JP3811893B2 - 干渉除去受信装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉除去受信装置に関する。移動通信システムとして、DS−CDMA(Direct Sequence Code division multiple access)技術を用いたディジタルセルラ無線通信システムのサービス拡大が進められている。CDMA方式は、符号によりチャネルを割り当てて同時に複数の通信を可能にする多元接続方式であるが、同時に通話を行っている他チャネルからの信号が干渉となり、同時通話可能なチャネル数(チャネル容量)が制限される。そのため、干渉抑圧技術の適用がチャネル容量増加(即ち、高い周波数利用効率)のために有効である。干渉除去を実現する技術として、干渉キャンセラ、アダプティブアレーアンテナ又はこれらを組み合わせた技術が適用される。
【0002】
干渉キャンセラは、無線通信環境により時々刻々と変化する干渉信号を、受信装置内において推定し、元の信号から差し引くことで干渉を除去する技術である。またアレーアンテナと組み合わせることにより、受信信号の到来方向を推定し、精度よく各アンテナの干渉信号を推定して干渉を除去することにより受信信号品質を改善し、所望受信品質を満たすチャネル数の増加を可能にする技術である。本発明は、干渉キャンセラ(アレーアンテナと組み合わせた構成を含む)技術を用いた干渉除去受信装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
一般的によく知られた干渉キャンセラの構成は、多元接続された全チャネル信号に対して多段(マルチステージ)にわたって干渉を推定し、干渉除去を行うマルチステージ型干渉キャンセラである。本出願人は、特開平11−251959「干渉キャンセラ装置及び無線通信装置」において、マルチレート伝送を行うDS−CDMA通信システムの干渉キャンセラ装置及び無線通信装置を提案した。
【0004】
上記の干渉キャンセラ装置は、アレーアンテナを用いた干渉キャンセラ装置において高い干渉除去効率を実現するために、大きな干渉源となる高速レート伝送を行うチャネルに着目し、伝送レートの高いチャネルのみの干渉信号を推定し、該干渉信号を除去することで、少ないハードウェア規模で大きな干渉抑圧効果が得られるものである。
【0005】
図11に従来の干渉除去受信装置の構成を示す。同図は2段のステージで干渉除去を行う装置の構成例を示し、各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット11−1は、干渉除去を行うチャネルの干渉レプリカ信号を生成するために、パスサーチを行ってマルチパスのタイミングを検出し、検出されたパス毎に逆拡散、遅延調整、アレーアンテナを用いる際にはビームフォーミング及びそのためのウェイト推定、チャネル推定及びその補償(同期検波)を行った後、パスを合成するいわゆるRAKE合成を行ってデータの判定を行う構成を備える。
【0006】
また、各干渉レプリカ生成ユニット11−1は、判定したデータを各パス毎に分離後、チャネル推定値の乗算、再ビームフォーミング、再拡散を行った後、合成、レプリカ信号の重み付け、帯域制限フィルタチャネルを通過させ、干渉チップレプリカ信号を生成する。各ステージでは、干渉除去を行うチャネルについて生成したチップレプリカ信号を、遅延素子11−2を介した元の信号から減算器11−3により差し引くことで干渉除去を行っている。
【0007】
更に、干渉除去チャネルについては、データ判定後のシンボル信号と各パスのチャネル推定値を乗算したシンボルレプリカ信号を、次ステージの干渉レプリカ生成ユニット又はRAKE受信機H1〜Hmに転送し、次ステージでは逆拡散後の主信号にシンボルレプリカ信号を加算することで、レプリカ生成又はデータ復調処理を行う。
【0008】
従来の干渉キャンセラ装置は、干渉除去を行うチャネルについて、そのチャネルに含まれる制御チャネルとデータチャネルの信号を共に使用して干渉レプリカを生成し、干渉除去を行っていた。また、干渉レプリカ生成ユニット11−1でパスサーチによるパスタイミングの推定、チャネル推定、アレーアンテナを用いる際にはビームフォーミングのための到来方向推定を行い、これらの推定値が必要な後段のステージには該推定値を転送する構成となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の干渉キャンセラ装置における干渉レプリカ生成ユニット11−1には、各種のパラメータの推定部を備える必要があり、最終段の受信データの復調処理を行うRAKE受信機L1〜Ln,H1〜Hmでは、干渉レプリカ生成ユニット11−1で推定されて転送されてくる各パラメータを用いて処理を行うため、干渉除去を行わない通常のチャネルのRAKE受信機L1〜Lnで元来必要であった機能が不要となったり、或いはうまく動作しなくなってしまう機能が発生するなどの問題があった。
【0010】
また、前述した従来の干渉キャンセラ装置では、大きな干渉抑圧効果を得るために、高速レート伝送を行うチャネルの干渉除去を行う。この干渉キャンセラ装置により効率的な干渉除去が可能となるが、装置の実現化に当ってはなお一層の回路規模の削減、トラフィック量に応じた効率的かつ柔軟な干渉除去機能の拡張が望まれている。
【0011】
本発明は、効率良く干渉除去を行うとともに、干渉除去受信装置内の既存の処理機能部を有効に活用して干渉除去を行い、無駄又は不要となる処理機能部を削減し、装置規模の縮小又は干渉除去可能なチャネル数の増大を図ることができる干渉除去受信装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、大きな干渉源となる高速レート伝送チャネルのトラフィック増加に応じて、随時、干渉除去が可能なチャネル数を増加させることができ、かつ、既存の干渉除去を行わないチャネルの受信データ復調部の処理機能を有効に活用することができる干渉除去受信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の干渉除去受信装置は、(1)直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、前記干渉除去部は、アンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0014】
また、(2)前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるチャネル推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0015】
また、(3)前記干渉除去部は、アレーアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該ウェイト推定部で検出したウェイト推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるウェイト推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0016】
また、(4)前記干渉除去部は、1又は複数のアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値若しくはウェイト推定部で検出したウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報、チャネル推定値若しくはウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0017】
また、(5)1又は複数のアンテナからの受信信号に対して増幅、周波数変換、ダイナミックレンジ調整及びA/D変換を行うフロントエンド部と、該A/D変換されたディジタル信号を、前記干渉除去部を介して又は直接前記受信データ復調部のベースバンド信号処理部に配信する信号配信部とを備え、該信号配信部は、干渉除去が必要なチャネル数の増加に応じて追加される前記干渉除去部を収容し、かつ、該信号配信部に収容される干渉除去部と前記受信データ復調部との間に、干渉除去用信号を双方向に送受するための信号線を予め配備したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の原理説明のための全体のブロック図を示す。一般に、高速レート伝送になるに従い、制御チャネルの信号電力はほぼ一定であるが、データチャネルの信号電力は伝送レートに比例して増加するため、全干渉信号に占めるデータチャネルの干渉が支配的になる。従って、高速レート伝送チャネルの干渉除去を行う際に、干渉除去を行うチャネルに含まれる制御チャネルとデータチャネルのうち、データチャネルのみの干渉除去を行っても劣化の少ない干渉除去効果を得ることができる。
【0019】
そこで本発明は、各干渉除去ステージの各干渉レプリカ生成ユニット1−1において、干渉除去を行うチャネルに含まれるデータチャネルのみの干渉チップレプリカを生成し、該干渉チップレプリカを、遅延素子1−2を介した元の信号から減算器1−3で差し引くことで干渉除去を行うようにしたもので、データチャネルのみの干渉除去を行う。
【0020】
更に、本発明では、干渉除去を行わない通常のチャネルのRAKE受信機L1〜Lnと、干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機H1〜Hmとに、同様に、受信チャネルのパスサーチ(パスタイミング推定)、チャネル推定、及びアレーアンテナを用いる際には到来方向ビームフォーミングのウェイト推定の処理機能部を備え、干渉除去チャネルのRAKE受信機H1〜Hmで得られるパスタイミング情報、チャネル推定値又はウェイト推定値を、各干渉レプリカ生成ユニット1−1に通知するように構成する。
【0021】
そして、各干渉レプリカ生成ユニット1−1には、受信チャネルのパスサーチ部、チャネル推定部、及びアレーアンテナを用いる際のビームフォーミングのウェイト推定部を設けることなく、RAKE受信機H1〜Hmから通知される推定値を用いて干渉チップレプリカを生成するように構成する。こうすることにより、RAKE受信機H1〜Hmに元来備えていた既存の処理機能部を有効に無駄なく活用することができる。
【0022】
図2は従来例と本発明の受信装置について各ブロックの処理機能及びブロック間の転送情報を表にして示している。既存の干渉除去を行わない受信装置と、従来の干渉除去を行う受信装置と、本発明の干渉除去を行う受信装置とについて、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)とRAKE受信機(Rec.)の各ブロックで具備する又は不要となる処理機能、及びブロック間で具備する又は不要となる情報信号線を、「○」、「×」で示している。なお、「−」は最初から存在しないことを示している。
【0023】
今、既存の干渉除去を行わない受信装置から干渉除去を行う受信装置に機能を変更する場合に、追加が必要となる処理機能及びブロック間の情報信号線について考察する。干渉除去を行わない受信装置、及び干渉除去を行う受信装置の何れの場合でも、RAKE受信機(Rec.)は必要である。
【0024】
干渉除去を行わない受信装置では、パスサーチ、逆拡散、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]、チャネル推定、チャネル推定値乗算(同期検波)、RAKE合成、データ判定、データ復号の処理機能が必要となる。なお、図中及び以下の本文において[]で囲んだ処理機能は、アレーアンテナを用いた場合に必要となる処理機能である。
【0025】
この既存の干渉除去を行わない受信装置から、従来の干渉除去行う受信装置を実現しようとする場合、該受信装置に干渉レプリカ生成ユニット(ICU)を追加し、該干渉レプリカ生成ユニット(ICU)からRAKE受信機(Rec.)へ情報転送を行うICU→Rec.信号線が必要となる。
【0026】
従来の干渉除去受信装置では、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)でパスサーチやアレーウェイト等を推定するための処理機能の追加が必要であり、制御チャネル信号も干渉として除去していたため、RAKE受信機(REc.)に元々備えられていたこれらのパラメータ推定機能は、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)の追加によって適正に動作しなくなり、結果として不要な処理機能となってしまう。
【0027】
従って、従来の干渉除去受信装置で追加した干渉レプリカ生成ユニット(ICU)には、パスサーチ、逆拡散、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]、チャネル推定、チャネル推定値乗算(同期検波)、RAKE合成、データ判定、パス分離、チャネル推定値乗算、[再ビームフォーミング]、再拡散の処理機能を具備し、ICU→Rec.信号線として、シンボルレプリカ、パスタイミング、[アレーウェイト]の各信号を伝送する情報信号線を必要とする。また、干渉除去のためにRAKE受信機(Rec.)にシンボルレプリカ加算の処理機能を追加する。
【0028】
既存の干渉除去を行わない受信装置から、従来の干渉除去受信装置を実現した場合、既存の干渉除去を行わない受信装置に既に具備されていたパスサーチ、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]の処理機能が不要な処理機能となり、従来の干渉除去を行う受信装置のRAKE受信機(Rec.)には無駄な処理機能を具備したままとなってしまう。
【0029】
これに対して、本発明の干渉除去受信装置では、各干渉レプリカ生成ユニット(ICU)において、干渉除去を行うチャネルに含まれるデータチャネルのみの干渉チップレプリカを生成して干渉除去を行うため、制御チャネルの信号は除去されることなくRAKE受信機(Rec.)で受信されるので、RAKE受信機(Rec.)ではこの制御チャネル信号から、元々備えていた処理機能をそのまま用いてパスサーチ、[アレーウェイト推定]、チャネル推定の処理を行うことがができる。
【0030】
そこで、従来の干渉除去受信装置では干渉レプリカ生成ユニット(ICU)で行っていたパラメータの推定を、本発明の干渉レプリカ生成ユニットでは行うことなく、RAKE受信機(Rec.)から転送されるパラメータの推定値を用いる。こうすることにより、干渉レプリカ生成ユニットでのパラメータの推定の処理機能を削減することができ、その分、1つの干渉レプリカ生成ユニットで処理し得る干渉除去チャネル数を増加させることが可能となる。
【0031】
本発明の干渉除去受信装置では、従来の干渉除去受信装置で必要であった、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)からRAKE受信機(Rec.)への情報転送信号線のうち、パスタイミング及び[アレーウェイト]の情報転送信号線が不要となり、RAKE受信機(Rec.)から干渉レプリカ生成ユニット(ICU)へ、パスサーチ、[アレーウェイト推定]及びチャネル推定値を転送する情報転送信号線が必要となる。
【0032】
図2の表に示す処理機能に関して更に説明すると、既存の干渉除去を行わない受信装置に干渉除去機能を追加しようとする場合に、新たに追加する処理機能はできるだけ少ないほうが望ましく、常に必要なRAKE受信機(Rec.)の既存機能は可能な限り活用することが望ましい。
【0033】
従来の干渉除去受信装置では、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)に追加する処理機能及びRAKE受信機(Rec.)で不要となる処理機能が共に多かったが、本発明の干渉除去受信装置は、RAKE受信機(Rec.)の機能を有効に活用し、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)に追加する処理機能を減少させることができる。
【0034】
次に図3〜図5に本発明の第1の実施例として、単一アンテナ受信、2ステージの干渉除去受信装置の構成を示す。この実施例の各干渉レプリカ生成ユニット3−1では、逆拡散及び再拡散のためのパスタイミング情報をRAKE受信機3−4から得て、全ての受信チャネルに対して干渉除去を行う構成例を示している。
【0035】
図3は2ステージで干渉除去を行うパラレル干渉除去受信装置の全体の構成例を示し、各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット3−1ではデータチャネルのチップレプリカを生成し、データチャネルのみの干渉除去を行う。同図には干渉除去効果を向上させるために用いる干渉除去係数乗算器3−2、チップレプリカ信号の帯域制限を行うナイキストフィルタ3−3も示している。遅延素子1−2、減算器1−3は図1のものと同様である。
【0036】
第1ステージから第2ステージへ、第2ステージから最終ステージのRAKE受信機H1〜Mmへは、データチャネルのシンボルレプリカ信号を転送する。更に、RAKE受信機H1〜Mmで得られたパスタイミング情報を各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット3−1に転送し、各干渉レプリカ生成ユニット3−1ではこのパスタイミング情報を用いて干渉レプリカ信号を生成する。
【0037】
図4に第1の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す。各ステージの干渉レプリカ生成ユニットは、RAKE受信機H1〜Mmからのパスタイミング情報を元に、パス毎に逆拡散部4−1,4−2でデータチャネルと制御チャネルの拡散符号を用いて逆拡散を行った後、加算器4−3で前ステージからのシンボルレプリカ(第1ステージではゼロ)をデータチャネルの信号に加算し、チャネル推定部4−4で制御チャネルに含まれるパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、逆拡散後のデータチャネルの信号にチャネル推定値の複素共役値を乗算器4−5により乗じて同期検波し、RAKE合成部4−6により各パスの信号を最大比合成を行ってRAKE受信を行う。
【0038】
本発明ではデータチャネルのみの干渉レプリカ信号を生成して干渉除去するため、データチャネルについてのみ合成すればよい。RAKE合成後のデータチャネルの信号は、データ判定部4−7によりレプリカ信号生成のためのデータ判定即ち信号点への再マッピングを行う。
【0039】
マッピングされたデータは各パスに分配され、各パス毎に先に推定した各パスのチャネル推定値を乗算器4−8で乗じることでシンボルレプリカ信号を生成し、次ステージに送る。第1ステージでは前段から送られてくるシンボルレプリカが無いため、生成したシンボルレプリカから元のシンボルレプリカを差引く必要はないが、第2ステージでは生成したシンボルレプリカから元のシンボルレプリカを減算器4−9により差引く。これは、第1ステージで除去する信号が受信信号に含まれる全干渉信号であるのに対し、第2ステージで除去する信号は第1ステージで完全に除去しきれなかった残差信号に含まれる干渉信号成分を除去するためである。更に再拡散部4−10で逆拡散に用いたのと同一タイミングで各パスを再拡散し、合成部4−11で全てのパスを合成することでチップレプリカ信号を得る。
【0040】
図5に本発明による第1の実施例のRAKE受信機を示す。第1の実施例のRAKE受信機は、データチャネルの逆拡散部5−1と制御チャネルの逆拡散部5−2と、干渉レプリカ生成ユニットから出力されるシンボルレプリカをデータチャネルの信号に加算する加算器5−3と、制御チャネスの信号からチャネルを推定するチャネル推定部5−4と、逆拡散後のデータチャネルの信号に同期検波を行うためにチャネル推定値の複素共役値を乗じる乗算器5−5と、各パスの信号を最大比合成を行うRAKE合成部5−6と、データ判定即ち信号点への再マッピングを行う判定部5−7とを備える。
【0041】
更に、第1の実施例のRAKE受信機は、干渉レプリカ生成ユニットから出力されるチップレプリカをサーチャ5−8に入力し、サーチャ5−8は、整合フィルタ5−81、平均化部5−82、遅延プロファイル生成部5−83、パスサーチ部5−84により、受信チャネルのパスタイミングを推定し、該パスタイミング情報を、逆拡散部5−1,5−2へ出力するとともに、干渉レプリカ生成ユニットへ出力する。
【0042】
第1の実施例のRAKE受信機は、干渉除去を行わない既存のRAKE受信機に、シンボルレプリカの入力部及び該シンボルレプリカのデータチャネルへの加算部5−3と、サーチャ5−8で得られたパスタイミング情報を各ステージの干渉レプリカ生成ユニットに通知するためのインターフェース部とを追加することにより実現される。
【0043】
この第1の実施例のRAKE受信機を、干渉除去を行わないRAKE受信機として使用する場合には、第1ステージの干渉レプリカ生成ユニットと同様に、シンボルレプリカの入力をゼロとすることにより、干渉除去を行わない通常のRAKE受信機として動作させることができる。
【0044】
図6〜図9に本発明の第2の実施例として、干渉除去に必要な全てのパラメータ推定を最終段のRAKE受信機で行う構成例を示す。この構成例は、アレーアンテナを用い、一部の受信チャネル(高速レート伝送チャネル)について干渉除去を行う1ステージ構成の干渉除去受信装置の構成例を示している。
【0045】
図6は第2の実施例の全体構成例を示す。前述の第1の実施例ではRAKE受信機から各ステージの干渉除去ユニットへパスタイミング情報のみを通知したのに対し、この第2の実施例は、パスタイミング情報に加えてチャネル推定値、ビームフォーミングのためのアレーウェイト等の全てのパラメータ推定を通知する構成例である。
【0046】
第2の実施例ではアレーアンテナを用いるため、各干渉レプリカ生成ユニット6−1では、各アンテナ毎のチップレプリカを生成して干渉除去を行う。なお、図6において、図3の第1の実施例で示した干渉除去に当っての干渉除去係数乗算、フィルタによる帯域制限処理は、図を簡明にするために省略している。
【0047】
更に図6に示す構成例において、RAKE受信機L1〜Lnは、干渉が少ない通常のチャネルを受信する受信機で、干渉除去を行わずにデータを受信し、RAKE受信機H1〜Hmは、干渉の多いチャネルを受信する受信機で、干渉レプリカ生成ユニット6−1からのシンボルレプリカを入力して干渉除去を行ってデータを受信する受信機であり、干渉除去を行わないRAKE受信機L1〜Lnと干渉除去を行うRAKE受信機H1〜Hmとを混在させた構成例を示している。
【0048】
図7に第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す。第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットは、RAKE受信機から通知されるパスタイミング、アレーウェイト、チャネル推定値のパラメータ情報を入力し、該パラメータ情報を用いてレプリカ生成処理を行う。そのため、各干渉レプリカ生成ユニットには、パスサーチ、アレーウェイト推定、チャネル推定の処理機能部を備えることなく構成される。
【0049】
図7〜図9において、白抜きの太矢印の記号は、アレーアンテナを構成する複数のアンテナからの主信号を表し、該アレーアンテナからの主信号は、逆拡散部7−1において、RAKE受信機から通知されるパスタイミングを用い、データチャネルの拡散符号で逆拡散され、ビームフォーミング部7−2においてRAKE受信機から通知されるアレーウェイト情報を用いてビームフォーミングを行い、該ビームフォーミング後の信号に、RAKE受信機から通知されるチャネル推定値を用いてチャネル推定値の乗算を行う。RAKE合成部7−3、データ判定部7−4は前述のものと同様である。
【0050】
データ判定部7−4による判定データを、シンボルレプリカとして後段のRAKE受信機に転送するとともに各パスに分配し、RAKE受信機から通知されるチャネル推定値を乗算し、ビームフォーミングされた信号を各アンテナ毎の受信信号に戻すために、再ビームフォーミング部7−5において、RAKE受信機から通知されるアレーウェイト情報を用いて再ビームフォーミングを行い、更に、各アンテナ毎に再拡散部7−6において、RAKE受信機から通知されるパスタイミング情報を基に再拡散を行い、合成部7−7においてアンテナ毎に各パスの信号を合成することで、アレーアンテナのチップレプリカ信号を得る。
【0051】
図8に干渉除去を行うチャネル(高速レート伝送チャネル)のRAKE受信機の構成例を、図9に干渉除去を行わないチャネル(低速レート伝送チャネル)のRAKE受信機の構成例を示す。図8及び図9に示すRAKE受信機において、逆拡散部8−1,8−2は、アレーアンテナの各アンテナからの受信信号毎に、データチャネル、制御チャネルの拡散符号によりそれぞれ逆拡散する。
【0052】
アレーウェイト推定部8−3は、制御チャネルの逆拡散後の信号から受信信号の到来方向のビームを形成するアレーウェイト推定値を算定し、該アレーウェイト推定値をビームフォーミング部8−4に出力し、ビームフォーミング部8−4は該アレーウェイト推定値を基に、データチャネルの逆拡散後の信号に対してビームフォーミングを行う。
【0053】
また、チャネル推定部8−5は制御チャネルの逆拡散後の信号からチャネル推定値を算定し、該チャネル推定値の複素共役を、ビームフォーミング後のデータチャネルの信号に乗算器8−6により乗算する。そして各パスの信号をRAKE合成部8−7により最大比合成し、データ判定部8−9によりデータ判定即ち信号点への再マッピングを行う。また、アレーアンテナ主信号をサーチャ8−10に入力し、サーチャ8−10は、図5に示したサーチャ5−8と同様に受信チャネルのパスタイミングを推定し、該パスタイミング情報を逆拡散部8−1,8−2へ出力する。
【0054】
図8と図9とに示すRAKE受信機の構成例を比較すると分かるように、図8に示す干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機は、干渉レプリカ生成ユニットからシンボルレプリカを受けて主信号に加えるための加算器8−8と、パスタイミング、アレーウェイト、チャネル推定値の各パラメータ情報を干渉レプリカ生成ユニットに送出するインタフェース部が追加される。
【0055】
また、図8に示す干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機を用い、干渉除去を行わない通常のアレーアンテナRAKE受信機として動作させるには、シンボルレプリカをゼロとし、シンボルレプリカの加算が主信号に影響しないようにすることで、干渉除去を行わないアレーアンテナRAKE受信機として動作させることができる。
【0056】
図10に干渉除去チャネルの増加に対応する干渉除去受信装置の構成例を示す。同図に示す構成例は、複数のアンテナを備え、各アンテナの信号を増幅、周波数変換、帯域制限、レベル調整、AD変換等を行うフロントエンド部10−1と、AD変換後のディジタル信号を、各RAKE受信機L1〜Ln,H1〜Hm,M1〜Mkに配信するための信号配信部10−2と、干渉除去非対応のRAKE受信機L1〜Ln、干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hm,M1〜Mkから構成される。
【0057】
この干渉除去受信装置で干渉除去を行わなずに動作させるときには、信号配信部10−2において、フロントエンド部からのベースバンドディジタル信号を、干渉レプリカ生成ユニットを介することなくRAKE受信機への受信信号線10−4へ送出し、干渉除去非対応のRAKE受信機L1〜Lnにおいて、受信信号の復調処理を行う。
【0058】
そして、干渉除去が必要となるチャネルの受信に対応するため、干渉除去対応の受信機H1〜Hm,M1〜Mkを予め設置し、該干渉除去対の応受信機H1〜Hm,M1〜Mkには、干渉レプリカ生成ユニットとの干渉除去用信号を双方向に送受するための干渉除去用信号線10−3を予め接続しておく。
【0059】
この干渉除去受信装置で干渉除去を行う際には、干渉除去を行うチャネルを干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmに切り換え、干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mを信号配信部1−2に追加実装し、該追加実装した干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mと干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmとを、干渉除去用信号線10−3を介して接続し、干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mと干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmとを使用して、干渉除去を行うデータ受信が可能となる。
【0060】
なお、干渉除去が必要なチャネルの増大に備えて設けた干渉除去対応のRAKE受信機M1〜Mkには、干渉レプリカ生成ユニットを接続せず、干渉除去機能無しのRAKE受信機として使用し、干渉除去が必要なチャネル数が増えた場合に、干渉レプリカ生成ユニットの追加のみで干渉除去受信に対応することが可能となる。
【0061】
しかも、本発明による干渉除去ユニット(干渉レプリカ生成ユニット)には、パスサーチによるパスタイミングの推定、アレーアンテナを用いた際のウェイト推定、チャネル推定等の処理機能部を備えることなく、RAKE受信機に元から備えられた処理機能部を用いて推定される推定結果を用いて干渉レプリカを生成するため、干渉除去ユニットの1チャネル当たりの回路規模を縮小することができ、干渉除去ユニット追加に際して、追加用の干渉除去ユニットが搭載される干渉除去カード(基盤)1枚当りの干渉除去チャネル数を増加することができる。その結果、多数のチャネルの干渉除去に対応することが可能となる。
【0062】
以上、第1の実施例として単一アンテナで2ステージの干渉除去受信装置において、パスタイミング情報を最終段のRAKE受信機から得る構成例を説明し、また、第2の実施例としてアレーアンテナを用いて一部の受信チャネル(高速レート伝送チャネル)のみの干渉除去を行う1ステージの干渉除去受信装置において、パスタイミング、アレーウェイト及びチャネル推定値を干渉レプリカ生成のための推定値としてRAKE受信機から得る構成例を説明した。
【0063】
その他の実施例として、データチャネルのみの干渉を除去し、RAKE受信機では制御チャネルを用いた各種パラメータの推定を行い、干渉レプリカ生成ユニットでは、RAKE受信機からの推定値の一部又は全てを用い、一部のパラメータについては干渉レプリカ生成ユニット内で推定する変形例が実現可能である。特に、時間変動に敏感なチャネル推定値については、干渉レプリカ生成ユニット内の処理機能部で推定する構成とすることにより、推定遅延を少なくし、精度のよい干渉除去が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、干渉除去を行うチャネルには制御チャネルとデータチャネルとが含まれるが、本発明では、高速レート伝送を行うチャネルの干渉として支配的なデータチャネルの干渉除去を行うことにより、干渉除去能力を大きく損なうことなく効率のよい干渉除去を行うことができるばかりでなく、後段に設けられた受信機の機能を有効に活用することができ、既存の受信機からの変更も少なく、干渉除去チャネル対応の干渉除去ユニットの回路規模を削減することができる。
【0065】
また、干渉除去が不要なチャネルの受信機及び干渉除去を要するチャネルの受信機を備え、大きな干渉となる高速レート伝送チャネルのトラフィック増加に対応して随時干渉除去ユニットを追加実装して、干渉除去を行う受信器を増加させる構成によって、トラフィック量に応じて柔軟な干渉除去受信に対応することができ、また、追加する干渉除去ユニットの回路規模の削減により、複数の干渉除去ユニットから成る干渉除去カード(基盤)1枚当りの干渉除去チャネル数を増加することができ、また、干渉除去行わない既存の受信機の機能をそのまま有効に活用して、干渉除去を行う受信器に変更することが可能となる。
【0066】
以上のことは、マルチレート伝送を行うDS−CDMA移動通信システムの基地局装置において、トラフィック量に応じて柔軟に対応し、また既存装置の処理機能を有効に利用して効率的に装置を構成することを可能にする。従って、大きな干渉となる高速レート伝送チャネルからの干渉によりシステム容量が大きく制限されるDS−CDMAシステムを、より柔軟かつ効率的に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明のための干渉除去受信装置全体のブロック図である。
【図2】従来例と本発明の各ブロックに必要な処理機能及びブロック間の転送情報を示す表である。
【図3】本発明の第1の実施例の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す図である。
【図5】本発明による第1の実施例のRAKE受信機を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の干渉除去を行うRAKE受信機を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例の干渉除去を行わないRAKE受信機を示す図である。
【図10】干渉除去チャネルの増加に対応する本発明の干渉除去受信装置を示す図である。
【図11】従来の干渉除去受信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1−1 干渉レプリカ生成ユニット
1−2 遅延素子
1−3 減算器
L1〜Ln 通常のチャネルのRAKE受信機
H1〜Hm 干渉除去チャネルのRAKE受信機
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉除去受信装置に関する。移動通信システムとして、DS−CDMA(Direct Sequence Code division multiple access)技術を用いたディジタルセルラ無線通信システムのサービス拡大が進められている。CDMA方式は、符号によりチャネルを割り当てて同時に複数の通信を可能にする多元接続方式であるが、同時に通話を行っている他チャネルからの信号が干渉となり、同時通話可能なチャネル数(チャネル容量)が制限される。そのため、干渉抑圧技術の適用がチャネル容量増加(即ち、高い周波数利用効率)のために有効である。干渉除去を実現する技術として、干渉キャンセラ、アダプティブアレーアンテナ又はこれらを組み合わせた技術が適用される。
【0002】
干渉キャンセラは、無線通信環境により時々刻々と変化する干渉信号を、受信装置内において推定し、元の信号から差し引くことで干渉を除去する技術である。またアレーアンテナと組み合わせることにより、受信信号の到来方向を推定し、精度よく各アンテナの干渉信号を推定して干渉を除去することにより受信信号品質を改善し、所望受信品質を満たすチャネル数の増加を可能にする技術である。本発明は、干渉キャンセラ(アレーアンテナと組み合わせた構成を含む)技術を用いた干渉除去受信装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
一般的によく知られた干渉キャンセラの構成は、多元接続された全チャネル信号に対して多段(マルチステージ)にわたって干渉を推定し、干渉除去を行うマルチステージ型干渉キャンセラである。本出願人は、特開平11−251959「干渉キャンセラ装置及び無線通信装置」において、マルチレート伝送を行うDS−CDMA通信システムの干渉キャンセラ装置及び無線通信装置を提案した。
【0004】
上記の干渉キャンセラ装置は、アレーアンテナを用いた干渉キャンセラ装置において高い干渉除去効率を実現するために、大きな干渉源となる高速レート伝送を行うチャネルに着目し、伝送レートの高いチャネルのみの干渉信号を推定し、該干渉信号を除去することで、少ないハードウェア規模で大きな干渉抑圧効果が得られるものである。
【0005】
図11に従来の干渉除去受信装置の構成を示す。同図は2段のステージで干渉除去を行う装置の構成例を示し、各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット11−1は、干渉除去を行うチャネルの干渉レプリカ信号を生成するために、パスサーチを行ってマルチパスのタイミングを検出し、検出されたパス毎に逆拡散、遅延調整、アレーアンテナを用いる際にはビームフォーミング及びそのためのウェイト推定、チャネル推定及びその補償(同期検波)を行った後、パスを合成するいわゆるRAKE合成を行ってデータの判定を行う構成を備える。
【0006】
また、各干渉レプリカ生成ユニット11−1は、判定したデータを各パス毎に分離後、チャネル推定値の乗算、再ビームフォーミング、再拡散を行った後、合成、レプリカ信号の重み付け、帯域制限フィルタチャネルを通過させ、干渉チップレプリカ信号を生成する。各ステージでは、干渉除去を行うチャネルについて生成したチップレプリカ信号を、遅延素子11−2を介した元の信号から減算器11−3により差し引くことで干渉除去を行っている。
【0007】
更に、干渉除去チャネルについては、データ判定後のシンボル信号と各パスのチャネル推定値を乗算したシンボルレプリカ信号を、次ステージの干渉レプリカ生成ユニット又はRAKE受信機H1〜Hmに転送し、次ステージでは逆拡散後の主信号にシンボルレプリカ信号を加算することで、レプリカ生成又はデータ復調処理を行う。
【0008】
従来の干渉キャンセラ装置は、干渉除去を行うチャネルについて、そのチャネルに含まれる制御チャネルとデータチャネルの信号を共に使用して干渉レプリカを生成し、干渉除去を行っていた。また、干渉レプリカ生成ユニット11−1でパスサーチによるパスタイミングの推定、チャネル推定、アレーアンテナを用いる際にはビームフォーミングのための到来方向推定を行い、これらの推定値が必要な後段のステージには該推定値を転送する構成となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の干渉キャンセラ装置における干渉レプリカ生成ユニット11−1には、各種のパラメータの推定部を備える必要があり、最終段の受信データの復調処理を行うRAKE受信機L1〜Ln,H1〜Hmでは、干渉レプリカ生成ユニット11−1で推定されて転送されてくる各パラメータを用いて処理を行うため、干渉除去を行わない通常のチャネルのRAKE受信機L1〜Lnで元来必要であった機能が不要となったり、或いはうまく動作しなくなってしまう機能が発生するなどの問題があった。
【0010】
また、前述した従来の干渉キャンセラ装置では、大きな干渉抑圧効果を得るために、高速レート伝送を行うチャネルの干渉除去を行う。この干渉キャンセラ装置により効率的な干渉除去が可能となるが、装置の実現化に当ってはなお一層の回路規模の削減、トラフィック量に応じた効率的かつ柔軟な干渉除去機能の拡張が望まれている。
【0011】
本発明は、効率良く干渉除去を行うとともに、干渉除去受信装置内の既存の処理機能部を有効に活用して干渉除去を行い、無駄又は不要となる処理機能部を削減し、装置規模の縮小又は干渉除去可能なチャネル数の増大を図ることができる干渉除去受信装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、大きな干渉源となる高速レート伝送チャネルのトラフィック増加に応じて、随時、干渉除去が可能なチャネル数を増加させることができ、かつ、既存の干渉除去を行わないチャネルの受信データ復調部の処理機能を有効に活用することができる干渉除去受信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の干渉除去受信装置は、(1)直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、前記干渉除去部は、アンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0014】
また、(2)前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるチャネル推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0015】
また、(3)前記干渉除去部は、アレーアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該ウェイト推定部で検出したウェイト推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるウェイト推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0016】
また、(4)前記干渉除去部は、1又は複数のアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値若しくはウェイト推定部で検出したウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを前記干渉除去部へ送出する手段を備え、前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報、チャネル推定値若しくはウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有するものである。
【0017】
また、(5)1又は複数のアンテナからの受信信号に対して増幅、周波数変換、ダイナミックレンジ調整及びA/D変換を行うフロントエンド部と、該A/D変換されたディジタル信号を、前記干渉除去部を介して又は直接前記受信データ復調部のベースバンド信号処理部に配信する信号配信部とを備え、該信号配信部は、干渉除去が必要なチャネル数の増加に応じて追加される前記干渉除去部を収容し、かつ、該信号配信部に収容される干渉除去部と前記受信データ復調部との間に、干渉除去用信号を双方向に送受するための信号線を予め配備したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の原理説明のための全体のブロック図を示す。一般に、高速レート伝送になるに従い、制御チャネルの信号電力はほぼ一定であるが、データチャネルの信号電力は伝送レートに比例して増加するため、全干渉信号に占めるデータチャネルの干渉が支配的になる。従って、高速レート伝送チャネルの干渉除去を行う際に、干渉除去を行うチャネルに含まれる制御チャネルとデータチャネルのうち、データチャネルのみの干渉除去を行っても劣化の少ない干渉除去効果を得ることができる。
【0019】
そこで本発明は、各干渉除去ステージの各干渉レプリカ生成ユニット1−1において、干渉除去を行うチャネルに含まれるデータチャネルのみの干渉チップレプリカを生成し、該干渉チップレプリカを、遅延素子1−2を介した元の信号から減算器1−3で差し引くことで干渉除去を行うようにしたもので、データチャネルのみの干渉除去を行う。
【0020】
更に、本発明では、干渉除去を行わない通常のチャネルのRAKE受信機L1〜Lnと、干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機H1〜Hmとに、同様に、受信チャネルのパスサーチ(パスタイミング推定)、チャネル推定、及びアレーアンテナを用いる際には到来方向ビームフォーミングのウェイト推定の処理機能部を備え、干渉除去チャネルのRAKE受信機H1〜Hmで得られるパスタイミング情報、チャネル推定値又はウェイト推定値を、各干渉レプリカ生成ユニット1−1に通知するように構成する。
【0021】
そして、各干渉レプリカ生成ユニット1−1には、受信チャネルのパスサーチ部、チャネル推定部、及びアレーアンテナを用いる際のビームフォーミングのウェイト推定部を設けることなく、RAKE受信機H1〜Hmから通知される推定値を用いて干渉チップレプリカを生成するように構成する。こうすることにより、RAKE受信機H1〜Hmに元来備えていた既存の処理機能部を有効に無駄なく活用することができる。
【0022】
図2は従来例と本発明の受信装置について各ブロックの処理機能及びブロック間の転送情報を表にして示している。既存の干渉除去を行わない受信装置と、従来の干渉除去を行う受信装置と、本発明の干渉除去を行う受信装置とについて、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)とRAKE受信機(Rec.)の各ブロックで具備する又は不要となる処理機能、及びブロック間で具備する又は不要となる情報信号線を、「○」、「×」で示している。なお、「−」は最初から存在しないことを示している。
【0023】
今、既存の干渉除去を行わない受信装置から干渉除去を行う受信装置に機能を変更する場合に、追加が必要となる処理機能及びブロック間の情報信号線について考察する。干渉除去を行わない受信装置、及び干渉除去を行う受信装置の何れの場合でも、RAKE受信機(Rec.)は必要である。
【0024】
干渉除去を行わない受信装置では、パスサーチ、逆拡散、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]、チャネル推定、チャネル推定値乗算(同期検波)、RAKE合成、データ判定、データ復号の処理機能が必要となる。なお、図中及び以下の本文において[]で囲んだ処理機能は、アレーアンテナを用いた場合に必要となる処理機能である。
【0025】
この既存の干渉除去を行わない受信装置から、従来の干渉除去行う受信装置を実現しようとする場合、該受信装置に干渉レプリカ生成ユニット(ICU)を追加し、該干渉レプリカ生成ユニット(ICU)からRAKE受信機(Rec.)へ情報転送を行うICU→Rec.信号線が必要となる。
【0026】
従来の干渉除去受信装置では、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)でパスサーチやアレーウェイト等を推定するための処理機能の追加が必要であり、制御チャネル信号も干渉として除去していたため、RAKE受信機(REc.)に元々備えられていたこれらのパラメータ推定機能は、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)の追加によって適正に動作しなくなり、結果として不要な処理機能となってしまう。
【0027】
従って、従来の干渉除去受信装置で追加した干渉レプリカ生成ユニット(ICU)には、パスサーチ、逆拡散、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]、チャネル推定、チャネル推定値乗算(同期検波)、RAKE合成、データ判定、パス分離、チャネル推定値乗算、[再ビームフォーミング]、再拡散の処理機能を具備し、ICU→Rec.信号線として、シンボルレプリカ、パスタイミング、[アレーウェイト]の各信号を伝送する情報信号線を必要とする。また、干渉除去のためにRAKE受信機(Rec.)にシンボルレプリカ加算の処理機能を追加する。
【0028】
既存の干渉除去を行わない受信装置から、従来の干渉除去受信装置を実現した場合、既存の干渉除去を行わない受信装置に既に具備されていたパスサーチ、[アレーウェイト推定]、[ビームフォーミング]の処理機能が不要な処理機能となり、従来の干渉除去を行う受信装置のRAKE受信機(Rec.)には無駄な処理機能を具備したままとなってしまう。
【0029】
これに対して、本発明の干渉除去受信装置では、各干渉レプリカ生成ユニット(ICU)において、干渉除去を行うチャネルに含まれるデータチャネルのみの干渉チップレプリカを生成して干渉除去を行うため、制御チャネルの信号は除去されることなくRAKE受信機(Rec.)で受信されるので、RAKE受信機(Rec.)ではこの制御チャネル信号から、元々備えていた処理機能をそのまま用いてパスサーチ、[アレーウェイト推定]、チャネル推定の処理を行うことがができる。
【0030】
そこで、従来の干渉除去受信装置では干渉レプリカ生成ユニット(ICU)で行っていたパラメータの推定を、本発明の干渉レプリカ生成ユニットでは行うことなく、RAKE受信機(Rec.)から転送されるパラメータの推定値を用いる。こうすることにより、干渉レプリカ生成ユニットでのパラメータの推定の処理機能を削減することができ、その分、1つの干渉レプリカ生成ユニットで処理し得る干渉除去チャネル数を増加させることが可能となる。
【0031】
本発明の干渉除去受信装置では、従来の干渉除去受信装置で必要であった、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)からRAKE受信機(Rec.)への情報転送信号線のうち、パスタイミング及び[アレーウェイト]の情報転送信号線が不要となり、RAKE受信機(Rec.)から干渉レプリカ生成ユニット(ICU)へ、パスサーチ、[アレーウェイト推定]及びチャネル推定値を転送する情報転送信号線が必要となる。
【0032】
図2の表に示す処理機能に関して更に説明すると、既存の干渉除去を行わない受信装置に干渉除去機能を追加しようとする場合に、新たに追加する処理機能はできるだけ少ないほうが望ましく、常に必要なRAKE受信機(Rec.)の既存機能は可能な限り活用することが望ましい。
【0033】
従来の干渉除去受信装置では、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)に追加する処理機能及びRAKE受信機(Rec.)で不要となる処理機能が共に多かったが、本発明の干渉除去受信装置は、RAKE受信機(Rec.)の機能を有効に活用し、干渉レプリカ生成ユニット(ICU)に追加する処理機能を減少させることができる。
【0034】
次に図3〜図5に本発明の第1の実施例として、単一アンテナ受信、2ステージの干渉除去受信装置の構成を示す。この実施例の各干渉レプリカ生成ユニット3−1では、逆拡散及び再拡散のためのパスタイミング情報をRAKE受信機3−4から得て、全ての受信チャネルに対して干渉除去を行う構成例を示している。
【0035】
図3は2ステージで干渉除去を行うパラレル干渉除去受信装置の全体の構成例を示し、各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット3−1ではデータチャネルのチップレプリカを生成し、データチャネルのみの干渉除去を行う。同図には干渉除去効果を向上させるために用いる干渉除去係数乗算器3−2、チップレプリカ信号の帯域制限を行うナイキストフィルタ3−3も示している。遅延素子1−2、減算器1−3は図1のものと同様である。
【0036】
第1ステージから第2ステージへ、第2ステージから最終ステージのRAKE受信機H1〜Mmへは、データチャネルのシンボルレプリカ信号を転送する。更に、RAKE受信機H1〜Mmで得られたパスタイミング情報を各ステージの各干渉レプリカ生成ユニット3−1に転送し、各干渉レプリカ生成ユニット3−1ではこのパスタイミング情報を用いて干渉レプリカ信号を生成する。
【0037】
図4に第1の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す。各ステージの干渉レプリカ生成ユニットは、RAKE受信機H1〜Mmからのパスタイミング情報を元に、パス毎に逆拡散部4−1,4−2でデータチャネルと制御チャネルの拡散符号を用いて逆拡散を行った後、加算器4−3で前ステージからのシンボルレプリカ(第1ステージではゼロ)をデータチャネルの信号に加算し、チャネル推定部4−4で制御チャネルに含まれるパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、逆拡散後のデータチャネルの信号にチャネル推定値の複素共役値を乗算器4−5により乗じて同期検波し、RAKE合成部4−6により各パスの信号を最大比合成を行ってRAKE受信を行う。
【0038】
本発明ではデータチャネルのみの干渉レプリカ信号を生成して干渉除去するため、データチャネルについてのみ合成すればよい。RAKE合成後のデータチャネルの信号は、データ判定部4−7によりレプリカ信号生成のためのデータ判定即ち信号点への再マッピングを行う。
【0039】
マッピングされたデータは各パスに分配され、各パス毎に先に推定した各パスのチャネル推定値を乗算器4−8で乗じることでシンボルレプリカ信号を生成し、次ステージに送る。第1ステージでは前段から送られてくるシンボルレプリカが無いため、生成したシンボルレプリカから元のシンボルレプリカを差引く必要はないが、第2ステージでは生成したシンボルレプリカから元のシンボルレプリカを減算器4−9により差引く。これは、第1ステージで除去する信号が受信信号に含まれる全干渉信号であるのに対し、第2ステージで除去する信号は第1ステージで完全に除去しきれなかった残差信号に含まれる干渉信号成分を除去するためである。更に再拡散部4−10で逆拡散に用いたのと同一タイミングで各パスを再拡散し、合成部4−11で全てのパスを合成することでチップレプリカ信号を得る。
【0040】
図5に本発明による第1の実施例のRAKE受信機を示す。第1の実施例のRAKE受信機は、データチャネルの逆拡散部5−1と制御チャネルの逆拡散部5−2と、干渉レプリカ生成ユニットから出力されるシンボルレプリカをデータチャネルの信号に加算する加算器5−3と、制御チャネスの信号からチャネルを推定するチャネル推定部5−4と、逆拡散後のデータチャネルの信号に同期検波を行うためにチャネル推定値の複素共役値を乗じる乗算器5−5と、各パスの信号を最大比合成を行うRAKE合成部5−6と、データ判定即ち信号点への再マッピングを行う判定部5−7とを備える。
【0041】
更に、第1の実施例のRAKE受信機は、干渉レプリカ生成ユニットから出力されるチップレプリカをサーチャ5−8に入力し、サーチャ5−8は、整合フィルタ5−81、平均化部5−82、遅延プロファイル生成部5−83、パスサーチ部5−84により、受信チャネルのパスタイミングを推定し、該パスタイミング情報を、逆拡散部5−1,5−2へ出力するとともに、干渉レプリカ生成ユニットへ出力する。
【0042】
第1の実施例のRAKE受信機は、干渉除去を行わない既存のRAKE受信機に、シンボルレプリカの入力部及び該シンボルレプリカのデータチャネルへの加算部5−3と、サーチャ5−8で得られたパスタイミング情報を各ステージの干渉レプリカ生成ユニットに通知するためのインターフェース部とを追加することにより実現される。
【0043】
この第1の実施例のRAKE受信機を、干渉除去を行わないRAKE受信機として使用する場合には、第1ステージの干渉レプリカ生成ユニットと同様に、シンボルレプリカの入力をゼロとすることにより、干渉除去を行わない通常のRAKE受信機として動作させることができる。
【0044】
図6〜図9に本発明の第2の実施例として、干渉除去に必要な全てのパラメータ推定を最終段のRAKE受信機で行う構成例を示す。この構成例は、アレーアンテナを用い、一部の受信チャネル(高速レート伝送チャネル)について干渉除去を行う1ステージ構成の干渉除去受信装置の構成例を示している。
【0045】
図6は第2の実施例の全体構成例を示す。前述の第1の実施例ではRAKE受信機から各ステージの干渉除去ユニットへパスタイミング情報のみを通知したのに対し、この第2の実施例は、パスタイミング情報に加えてチャネル推定値、ビームフォーミングのためのアレーウェイト等の全てのパラメータ推定を通知する構成例である。
【0046】
第2の実施例ではアレーアンテナを用いるため、各干渉レプリカ生成ユニット6−1では、各アンテナ毎のチップレプリカを生成して干渉除去を行う。なお、図6において、図3の第1の実施例で示した干渉除去に当っての干渉除去係数乗算、フィルタによる帯域制限処理は、図を簡明にするために省略している。
【0047】
更に図6に示す構成例において、RAKE受信機L1〜Lnは、干渉が少ない通常のチャネルを受信する受信機で、干渉除去を行わずにデータを受信し、RAKE受信機H1〜Hmは、干渉の多いチャネルを受信する受信機で、干渉レプリカ生成ユニット6−1からのシンボルレプリカを入力して干渉除去を行ってデータを受信する受信機であり、干渉除去を行わないRAKE受信機L1〜Lnと干渉除去を行うRAKE受信機H1〜Hmとを混在させた構成例を示している。
【0048】
図7に第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す。第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットは、RAKE受信機から通知されるパスタイミング、アレーウェイト、チャネル推定値のパラメータ情報を入力し、該パラメータ情報を用いてレプリカ生成処理を行う。そのため、各干渉レプリカ生成ユニットには、パスサーチ、アレーウェイト推定、チャネル推定の処理機能部を備えることなく構成される。
【0049】
図7〜図9において、白抜きの太矢印の記号は、アレーアンテナを構成する複数のアンテナからの主信号を表し、該アレーアンテナからの主信号は、逆拡散部7−1において、RAKE受信機から通知されるパスタイミングを用い、データチャネルの拡散符号で逆拡散され、ビームフォーミング部7−2においてRAKE受信機から通知されるアレーウェイト情報を用いてビームフォーミングを行い、該ビームフォーミング後の信号に、RAKE受信機から通知されるチャネル推定値を用いてチャネル推定値の乗算を行う。RAKE合成部7−3、データ判定部7−4は前述のものと同様である。
【0050】
データ判定部7−4による判定データを、シンボルレプリカとして後段のRAKE受信機に転送するとともに各パスに分配し、RAKE受信機から通知されるチャネル推定値を乗算し、ビームフォーミングされた信号を各アンテナ毎の受信信号に戻すために、再ビームフォーミング部7−5において、RAKE受信機から通知されるアレーウェイト情報を用いて再ビームフォーミングを行い、更に、各アンテナ毎に再拡散部7−6において、RAKE受信機から通知されるパスタイミング情報を基に再拡散を行い、合成部7−7においてアンテナ毎に各パスの信号を合成することで、アレーアンテナのチップレプリカ信号を得る。
【0051】
図8に干渉除去を行うチャネル(高速レート伝送チャネル)のRAKE受信機の構成例を、図9に干渉除去を行わないチャネル(低速レート伝送チャネル)のRAKE受信機の構成例を示す。図8及び図9に示すRAKE受信機において、逆拡散部8−1,8−2は、アレーアンテナの各アンテナからの受信信号毎に、データチャネル、制御チャネルの拡散符号によりそれぞれ逆拡散する。
【0052】
アレーウェイト推定部8−3は、制御チャネルの逆拡散後の信号から受信信号の到来方向のビームを形成するアレーウェイト推定値を算定し、該アレーウェイト推定値をビームフォーミング部8−4に出力し、ビームフォーミング部8−4は該アレーウェイト推定値を基に、データチャネルの逆拡散後の信号に対してビームフォーミングを行う。
【0053】
また、チャネル推定部8−5は制御チャネルの逆拡散後の信号からチャネル推定値を算定し、該チャネル推定値の複素共役を、ビームフォーミング後のデータチャネルの信号に乗算器8−6により乗算する。そして各パスの信号をRAKE合成部8−7により最大比合成し、データ判定部8−9によりデータ判定即ち信号点への再マッピングを行う。また、アレーアンテナ主信号をサーチャ8−10に入力し、サーチャ8−10は、図5に示したサーチャ5−8と同様に受信チャネルのパスタイミングを推定し、該パスタイミング情報を逆拡散部8−1,8−2へ出力する。
【0054】
図8と図9とに示すRAKE受信機の構成例を比較すると分かるように、図8に示す干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機は、干渉レプリカ生成ユニットからシンボルレプリカを受けて主信号に加えるための加算器8−8と、パスタイミング、アレーウェイト、チャネル推定値の各パラメータ情報を干渉レプリカ生成ユニットに送出するインタフェース部が追加される。
【0055】
また、図8に示す干渉除去を行うチャネルのRAKE受信機を用い、干渉除去を行わない通常のアレーアンテナRAKE受信機として動作させるには、シンボルレプリカをゼロとし、シンボルレプリカの加算が主信号に影響しないようにすることで、干渉除去を行わないアレーアンテナRAKE受信機として動作させることができる。
【0056】
図10に干渉除去チャネルの増加に対応する干渉除去受信装置の構成例を示す。同図に示す構成例は、複数のアンテナを備え、各アンテナの信号を増幅、周波数変換、帯域制限、レベル調整、AD変換等を行うフロントエンド部10−1と、AD変換後のディジタル信号を、各RAKE受信機L1〜Ln,H1〜Hm,M1〜Mkに配信するための信号配信部10−2と、干渉除去非対応のRAKE受信機L1〜Ln、干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hm,M1〜Mkから構成される。
【0057】
この干渉除去受信装置で干渉除去を行わなずに動作させるときには、信号配信部10−2において、フロントエンド部からのベースバンドディジタル信号を、干渉レプリカ生成ユニットを介することなくRAKE受信機への受信信号線10−4へ送出し、干渉除去非対応のRAKE受信機L1〜Lnにおいて、受信信号の復調処理を行う。
【0058】
そして、干渉除去が必要となるチャネルの受信に対応するため、干渉除去対応の受信機H1〜Hm,M1〜Mkを予め設置し、該干渉除去対の応受信機H1〜Hm,M1〜Mkには、干渉レプリカ生成ユニットとの干渉除去用信号を双方向に送受するための干渉除去用信号線10−3を予め接続しておく。
【0059】
この干渉除去受信装置で干渉除去を行う際には、干渉除去を行うチャネルを干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmに切り換え、干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mを信号配信部1−2に追加実装し、該追加実装した干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mと干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmとを、干渉除去用信号線10−3を介して接続し、干渉レプリカ生成ユニット10−21〜10−2mと干渉除去対応のRAKE受信機H1〜Hmとを使用して、干渉除去を行うデータ受信が可能となる。
【0060】
なお、干渉除去が必要なチャネルの増大に備えて設けた干渉除去対応のRAKE受信機M1〜Mkには、干渉レプリカ生成ユニットを接続せず、干渉除去機能無しのRAKE受信機として使用し、干渉除去が必要なチャネル数が増えた場合に、干渉レプリカ生成ユニットの追加のみで干渉除去受信に対応することが可能となる。
【0061】
しかも、本発明による干渉除去ユニット(干渉レプリカ生成ユニット)には、パスサーチによるパスタイミングの推定、アレーアンテナを用いた際のウェイト推定、チャネル推定等の処理機能部を備えることなく、RAKE受信機に元から備えられた処理機能部を用いて推定される推定結果を用いて干渉レプリカを生成するため、干渉除去ユニットの1チャネル当たりの回路規模を縮小することができ、干渉除去ユニット追加に際して、追加用の干渉除去ユニットが搭載される干渉除去カード(基盤)1枚当りの干渉除去チャネル数を増加することができる。その結果、多数のチャネルの干渉除去に対応することが可能となる。
【0062】
以上、第1の実施例として単一アンテナで2ステージの干渉除去受信装置において、パスタイミング情報を最終段のRAKE受信機から得る構成例を説明し、また、第2の実施例としてアレーアンテナを用いて一部の受信チャネル(高速レート伝送チャネル)のみの干渉除去を行う1ステージの干渉除去受信装置において、パスタイミング、アレーウェイト及びチャネル推定値を干渉レプリカ生成のための推定値としてRAKE受信機から得る構成例を説明した。
【0063】
その他の実施例として、データチャネルのみの干渉を除去し、RAKE受信機では制御チャネルを用いた各種パラメータの推定を行い、干渉レプリカ生成ユニットでは、RAKE受信機からの推定値の一部又は全てを用い、一部のパラメータについては干渉レプリカ生成ユニット内で推定する変形例が実現可能である。特に、時間変動に敏感なチャネル推定値については、干渉レプリカ生成ユニット内の処理機能部で推定する構成とすることにより、推定遅延を少なくし、精度のよい干渉除去が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、干渉除去を行うチャネルには制御チャネルとデータチャネルとが含まれるが、本発明では、高速レート伝送を行うチャネルの干渉として支配的なデータチャネルの干渉除去を行うことにより、干渉除去能力を大きく損なうことなく効率のよい干渉除去を行うことができるばかりでなく、後段に設けられた受信機の機能を有効に活用することができ、既存の受信機からの変更も少なく、干渉除去チャネル対応の干渉除去ユニットの回路規模を削減することができる。
【0065】
また、干渉除去が不要なチャネルの受信機及び干渉除去を要するチャネルの受信機を備え、大きな干渉となる高速レート伝送チャネルのトラフィック増加に対応して随時干渉除去ユニットを追加実装して、干渉除去を行う受信器を増加させる構成によって、トラフィック量に応じて柔軟な干渉除去受信に対応することができ、また、追加する干渉除去ユニットの回路規模の削減により、複数の干渉除去ユニットから成る干渉除去カード(基盤)1枚当りの干渉除去チャネル数を増加することができ、また、干渉除去行わない既存の受信機の機能をそのまま有効に活用して、干渉除去を行う受信器に変更することが可能となる。
【0066】
以上のことは、マルチレート伝送を行うDS−CDMA移動通信システムの基地局装置において、トラフィック量に応じて柔軟に対応し、また既存装置の処理機能を有効に利用して効率的に装置を構成することを可能にする。従って、大きな干渉となる高速レート伝送チャネルからの干渉によりシステム容量が大きく制限されるDS−CDMAシステムを、より柔軟かつ効率的に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明のための干渉除去受信装置全体のブロック図である。
【図2】従来例と本発明の各ブロックに必要な処理機能及びブロック間の転送情報を示す表である。
【図3】本発明の第1の実施例の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す図である。
【図5】本発明による第1の実施例のRAKE受信機を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例の干渉レプリカ生成ユニットを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の干渉除去を行うRAKE受信機を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例の干渉除去を行わないRAKE受信機を示す図である。
【図10】干渉除去チャネルの増加に対応する本発明の干渉除去受信装置を示す図である。
【図11】従来の干渉除去受信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1−1 干渉レプリカ生成ユニット
1−2 遅延素子
1−3 減算器
L1〜Ln 通常のチャネルのRAKE受信機
H1〜Hm 干渉除去チャネルのRAKE受信機
Claims (5)
- 直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、
前記干渉除去部は、アンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、
前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、
前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有することを特徴とする干渉除去受信装置。 - 直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、
前記干渉除去部は、アンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、
前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、
前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるチャネル推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有することを特徴とする干渉除去受信装置。 - 直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、
前記干渉除去部は、アレーアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、
前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該ウェイト推定部で検出したウェイト推定値を前記干渉除去部へ送出する手段を備え、
前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるウェイト推定値を用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有することを特徴とする干渉除去受信装置。 - 直接拡散符号分割多元接続通信システムにおける受信装置であって、多元接続された各チャネルの受信データを復調する複数の受信データ復調部と、干渉除去が必要なチャネルの受信データ復調部の前段に1段又は複数段の干渉除去部を備える干渉除去受信装置において、
前記干渉除去部は、1又は複数のアンテナからの受信信号に含まれる制御チャネル及びデータチャネルの信号のうち、データチャネルの干渉のみを推定して除去し、制御チャネルの信号を干渉除去することなく後段へ伝達する手段を備え、
前記受信データ復調部は、受信チャネルの同期捕捉を行うパスサーチ部、各パスの逆拡散部、アレーアンテナからの受信信号に対してビームフォーミングのためのウェイト推定を行うウェイト推定部、チャネル推定部、同期検波部、各パスの信号を合成する合成部及びデータ判定部を備えるとともに、該パスサーチ部で検出したパスタイミング情報、該チャネル推定部で推定したチャネル推定値若しくはウェイト推定部で検出したウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを前記干渉除去部へ送出する手段を備え、
前記干渉除去部は、前記受信データ復調部から送出されるパスタイミング情報、チャネル推定値若しくはウェイト推定値の何れか又はその2以上の組み合わせを用いて干渉成分を生成し、干渉除去処理を行う構成を有することを特徴とする干渉除去受信装置。 - 1又は複数のアンテナからの受信信号に対して増幅、周波数変換、ダイナミックレンジ調整及びA/D変換を行うフロントエンド部と、該A/D変換されたディジタル信号を、前記干渉除去部を介して又は直接前記受信データ復調部のベースバンド信号処理部に配信する信号配信部とを備え、
該信号配信部は、干渉除去が必要なチャネル数の増加に応じて追加される前記干渉除去部を収容し、かつ、該信号配信部に収容される干渉除去部と前記受信データ復調部との間に、干渉除去用信号を双方向に送受するための信号線を予め配備したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の干渉除去受信装置。
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