JP2000180264A - 赤外線検知素子の感度補正方式及び赤外線映像装置 - Google Patents

赤外線検知素子の感度補正方式及び赤外線映像装置

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JP2000180264A
JP2000180264A JP10356568A JP35656898A JP2000180264A JP 2000180264 A JP2000180264 A JP 2000180264A JP 10356568 A JP10356568 A JP 10356568A JP 35656898 A JP35656898 A JP 35656898A JP 2000180264 A JP2000180264 A JP 2000180264A
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infrared
reciprocal
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Atsushi Yamaji
敦 山地
Tamotsu Hajiki
保 櫨木
Kenichi Tokuda
健一 徳田
Hironori Nakamura
浩規 中村
Mitsuya Kawashita
光也 川下
Kohei Umeda
浩平 梅田
Eiji Nameki
英時 行木
Shinji Miyazaki
伸司 宮崎
Kentaro Nakamura
中村  健太郎
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線検知素子(検知素子)の感度補正方式
及び赤外線映像装置に関し、正確に感度補正をする検知
素子の感度補正方式及び上記感度補正方式を備える赤外
線映像装置を提供する。 【解決手段】 検知素子毎に測定した高温物体の温度デ
ータと低温物体の温度データの差である素子毎差を求め
る加算回路と、該加算回路が出力する素子毎差を全ての
検知素子にわたって平均して差平均値を求める平均値回
路と、該差平均値の逆数を、検知素子に共通な乗算定数
を乗算することによって必要な有効桁数で求める逆数回
路と、該素子毎差と該逆数回路の出力との積を求める乗
算回路と、該乗算回路の出力の逆数を求める第二の逆数
回路と、該第二の逆数回路の出力と検知素子毎に入力さ
れる画像データを乗算する第二の乗算回路とで構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線検知素子の
感度補正方式及び赤外線映像装置に係り、特に、各々の
赤外線検知素子の感度にばらつきがある場合に、正確な
感度補正を可能にする赤外線検知素子の感度補正方式及
び上記感度補正方式を適用した赤外線映像装置に関す
る。
【0002】赤外線映像装置は、物体が放射する赤外線
を検知して、検知した赤外線の強度に応じた輝度表示又
は色表示を行なう。そして、検知される赤外線の強度は
当該物体の温度分布と一義的な関係にあるので、上記輝
度表示又は色表示は当該物体の温度分布を示す。即ち、
赤外線映像装置は物体の表面温度を測定することができ
る。そして、最大の特徴は非接触型の温度測定装置であ
るということである。
【0003】この非接触で温度測定できるという特徴を
生かして、ビル管理システム等において火災検知装置と
して適用されることも多く、又、原子炉や化学プラント
のように人が近づくことが困難か近づくことが極めて危
険な箇所の温度測定にはなくてはならないものとなって
おり、用途は拡大されつつある。
【0004】その中で、特に医療分野のように疾患を発
見したり、スポーツ医学分野のように身体の生理的或い
は物理的な変化を検出するために使われる場合には非常
に高い精度と高い確度での温度測定が要求される。
【0005】図11は、赤外線映像装置の構成概要であ
る。
【0006】図11において、1は赤外線検知部で、運
用中は低温に保たれたセルの中に配置された複数の赤外
線検知素子によって、入力される赤外線の強度に応じた
電気信号を出力するものである。
【0007】2はアナログ−デジタル変換部(図11で
はA/Dと標記している。)で、該赤外線検知部1が出
力するアナログ量である電気信号をデジタル量(これが
赤外線映像装置が扱う画像データである。)に変換する
ものである。3は、感度補正部で、該赤外線検知部1を
構成する各々の赤外線検知素子の感度ばらつきを補正し
て、正確な画像データを得るためのものである。そし
て、該アナログ−デジタル変換部2と該感度補正部3と
によって信号処理部が構成される。
【0008】4は、該感度補正部3において感度補正さ
れた感度補正後画像データを再びアナログ量に変換する
デジタル−アナログ変換部、5は該デジタル−アナログ
変換部の出力をブラウン管や液晶表示装置に表示する表
示部である。そして、該デジタル−アナログ変換部4と
該表示部5によって広義の表示部が構成される。
【0009】高い精度で温度を測定するには、該赤外線
検知部1を構成する赤外線検知素子の検知感度が高い必
要があることは勿論であるが、検知感度が高い複数の赤
外線検知素子で赤外線検知部が構成されている場合、一
般的に各々の赤外線検知素子間の検知感度のばらつきが
大きい。従って、上記の如く高い精度で且つ高い確度で
温度を測定をする必要がある場合には、赤外線検知素子
間の検知感度のばらつきを正確に補正することが重要で
ある。
【0010】
【従来の技術】図10は、感度補正の原理を説明する図
である。
【0011】図10において、横軸は物体の温度、縦軸
は物体の温度に対応して赤外線検知素子が出力する電気
信号の信号レベルである。そして、着目している赤外線
検知素子が2つの異なる基準温度1と基準温度2の物体
に対して出力する電気信号のレベル差は、当該赤外線検
知素子が検知した2つの異なる温度の物体の温度差に対
応し、これがとりもなおさず赤外線検知素子の検知感度
である。この意味で、信号レベルは通常温度に換算され
て表示される。
【0012】図10においては、赤外線検知素子a(図
10では単に検知素子aと標記している。)は温度が異
なる2つの物体について検知した温度の差(これを素子
毎差と呼ぶことにする。)が大きいので検知感度が高い
赤外線検知素子であり、赤外線検知素子b(図10では
単に検知素子bと標記している。)は素子毎差が小さい
ので検知感度が低い赤外線検知素子である。
【0013】このように、検知感度にばらつきがある
と、同一温度の箇所から出る赤外線を赤外線検知素子a
が検知する時と赤外線検知素子bが検知する時とでは検
知する温度が異なり、正確な温度測定は不可能である。
【0014】このばらつきをみかけ上なくすために、各
々の赤外線検知素子の検知感度の平均的な検知感度を有
する平均的赤外線検知素子に検知感度を合わせるという
方法で検知感度の補正を行なう。
【0015】そこで、低温の基準温度1と高温の基準温
度2に対して各々の赤外線検知素子が検知した温度差
(これを素子毎差と呼ぶということは先に記載してい
る。)と、素子毎差の平均値(これを差平均値と呼ぶこ
とにする。)を求め、各々の赤外線検知素子の検知感度
を平均的な赤外線検知素子の検知感度に合わせるための
感度補正係数を次の式で定義する。
【0016】 感度補正係数=差平均値/素子毎差 (1) 赤外線検知素子が出力する電気信号のレベル即ち検知温
度が物体の温度に比例する場合(実用的に、この仮定が
成立する。)、検知温度は素子毎差に比例する。
【0017】従って、検知温度/素子毎差の値は赤外線
検知素子が異なっていても定数(これをkとする。)に
なるので、各々の赤外線検知素子が検知した検知温度に
(1)式で与えられる感度補正係数を乗算すると、その
積は k×差平均値 となる。つまり、ばらつきがある複数の赤外線検知素子
の検知感度を平均的赤外線検知素子の検知感度に合わせ
ることができる。
【0018】図6は、従来の感度補正方式を実現する感
度補正部の構成である。
【0019】図6において、31は第一のランダム・ア
クセス・メモリ(図6では略してRAMと標記してい
る。以降も同様に標記する。)で、各々の赤外線検知素
子が高温の基準温度の物体に対して検知した検知温度を
赤外線検知素子毎に格納する。31aは第二のランダム
・アクセス・メモリで、各々の赤外線検知素子が低温の
基準温度の物体に対して検知した検知温度を赤外線検知
素子毎に格納する。
【0020】32は入力される高温物体の画像データと
該第一のランダム・アクセス・メモリから読み出される
データとの加算を行なう第一の加算回路、32aは入力
される低温物体の画像データと該第二のランダム・アク
セス・メモリ31aから読み出されるデータとの加算を
行なう第二の加算回路である。詳細は後で説明するが、
この構成により高温物体の画像データ及び低温物体の画
像データを赤外線検知素子毎に累積加算する。
【0021】32bは該第一のランダム・アクセス・メ
モリ31から読み出される赤外線検知素子毎の検知温度
と、同時に該第二のランダム・アクセス・メモリ31a
から読み出される上記と同一の赤外線検知素子の検知温
度との差即ち素子毎差を求める第三の加算回路である。
【0022】32cは第四の加算回路、33はレジスタ
である。該第四の加算回路32c及び該レジスタ33に
よって、該第三の加算回路32bが出力する素子毎差を
累積加算して差平均値を求める。尚、差平均値を求める
には、実際には入力される素子毎差を加算回数に相当す
るビット数だけシフトしながら加算する必要があるが、
このような技術は公用されている技術であるので詳細の
説明は避け、図上でも単に加算するように表現してい
る。
【0023】34は該第三の加算回路32bが出力する
素子毎差の逆数を求める第一の逆数ROM(ROMは読
み出し専用メモリである。)である。
【0024】35は該レジスタ33が出力する差平均値
と該第一の逆数ROM34が出力する素子毎差の逆数を
乗算して感度補正係数を出力する第一の乗算回路であ
る。
【0025】31bは該第一の乗算回路35が出力する
感度補正係数を赤外線検知素子毎に格納する第三のラン
ダム・アクセス・メモリである。
【0026】35aは該第三のランダム・アクセス・メ
モリ31bが順次出力する感度補正係数と、同期して入
力される各々の赤外線検知素子が被測定物体から検知し
た検知温度データ即ち画像データを乗算して赤外線検知
素子毎に感度補正後画像データを出力する第二の乗算回
路である。
【0027】図7は、感度補正のシーケンスである。
【0028】赤外線映像装置の電源が投入されると、該
赤外線映像装置は赤外線検知部の冷却を開始し、所定の
温度まで冷却する。この期間が赤外線検知部冷却期間で
ある。
【0029】赤外線検知部が所定の温度に冷却された後
に実質的な感度補正のシーケンスが始まる。
【0030】順不同であるが、高温物体の温度データを
赤外線検知素子毎に読み取り(図7では“高温物体読み
取り”とだけ標記している。)、読み取られた温度デー
タを赤外線検知素子毎に図6の第一のランダム・アクセ
ス・メモリ31に格納する。引続き低温物体の温度デー
タを赤外線検知素子毎に読み取り(図7では“低温物体
読み取り”とだけ標記している。)、読み取られた温度
データを赤外線検知素子毎に図6の第二のランダム・ア
クセス・メモリ31aに格納する。尚、高温物体の温度
データの読み取り又は低温物体の温度データの読み取り
については後で詳細に説明する。
【0031】次いで、素子毎の高温物体の温度データと
低温物体の温度データを用いて差平均値を求める。
【0032】差平均値を求めた後で再度第一のランダム
・アクセス・メモリ31と第二のランダム・アクセス・
メモリ31aから赤外線検知素子毎に高温物体の温度デ
ータと低温物体の温度データを読み出して素子毎差を求
め、求めた素子毎差をアドレスとして図6の第一の逆数
ROM34から素子毎差の逆数を読み出す。そして、該
第一の逆数ROM34から読み出される素子毎差の逆数
と、図6のレジスタ33から読み出される差平均値とを
図6の第一の乗算回路35によって乗算して赤外線検知
素子毎の感度補正係数を求めて、赤外線検知素子毎に図
6の第三のランダム・アクセス・メモリ31bに格納す
る。これで、感度補正係数の算出が終わる。
【0033】こうして感度補正係数が算出されたら、赤
外線映像装置で被測定物体を走査して画像データを生成
して感度補正部に入力し、ある瞬時に着目している赤外
線検知素子が出力する画像データと、同一の赤外線検知
素子の感度補正係数を図6の第二の乗算回路で乗算し
て、感度補正された画像データを出力する。
【0034】従って、図6の第一のランダム・アクセス
・メモリ31は高温物体の温度データ読み取りの期間に
ライト・イネーブル(図7では、第一のRAM WEの
信号が高温物体読み取りの期間だけ“1”になるように
表現されている。他についても同様に図示する。)であ
ると共にリード・イネーブルであり(ただし、同じアド
レスが同時にライトとリードになることはない。)、該
第一のランダム・アクセス・メモリ31は感度補正係数
算出の期間及び感度補正の期間にリード・イネーブルに
なる。
【0035】又、図6の第二のランダム・アクセス・メ
モリ31aは低温物体の温度データ読み取りの期間にラ
イト・イネーブルであると共にリード・イネーブルであ
り(ただし、同じアドレスが同時にライトとリードにな
ることはない。)、感度補正係数算出の期間及び感度補
正の期間にリード・イネーブルになる。
【0036】同様に、図6の第三のランダム・アクセス
・メモリ31bは感度補正係数算出の期間にライト・イ
ネーブルになり、感度補正の期間にリード・イネーブル
になる。
【0037】更に、説明の順が逆転したが、図6のレジ
スタ33は差平均値算出の期間にライト・イネーブルで
あると共にリード・イネーブルであり(ここでは簡略化
して表現しているが、ライトとリードが重ならないよう
に制御する必要がある。)、感度補正係数算出の期間に
リード・イネーブルである。
【0038】これまでに感度補正のシーケンスを説明し
たので、最後に図6の第一、第二のランダム・アクセス
・メモリによる累積加算を説明する。
【0039】図8は、第一、第二のランダム・アクセス
・メモリによる累積加算を説明する図で、図8(イ)は
赤外線検知部の構造(模式図)、図8(ロ)は赤外線検
知部の出力を示す。尚、図8は赤外線検知部が1次元ア
レイであることを想定したものであるが、2次元アレイ
であっても赤外線検知素子のアドレスを1次元化して表
わせば同様な考え方で扱うことができる。
【0040】図8(イ)に模式的に図示してある如き1
次元アレイで高温物体又は低温物体を走査する(実際に
は1次元アレイは固定されていて、回転する鏡で高温物
体又は低温物体を走査して、1次元アレイに赤外線が入
力される高温物体又は低温物体の箇所を移動する。これ
は、被測定物体の温度測定を行なう際でも同じであ
る。)。
【0041】従って、1次元アレイがn個(nは正の整
数)の赤外線検知素子によって構成されている場合、高
温物体又は低温物体の線状の箇所についてn個の赤外線
検知素子に対応する画像データが得られる。そして、高
温物体又は低温物体を走査する線状の箇所がm箇所(m
は正の整数。そして、1回の走査で得られる画像データ
の組をラインと呼んでいる。)であれば、n個の画像デ
ータで形成されるmラインのデータが得られる。これが
図8(ロ)に示してある赤外線検知部の出力である。
【0042】こうして得られた赤外線検知部の出力を赤
外線検知素子毎に加算する。原理的には、高温物体又は
低温物体の1箇所から得た画像データを各々の赤外線検
知素子の検知感度だとすればよいが、画像データには熱
雑音が重畳されているので、1箇所から得た画像データ
を検知感度とすると検知感度の信号対雑音比が悪い。こ
の熱雑音の影響を軽減して信号対雑音比を改善するため
に複数ラインの画像データを赤外線検知素子毎に加算す
る。即ち、画像データを熱雑音を除去したデータと熱雑
音とに分離することができるとすれば、熱雑音を除去し
たデータは単純にリニア加算されるのに対して、熱雑音
はルート・ミーン・スクウェア加算されるので、加算に
よって熱雑音の影響が少ない検知感度を得ることができ
るからである。
【0043】こうして得られたmラインの画像データを
赤外線検知素子毎に累積加算するために、図6の第一の
ランダム・アクセス・メモリ31と第一の加算回路32
の組と、第二のランダム・アクセス・メモリ31aと第
二の加算回路32aの組が構成されている。これも公知
な技術であるから図6ではアドレス制御などの構成を示
しておらず、又、タイムチャートも示さないが、ここで
累積加算について説明する。
【0044】まず、累積加算に先立って第一のランダム
・アクセス・メモリ31と第二のランダム・アクセス・
メモリ31aはクリアしておく。尚、以降の説明は第一
のランダム・アクセス・メモリ31についてだけ行な
う。又、ランダム・アクセス・メモリに格納されるデー
タは16ビットであるものとして説明する。
【0045】次いで、1ライン目の1番目の画像データ
が入力されるタイミングに第一のランダム・アクセス・
メモリ31の1番目のアドレスからデータを読み出し
て、入力される1ライン目の1番目の画像データと加算
する。今は、第一のランダム・アクセス・メモリ31は
クリアされたばかりなので、0と入力される1ライン目
の1番目の画像データが加算される。
【0046】この加算結果を第一のランダム・アクセス
・メモリ31の1番目のアドレスに格納する。今、第一
のランダム・アクセス・メモリ31のデータ領域は16
ビットであるとしているので、実際には、加算結果が1
6ビットを越えた時にはビット・シフトして16ビット
のデータとして格納する。従って、第一の加算回路32
は単なる加算回路ではなく、ビット・シフト機能付の加
算回路である必要がある。これも公知の技術であるの
で、図6では単に加算回路だけを図示している。
【0047】1ライン目の2番目の画像データが入力さ
れる時も上記と同様に、第一のランダム・アクセス・メ
モリ31の2番目のアドレスからデータを読み出して、
入力される1ライン目の2番目の画像データと加算す
る。そして、加算結果を16ビット表示して第一のラン
ダム・アクセス・メモリ31の2番目のアドレスに格納
する。
【0048】このように1ライン目について各赤外線検
知素子毎の画像データが第一のランダム・アクセス・メ
モリ31の赤外線検知素子に対応するアドレスに書き込
まれる。
【0049】2ライン目以降も上記と同様に入力される
画像データと格納されているデータとを加算する。これ
をmラインにわたって行なうことで、赤外線検知素子毎
にmライン分の画像データを累積加算することができ
る。
【0050】上記の如くして、図6の第一のランダム・
アクセス・メモリ31と第二のランダム・アクセス・メ
モリ31aには、温度測定対象の物体の温度測定に入る
前に、各々の赤外線検知素子が高温の基準温度を有する
物体と低温の基準温度を有する物体に対して検知した検
知温度のデータが累積加算されて格納されている。
【0051】次いで、素子毎差の差平均値を求める。
【0052】該第三の加算回路32bが出力する素子毎
差は該第四の加算回路32cとレジスタ33、及び第一
の逆数ROM34に与えられ、前者によって差平均値が
求められる。尚、差平均値を求める演算も上記の累積加
算と同様なものである。
【0053】その次に、感度補正係数を算出する。
【0054】第三の加算回路32bでは該第一のランダ
ム・アクセス・メモリ31と該第二のランダム・アクセ
ス・メモリ31aから読み出されたデータの減算を行な
い、素子毎差を求める。但し、該第一のランダム・アク
セス・メモリ31と該第二のランダム・アクセス・メモ
リ31aに格納されているデータは累積加算されたデー
タであるので、1個の赤外線検知素子について素子毎差
を求めるには累積加算した赤外線検知素子の数に対応す
るビット数だけシフトして加算する必要がある。
【0055】一方、該第一の逆数ROM34では与えら
れた素子毎差の値をアドレスとして、当該アドレスに格
納されている素子毎差の逆数を読み出す。
【0056】該レジスタ33が出力する差平均値と該第
一の逆数ROM34が出力する素子毎差の逆数を該第一
の乗算回路35において乗算することによって、当該画
像データを出力した赤外線検知素子の感度補正係数が求
められ、第三のランダム・アクセス・メモリ31bに赤
外線検知素子毎に格納される。
【0057】温度測定対象の物体の温度測定が開始され
ると、各々の赤外線検知素子が検知した画像データが図
8(ロ)と同様な形態で順に入力されてくる。
【0058】これに同期して、即ち、入力される画像デ
ータを出力した赤外線検知素子と同じ赤外線検知素子毎
の感度補正係数を該第三のランダム・アクセス・メモリ
31bから読み出して、第二の乗算回路35aにおいて
入力される画像データに乗算し、感度補正を行なう。
【0059】尚、画像データの入力と該第一のランダム
・アクセス・メモリ31と該第二のランダム・アクセス
・メモリ31aからのデータの読み出しを同期させる技
術は既に公用されている技術であるので、詳細な説明は
省略する。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】ところで、感度補正係
数の絶対値は通常3〜6程度である。そして、上記の演
算は当然2進数で行なうので、感度補正係数の小数点以
上には2ビット乃至3ビットを割り当てればよい。
【0061】又、アナログ量をデジタル量に変換するア
ナログ−デジタル変換部は通常12ビット程度である。
従って、上記演算の精度は13乃至14ビットにしてお
く必要がある。
【0062】このため、通常は、16ビット程度の精度
で上記演算を行なう必要が出てくる。
【0063】ところで、素子毎差は通常26 =64前後
であるので、素子毎差の逆数は2-6前後となり、16ビ
ットの有効桁数を確保することができない。このため、
素子毎差の逆数に予め定数222を乗算しておき(この定
数を乗算定数と呼ぶことにする。)、乗算定数を乗算し
た素子毎差の逆数と差平均値との積を222で除算すると
いう演算を行なう。即ち、図6の構成において行なわれ
る演算は 感度補正係数= (int(差平均値) ×int(222/素子毎差))/222 (2) というものになる。ここで、(2)式における“in
t”は、演算の有効桁が16ビットに限定されるという
ことを意味している。尚、図6の第一の乗算回路35の
入力も16ビットであるので、正確には(2)式の右辺
全体で16ビット化する“int”をかける必要がある
が、これは省略して表現している。
【0064】さて、素子毎差が26 未満になると、222/
素子毎差は17ビット以上で表現する必要が出てくる
が、有効桁が16ビットに限定されているのでオーバー
フローが生じ、(2)式から得られる感度補正係数には
大きな誤差が生ずることになる。
【0065】図9は、真の感度補正係数と図6の構成に
よる感度補正係数の比較である。
【0066】ここに示すケースでは、赤外線検知部を構
成する赤外線検知素子が10素子あり、各々の素子毎差
が10度から100度であるものとする。従って、差平
均値は55度となり、各々の赤外線検知素子の真の感度
補正係数は表中の「真の感度補正係数」の欄に示されて
いる。
【0067】このケースにおいて(2)式によって求め
られる各赤外線検知素子に対する感度補正係数は、真の
感度補正係数に対する百分率表現の誤差と共に「図6の
構成による感度補正係数」の欄に示されている。
【0068】「図6の構成による感度補正係数」の欄に
示されている如く、素子毎差が26以上の場合には誤差
は実用的に無視できる程度であるのに対し、素子毎差が
6未満になると誤差は急激に増加してしまい、使用に
耐えないものになることがよく判る。
【0069】これは、素子毎差の設計最小値を26 とし
て、16ビット精度を確保するために222を素子毎差の
逆数に予め乗算した結果であるから、一見、乗算定数を
素子毎差の最小値に合わせて小さく設定すればよいとい
うことになる。このケースには素子毎差の最小値が10
(24 程度)であるから、乗算定数を216程度にすれ
ば、素子毎差が小さい範囲での誤差を小さくすることが
できる。
【0070】しかし、このケースには素子毎差の最大値
が100(27 程度)であるから、素子毎差の最大値付
近では216/27 程度、即ち、9ビット程度の精度しか
得られないことになり、乗算定数を216程度にすると素
子毎差の最大値付近での誤差が大きくなる。
【0071】本発明は、かかる問題点に鑑み、各々の赤
外線検知素子の感度にばらつきがある場合にも正確な感
度補正を可能にする赤外線検知素子の感度補正方式を提
供し、以て、正確な温度表示が可能な赤外線映像装置を
提供することを目的とする。
【0072】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、次の式に
よって感度補正係数を求める技術である。即ち、 感度補正係数= 222/((素子毎差)×(222/差平均値)) (3) なる演算を行なう。
【0073】第一の発明によれば、差平均値が26 より
小さくなると(222/差平均値)は16ビットをオーバ
ーフローして誤差を持つようになるが、この差平均値自
体が一定であるから感度補正の誤差は一定になり、補正
すべき素子毎差は保存されるため、感度補正係数の誤差
率も一定になる。つまり、一定の誤差率の感度補正係数
が得られるので、実質的に正確な感度補正係数を得るこ
とと等価である。
【0074】第二の発明は、素子毎差によって乗算定数
を変えて(2)式によって感度補正係数を演算する技術
である。
【0075】第二の発明によれば、小さい素子毎差の赤
外線検知素子には乗算定数を小さく設定し、大きい素子
毎差の赤外線検知素子には乗算定数を大きく設定して演
算するので、乗算定数と素子毎差の除算の精度を必要な
精度にすることができ、オーバーフローも生じない。従
って、感度補正係数の誤差を小さい値にすることができ
るので、実用的に正確な感度補正を行なうことが可能に
なる。
【0076】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第一の実施の形
態である。
【0077】図1において、31は各々の赤外線検知素
子が高温物体に対して検知した検知温度を格納する第一
のランダム・アクセス・メモリ(図1ではRAMと標記
している。以降も同様に標記する。)、31aは各々の
赤外線検知素子が低温物体に対して検知した検知温度を
格納する第二のランダム・アクセス・メモリ、32は入
力される画像データと該第一のランダム・アクセス・メ
モリ31に格納されているデータを赤外線検知素子毎に
加算する第一の加算回路、32aは入力される画像デー
タと該第一のランダム・アクセス・メモリ31aに格納
されているデータを赤外線検知素子毎に加算する第一の
加算回路、32bは該第一のランダム・アクセス・メモ
リ31から読み出される高温物体の検知温度と該第二の
ランダム・アクセス・メモリ31aから読み出される低
温物体検知温度との差、即ち素子毎差を求める第三の加
算回路、32cは該第三の加算回路32bが出力する素
子毎差を累積加算する第四の加算回路、33は該第四の
加算回路32cの出力を格納するレジスタ、34は該レ
ジスタ33が出力する差平均値をアドレスとして差平均
値の逆数を求める第一の逆数ROM(ROMは読み出し
専用メモリである。)、35は該加算回路32bが出力
する素子毎差と該第一の逆数ROM34が出力する差平
均値の逆数を乗算する第一の乗算回路、34aは該第一
の乗算回路35が出力する乗算結果をアドレスとして該
第一の乗算回路35が出力する乗算結果の逆数を求めて
感度補正係数を出力する第二の逆数ROM、31bは該
第二の逆数ROMの出力である感度補正係数を赤外線検
知素子毎に格納する第三のランダム・アクセス・メモ
リ、35aは該第三のランダム・アクセス・メモリ31
bの出力と入力される画像データとの乗算を行なう第二
の乗算回路である。
【0078】該第一のランダム・アクセス・メモリ31
と該第二のランダム・アクセス・メモリ31aには、温
度測定対象の物体の温度測定に入る前に、各々の赤外線
検知素子が高温の基準温度を有する物体と低温の基準温
度を有する物体に対して検知した検知温度のデータが格
納されている。これについては、図6から図8の説明に
おいて既に説明している。
【0079】次いで、素子毎差の差平均値を求める。
【0080】該第一のランダム・アクセス・メモリ31
と該第二のランダム・アクセス・メモリ31aから読み
出したデータの差、即ち素子毎差を該第三の加算回路3
2bによって求める。
【0081】該第三の加算回路32bが出力する素子毎
差は該第四の加算回路32c及び該レジスタ33に与え
られ、これらによって差平均値が求められる。
【0082】その次に、感度補正係数を算出する。
【0083】該レジスタ33が出力する差平均値をアド
レスとして該第一の逆数ROM34から差平均値の逆数
を読み出す。
【0084】該第一の乗算回路35では、該第三の加算
回路32bが出力する素子毎差と該第一の逆数ROM3
4が出力する差平均値の逆数の積を乗算する。
【0085】該第二の逆数ROM34aでは、該第一の
乗算回路35の出力をアドレスとして該第一の乗算回路
35の出力の逆数を求め、赤外線検知素子毎の感度補正
係数として出力する。
【0086】そして、該第二の逆数ROM34aが出力
する赤外線検知素子毎の感度補正係数を該第三のランダ
ム・アクセス・メモリ31bに格納する。
【0087】温度測定対象の物体の温度測定が開始され
ると、各々の赤外線検知素子が検知した画像データが順
に入力されてくる。これに同期して、即ち、入力される
画像データを検知した赤外線検知素子と同じ赤外線検知
素子の感度補正係数を該第三のランダム・アクセス・メ
モリ31bから読み出して、該第二の乗算回路35aに
おいて入力される画像データに乗算し、感度補正を行な
う。
【0088】尚、画像データの入力と該第三のランダム
・アクセス・メモリ31bからのデータの読み出しを同
期させる技術は既に公用されている技術であるので、詳
細な説明は省略する。
【0089】尚、上記説明においては、差平均値の逆数
に予め乗算定数を乗算することは省略しているが、これ
は図6から図8の説明において詳細に説明したことと同
様である。
【0090】ここまでの演算よって得られる感度補正係
数は、有効桁数を確保するために乗算定数を乗算するこ
とと、演算精度を限定することも含めて表現すると、 感度補正係数= 222/int((素子毎差) ×int(222/差平均値)) (4) となる。但し、図1の第一の乗算回路35の入力に対す
る演算精度の限定は(4)式には表現していない。
【0091】図2は、真の感度補正係数と図1の構成に
よる感度補正係数の比較(その1)で、素子毎差は図9
に示したケースと同じに設定している。
【0092】図2の「図1の構成による感度補正係数」
によれば、図1の構成によって得られる感度補正係数は
素子毎差によらず一定の誤差で得られることが判る。図
2のケースでは、この誤差は14%程度である。
【0093】図3は、真の感度補正係数と図1の構成に
よる感度補正係数の比較(その2)で、素子毎差は50
度から100度に設定している。
【0094】図3によれば、「図1の構成による感度補
正係数」の誤差は一定で、しかも、実用的には誤差がな
いとしてもよい感度補正係数が得られていることが判
る。これは、差平均値が75度(26 以上)で、(222
/差平均値)の精度が16ビット程度になっており、オ
ーバーフローしないためである。
【0095】図3には、「図6の構成による感度補正係
数」も併記している。これと「図1の構成による感度補
正係数」とを比較すると明らかな如く、図6の構成によ
る感度補正係数は素子毎差が26 より小さい範囲で誤差
が大きく、且つ、素子毎差によって誤差が変化するのに
対して、図1の構成による感度補正係数の誤差は小さく
て一定である。
【0096】いずれにしても、図1の構成によれば、差
平均値が決まれば素子毎差に関係なく、即ち、赤外線検
知素子の検知感度のばらつきに関係なく感度補正係数の
誤差が一定値になることが、図2及び図3によって示さ
れている。
【0097】ここで、予め高温物体と低温物体に対する
各赤外線検知素子の検知温度を測定しているので、差平
均値は予め測定されている。そして、既知の差平均値に
対する感度補正係数の誤差は上記の如く知ることができ
るので、図1に示した感度補正方式によって実質的に正
しい感度補正係数を得ることができる。
【0098】従って、図1の構成の感度補正方式を適用
する赤外線映像装置の温度表示を極めて正確にすること
ができる。
【0099】図4は、本発明の第二の実施の形態であ
る。
【0100】図4において、31は各々の赤外線検知素
子が高温物体に対して検知した検知温度を格納する第一
のランダム・アクセス・メモリ、31aは各々の赤外線
検知素子が低温物体に対して検知した検知温度を格納す
る第二のランダム・アクセス・メモリ、32は入力され
る画像データと該第一のランダム・アクセス・メモリ3
1に格納されているデータを赤外線検知素子毎に加算す
る第一の加算回路、32aは入力される画像データと該
第一のランダム・アクセス・メモリ31aに格納されて
いるデータを赤外線検知素子毎に加算する第一の加算回
路、32bは該第一のランダム・アクセス・メモリ31
から読み出される検知温度と該第二のランダム・アクセ
ス・メモリ31aから読み出される検知温度との差、即
ち素子毎差を求める第三の加算回路、32cは該第三の
加算回路32bが出力する素子毎差を累積加算する第四
の加算回路、33は該第四の加算回路の出力を格納する
レジスタ、34は該レジスタ33が出力する差平均値を
アドレスとして差平均値の逆数を求める第一の逆数RO
M、35は該第三の加算回路32bが出力する素子毎差
と該第一の逆数ROM34が出力する差平均値の逆数を
乗算する第一の乗算回路、34aは該第一の乗算回路3
5が出力する乗算結果をアドレスとして該第一の乗算回
路35が出力する乗算結果の逆数を求めて感度補正係数
を出力する第二の逆数ROM、31bは該第二の逆数R
OM34aの出力である感度補正係数を赤外線検知素子
毎に格納する第三のランダム・アクセス・メモリ、35
aは該第三のランダム・アクセス・メモリ31bの出力
と入力される画像データとの乗算を行なう第二の乗算回
路、36はレベル補正回路である。
【0101】図4において、該レベル補正回路36を除
いた部分は図1の構成と全く同じである。即ち、図4の
構成の特徴は、図1の構成にレベル補正回路を追加し
て、正しい感度補正係数を得ることができるようにした
点にある。
【0102】ここで、図1の構成又は図4の構成でレベ
ル補正回路を除いた構成における感度補正係数の誤差に
ついて説明する。
【0103】乗算定数が222であるとして、差平均値が
6 を下回ると、第一の逆数ROMの出力は216を越え
てオーバー・フローして、16ビット共“1”となるデ
ータが出力される。これは(216−1)に等しい。従っ
て、(4)式で求められるべき感度補正係数は、実は、
(4)式のint(222/差平均値)の部分に(216
1)を代入して感度補正係数を求めることになる。
【0104】従って、感度補正係数の誤差率は、 (1−(216−1)/(222/差平均値))×100 で与えられる。
【0105】一方、差平均値が26 を越える時にはオー
バー・フローが起きないので、正しい感度補正係数を得
ることができる。
【0106】これにより、図2及び図3に示した感度補
正係数の誤差率が得られる訳である。
【0107】そして、 補正すべきレベル補正係数= (222/差平均値)/(216−1) (5) で与えられ、図4の第二の乗算回路35aの出力に上記
(5)式で与えられるレベル補正係数を乗算すれば正し
い感度補正係数を得ることができる。
【0108】従って、図4のレベル補正回路は上記レベ
ル補正係数の式に合致した演算をする構成であればよ
い。この構成は容易に想到しうるものと考え、敢えて図
示はしないが、レベル補正回路の中に乗算定数(この場
合は222)とを設定しておき、レジスタ33が出力する
差平均値と第一の逆数ROMの出力とを該レベル補正回
路36に供給すればレベル補正係数を算出することがで
きる。
【0109】これにより、完全に正しい感度補正係数を
得ることができ、赤外線映像装置の温度表示が更に正確
なものになる。
【0110】図5は、本発明の第三の実施の形態であ
る。
【0111】図5において、31は各々の赤外線検知素
子が高温物体に対して検知した検知温度を格納する第一
のランダム・アクセス・メモリ、31aは各々の赤外線
検知素子が低温物体に対して検知した検知温度を格納す
る第二のランダム・アクセス・メモリ、32は第一の加
算回路、32aは第二の加算回路で、該第一のランダム
・アクセス・メモリ31と該第一の加算回路32とで高
温物体に対して検知した検知温度を累積加算し、該第二
のランダム・アクセス・メモリ31aと該第二の加算回
路32aとで低温物体に対して検知した検知温度を累積
加算する。32bは該第一のランダム・アクセス・メモ
リ31から読み出される検知温度と該第二のランダム・
アクセス・メモリ31aから読み出される検知温度との
差、即ち素子毎差を求める第三の加算回路、32cは第
四の加算回路、33はレジスタで、この両者によって素
子毎差を累積加算して差平均値を求める。34は該第三
の加算回路32bが出力する素子毎差の逆数を求める逆
数ROM、35は該レジスタ路33が出力する差平均値
と該第一の逆数ROM34が出力する素子毎差の逆数を
乗算する第一の乗算回路である。37は赤外線検知素子
毎の乗算定数を格納しておく乗算定数ROM、38は該
第一の乗算回路35の出力を該乗算定数ROM37に格
納されている乗算定数で除算して赤外線検知素子毎の感
度補正係数を出力する除算回路38、31bは該除算回
路が出力する赤外線検知素子毎の感度補正係数を赤外線
検知素子毎に格納する第三のランダム・アクセス・メモ
リ、35aは該第三のランダム・アクセス・メモリ31
bが出力する赤外線検知素子毎の感度補正係数と各々の
赤外線検知素子が検知した検知温度データ即ち画像デー
タを乗算して感度補正後画像データを出力する第二の乗
算回路である。
【0112】図5の構成における特徴は、該第一の逆数
ROM34に格納されるデータと、該除算回路38にお
いて該乗算定数ROM37から読み出された赤外線検知
素子毎の乗算定数で該第一の乗算回路の出力を除算する
点にある。
【0113】即ち、図9の構成における第一の逆数RO
M34に格納されるデータは赤外線検知素子に共通な乗
算定数と各々の赤外線検知素子の素子毎差の逆数の積で
あったのに対して、図5の構成における逆数ROMに格
納されるデータは各々の赤外線検知素子に特有の乗算定
数と各々の赤外線検知素子の素子毎差の逆数の積である
点にある。
【0114】そもそも、感度補正係数は各々の赤外線検
知素子に対して演算されるものであり、乗算定数は演算
の有効桁を確保するために一旦乗算され、感度補正係数
の絶対値を合わせるために後で乗算定数で除算する。従
って、各々の赤外線検知素子に対して異なる乗算定数を
乗算しても、同じ乗算定数で除算すれば、各々の赤外線
検知素子に対する感度補正係数は正しく求められる。
【0115】このために、各々の赤外線検知素子毎の乗
算定数を格納しておくのが該乗算定数ROM37であ
り、該第一の乗算回路35の出力を該乗算定数ROM3
7に格納されている赤外線検知素子毎の乗算定数で除算
するのが該除算回路38である。
【0116】上記を含めた図5の構成の動作は下記の通
りである。
【0117】該第一のランダム・アクセス・メモリ31
と該第二のランダム・アクセス・メモリ31aには、温
度測定対象の物体の温度測定に入る前に、各々の赤外線
検知素子が高温の基準温度を有する物体と低温の基準温
度を有する物体に対して検知した検知温度を累積加算し
たデータが格納されている。累積加算については図6の
構成の説明で詳細に説明してある。
【0118】次いで、差平均値の算出を行なう。
【0119】該第一のランダム・アクセス・メモリ31
と該第二のランダム・アクセス・メモリ31aから読み
出したデータの差、即ち素子毎差を該第三の加算回路3
2bによって求める。
【0120】該第三の加算回路32bが出力する素子毎
差は該第四の加算回路32c及び該レジスタ33に与え
られ、これらによって差平均値が求められる。
【0121】その次に、感度補正係数の算出のフェーズ
に入る。
【0122】このフェーズでは、該第一のランダム・ア
クセス・メモリ31と該第二のランダム・アクセス・メ
モリ31aから読み出し、該第三の加算回路32bで素
子毎差を求める。
【0123】該第三の加算回路32bが出力する素子毎
差は該第一の逆数ROM34に与えられ、該第一の逆数
ROM34では与えられた素子毎差の値をアドレスとし
て、当該アドレスに格納されている、赤外線検知素子ご
とに設定された乗算定数を乗算された素子毎差の逆数を
読み出す。
【0124】該第一の逆数ROM34が出力する赤外線
検知素子毎の乗算定数と素子毎差の逆数の積と該レジス
タ33が出力する差平均値を該第一の乗算回路35にお
いて乗算する。
【0125】この場合、赤外線検知素子毎に異なる乗算
定数が乗算されているので、赤外線検知素子毎に異なる
乗算定数で除算することによって正しい感度補正係数に
戻す必要がある。
【0126】このために、該乗算定数ROM37から赤
外線検知素子毎の乗算定数を読み出し、該除算回路38
において該第一の乗算回路35の出力を除算する。尚、
赤外線検知素子毎の乗算定数を読み出すには、素子毎差
が赤外線検知素子に1:1に対応するので、該第三の加
算回路32bが出力する素子毎差をアドレスとして、該
乗算定数ROM37の当該アドレスに格納されている乗
算定数を読み出せばよい。
【0127】こうして得られた赤外線検知素子毎の感度
補正係数を該第三のランダム・アクセス・メモリ31b
に格納する。
【0128】そして、被測定物体の温度測定のフェーズ
に入ると、各々の赤外線検知素子が検知したデータ、即
ち画像データが入力されてくるので、該第三のランダム
・アクセス・メモリ31bの出力と対応する入力画像デ
ータとを該第二の乗算回路35aによって乗算すること
によって感度補正をすることができる。
【0129】ここで、赤外線検知素子毎の乗算定数をど
のように設定すればよいかを、図9に示したのと同じケ
ースを例に説明する。
【0130】図9に示されている如く、222と素子毎差
の逆数の積が16ビットをオーバーフローしない範囲、
即ち、素子毎差が70以上の場合には感度補正係数の誤
差は実用的に無視しうる。この結果に着目して、赤外線
検知素子毎の素子毎差の逆数の積が16ビットをオーバ
ーフローしないように赤外線検知素子毎の乗算定数を決
めればよい。
【0131】例えば、素子毎差が10(10は24 より
小さい。)の時には、乗算定数は2 16×24-1 =219
すればよく、素子毎差が20及び30(20及び30は
5より小さい。)の時には、乗算定数は216×25-1
=220とすればよく、素子毎差が40から60(40か
ら60は26 より小さい。)の時には、乗算定数は2 16
×26-1 =221とすればよい。そして、素子毎差が27
より小さい70から100の時には、乗算定数は216×
7-1 =222とすればよい。
【0132】従って、上記の如く決定された赤外線検知
素子毎の乗算定数を該乗算定数ROMに素子毎差をアド
レスとして書き込んでおけばよい。
【0133】上記のように乗算定数を設定した時の図5
の構成による感度補正係数の誤差を示すのは省略する
が、誤差が無視しうる値になることは図9において素子
毎差が70以上の時に誤差が無視しうる値になっている
ことから容易に類推することができる。
【0134】上記の如く、本発明の第一の実施の形態乃
至第三の実施の形態によって、正確な感度補正結果をも
たらす感度補正方式を実現することができる。
【0135】従って、上記感度補正方式を適用した感度
補正部を赤外線映像装置に備えることによって、温度測
定の確度が高い赤外線映像装置を実現することができ
る。
【0136】さて、上記の説明では、逆数を求めるのに
読み出し専用メモリを用いるものとして説明したが、通
常の除算回路を用いて逆数を求めることも可能である。
従って、上記において逆数ROMとしている部位は本質
的には逆数を求める逆数回路ということができる。
【0137】又、図1及び図4における第四の加算回路
32cとレジスタ33の組は、素子毎差を累積加算して
差平均値を求める機能を有するので、この両者の組は平
均値回路と呼ぶことができる。
【0138】
【発明の効果】本発明により、赤外線映像装置に適用さ
れる複数の赤外線検知素子の検知感度にばらつきがあっ
ても、正しい感度補正係数を確実に得ることができるの
で、複数の赤外線検知素子間の検知感度のばらつきを補
正することができる。
【0139】更に、上記の如く正しい感度補正係数を得
ることができる感度補正部を赤外線映像装置に適用する
ことによって、温度測定確度が高い赤外線映像装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態。
【図2】 真の感度補正係数と図1の構成による感度補
正係数の比較(その1)。
【図3】 真の感度補正係数と図1の構成による感度補
正係数の比較(その2)。
【図4】 本発明の第二の実施の形態。
【図5】 本発明の第三の実施の形態。
【図6】 従来の感度補正方式。
【図7】 感度補正のシーケンス。
【図8】 第一、第二のランダム・アクセス・メモリに
よる累積加算を説明する図。
【図9】 真の感度補正係数と図6の構成による感度補
正係数の比較。
【図10】 感度補正の原理。
【図11】 赤外線映像装置の構成概要。
【符号の説明】
1 赤外線検知部 2 アナログ−デジタル変換部(A/D) 3 感度補正部 4 デジタル−アナログ変換部(D/A) 5 表示部 31 第一のランダム・アクセス・メモリ 31a 第二のランダム・アクセス・メモリ 31b 第三のランダム・アクセス・メモリ 32 第一の加算回路 32a 第二の加算回路 32b 第三の加算回路 32c 第四の加算回路 33 レジスタ 34 第一の逆数ROM 34a 第二の逆数ROM 35 第一の乗算回路 35a 第二の乗算回路 36 レベル補正回路 37 乗算定数ROM 38 除算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/33 H04N 5/33 7/18 7/18 N (72)発明者 櫨木 保 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番6号 富士通関西ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 徳田 健一 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番6号 富士通関西ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 中村 浩規 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番6号 富士通関西ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 川下 光也 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番6号 富士通関西ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 梅田 浩平 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番6号 富士通関西ディジタル・テクノロジ株式会 社内 (72)発明者 行木 英時 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 宮崎 伸司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中村 健太郎 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA02 AB02 BA01 BA33 BA34 BC16 BC28 BC33 BD01 BD03 BD04 CA13 DA01 DA06 DA10 2G066 AC13 AC14 BA12 BB09 BC02 BC07 BC09 BC11 CB01 5C022 AA01 AA08 AA15 AB18 AB68 AC64 AC69 CA02 5C024 AA06 BA01 CA13 FA09 GA06 HA12 HA17 HA25 5C054 AA01 CA05 CB01 CC02 CG02 CH06 EA01 FC15 FF02 HA01 HA12 HA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の赤外線検知素子毎に測定した、高
    温物体の温度データと低温物体の温度データの差であ
    る、赤外線検知素子毎の素子毎差を求める加算回路と、 該加算回路が出力する素子毎差を全ての赤外線検知素子
    にわたって平均して差平均値を出力する平均値回路と、 該平均値回路が出力する差平均値の逆数を、赤外線検知
    素子に共通な乗算定数を乗算することによって必要な有
    効桁数で求める第一の逆数回路と、 該加算回路が出力する素子毎差と該逆数回路の出力との
    積を求める第一の乗算回路と、 該第一の乗算回路の出力の逆数を求める第二の逆数回路
    と、 該第二の逆数回路の出力と赤外線検知素子毎に入力され
    る画像データを乗算する第二の乗算回路とを備えること
    を特徴とする感度補正方式。
  2. 【請求項2】 複数の赤外線検知素子毎に測定した、高
    温物体の温度データと低温物体の温度データの差であ
    る、赤外線検知素子毎の素子毎差を求める加算回路と、 該加算回路が出力する素子毎差を全ての赤外線検知素子
    にわたって平均して差平均値を出力する平均値回路と、 該平均値回路が出力する差平均値の逆数を、赤外線検知
    素子に共通な乗算定数を乗算することによって必要な有
    効桁数で求める第一の逆数回路と、 該加算回路が出力する素子毎差と該逆数回路の出力との
    積を求める乗算回路と、 該第一の乗算回路の出力の逆数を求める第二の逆数回路
    と、 該第二の逆数回路の出力と赤外線検知素子毎に入力され
    る画像データを乗算する第二の乗算回路と、 該第二の乗算回路の出力の誤差を補正するレベル補正回
    路とを備えることを特徴とする感度補正方式。
  3. 【請求項3】 複数の赤外線検知素子毎に測定した、高
    温物体の温度データと低温物体の温度データの差であ
    る、赤外線検知素子毎の素子毎差を求める加算回路と、 該加算回路が出力する素子毎差を全ての赤外線検知素子
    にわたって平均して差平均値を出力する平均値回路と、 該加算回路が出力する素子毎差の逆数を、赤外線検知素
    子毎に設定された乗算定数を乗算することによって必要
    な有効桁数で求める第一の逆数回路と、 該平均値回路の出力と該逆数回路の出力を赤外線検知素
    子毎に乗算して乗算結果を出力する第一の乗算回路と、 赤外線検知素子毎に設定された乗算定数を格納する読み
    出し専用メモリと、 該第一の乗算回路が出力する赤外線検知素子毎の乗算結
    果を該読み出し専用メモリから読み出される赤外線検知
    素子毎の乗算定数によって除算する除算回路と、 該除算回路の出力と赤外線検知素子毎に入力される画像
    データを乗算する第二の乗算回路とを備えることを特徴
    とする感度補正方式。
  4. 【請求項4】 少なくとも、赤外線検知部と、感度補正
    部と、表示部とを備える赤外線映像装置において、 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の感度補正方式
    を適用する感度補正部を備えることを特徴とする赤外線
    映像装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010226259A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Rhythm Watch Co Ltd 検知システムおよびその信号処理方法
JP2012078159A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサ信号の補正方法及び温度測定方法並びに温度測定装置

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