JP2000182141A - 自動販売機の飲料抽出機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】原料シュートでの原材料の付着を極力少なくす
るとともに、付着した原材料も確実に剥離できる自動販
売機の飲料抽出機を提供する。 【解決手段】上方には湯が投入される上下動自在の給湯
シリンダ２を配置し、下方にはコーヒ粉等の原材料が原
料シュート９を通じて投入される抽出シリンダ４を配置
し、給湯シリンダ２を抽出シリンダ４に向かって下降さ
せて抽出シリンダ４を閉塞し、給湯シリンダ２内の湯を
抽出シリンダ４内に供給して飲料を抽出する自動販売機
の飲料抽出機において、原料シュート９は、コイルバネ
９４により抽出シリンダ４に向かって延在するよう付勢
され、かつ、給湯シリンダ２が下降したときはこれに当
たって抽出シリンダ４から待避するよう揺動する揺動シ
ュート部９２を有する構造となっている。これにより、
抽出工程時に発生する湯気が原料シュート９に直接に入
り込むことがなく、原料シュート９内での結露を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒ粉等の原材
料から飲料を抽出しカップ販売する自動販売機の飲料抽
出機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自動販売機の飲料抽出機
として、例えば特開平９−３２７３８７号公報に開示さ
れたものが知られている。

【０００３】この飲料抽出機は湯を受ける給湯シリンダ
とコーヒ粉等の原材料を受ける抽出シリンダを有するも
ので、飲料を抽出すときは、まず、加熱された湯を給湯
シリンダに投入するとともに、抽出シリンダにコーヒ粉
を投入する。次いで、この給湯シリンダと抽出シリンダ
を気密に連結する。その後、給湯ピストンを押し下げ、
給湯シリンダ内の湯を抽出シリンダに押し流す。これに
より、この湯がコーヒ粉を通過してコーヒ液を抽出す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の飲料
抽出機では、原料シュートを通じて原材料が投入される
が、この原料シュートは固定されたもので、常時抽出シ
リンダに向かって開口した状態となっている。このよう
な状態で抽出シリンダにて飲料を抽出するとき、抽出シ
リンダから漏れる湯気が原料シュート内に直接に入り込
み、この原料シュート内で結露する。

【０００５】しかしながら、この内部で結露した原料シ
ュートに原料を通過させると原料シュート内に原材料が
付着し、この原材料が腐敗し、衛生上好ましくない状況
となっていた。

【０００６】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、原
料シュートでの原材料の付着を極力少なくするととも
に、付着した原材料も確実に剥離できる自動販売機の飲
料抽出機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、上方には湯が投入される上下動自在の給湯シ
リンダを配置し、下方には原料シュートを通じてコーヒ
粉等の原材料が投入される抽出シリンダを配置し、給湯
シリンダを抽出シリンダに向かって下降させて抽出シリ
ンダを閉塞し、給湯シリンダ内の湯を抽出シリンダ内に
供給して飲料を抽出する自動販売機の飲料抽出機におい
て、原料シュートは、バネ手段により抽出シリンダに向
かって延在するよう付勢され、かつ、給湯シリンダが下
降したときはこれに当たって抽出シリンダから待避する
よう揺動する揺動シュート部を有する構造となってい
る。

【０００８】本発明によれば、給湯シリンダが下降し飲
料の抽出工程に移行するとき、この揺動シュート部が抽
出シリンダから待避するため、抽出工程時に発生する湯
気が原料シュートに直接に入り込むことがなく、原料シ
ュート内での結露を防止できる。

【０００９】また、抽出工程が終了して給湯シリンダが
上昇するときは、給湯シリンダの当接状態が解除される
ため、揺動シュート部が再度、抽出シリンダに向かって
延在する。このように、原料シュートの揺動シュート部
は抽出工程の前後で揺動し、この揺動に伴い揺動シュー
トに付着した原材料が剥離する。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１乃至図４は本発明に係る自動
販売機の飲料抽出機の一実施形態を示すもので、図１は
自動販売機の内部構造を示す概略図、図２は飲料抽出機
の縦断面図、図３は抽出工程前の原料シュートの状態を
示す断面図、図４は抽出工程中の原料シュートの状態を
示す断面図である。

【００１１】この自動販売機の概略構成を図１を参照し
て説明する。１は水道水等を取り込みこれをヒータ１ａ
にて加熱して貯留する貯湯タンク、２はこの貯湯タンク
１から投入された湯を受ける給湯シリンダ、３はコーヒ
粉等の原材料（この実施形態ではコーヒ粉）を貯蔵する
原料ストッカ、４はこの原料ストッカ３から投入される
コーヒ粉を受ける抽出シリンダ、５はこの抽出シリンダ
４で抽出される抽出液をこす濾過紙、６はこの濾過紙５
を支えるフィルタブロック、７はフィルタブロック６か
ら導出された抽出液と砂糖、ミルクを混合するミキシン
グボールである。

【００１２】この給湯シリンダ２は、図２に示すよう
に、支柱２１にて摺動自在になっている。また、この給
湯シリンダ２の内側にはピストンヘッド２２が配置さ
れ、このピストンヘッド２２には駆動モータ８の動力が
エンドレスチェーン機構８１、カム８２、ロッド８３、
揺動アーム８４及び連結アーム８５を介して伝達され、
このピストンヘッド２２が上下動するようになってい
る。このピストンヘッド２２はその中央に給湯シリンダ
２に一体に固定されたピストンロッド２３が貫通してお
り、このピストンロッド２３を介してピストンヘッド２
２が上下動する。また、この給湯シリンダ２の下部には
抽出ピストン２４が連結しており、ピストンロッド２３
内に貫通する湯通路２２ａ及び抽出ピストン２４を通じ
て湯が流れるようになっている（図２の１点鎖線矢
印）。

【００１３】前記抽出シリンダ４は、給湯シリンダ２の
下方に配置されている。この抽出シリンダ４にはエンド
レスチェーン機構８１、カム８７、ロッド８８及び抽出
シリンダレバー８９を介して駆動モータ８の動力が伝達
され、これにより、抽出シリンダ４が上下動するように
なっている。

【００１４】以上のように構成された飲料抽出機におい
て、飲料を抽出する際は、この抽出シリンダ４内に原材
料を投入する必要があるが、この原材料を案内する原料
シュート９を有している。この原料シュート９の構造を
図３及び図４を参照して説明する。

【００１５】この原料シュート９は上下に２分割された
筒状のものであり、上部は垂直方向に延び固定された固
定シュート部９１、下部は回動軸９２ａで回動自在の揺
動シュート部９２となっている。この固定シュート部９
１はその上端が原料ストッカ３に臨んでおり、原料スト
ッカ３から原材料が搬入され、揺動シュート部９２の上
端に搬入するようになっている。

【００１６】一方、揺動シュート部９２は、その上端に
ストッパ板９２ｂを有する。このストッパ板９２ｂは揺
動シュート部９２とは別個に固定されたストッパ軸９３
で回動が規制されるもので、図３に示すように、揺動シ
ュート部９２の下端が抽出シリンダ４の上面に向かって
傾斜した状態となったときにストッパ板９２ｂがストッ
パ軸９３に当たり、揺動シュート部９２の回動が規制さ
れる。また、回動軸９２ａは揺動シュート部９２の内側
から給湯シリンダ２側に延びる突出板９２ｃに貫通して
おり、この回動軸９２ａにコイルバネ９４が巻回されて
いる。このコイルバネ９４の両端はバネ係止軸９５と揺
動シュート部９２に係止され、常時は、図３に示すよう
に揺動シュート部９２を傾斜させるよう付勢している。
更に、この突出板９２ｃは給湯シリンダ２の上下移動路
中にあり、この給湯シリンダ２が下方に移動するとき、
図４に示すように、突出板９２ｃの内側端面に当たるよ
うになっている。

【００１７】本実施形態に係る飲料抽出機により飲料を
抽出するときは、駆動モータ８で抽出シリンダ４を下方
に移動させ抽出シリンダ４の下部開口を濾過紙５で閉塞
する。しかる後、湯を給湯シリンダ２内に投入する一
方、抽出シリンダ４内に原材料を投入する。ここで、原
料シュート９の揺動シュート部９２の下端開口が、図３
に示すように、コイルバネ９４の付勢力により抽出シリ
ンダ４の上端開口に向かって延びているため、原料スト
ッカ３から搬出された原料が固定シュート部９１及び揺
動シュート部９２を通じて抽出シリンダ４内に確実に搬
入される。

【００１８】次いで、ピストンヘッド２２を下降させ、
更に給湯シリンダ２及び抽出ピストン２４を下降させ、
抽出シリンダ４の上端開口を通じて抽出ピストン２４を
抽出シリンダ４内に圧入する。この給湯シリンダ２の下
降により突出板９２ｃの内側端面に給湯シリンダ２の側
壁が当たり、図４に示すように、揺動シュート部９２が
回転しその下端開口が抽出シリンダ４から離れる。

【００１９】しかる後、給湯シリンダ２内のピストンヘ
ッド２２を更に下降させることにより、給湯シリンダ２
内の湯がシ抽出シリンダ４内に供給され、飲料が抽出さ
れる。

【００２０】以上のように本実施形態によれば、原材料
を抽出シリンダ４に投入するときは、揺動シュート部９
２の下端開口が抽出シリンダ４の上端開口に臨んでお
り、原材料が投入される。一方、飲料の抽出工程、即ち
給湯シリンダ２が下降するときは、揺動シュート部９２
の下端開口が抽出シリンダ４から離れる。これにより、
抽出シリンダ４に供給される湯の湯気が揺動シュート部
９２に直接に侵入することがなく、原料シュート９内で
の結露を防止でき、従って、原料シュート９への原材料
の付着、更には原材料の腐敗を防止できる。

【００２１】また、揺動シュート部９２に原材料が付着
したとても、この揺動シュート部９２は飲料の抽出の度
に揺動し、これにより、付着した原材料が容易に剥離す
る。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
飲料抽出工程時に発生する湯気が原料シュートに直接に
入り込むことがなく、原料シュート内での結露を防止で
きるし、また、揺動シュート部は抽出工程の前後で揺動
し、この揺動に伴い揺動シュート部に付着した原材料を
剥離できる。従って、原料シュート内ので腐敗等を防止
でき、衛生上優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動販売機の内部構造を示す概略図

【図２】飲料抽出機の縦断面図

【図３】抽出工程前の原料シュートの状態を示す断面図

【図４】抽出工程中の原料シュートの状態を示す断面図

【符号の説明】

２…給湯シリンダ、４…抽出シリンダ、９…原料シュー
ト、９２…揺動シュート部、９４…コイルバネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方には湯が投入される上下動自在の給
   湯シリンダを配置し、下方には原料シュートを通じてコ
   ーヒ粉等の原材料が投入される抽出シリンダを配置し、
   該給湯シリンダを該抽出シリンダに向かって下降させて
   該抽出シリンダを閉塞し、該給湯シリンダ内の湯を該抽
   出シリンダ内に供給して飲料を抽出する自動販売機の飲
   料抽出機において、 前記原料シュートは、バネ手段により前記抽出シリンダ
   に向かって延在するよう付勢され、かつ、前記給湯シリ
   ンダが下降したときはこれに当たって該抽出シリンダか
   ら待避するよう揺動する揺動シュート部を有することを
   特徴とする自動販売機の飲料抽出機。