JP2000180521A - 磁気センサ - Google Patents
磁気センサInfo
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Abstract
力の直線性、温度特性に優れた高感度磁気センサおよび
その駆動回路を提供すること。 【解決手段】 該磁気コアの両端に高周波の正弦波電流
を印加する発振回路30と、該発振回路30と該薄膜磁
気インピーダンス素子32の磁気コア1との間に設けら
れ、発振回路30の出力インピーダンスと薄膜磁気イン
ピーダンス素子32の入力インピーダンスのミスマッチ
を調整するバッファ回路31と、該磁気インピーダンス
素子32に印加された外部磁界に応じて変化する高周波
電流の変化量から外部磁界の磁気変化量を検出する検波
回路38と、磁気インピーダンス素子32のヒステリシ
スを解消するヒステリシスキャンセル回路41と、を具
備する磁気センサ。
Description
特に高感度磁気センサである磁気インピーダンスセンサ
に関する。
な発展にともない小型・低コストで高感度・高速応答の
磁気センサの要求がますます大きくなっている。たとえ
ば、コンピュータの外部記憶装置のハードディスク装置
ではバルクタイプの誘導型磁気ヘッドから薄膜磁気ヘッ
ド、磁気抵抗効果(MR)ヘッドと高性能化が進んでき
ており、モーターの回転センサであるロータリーエンコ
ーダではマグネットリングの磁極数が多くなり従来用い
られている磁気抵抗効果(MR)センサに変わり微弱な
表面磁束を感度良く検出できる磁気センサが必要となっ
てきている。また、非破壊検査や紙幣検査に用いること
ができる高感度センサの需要も大きくなっている。さら
に小型軽量の自動車用方位センサ、高精細カラーテレビ
やパーソナルコンピュータの表示管のアクティブ磁気シ
ールド用センサなどの需要も高くなっている。
として誘導型再生磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)素
子、フラックスゲートセンサ、ホール素子等がある。ま
た、最近、アモルファスワイヤの磁気インピーダンス効
果(特開平6−176930号公報、特開平7−181
239号公報、特開平7−333305号公報参照)や
磁性薄膜の磁気インピーダンス効果(特開平8−758
35号公報、日本応用磁気学会誌vol.20,553
(1996)参照)を利用した高感度の磁気センサが提
案されている。
であるため磁気ヘッド自体が大型化し、また、小型化す
ると磁気ヘッドと媒体の相対速度が低下して検出感度が
著しく低下するという問題がある。これに対して、強磁
性膜による磁気抵抗効果(MR)素子が用いられるよう
になってきた。MR素子は磁束の時間変化ではなく磁束
そのものを検出するものであり、これにより磁気ヘッド
の小型化が進められてきた。しかし、現在のMR素子の
電気抵抗の変化率は約2%であり、また、スピンバルブ
素子を用いたMR素子でさえ電気抵抗の変化率が最大6
%以下と小さく、また数%の抵抗変化を得るのに必要な
外部磁界は1600A/m以上と大きい。従って磁気抵
抗感度は0.001%(A/m)以下の低感度である。
また、最近、磁気抵抗変化率が数10%を示す人工格子
による巨大磁気抵抗効果(GMR)が見いだされてき
た。しかし数10%の抵抗変化を得るためには数万A/
mの外部磁界が必要であり、磁気センサとしての実用化
はされていない。
ゲートセンサはパーマロイ等の高透磁率磁心の対称なB
−H特性が外部磁界によって変化することを利用して磁
気の測定を行うものであり、高分解能と±1°の高指向
性を持つ。しかし、検出感度をあげるために反磁界の少
ない大型の磁心を必要としセンサ全体の寸法を小さくす
ることが難しく、また、消費電力が大きいという問題点
を持つ。
れる面に垂直に磁界を印加すると、電流と印加磁界の両
方向に対して垂直な方向に磁界が生じてホール素子に起
電力が誘起される現象を利用したセンサである。ホール
素子はコスト的には有利であるが磁界検出感度が低く、
また、SiやGaAsなどの半導体で構成されるため温
度変化に対して半導体内の格子の熱振動による散乱によ
って電子、または正孔の移動度が変化するため磁界感度
の温度特性が悪いという欠点を持つ。
−181239号公報、特開平7−333305号公報
に記載されているように、磁気インピーダンス素子が提
案され大幅な磁界感度の向上を実現している。この磁気
インピーダンス素子は時間的に急激に変化する電流を磁
性線に印加することによって生じる表皮効果を利用した
円周磁束の時間変化に対する電圧のみを外部印加磁界に
よる変化として検出することを基本原理としている磁気
インピーダンス素子である。磁性線としてFeCoSi
B等の零磁歪の直径30μm程度のアモルファスワイヤ
(線引後、張力アニールしたワイヤ)が用いられてお
り、長さ1mm程度の微小寸法のワイヤでも1MHz程
度の高周波電流を通電するとワイヤの電圧の振幅がMR
素子の100倍以上である約0.1%(A/m)の高感
度で変化する。
型で低コスト、かつ、検出磁界に対する出力の直線性、
温度特性に優れた高感度磁気センサが求められており、
アモルファスワイヤの磁気インピーダンス効果を利用し
た磁気センサは高感度の磁界検出特性を示す。また、特
開平6−176930号公報、特開平6−347489
号公報に示されるものにおいてはバイアス磁界を加える
ことによりインピーダンス変化の印加磁界依存性の直線
性が改善されること、およびアモルファスワイヤに負帰
還コイルを巻き、アモルファスワイヤの両端の電圧に比
例した電流をコイルに通電し負帰還を施すことにより、
直線性の優れた磁気センサを提供できることが示されて
いる。
報には発振回路や検波回路を含む駆動回路にはふれてお
らず、また、特開平6−347489号公報では発振回
路として一対のスイッチングトランジスタを用いたマル
チバイブレータとローパスフィルタの組み合わせを提案
している。また、電気学会論文誌1996年12月号に
掲載されている論文“C−MOSマルチバイブレータ発
振形アモルファスワイヤMIマイクロ磁界センサ”によ
ると低消費電力化のためにC−MOSでは、磁気インピ
ーダンス素子がインダクタンス成分であることから抵抗
と微分回路を構成し、実際に磁気インピーダンスに供給
される高周波電流はトランジスタ及びC−MOSマルチ
バイブレータにより発生されたパルス波の微分波形とな
り、パルス波より高い周波数となる。この微分波形の周
波数は磁気インピーダンス素子の抵抗成分とインダクタ
ンス成分により決まるため磁気インピーダンス素子の磁
気インピーダンスが最も大きな変化率を示す適正周波数
に設定することが難しくなる。
インピーダンス素子に接続すると磁気インピーダンス素
子のインピーダンスが小さいため、極端に振幅が小さく
なり、磁気−インピーダンス変化を十分に引き出せな
い。
いるものでは磁気薄膜を用いた磁気インピーダンス素子
を提案し、素子の小型化をはかっているが、発振回路と
してスイッチングトランジスタを用いたマルチバイブレ
ータであり、磁気−インピーダンス変化を最大に引き出
すことは難しい。本発明は上記事情を鑑みてなされたも
のであり、小型で低コスト、かつ、検出磁界に対する出
力の直線性、温度特性に優れた高感度磁気センサ、およ
び、その駆動回路を提供することである。
的を達成するために、本願の請求項1に係る発明では、
導電性を有する磁気コアの周囲に絶縁体を介して負帰還
コイルとバイアスコイルを巻回した薄膜磁気インピーダ
ンス素子を用いた磁気センサにおいて、該磁気コアの両
端に高周波電流を印加する発振回路と、該発振回路と該
薄膜磁気インピーダンス素子の磁気コアとの間に設けら
れ、発振回路の出力インピーダンスと薄膜磁気インピー
ダンス素子の入力インピーダンスのミスマッチを調整す
るバッファ回路と、該磁気インピーダンス素子に印加さ
れた外部磁界に応じて変化する高周波電流の変化量から
外部磁界の磁気変化量を検出する検波回路と、磁気イン
ピーダンス素子のヒステリシスを解消するヒステリシス
キャンセル回路と、を具備することを特徴とする磁気セ
ンサを提供する。本願の請求項2に係る発明では、請求
項1に係る発明において、上記発振回路はC−MOSと
発振子、およびローパスフィルタから構成される正弦波
発生器であることを特徴とする磁気センサを提供する。
本願の請求項3に係る発明では、請求項1に係る発明に
おいて、上記発振回路はトランジスタと発振子から構成
されるカスコード型コルピッツ発振器で構成される発振
器であることを特徴とする磁気センサを提供する。本願
の請求項4に係る発明では、請求項1に係る発明におい
て、上記バッファ回路は単電源で動作するプッシュブル
回路から構成されるインピーダンス変換回路であること
を特徴とする磁気センサを提供する。本願の請求項5に
係る発明では、請求項1に係る発明において、上記検波
回路は検波ダイオードに一定電流を流し、正の半波整流
回路と平滑回路で検波した信号と負の半波整流回路と平
滑回路の検波した信号による差信号検出を有することを
特徴とする磁気センサを提供する。本願の請求項6に係
る発明では、請求項1に係る発明において、上記のヒス
テリシスレス回路は発振器で構成される磁気インピーダ
ンス素子のヒステリシスをキャンセルすることを特徴と
する磁気センサを提供する。
を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る磁気
インピーダンス(MI)素子を用いた薄膜MIセンサの
構造を模式的に示した正面図、図2は図1のA−B線に
沿って切断した断面図であり、図3は図1のC−D線に
沿って切断した断面図である。実際の薄膜MIセンサ全
体は薄膜セラミックス板、ガラス板のような板状体の上
に形成されているが、図1ではこれを省略して示してい
る。図1、図2及び図3において、1は平面形状が長方
形の薄板状に形成された薄膜磁気コアとしてのMIセン
サ板である。このMIセンサ板としての薄膜磁気コアの
形状は、幅20μm、厚さ5μm、長さ500μmであ
る。該MIセンサ板1の周囲には、絶縁物層2、3を介
して、バイアスコイル4と負帰還コイル5が同一方向に
且つ交互に巻回されている。図には正確に示してはいな
いが、これらコイルの巻数は、それぞれ20ターンであ
る。バイアスコイル4の両端には、バイアスコイル端子
6、7が接続され、負帰還コイル5の両端には、負帰還
コイル端子8、9が接続されている。MIセンサ板1の
両端には、MIセンサ端子10、11が接続されてい
る。これら端子はAu金属薄膜から成り、先端の巾広部
は、外部配線用のパッドとなる。なお、12は、MIセ
ンサ全体を覆う絶縁保護膜である。
いて述べる。ここで薄膜磁気コアの寸法は幅20μm、
厚さ5μm、長さ500μmであり、バイアス用、負帰
還用コイルは同一面上に交互に巻き回されており、その
巻き数はそれぞれ20ターンである。バイアス用、負帰
還用コイルを同一面上に交互に薄膜磁気コアに巻き回す
構造により磁気コアの各部位に均等にバイアス磁界、お
よび負帰還磁界を加えることができ磁気センサとしての
感度特性が向上する。
製したときの薄膜磁気センサにセンサの長さ方向に0お
よび720A/mの磁界(Hex)を印加したときのセ
ンサ両端電極E(E=Z*I)の通電電流周波数特性で
ある。Hex=0のときとHex=720A/mのとき
のEの差 E/E(%)を図11で示してあり、通電電
流の周波数は20MHz付近で最大であった。図5は通
電電流周波数を20MHzとしたときのインピーダンス
の変化率の印加磁界(Hex)依存性を示したものであ
る。印加磁界を大きくしていくとインピーダンスの変化
率 Z/ZOは大きくなり、素子の異方性磁界Hkのと
ころで Z/ZOは最大となり、さらにHex>Hkで
は Z/ZOは小さくなっていく。また、単位印加磁界
あたりのインピーダンスの変化量(磁界感度)はHex
=400A/m前後で最大となり0.08%(A/m)
の磁界感度を示した。
すブロック図である。本発明に係る磁気センサは発振回
路30、薄膜磁気インピーダンス素子32と発振回路3
0とのインピーダンスマッチングをとるためのバッファ
回路31、負帰還コイル33およびバイアスコイル34
を持つ磁気インピーダンス素子32、整流回路35、平
滑回路を含むローパスフィルタ36、差動回路37から
なる検波回路38、増幅回路39、負帰還抵抗40及
び、ヒステリシスキャンセル回路41から成る。
波の正弦波電流を通電するための発振回路30の具体的
な回路図である。この発振回路30は、水晶発振子又は
セラミック発振子などからなる発振子42によるC−M
OS発振回路を用いた発振部43であり、周波数が発振
子42によって決まるため、周波数安定度が高く、振幅
が安定している(振幅=Vcc)低消費型の発振回路で
ある。C−MOS発振出力後にローパスフィルタ44を
通過させる為、図8に示すような安定した正弦波が得ら
れ、磁気−インピーダンス効果が最大に得られる周波数
に設定できる。ローパスフィルタ44は安価なLCフィ
ルタを使用した。また、チェビシェフ型ローパスフィル
タで示したが、バタワース型ローパスフィルタでも良
い。
振部43の出力を磁気インピーダンス素子32に高周波
を通電する回路である。この回路は、前記電気学会論文
誌1996年12月号に掲載されている論文“C−MO
Sマルチバイブレータ発振形アモルファスワイヤMIマ
イクロ磁界センサ”に示される回路とC−MOS発振形
態(RC発振)が異なるが、図10と同じパルス波が生
じる。パルス波による高周波通電の欠点は図9のように
磁気インピーダンス素子32がインダクタンス分に相当
するため、抵抗(R10)とのハイパスフィルタを形成
する。そのため、パルス波Vcが微分波形Vmになり
(図10)、高周波通電周波数が高域に移行する。図4
を基に周波数とインピーダンス素子による変化率を求
め、これを図11に示す。図11の薄膜磁気インピーダ
ンス素子による周波数特性を例にとると磁気−インピー
ダンス特性が最大になる周波数は20MHz(50n
s)である。
ンス素子に印加して高周波通電を行う。薄膜磁気インピ
ーダンス素子に印加した高周波通電パルス波は図10の
ような微分波形で出力され、周波数が200MHz(5
ns)に移行する。薄膜磁気インピーダンスセンサによ
る200MHzにおける磁気−インピーダンス変化率は
図11のグラフよりほとんど変化しないことがわかる。
この問題点の解決方法として上記で図7で示した回路の
ように高周波通電のパルス波をローパスフィルタに通し
て高周波成分を排除して正弦波を作り出すことで解決で
きる。
ッツ発振回路とベース接地で構成された増幅器をカスコ
ード接続した回路である。この回路の利点はミラー効果
の影響を排除できるため、発振部に対する負荷変動の影
響を極力抑え、安定した発振が供給できる。また、周波
数特性も改善できる利点もある。
バッファ回路31は磁気インピーダンス素子32と高周
波通電させる発振回路30の出力を損失させることな
く、磁気インピーダンス素子32に供給する回路であ
る。たとえば、薄膜磁気インピーダンス素子では20M
Hzにおけるインピーダンスが5Ωである。R10を1
0Ωにすると負荷が15Ωになる。これをバッファ回路
31なしで発振部43と接続させると負荷が大きいた
め、薄膜磁気インピーダンスに出力する電圧が数十mV
P−Pになり、図15において詳細に示された整流回路
35においてダイオードD3の順方向電圧(200mV
程度)より、低くなり、検出できなくなる。
子32と発振回路30の間にバッファ回路31を挿入す
る。バッファ回路31の入力段のトランジスタはエミッ
タフォロワ、出力段のトランジスタはダーリントン接続
(Tr4とTr6,Tr3とTr5)によるプッシュブ
ル回路を構成しており、トランジスタの出力インピーダ
ンスを数Ω以下にしている。そしてR8,R9を1Ω以
下にすれば、バッファ回路31の出力インピーダンスは
負荷のインピーダンスと比較して無視できる程度にな
り、発振回路30による高周波通電出力を損失なく供給
できる。
1,D2はトランジスタの温度特性の補正用である。図
13において温度によるトランジスタのベース−エミッ
タ電圧変化を VBEとする。バッファ回路においてダ
イオードD1,D2を挿入しない場合、図13に示す式
(1)、(2)により、 VBE分だけトランジスタの
電圧が変化することがわかる。一般に VBEは−2.
2mV/℃で変化するため、図14のように温度が高く
なるにつれてトランジスタのコレクタ電流Icが流れる
ようになり、最終的にはなだれ現象が生じ、トランジス
タを破損する。
r4(Tr3)の間にトランジスタと温度変化が同じダ
イオードを挿入し、温度による電圧変化をキャンセルす
ることができる。それが図13に示す式(3)、(4)
である。これより、温度特性の良い、バッファ回路に仕
上がった。また、抵抗R1とR2でバイアス電圧を浮か
せることで単電源で動作可能となる。
周波通電出力をDC電圧に変換する回路である。磁気−
インピーダンス素子32から出力された信号は検波ダイ
オードD3、D4を通って整流され、平滑化される。た
だし、検波ダイオードに一定電流を流しているため、平
滑コンデンサC11がない場合の波形は、図16に示す
ように、−Ve’のような波形となり、ダイオード電圧
Vd分だけシフトする。C11を加えることで+Ve波
形となり、負側が検出される。同様に正の検波側ではC
10がない場合、−Vd分だけシフトした+Ve’のよ
うな波形となる。C10で平滑することで−Ve波形と
なり、正側が検出される。
差動検出し、増幅される。ところで、検波ダイオードD
3,D4に一定電流を流すことで検波電圧が大いに向上
した。通常、図17のように検波ダイオードは抵抗を通
してGNDに接地される。このときのオペアンプの出力
をグラフにすると図18(b)のように2次曲線を示
す。この曲線はダイオードの順方向電圧特性による影響
であり、これを排除するため、検波ダイオードに一定電
流を流した(図15)。この特性は図18(a)とな
り、入力電圧が小さいときでも一定の割合で検出でき、
入力電圧の1.2倍の変化を示した。検波ダイオードを
GNDに接地した場合では入力電圧を600mVP−P
から800mVP−Pと200mV変化させた場合、1
50mVの変化量しか得られず、入力電圧に対して、
0.75倍しか検出できない。つまり、検波ダイオード
に一定電流を流すことで検出感度は高くなった。また、
GNDからダイオードを浮かせることで正側のみで検波
可能となり、オペアンプ電源を単電源で動作可能となっ
た。
変化量の傾きは図5で示すように400A/m(?数値
のご確認をお願いします)で最大となる。従って使用時
は図22のように磁気ーインピーダンス特性で最大に変
化する箇所に動作点を移動させる。そのため、バイアス
コイルに一定電流を流すことで磁界を発生させ、動作点
を移動させる。
ある場合、外部磁界の大きさによって動作点の傾きが変
わってしまい、安定した検出ができない。それを図19
で説明すると磁気インピーダンス素子が動作点の使用範
囲(傾きa)内で使用している場合は検出電圧が大きく
移動することはないが、大きい負の外部磁界が入った場
合、ヒステリシスの影響により、傾きbで磁気を検出す
ることになり、検出電圧が大きく変わってしまう。
アスコイルに動作点を移動させるための電圧Va上にパ
ルスを印加する。パルスを印加する事で図19、21の
ようにヒステリシスがないリセット点まで移動させ、瞬
間的にヒステリシスを排除する。また、パルスを作り出
す方法として、図22に示すように、発振ICを用いて
一定周期で、一定幅のパルスを作り出しトランジスタT
rで磁気インピーダンス素子のバイアスコイルに印加さ
せる。これはトランジスタによる無安定マルチバイブレ
ータでもCMOSによるC、R発振でも可能である。実
際に薄膜磁気インピーダンス素子を用いた磁気−インピ
ーダンス特性を図23,24に示す。図23はバイアス
コイルに電流を流し、動作点を移動させ、外部磁界を印
加したときのインピーダンス特性である。バイアスコイ
ルにパルス幅400ns、15mAのパルスを加えると
図24のグラフに示す通り、ヒステリシスがほぼ、解消
されていることがわかる。
用い、バイアスコイル、及び、負帰還コイルを持つ薄膜
磁気インピーダンス素子を用いて作成したリニア磁気セ
ンサの一例である。磁気センサとして用いるときは最大
感度のところに動作点を持ってくることによりセンサ感
度を向上することができる。このため、バイアスコイル
に電流を流すことによりバイアス磁界を加え動作点を変
えることができ、320A/mのバイアス磁界を薄膜コ
イルを用いて磁気コアに印加することにより磁界0A/
mのところに磁界感度が最大になるようにした。
A/mに最大感度を持ってくるように動作点を移動した
場合、磁界に対するインピーダンスの変化(出力の変
化)の直線性はあまり良くない。この直線性を改善する
方法として出力信号をフィードバックし負帰還コイルを
用いて磁界に対する出力の非直線性を補正するだけの磁
界を薄膜磁気コアに負帰還磁界として加えることにより
出力信号を補正し直線性を得る方法がとられる。また、
負帰還によってある程度ヒステリシスは改善できるが完
全になくす方法として上記で記したようにヒステリシス
レスパルスを印加してヒステリシスを排除する。
電子回路図により、動作点を最大感度の点に移動し、出
力信号をフィードバックし、薄膜コアに負帰還磁界を加
え、ヒステリシスを排除することで感度特性の直線性を
高めている。ヒステリシスパルスを印加することで出力
が不安定になると考えられるが、パルス幅、パルス振幅
をオペアンプの周波数特性以上に設定することでローパ
スフィルターとなり、ヒステリシスパルスの影響を受け
ない。また、出力にヒステリシスパルスを印加したとき
出力されないようにトランジスタ等でスイッチングし、
積分回路を通して出力する方法もある。図26は図25
に示す回路を用いてバイアスコイル磁界320A/m、
負帰還率40%の負帰還をかけたときの磁気センサの印
加磁界に対する出力電圧の関係を示したものである。こ
こで通電電流の周波数は50MHzである。図26に示
すように±80A/mの測定磁界内で優れた直線性を示
した。これらの結果はリニア磁界センサとして良好な特
性である。
明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形や応用が
可能であり、これらの変形や応用を本発明の範囲から排
除するものではない。
項1に係る発明では、磁気インピーダンス素子に印加す
る高周波通電電流を安定的に供給できる回路を簡単に構
成できる。また、複合素子としての磁気センサを供給で
き、正弦波を磁気インピーダンス素子に入力できること
で特性を最大限に引き出すことが可能となる。そして、
発振器と磁気インピーダンスセンサの間にバッファ回路
を設けることにより、磁気インピーダンスセンサのイン
ピーダンスの影響を排除でき、発振器の出力を損失な
く、供給できる。検出回路においては整流回路と平滑回
路を用い、検波ダイオードに一定電流を流すことによ
り、入力振幅が小さい場合でも磁気インピーダンス素子
の出力をDC信号に高感度で変換できる。また、それを
差動回路で検出することで磁気インピーダンスセンサの
変化量を正側だけでなく負側からも変検できる。また請
求項6に係る発明共々、磁気インピーダンス素子のヒス
テリシスを排除するため、ヒステリシスレス回路を追加
することで安定した磁気検出が可能となる。これらすべ
ての回路を単電源で動作させることにより、負電源がい
らなくなるメリットもある。
は、請求項1に係る発明の効果に加えて、安定性が高い
発振器を用いているので、高精度の磁気検知を行うこと
が出来る。請求項4に係る発明では、請求項1に係る発
明の効果に加えて、温度特性の良いインピーダンス変換
を行うことが出来、安定した高精度の磁気検知を行うこ
とが出来る。請求項5に係る発明では、請求項1に係る
発明の効果に加えて、正負の検波信号による差信号を用
いているので、高感度の磁気検知を行うことが出来る。
総体的に、本願発明は、小型で低コスト、かつ、検出磁
界に対する出力の直線性、温度特性に優れた高感度磁気
センサおよびその駆動回路を提供できる。
ス素子の構造を模式的に示した正面図である。
図である。
図である。
流周波数特性図である。
ーダンス変化率特性図である。
である。
図である。
力波形図である。
した主要部の回路図である。
る。
波数特性図である。
の回路図である。
タ特性図である。
図である。
る。
検出能力を示す特性図である。
インピーダンス特性を示す特性図である。
加するパルス波形図である。
カーブを示す特性図である。
心としたブロック図である。
ーダンス特性を示す特性図である。
インピーダンス特性を示す特性図である。
である。
率40%の印加磁界に対する出力電圧の関係を示す特性
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 導電性を有する磁気コアの周囲に絶縁体
を介して負帰還コイルとバイアスコイルを巻回した薄膜
磁気インピーダンス素子を用いた磁気センサにおいて、
該磁気コアの両端に高周波電流を印加する発振回路と、
該発振回路と該薄膜磁気インピーダンス素子の磁気コア
との間に設けられ、発振回路の出力インピーダンスと薄
膜磁気インピーダンス素子の入力インピーダンスのミス
マッチを調整するバッファ回路と、該磁気インピーダン
ス素子に印加された外部磁界に応じて変化する高周波電
流の変化量から外部磁界の磁気変化量を検出する検波回
路と、磁気インピーダンス素子のヒステリシスを解消す
るヒステリシスキャンセル回路と、を具備することを特
徴とする磁気センサ。 - 【請求項2】 上記発振回路はC−MOSと発振子、お
よびローパスフィルタから構成される正弦波発生器であ
ることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。 - 【請求項3】 上記発振回路はトランジスタと発振子か
ら構成されるカスコード型コルピッツ発振器で構成され
る発振器であることを特徴とする請求項1に記載の磁気
センサ。 - 【請求項4】 上記バッファ回路は単電源で動作するプ
ッシュブル回路から構成されるインピーダンス変換回路
であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。 - 【請求項5】 上記検波回路は検波ダイオードに一定電
流を流し、正の半波整流回路と平滑回路で検波した信号
と負の半波整流回路と平滑回路の検波した信号による差
信号検出を有することを特徴とする請求項1に記載の磁
気センサ。 - 【請求項6】 上記のヒステリシスレス回路は発振器で
構成される磁気インピーダンス素子のヒステリシスをキ
ャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の磁気セ
ンサ。
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