JP2000179793A - 歯車装置の機械損失低減装置 - Google Patents

歯車装置の機械損失低減装置

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JP2000179793A
JP2000179793A JP10355949A JP35594998A JP2000179793A JP 2000179793 A JP2000179793 A JP 2000179793A JP 10355949 A JP10355949 A JP 10355949A JP 35594998 A JP35594998 A JP 35594998A JP 2000179793 A JP2000179793 A JP 2000179793A
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housing
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plate
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Toru Yoshioka
徹 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車に連れ回りする潤滑油の量を最小限度に
抑えるとともに、跳ね返りによる歯車への油の接当を解
消させることによって、潤滑・冷却用油の再加速による
損失を大幅に低減することができる歯車装置の機械損失
低減装置の提供。 【解決手段】 ハウジング2内に収蔵される歯車3に油
ノズル4により潤滑油を吹き付けて潤滑・冷却を行わせ
る歯車装置において、歯車3の歯先曲面に沿った円弧形
状の帯板からなる緩衝用曲板7を、歯車回転方向を基準
に潤滑油の吹き付け位置に対し下流側となる個所の歯車
3に近接させて配設する。また、歯車3外周に面したハ
ウジング2内周面の中央線に沿って歯車3外周に向け先
細に突出する突条10を設ける。これにより、ハウジン
グ2内面に向け歯車3から飛来する潤滑油を突条10に
よって歯車3側に跳ね返すことなくハウジング2の両内
側面に向け振り分けて飛散させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ圧縮機の増
速機等の歯車装置に関し、詳細には、歯車装置における
潤滑油による機械損失を減少させることができる機械損
失低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車装置における潤滑油による機械損失
は、軸受からの排油の再加速損失と歯車の潤滑・冷却用
油の再加速損失とがある。油がハウジング内でかき回さ
れることを防ぎ、機械損失を軽減する典型的な先行技術
が特開平 9−144692号公報によって公知である。
【0003】上記先行技術は、ピニオン軸を3本持つ増
速機内蔵型圧縮機で実現される歯車装置において、入力
軸上方に位置するピニオン軸受(油潤滑式)からの排油
が入力軸に当たることによる油の再加速損失を低減する
ため、前記ピニオン軸受からの排油の飛散を防止し、か
つ油を増速機の側壁に沿って流すようにする「排油受
け」を設けた構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術の
構成では、入力軸上方の(高圧段ピニオンの)軸受から
の排油のみに限定された飛散防止構造であって、歯車の
潤滑・冷却に使われる潤滑油による機械損失の防止につ
いては何ら用を成していない。
【0005】ところで、歯車の潤滑・冷却用油の跳ね返
りによる再加速損失は、軸受からの排油に基づく再加速
損失以上に歯車装置に影響を及ぼすことが知られてお
り、これを具体例が示される図に基づき説明する。図8
には、従来の歯車装置としての増速機が、(イ)に縦断
面図で示され、(ロ)に(イ)でのD−D矢視線方向の
断面図で示される。
【0006】図示の増速機1は、ターボ圧縮機の回転駆
動要素となる装置であり、ハウジング2内には、歯車
(大歯車)3、この歯車3に噛み合うピニオン4が収蔵
されていて、図示しない駆動源からの回転出力が歯車3
の軸5に伝えられ、歯車3及びピニオン4を介して図示
しないターボ圧縮機のインペラ軸に伝達されるようにな
っている。この増速機1には、さらに油噴射手段として
の油ノズル6が設けられる。この油ノズル6は、ノズル
先を歯車3とピニオン4の噛合部に対し斜め下方から指
向するような配置でハウジング2内に設けられる。
【0007】上記増速機1において、歯車3が図上で矢
印で示される時計回転方向に回転していて、油ノズル6
から潤滑・冷却用油が歯車3とピニオン4の噛合部に吹
き付けられていると、歯車3の歯面に付着して連れ回り
した油は、大半量が遠心力で吹き飛ばされてハウジング
2の底面に当たり、そのうちの一部量が跳ね返って再び
歯車3に接触して連れ回りしている油と一緒になって矢
示線eのように、飛散、跳ね返りが行われる。その際、
ハウジング2内壁は平らで、かつ歯車3外径から一定の
距離を保った形状をしているため、飛散、跳ね返り、連
れ回り、飛散が繰り返され、その間に油が再加速される
ことにより、機械的損失が発生するものである。
【0008】このような潤滑油の跳ね返りにより発生す
る歯車装置の機械的損失を効果的に低減し得るものとし
て、本出願人はさきに特願平 9−296929号に基づいて新
規な機械損失低減装置を提案してきた。この提案装置
は、ハウジング内底部に緩衝用堰を立設したものであっ
て、この緩衝用堰は、回転中の歯車から振り飛ばされる
潤滑油がケーシング内底部に衝突・飛散し、再び歯車に
衝突しないように緩衝的に受止して跳ね返りを防ぐ一
方、ケーシング内底部での潤滑油の流れを妨げないよう
に機能する堰である。
【0009】上記緩衝用堰を設けたことによって、内底
部に衝突・飛散した潤滑油の歯車への跳ね返りは未然に
防止されるに至ったが、それでも、一部量の潤滑油が図
6(イ)に示すように、振り飛ばされないまま歯車3に
連れ回って上方まで引っ張られた後、ハウジング2の歯
車3外周面と向き合う内面に跳ね返って、再び歯車3に
当たることまで抑制するのは難しく、僅かながらも損失
が発生する恐れが一応考えられる。
【0010】本発明は、このような実状に鑑みて上記提
案装置に対する更なる改善を図るべく成されたものであ
り、従って本発明の目的は、歯車に連れ回りする潤滑油
の量を最小限度に抑えるとともに、跳ね返りによる歯車
への油の接当を解消させることによって、潤滑・冷却用
油の再加速による損失を大幅に低減することができる改
良された歯車装置の機械損失低減装置を提供しようとす
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明に係る請求項1の発明は、ハウジング内に収
蔵される歯車に油ノズルにより潤滑油を吹き付けて潤滑
・冷却を行わせる歯車装置において、歯車の歯先曲面に
沿った円弧形状を有する緩衝用部材を、歯車回転方向を
基準に潤滑油の吹き付け位置に対し下流側となる個所の
歯車に近接させて配設してなることを特徴とする歯車装
置の機械損失低減装置である。
【0012】また本発明に係る請求項2の発明は、上記
請求項1の発明において、緩衝用部材の円弧形状の部位
が帯板からなることを特徴とする歯車装置の機械損失低
減装置である。
【0013】また本発明に係る請求項3の発明は、上記
請求項1の発明において、緩衝用部材が衝立状の一体形
の鋼板からなることを特徴とする歯車装置の機械損失低
減装置である。
【0014】また本発明に係る請求項4の発明は、上記
請求項2の発明において、帯板が金網からなることを特
徴とする歯車装置の機械損失低減装置である。
【0015】また本発明に係る請求項5の発明は、上記
請求項2の発明において、帯板が多孔板からなることを
特徴とする歯車装置の機械損失低減装置である。
【0016】また本発明に係る請求項6の発明は、上記
請求項2の発明において、帯板がスリット板からなるこ
とを特徴とする歯車装置の機械損失低減装置である。
【0017】また本発明に係る請求項7の発明は、上記
請求項2の発明において、帯板が、多数の羽板が板幅方
向に開口するスリットを介在させて一定間隔の縦列に並
ぶよろい板からなることを特徴とする歯車装置の機械損
失低減装置である。
【0018】また本発明に係る請求項8の発明は、ハウ
ジング内に収蔵される歯車に油ノズルにより潤滑油を吹
き付けて潤滑・冷却を行わせる歯車装置において、歯車
外周に面したハウジング内周面の中央線に沿って歯車外
周に向け先細に突出する突条が設けられてなり、ハウジ
ング内面に向け歯車から飛来する潤滑油を前記突条によ
って歯車側に跳ね返すことなくハウジングの両内側面に
向け振り分けて飛散可能としたことを特徴とする歯車装
置の機械損失低減装置である。
【0019】また本発明に係る請求項9の発明は、上記
請求項8の発明において、歯車外周に面したハウジング
内周面を、相等しい2つの円弧面が外向きに凸に隣り合
って並ぶ複列曲面に形成することにより、ハウジング内
周面の中央部に前記突条が設けられてなることを特徴と
する歯車装置の機械損失低減装置である。
【0020】また本発明に係る請求項10の発明は、上
記請求項9の発明において、ハウジング内周面における
2つの円弧の半径Rをハウジング内面幅Lの約1/4と
してなることを特徴とする歯車装置の機械損失低減装置
である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0022】図1には、本発明の第1実施形態に係る機
械損失低減装置を備える歯車装置である増速機1の要部
が三面図で示され、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)に
おける機械損失低減装置の左側面図、(ハ)は同じく底
面図である。
【0023】上記第1実施形態に係る増速機1の基本的
な構造並びにその運転の態様については、図8で示され
る従来の増速機1についてのものと同じであるので、対
応する各部材には同一の参照符号を付してここでは詳細
な説明を省略する。
【0024】図1図示の第1実施形態に係る増速機1に
は、緩衝用部材として緩衝用曲板7を構成要素に備えて
なる機械損失低減装置が設けられている。この機械損失
低減装置は、歯車3の下方部とハウジング2の底面との
間の個所、即ち、歯車3の回転方向を基準として油ノズ
ル6による潤滑油の吹き付け位置に対し下流側となる個
所の歯車3に近接する個所に設けられる。
【0025】上記機械損失低減装置は、歯車3の歯先曲
面に沿った円弧形状の帯板からなる緩衝用曲板7と、こ
の曲板7の両側辺に連なって垂下し立設させた支持立板
8と、支持立板8を支承するためにハウジング2の底面
に固定させた台板9とにより形成されていて、歯車3の
下方部とハウジング2の底面との間に衝立状に配設され
る。緩衝用曲板7は、歯車3の歯先の軸方向幅寸法に見
合った幅を持ち、かつ歯車3の歯先曲面に沿った円弧形
状の帯板から形成されて、歯先曲面に対する隙間ができ
るだけ小さくなるように歯車3に接近させて配設され
る。
【0026】上記緩衝用曲板7は、歯車3の回転方向を
基準に上手側の端部が、歯車3の回転による遠心力でハ
ウジング2の底面に向けて吹き飛ばされる潤滑油の流れ
aに対して図示するように直後に位置するように配設さ
れることが望ましく、そして、マクロ的な視点からする
と、歯車3の歯先曲面と曲板7との隙間はなるべく小さ
くした方がよいが、実際的には極端に小さくする場合の
製作上の精度合わせの困難性、隙間に流入した油による
攪拌損失の問題の両面を勘案した、適当な寸法が決定さ
れるものである。例えば、750〜770mm程度の径
の歯車3を有する歯車装置において、2.0〜11.0
mm程度の間隙を構成して緩衝用曲板7を形成させたこ
とにより、下記に示すような良好な結果を得た。なお、
緩衝用曲板7と支持立板8とは別々の部材により接合し
たもの、一枚板の鋼板から図示するような衝立状の一体
形に形成したものの何れであっても良い。
【0027】このように緩衝用曲板7を備える機械損失
低減装置を付設したことによって、油ノズル6から吹き
出されて一度歯車3に当たって潤滑・冷却の用に供した
後の潤滑油が、ハウジング2の底面に当たって跳ね返っ
たとしても、緩衝用曲板7に遮られることとなって、歯
車3に再度接触する現象は殆どなくなる。その結果、油
の再加速による機械的損失を低減でき、歯車装置の損失
を軽減する効果を奏する。なお、緩衝用曲板7を図示す
るような配置形態で歯車3に上記したように可能な範囲
で接近させて設けた場合と設けない場合との損失(出
力)を比較試験してみたところ、設けない場合の損失2
8.0kWと設けた場合の損失27.1kWとで0.9
kWの差が生じて、3.2%の損失低減効果があること
が明らかになった。
【0028】図2には、本発明の第2実施形態に係る機
械損失低減装置を備える歯車装置である増速機1の要部
が四面図で示され、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)に
おける機械損失低減装置の左側面図、(ハ)は同じく底
面図、(ニ)は(イ)におけるA−A矢視線方向の断面
図である。
【0029】上記第2実施形態に係る増速機1は、図1
図示の第1実施形態に類似した構成であって、対応する
各部材については同一の参照符号を付して説明を省略す
る。この第2実施形態において特徴とされる点は、機械
損失低減装置における緩衝用曲板7が金網7b により形
成されることである。即ち、図示するように細かいメッ
シュの金網7b により歯車3の歯先の軸方向幅寸法に見
合った幅を持ち、かつ歯車3の歯先曲面に沿った円弧形
状の帯板に形成して、第1実施形態と同様に、油ノズル
6による潤滑油の吹き付け位置に対し下流側となる個所
の歯車3に該歯先曲面に対する隙間ができるだけ小さく
なるように接近させて配設している。
【0030】このように金網7b からなる緩衝用曲板7
を設けることにより、油の再加速による損失を低減でき
ることに加えて、歯車3と該曲板7の間に入り込んだ油
の排出が図2(イ)において矢示線bで表されるように
効率よく行えるため、この入り込んだ油による攪拌損失
を更に低減でき、歯車装置の機械損失をより低減する効
果がある。なお、緩衝用曲板7を図示するような配置形
態で歯車3に可能な範囲で接近させて設けた場合と設け
ない場合との損失(出力)を比較試験してみたところ、
設けない場合の損失28.0kWと設けた場合の損失2
5.4kWとで2.6kWの差が生じて、9.3%の損
失低減効果があることが判った。
【0031】以上述べた第2実施形態の構成において、
前記緩衝用曲板7として金網7b に替えて多孔板を使用
したものであってもよく、図7(イ)に示されるように
多数の小孔を有する多孔板7b ’を用いた場合も、金網
7b におけると同様の効果を奏し得ることは言うまでも
ない。また、更に前記緩衝用曲板7として金網7b に替
えて図7(ロ)に示されるように板幅方向に開口するス
リットが一定間隔の縦列に並んだスリット板7b ”を使
用したものであってもよい。なお、図7(イ)、(ロ)
は、本発明の実施の形態に係る機械損失低減装置を備え
る歯車装置における緩衝用曲板の例の正面図である。
【0032】図3には、本発明の第3実施形態に係る機
械損失低減装置を備える歯車装置である増速機1の要部
が四面図で示され、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)に
おける機械損失低減装置の左側面図、(ハ)は同じく底
面図、(ニ)は(イ)におけるB−B矢視線方向の断面
図である。また、図4には、図3における緩衝用曲板の
拡大断面示正面図が示される。
【0033】上記第3実施形態に係る増速機1は、図1
図示の第1実施形態に類似した構成であって、対応する
各部材については同一の参照符号を付して説明を省略す
る。この第3実施形態において特徴とされる点は、機械
損失低減装置における緩衝用曲板7がよろい板7c によ
り形成されることである。即ち、図示するようにアルミ
板等の金属帯板に数mm程度の一定間隔をとり板幅方向
に平行に並べて切り込み線を設けて、これらの切り込み
線に沿って同一板面側に押し込ませて開口させることに
より、多数の羽板11が板幅方向に開口するスリット1
2を介在させて一定間隔の縦列に並ぶ、所謂よろい窓状
をなす曲がり帯板に形成されている。
【0034】このよろい板7c からなる緩衝用曲板7を
備える第3実施形態においては、前記金網7b のものが
底面から跳ね返った油が少量ではあるが網目をすり抜け
て歯車3に接触するおそれがあるのに対して、歯車3と
緩衝用曲板7の間に入り込んだ油の排出は、図3(イ)
及び図4において矢示線cで表されるように各スリット
12から効率よく行え、一方、跳ね返った油はスリット
12を覆っている各羽板11により遮られて歯車3と緩
衝用曲板7の隙間への浸入が防止され、その結果、第3
実施形態は第2実施形態に比してさらに機械損失を低減
できる。
【0035】図5には、本発明の第4実施形態に係る機
械損失低減装置を備える歯車装置である増速機1の部分
断面示正面図が示される。また図6には、図4における
C−C矢視線方向の拡大示断面図が示される。
【0036】増速機1は図5に示すように、内部の歯車
3を包囲するハウジング2の内壁が歯車3の歯先曲面
(円筒面)から一定の距離を保ち、かつ、歯先曲面に平
行な平らな面となっているものが多く、一般的に歯車3
とピニオン4とが噛み合う個所の周辺部を除く周囲部が
このような形状を成しているものである。従って前述す
るように歯車に連れ回りした潤滑油が、ハウジング2の
前記歯先曲面と向き合う内面に跳ね返り、再び歯車に当
たって油が再加速されることになる。
【0037】図5図示の第4実施形態では、このような
再加速の発生を防止するためとして、歯車3外周に一定
の距離で面しているハウジング2内周面に、その中央線
に沿って歯車3外周に向け先細に突出する突条10を設
けている。この突条10は図示するように、例えば、歯
車3の上半部分を覆う上半部ハウジング2の内周全面に
亘って設けられる。このように突条10を設けたことに
より、ハウジング2内面に向け歯車3から飛来する潤滑
油を突条10によって歯車3側に跳ね返すことなくハウ
ジング2の両内側面に向け振り分けて飛散させることが
可能となる。
【0038】上述するように突条10をハウジング2内
周面に設ける場合、図6に断面図で示されるように、歯
車3外周に面したハウジング2内周面を、相等しい2つ
の円弧面が外向きに凸に横一列に並ぶ複列曲面に形成す
ることにより、ハウジング2内周面の中央部に歯車3外
周に向け先細に突出する突条10を形成することがで
き、さらに、2つの円弧面が外向きに凸に隣り合って突
条10の両側に対称的に並んでいるため、突条10に当
たった油がスムーズにハウジング2側壁に流動するよう
になり、油が歯車3に再接触することを一層確率良く防
止できる。
【0039】この場合、ハウジング2内周面における2
つの上記円弧の半径Rをハウジング2の内面幅Lの約1
/4としてなることにより、突条10に当たった油をハ
ウジング2の両内側面に向け均等に振り分けて飛散させ
る作用をより一層確実かつ円滑に行わせることができ
る。
【0040】なお、本発明においては、歯車装置に対し
て緩衝用曲板7と突条10との何れか一方を設けること
により所期の目的が達成されるものであるが、緩衝用曲
板7と突条10の双方を併設させることも勿論可能であ
って、これにより油の歯車3への再接触防止をより効果
的に奏することができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3の発明によれば、
油ノズルから吹き出されて一度歯車に当たって潤滑・冷
却の用に供した後の潤滑油が、ハウジングの内面に当た
って跳ね返ったとしても、緩衝用部材に遮られることと
なって、歯車に再度接触することは殆どなくなる。その
結果、油の再加速による機械的損失を低減でき、歯車装
置の損失を軽減する効果を奏する。
【0042】請求項4乃至請求項6の発明によれば、緩
衝用部材を金網又は多孔板により形成したことで、油の
再加速による損失を低減できる請求項1乃至請求項3の
効果に加えて、歯車と該部材の間に入り込んだ油の排出
が網目又は孔、スリットを介して効率よく行えるため、
この入り込んだ油による攪拌損失を更に低減でき、歯車
装置の機械損失をより低減する効果が奏される。
【0043】請求項7の発明によれば、緩衝用部材をよ
ろい板により形成したことで、歯車と緩衝用部材の間に
入り込んだ油の排出は、各スリットから効率よく行える
一方、跳ね返った油はスリットを覆っている各羽板部に
より遮られて歯車と緩衝用部材の隙間への浸入が防止さ
れ、より一層機械損失を低減できる。
【0044】請求項8乃至請求項10の発明によれば、
突条を設けたことにより、ハウジング内面に向け歯車か
ら飛来する潤滑油を突条によって歯車側に跳ね返すこと
なくハウジングの両内側面に向け振り分けて飛散させる
ことが可能であり、油の再加速による機械的損失を低減
でき、歯車装置の損失を軽減する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る機械損失低減装置
を備える歯車装置の要部を示す三面図で、(イ)は正面
図、(ロ)は(イ)における機械損失低減装置の左側面
図、(ハ)は同じく底面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る機械損失低減装置
を備える歯車装置の要部を示す四面図で、(イ)は正面
図、(ロ)は(イ)における機械損失低減装置の左側面
図、(ハ)は同じく底面図、(ニ)は(イ)におけるA
−A矢視線方向の断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る機械損失低減装置
を備える歯車装置の要部を示す四面図で、(イ)は正面
図、(ロ)は(イ)における機械損失低減装置の左側面
図、(ハ)は同じく底面図、(ニ)は(イ)におけるB
−B矢視線方向の断面図である。
【図4】図3に図示する緩衝用曲板の拡大断面示する正
面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る機械損失低減装置
を備える歯車装置の部分断面示正面図である。
【図6】図4におけるC−C矢視線方向の拡大示断面図
である。
【図7】本発明の実施形態に係る機械損失低減装置を備
える歯車装置における緩衝用曲板の例の正面図である。
【図8】(イ)は従来の歯車装置としての増速機の縦断
面図、(ロ)は(イ)におけるD−D矢視線方向の断面
図である。
【符号の説明】
1…増速機 2…ハウジング 3…歯
車 4…ピニオン 5…軸 6…油
ノズル 7…緩衝用曲板 7a …平板 7b …金
網 7c …よろい板 8…支持立板 9…
台板 10…突条 11…羽板 12…
スリット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に収蔵される歯車に油ノズ
    ルにより潤滑油を吹き付けて潤滑・冷却を行わせる歯車
    装置において、歯車の歯先曲面に沿った円弧形状を有す
    る緩衝用部材を、歯車回転方向を基準に潤滑油の吹き付
    け位置に対し下流側となる個所の歯車に近接させて配設
    してなることを特徴とする歯車装置の機械損失低減装
    置。
  2. 【請求項2】 緩衝用部材の円弧形状の部位が帯板から
    なることを特徴とする請求項1記載の歯車装置の機械損
    失低減装置。
  3. 【請求項3】 緩衝用部材が衝立状の一体形の鋼板から
    なることを特徴とする請求項1記載の歯車装置の機械損
    失低減装置。
  4. 【請求項4】 帯板が金網からなることを特徴とする請
    求項2記載の歯車装置の機械損失低減装置。
  5. 【請求項5】 帯板が多孔板からなることを特徴とする
    請求項2記載の歯車装置の機械損失低減装置。
  6. 【請求項6】 帯板がスリット板からなることを特徴と
    する請求項2記載の歯車装置の機械損失低減装置。
  7. 【請求項7】 帯板が、多数の羽板が板幅方向に開口す
    るスリットを介在させて一定間隔の縦列に並ぶよろい板
    からなることを特徴とする請求項2記載の歯車装置の機
    械損失低減装置。
  8. 【請求項8】 ハウジング内に収蔵される歯車に油ノズ
    ルにより潤滑油を吹き付けて潤滑・冷却を行わせる歯車
    装置において、歯車外周に面したハウジング内周面の中
    央線に沿って歯車外周に向け先細に突出する突条が設け
    られてなり、ハウジング内面に向け歯車から飛来する潤
    滑油を前記突条によって歯車側に跳ね返すことなくハウ
    ジングの両内側面に向け振り分けて飛散可能としたこと
    を特徴とする歯車装置の機械損失低減装置。
  9. 【請求項9】 歯車外周に面したハウジング内周面を、
    相等しい2つの円弧面が外向きに凸に隣り合って並ぶ複
    列曲面に形成することにより、ハウジング内周面の中央
    部に前記突条が設けられてなることを特徴とする請求項
    8記載の歯車装置の機械損失低減装置。
  10. 【請求項10】 ハウジング内周面における2つの円弧
    の半径をハウジング内面幅の約1/4としてなることを
    特徴とする請求項9記載の歯車装置の機械損失低減装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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