JP2000180701A - 焦点検出装置の取付構造 - Google Patents

焦点検出装置の取付構造

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JP2000180701A
JP2000180701A JP10360172A JP36017298A JP2000180701A JP 2000180701 A JP2000180701 A JP 2000180701A JP 10360172 A JP10360172 A JP 10360172A JP 36017298 A JP36017298 A JP 36017298A JP 2000180701 A JP2000180701 A JP 2000180701A
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Tomoyuki Kuwata
知由己 桑田
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動焦点調節機構で用いられる焦
点検出装置の取付構造に関し、焦点検出装置の周囲に無
駄な空間を設ける必要がなく、配置設計上の制約の少な
い取付構造を得る。 【解決手段】 光学機器1の対物レンズ3を介して得ら
れる被写体からの光束に基づいて対物レンズの焦点調節
状態を検出する焦点検出装置15を、光学機器に設けら
れた基盤10に取り付ける焦点検出装置の取付構造にお
いて、焦点検出装置15を内包する枠部を有するととも
に、基盤に対して接触する取付部を枠部の端部に有する
枠部材30と、焦点検出装置を基盤に対して枠部方向に
付勢する付勢手段41と、枠部材に設けられ、焦点検出
装置を付勢手段の付勢方向と反対方向に支持することに
より、焦点検出装置の姿勢を調節する調節部材43とを
備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動焦点調節機構
で用いられる焦点検出装置の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】焦点検出装置は、受光素子とこの受光素
子に入射光を導く光学系とを一体的に構成した部品であ
り、自動焦点調節機構を有する一眼レフカメラや双眼
鏡、測量機器等の光学機器において、焦点面の結像状態
を検出するために機器内に組み込んで使用される。この
場合、焦点検出装置は、対物レンズから焦点面に至る光
路を避けた場所に、取付姿勢を微調節可能に取り付ける
方式が採用される。以下、カメラにおける取付構造を例
に挙げて説明する。
【0003】図4は、従来の焦点検出装置の取付構造を
示す分解斜視図である。なお、図4に示す取付構造は、
実公平7−31207号公報に開示されているものであ
る。図4において、カメラでは、焦点検出装置50は、
撮影時に撮影レンズを通ってフィルムに達する撮影光を
けらないように、ミラーボックスの底基板55の下面
(カメラを正位置に配置した場合の下面、以下同じ)に
取り付けられる。そのため、焦点検出装置50及び底基
板55には、次のような措置が施されている。
【0004】焦点検出装置50は、ケース51の短手方
向の両側面に板状の取付部52a、52bがそれぞれ突
設され、取付部52a、52bには、取付ねじ60を挿
通できる貫通穴eが設けられる。ケース51の長手方向
一端には入射窓53が設けられ、他端には受光素子であ
るイメージセンサ54が設けられる。そして、底基板5
5の開口部56周辺の下面には、取付部52a,52b
に設けてある3個の貫通穴eと対応した位置に、3本の
取付ボス57a,57b,57cがそれぞれ立設されて
いる。3本の取付ボス57a,57b,57cの先端に
は、それぞれ、取付ねじ60と螺合するねじ穴が設けら
れる。また、3本の取付ボス57a,57b,57cそ
れぞれには、ボス長よりも長い所定長さのコイルスプリ
ング62a,62b,62cが装着される。
【0005】以上の構成において、3本の取付ボス57
a,57b,57cに装着したコイルスプリング62
a,62b,62cを押し縮めて、3本の取付ボス57
a,57b,57cそれぞれの先端面を取付部52a,
52bの穴eの位置に合わせ、取付ねじ60を取付部5
2a,52bの下方からねじ込むと、焦点検出装置50
は、底基板55の開口部56周辺の下面に、入射窓53
が開口部56に位置決めされた状態で、装着される。
【0006】このとき、コイルスプリング62a,62
b,62cが圧縮コイルばねとして作用し、焦点検出装
置50を底基板55から離反する向きに付勢するので、
焦点検出装置50は、3本の取付ねじ60の頭部側に押
し付けられて固定されるが、この状態で3本の取付ねじ
60を各別に調節することにより、取付姿勢(位置,傾
き)を微調節できる。
【0007】この取付姿勢の微調節では、焦点検出装置
50が、その受光素子の受光面が焦点面と等価な位置に
くるように配置され、撮影レンズが導入した目標光が開
口部56でけられることなく全てが受光面に入射できる
配置となるように調節される。これにより、カメラで
は、カメラ毎に行われる光軸合わせや焦点位置出しの調
節が、正しく行えることになる。
【0008】また、類似の技術が特開平10−1772
04号公報にも開示されている。即ち、同公報では、や
はりカメラにおいて、焦点検出装置の光学系保持部材か
ら、ビスを挟む形状をした複数の支持片を突出させ、支
持片の弾性によりビスに設けられた溝状を保持すること
によりばねを不要とした取付構造が提案されている。こ
のものにおいても、各ビスの回転により焦点検出装置の
姿勢を変化させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の取付構造では、取付ねじを通すための穴を有する取付
部を焦点検出装置の側面に突き出して設ける必要がある
他、取付部と底基板との間には、取付ねじと螺合するね
じ穴を有する柱状物(ボス)が必要であるので、焦点検
出装置の寸法が大きくなり、焦点検出装置周辺の利用で
きるスペースが狭くなる。
【0010】さらに、従来の構造では、取付ねじと螺合
する柱状物(ボス)は、予め光学機器の底基板に用意さ
れているので、取付ねじを操作するドライバビットをカ
メラの外装部から挿入するための空間を用意する必要が
ある。これらのことは、全てカメラの構成部材(例えば
給送機構等)の配置設計の自由度を奪うものであり、カ
メラ等の光学機器の小型化を図る場合の障害となる。こ
の問題は、特にカメラでは、小型化の要請が強い上に、
焦点検出装置の周囲に各種の機器や機構を配置しなけれ
ばならないので重要である。
【0011】本発明の目的は、焦点検出装置の周囲に無
駄な空間を設ける必要がなく、配置設計上の制約の少な
い焦点検出装置の取付構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光学機器の対物レンズを介して得られる被写体から
の光束に基づいて前記対物レンズの焦点調節状態を検出
する焦点検出装置を、前記光学機器に設けられた基盤に
取り付ける焦点検出装置の取付構造において、前記焦点
検出装置を内包する枠部を有するとともに、前記基盤に
対して接触する取付部を前記枠部の端部に有する枠部材
と、前記焦点検出装置を前記基盤に対して前記枠部方向
に付勢する付勢手段と、前記枠部材に設けられ、前記焦
点検出装置を前記付勢手段の付勢方向と反対方向に支持
することにより、前記焦点検出装置の姿勢を調節する調
節部材とを備えることを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の焦点検出装置の取付構造において、前記焦点検出装置
は、前記被写体からの光束を折り曲げる反射部材を前記
光束の光路中に備えており、前記調節部材は、前記反射
部材を支持することを特徴とする。請求項3に記載の発
明は、請求項1または請求項2に記載の焦点検出装置の
取付構造において、前記枠部材は、雌ねじを有し、前記
調節部材は、前記雌ねじと螺合する雄ねじであることを
特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれか1項に記載の焦点検出装置の取付構造
において、前記付勢手段は、一端が前記枠部材に係合
し、他端が前記焦点検出装置に接触することを特徴とす
る。
【0015】(作用)請求項1に記載の発明では、焦点
検出装置は、枠部材の枠部に収容された状態で枠部材の
取付部が直接基盤に取り付けられることにより、基盤に
取り付けられる。このとき、焦点検出装置は、付勢手段
により、基盤に対して枠部材の枠部方向に付勢されると
ともに、調節部材により、その付勢力に抗して支持され
る状態で、枠部材の枠部に収容されているので、この調
節部材を操作することにより焦点検出装置の支持位置を
変更して焦点検出装置の姿勢を調節できる。
【0016】つまり、焦点検出装置の基盤への取り付け
は、焦点検出装置を枠部材の枠部に収容させた状態で、
枠部材の取付部を基盤に直接取り付ける構造である。し
たがって、取り付けのために占有される空間は、焦点検
出装置を収容する枠部材の枠部の大きさの空間となるの
で、占有空間を極力小さくでき、また焦点検出装置の周
りに大きく張り出すものがないようにできるので、焦点
検出装置取付位置周囲の空間の利用効率を向上させるこ
とができる。
【0017】請求項2に記載の発明では、焦点検出装置
が、被写体からの光束を折り曲げる反射部材を備えてい
る場合に、反射部材の配置位置の周辺には、使い勝手の
悪い空間が形成されるが、この空間を調節空間として利
用でき、焦点検出装置取付位置周囲の空間の利用効率を
更に向上させることができる。このとき、反射部材は、
接着剤で焦点検出装置のケースに固定されるのが通例で
あるが、本発明によれば、調節部材により反射部材を焦
点検出装置のケースに押し付けることができるので、接
着剤が硬化するまでの間、調節部材を反射部材を一時的
に押し付ける治具として利用でき、押さえ用の特別の治
具を不要にできる。
【0018】請求項3に記載の発明では、焦点検出装置
の姿勢調節は、ねじの回転操作によって行えるので、微
調節ができる。このとき、枠部材に設ける雌ねじの形成
位置は、周囲に配置される機材との関連で適宜に定める
ことが可能である。したがって、本発明によれば、請求
項1または請求項2に記載の発明と相俟って小型化や高
密度実装等のための配置設計の自由度を大きくすること
ができる。
【0019】請求項4に記載の発明では、付勢手段は、
基盤には接触せず、焦点検出装置と枠部材の双方に係合
するので、焦点検出装置を枠部材と共に基盤に取り付け
る際に容易に取付作業ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0021】図1乃至図4は、実施形態の焦点検出装置
の取付構造を示す。本実施形態は、請求項1乃至請求項
4に対応する。なお、図1は、実施形態の焦点検出装置
の取付構造の外観構成図である。図2は、実施形態の焦
点検出装置の取付構造の詳細を示す分解斜視図である。
図3は、実施形態の焦点検出装置の取付構造の断面図で
ある。図4は、実施形態の焦点検出装置の取付構造の側
面図(図2中、+Y側から見た側面図)である。
【0022】図1において、カメラボディ1のミラーボ
ックス2には、撮影レンズ3が交換可能に装着されると
ともに、メインミラー(クイックリターンミラー)4、
サブミラー5、ピント板6、ペンタプリズム7、ファイ
ンダ光学系8等の光学系が配置され、フィルム9が焦点
面の位置に配置される。そして、ミラーボックス2の底
基板10に設けてある開口部11(図3参照)周辺の下
面に、焦点検出装置15が、実施形態の取付構造によっ
て取付姿勢を微調節可能に取り付けられている。即ち、
底基板10の下面には、焦点検出装置15を収容する枠
部材30が直接止めねじ40で固定される。
【0023】以下、具体的な構成を示す。焦点検出装置
15は、図3に示すようにケース16の長手方向一端に
受光素子であるイメージセンサ17を取り付け、ケース
16内に長手方向他端から入射した撮像光をイメージセ
ンサ17に導く光学系を配置したものである。光学系
は、ケース16の長手方向他端側から順に、視野開口を
有する視野マスク18、赤外カットフィルタ19、コン
デンサレンズ20、折り曲げミラー21、開口を有する
絞りマスク22、セパレータレンズ23と配置されてい
る。また、折り曲げミラー21の背面には、当て板24
が設けられる。
【0024】ケース16は、プラスチック成型品であ
り、図2に示すように、短手方向の両側面に、球面状の
突起25、26(図1参照)を一体成形してある。ま
た、図2に示すように、長手方向他端側の端面開口に
は、視野開口を有する視野マスク18が配置され、その
両端に、ばね掛け溝27、28が設けられる。図2にお
いて、枠部材30は、金属板材からなり、プレス加工に
よって、焦点検出装置15を図示X+,X−,Z−の矢
印で示す三方向から囲む枠部を有する形状に形成された
ものである。即ち、枠部材30の枠部は、X+,X−の
矢印方向の側板29,39と、両側板29,39の一端
(図示Z−の矢印方向の端部)を連接するブリッジ36
とで構成される。
【0025】X+方向側の側板29面には丸穴31が設
けられ、X−方向側の側板39面には長穴32が設けら
れる。また、両側板29,39の他端(Z+方向側の端
部)には、取付部33とばね掛け溝34,35が設けら
れる。取付部33には、止めねじ40(図1参照)を挿
通する貫通穴が設けられる。また、図示してないが、底
基板10の開口部11周辺の下面には、止めねじ40
(図1参照)をねじ込むねじ穴が設けられる。
【0026】また、ブリッジ36は、焦点検出装置15
の折り曲げミラー21の配置位置に対応する位置にある
が、2箇所に雌ねじ部37,38が設けられる。これら
の雌ねじ部37,38には、調節ねじ43,44がねじ
込まれる。調節ねじ43,44は、先端が球面状に成形
された小ねじである。さらに、図1、図3において、底
基板10の焦点検出装置15の取付位置近傍には、調光
用の開口部45が設けられ、TTL調光素子46が配置
される。
【0027】以上の構成と請求項との対応関係は、次の
ようになっている。基盤には、底基板10が対応する。
枠部材には、枠部材30が対応する。枠部には、側板2
9,39とブリッジ36とで形成される形態が対応す
る。取付部には、取付部33が対応する。付勢手段に
は、つる巻きばね41,42が対応する。調節部材に
は、調節ねじ43,44が対応する。
【0028】以下、図1〜図4を参照して本実施形態の
取付構造の機能等を説明する。図において、組み付ける
手順は、次のようになる。まず、焦点検出装置15を枠
部材30に装着する。即ち、焦点検出装置15を、折り
曲げミラー21の配置位置をブリッジ36に合わせて枠
部材30の両側板29,39間に挿入し、突起25を丸
穴31にはめ込み、突起26を長穴32にはめ込む。両
突起25、26が枠部材30の両側板29,39を外向
きに押している状態である。
【0029】次に、つる巻ばね41,42を装着する。
即ち、つる巻ばね41,42の足の短い方の端部aを枠
部材30のばね掛け溝34,35にはめ込み、足の長い
方の端部bを焦点検出装置15のばね掛け溝27,28
にはめ込む。つる巻ばね41,42は、両端部間がばね
力に抗して接近させられて装着されるので、常時、焦点
検出装置15を枠部材30に対して図2に示すZ−方向
へ付勢している。この方向は底基板10から離れる方向
である。
【0030】また、ブリッジ36に設けてある雌ねじ部
37,38にZ−方向から調節ねじ43,44をねじ込
み、調節ねじ43,44の先端を当て板24を介して折
り曲げミラー21に押し付ける(図4参照)。これによ
り、焦点検出装置15は、枠部材30に対して図2に示
すZ+方向へ付勢されるので、つる巻ばね41,42の
付勢力に対抗して底基板10に向かって押し返されるこ
とになる。なお、当て板24は、調節ねじ43,44と
の接触部に局部的な力が加わり、折り曲げミラー21が
割れたり、欠けたりするのを防止するために設けてあ
る。
【0031】以上のように枠部材30に焦点検出装置1
5を取り付け収容した状態で、底基板10の下面におい
て取付部33の貫通穴と開口部11周辺にあるねじ穴と
の位置合わせを行い、止めねじ40をねじ込み、枠部材
30を底基板10の下面に固定する。その結果、焦点検
出装置15は、視野マスク17の視野開口が開口部11
に位置決めされて配置される。そして、枠部材30の両
側板29,39の弾性により、突起25と丸穴31及び
突起26と長穴32の接触が保たれ、丸穴31が突起2
5の回転のみを許容し、長穴32が突起26の回転に加
えて、長穴32の長手方向である図2に示すZ軸方向へ
の移動を許容することにより、焦点検出装置15が枠部
材30に可動可能に支持されて装着される。
【0032】その後は、カメラ本体の組立をさらに進
め、底基板10の下方(枠部材30の下方を含む)にフ
ィルム給送用の動力伝達機構などの各種の部品を組み付
けた後に、焦点検出装置15の姿勢調節が行われる。焦
点検出装置15の姿勢調節を後工程とするのは、次の理
由による。焦点検出装置15の姿勢調節は、撮影レンズ
3の光軸を基準に行われるので、先に焦点検出装置15
の姿勢調節を行ってしまうと、後から組み付けられる部
品によってボディ1の各部が僅かに歪み、光軸と焦点検
出装置15との相対位置が変位してしまうからである。
【0033】焦点検出装置15の姿勢調節は、カメラ本
体の構造が殆どできあがった段階において、メインミラ
ー4,サブミラー5が、実際に焦点検出を行うときと同
じミラーダウンした状態で、撮影レンズ3又はその代わ
りをする光学系をセットして行われる。撮影レンズ3等
を透過させた光線による焦点検出装置15自体のイメー
ジセンサ17の出力に基づき、あるいは、イメージセン
サ17の像を撮影レンズ3等を介して観察することによ
り、取付姿勢のずれ具合を検出する。
【0034】そして、下方から挿入したドライバヘッド
で調節ねじ43,44を個別に回転させ、検出された取
付姿勢のずれを打ち消す変位を焦点検出装置15に与え
る。焦点検出装置15の取付姿勢は、調節ねじ43,4
4の操作に対し次のように変化する。調節ねじ43,4
4は、それぞれ、先端が当て板24を押し上げている状
態にねじ込んであるが、調節ねじ44のみを更にねじ込
むか、又は、調節ねじ43のみを緩めれば、突起26が
長穴32を下向きに移動するので、焦点検出装置15
は、主として突起25を中心に図示するW+方向へ回転
する。
【0035】逆に、調節ねじ43のみを更にねじ込む
か、又は、調節ねじ44のみを緩めれば、突起26が長
穴32を上向きに移動するので、焦点検出装置15は、
主として突起25を中心に図示するW−方向へ回転す
る。また、焦点検出装置15は、調節ねじ43,44を
両方揃えてねじ込めば、主として図示するP−方向へ回
転し、両方揃えて緩めれば、主として図示するP+方向
へ回転する。したがって、本実施形態の取付構造によれ
ば、焦点検出装置15の姿勢を良好な状態に調節でき
る。
【0036】焦点調節時では、被写体から到来する撮影
光束は、撮影レンズ3を通ってメインミラー4に至り、
ここで一部が反射されピント板6及びペンタプリズム7
を介してファインダ光学系8に導かれる。他の一部は、
メインミラー4を透過してサブミラー5に至り、ここで
底基板10に向けて反射され、焦点検出用の光束が底基
板10に設けてある開口部11を介して焦点検出装置1
5に導かれる。カメラの焦点調節制御部では、イメージ
センサ17から焦点面の結像状態に関する像情報を得
て、撮影レンズ3の焦点ずれの量と方向を検出し、撮影
レンズ3の駆動系を制御して撮影レンズ3の光軸位置を
操作し、焦点位置を調節することになる。即ち、よく知
られた位相差検出方式により焦点調節が行われる。
【0037】ところで、本実施形態の取付構造によれ
ば、焦点検出装置15の側方に張り出しているのは、取
付部33とつる巻ばね41,42であるが(図4参
照)、これらは、底基板10下面の近くにあり(図1,
3参照)、従来の取付構造に比べると、上部のごく限ら
れた空間を占めているに過ぎない。したがって、焦点検
出装置15の側方の空間を有効に利用でき、また利用で
きる空間を拡大できる。
【0038】そして、折り曲げミラー21の下方は、折
り曲げミラー21が傾いて配置されることから、従来で
は、有効に利用することができず、いわゆるデッドスペ
ースになっていたが、本実施形態の取付構造によれば、
調節ねじ43,44による調節スペースとして有効に利
用できる(図3,4参照)。加えて、調節ねじ43,4
4の操作位置は、予め固定的に決めておく必要がなく、
雌ねじ37,38をブリッジ36のどこに設けるかによ
るので、周辺の配置部品との関係で決めることができ、
一層空間利用効率が良くなる。この点は、特にカメラの
小型化に好適な構造といえる。
【0039】ここで注意すべきことは、調節ねじ43,
44が、焦点検出装置15を組み立てる際に、折り曲げ
ミラー21を一時的に押さえる治具として利用すること
ができる点である。即ち、折り曲げミラー21は、従来
の焦点検出装置と同様に、ケース16に接着固定される
が、この工程で接着剤が硬化するまでの間、折り曲げミ
ラー21をケース16の位置決め面に押し当てて保持し
ておく必要がある。従来では、折り曲げミラー21の保
持用の治具を用意していた。
【0040】ところが、本実施形態の取付構造によれ
ば、仮に、枠部材30に焦点検出装置15を組み込み、
つる巻ばね41,42で付勢させておいて、接着剤が硬
化するまでの間、図4に示すように、調節ねじ43,4
4で折り曲げミラー21を押すようにすれば、折り曲げ
ミラー21が浮くのを防止できる。したがって、折り曲
げミラー21の保持用の治具を制作し、維持管理する経
費や保管場所を節約できる。
【0041】また、底基板10には、焦点検出装置15
へ注ぐ光を通すための開口部11を開けてあるので、底
基板10の剛性や強度は、開口部11がない場合に比べ
て低下する。焦点検出装置15の検出視野が広いほど開
口を大きくする必要があるので、底基板10の剛性や強
度は悪化する傾向を示す。更に、多くの一眼レフカメラ
では、図示するように、焦点検出装置15の近傍にTT
L調光素子46が配置される。フィルム9の反射光を受
けるには、この位置が好ましいからであるが、そうする
とTTL調光素子46に注ぐ光を通すための開口部45
が必要となるので、底基板10は低剛性となりがちであ
る。
【0042】しかし、本実施形態の取付構造によれば、
枠部材30が底基板10を補強することになるので、比
較的大きな剛性や強度が得られるという利点もある。な
お、本実施形態では、焦点検出装置15を底基板10か
ら離反する向きに付勢する手段としてつる巻ばね41,
42を示したが、その他、例えばコイルばねや板ばねな
ど弾性をもって外力を及ぼすものであれば同様に使用で
きる。また、これらの付勢手段が焦点検出装置15を付
勢する作用点は、入射窓の近傍である必要はなく、焦点
検出装置15の任意の場所で良いことはいうまでもな
い。
【0043】また、本実施形態は、一眼レフカメラへの
適用例であるが、本発明の取付構造は、その他、双眼鏡
や測量器など焦点検出装置を内蔵する光学機器にも同様
に適用できるものである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、焦点検出装置は、枠部材を介して基盤に
取り付けられるので、取り付けのために占有される空間
は、焦点検出装置を収容する枠部材の枠部の大きさの空
間となり、焦点検出装置の周りに大きく張り出すものが
ないようにできる。したがって、占有空間を極力小さく
でき、また焦点検出装置の取付位置周囲の空間の利用効
率を向上させることができる。その結果、小型化や高密
度実装等のための配置設計の自由度を大きくすることが
できる。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、焦点検出
装置が、被写体からの光束を折り曲げる反射部材を備え
ている場合に、従来、使い勝手が悪かった反射部材周辺
空間の利用効率を向上させることができる。また、請求
項2に記載の発明によれば、反射部材を焦点検出装置の
ケースに接着する工程で、接着剤が硬化するまでの間、
調節部材を反射部材を一時的に押し付ける治具として利
用でき、押さえ用の特別の治具を不要にできる。したが
って、治具の制作費や管理費、保管スペースを節約でき
る効果も得られる。
【0046】請求項3に記載の発明によれば、焦点検出
装置の微調節ができる。このとき、枠部材に設ける雌ね
じの形成位置は、周囲に配置される機材との関連で適宜
に定めることが可能である。したがって、本発明によれ
ば、請求項1または請求項2に記載の発明と相俟って小
型化や高密度実装等のための配置設計の自由度を大きく
することができる。請求項4に記載の発明では、付勢手
段は、基盤には接触せず、焦点検出装置と枠部材の双方
に係合するので、焦点検出装置を枠部材と共に基盤に取
り付ける作業の容易化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の焦点検出装置の取付構造の外観構成
図である。
【図2】実施形態の焦点検出装置の取付構造の詳細を示
す分解斜視図である。
【図3】実施形態の焦点検出装置の取付構造の断面図で
ある。
【図4】実施形態の焦点検出装置の取付構造の側面図
(図2中、+Y側から見た側面図)である。
【図5】従来の焦点検出装置の取付構造を示す概略斜視
図である。
【符号の説明】
1 カメラボディ 2 ミラーボックス 3 撮影レンズ 4 メインミラー(クイックリターンミラー) 5 サブミラー 6 ピント板 7 ペンタプリズム 8 ファインダ光学系 9 フィルム 10 底基板 11 開口部 15 焦点検出装置 16 ケース 17 イメージセンサ 25,26 突起 27,28 ばね掛け溝 29,39 側板 30 枠部材30 31 丸穴 32 長穴 33 取付部 34,35 ばね掛け溝 37,38 雌ねじ部 41,42 つる巻ばね 43,44 調節ねじ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学機器の対物レンズを介して得られる
    被写体からの光束に基づいて前記対物レンズの焦点調節
    状態を検出する焦点検出装置を、前記光学機器に設けら
    れた基盤に取り付ける焦点検出装置の取付構造におい
    て、 前記焦点検出装置を内包する枠部を有するとともに、前
    記基盤に対して接触する取付部を前記枠部の端部に有す
    る枠部材と、 前記焦点検出装置を前記基盤に対して前記枠部方向に付
    勢する付勢手段と、 前記枠部材に設けられ、前記焦点検出装置を前記付勢手
    段の付勢方向と反対方向に支持することにより、前記焦
    点検出装置の姿勢を調節する調節部材とを備えることを
    特徴とする焦点検出装置の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記焦点検出装置は、前記被写体からの
    光束を折り曲げる反射部材を前記光束の光路中に備えて
    おり、 前記調節部材は、前記反射部材を支持することを特徴と
    する請求項1に記載の焦点検出装置の取付構造。
  3. 【請求項3】 前記枠部材は、雌ねじを有し、 前記調節部材は、前記雌ねじと螺合する雄ねじであるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焦点検
    出装置の取付構造。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段は、一端が前記枠部材に係
    合し、他端が前記焦点検出装置に接触することを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の焦点
    検出装置の取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103809355A (zh) * 2012-11-13 2014-05-21 株式会社理光 自动聚焦设备、投影透镜设备以及图像投影装置

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