JP2000174728A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JP2000174728A
JP2000174728A JP34611398A JP34611398A JP2000174728A JP 2000174728 A JP2000174728 A JP 2000174728A JP 34611398 A JP34611398 A JP 34611398A JP 34611398 A JP34611398 A JP 34611398A JP 2000174728 A JP2000174728 A JP 2000174728A
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Tetsuhiko Miyatani
徹彦 宮谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CDMA方式で受信した複数のユーザ信号か
ら干渉除去により各ユーザ信号を分離受信する受信装置
で、干渉除去の精度を向上させて受信特性を向上させ
る。 【解決手段】 CDMA基地局である受信装置では、受
信部1が受信信号を入力し、干渉除去部のレプリカ生成
手段P1〜Pn、Q1〜Qn等から成る干渉除去手段が
受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽出して抽出
した各ユーザ信号を再拡散し、再拡散した他のユーザ信
号を減算することで前記受信信号中の各ユーザ信号の検
出をタイミング情報に基づいて行い、タイミング検出手
段D1〜Dnが干渉除去手段により検出した各ユーザ信
号に基づいて当該信号のタイミングを検出して当該タイ
ミングの情報を干渉除去手段へフィードバックし、変復
調部の信号処理部S1〜Sn等から成る受信処理手段が
干渉除去手段から出力される各ユーザ信号を受信処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDMA方式によ
り受信した複数のユーザ信号から各ユーザ信号を分離受
信する受信装置に関し、特に、受信した複数のユーザ信
号から他のユーザ信号を除去して各ユーザ信号を検出す
るに際して、当該検出に用いる各ユーザ信号のタイミン
グの検出精度を向上させることにより、各ユーザ信号の
受信特性を向上させる受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばDS−CDMA(Direct Sequenc
e-Code Division Multiple Access:直接拡散符号分割
多重接続)方式を用いて無線通信を行う移動通信システ
ムの基地局(CDMA基地局)では、受信した複数のユ
ーザ信号から各ユーザ信号を分離受信するに際して、複
数のユーザ信号が混じった受信信号から干渉成分である
他のユーザ信号を除去する干渉キャンセラを備えること
が検討等されている。
【0003】具体例として、「DS−CDMAにおける
パイロットシンボルを用いる逐次チャネル推定型シリア
ルキャンセラ」(佐和橋、三木、安藤、樋口、電子情報
通信学会技術報告書、RCS95−50(1995−0
7))や「マルチステージ型DS−CDMA干渉キャン
セラによる容量増大効果の検討」(鈴木、武内、199
7年電子情報通信学会総合大会B−5−46)には、上
記のような干渉キャンセラの構成例が記載されている。
【0004】図5には、このようなCDMA基地局の干
渉キャンセラの一例として、上記した「DS−CDMA
におけるパイロットシンボルを用いる逐次チャネル推定
型シリアルキャンセラ」に記載された干渉キャンセラの
構成例を示してある。この干渉キャンセラでは、まず、
各マッチドフィルタ(MF)F1〜Fkが受信信号中の
拡散符号と予め設定された各ユーザ信号毎の拡散符号と
の相関を取得する。ここで、各ユーザ信号には異なる拡
散符号が割り当てられており、マッチドフィルタF1〜
Fkは例えば通信対象とするユーザ信号の数と同数(k
個)備えられている。
【0005】次に、各マッチドフィルタF1〜Fkに接
続されたレベル検出器L1〜Lkが各マッチドフィルタ
F1〜Fkからの出力を平均化し、伝送路に存在するパ
ス(受信到来波)を検出し、それらの平均電力を検出す
る。次いで、ユーザランキング生成部21が、各レベル
検出器L1〜Lkにより検出された電力レベル(パワー
レベル)に基づいて、後段のシリアルキャンセラを構成
する干渉除去ユニット(ICU:Interference Cancell
ing Unit)V1〜Vkを稼動させる順序、すなわち、シ
リアルキャンセルを実行していくユーザ信号の順序を例
えば電力レベルの高い順に決定する。
【0006】そして、干渉キャンセラでは、上記のよう
にして決定された順序に従って、次のようにして後段の
シリアルキャンセラにより干渉除去処理を実行する。す
なわち、まず、シリアルキャンセラの1段目(1st stag
e)では、干渉除去ユニットV1により受信信号から例
えばユーザ信号#1を推定して検出する。ここで、干渉
除去ユニットV1により行われる処理を更に詳しく説明
する。なお、後述する他の干渉除去ユニットV2〜V
k、W1〜Wkにおいてもほぼ同様な処理が行われる。
【0007】干渉除去ユニットV1では、まず、伝送路
に存在するパス毎に備えられた相関検出部24が受信信
号からユーザ信号#1を逆拡散するとともに、伝送路推
定部26がユーザ信号#1の伝送路を推定し、複素乗算
器25が伝送路推定部26からの情報に従って逆拡散さ
れたユーザ信号#1の位相回転を補償する。このように
してユーザ信号#1を同期検波すると、次に、RAKE
受信部27がユーザ信号#1について得られた各パスの
信号を合成し、判定部28が当該合成によりRAKE受
信されたユーザ信号#1のデータが例えば“1”値であ
るか“0”値であるかを判定し、逆変調部29が判定さ
れたデータを上記RAKE受信された重み付けによって
再びパス信号へ分解する。
【0008】次いで、各パス毎に備えられた再拡散部3
0において、複素乗算器31が伝送路推定部26からの
情報に従って逆変調部29で分解された各パス信号に上
記複素乗算器25で補正した位相回転を再び与えるとと
もに、再拡散ブロック32がユーザ信号#1の拡散符号
を用いて各パス信号を再び拡散(再拡散)して出力す
る。なお、この再拡散は各パスのタイミング情報に基づ
いて行われ、このパスタイミングは受信信号に基づいて
検出されている。そして、加算器33が各再拡散部30
の再拡散ブロック32から出力された各パスの再拡散信
号を加算し、当該加算信号を後述する減算器Y2等へ出
力する。
【0009】上記のようにして干渉除去ユニットV1に
よりユーザ信号#1が推定検出されると、シリアルキャ
ンセラの1段目では、次に、減算器Y2が受信信号から
推定検出したユーザ信号#1を減算し、干渉除去ユニッ
トV2が当該減算信号から例えばユーザ信号#2を推定
して検出する。なお、減算器Y2の前段に備えられた遅
延手段X2は他の処理部(干渉除去ユニットV1等)で
発生する信号処理の遅延時間を吸収して信号処理のタイ
ミングを合わせる手段であり、上記図5に示した他の遅
延手段X2〜Xk、22、23についても同様である。
【0010】次いで、シリアルキャンセラの1段目で
は、上記したユーザ信号#2の推定検出の場合と同様
に、以降の例えばユーザ信号#m(m=3〜k)の推定
検出については、受信信号から既に推定検出されたユー
ザ信号#1〜ユーザ信号#(m−1)を減算器Ymによ
り減算し、当該減算信号に基づいて干渉除去ユニットV
mによりユーザ信号#mを推定して検出する。
【0011】また、シリアルキャンセラの2段目(2nd
stage)においても、上記した1段目の場合と同様に、
例えば減算器Z1が受信信号から1段目で既に推定検出
されたユーザ信号#1以外のユーザ信号を減算し、干渉
除去ユニットW1が当該減算信号からユーザ信号#1を
推定して検出するといったように、以降の例えばユーザ
信号#m(m=2〜k)の推定検出については、受信信
号から既に推定検出された他のユーザ信号を減算器Zm
により減算し、当該減算信号に基づいて干渉除去ユニッ
トWmによりユーザ信号#mを推定して検出する。
【0012】以上のように、上記図5に示したCDMA
基地局の干渉キャンセラでは、既に推定検出した他のユ
ーザ信号、すなわち干渉信号を受信信号から除去するこ
とにより各ユーザ信号を検出することができ、これによ
り、受信信号のSIR(信号電力対干渉電力比)を向上
させ、受信特性を向上させることができる。また、上記
した干渉キャンセラの各干渉除去ユニットV1〜Vk、
W1〜Wkでは、RAKE受信した各ユーザ信号を判定
部28で一旦判定した後に再拡散する構成であるため、
このような構成により干渉除去の精度を向上させること
ができることが報告されている。
【0013】また、例えば上記図5に示した干渉キャン
セラでは、各ユーザ信号について検出したパスタイミン
グの情報を各ユーザ信号毎に別個なビットラインを備え
てシリアル伝送することが検討等されている。具体的に
は、例えば通信対象とするユーザ信号の数が300であ
るCDMA基地局では、300本のバスラインを備え
て、各バスラインを介して各ユーザ信号のパスタイミン
グ情報を干渉除去ユニットV1〜Vk等へ伝送する。な
お、図6には、1本のバスラインを伝送するパスタイミ
ング情報の一例を示してあり、この例では、1シンボル
(拡散符号)分の時間幅(図中の“シンボルタイミン
グ”間)に3つのパスに対応したタイミング情報(“τ
1”、“τ2”、“τ3”)が伝送されている。
【0014】また、例えば上記図5に示した干渉キャン
セラでは、各干渉除去ユニットV1〜Vk、W1〜W
(k−1)から減算器Y2〜Yk、Z1〜Zkへの信号
出力や、また、図示はしていないが1段目の干渉除去ユ
ニットV1〜Vkから同一のユーザ信号に対応した2段
目の干渉除去ユニットW1〜Wkへの信号伝送では、例
えば再拡散した信号をサンプリングレートで伝送するこ
とが検討等されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記図5に示したような従来のCDMA基地局の干渉キ
ャンセラでは、上記したように複数のユーザ信号が混じ
った品質の悪い信号に基づいて上記した各ユーザ信号の
パスタイミングを検出する構成であったため、例えば当
該検出に誤り(パス誤検出)が発生し易く、このような
パス誤検出により干渉キャンセラの誤動作やCDMA受
信の特徴であるRAKE受信の劣化を引き起こしてしま
うといった不具合があった。
【0016】具体的には、CDMA基地局では一般に多
数のユーザ信号が任意の位相及び異なる受信レベルで受
信されることから、例えば干渉キャンセラの初段ではパ
ス検出の対象となるユーザ信号以外のユーザ信号の干渉
による雑音レベルが大きく、これによりパス検出対象の
ユーザ信号の受信品質は劣悪なものとなってしまうが、
従来では、このような劣悪な品質の信号に基づいてパス
検出を行う構成であったため、正確なパス検出を行うこ
とができず、各ユーザ信号の受信特性の劣化を生じさせ
ていた。
【0017】また、上記したCDMA基地局の干渉キャ
ンセラについては例えばそのアルゴリズムの構築につい
ては優先的に検討等されていたが、それをハードウエア
等により実現する構成については、未だ検討等がそれ程
なされてはおらず、特に、信号の伝送レート等といった
点についてはあまり検討等されていなかった。このた
め、このような干渉キャンセラを実際に構成する場合に
更に有効なものとすることができる発明が望まれてい
た。
【0018】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、CDMA方式により受信した
複数のユーザ信号から各ユーザ信号を分離受信するに際
して、各ユーザ信号のタイミング検出の精度を向上させ
ることにより、各ユーザ信号の受信特性を向上させるこ
とができる受信装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、信号の伝送レートといった点から信号伝
送の効率化を図ることができる受信装置を提供すること
を目的とする。また、本発明は、受信装置として上記し
たような干渉除去機能を有したCDMA基地局を構成す
るに際して、実用上で有用な効果を奏することができる
受信装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る受信装置では、CDMA方式により受
信した複数のユーザ信号から各ユーザ信号を分離受信す
るに際して、干渉除去手段が受信信号から各ユーザ信号
を逆拡散により抽出するとともに抽出した各ユーザ信号
を再び拡散し、再拡散した他のユーザ信号を減算するこ
とにより前記受信信号中の各ユーザ信号を検出すること
をタイミング情報に基づいて行う場合に、タイミング検
出手段が干渉除去手段により検出した各ユーザ信号に基
づいて当該信号のタイミングを検出するとともに当該タ
イミングの情報を干渉除去手段へフィードバックし、受
信処理手段が干渉除去手段から出力される各ユーザ信号
を受信処理する。
【0020】従って、タイミング検出手段では干渉除去
手段により他のユーザ信号(すなわち、干渉信号)が除
去された信号に基づいて各ユーザ信号のタイミングを検
出することが行われるため、従来の場合と比較して品質
のよい信号に基づいてタイミングを検出することがで
き、これにより、当該タイミング検出の精度を向上させ
ることができる。また、このタイミング情報は干渉除去
手段へフィードバックされるため、干渉除去手段では例
えば干渉除去(すなわち、各ユーザ信号の検出)の精度
を向上させることができ、これにより、各ユーザ信号の
受信特性を向上させることができる。
【0021】なお、タイミング検出手段から干渉除去手
段へフィードバックされるタイミング情報は、例えば干
渉除去手段が受信信号から逆拡散により一旦抽出した各
ユーザ信号を元の信号位置に再拡散する際に用いられ、
この場合、本発明では、この再拡散の精度を向上させる
ことができるため、干渉除去の精度を向上させることが
できる。また、上記したタイミング情報は、例えば干渉
除去手段が受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽
出する際に各ユーザ信号の抽出タイミング等として用い
ることもでき、この場合には、各ユーザ信号の抽出を精
度よく行うことや、当該抽出を効率よく行うことができ
る。
【0022】また、本発明に係る受信装置では、上記し
た干渉除去手段は受信信号から逆拡散により抽出した各
ユーザ信号を受信処理手段へ出力し、上記した受信処理
手段は当該逆拡散信号を受信処理する。このように、干
渉除去手段から受信処理手段へ各ユーザ信号を逆拡散信
号として伝送することにより、当該信号伝送をシンボル
レートで行うことができ、これにより、信号伝送の効率
化を図ることができる。
【0023】また、本発明に係る受信装置では、例えば
当該受信装置はCDMA基地局であり、上記した干渉除
去手段及びタイミング検出手段は着脱自在な構成であ
り、当該干渉除去手段は上記した受信処理手段により受
信処理可能な信号が逆拡散信号であるか拡散信号である
かに応じて当該受信処理手段へ出力するユーザ信号をそ
れぞれの信号に切替える切替手段を有する。
【0024】このように、干渉除去手段に接続される受
信処理手段の受信処理機能に応じて干渉除去手段から出
力する信号を逆拡散信号と拡散信号とで切替えることが
できる構成とすることにより、着脱自在な干渉除去手段
及びタイミング検出手段の汎用性を広げることができ
る。なお、具体的には、後述する本発明の実施例で示す
ように、受信処理手段としては、逆拡散信号を受信処理
する機能を有したものと拡散信号を受信処理する機能を
有したものとが実用される可能性があり、本発明は、こ
れに対応したものである。
【0025】また、本発明に係る受信装置では、例えば
当該受信装置はCDMA基地局であり、上記した干渉除
去手段及びタイミング検出手段は着脱自在な構成であ
り、当該干渉除去手段は受信信号から逆拡散により抽出
した各ユーザ信号を上記した受信処理手段へ出力し、当
該受信処理手段は上記した干渉除去手段が装着されてい
る場合には当該干渉除去手段から入力される逆拡散信号
の受信処理に切替える一方、上記した干渉除去手段が離
脱されている場合にはCDMA方式により受信した複数
のユーザ信号の受信処理に切替える切替手段を有する。
【0026】このように、着脱自在な干渉除去手段から
各ユーザ信号が逆拡散信号として出力される場合に、受
信処理手段が受信処理する各ユーザ信号を逆拡散信号
(すなわち、干渉除去手段から入力される信号)と拡散
信号(すなわち、上記したCDMA方式により受信した
複数のユーザ信号)とで切替えることができる構成とす
ることにより、受信処理手段の汎用性を広げることがで
きる。なお、具体的には、後述する本発明の実施例で示
すように、CDMA基地局では通信対象とするユーザ信
号の数が少ないとき等には干渉除去手段を離脱させて干
渉除去処理を省略する方が効率的な場合もあり、本発明
は、これに対応したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る一実施例を図面を参
照して説明する。図1には、本発明に係る受信装置の一
例を示してある。ここで、本例では、本発明に係る受信
装置をCDMA基地局として構成した場合を示してあ
り、このCDMA基地局では、CDMA方式により受信
した複数のユーザ信号から各ユーザ信号を分離受信する
ことを行う。
【0028】上記図1に示したCDMA基地局には、受
信信号をダウンコンバートする受信部(RX)1と、信
号を遅延させる2つの遅延手段2、4と、各ユーザ信号
の再拡散信号(レプリカ信号)を生成等する複数のレプ
リカ生成手段(RGU:Replica Generation Unit)P
1〜Pn、Q1〜Qnと、信号を減算する2つの減算器
3、5と、信号を加算する複数の加算器M1〜Mnと、
各ユーザ信号のパスタイミングを検出等する複数のパス
検出部D1〜Dnと、複数のスイッチSW1〜SWn
と、各ユーザ信号を処理する複数の信号処理部S1〜S
nと、各ユーザ信号のデータを判定する複数の判定部I
1〜Inとが備えられている。
【0029】ここで、上記したレプリカ生成手段P1〜
Pn、Q1〜Qnは、本例のCDMA基地局が通信対象
とする各ユーザ信号毎に対応して備えられており、本例
では、通信対象とするユーザ信号の数がnであるとし
て、n個のレプリカ生成手段P1〜Pnが各ユーザ信号
に対応して1段目に備えられているとともに、n個のレ
プリカ生成手段Q1〜Qnが各ユーザ信号に対応して2
段目に備えられている。また、同様に、上記した加算器
M1〜Mnやパス検出部D1〜Dnや信号処理部S1〜
Snや判定部I1〜Inについても各ユーザ信号毎に対
応して備えられている。
【0030】なお、本例のCDMA基地局は、上記図1
に示したように大別すると、受信部1と、受信信号から
干渉信号を除去すること等を行う干渉除去部と、各ユー
ザ信号を判定処理等する変復調部(MDE:Modulation
Demodulation Equipment)とから構成されており、本
例では、これらの各処理部が一体として構成されている
態様を示すとともに、干渉除去部を着脱自在とした構成
についても後述する。
【0031】受信部1は、例えば受信した無線周波数
(RF:Radio Frequency)帯の信号を当該搬送波周波
数帯の信号からベースバンド帯の信号へダウンコンバー
トする機能を有している。ここで、一般に、CDMA方
式を用いた無線通信では複数のユーザ信号が周波数帯域
や時間を共有して通信されるため、上記した受信信号に
は例えば複数のユーザ信号が混じっており、すなわち各
拡散符号を用いて変調された複数の信号が混じって含ま
れている。
【0032】遅延手段2は、1段目のレプリカ生成手段
P1〜Pnによる信号処理の動作時間に合わせて入力信
号を遅延させて出力する機能を有しており、また、遅延
手段4は、同様に2段目のレプリカ生成手段Q1〜Qn
による信号処理の動作時間に合わせて入力信号を遅延さ
せて出力する機能を有しており、これらの遅延手段2、
4により信号処理のタイミングが調整されている。
【0033】1段目の各レプリカ生成手段P1〜Pn
は、一例として、上記図5に示した干渉除去ユニットV
1と同様な構成や機能を有するとともに、各ユーザ信号
を逆拡散信号として出力する機能を有している。具体的
には、例えば上記干渉除去ユニットV1の場合と同様
に、1段目の各レプリカ生成手段P1〜Pnでは、ま
ず、受信信号を入力して、受信信号中の拡散符号と設定
された各ユーザ信号毎の拡散符号との相関を取得するこ
とにより各ユーザ信号を伝送路に存在するパス毎に逆拡
散するとともに、逆拡散した各ユーザ信号の伝送路を推
定して各ユーザ信号の位相回転を補償することにより同
期検波を行う。次に、各レプリカ生成手段P1〜Pnで
は、位相回転を補償した各パスの信号を合成することに
よりRAKE受信を行い、RAKE受信した各ユーザ信
号のデータを判定する。
【0034】そして、各レプリカ生成手段P1〜Pnで
は、判定したデータを上記RAKE受信した重み付けに
よって再び各パス信号へ分解し、分解した各パス信号に
元の位相回転を与えるとともに各ユーザ信号の拡散符号
を用いて各パス信号を再拡散し、再拡散した信号(レプ
リカ信号)を出力する。ここで、この再拡散は後述する
各パスのタイミング情報(パスタイミング情報)に基づ
いて行われ、このパスタイミング情報については後述す
る。また、本例の各レプリカ生成手段P1〜Pnは、受
信信号から逆拡散により抽出した各ユーザ信号(逆拡散
信号)を出力することも行う。
【0035】2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qn
は、例えば1段目の各レプリカ生成手段P1〜Pnとほ
ぼ同様な構成及び機能を有しているが、2段目の各レプ
リカ生成手段Q1〜Qnでは後述する減算器3から出力
された信号を入力して処理し、また、1段目の各レプリ
カ生成手段P1〜Pnで逆拡散により抽出された各ユー
ザ信号を用いて伝送路の推定を行う等といった点が1段
目とは異なっている。なお、これらの処理の詳細につい
ては後述する。
【0036】減算器3は、遅延手段2から出力された受
信信号を入力するとともに1段目の各レプリカ生成手段
P1〜Pnから出力されたレプリカ信号を入力し、入力
した受信信号から各レプリカ信号を減算して減算結果を
出力する機能を有している。また、減算器5は、同様
に、遅延手段4から入力した信号から2段目の各レプリ
カ生成手段Q1〜Qnから入力したレプリカ信号を減算
して減算結果を出力する機能を有している。各加算器M
1〜Mnは、入力した複数の信号を加算して加算結果を
後述するパス検出部D1〜Dnや各信号処理部S1〜S
nに対して出力する機能を有している。
【0037】本例では、上記した遅延手段2、4やレプ
リカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qnや減算器3、5や
加算器M1〜Mnが上記の処理を同期して行うことによ
り、受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽出する
とともに抽出した各ユーザ信号を再び拡散し、再拡散し
た他のユーザ信号を減算することにより前記受信信号中
の各ユーザ信号を検出することをタイミング情報に基づ
いて行う干渉除去手段が構成されている。
【0038】各パス検出部D1〜Dnは、各加算器M1
〜Mnから入力された信号に基づいて各ユーザ信号の伝
送路における遅延プロファイルを検出等する機能を有し
ており、具体的には、各ユーザ信号のパスタイミングを
検出して、検出したパスタイミングの情報を例えば各ユ
ーザ信号に対応するレプリカ生成手段P1〜Pn、Q1
〜Qn等へ出力する。本例では、上記したパス検出部D
1〜Dnにより、前記干渉除去手段により検出した各ユ
ーザ信号に基づいて当該信号のタイミングを検出すると
ともに当該タイミングの情報を前記干渉除去手段へフィ
ードバックするタイミング検出手段が構成されている。
【0039】各信号処理部S1〜Snは、例えば以上に
示した干渉除去部から出力される各ユーザ信号を処理す
る機能を有しており、本例では、各信号処理部S1〜S
nの構成態様として、受信信号等のように拡散された信
号を入力して当該信号から各ユーザ信号を相関演算によ
り抽出する相関器等の機能を有している場合と、受信信
号から逆拡散された各ユーザ信号を入力して当該信号を
後述する判定部I1〜Inへそのまま伝送するデータ転
送機能を有している場合と、これら両機能を切替えるこ
とが可能な機能を有している場合とをまとめて上記図1
に示してある。なお、これらの詳細については後述す
る。
【0040】各判定部I1〜Inは、各信号処理部S1
〜Snから入力される各ユーザ信号(逆拡散信号)から
データを判定する機能を有しており、判定した各ユーザ
信号のデータを例えばネットワークへ送信出力する。な
お、本例のように例えば2段目の各レプリカ生成手段Q
1〜Qnで既に同期検波処理やRAKE受信処理が行わ
れた後の逆拡散信号(各ユーザ信号)が各判定部I1〜
Inに入力される構成が用いられる場合には、各判定部
I1〜Inには同期検波処理やRAKE受信処理を行う
機能が備えられなくともよいが、同期検波処理前の逆拡
散信号(各ユーザ信号)が各判定部I1〜Inに入力さ
れる構成が用いられる場合には、各判定部I1〜Inに
は同期検波処理やRAKE受信処理を行う機能が備えら
れる。
【0041】本例では、上記した信号処理部S1〜Sn
や判定部I1〜Inを用いて各ユーザ信号の受信処理を
行う機能により、前記干渉除去手段から出力される各ユ
ーザ信号を受信処理する受信処理手段が構成されてい
る。
【0042】次に、上記図1に示した干渉除去部により
行われる処理の手順の具体例を示す。すなわち、まず、
受信部1によりベースバンド帯へダウンコンバートされ
た受信信号が遅延手段2及び1段目の各レプリカ生成手
段P1〜Pnに入力される。1段目の各レプリカ生成手
段P1〜Pnでは、入力された受信信号から各ユーザ信
号を逆拡散により抽出して、抽出した各ユーザ信号を当
該ユーザ信号に対応する2段目のレプリカ生成手段Q1
〜Qnへ出力するとともに、抽出した各ユーザ信号を再
拡散して生成したレプリカ信号を減算器3等へ出力す
る。
【0043】次に、減算器3では、遅延手段2を介して
入力された受信信号から1段目の各レプリカ生成手段P
1〜Pnから入力されたn個のレプリカ信号を減算し、
当該減算結果である第1残差信号を遅延手段4及び2段
目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnへ出力する。
【0044】次いで、2段目の各レプリカ生成手段Q1
〜Qnでは、入力された第1残差信号から各ユーザ信号
を逆拡散により抽出して、抽出した各ユーザ信号を各信
号処理部S1〜Snに対して出力するとともに、抽出し
た各ユーザ信号を再拡散して生成したレプリカ信号を減
算器5及び各加算器M1〜Mnへ出力する。ここで、2
段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnでは、上記したよ
うに、1段目の各レプリカ生成手段P1〜Pnから入力
された逆拡散信号を用いて例えば伝送路の推定を行う。
【0045】具体的には、例えば2段目の各レプリカ生
成手段Q1〜Qnに入力される第1残差信号は、上記の
ように1段目で推定検出した各ユーザ信号(レプリカ信
号)を受信信号から減算したものであるため、受信信号
から他のユーザ信号(干渉信号)の成分が除去されては
いるものの、当該レプリカ生成手段Q1〜Qnで推定検
出しようとするユーザ信号の成分までも除去されてしま
っている。このため、2段目の各レプリカ生成手段Q1
〜Qnでは、入力された第1残差信号をそのまま用いて
同期検波処理や判定処理を行うと、伝送路推定誤りや判
定誤りが発生し易くなってしまう場合が多い。
【0046】そこで、本例の2段目の各レプリカ生成手
段Q1〜Qnでは、例えば入力された第1残差信号を逆
拡散した後に、当該逆拡散信号と1段目から入力された
逆拡散信号とを加算し、当該加算結果に対して以降の伝
送路推定処理や判定処理等を行う。このような加算処理
により、2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnでは、
干渉信号の成分を低く抑えたままで、推定検出しようと
するユーザ信号の成分のみを上昇させて伝送路推定処理
等を行うことができる。
【0047】2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnで
は、上記のような加算により得られた逆拡散信号、すな
わち当該レプリカ生成手段Q1〜Qnに対応したユーザ
信号の成分のみを上昇させて得られた逆拡散信号を各信
号処理部S1〜Snに対して出力する。また、2段目の
各レプリカ生成手段Q1〜Qnでは、例えば再拡散処理
を行う前に1段目から入力された逆拡散信号分を上記の
ようにして加算して得られた逆拡散信号から差し引き、
これにより、第1残差信号から抽出した各ユーザ信号の
成分のみを再拡散して生成したレプリカ信号を減算器5
へ出力する。
【0048】次いで、減算器5では、遅延手段4を介し
て入力された第1残差信号から2段目の各レプリカ生成
手段Q1〜Qnから入力されたn個のレプリカ信号を減
算し、当該減算結果である第2残差信号を各加算器M1
〜Mnへ出力する。各加算器M1〜Mnには、上記した
例えばチップレートの第2残差信号と、1段目及び2段
目のレプリカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qnから出力
された各ユーザ信号のレプリカ信号が入力され、各加算
器M1〜Mnでは入力したこれらの信号を加算して、加
算結果である各ユーザ信号(拡散信号)を各パス検出部
D1〜Dn及び各信号処理部S1〜Snに対して出力す
る。
【0049】ここで、以上に示した各処理により得られ
る信号の具体例を数式を用いて示す。例えば受信信号r
(t)は式1で示される。ここで、j=1〜nとして、
式1中のAj(t)はユーザ信号#jの伝送路変動を示
し、Dj(t)はユーザ信号#jの送信データを示し、
Cj(t)はユーザ信号#jの拡散符号を示し、N
(t)は熱雑音の成分を示している。また、各信号は複
素数で表され、式1中の*は複素乗算パラメータを示し
ている。また、本例では信号が複数の経路(マルチパ
ス)で受信される場合を示してあり、式1中のΣは全て
のパスについての加算を表している。
【0050】
【数1】
【0051】この場合、1段目の各レプリカ生成手段P
1〜Pnで生成されるレプリカ信号の総和r’(t)は
式2で示される。ここで、式2中のXjは例えば雑音や
干渉等により生じるユーザ信号#jのレプリカ生成誤差
に基づいて定められ、通常、このXjは1未満の値とな
る。
【0052】
【数2】
【0053】また、減算器3から出力される第1残差信
号{r(t)−r’(t)}は式3で示される。
【0054】
【数3】
【0055】上記式3に示されるように、もしも1段目
の各レプリカ生成手段P1〜Pnにより各ユーザ信号の
レプリカ信号が理想的に生成されるとすれば、各Xj=
1となるため、減算器3から出力される第1残差信号は
{r(t)−r’(t)}=N(t)となって雑音等の
成分のみとなる。しかしながら、通常は各レプリカ生成
手段P1〜Pnにより生成されるレプリカ信号には多少
の誤差が含まれるため、本例では、2段目にも1段目と
同様な処理を行うレプリカ生成手段Q1〜Qnを備えて
マルチステージ化することにより、総じてレプリカ生成
誤差を軽減する構成としてある。
【0056】上記したように2段目の各レプリカ生成手
段Q1〜Qn及び減算器5においても1段目とほぼ同様
な処理が行われ、各加算器M1〜Mnでは入力された第
2残差信号と各ユーザ信号のレプリカ信号とを加算して
出力することが行われる。ここで、例えばユーザ信号#
1に対応した加算器M1から出力される加算信号B1
(t)は式4で示される。なお、他の加算器M2〜Mn
から出力される加算信号についても、それぞれの加算器
M1〜Mnがそれぞれのユーザ信号#1〜#nに対応し
ているといった点を除いては、同様である。
【0057】
【数4】
【0058】ここで、上記式4中のr’’(t)は2段
目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnで生成されたレプリ
カ信号の総和を示しており、また、Yjは1段目のレプ
リカ生成手段P1〜Pnで生成された各ユーザ信号#j
のレプリカ信号と2段目のレプリカ生成手段Q1〜Qn
で生成された各ユーザ信号#jのレプリカ信号との加算
結果にかかる係数を示している。
【0059】上記式4に示されるように、各加算器M1
〜Mnから出力される加算信号(拡散信号)中では、各
加算器M1〜Mnに対応したユーザ信号については受信
信号中の当該ユーザ信号と同程度(理想的には受信時と
同一)の大きな信号強度となる一方、他のユーザ信号
(干渉信号)については除去されて上記した(1−Y
j)の項の値に応じて小さくなっている。なお、通常、
この(1−Yj)の項はかなり小さい値となるが0にま
ではならない。
【0060】以上のようにして各加算器M1〜Mnから
拡散信号として出力される各ユーザ信号は各パス検出部
D1〜Dnに入力され、各パス検出部D1〜Dnでは入
力された各ユーザ信号に基づいて当該信号のパスタイミ
ングを検出する。ここで、各パス検出部D1〜Dnによ
り行われるパス検出処理の具体例を示す。すなわち、各
パス検出部D1〜Dnでは、例えば各加算器M1〜Mn
から入力した拡散信号を逆拡散するに際して当該拡散信
号に対して各ユーザ信号の拡散符号を乗算するタイミン
グをずらしながら両者の相関値を演算し、演算した相関
値のピーク位置を各ユーザ信号の到来時間位置(パスタ
イミング)として検出する。
【0061】図2には、各パス検出部D1〜Dnが入力
信号を逆拡散したときに得られる逆拡散信号の一例を示
してあり、横軸は時間を示し、縦軸は信号レベルを示し
ている。同図に示した例では、例えば1シンボルの時間
幅に3つのパス(“パス0”、“パス1”、“パス
2”)による相関ピークが得られており、これら3つの
相関ピークのパスタイミングがそれぞれ“τ1”、“τ
2”、“τ3”として検出される。
【0062】このようなパス検出を行うに際して、本例
では、上記のように受信信号から他のユーザ信号(干渉
信号)が除去された後の信号がパス検出部D1〜Dnに
入力されて、パス検出部D1〜Dnでは他のユーザ信号
による干渉をほとんど受けていない信号に基づいて各ユ
ーザ信号のパスタイミングを検出する構成であるため、
例えば従来の場合と比べてパス誤検出の確率を大幅に減
少させることができ、これにより、例えば干渉信号とな
る他のユーザ信号の数が多い場合であっても、安定した
パス検出を行うことができ、パスタイミングの検出の精
度を大幅に向上させることができる。
【0063】また、各パス検出部D1〜Dnで検出され
た各ユーザ信号のパスタイミングの情報は各ユーザ信号
に対応するレプリカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qnへ
フィードバックされ、各レプリカ生成手段P1〜Pn、
Q1〜Qnにおける処理で参照されて用いられる。具体
例として、各レプリカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qn
では、各パス毎のユーザ信号を再拡散するに際して、フ
ィードバックされたパスタイミング情報を参照すること
を行い、すなわち、このパスタイミング情報で示される
時間位置に再拡散した各パス信号を割り当てることを行
う。
【0064】このような割り当てにより、再拡散された
各パス信号の時間位置と遅延手段2、4を介して減算器
3、5へ出力される信号中の当該各パス信号の時間位置
とが一致するように調整される。本例では、上記のよう
に各パス検出部D1〜Dnにおけるパスタイミングの検
出精度が向上しているため、各レプリカ生成手段P1〜
Pn、Q1〜Qnにおける再拡散の精度も向上し、これ
により、干渉除去の精度を向上させることができ、例え
ば2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnが入力信号か
ら各ユーザ信号を逆拡散により抽出する処理の精度を向
上させることができる。
【0065】また、他の具体例として、各レプリカ生成
手段P1〜Pn、Q1〜Qnでは、フィードバックされ
たパスタイミング情報を逆拡散処理(相関処理)等にお
いて参照して用いることも可能である。すなわち、各レ
プリカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qnでは、例えば入
力信号から各ユーザ信号を逆拡散(相関処理)により抽
出するに際して、入力信号と乗算するための拡散符号を
生成するタイミングをフィードバックされたパスタイミ
ング情報で示される時間位置に合わせるといった処理を
行うことにより、逆拡散による各ユーザ信号の抽出処理
の精度を向上させることや、当該処理を効率化すること
ができる。なお、拡散符号の生成は例えば各レプリカ生
成手段P1〜Pn、Q1〜Qnに内蔵された拡散符号生
成器により行われる。
【0066】また、本例の構成では、例えば干渉除去部
に電源を投入した直後や、新規なユーザ信号が通信対象
として加わった直後においては、パス検出部D1〜Dn
では例えば干渉除去が行われていない受信信号に基づい
て各ユーザ信号のパスタイミングを検出する場合もある
が、この場合においても、或る程度の精度で各ユーザ信
号のパスタイミングを検出することが可能であり、本例
では、当該パスタイミングの情報が得られた後に干渉除
去部による干渉除去処理(レプリカ信号の生成処理等)
が開始される。
【0067】そして、上記のように初めの内はパスタイ
ミングの検出精度は或る程度実用上で有効な程度のもの
とはなるが、本例では、干渉除去部により当該パスタイ
ミングの情報に基づいて受信信号から干渉信号(他のユ
ーザ信号)を除去し、干渉信号を除去した信号に基づい
て各ユーザ信号のパスタイミングを検出し、検出したパ
スタイミングの情報を各レプリカ生成手段P1〜Pn、
Q1〜Qnへフィードバックするといった一連の処理を
繰り返していくに従って、パスタイミングの検出精度や
干渉除去の精度等を非常に高めることができる。
【0068】なお、本例の干渉除去部では、過去に受信
した信号に基づいて検出したパスタイミングの情報をフ
ィードバックすることにより後に受信した信号の処理に
用いているが、一般に、各ユーザ信号の位置変動(すな
わち、例えば各ユーザ信号を通信する移動局の位置の変
動)はフィードバックに要する時間内ではほとんど発生
せず、すなわち、各ユーザ信号のパスタイミングはフィ
ードバックに要する程度の短時間ではほとんど変動する
ものではないため、フィードバックの効果を十分に得る
ことができる。
【0069】また、本例の各パス検出部D1〜Dnから
出力されるタイミング情報の伝送の仕方の具体例を示
す。本例では、各パス検出部D1〜Dnから出力される
各ユーザ信号のタイミング情報を時分割により共通のバ
スラインを介して各レプリカ生成手段P1〜Pn、Q1
〜Qn等へ配信することにより、タイミング情報を伝送
するためのバスラインを大幅に削減し、これにより、装
置の小型化やコストの削減を図る。
【0070】図3には、上記した共通のバスラインを伝
送するパスタイミング情報の一例を示してある。この例
では、説明の便宜上からユーザ信号の数が3であると
し、各ユーザ信号(ユーザ信号#1(U1)、ユーザ信
号#2(U2)、ユーザ信号#3(U3))には1シン
ボル時間幅に4つのパスの情報を伝送することが可能な
時間(4つのスロット)を割り当てている。同図の例で
は、図示のように、ユーザ信号#1については1シンボ
ル時間幅に3つのパス(“τ1”、“τ2”、“τ
3”)が検出され、ユーザ信号#2については4つのパ
ス(“α1”、“α2”、“α3”、“α4”)が検出
され、ユーザ信号#3については2つのパス(“β
1”、“β2”)が検出されている。なお、1シンボル
時間幅に検出したパスの数が4パス未満である場合に
は、同図に示したように、各ユーザ信号毎に準備された
4パス分のスロットの内の一部は空き(例えば情報無
し)となる。
【0071】本例では、上記のような共通のバスライン
を用いてパスタイミング情報を例えばシンボルレートで
伝送する構成とすることにより、例えば各ユーザ信号毎
に異なるバスラインを用いてタイミング情報をチップレ
ートで伝送する従来の場合と比べて、バスラインの数を
大幅に減少させることができる。具体例として、例えば
1シンボル(拡散符号)当たりのサンプル数が1024
点であってシンボルレートが64kHzである場合に
は、1つのパスのタイミング情報を伝送するのに1ユー
ザ信号当たり10ビット必要となるが、本例では、この
場合に、例えば10ビットのバスラインを用いて20.
48MHzの伝送を行うこととすれば、320パス分
(20.48MHz/64kHz=320)のタイミン
グ情報を共通のバスラインにより伝送することができ
る。
【0072】また、本例の2段目の各レプリカ生成手段
Q1〜Qnから各信号処理部S1〜Snに対して出力さ
れる逆拡散信号(各ユーザ信号)の伝送の仕方の具体例
を示す。本例では、2段目の各レプリカ生成手段Q1〜
Qnでは逆拡散により抽出した各ユーザ信号として例え
ばシンボルレートで生成される相関ピークの信号を出力
しており、当該シンボルレートの各ユーザ信号を時分割
により共通のバスラインを介して各信号処理部S1〜S
nへ配信する。
【0073】本例では、上記のような共通のバスライン
を用いて各ユーザ信号をシンボルレート(例えば64k
Hz)で伝送する構成とすることにより、例えば各ユー
ザ信号を拡散信号(拡散されている信号)としてサンプ
リングレート(例えば16MHz)で多数のバスライン
を用いて伝送する従来の場合と比べて、各ユーザ信号の
シンボル情報を伝送するためのバスラインの数を大幅に
減少させることができ、これにより、例えば後述するよ
うに干渉除去部と変復調部とが着脱自在に構成された場
合等においても、両者の接続のためのインタフェースを
簡易化することができる。
【0074】具体例として、例えば1シンボル(拡散符
号)当たりのビット数が10ビット(但し、例えば相関
演算により得られる複素信号ではI相とQ相とが存在す
るため計20ビット)であってシンボルレートが64k
Hzである場合には、本例では、例えば20ビットのバ
スラインを用いて20.48MHzの伝送を行うことと
すれば、320ユーザ信号分のタイミング情報(20.
48MHz/64kHz=320)を共通のバスライン
により伝送することができる。
【0075】なお、従来のように各ユーザ信号毎に異な
るバスラインを用いて各ユーザ信号を例えば16MHz
のサンプリングレートで伝送する場合には、相関演算前
の拡散信号を伝送することから各サンプリング点のデー
タが4ビットであるとすると、320のユーザ信号を伝
送するためには1280ビット分(320×4=128
0)ものバスラインが必要となってしまう。また、一般
に、40MHzを超える伝送(転送)は困難であるた
め、この従来例において時分割しようとしても、640
ビット分程度ものバスラインが必要となってしまう(す
なわち、16MHzの2倍程度の伝送速度しか実現する
ことができない)。また、光ファイバを用いれば高速伝
送も可能ではあるが、コストが非常に高くなってしまう
といった問題がある。
【0076】以上のように、本例では、前記干渉除去手
段(上記したように本例ではレプリカ生成手段Q1〜Q
n等)が受信信号から逆拡散により抽出した各ユーザ信
号を受信処理手段(上記したように本例では信号処理部
S1〜Sn等)へ出力し、当該受信処理手段が当該逆拡
散信号を受信処理する構成とすることにより、上記のよ
うに各ユーザ信号をシンボルレートで伝送することから
例えばバスラインを大幅に削減することが可能であり、
これにより、装置の小型化やコストの削減を図ることが
できる。
【0077】次に、上記図1に示した変復調部の構成の
仕方や当該変復調部により行われる処理について説明す
る。以下では、変復調部の構成の態様例を幾つか示しつ
つ、各態様例における処理動作等を説明する。上記図1
に示した本例のCDMA基地局では、干渉除去部と変復
調部とが接続された構成を示してあるが、例えば従来で
は干渉除去部を備えていない既存のCDMA基地局もあ
り、このようなCDMA基地局では既存の変復調部に本
発明に係る干渉除去部を追加的に接続することが可能な
構成とすることにより、ハードウエアの変更を少なく
し、コストの削減等を実現することができる。
【0078】なお、例えば上記図5に示したような従来
において提案されている干渉キャンセラ(干渉除去部)
の構成では、本例のように干渉除去部と変復調部とを着
脱自在な構成とすることまでは検討等されていなかっ
た。このため、従来において提案されている構成を既存
のCDMA基地局に適用する場合には、干渉キャンセラ
と変復調部とを一体として備えた新たな装置を準備して
既存の変復調部と交換しなければならず、既存の変復調
部が無駄になってしまうといった問題がある。本例で
は、干渉除去部を着脱自在な構成とすることも可能であ
るため、このような問題を解決することができる。
【0079】上記のような既存の変復調部では、CDM
A方式により受信した複数のユーザ信号(拡散信号)を
受信処理する構成であるため、例えば各信号処理部S1
〜Snには受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽
出する相関器の機能が備えられており、また、各判定部
I1〜Inには逆拡散により抽出された各ユーザ信号を
同期検波し、RAKE受信し、判定等する機能が備えら
れている。また、このような既存の変復調部では、例え
ば各ユーザ信号のパスタイミングを検出するパス検出手
段が備えられている。なお、上記図1では、説明の便宜
上から干渉除去部の各パス検出部D1〜Dnが変復調部
にも含まれているように示してあるが、必ずしも干渉除
去部と変復調部とで同一のパス検出部D1〜Dnを共用
しなければならないということではない。
【0080】一般に、CDMA基地局では、例えばW−
CDMA初期導入時等において通信対象とするユーザ信
号の数が少ない場合には必ずしも干渉除去部は必要では
なく、例えば既存の変復調部のみによっても受信信号を
正確に復調することが可能である。しかしながら、CD
MA基地局が通信対象とするユーザ信号の数が増加し
て、例えば当該CDMA基地局のキャパシティがほぼ満
杯状態に陥ってしまった場合等には、各ユーザ信号によ
る干渉のレベルが無視できないほどに大きくなるため、
干渉除去部を変復調部と共に設ける必要が生じる。
【0081】例えば、既存のCDMA基地局の変復調部
に干渉除去部を接続せずに単体で動作させる場合には、
変復調部に各ユーザ信号毎に備えられたパス検出部に受
信信号(チップレート或いはサンプリングレート)を入
力させるとともに、相関器の機能を有する各信号処理部
S1〜Snへ受信信号を入力させる。これにより、変復
調部では、受信信号から逆拡散により各ユーザ信号を抽
出して、RAKE受信処理や判定処理等を行う。
【0082】また、上記した変復調部に干渉除去部を接
続する場合には、例えば上記図1に示したように変復調
部と干渉除去部とを接続し、干渉除去部の各加算器M1
〜Mnから各信号処理部S1〜Snへ各ユーザ信号を拡
散信号として出力させる。これにより、変復調部では、
各信号処理部S1〜Snへ入力された拡散信号から逆拡
散により各ユーザ信号を抽出して、RAKE受信処理や
判定処理や誤り訂正処理等を行う。なお、この場合、概
念的には、上記図1に示した各スイッチSW1〜SWn
が上側に切替えられた状態となる。
【0083】また、この場合には、例えば干渉除去部の
各パス検出部D1〜Dnによりパス検出が行われるた
め、必ずしも変復調部に備えられたパス検出部を動作さ
せる必要はなく、干渉除去部の各パス検出部D1〜Dn
により検出された各ユーザ信号のパスタイミング情報を
各信号処理部S1〜Snの相関器中の拡散符号生成器へ
出力する構成とすることも可能である。また、例えば上
記図3に示したのと同様に、各パス検出部D1〜Dnと
各レプリカ生成手段P1〜Pn、Q1〜Qnと各信号処
理部S1〜Snとを共通のバスラインにより接続し、各
パス検出部D1〜Dnから各信号処理部S1〜Snへの
パスタイミング情報の伝送を時分割により共通のバスラ
インを介して行うこともできる。
【0084】以上のように、本例の干渉除去部の構成で
は、例えば既存のCDMA基地局の変復調部に干渉除去
部を追加的に接続することが可能であるため、既存の変
復調部を無駄にしてしまうといったことを防止すること
ができる。また、以上では、既存の変復調部を例として
干渉除去部との接続の仕方を示したが、既存のものでな
くとも、同様に例えば各信号処理部S1〜Snに相関器
の機能が備えられているような構成の変復調部について
も、上記と同様に本例の干渉除去部を接続することが可
能である。
【0085】また、変復調部の他の構成態様として、例
えば各信号処理部S1〜Snには逆拡散信号として入力
される各ユーザ信号を各判定部I1〜Inへそのまま出
力する機能が備えられるとともに、各判定部I1〜In
には当該各ユーザ信号のデータを判定等する機能が備え
られるといった態様で変復調部が構成されることも考え
られる。この構成態様は、例えば主として干渉除去部と
接続されて用いられることを考慮して採用されるもので
あり、変復調部には必ずしも相関処理や同期検波処理や
RAKE受信処理やパス検出処理を行う機能が備えられ
ていないこともある。
【0086】この構成態様では、例えば上記図1に示し
たように変復調部と干渉除去部とを接続し、干渉除去部
の2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnから各信号処
理部S1〜Snへ各ユーザ信号を逆拡散信号(例えば相
関ピークの信号)として出力させる。これにより、変復
調部では、各信号処理部S1〜Snへ入力された各ユー
ザ信号を各判定部I1〜Inへ伝送して各ユーザ信号の
データを判定し、誤り訂正処理等を行う。なお、この場
合、概念的には、上記図1に示した各スイッチSW1〜
SWnが下側に切替えられた状態となる。
【0087】以上のように、本例では、例えば前記干渉
除去手段(本例ではレプリカ生成手段Q1〜Qn等)及
びタイミング検出手段(本例ではパス検出部D1〜D
n)から成る干渉除去部を着脱自在な1つのユニットと
して構成し、前記干渉除去手段が接続される受信処理手
段(本例では信号処理部S1〜Sn等)により受信処理
可能な信号が逆拡散信号であるか拡散信号であるかに応
じて当該受信処理手段へ出力するユーザ信号をそれぞれ
の信号に切替える切替手段を備えた。
【0088】従って、本例では、例えばCDMA基地局
において種々な態様で構成される変復調部に対して干渉
除去部の汎用性をもたせることができ、これにより、干
渉除去部をCDMA基地局に追加装備する場合等におけ
るコストの大幅な削減を実現することができる。なお、
干渉除去部から出力するユーザ信号を拡散信号と逆拡散
信号とに切替える切替手段の構成の仕方としては、特に
限定はなく、例えば本例のように切替スイッチ等を用い
ることができる。
【0089】また、変復調部の他の構成態様として、本
例では、干渉除去部が接続(装着)された場合と干渉除
去部が接続されていない(離脱された)場合とで信号処
理の仕方を切替えることが可能な態様で変復調部を構成
する。なお、この構成態様の変復調部は、例えば干渉除
去部から各ユーザ信号を逆拡散信号として出力するが拡
散信号としては出力しない構成を用いる場合に特に有効
である。
【0090】具体的には、本構成態様の変復調部では、
例えば干渉除去部が離脱されている場合には、CDMA
方式により受信した複数のユーザ信号(受信信号)を各
信号処理部S1〜Snにより相関処理して各判定部I1
〜Inにより同期検波処理やRAKE受信処理や判定処
理や誤り訂正処理等を行う受信処理に切替える。なお、
この場合には、概念的には、上記図1に示した各スイッ
チSW1〜SWnには受信部1からの受信信号が入力さ
れて、当該受信信号が各信号処理部S1〜Snに入力さ
れる状態となる。また、この場合には、例えば変復調部
に備えられたパス検出部が各ユーザ信号のパスタイミン
グを検出して、当該パスタイミングの情報を各信号処理
部S1〜Snの相関器中の拡散符号生成器へ出力する。
【0091】また、本構成態様の変復調部では、例えば
干渉除去部が装着されている場合には、当該干渉除去部
の2段目の各レプリカ生成手段Q1〜Qnから逆拡散信
号として入力される各ユーザ信号を各信号処理部S1〜
Snにより各判定部I1〜Inへ伝送して各判定部I1
〜Inにより当該各ユーザ信号のデータ判定処理や誤り
訂正処理等を行う受信処理に切替える。なお、この場
合、概念的には、上記図1に示した各スイッチSW1〜
SWnが下側へ切替えられた状態となる。また、例えば
変復調部に備えられたパス検出部は動作しないように切
替えられる。
【0092】以上のように、本構成態様では、例えば前
記干渉除去手段(本例ではレプリカ生成手段Q1〜Qn
等)及びタイミング検出手段(本例ではパス検出部D1
〜Dn)から成る干渉除去部が着脱自在な1つのユニッ
トとして構成され、当該干渉除去手段が受信信号から逆
拡散により抽出した各ユーザ信号を受信処理手段(本例
では信号処理部S1〜Sn等)へ出力する構成が用いら
れる場合に、受信処理手段では干渉除去手段が装着され
ている場合には当該干渉除去手段から入力される逆拡散
信号の受信処理に切替える一方、干渉除去手段が離脱さ
れている場合にはCDMA方式により受信した複数のユ
ーザ信号の受信処理に切替える切替手段を備えた。
【0093】従って、例えばCDMA基地局において干
渉除去処理を行う場合と行わない場合とで変復調部の汎
用性をもたせることができ、これにより、干渉除去部を
CDMA基地局に追加装備する場合等におけるコストの
大幅な削減を実現することができる。なお、変復調部に
より受信処理する信号を切替える切替手段の構成の仕方
としては、特に限定はなく、例えばプログラムによる切
替の仕方やスイッチによる切替の仕方を用いることがで
きる。
【0094】具体的には、例えば、各信号処理部S1〜
Snでの相関処理のように拡散信号(受信信号)として
入力される各ユーザ信号を処理するための機能をプログ
ラマブルなデバイス(例えばFPGA:Field Programa
ble G ate Array)から構成するとともに、ブートプロ
グラムを2種類備えておき、変復調部を単体で用いる場
合には相関処理等を行うプログラムをロードしてプロセ
ッサに実行させる一方、変復調部と干渉除去部とを接続
して用いる場合には逆拡散信号として入力される各ユー
ザ信号を受信処理するプログラムをロード等する切替の
仕方を用いることができる。
【0095】また、他の態様として、例えば、各信号処
理部S1〜Snに相関処理を行う相関器の機能を備える
とともに入力信号をそのまま判定部I1〜Inへ伝送
(転送)するデータ転送機能を備えておき、干渉除去部
を離脱する場合と装着する場合とで、それぞれスイッチ
により相関器の機能とデータ転送機能とを切り替えると
いった切替の仕方を用いることもできる。
【0096】図4(a)には、本構成態様の変復調部か
ら干渉除去部を離脱した場合のCDMA基地局の状態例
を示す一方、図4(b)には、本構成態様の変復調部に
干渉除去部を装着した場合のCDMA基地局の状態例を
示してある。同図(a)に示されるように干渉除去部が
離脱された状態では、受信部(RX)11により信号を
受信して、変復調部13ではパス検出や相関処理等を行
う構成に切替える。なお、この状態では、干渉除去部を
装着する部分12は空き状態となる。一方、同図(b)
に示されるように干渉除去部14が接続された状態で
は、受信部(RX)11により信号を受信して、干渉除
去部14によりパス検出や相関処理等を行い、変復調部
15ではパス検出や相関処理等を行わずにデータの判定
処理等を行う構成に切替える。
【0097】ここで、以上では、好ましい態様として、
本発明に係る受信装置をCDMA基地局に適用した場合
の構成例を示したが、本発明に係る受信装置の構成とし
ては、必ずしも上記実施例で示したものに限られること
はなく、種々な構成が用いられてもよい。例えば通信対
象とするユーザ信号の数としては複数であれば特に限定
はなく、また、干渉除去手段やタイミング検出手段や受
信処理手段の構成としても種々なものが用いられてもよ
い。
【0098】具体的には、例えば干渉除去手段の構成と
して上記図5に示したような干渉除去処理を行う構成を
用いることもでき、要は、干渉除去処理が施された信号
に基づいてタイミング検出手段が各ユーザ信号のタイミ
ングを検出し、当該タイミングの情報を干渉除去手段へ
フィードバックするような構成であれば、種々な構成が
用いられてもよい。なお、上記実施例では干渉除去手段
の段数(ステージ数、すなわち上記実施例では各ユーザ
信号に対して備えられたレプリカ生成手段の段数)を2
としたが、この段数としては特に限定はなく、例えば段
数を多くするに従って干渉除去の精度を大きくする(す
なわち、干渉除去の誤差を小さくする)ことができる。
【0099】また、本発明に係る受信装置により行われ
る干渉除去処理やタイミング検出処理や各ユーザ信号の
受信処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備え
たハードウエア資源においてプロセッサが制御プログラ
ムを実行することにより当該処理を制御する構成とする
こともでき、また、例えば当該処理を実行するための各
機能手段を独立したハードウエア回路として構成するこ
ともできる。また、本発明に係る受信装置の適用分野と
しては特に限定はなく、例えば上記したCDMA基地局
ばかりでなく、CDMA方式を用いて移動通信を行う移
動局等といったものに本発明を適用することもできる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る受信
装置によると、CDMA方式により受信した複数のユー
ザ信号から各ユーザ信号を分離受信するに際して、干渉
除去手段が受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽
出するとともに抽出した各ユーザ信号を再び拡散し、再
拡散した他のユーザ信号を減算することにより前記受信
信号中の各ユーザ信号を検出することをタイミング情報
に基づいて行う場合に、このようにして検出した各ユー
ザ信号に基づいて当該信号のタイミングを検出するとと
もに当該タイミングの情報を干渉除去手段へフィードバ
ックするようにしたため、当該タイミング情報の検出精
度を向上させることができ、これにより、例えば干渉除
去手段から出力されて受信処理される各ユーザ信号の品
質を向上させることができる。
【0101】また、本発明に係る受信装置では、上記し
た干渉除去手段が受信信号から逆拡散により抽出した各
ユーザ信号を受信処理手段へ出力する構成としたため、
当該信号伝送をシンボルレートで行うことにより、例え
ば上記実施例で示したように信号伝送の効率化を図るこ
とができる。
【0102】また、本発明に係る受信装置では、例えば
当該受信装置をCDMA基地局として構成する場合に、
干渉除去手段等を着脱自在な構成とし、受信処理手段に
より受信処理可能な信号が逆拡散信号であるか拡散信号
であるかに応じて干渉除去手段から当該受信処理手段へ
出力するユーザ信号をそれぞれの信号に切替えることが
できるようにしたため、例えば既存のCDMA基地局の
受信処理部に干渉除去手段等を追加的に装着する場合等
における干渉除去手段等の汎用性を優れたものとするこ
とができる。
【0103】また、本発明に係る受信装置では、例えば
当該受信装置をCDMA基地局として構成し、干渉除去
手段等を着脱自在な構成とするとともに当該干渉除去手
段が受信信号から逆拡散により抽出した各ユーザ信号を
受信処理手段へ出力する構成とした場合に、受信処理手
段では干渉除去手段が装着されている場合には当該干渉
除去手段から入力される逆拡散信号の受信処理に切替え
る一方、干渉除去手段が離脱されている場合にはCDM
A方式により受信した複数のユーザ信号の受信処理に切
替えることができるようにしたため、例えばCDMA基
地局の受信処理部に干渉除去手段等を着脱する場合にお
ける干渉除去手段等の汎用性を優れたものとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信装置をCDMA基地局として
構成した場合の一構成例を示す図である。
【図2】パスタイミングの検出処理の一例を説明するた
めの図である。
【図3】パスタイミング情報の伝送の仕方の一例を説明
するための図である。
【図4】干渉除去部を装着した場合と離脱した場合とに
おけるCDMA基地局の状態例を示す図である。
【図5】従来例に係る干渉キャンセラの構成を示す図で
ある。
【図6】従来例に係るパスタイミング情報の伝送の仕方
を説明するための図である。
【符号の説明】
1、11・・受信部(RX)、 2、4・・遅延手段、
3、5・・減算器、P1〜Pn、Q1〜Qn・・レプ
リカ生成手段、 M1〜Mn・・加算器、D1〜Dn・
・パス検出部、 SW1〜SWn・・スイッチ、S1〜
Sn・・信号処理部、 I1〜In・・判定部、13、
15・・変復調部(MDE)、 14・・干渉除去部、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CDMA方式により受信した複数のユー
    ザ信号から各ユーザ信号を分離受信する受信装置におい
    て、 受信信号から各ユーザ信号を逆拡散により抽出するとと
    もに抽出した各ユーザ信号を再び拡散し、再拡散した他
    のユーザ信号を減算することにより前記受信信号中の各
    ユーザ信号を検出することをタイミング情報に基づいて
    行う干渉除去手段と、 干渉除去手段により検出した各ユーザ信号に基づいて当
    該信号のタイミングを検出するとともに当該タイミング
    の情報を干渉除去手段へフィードバックするタイミング
    検出手段と、 干渉除去手段から出力される各ユーザ信号を受信処理す
    る受信処理手段と、 を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受信装置において、 干渉除去手段は受信信号から逆拡散により抽出した各ユ
    ーザ信号を受信処理手段へ出力し、受信処理手段は当該
    逆拡散信号を受信処理することを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の受信装置において、 CDMA基地局であり、 干渉除去手段及びタイミング検出手段は着脱自在な構成
    であり、 干渉除去手段は受信処理手段により受信処理可能な信号
    が逆拡散信号であるか拡散信号であるかに応じて当該受
    信処理手段へ出力するユーザ信号をそれぞれの信号に切
    替える切替手段を有することを特徴とする受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の受信装置において、 CDMA基地局であり、 干渉除去手段及びタイミング検出手段は着脱自在な構成
    であり、 干渉除去手段は受信信号から逆拡散により抽出した各ユ
    ーザ信号を受信処理手段へ出力し、 受信処理手段は干渉除去手段が装着されている場合には
    当該干渉除去手段から入力される逆拡散信号の受信処理
    に切替える一方、干渉除去手段が離脱されている場合に
    はCDMA方式により受信した複数のユーザ信号の受信
    処理に切替える切替手段を有することを特徴とする受信
    装置。
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