JP2000180791A - 光アイソレ―タ - Google Patents
光アイソレ―タInfo
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- JP2000180791A JP2000180791A JP10376038A JP37603898A JP2000180791A JP 2000180791 A JP2000180791 A JP 2000180791A JP 10376038 A JP10376038 A JP 10376038A JP 37603898 A JP37603898 A JP 37603898A JP 2000180791 A JP2000180791 A JP 2000180791A
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- thick film
- garnet thick
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- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁界印加用の永久磁石を必要としないファラ
デー回転素子を用い、小型化、軽量化、低価格化を同時
に図った光アイソレータを提供する。 【解決手段】 ファラデー回転素子が、着磁されたガー
ネット厚膜からなり、保磁力が100Oe以上、残留磁
化が200G以下で、単位をOeで示す保磁力の値と、
単位をGで示す残留磁化の値の比が1.5以上である光
アイソレータ。ガーネット厚膜は、LPE法によって育
成され、Gd、Bi、Fe、Al、Ga等の各酸化物を
主成分とする。
デー回転素子を用い、小型化、軽量化、低価格化を同時
に図った光アイソレータを提供する。 【解決手段】 ファラデー回転素子が、着磁されたガー
ネット厚膜からなり、保磁力が100Oe以上、残留磁
化が200G以下で、単位をOeで示す保磁力の値と、
単位をGで示す残留磁化の値の比が1.5以上である光
アイソレータ。ガーネット厚膜は、LPE法によって育
成され、Gd、Bi、Fe、Al、Ga等の各酸化物を
主成分とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信機器、光情
報処理機器等に用いられ、光を一方向にのみ透過させ、
逆方向には遮断する光素子である光アイソレータに関す
る。
報処理機器等に用いられ、光を一方向にのみ透過させ、
逆方向には遮断する光素子である光アイソレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光源からの出射光を、光学系を用いて伝
達しようとするとき、光学系中の光学素子の端面で反射
した光は、光源に戻ってくる。例えば、光通信において
は、レーザ光源から出射した光は、結合レンズによって
収束され、光ファイバの端面に集められる。大部分の光
は、光ファイバ中に入り、その中を伝搬するが、一部は
光ファイバの端面で反射されて、光アイソレータを用い
ない場合には、レーザ光源に戻る。レーザ光源に戻った
光は、一般に位相も偏光方向もレーザ光源の出射光とは
異なり、これによって、レーザ発振が乱され、出射光の
ノイズとなったり、さらにはレーザ発振の停止に至る場
合もある。
達しようとするとき、光学系中の光学素子の端面で反射
した光は、光源に戻ってくる。例えば、光通信において
は、レーザ光源から出射した光は、結合レンズによって
収束され、光ファイバの端面に集められる。大部分の光
は、光ファイバ中に入り、その中を伝搬するが、一部は
光ファイバの端面で反射されて、光アイソレータを用い
ない場合には、レーザ光源に戻る。レーザ光源に戻った
光は、一般に位相も偏光方向もレーザ光源の出射光とは
異なり、これによって、レーザ発振が乱され、出射光の
ノイズとなったり、さらにはレーザ発振の停止に至る場
合もある。
【0003】このような戻り光を遮断するために、光ア
イソレータが用いられる。光アイソレータでは、戻り光
の遮断特性(アイソレーション、消光比)が高いこと、
入射光の挿入損失が低いことが要求される。
イソレータが用いられる。光アイソレータでは、戻り光
の遮断特性(アイソレーション、消光比)が高いこと、
入射光の挿入損失が低いことが要求される。
【0004】図3は、光アイソレータの構成断面図であ
る。図3において、光アイソレータは、ファラデー回転
子3、2個の偏光素子1、永久磁石4、ホルダ2、およ
び筐体5から構成されている。これらは、ホルダ2や永
久磁石4を介して、接着剤や半田、レーザ溶接等によ
り、筐体5に固定されている。
る。図3において、光アイソレータは、ファラデー回転
子3、2個の偏光素子1、永久磁石4、ホルダ2、およ
び筐体5から構成されている。これらは、ホルダ2や永
久磁石4を介して、接着剤や半田、レーザ溶接等によ
り、筐体5に固定されている。
【0005】図3示す光アイソレータにおいて、ファラ
デー回転子3を構成する磁性材料を、一方向に十分に磁
化する磁界強度を必要とするため、永久磁石4には、一
定の体積を要する。
デー回転子3を構成する磁性材料を、一方向に十分に磁
化する磁界強度を必要とするため、永久磁石4には、一
定の体積を要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光アイソレータの永久
磁石4は、また、ファラデー回転素子3を内包する構造
をなしているため、光アイソレータの外径は、少なくと
も永久磁石4の肉厚に相当する分だけ、余分に大きくな
ってしまう。光アイソレータには、他の光部品と同様
に、より一層の小型化、軽量化、低価格化が求められて
いる。高性能な希土類磁石の使用は、小型化のために有
効であるが、低価格化に対しては課題として残されてい
た。
磁石4は、また、ファラデー回転素子3を内包する構造
をなしているため、光アイソレータの外径は、少なくと
も永久磁石4の肉厚に相当する分だけ、余分に大きくな
ってしまう。光アイソレータには、他の光部品と同様
に、より一層の小型化、軽量化、低価格化が求められて
いる。高性能な希土類磁石の使用は、小型化のために有
効であるが、低価格化に対しては課題として残されてい
た。
【0007】本発明の目的は、小型化、軽量化、低価格
化を同時に図った光アイソレータを提供することであ
る。
化を同時に図った光アイソレータを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による光アイソレ
ータは、光アイソレータを構成するファラデー回転素子
が、着磁された硬磁性のビスマス置換型希土類鉄ガーネ
ット厚膜(以下において、ガーネット厚膜という)から
なり、ガーネット厚膜は、単位をエルステッド(以下、
エルステッドをOeと記す)で示す保磁力(iHc)の
値と、単位をガウス(以下、ガウスをGと記す)で示す
残留磁化(Br)の値の比が1.5以上であることを特
徴とする。
ータは、光アイソレータを構成するファラデー回転素子
が、着磁された硬磁性のビスマス置換型希土類鉄ガーネ
ット厚膜(以下において、ガーネット厚膜という)から
なり、ガーネット厚膜は、単位をエルステッド(以下、
エルステッドをOeと記す)で示す保磁力(iHc)の
値と、単位をガウス(以下、ガウスをGと記す)で示す
残留磁化(Br)の値の比が1.5以上であることを特
徴とする。
【0009】保磁力(iHc)の値と残留磁化(Br)
の値の比を1.5以上とすることにより、磁気特性の温
度変化や磁壁エネルギーの変化による逆向きの磁化をも
つ磁区の発生が抑制される。保磁力(iHc)の値と残
留磁化(Br)の値の比が1.5よりも小さい場合に
は、逆向きの磁化をもつ磁区が容易に発生される。
の値の比を1.5以上とすることにより、磁気特性の温
度変化や磁壁エネルギーの変化による逆向きの磁化をも
つ磁区の発生が抑制される。保磁力(iHc)の値と残
留磁化(Br)の値の比が1.5よりも小さい場合に
は、逆向きの磁化をもつ磁区が容易に発生される。
【0010】本発明の光アイソレータに用いられるガー
ネット厚膜は、液相エピタキシャル成長法(以下、LP
E法)によって育成され、Gd、Bi、Fe、Al、お
よびGaの各酸化物、または、Tb、Bi、Fe、A
l、およびGaの各酸化物、もしくは、Eu、Ho、B
i、Fe、Al、およびGaの各酸化物を主成分とす
る。
ネット厚膜は、液相エピタキシャル成長法(以下、LP
E法)によって育成され、Gd、Bi、Fe、Al、お
よびGaの各酸化物、または、Tb、Bi、Fe、A
l、およびGaの各酸化物、もしくは、Eu、Ho、B
i、Fe、Al、およびGaの各酸化物を主成分とす
る。
【0011】本発明の光アイソレータに用いられるガー
ネット厚膜の保磁力(iHc)は100Oe以上、か
つ、残留磁化(Br)は200G以下である。
ネット厚膜の保磁力(iHc)は100Oe以上、か
つ、残留磁化(Br)は200G以下である。
【0012】本発明において、ガーネット厚膜に含有さ
れるB2O3または/およびPbOは、それぞれの濃度
を、0.3wt%ないし5.0wt%と規定する。
れるB2O3または/およびPbOは、それぞれの濃度
を、0.3wt%ないし5.0wt%と規定する。
【0013】本発明の光アイソレータに用いられるガー
ネット厚膜は、酸素濃度が10%以上の雰囲気中、60
0〜1100℃の温度範囲で保持する熱処理によって、
LPE法によって硬磁性を保持しつつ、残留した応力が
緩和され、光の挿入損失が低く保たれ、保磁力と磁化曲
線の角型性が向上する。この熱処理によって、温度サイ
クル等に対しても、逆向きの磁化をもつ磁区の発生が減
少し、光アイソレータの特性劣化の発生率が著しく低減
する。600℃よりも低い熱処理温度では、応力緩和の
効果は著しく低く、また、1100℃を超える温度で
は、ガーネット厚膜の構成元素の拡散が顕著となり、磁
化曲線の角型性の低下が進む。このため、ガーネット厚
膜の磁気異方性の減少、保磁力の低下としてあらわれ、
外部磁界の印加なしには耐えられないまでに、光アイソ
レータの特性が劣化してしまう。
ネット厚膜は、酸素濃度が10%以上の雰囲気中、60
0〜1100℃の温度範囲で保持する熱処理によって、
LPE法によって硬磁性を保持しつつ、残留した応力が
緩和され、光の挿入損失が低く保たれ、保磁力と磁化曲
線の角型性が向上する。この熱処理によって、温度サイ
クル等に対しても、逆向きの磁化をもつ磁区の発生が減
少し、光アイソレータの特性劣化の発生率が著しく低減
する。600℃よりも低い熱処理温度では、応力緩和の
効果は著しく低く、また、1100℃を超える温度で
は、ガーネット厚膜の構成元素の拡散が顕著となり、磁
化曲線の角型性の低下が進む。このため、ガーネット厚
膜の磁気異方性の減少、保磁力の低下としてあらわれ、
外部磁界の印加なしには耐えられないまでに、光アイソ
レータの特性が劣化してしまう。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
いて、図面を参照して説明する。
【0015】本発明において、ファラデー回転素子を構
成するガーネット厚膜は、膜厚方向に磁気異方性をもつ
ように、LPE法によって育成される。ガーネット厚膜
は、硬磁性で、いったん外部磁界を厚さ方向に印加した
後、取り去っても、一方向に良好な磁化が保持される、
いわゆるラッチング機能を有する。そのため、永久磁石
を必要としないガーネット厚膜をファラデー回転素子と
して用いることによって、小型、軽量にして安価な光ア
イソレータを実現することができる。
成するガーネット厚膜は、膜厚方向に磁気異方性をもつ
ように、LPE法によって育成される。ガーネット厚膜
は、硬磁性で、いったん外部磁界を厚さ方向に印加した
後、取り去っても、一方向に良好な磁化が保持される、
いわゆるラッチング機能を有する。そのため、永久磁石
を必要としないガーネット厚膜をファラデー回転素子と
して用いることによって、小型、軽量にして安価な光ア
イソレータを実現することができる。
【0016】米国特許5608570(特開平9−18
5027)には、硬磁性のガーネット厚膜を用いた、い
わゆるラッチング挙動に関して記述されている。しか
し、光アイソレータの特性の劣化とファラデー回転素子
の形状に関連する記述はなく、あるいは、示唆もされて
いない。
5027)には、硬磁性のガーネット厚膜を用いた、い
わゆるラッチング挙動に関して記述されている。しか
し、光アイソレータの特性の劣化とファラデー回転素子
の形状に関連する記述はなく、あるいは、示唆もされて
いない。
【0017】ガーネット厚膜は、以下に述べるように、
LPE法によって育成される。まず、白金るつぼの中
で、フラックス成分としての酸化鉛(PbO)および酸
化ホウ素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)等、ガ
ーネット成分として高純度の酸化ガドリニウム(Gd2
O3)、酸化第2鉄(α−Fe2O3)、酸化ガリウム
(Ga2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)等を、約
900〜1100℃の温度で溶解して溶液を作製した
後、降温し、過冷却状態(過飽和溶液状態)とする。そ
の溶液に基板結晶を浸漬し、一定時間回転させながら、
ビスマス置換型ガーネット厚膜材料を育成する。ガーネ
ット厚膜の種類によってガドリニウム(Gd2O3)のか
わりに酸化テルビウム(Tb2O3)、酸化ユーロピウム
(Eu2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)等が使われ
る。なお、フラックス成分としてのBi2O3は、ガーネ
ット厚膜の主成分にもなっている。
LPE法によって育成される。まず、白金るつぼの中
で、フラックス成分としての酸化鉛(PbO)および酸
化ホウ素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)等、ガ
ーネット成分として高純度の酸化ガドリニウム(Gd2
O3)、酸化第2鉄(α−Fe2O3)、酸化ガリウム
(Ga2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)等を、約
900〜1100℃の温度で溶解して溶液を作製した
後、降温し、過冷却状態(過飽和溶液状態)とする。そ
の溶液に基板結晶を浸漬し、一定時間回転させながら、
ビスマス置換型ガーネット厚膜材料を育成する。ガーネ
ット厚膜の種類によってガドリニウム(Gd2O3)のか
わりに酸化テルビウム(Tb2O3)、酸化ユーロピウム
(Eu2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)等が使われ
る。なお、フラックス成分としてのBi2O3は、ガーネ
ット厚膜の主成分にもなっている。
【0018】本発明の光アイソレータに用いられるガー
ネット厚膜は、比較的容易に入手可能な種類のガーネッ
ト結晶を基板として育成できる。とくに、Al、Gaの
各酸化物の使用により、ガーネット厚膜の格子定数、お
よび残留磁化(Br)の値を制御するすることができ
る。
ネット厚膜は、比較的容易に入手可能な種類のガーネッ
ト結晶を基板として育成できる。とくに、Al、Gaの
各酸化物の使用により、ガーネット厚膜の格子定数、お
よび残留磁化(Br)の値を制御するすることができ
る。
【0019】残留磁化(Br)が200Gを超えると、
保磁力(iHc) を効果的に増加させることが困難と
なり、保磁力(iHc)の値と残留磁化(Br)の値の
比を1.5以上に設定することが困難となる。また、保
磁力(iHc)を100Oeよりも小さくし、保磁力
(iHc)の値と残留磁化(Br)の値の比を1.5以
上に設定すると、ガーネット厚膜の組成を制御できる範
囲が狭くなってしまう。
保磁力(iHc) を効果的に増加させることが困難と
なり、保磁力(iHc)の値と残留磁化(Br)の値の
比を1.5以上に設定することが困難となる。また、保
磁力(iHc)を100Oeよりも小さくし、保磁力
(iHc)の値と残留磁化(Br)の値の比を1.5以
上に設定すると、ガーネット厚膜の組成を制御できる範
囲が狭くなってしまう。
【0020】ガーネット厚膜は、結晶育成が容易なこと
と併せて、高濃度のBiを主成分として含有するため、
高いファラデー回転能を示し、薄い膜厚でもファラデー
回転素子に必要なファラデー回転角が得られる。
と併せて、高濃度のBiを主成分として含有するため、
高いファラデー回転能を示し、薄い膜厚でもファラデー
回転素子に必要なファラデー回転角が得られる。
【0021】ガーネット厚膜は、PbO−Bi2O3−B
2O3系をフラックスとして育成されるため、ある程度の
B2O3およびPbOを含有させることができる。ガーネ
ット厚膜中の高濃度のB2O3、PbOは、入射光の挿入
損失を高める。しかし、適切な濃度のB2O3、PbO
は、それぞれ、ガーネット厚膜結晶格子の歪みの緩和
や、イオンバランスの改善に寄与すると考えられる。B
2O3、PbOの濃度が0.3wt%未満では、その効果
が小さい。
2O3系をフラックスとして育成されるため、ある程度の
B2O3およびPbOを含有させることができる。ガーネ
ット厚膜中の高濃度のB2O3、PbOは、入射光の挿入
損失を高める。しかし、適切な濃度のB2O3、PbO
は、それぞれ、ガーネット厚膜結晶格子の歪みの緩和
や、イオンバランスの改善に寄与すると考えられる。B
2O3、PbOの濃度が0.3wt%未満では、その効果
が小さい。
【0022】ガーネット厚膜は、基板結晶よりも20%
程度大きい熱膨張率をもつため、基板結晶を削除して
も、室温近傍では、ガーネット厚膜には応力が残存す
る。このため、温度サイクル(通常の当該部品では−4
0℃〜+80℃の温度範囲)により、ガーネット厚膜に
は、応力の変化のほか、磁化量および磁壁エネルギーの
変化が重畳し、逆向きの磁化をもつ磁区の発生が発生し
易い原因は残る。逆向きの磁化をもつ磁区の存在は、光
アイソレータの光学特性(アイソレーション、挿入損
失、消光比等)の劣化につながる。
程度大きい熱膨張率をもつため、基板結晶を削除して
も、室温近傍では、ガーネット厚膜には応力が残存す
る。このため、温度サイクル(通常の当該部品では−4
0℃〜+80℃の温度範囲)により、ガーネット厚膜に
は、応力の変化のほか、磁化量および磁壁エネルギーの
変化が重畳し、逆向きの磁化をもつ磁区の発生が発生し
易い原因は残る。逆向きの磁化をもつ磁区の存在は、光
アイソレータの光学特性(アイソレーション、挿入損
失、消光比等)の劣化につながる。
【0023】
【実施例】本実施の形態の詳細を、以下に、実施例をも
って説明する。
って説明する。
【0024】(実施例1)LPE法によって、つぎのと
おり3種類のガーネット厚膜を約600μmの厚さに育
成した。すなわち、NGG結晶(格子定数12.509
オングストローム)を基板とする(Gd1.9Bi1.1)
(Fe4.2Al0.6Ga0.2)O12を、SGGG結晶(C
a、Mg、Zr置換GGG、格子定数12.496オン
グストローム)を基板とする(Tb1.8Bi1.2)(Fe
4.0Al0.5Ga0.5)O12、および、(Eu0 .9Ho1.1
Bi1.0)(Fe4.1Al0.1Ga0.8)O12である。これ
らのガーネット厚膜には、B2O3およびPbOが合計で
0.3〜5.0wt%含有されていた。ガーネット厚膜の
組成、B2O3、および、PbOの含有濃度は、別途、E
PMA分析および原子吸光分析によって求めた。
おり3種類のガーネット厚膜を約600μmの厚さに育
成した。すなわち、NGG結晶(格子定数12.509
オングストローム)を基板とする(Gd1.9Bi1.1)
(Fe4.2Al0.6Ga0.2)O12を、SGGG結晶(C
a、Mg、Zr置換GGG、格子定数12.496オン
グストローム)を基板とする(Tb1.8Bi1.2)(Fe
4.0Al0.5Ga0.5)O12、および、(Eu0 .9Ho1.1
Bi1.0)(Fe4.1Al0.1Ga0.8)O12である。これ
らのガーネット厚膜には、B2O3およびPbOが合計で
0.3〜5.0wt%含有されていた。ガーネット厚膜の
組成、B2O3、および、PbOの含有濃度は、別途、E
PMA分析および原子吸光分析によって求めた。
【0025】これら3種類のガーネット厚膜の磁気特性
は、振動型磁力計による測定によれば、保磁力(iH
c)は100〜800Oe、残留磁化(Br)は50〜
200Gであった。これらのガーネット厚膜は、膜厚方
向に磁気異方性を有する角形性の良好な磁化曲線を示
し、硬磁性材料となっている。
は、振動型磁力計による測定によれば、保磁力(iH
c)は100〜800Oe、残留磁化(Br)は50〜
200Gであった。これらのガーネット厚膜は、膜厚方
向に磁気異方性を有する角形性の良好な磁化曲線を示
し、硬磁性材料となっている。
【0026】これらのガーネット厚膜のファラデー回転
能は、波長1.55μmの入射光に対して900〜11
00deg/cmであった。ファラデー回転角が45d
egになるように研磨加工により厚さを調整した。通
常、厚さは400〜500μmとなる。つぎに、これら
のガーネット厚膜を、一辺が1mmの正方形に加工した
ファラデー回転素子とし、偏光面が45degとなるよ
うに調整した2枚のガラス偏光子(商品名ポーラコア)
の間に配置し、電磁石を使用して、約10kOeの磁界
を印加して磁化し、光アイソレータを得た。
能は、波長1.55μmの入射光に対して900〜11
00deg/cmであった。ファラデー回転角が45d
egになるように研磨加工により厚さを調整した。通
常、厚さは400〜500μmとなる。つぎに、これら
のガーネット厚膜を、一辺が1mmの正方形に加工した
ファラデー回転素子とし、偏光面が45degとなるよ
うに調整した2枚のガラス偏光子(商品名ポーラコア)
の間に配置し、電磁石を使用して、約10kOeの磁界
を印加して磁化し、光アイソレータを得た。
【0027】ガーネット厚膜は硬磁性であるため、外部
磁界を取り去っても、一方向に良好な磁化が保持され、
永久磁石を必要としない光アイソレータとなる。本発明
による光アイソレータの特性は、アイソレーションが4
0dB以上、挿入損失が0.3dB以下、消光比が40
dB以上であった。
磁界を取り去っても、一方向に良好な磁化が保持され、
永久磁石を必要としない光アイソレータとなる。本発明
による光アイソレータの特性は、アイソレーションが4
0dB以上、挿入損失が0.3dB以下、消光比が40
dB以上であった。
【0028】これら3種類のガーネット厚膜をファラデ
ー回転素子として、各100個の光アイソレータを作製
し、温度サイクル(−40℃〜+80℃/Hr)を10
回繰り返した後、光アイソレータの特性劣化の発生率を
調べた。ここで、光アイソレータの特性劣化とは、アイ
ソレーションが40dB以下、挿入損失が0.3dB以
上、消光比が40dB以下のいずれかの範囲になった状
態をいう。
ー回転素子として、各100個の光アイソレータを作製
し、温度サイクル(−40℃〜+80℃/Hr)を10
回繰り返した後、光アイソレータの特性劣化の発生率を
調べた。ここで、光アイソレータの特性劣化とは、アイ
ソレーションが40dB以下、挿入損失が0.3dB以
上、消光比が40dB以下のいずれかの範囲になった状
態をいう。
【0029】図1は、ガーネット厚膜の保磁力(iH
c)の値と残留磁化(Br)の値の比に対する、特性劣
化の発生率の関係を示す図である。保磁力(iHc)の
値と残留磁化(Br)の値の比が1.5以上では、特性
劣化の発生率は低い。この結果から、保磁力(iHc)
の値と残留磁化(Br)の値の比を1.5以上の範囲に
して光アイソレータを構築することが有用となる。
c)の値と残留磁化(Br)の値の比に対する、特性劣
化の発生率の関係を示す図である。保磁力(iHc)の
値と残留磁化(Br)の値の比が1.5以上では、特性
劣化の発生率は低い。この結果から、保磁力(iHc)
の値と残留磁化(Br)の値の比を1.5以上の範囲に
して光アイソレータを構築することが有用となる。
【0030】(実施例2)実施例1に示した3種類のガ
ーネット厚膜を、基板を除去した後、約50%の酸素を
含む雰囲気中、600℃〜1150℃の温度で20時間
保持し、熱処理した。図2は、これらのガーネット厚膜
を用いた光アイソレータの特性劣化発生率に及ぼす熱処
理温度の効果を示す図である。
ーネット厚膜を、基板を除去した後、約50%の酸素を
含む雰囲気中、600℃〜1150℃の温度で20時間
保持し、熱処理した。図2は、これらのガーネット厚膜
を用いた光アイソレータの特性劣化発生率に及ぼす熱処
理温度の効果を示す図である。
【0031】図2によれば、熱処理温度が600℃を超
えると、特性劣化発生率は著しく低減し、熱処理温度が
1100℃を超えた温度では、著しく増加している。熱
処理温度が600℃〜1100℃の範囲では、特性劣化
発生率は著しく低減しており、600℃〜1100℃で
の熱処理が有用であることが判る。
えると、特性劣化発生率は著しく低減し、熱処理温度が
1100℃を超えた温度では、著しく増加している。熱
処理温度が600℃〜1100℃の範囲では、特性劣化
発生率は著しく低減しており、600℃〜1100℃で
の熱処理が有用であることが判る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁界印加用の永久磁石を必要としないファラデー回転素
子を用い、小型化、軽量化、低価格化を同時に図った光
アイソレータを得ることができる。
磁界印加用の永久磁石を必要としないファラデー回転素
子を用い、小型化、軽量化、低価格化を同時に図った光
アイソレータを得ることができる。
【図1】ガーネット厚膜の残留磁化(Br)の値と保磁
力(iHc)の値の比に対する、特性劣化の発生率の関
係を示す図。
力(iHc)の値の比に対する、特性劣化の発生率の関
係を示す図。
【図2】ガーネット厚膜を用いた光アイソレータの特性
劣化発生率に及ぼす熱処理温度の効果を示す図。
劣化発生率に及ぼす熱処理温度の効果を示す図。
【図3】光アイソレータの構成断面図。
1 偏光素子 2 ホルダ 3 ファラデー回転素子 4 永久磁石 5 筐体
Claims (7)
- 【請求項1】 着磁されたビスマス置換型希土類鉄ガー
ネット厚膜からなるファラデー回転子を有する光アイソ
レータにおいて、前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネッ
ト厚膜は、単位をエルステッドで示す保磁力の値と、単
位をガウスで示す残留磁化の値の比が1.5以上である
ことを特徴とする光アイソレータ。 - 【請求項2】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜は、Gd、Bi、Fe、Al、およびGaの各酸化
物、または、Tb、Bi、Fe、Al、およびGaの各
酸化物、もしくは、Eu、Ho、Bi、Fe、Alおよ
びGaの各酸化物を、主成分とすることを特徴とする請
求項1記載の光アイソレータ。 - 【請求項3】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜の保磁力が100エルステッド以上、かつ、残留磁
化が200ガウス以下であることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の光アイソレータ。 - 【請求項4】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜は、液相エピタキシャル成長法によって育成された
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
記載の光アイソレータ。 - 【請求項5】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜は、B2O3または/およびPbOを含有し、それぞ
れの濃度は、0.3wt%ないし5.0wt%であること
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
の光アイソレータ。 - 【請求項6】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜は、600〜1100℃の温度範囲で保持する熱処
理を施されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5
のいずれかに記載の光アイソレータ。 - 【請求項7】 前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット
厚膜は、酸素濃度が10%以上の雰囲気中で熱処理をさ
れたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれ
かに記載の光アイソレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10376038A JP2000180791A (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-18 | 光アイソレ―タ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10376038A JP2000180791A (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-18 | 光アイソレ―タ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000180791A true JP2000180791A (ja) | 2000-06-30 |
Family
ID=18506476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10376038A Pending JP2000180791A (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-18 | 光アイソレ―タ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000180791A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6775052B2 (en) | 2001-12-25 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Hard magnetic garnet material, faraday rotator, optical device, optical communication system, method of manufacturing faraday rotator and method of manufacturing bismuth-substituted rare earth iron garnet single crystal |
-
1998
- 1998-12-18 JP JP10376038A patent/JP2000180791A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6775052B2 (en) | 2001-12-25 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Hard magnetic garnet material, faraday rotator, optical device, optical communication system, method of manufacturing faraday rotator and method of manufacturing bismuth-substituted rare earth iron garnet single crystal |
US7242516B2 (en) | 2001-12-25 | 2007-07-10 | Tdk Corporation | Hard magnetic garnet material, faraday rotator, optical device, optical communication system, method of manufacturing faraday rotator and method of manufacturing bismuth-substituted rare earth iron garnet single crystal |
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