秀 御園
Nobuhiro Tamura
暢宏 田村
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】セラミックス電極を確実に固定するとともに、
ホルダへの放電の回り込みを生じにくくしたセラミック
ス電極構造体、これを用いた放電ランプおよび照明装置
を提供する。 【解決手段】アルカリ土類元素および遷移金属元素の酸
化物を主体とし、表面を遷移金属元素の炭化物およびま
たは窒化物で被覆した顆粒状、スポンジ状または塊状の
複合セラミックスからなる電子放出物質1aをセラミッ
クス容器1b内に収納して構成されたセラミックス電極
1を、金属製筒状ホルダ2に収納・固定する際に、セラ
ミックス容器1bの少なくとも底部側部分を収納し、開
口部の周縁2aを加締めて加締め部2bを形成して固定
する。金属性筒状ホルダ2の開口部の周縁2aを加締め
ることにより、金属性筒状ホルダ2の周縁とセラミック
ス容器1bとの間の隙間gを小さくしてホロー効果によ
る金属性筒状ホルダ2への放電の回り込みを生じにくく
するとともに、電極寿命を全うするまで明るさのちらつ
きを生じることなく安定した放電を維持することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス電極
構造体、これを用いた放電ランプおよび照明装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般照明用の蛍光ランプなどにおいて
は、タングステンコイルからなるフィラメント電極に、
遷移金属の一部とバリウムを含むアルカリ土類金属の酸
化物を塗布してなる熱陰極が用いられている。
【0003】しかし、この熱陰極は、小形化が困難のた
め、液晶バックライト用の細管の蛍光ランプにはNiな
どの金属からなる板状またはパイプ状の冷陰極が用いら
れている。冷陰極を用いた放電ランプは、陰極降下電圧
が大きいため、損失が大きいばかりか、ランプ電流を多
くできないので、所望の比較的大きな光量を得ることが
できない。
【0004】これらの問題を解決するために種々の電極
材料が研究されている中で、特開平4−43546号公
報には、塊状、粒状またはスポンジ状の半導体磁器を、
半導体磁器からなりNb系層のスパッタリング防止層を
形成し、かつ開口部を備えた円筒状の容器内に収納して
なるいわゆるセラミックス電極(従来技術1)が開示さ
れている。
【0005】従来技術1は、塊状、粒状またはスポンジ
状の半導体磁器を用いたことにより、熱容量を小さくし
て熱伝導率を小さくすることができる。そのため、放電
開始と同時に塊状、粒状またはスポンジ状の半導体磁器
に陰極輝点が形成され、ここから熱電子が放出されるの
で、より高温で安定な温度状態を保ち、電流密度を高く
とれて安定なアーク放電を行うことができる。
【0006】しかし、従来技術1においては、塊状、粒
状またはスポンジ状の半導体磁器の耐スパッタリング性
が良好でなく、水銀などのイオンによる衝撃によってス
パッタリングを生じやすいという問題がある。
【0007】これに対して、特開平6−267404号
公報においては、塊状または粒状の半導体磁器の表面に
Taの炭化物の薄層を形成した(従来技術2)ことによ
り、水銀などのイオンによる衝撃に半導体磁器が耐える
ようになった。
【0008】しかしながら、従来技術2においては、放
電がゆらぎ、発光がちらつくなどの不安定な現象が発生
する。
【0009】さらに、特開平10−83792号公報に
は、有底円筒状容器およびこの容器に収納される顆粒成
形体の表面にTaCからなる炭化膜を形成して(従来技
術3)、従来技術2の問題を解決することを目指してい
る。
【0010】さらにまた、特表平9−507956号公
報には、セラミックス電極を透光性放電容器の内部に配
設するために、セラミックス電極の端部を金属管の一端
内にはんだ付けまたは締め付けられて固定されている
(従来技術4)。これにより、セラミックス電極を機械
的に強固に支持することが可能になった。
【0011】以上の従来技術1ないし4により順次技術
的課題が解決されてきた。そして、セラミックス電極
は、小形化が可能であるため、特に比較的細管の放電ラ
ンプの熱陰極化に期待されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
ス電極は、電子放出物質の表面の活性化不足などの原因
によって、グロー放電時に熱電子放出物質の温度が所要
値まで上昇しないで熱電子放出物質の表面に陰極スポッ
トが形成されることなく、セラミックス容器やセラミッ
クス容器を支持する金属部材たとえば従来技術4におけ
るような金属管に放電が回り込みやすいという問題があ
る。このような現象が生じると、陰極降下電圧が高くな
るために、放電に明るさのちらつきを生じたり、イオン
スパッタリングの影響が大きくなることによって透光性
放電容器の内面の黒化や電極寿命短縮の原因になる。
【0013】また、上記した放電の回り込みは、セラミ
ックス電極の寿命末期に接近してきた際の電子放出能力
が小さくなったときにも起こりやすく、電極の寿命末期
を一層早めることになる。
【0014】さらに、従来技術4におけるように、金属
管によってセラミックス電極を固定する場合、金属管の
開口部の周縁とセラミックス容器との間に隙間が生じ
る。この隙間は、放電が開始すると、ホロー陰極のよう
にホロー効果を生じるために、一層放電の回り込みが生
じやすくなることが分かった。
【0015】本発明は、セラミックス電極を確実にホル
ダに固定するとともに、ホルダへの放電の回り込みを生
じにくくしたセラミックス電極構造体、これを備えた放
電ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の電極構
造体は、アルカリ土類元素および遷移金属元素の酸化物
を主体とし表面を遷移金属元素の炭化物およびまたは窒
化物で被覆した複合セラミックスからなり開口部を備え
た電気伝導性のセラミックス容器、ならびにアルカリ土
類元素および遷移金属元素の酸化物を主体とし表面を遷
移金属元素の炭化物およびまたは窒化物で被覆した顆粒
状、スポンジ状または塊状の複合セラミックスからなり
セラミックス容器内に収納された熱電子放出物質を備え
ているセラミックス電極と;先端が開口して内部にセラ
ミックス容器の少なくとも底部側部分を収納し、開口部
の周縁を加締めることによってセラミックス容器を固定
した金属製筒状ホルダと;を具備していることを特徴と
している。
【0017】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0018】次に、本発明において用いるセラミックス
電極について説明する。
【0019】<セラミックス電極について>セラミック
ス電極における電気伝導性のセラミックス容器は、アル
カリ土類元素および遷移金属元素を主成分とする導電性
セラミックスからなり、カップ状に成形されているもの
が用いられる。
【0020】また、セラミックス容器の表面は、遷移金
属の炭化物およびまたは窒化物の被膜で被覆して、電気
伝導性と耐スパッタリング性を強化している。
【0021】さらに、セラミックス容器は、その内部に
熱電子放出物質を収納するので、熱電子放出物質の開口
部に向かって露出した表面に陰極輝点が形成されるよう
になる。
【0022】そうして、電気伝導性の容器は、後述する
熱電子放出物質を収納するとともに、必要に応じて透光
性放電容器の両端に封装された導入線によって所定の位
置に支持される。
【0023】熱電子放出物質は、アルカリ土類元素およ
び遷移金属元素を主成分とする酸化物の複合セラミック
スからなる。好ましくは、アルカリ土類元素の酸化物と
してBaO、CaOおよびSrOからなるグループから
一種または複数種を選択して用いる。また、遷移金属元
素としてZrO2およびTiO2のいずれか一種または
複数種と、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、Sc2
O3、Y2O3、La2O3、Dy2O3、Ho2O
3、HfO3、CrO3、MoO5、WO3とを用い
る。
【0024】また、熱電子放出物質は、顆粒状、スポン
ジ状または塊状に形成されている。そして、これらの形
態であることにより、いずれも熱容量が小さくなり、か
つ熱伝導率を小さくできる。そのため、熱電子放射が始
まるとともに高温になりやすく、安定な温度状態を維持
できる。なお、「塊状」とは、たとえば顆粒が複数連結
したような多孔質の状態を備えていることをいう。
【0025】さらに、熱電子放出物質は、その表面が炭
化物およびまたは窒化物で被覆されている。これらの被
覆を表面に形成することにより、熱電子放出物質のスパ
ッタリングを防止する作用がある。しかし、熱電子放出
物質は、内部から拡散によって表面に達するので、問題
ない。また、上記被覆は、始動時など熱電子放出物質の
温度が低いときに、電気伝導を補助する機能も有する。
【0026】さらにまた、熱電子放出物質の粒径を相対
的に大きいものと、その1/3以下の小さいものとを混
合することにより、温度変化に対する熱電子放出物質の
抵抗性を向上させることができる。
【0027】<金属製筒状ホルダについて>金属製筒状
ホルダは、セラミックス電極を透光製放電容器の内部に
おいて所定の位置に支持するとともに、外部からセラミ
ックス電極に電流を供給する際の導体として寄与する。
このため、金属製筒状容器は、透光性放電容器を気密に
貫通して透光性放電容器の内部に導入された導入線の先
端に固定することができる。
【0028】また、金属性筒状ホルダは、導入線を介在
しないで、直接透光性放電容器を気密に貫通させること
によって導入線の役割を奏することもできる。たとえ
ば、金属製筒状ホルダを両端が開口する細長いパイプ状
に形成して、その内端にセラミックス電極を固定し、中
間で透光性放電容器を気密に貫通し、外端を透光性放電
容器の外側に露出させ、かつて封止する。この場合に、
金属製筒状ホルダの透光性放電容器の内側の中間部分に
その内外を連通する開口を形成することにより、金属製
筒状ホルダを排気管としても作用させることができる。
また、金属製筒状ホルダをカップ状に形成し、その有底
部を透光性放電容器の端部に気密に貫通させることによ
っても金属製筒状ホルダをして導入線の役割を奏するこ
とができる。
【0029】さらに、金属製筒状ホルダは、好適には遷
移金属たとえばNi、Taなどの金属から形成するする
のがよい。
【0030】次に、金属製筒状ホルダの加締めによるセ
ラミックス電極の固定について説明する。セラミックス
電極を単に金属製筒状ホルダに導電的に固定するだけで
あるなら、金属製筒状ホルダの軸方向の位置のどこを加
締めてもよく、たとえば金属製筒状ホルダの中間部で加
締めてもよい。
【0031】ところが、本発明においては、セラミック
ス電極を導電的に固定するだけでなく、金属製筒状ホル
ダへの放電の回り込みを防止することをも目的としてい
るので、金属製筒状ホルダの開口部の周縁における隙間
の大きさが問題となる。この問題を解決するには、金属
製筒状ホルダの開口部の周縁を加締めるのが効果的であ
る。これにより、セラミックス電極のセラミックス容器
を確実に固定するとともに、金属製筒状ホルダの開口部
の周縁とセラミックス容器の外側面との間に形成される
隙間を小さくするか、実際上隙間をなくすことができ
る。
【0032】また、金属製筒状ホルダの開口部の周縁を
加締めるには、全周を加締めるか、全周のうち複数箇所
を点状または円弧をなす線状に加締める。金属製筒状ホ
ルダの内径がセラミックス容器の外径より大きめであれ
ば、全周を加締めるのがよいし、それ程大きな隙間がな
い程度であれば、全周のうち複数箇所を点状または円弧
をなす線状に加締めてもよい。
【0033】<本発明の作用について>本発明において
は、金属製筒状ホルダの開口部の周縁をセラミックス電
極のセラミックス容器の外周面に加締めることによって
セラミックス電極を固定するので、金属製筒状ホルダの
開口部とセラミックス容器の外周面との間に隙間が実際
上形成されないか、わずかな大きさになる。このため、
上記隙間にホロー効果が生じて放電の回り込みが発生し
やすいという従来の欠点を除去することができる。
【0034】上記のように、放電の回り込みが生じにく
くなることに伴い、セラミックス電極の短寿命が発生し
にくくなって、電極寿命を全うするまで、明るさのちら
つきを生じることなく安定した放電を維持することがで
きる。
【0035】請求項2の発明のセラミックス電極構造体
は、請求項1記載のセラミックス電極構造体において、
金属製筒状ホルダは、開口部の周縁の複数箇所で加締め
てセラミックス容器を固定していることを特徴としてい
る。
【0036】本発明において、加締め箇所は最低2箇所
に、好ましくは円周上に等配して、形成すればよい。し
かし、セラミックス電極をなるべく金属製筒状ホルダに
対して同軸関係に加締めるためには、加締め箇所を3箇
所または4カ所以上、好ましくは等配して、形成するの
がよい。
【0037】また、請求項1において記述したように、
本発明は、金属製筒状ホルダの内径とセラミックス容器
の外径とが接近している場合に好適である。しかし、た
とえば予め金属製筒状ホルダの開口部の全周縁を仮に緩
く加締めてセラミックス容器の挿入に支障ない程度まで
縮径しておき、次にセラミックス電極を金属製筒状ホル
ダに挿入してから、その開口部の周縁の複数箇所を最終
的に加締める、いわゆる2段加締めを行うのであれば、
金属製筒状ホルダの内径とセラミックス容器の外径が離
れていても良好な加締めによるセラミックス電極の固定
を行うことができる。
【0038】そうして、本発明においては、金属製筒状
ホルダの開口部の周縁の加締め作業が容易になる。
【0039】請求項3の発明のセラミックス電極構造体
は、請求項1記載のセラミックス電極構造体において、
金属製筒状ホルダは、開口部の周縁のほぼ全周で加締め
てセラミックス容器を固定していることを特徴としてい
る。
【0040】本発明は、金属製筒状ホルダの開口部の周
縁の全周で加締めてセラミックス電極を固定するので、
外観が良好であるが、巻締めを採用するなど加締めが相
対的に面倒になりやすい。
【0041】また、確実に加締めないと、金属製筒状ホ
ルダとセラミックス容器の外面との間に比較的大きな隙
間ができてしまい、ホロー効果による放電の回り込みを
生じることがあるので、注意を要する。
【0042】請求項4の発明のセラミックス電極構造体
は、請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス
電極構造体において、金属製筒状ホルダの開口部の周縁
およびセラミックス容器の間が最大で0.5mmである
ことを特徴としている。
【0043】本発明は、金属製筒状ホルダとセラミック
ス容器との間の許容される隙間の寸法を規定している。
【0044】すなわち、上記隙間が最大で0.5mm以
下であれば、実際上放電の回り込みは殆ど生じない。ホ
ロー陰極においては、ホローの隙間が小さいほど電子放
出が容易になる。たとえば、Ni板2枚を平行に配置し
て、順次その隙間を小さくしていき、間隔が5mmのと
きより3mmのときの方が陰極降下電圧が低く、電子放
出は容易である。
【0045】しかしながら、ホロー陰極の極板の間隔を
さらに小さくしていくと、陰極表面に形成される空間電
荷層すなわちシースのため、2枚の電極板は実効的には
1枚の陰極として作用する。このような状態になるため
の陰極間隔は、ほぼデバイ長で表される。
【0046】したがって、セラミックス電極と金属製筒
状ホルダとの間の隙間がデバイ長より小さければ、隙間
に放電が回り込むことはない。デバイ長は、蛍光ランプ
のような一般的な低圧放電の場合、0.1mmオーダー
であるが、実際には0.5mm程度であっても放電の回
り込みが殆ど生じないので、本発明においては、上記の
とおり0.5mmを許容範囲とするものである。ここ
で、「最大で0.5mmである」とは、金属製筒状ホル
ダとセラミックス容器との間が全周にわって0.5mm
を超過する大きさの隙間を形成していないことを意味す
る。
【0047】請求項5の発明の放電ランプは、透光性放
電容器と;透光性放電容器の両端内部に封装され、少な
くとも一方は請求項1ないし4のいずれか一記載のセラ
ミックス電極構造体からなる一対の対向電極と;透光性
放電容器の内部に封入されたイオン化媒体と;を具備し
ていることを特徴としている。
【0048】<透光性放電容器について>透光性放電容
器は、細長くて内部に細長い放電空間を形成するもの
で、透光性であれば、その材料は制限されないが、一般
的にはガラスを用いて構成することができる。この場
合、ガラスとしてはホウケイ酸ガラスなどの硬質または
半硬質ガラスや、ソーダライムガラス、鉛ガラスなどの
軟質ガラスを用いることができる。また、低圧水銀蒸気
放電または低圧キセノンガス放電によって発生する紫外
線をそのまま利用する場合には、石英ガラスを用いて透
光性放電容器を形成することができる。
【0049】さらに、透光性放電容器の横断面形状は、
通常円形にするのが一般的であるが、要すれば非円形た
とえば楕円形その他任意の横断面形状にすることができ
る。
【0050】さらにまた、透光性放電容器の長手方向の
形状は、直管はもとより、環形、半円形、L字形、U字
形、W字形など所望の形状にすることができる。
【0051】さらにまた、透光性放電容器の径および長
さは、放電ランプの用途に応じて適当に設定することが
できる。しかし、従来管径6mmの細管では熱陰極形の
放電ランプを得ることが極めて困難であったが、本発明
においてはセラミックス電極を用いて熱陰極を形成する
ので、管径6mm以下の細管の透光性放電容器におい
て、特に効果的である。
【0052】<対向電極について>対向電極は、透光性
放電容器の両端の内部に、その一対が対向して封装され
いる。そして、対向電極の少なくとも一方には以下説明
するセラミックス電極構造体を用いる。もちろん、一対
の対向電極をともにセラミックス電極構造体によって構
成することができる。この構成は、交流点灯の場合に適
している。また、一方の対向電極のみをセラミックス電
極構造体によって構成することができる。この構成は、
直流点灯に適している。なお、直流点灯の場合、陰極を
セラミックス電極構造体にするが、陽極は板状などの金
属体によって構成することができる。
【0053】透光性放電容器の両端内部に少なくとも一
方がセラミックス電極構造体からなる一対の対向電極を
配設するには、フレアシール、ビードシール、ボタンシ
ール、ピンチシールなどの常法にしたがって封装すれば
よい。管径が大きい場合には、フレアシールが適してい
る。管径が小さい場合には、ビードシールやボタンシー
ルなどが適している。
【0054】以上のシール形式は、いずれも導入線を封
着して、導入線の内端に電極を接続する構成であるが、
要すればセラミックス電極構造体の場合、その金属製筒
状ホルダを直接透光性放電容器の端部に封着して、透光
性放電容器の外部に露出したセラミックス電極の容器の
外面に直接給電するように構成してもよい。
【0055】セラミックス電極構造体をビードシールに
より封着するには、透光性放電容器を構成する管の封着
前の一端部を排気管として2段シールすれば、格別排気
管を用いる必要がないが、比較的太径の透光性放電容器
を用いる場合には、たとえばフレアステムやボタンステ
ムに排気管を予め接続してから、シールする。
【0056】一方、セラミックス電極構造体は、通常1
本の導入線によって支持できる。
【0057】そこで、排気管および導入線のいずれか一
方を透光性放電容器の端面の中央に配置し、他方を偏芯
位置に配設することができる。
【0058】<イオン化媒体について>透光性放電容器
に封入するイオン化媒体は、水銀低圧水銀蒸気放電を行
わせる場合には、水銀および希ガスを封入する。水銀
は、純水銀を直接封入してもよいし、Ti3Hg合金な
どからなる水銀ゲッターまたはBi−In−HgやIn
Hg、ZnHgなどのアマルガムの形で封入することが
できる。希ガスとしては、アルゴン、ネオン、クリプト
ン、キセノンなどの一種または複数種を混合して用いる
ことができる。
【0059】また、低圧希ガス放電を行わせる場合に
は、上記希ガスのみを封入する。
【0060】さらに、低圧ナトリウム蒸気放電を行わせ
る場合には、ナトリウムと希ガスたとえばネオンなどを
封入する。
【0061】<その他の構成について>放電によって発
生した放射の波長を変換して所望の波長の放射を得る場
合には、透光性放電容器の内面側に蛍光体層を形成する
ことができる。
【0062】また、蛍光体は、照明目的に応じて好適な
ものを選択して使用することができる。たとえば、一般
照明用、バックライト装置用などには3波長発光形蛍光
体、ハロ燐酸塩蛍光体などの白色発光系の蛍光体、また
読取用にはLaPO4:Ce、Tbなどの緑色発光系の
蛍光体、を用いることができる。
【0063】<本発明が適応可能な放電ランプについて
>本発明は、低圧水銀蒸気放電ランプたとえば蛍光ラン
プ、低圧希ガス放電ランプ、低圧ナトリウムランプなど
の各種低圧放電ランプに好適である。しかし、本発明
は、低圧放電ランプ以外の放電ランプにも適応する。
【0064】<本発明の作用について>セラミックス電
極構造体を備えた放電ランプにおいて、セラミックス電
極が金属製筒状ホルダの開口部の周縁をセラミックス容
器に加締めて固定しているから、始動時に放電の金属製
筒状ホルダへの回り込みが生じにくくなる。
【0065】また、本発明の放電ランプは、セラミック
ス電極の寿命を全うするまで安定した放電を維持する。
【0066】請求項6の発明の放電ランプは、請求項5
記載の放電ランプにおいて、イオン化媒体は、セラミッ
クス電極構造体より背方の透光性放電容器の端部近傍に
配設されたアマルガムによって封入されている水銀を含
んでいることを特徴としている。セラミックス電極を備
えた放電ランプは、電子放出物質を塗布したタングステ
ンコイルフィラメント電極を備えた従来一般の放電ラン
プに比較して、セラミックス電極の前方に放電が集中す
るため、透光性放電容器の最冷部は端部になる。これに
対して、従来一般の放電ランプの場合は、透光性放電容
器の中央部が最冷部になる。
【0067】そこで、本発明においては、水銀蒸気圧を
調整する能力のあるアマルガムを透光性放電容器の端部
に接近して配設することにより、水銀蒸気圧を高温雰囲
気中でも最適値範囲に維持して発光効率を高い状態に維
持するものである。
【0068】水銀蒸気圧を調整する能力を備えたアマル
ガムとしては、たとえばBi−In−Hgなどを用いる
ことができる。
【0069】アマルガムを透光性放電容器の端部近傍に
配設するには、たとえばZnHgを適当な粒径の塊にし
て、透光性放電容器の端部の角部に溶着させることがで
きる。また、アマルガムをセラミックス電極構造体を支
持する導入線に溶接または機械的に係止させることがで
きる。
【0070】請求項7の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に配設された請求項5または6記載
の放電ランプと;を具備していることを特徴としてい
る。
【0071】本発明において、「照明装置」とは、セラ
ミックス電極を備えた放電ランプの発光を何らかの目的
で用いるあらゆる装置を含む広い概念である。照明装置
を例示すれば、以下のとおりである。すなわち、バック
ライト装置およびバックライト装置を組み込んだ各種装
置たとえば自動車用計器パネル、携帯情報端末器、パー
ソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶テレビジ
ョン、GPS、ならびに照明器具、画像読取装置および
この画像読取装置を組み込んだファクシミリ、複写機、
スキャナなどのオフィスオートメーション機器などであ
る。なお、バックライト装置は、サイドライト式および
直下式のいずれであってもよい。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0073】図1は、本発明のセラミックス電極構造体
の第1の実施形態を示す一部切欠拡大正面図である。
【0074】図2は、同じく拡大平面図である。
【0075】図3は、同じく一部切欠拡大縦断面図であ
る。
【0076】各図において、1はセラミックス電極、2
は金属性筒状ホルダ、3は導入線である。
【0077】セラミックス電極1は、熱電子放出物質1
aおよびセラミックス容器1bからなる。
【0078】熱電子放出物質1aは、アルカリ土類元素
としてBaが、遷移金属元素としてTaおよびZrが用
いられていて、Ba(Zr、Ta)の複合酸化物半導体
セラミックスを形成しており、その粉末を焼結して、顆
粒状に成形されている。そして、その顆粒の表面には電
気導電性と耐スパッタリング性に優れたTaCの被膜が
形成されている。
【0079】また、熱電子放出物質1aは、2種類の粒
径のものを含んでおり、粒径の小さい方は平均粒径30
μmであり、粒径の大きい方は平均粒径100μmであ
る。
【0080】さらに、熱電子放出物質1aは、セラミッ
クス容器1bの中に充填されて収納され、かつ焼結によ
りセラミックス容器1b内に固着されている。
【0081】セラミックス容器1bは、Ba(Zr、T
a)の複合酸化物半導体セラミックスのカップ状成形体
からなる。
【0082】金属性筒状ホルダ2は、耐熱金属からな
り、プレス成形により有底筒状のカップ状をなしてい
る。そして、金属製筒状ホルダ2内にセラミックス電極
1のセラミックス容器1bを約2/3ほど挿入してその
底面が金属製筒状ホルダ2の内底面に当接したら、金属
製筒状ホルダ2の開口場の周縁2aの直径方向の対向部
分を外側から一対のポンチ(図示しない。)で押圧し
て、点状の加締め部2b、2bを形成している。
【0083】そうして、セラミックス電極1は、金属製
筒状ホルダ2内に電気的に導通して固定されている。ま
た、金属製筒状ホルダ2の加締め部2b以外の周縁2a
とセラミックス容器1bの外面との間に形成される隙間
gは、最大で0.5mm以内に規制されている。
【0084】導入線3は、Ni線からなり、先端が金属
製筒状ホルダ2の背面中央に溶接されている。その結
果、セラミックス電極1の熱電子放出物質1aは、セラ
ミックス容器1b、金属製筒状ホルダ2を介して導入線
3に電気的に導通している。
【0085】また、導入線3は、放電ランプの透光製放
電容器にセラミックス電極構造体を封装する際に透光製
放電容器に気密に封着される。
【0086】図4は、本発明のセラミックス電極構造体
の第2の実施形態を示す平面図である。
【0087】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0088】本実施形態は、120゜間隔で3点の加締
め部2bを形成して、セラミックス電極1を固定してい
る。
【0089】図5は、本発明のセラミックス電極構造体
の第3の実施形態を示す平面図である。
【0090】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0091】本実施形態は、90゜間隔で4点の加締め
部2bを形成して、セラミックス電極1を固定してい
る。
【0092】図6は、本発明のセラミックス電極構造体
の第4の実施形態を示す一部切欠拡大正面図である。
【0093】図7は、同じく拡大平面図である。
【0094】図8は、同じく一部切欠拡大縦断面図であ
る。
【0095】各図において、図1ないし図3と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0096】本実施形態は、金属製筒状ホルダ2の開口
部の周縁2aの全周を加締めて、セラミックス電極1の
セラミックス容器1bの外側面に金属製筒状ホルダ2の
周縁2aが全周で接触して、セラミックス電極1を固定
している。
【0097】図9は、本発明の放電ランプの第1の実施
形態における端部を示す要部拡大断面図である。
【0098】図において、図3と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。また、11は透光性放
電容器、12は蛍光体層、13は対向電極である。
【0099】透光性放電容器11は、軟質ガラスからな
る気密な細長いガラス管である。
【0100】蛍光体層12は、透光性放電容器11の内
面に形成されている。
【0101】対向電極13は、図3に示すセラミックス
電極構造体13と同様構造で、その一対が透光性放電容
器11の両端内部に封装されている。
【0102】導入線3は、その中間部が透光性放電容器
1の端面に前述した常法によって封着されて、基端部が
透光性放電容器11の外部に導出されている。
【0103】
【実施例】図9に示す構造で、以下に示す仕様である。
【0104】透光性放電容器:軟質ガラス製で、管外径
4.1mm、内径3.1mm、長さ280mm 対向電極:金属製筒状ホルダはNi製である。セラミッ
クス電極のセラミックス容器は、Ba(Zr、Ta)系
の複合酸化物半導体セラミックスのカップ状成形体で、
表面がTaCで被覆されている。電子放出物質は、Ba
(Zr、Ta)系の複合酸化物半導体セラミックスの顆
粒状体で表面がTaCで被覆されている。対向電極間距
離は250mmである。金属製筒状ホルダ2の周縁2a
とセラミックス容器1bの外面との間の隙間は、加締め
部2bにおいて0mm、非加締め部において0.4mm
であった。
【0105】イオン化媒体:水銀およびアルゴン933
0Pa 点灯結果:上記仕様の放電ランプを10本製作し、ラン
プ電流30mAの定電流インバータを用いて点灯したと
ころ、点灯10000時間まで放電の回り込みは生じな
かった。また、5〜30mAの範囲で安定した放電が得
られた。
【0106】図10は、本発明の放電ランプの第2の実
施形態における端部を示す要部拡大断面図である。
【0107】図において、図9と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0108】本実施形態は、透光性放電容器11の端面
の偏芯位置に排気チップ11aを備えている点でことな
る。
【0109】導入線3は、透光性放電容器11の端面中
央に気密に封着されている。
【0110】図11は、本発明の放電ランプの第3の実
施形態における端部を示す要部拡大断面図である。
【0111】図において、図10と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0112】本実施形態は、排気チップ11aが透光性
放電容器11の端面の中央に配設され、導入線3が偏芯
位置で封着され、かつ透光製放電容器11内において屈
曲してセラミックス電極1を透光性放電容器11の中心
に配設している点で異なる。
【0113】図12は、本発明の放電ランプの第4の実
施形態における端部を示す要部拡大断面図である。
【0114】図において、図9と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0115】本実施形態は、水銀をZnHgアマルガム
14により封入している点で異なる。
【0116】すなわち、ZnHgアマルガム14は、透
光性放電容器11の端部の角部に溶着させることによ
り、透光性放電容器11に支持させている。
【0117】そうして、ZnHgアマルガムの場合、水
銀を定量封入しやすいとともに、比較的弱いが温度に対
して水銀蒸気圧を調整する能力がある。
【0118】図13は、本発明の放電ランプの第5の実
施形態における端部を示す要部拡大断面図である。
【0119】図において、図12と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0120】本実施形態は、水銀をBi−In−Hgア
マルガム14により封入している点で異なる。
【0121】すなわち、Bi−In−Hgアマルガム1
4は、導入線3に支持させている。
【0122】そうして、Bi−In−Hgアマルガム1
4の場合、純水銀に比べて、温度の広い範囲にわたって
適切な水銀蒸気圧を調整する能力に優れているととも
に、水銀を定量封入しやすい。
【0123】図14は本発明の放電ランプを用いた放電
ランプ点灯装置を示す回路図である。
【0124】図において、図9と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。また、21は点灯回
路、22は放電ランプである。
【0125】点灯回路21は、高周波交流電源21aお
よび限流インピーダンス素子21bから構成され、一対
の出力端a、bを備えている。
【0126】また、高周波交流電源21aは、出力周波
数が40kHzで、低周波交流電源21a1、全波整流
回路21a2および高周波インバータ21a3から構成
されていている。低周波交流電源21a1の交流電圧を
全波整流器21a2で整流して直流に変換し、さらに高
周波インバータ21a3によって高周波交流電圧に変換
している。
【0127】限流インピーダンス素子21bは、放電ラ
ンプ22の負特性を補償して所定のランプ電流を通流す
るようにそのインピーダンスが設定される。
【0128】放電ランプ22は、図9に示す構造を備え
ている。その各部については図9と同一の符号を用いて
いる。そして、放電ランプ22の対向電極13、13
は、点灯回路11の出力端a、bに接続している。
【0129】次に、回路動作について説明する。
【0130】点灯回路11の高周波交流電源11aを投
入すると、その2次開放電圧が限流インピーダンス素子
21bを直列に介して対向電極13、13間に印加さ
れ、放電ランプ22は、グロー放電が開始され、さらに
アーク放電に転移して点灯する。
【0131】そうして、ランプ電流5〜30mAの範囲
で安定な点灯を行った。
【0132】図15は、本発明の放電ランプを用いて直
流点灯を行う放電ランプ点灯装置を示す回路図である。
【0133】図において、図14と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0134】放電ランプ22は、図において下方の対向
電極13には図3に示すセラミックス電極構造体を配設
し、上方の対向電極13’にはNi板からなる電極を配
設している。
【0135】点灯回路21は、高周波インバータに代え
てチョッパ形のDC−DCコンバータを用いて直流電圧
を出力する。そして、出力端aは正極、bは負極になっ
ている。
【0136】そうして、放電ランプ22は、対向電極1
3’が陽極、13が陰極として直流点灯する。
【0137】図16は、本発明の照明装置の第1の実施
形態としての画像読取装置を示す概念的断面図である。
【0138】図において、31は放電ランプ、32は受
光手段、33は信号処理手段、34は原稿載置面、35
は反射板、36はケースである。
【0139】放電ランプ31は、図1に示す実施形態を
採用している。そして、放電ランプ31の発光は、原稿
載置面34を介して原稿(図示しない。)に向けて照射
される。
【0140】受光手段32は、原稿面からの反射光を受
光するように配置されている。
【0141】信号処理手段33は、受光手段32の出力
信号を処理して画像信号を形成する。
【0142】原稿載置面34は、透明ガラスからなり、
その上に原稿を下向きに載置する。
【0143】反射板35は、放電ランプ31から外部に
放射された光を集光して原稿に向けて照射する。
【0144】ケース36は、以上の各構成要素を収納し
ている。
【0145】そうして、放電ランプ31および受光手段
32と、原稿載置面34とを相対的に走査する。すなわ
ち、いずれか一方または双方が反対方向に移動していく
過程で受光手段32が移動方向に対して直角方向に順次
原稿面からの反射光を受光していく。
【0146】本実施形態の画像読取装置は、複写機、イ
メージスキャナおよびファクシミリなどのOA機器など
に適応する。
【0147】図17は、本発明の照明装置の第2の実施
形態としての車載計器用液晶バックライト装置の分解斜
視図である。
【0148】図において、41は放電ランプ、42は反
射板、43は導光板、44は液晶表示体である。
【0149】放電ランプ41は、図1に示す実施形態と
同様な構造を備えている。
【0150】反射板42は、放電ランプ41の発光を導
光板43に導くとともに、放電ランプ41を所定の位置
に保持する。
【0151】導光板43は、透明アクリル樹脂からな
り、端面から放電ランプ41の発光を導入して、前面か
らなるべく均一に出射する。
【0152】液晶表示体44は、自動車の計器パネルを
構成するもので、回転計、スピードメーターなどの表示
部である。そして、導光板43の前面から出射した光で
背面から照明されることにより、計器パネルが照光して
計器類を照明する。
【0153】なお、反射板42は、さらに導光板43お
よび液晶表示体44を重ねた状態でその端縁を挟持す
る。
【0154】
【発明の効果】請求項1ないし4の各発明によれば、ア
ルカリ土類元素および遷移金属元素の酸化物を主体と
し、表面を遷移金属の炭化物または窒化物で被覆した塊
状、顆粒状またはスポンジ状の複合セラミックスからな
る熱電子放出物質を、アルカリ土類元素および遷移金属
元素の酸化物を主体とし表面を遷移金属元素の炭化物ま
たは窒化物で被覆した複合セラミックスからなり開口部
を備えたセラミックス容器の内部に収納してなるセラミ
ックス電極を、先端が開口して内部にセラミックス容器
の少なくとも底部側部分を収納し、開口部の周縁を加締
めて加締め部を形成することによってセラミックス容器
を固定した金属製筒状ホルダを備えていることにより、
セラミックス電極を確実に金属製筒状ホルダに固定する
とともに、金属製筒状ホルダに対する放電の回り込みが
生じにくくて、しかも電極寿命を全うするまで明るさの
ちらつきを生じることなく安定した放電を維持するセラ
ミックス電極構造体を提供することができる。
【0155】請求項2の発明によれば、加えて金属製筒
状ホルダの開口部の周縁の複数箇所で加締めたことによ
り、加締め作業が容易なセラミックス電極構造体を提供
することができる。
【0156】請求項3の発明によれば、加えて金属製筒
状ホルダの開口部の周縁の加締めを全周で行ったことに
より、外観が良好なセラミックス電極構造体を提供する
ことができる。
【0157】請求項4の発明によれば、加えて金属製筒
状ホルダの開口部の周縁およびセラミックス容器の外面
の間の隙間が最大で0.5mmであることにより、隙間
が存在してもホロー効果が発生しないで、金属製筒状ホ
ルダへの放電の回り込みが生じにくいセラミックス電極
構造体を提供することができる。
【0158】請求項5の発明によれば、透光製放電容器
の両端内部に封装する一対の対向電極の少なくとも一方
を請求項1ないし4のセラミックス電極構造体もって構
成したことにより、金属製筒状ホルダへの放電の回り込
みが生じにくいとともに、電極寿命を全うするまで明る
さのちらつきを生じることなく安定した放電を維持する
放電ランプを提供することができる。
【0159】請求項6発明によれば、加えてイオン化媒
体にセラミックス電極構造体の背方の透光性放電容器の
端部近傍に配設されたアマルガムによって封入されてい
る水銀を含んでいることにより、高温雰囲気中でも水銀
蒸気圧を最適値範囲に維持して発光効率が高い放電ラン
プを提供することができる。
【0160】請求項7の発明によれば、請求項5および
6の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス電極構造体の第1の実施
形態を示す一部切欠拡大断面図
【図2】同じく拡大平面図
【図3】同じく一部切欠拡大縦断面図
【図4】本発明のセラミックス電極構造体の第2の実施
形態を示す平面図
【図5】本発明のセラミックス電極構造体の第3の実施
形態を示す平面図
【図6】本発明のセラミックス電極構造体の第4の実施
形態を示す一部切欠拡大正面図
【図7】同じく拡大平面図
【図8】同じく一部切欠拡大縦断面図
【図9】本発明の放電ランプの第1の実施形態における
端部を示す要部拡大断面図
【図10】本発明の放電ランプの第2の実施形態におけ
る端部を示す要部拡大断面図
【図11】本発明の放電ランプの第3の実施形態におけ
る端部を示す要部拡大断面図
【図12】本発明の放電ランプの第4の実施形態におけ
る端部を示す要部拡大断面図
【図13】本発明の放電ランプの第5の実施形態におけ
る端部を示す要部拡大断面図
【図14】本発明の放電ランプを用いた放電ランプ点灯
装置を示す回路図
【図15】本発明の放電ランプを用いて直流点灯を行う
放電ランプ点灯装置を示す回路図
【図16】本発明の照明装置の第1の実施形態としての
画像読取装置を示す概念的断面図
【図17】本発明の照明装置の第2の実施形態としての
車載計器用液晶バックライト装置を示す分解斜視図
【符号の説明】
1…セラミックス電極 1a…熱電子放出物質 1b…セラミックス容器 2…金属性筒状ホルダ 2a…周縁 2b…加締め部 g…隙間
フロントページの続き (72)発明者 田村 暢宏 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 5C015 EE06 EE07 EE08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ土類元素および遷移金属元素の酸
    化物を主体とし表面を遷移金属元素の炭化物およびまた
    は窒化物で被覆した複合セラミックスからなり開口部を
    備えた電気伝導性のセラミックス容器、ならびにアルカ
    リ土類元素および遷移金属元素の酸化物を主体とし表面
    を遷移金属元素の炭化物およびまたは窒化物で被覆した
    顆粒状、スポンジ状または塊状の複合セラミックスから
    なりセラミックス容器内に収納された熱電子放出物質を
    備えたセラミックス電極と;先端が開口して内部にセラ
    ミックス容器の少なくとも底部側部分を収納し、開口部
    の周縁を加締めることによってセラミックス容器を固定
    した金属製筒状ホルダと;を具備していることを特徴と
    するセラミックス電極構造体。
  2. 【請求項2】金属製筒状ホルダは、開口部の周縁の複数
    箇所で加締めてセラミックス容器を固定していることを
    特徴とする請求項1記載のセラミックス電極構造体。
  3. 【請求項3】金属製筒状ホルダは、開口部の周縁のほぼ
    全周で加締めてセラミックス容器を固定していることを
    特徴とする請求項1記載のセラミックス電極構造体。
  4. 【請求項4】金属製筒状ホルダの開口部の周縁およびセ
    ラミックス容器の間が最大で0.5mmであることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミッ
    クス電極構造体。
  5. 【請求項5】透光性放電容器と;透光性放電容器の両端
    内部に封装され、少なくとも一方は請求項1ないし4の
    いずれか一記載のセラミックス電極構造体からなる一対
    の対向電極と;透光性放電容器の内部に封入されたイオ
    ン化媒体と;を具備していることを特徴とする放電ラン
    プ。
  6. 【請求項6】イオン化媒体は、セラミックス電極構造体
    より背方の透光性放電容器の端部近傍に配設されたアマ
    ルガムによって封入されている水銀を含んでいることを
    特徴とする請求項5記載の放電ランプ。
  7. 【請求項7】照明装置本体と;照明装置本体に配設され
    た請求項5または6記載の放電ランプと;を具備してい
    ることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100446170C (zh) * 2006-04-05 2008-12-24 东南大学 一种陶瓷冷阴极荧光灯阴极

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CN100446170C (zh) * 2006-04-05 2008-12-24 东南大学 一种陶瓷冷阴极荧光灯阴极

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