JP2000174659A - スペクトル拡散通信システム及びスペクトル拡散通信方法 - Google Patents

スペクトル拡散通信システム及びスペクトル拡散通信方法

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JP2000174659A
JP2000174659A JP34575698A JP34575698A JP2000174659A JP 2000174659 A JP2000174659 A JP 2000174659A JP 34575698 A JP34575698 A JP 34575698A JP 34575698 A JP34575698 A JP 34575698A JP 2000174659 A JP2000174659 A JP 2000174659A
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Yasuhiro Komiya
泰宏 小宮
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Nippon Precision Circuits Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】符号長の短い同じパターンの拡散符号で多重化
通信を可能にする。 【解決手段】送信装置は、拡散変調したn通りの拡散変
調信号を多重化し、送信データのうちの同期用ビットの
拡散符号系列と任意の他の1ビットの拡散符号系列との
間の同期検出用の位相差を他の拡散符号系列同士の位相
差と大きさを異ならせる。受信装置は、相関値出力と該
出力を同期検出用の位相差分だけ遅延したものとを乗じ
ることで同期信号の相関値出力を検出し、拡散符号系列
の位相タイミングでサンプリングしてデータ判定し、送
信データのビット長に割り当てられるM周期分の拡散符
号のうちのビットの変化に応じて拡散符号系列の極性が
反転する変化点を含む周期に対応する送信データの相関
値出力を、判定対象から除外し、判定データを用いて送
信データを再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散通
信方式の通信システムに係わり、特に、直接拡散を用い
たようなスペクトラム拡散通信システムに関するもので
ある。
【0002】スペクトル拡散通信システムでは、拡散符
号で拡散変調した送信データ(情報ビット)を複数チャ
ネル多重化して送信することが行われるが、このときに
使用する拡散符号は、符号長が短くかつその符号パター
ンの種類が一つであることが、装置の小型化、伝送速度
の高速化を図るために必要とされる。
【0003】
【従来の技術】スペクトル拡散通信方式として、拡散符
号(例えばPN符号やM系列符号)の1周期を情報ビッ
トの1ビットに対応させることで情報を送る方式が知ら
れている。この方式では、拡散符号そのままを情報ビッ
トの“1”に、拡散符号を反転させたもの(符号を構成
する各チップ(ビット)を極性反転させたもの)を情報
ビットの“0”に対応させており、送信側では、送るべ
き情報ビットが“1”のときには拡散符号の1周期をそ
のまま送り、情報ビットが“0”のときには拡散符号の
1周期を極性反転して送る。受信側では、受信した受信
データ(拡散極性)を相関器にかけることで、相関器の
相関値出力が正のピーク値(拡散符号そのままを検出し
たときの相関値出力)であれば情報ビットは“1”、負
のピーク値(拡散符号の反転符号を検出したときの相関
値出力)であれば情報ビットは“0”と判定すること
で、受信データから元の情報ビットの内容を復元してい
る。
【0004】図18には、拡散符号としてPN(疑似雑
音)符号を用いた場合の受信データ(拡散変調信号)と
相関器の相関値出力との関係が示される。ここで、受信
データは、PN符号そのままのものが+PN、PN符号
を極性反転したものが−PNで表されている。
【0005】いま、図18(1)に示するように、受信
データが+PN符号の連続である場合(すなわち情報ビ
ットとして“1”が連続している場合)には、相関器の
相関値出力は、+PN符号の各周期毎に鮮明な正のピー
ク値を出力し各周期の中間で乱れることはない。同様
に、図18(2)に示するように、受信データが−PN
符号の連続である場合(すなわち情報ビットとして
“0”が連続している場合)も、相関器の相関値出力
は、−PN符号の各周期毎に負のピーク値を出力し各周
期の中間で乱れることはない。
【0006】ところが、図18(3)に示すように、受
信データが+PN符号と−PN符号とが交互に現れるも
のである場合(すなわち情報ビットとして“1”と
“0”が交互に現れる場合)には、相関器の相関値出力
には各周期の中間で乱れ(干渉ノイズ)が生じ、各PN
符号に対応したピーク値はノイズに埋まるため検出しに
くくなる。これは、相関器で相関値を計算する際には、
相関を計算する相関窓(通常、PN符号の1周期分の符
号パターンによる窓)を、逐次に入力される受信データ
と逐次に比較して各位置での相関をみるが、この窓が+
PN符号と−PN符号との変り目(つまり極性の反転
点)をまたぐときにこの相関値出力の乱れが発生するも
のと考えられる。
【0007】この図18の例は、送信するPN符号が1
系列(1チャネル)であって多重化されていない場合の
ものであり、この場合にはまだ+PN符号と−PN符号
との境界付近でも相関値出力の判別が可能であるが、複
数のPN符号の系列(複数チャネル)を多重化して送る
場合には、+PN符号と−PN符号と変化の境界付近で
は相関値出力の判別が困難になる。
【0008】例えば、図19に示すように送信装置にお
ける多重化送信部を構成したものとする。ここで、1は
データ発生部であり、送信すべき情報ビットをビットシ
リアルに発生してシリアルデータとして出力する。2は
直並列(S/P)変換部であり、データ発生部1からの
情報ビット系列を10ビットずつのブロックに区切って
直並列変換する。この直並列変換された情報ビット(1
0ビット)は、周期的なラッチタイミングでブロック単
位にラッチ3に一斉にラッチされ、ラッチ3からブロッ
クデータとして出力される。
【0009】4はPN符号発生部であり、符号長が31
チップ長のPN符号の系列を連続的に発生してシフトレ
ジスタ5に供給する。このPN符号発生部4はデータ発
生部1、S/P変換部2、ラッチ3と同期して動作する
ものであり、ラッチ3から情報ビットのブロックデータ
が出力される周期とPN符号の2周期とが一致するよう
になっている。すなわち、直並列変換された後の情報ビ
ットの1ビットに2周期のPN符号が対応付けられるよ
うにしている。
【0010】ラッチ3からの10ビットの各出力はXN
OR回路71 〜710をそれぞれ介して加算器9に入力さ
れる。このXNOR回路71 〜710にはシフトレジスタ
からPN符号の系列がそれぞれ3タップ置き(すなわち
位相を3チップずつずらして)に入力されており、これ
により、ラッチ3からのブロックデータの各情報ビット
は、位相が3チップずつ異なるPN符号の系列でそれぞ
れ拡散変調されて拡散変調信号として加算器9に出力さ
れる。すなわち、情報ビットが“1”のときには+PN
符号が、情報ビットが“0”のときには−PN符号が生
成されて出力されることになる。加算器9ではこれらの
10系列(以下、チャネルともいう)の拡散変調信号を
加算合成して多重化信号として出力する。
【0011】この多重化信号は、受信側では相関器に入
力され、その相関値出力が得られることになる。
【0012】図20は、上記の送信部で発生したデータ
が“1”の連続である場合、すなわち10ビットずつの
単位で多重化されたブロック・データが (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) ・・・と連続する場合に、そのデータを受信した受信側
での相関値出力を示すものである。図示のように、相関
値出力は3チップ置きに鮮明な正のピーク値が現れてお
り、相関値出力の乱れ(干渉ノイズ)は少なく、各情報
ビットを復号することが可能である。このような相関値
出力の特性は、送信側で発生したデータが“0”の連続
である場合も同じであり、その場合には相関値出力は3
チップ置きに鮮明な負のピーク値が現れる。
【0013】一方、送信側で10ビットずつ多重化され
たブロック・データが (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (0,0,0,0,0,0,0,0,0,0) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) ・・・と“1”と“0”を交互に繰り返す場合には、そ
のデータを受信した受信側での相関値出力は図21に示
すようになる。この場合には例えば情報ビット“1”に
対応する最も値の小さな相関値出力は、極性が負に反転
しているため、もはや受信側での復号は不可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を改善
する方法としては、次のような方法が考えられる。
【0015】(1)情報ビットの1ビットあたりに対し
て拡散符号の周期をもっと多く割り当てる(例えば情報
ビットの1ビットに対し拡散符号を10周期割り当てる
など)。そして、拡散符号の各周期について検出された
相関値出力を積分することで、干渉の影響を軽減する。
【0016】(2)情報ビットの1ビットに割り当てる
拡散符号の符号長をもっと長くすることで自己相関性を
良くし、鮮明な相関値出力が得られるようにする。
【0017】(3)多重化する情報ビットの各系列毎
に、同じ拡散符号を位相を変えて用いるのではなく、拡
散符号のパターンの種類を変える。これにより、相互相
関性を良くして、鮮明な相関値出力が得られるようにす
る。
【0018】しかしながら、上述の(1)の方法は、結
局、情報ビットの1ビットあたりのビット長が長くなっ
てしまい、情報の伝送速度が低下してしまう。
【0019】また(2)の方法は、上述同様、情報ビッ
トの1ビットあたりのビット長が長くなってしまい、情
報の伝送速度が低下してしまうとともに、送信側の拡散
符号発生器や受信側の相関器に符号長の長いものが必要
となり、ハードウェア規模が大きくなってしまう。
【0020】また(3)の方法は、拡散符号の各パター
ンに対して受信側で相関をとるためには、それぞれのパ
ターンの拡散符号に対応して、相関窓の比較符号パター
ンが異なる相関器を複数用意する必要があり、受信側装
置の装置規模の増大を招く。また同様に、送信側装置に
複数の拡散符号発生器を必要とし、送信側装置の装置規
模の増大を招く。
【0021】このように、拡散符号の周期が短い場合、
情報ビット(よってPN符号などの拡散符号)が反転す
る境界付近では相関器の出力の特性が悪くなるため、特
に、同じ拡散符号の位相を変えた複数系列(複数チャネ
ル)の拡散符号で複数の情報ビットを多重化した場合、
情報ビットが一斉に変化するタイミングでは相関器から
の出力の特性が大変に悪くなり、受信信号からデータを
識別するための同期タイミングを抽出するのは困難にな
る。
【0022】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、スペクトル拡散通信方式で多重化通信をする
にあたり、拡散符号として符号長の短い同じパターンの
ものを利用可能にすることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段および作用】送信データの
情報ビットの0から1、或いは1から0への変化の過程
の拡散変調された拡散変調信号系列は、その変化点を含
む周期で切り出してみると、それは良い擬似乱数ではな
く、他の拡散符号(変調に使った拡散符号も含める)と
の相互相関が必ずしも良くない。本発明では、この情報
ビットの反転による相関器の出力の劣化に対応し、位相
を異ならせた同一パターン(同一コード)の拡散符号で
多重化した場合の相互干渉を避け、それにより多くの多
重化を実現できるようにしている。
【0024】以下に、上述の課題を解決するための本発
明の代表的な形態としてのスペクトル拡散通信システム
について説明する。
【0025】この代表的形態のスペクトル拡散通信シス
テムにおいては、送信装置は、一の符号パターンの位相
をそれぞれ異ならせたn通りの拡散符号系列を発生する
拡散符号発生手段と、ビットの値が同時的に変化するn
ビット並列のデータであり各ビットの長さが拡散符号の
M周期(ただし、Mは2以上の値)分に相当する送信デ
ータの列を逐次に発生する送信データ発生手段と、該n
ビット並列の送信データの各ビットを該拡散符号発生手
段で発生したn通りの拡散符号系列でそれぞれ拡散変調
する拡散変調手段と、該拡散変調手段で拡散変調したn
通りの拡散変調信号を多重化する多重化手段と、該多重
化信号を受信側の装置に送信する送信手段とを備え、該
送信データのうちの一のビットを同期信号を送るための
同期用ビットとし、該同期用ビットの拡散符号系列と任
意の他の1ビットの拡散符号系列との間の同期検出用の
位相差を他の拡散符号系列同士の位相差と大きさを異な
らせるように構成する。
【0026】また、受信装置は、該送信装置から多重化
信号を受信する受信手段と、該受信手段で逐次に受信す
る多重化信号と、該送信側で用いた拡散符号との相関を
求めて相関値を逐次に出力する相関手段と、該相関手段
からの相関値出力と、該相関値出力を該同期検出用の位
相差分だけ遅延したものとを乗じることで同期信号の相
関値出力を検出する検出手段と、該相関手段からの相関
値出力を、送信側で用いた各ビットに対応する拡散符号
系列の位相タイミングでサンプリングしてデータ判定す
る判定手段と、該抽出手段で検出した同期信号の相関値
出力のタイミングに基づいて、該相関手段からの相関値
出力のうちの、送信データのビット長に割り当てられる
M周期分の拡散符号のうちの上記ビットの変化に応じて
拡散符号系列の極性が反転する変化点を含む周期(例え
ば後述の実施例では最後の1周期、以下同じ)に対応す
る送信データの相関値出力を、該判定手段の判定対象か
ら除外するよう制御する制御手段と、該判定手段の判定
データを用いて元の送信データを再生する再生手段とを
備えてなる。
【0027】この送信装置では、拡散変調手段は、拡散
符号発生手段で発生したn通りの拡散符号系列を、送信
データ発生手段で発生した送信データの各ビットで拡散
変調する。その結果得られたn通りの拡散変調信号を多
重化手段で多重化して送信する。その際、送信データの
うちの一のビットを同期信号を送るための同期用ビット
とし、該同期用ビットの拡散符号系列と任意の他の1ビ
ットの拡散符号系列との間の同期検出用の位相差を他の
拡散符号系列同士の位相差と大きさを異ならせるように
する。
【0028】また、この受信装置では、受信した多重化
信号と、該送信側で用いた拡散符号との相関を相関手段
で求め、検出手段でその相関値出力と相関値出力を上記
同期検出用の位相差分だけ遅延したものとを乗じること
で、同期信号の相関値出力を検出する。また判定手段
は、この相関値出力を、送信側で用いた各ビットに対応
する拡散符号系列の位相タイミングでサンプリングして
データ判定し、その判定データを用いて元の送信データ
を再生する。その際、検出手段で検出した同期信号の相
関値出力のタイミングに基づいて、相関手段からの相関
値出力のうちの、送信データのビット長に割り当てられ
るM周期分の拡散符号のうちの、上記ビットの変化に応
じて拡散符号系列の極性が反転する変化点を含む周期に
対応する送信データの相関値出力を、該判定手段の判定
対象から除外するよう制御する。
【0029】受信側での相関手段(相関器)の出力は、
送信データのビットに割り当てられた拡散符号系列のn
周期分以上の中で、最後の周期では相関値出力が乱れ、
他の周期では、良い相関値出力が得られる。これは、送
信データのビットの0から1、或いは1から0への変化
点を含む周期は、他の拡散符号との相互相関が必ずしも
良くないからである。よって、本発明では、この変化点
を含むことになる周期の送信データの相関値出力を無視
し、残りの他の周期から得た相関値出力を用いてデータ
判定を行うようにしている。
【0030】このスペクトル拡散通信システムは、送信
装置では、該送信データ中の同期用ビットに0と1の値
に周期的に変化する波形を用いて、この同期用ビットと
該任意の他の1ビットとを乗じたものを同期信号とする
ように構成し、受信装置では、該検出手段の検出信号
を、同期信号の該波形に応じた拡散符号の周期分の間隔
でタップを配置したFIRフイルタで同期信号のみを強
調する。それにより同期信号のタイミング抽出を確実に
行うことができる。
【0031】あるいは、このスペクトル拡散通信システ
ムは、この送信装置では、該送信データ中の同期用ビッ
トに1と0の値に周期的に変化する波形を同期信号とす
るとともに、さらに該任意の他の1ビットを常に1或い
は0に固定したデータを参照用の信号とし、受信装置で
は、復調された送信データ中の情報用のビットに、同時
に復調された参照用信号を乗じるようにする。これによ
り、搬送波の位相同期のずれに伴う復調されたデータ・
ビットの反転を自動的に補正することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0033】図1には、本発明の一実施例としてのスペ
クトル拡散通信システムの送信装置における10ビット
多重化送信部のブロック構成が示され、図2にはこの多
重化送信部における各箇所の信号の波形を示したタイム
チャートが示される。また、図3には、本発明の一実施
例としてのスペクトル拡散通信システムの受信装置にお
ける10ビット多重化受信部のブロック構成が示され、
図2にはこの多重化受信部における各箇所の信号の波形
を示したタイムチャートが示される。
【0034】まず、送信側の10ビット多重化送信部に
ついて説明する。図1において、1はデータ発生部であ
り、送信すべき情報ビットをビットシリアルに発生して
シリアル・データbとして出力する。2はS/P(直並
列)変換部であり、データ発生部1からの情報ビット列
であるシリアル・データbを10ビットずつのブロック
に区切って直並列変換する。この直並列変換された情報
ビットはブロック(10ビット)単位にラッチ3に一斉
にラッチされる。したがって、ラッチ3からは周期的
(PN符号の2周期毎)に変化するブロックデータが出
力されることになる。
【0035】4はPN符号発生部であり、符号長が31
チップ長のPN符号の系列を連続的に発生してシフトレ
ジスタ5に供給する。このPN符号発生部4はデータ発
生部1、S/P変換部2、ラッチ3や後述の同期信号発
生部6と同期して動作するものであり、ラッチ3から1
ブロックの情報ビットd0〜d10が出力される周期
(すなわちS/P変換部2での直並列変換の周期)と自
己が発生するPN符号系列の2周期分とが一致するよう
にしている。すなわち、直並列変換された各情報ビット
d1〜d10の1ビットに2周期分のPN符号系列が対
応付けられるようにしている。
【0036】また、シフトレジスタ5は31段のタップ
からなり、PN符号発生部4からのPN符号の系列を逐
次に入力して各タップにチップクロック・タイミングで
シフトさせつつ出力する。このシフトレジスタ5は、第
1タップから位相p0の出力信号(PN符号)、第2タ
ップから位相p1の出力信号が取り出され、以降、3タ
ップ置きの第5、第8、第11、第14、第17、第2
0、第23、第26、第29の各タップからそれぞれ位
相p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、
p10の出力信号が取り出される。すなわち、このシフ
トレジスタ5により、PN符号発生部4からのPN符号
系列はそれぞれ位相の異なる11系列(11チャネル)
のPN符号に変換される。これらのPN符号系列は、位
相p0とp1との間の位相差は1チップ時間、位相p0
〜p10のその他の位相差はそれぞれ3チップ時間とな
る。
【0037】6は同期信号発生部であり、同期信号aを
発生してXNOR回路8に出力する。この同期信号aは
周期がPN符号系列の4周期(すなわち31×4チップ
時間)のものであり、デューティ比が50%の方形波で
ある。
【0038】このXNOR回路8にはラッチ3からのブ
ロックデータの第1ビット目の情報ビットd1が入力さ
れており、同期信号aと情報ビットd1の否定排他的論
理和(XNOR)を演算し、その演算結果を同期信号d
0として後段のXNOR回路70 に出力する。したがっ
て、XNOR回路8から出力される同期信号d0は、図
2に示すように、第1ビット目の情報ビットd1と同じ
もの、次には第1ビット目の情報ビットd1を極性反転
したものというように、第1ビット目の情報ビットd1
を周期的(PN符号の2周期毎)に反転させて用いる。
【0039】ラッチ3のブロックデータ(10ビット)
の各情報ビットd1〜d10はXNOR回路71 〜710
にそれぞれ入力される。これらのXNOR回路71 〜7
10にはシフトレジスタから位相P1〜P10の各PN符
号の系列がそれぞれ入力されており、各XNOR回路7
1 〜710は、入力した情報ビットとPN符号の系列との
否定排他的論理和(XNOR)を演算をすることで拡散
符号化し、その演算結果である拡散変調信号を加算器9
に出力する。またXNOR回路70 にはシフトレジスタ
5の位相p0のPN符号が入力されており、このXNO
R回路70 はXNOR回路8からの同期信号d0とPN
符号の系列との否定排他的論理和(XNOR)を演算を
して、その演算結果である同期信号の拡散変調信号を加
算器9に出力する。
【0040】これにより、XNOR回路8からの同期信
号d0とラッチ3からの各情報ビットd1〜d10(以
下、単に送信データd0〜d10ともいう)とは、位相
がそれぞれp0〜p10と異なる11系列のPN符号で
それぞれ拡散符号化される。すなわち、同期信号または
情報ビットが“1”のときには+PN符号の系列が、情
報ビットが“0”のときには−PN符号の系列が生成さ
れて出力される。この場合、ラッチ3からのブロックデ
ータの内容は一斉に変化するものであるから、このブロ
ックデータの各情報ビットd1〜d10に対応する10
チャネルの拡散変調信号の極性(すなわち+PNか−P
Nか)も、ラッチ3のブロックデータの各情報ビットd
1〜d10の変化(0/1間の変化)に対応して一斉に
変化することになる。
【0041】加算器9ではこれらの11チャネルの拡散
変調信号を加算合成することで多重化し、その多重化信
号を周波数変調部10に出力する。周波数変調部10は
この多重化信号を無線周波数の搬送波で変調して無線信
号とし、アンテナから送信する。
【0042】次に本発明の一実施例としてのスペクトル
拡散通信システムの受信装置における10ビット多重化
受信部の構成を図3を参照して説明する。図4にはこの
多重化受信部における各箇所の信号の波形を示したタイ
ムチャートが示される。
【0043】図3において、20は周波数復調部であ
り、受信した無線信号を復調して多重化信号を得る。な
お、この信号は、後続する相関器および乗算回路の都合
により、AD変換し、ディジタル多値表現にする必要も
ある。
【0044】21は相関器(マッチドフィルタなど)で
あり、復調した多重化信号に対して相関値を求めて出力
する。この相関器21は送信側のPN符号のパターンを
比較符号として内蔵しており、この比較符号と逐次に入
力される多重化信号との相関値を計算して相関値出力e
として逐次に出力するものである。この比較符号は送信
側のPN符号と同じパターンであるので31チップ長と
なり、この比較符号が相関器21で相関値を計算する際
に用いる相関窓となる。
【0045】相関器21からの相関値出力は同期信号検
出部22に供給される。この同期信号検出部22は、入
力信号を1チップ時間遅延させる1チップ遅延部221
と乗算回路222からなり、相関器21の相関値出力を
2分岐して一方を1チップ遅延部221に、他方を乗算
回路222に入力するとともに、1チップ遅延部221
で遅延した相関値出力を乗算回路222に入力する構成
となっている。乗算回路222は相関器21の相関値出
力とそれを1チップ遅延部221で1チップ遅延させた
相関値出力との乗算をして、その演算結果を同期検出信
号fとして出力する。すなわち、この同期信号検出部2
2は、入力された相関値出力e(t)に対して、 f(t)=e(t)×e(t−1) (ただし、tは1チップ単位の時間、以下同じ)なる掛
け算をして、その結果得られた積を同期検出信号f
(t)として出力する。
【0046】この同期信号検出部22は、上述の構成と
することで、相関器21から出力される相関値出力の列
(受信した多重化信号中の送信データd0〜〜d10の
各拡散変調信号(+PN、−PN)にそれぞれ対応する
相関値出力の列)のうち、同期信号d0の相関値出力の
振幅を高くするとともに、その他の情報ビットd1〜d
10の相関値出力の振幅を低くすることで、同期信号d
0の相関値出力を強調して検出するものである。
【0047】その動作原理は、同期信号d0と情報ビッ
トd1のPN符号は位相差が1チップ時間、その他のP
N符号は位相差が3チップ時間となっていることを利用
しており、相関器21からの相関値出力の列のうちの、
同期信号d0の相関値出力(ピーク値)とそれと位相が
1チップ時間だけ異なる情報ビットd1の相関値出力
(ピーク値)とが乗算回路222で掛け合わされた時に
は、ピーク値同士の掛け算であるためそのピーク値が増
大するのに対して、他の情報ビットd1〜d10の相関
値出力は3チップ時間の位相ずれがあるため、それらの
相関値出力を1チップ時間遅延した値と掛け合わせる
と、情報ビットの相関値出力(ピーク値)とゼロに近い
値(各ピーク値の間の値)との掛け合わせになるため、
その相関値出力の振幅値が減少するので、結局、同期信
号d0の相関値出力が他の情報ビットd1〜d10の相
関値出力よりも強調されて抽出されるというものであ
る。
【0048】この同期信号検出部22からの同期検出信
号fは、同期信号強調部26に入力される。同期信号強
調部26はFIRフィルタからなる。同期検出信号fは
他のデータ・ビットの干渉も受けているので、PN符号
の周期分の間隔で配置したFIRフィルタで同期信号の
みを強調するものであり、このFIRフィルタは、同期
検出信号fを逐次にPN符号の1周期分ずつ遅延させる
3つの1PN周期遅延部261〜263と、同期信号検
出部22からの同期検出信号fと各1PN周期遅延部2
61〜263の遅延信号とを加減算する演算部264か
らなる。演算部264は同期信号検出部22と1PN周
期遅延部261の出力については加算し、1PN周期遅
延部262、263の出力については減算する。すなわ
ち、入力した同期検出信号f(t)に対して、1PN周
期をTとすると、 g(t)=f(t)+f(t−T)−f(t−2T)−
f(t−3T) なる演算をして、その結果値を同期タイミング信号g
(t)として出力する。これにより、1周期の同期信号
を構成する4周期分のPN符号の各相関値出力(同期信
号検出部22で抽出したもの)をその絶対値をとって加
算することができ、これにより同期信号検出部22で検
出された同期検出信号fをさらに強調して抽出できるよ
うにしている。
【0049】同期信号強調部26で抽出された出力は同
期タイミング信号gとしてタイミング発生部27に供給
される。タイミング発生部27はこの同期タイミング信
号gに基づいて、後述するシフトレジスタ25へのデー
タ・タイミング信号h、ラッチ28へのラッチ・タイミ
ング信号iを図4に示すように生成して供給する。
【0050】同期信号検出部22における1チップ遅延
部221で遅延した相関値出力は、前述の乗算回路22
2の他に、3PN周期遅延部23にも供給される。3P
N周期遅延部23は入力した相関値出力をPN符号の3
周期分だけ遅延させる回路であり、その遅延された相関
値出力はデータ判定部24に供給される。なお、この3
周期分の遅延は同期信号強調部26における遅延時間に
対応するものである。
【0051】データ判定部24は、逐次に入力される相
関値出力を所定のしきい値と比較するなどして、その相
関値出力に対応する元の情報ビットの0/1を、各チッ
プ・タイミング毎に判定するものであり、その判定結果
はシフトレジスタ25に供給されるとともに、相関値出
力の0/1を正常に判定できた場合にはデータ有効、判
定できなかった場合にはデータ無効の表示が出力され
る。
【0052】シフトレジスタ25は31段のタップから
なり、データ判定部24で判定された判定データがビッ
トシリアルに逐次に入力される。そのデータのシフトは
タイミング発生部27からのデータ・タイミング信号h
(チップ・クロック)によって行われる。このシフトレ
ジスタ25からは第2、第5、第8、第11、第14、
第17、第20、第23、第26、第29の各タップか
ら判定データが10ビット並列に取り出されており、こ
れらの各判定データはラッチ28に供給される。このラ
ッチ28は同期信号強調部26からのラッチ・タイミン
グ信号iに応答して、シフトレジスタ25からの判定デ
ータを取り込み、この判定データ(並列10ビット)を
P/S変換器29に供給する。これらの判定データは、
送信側におけるブロックデータの各情報ビットd1〜d
10にそれぞれ対応するものとなる。P/S変換部29
は取り込んだ判定データを並直列変換してデータ格納部
30に格納する。
【0053】以下、この実施例装置の動作を説明する。
【0054】まず、送信装置側の動作を、図1のハード
ウェア構成図と図2のタイムチャートを参照して説明す
る。送信装置側では、データ発生部1で発生された情報
ビットの列(シリアル・データb)を、S/P変換部2
で10ビットのパラレル・データに逐次に変換し、PN
符号系列の2周期毎にラッチ3にそのパラレル・データ
を送り込む。よって、ラッチ3からはPN符号系列の2
周期ごとにブロックデータ(情報ビットd1〜d10)
が出力される。
【0055】また、同期信号発生部6からのPN符号系
列の2周期毎に反転する同期信号aとラッチ3の第1ビ
ット目の情報ビットd1とを否定排他的論理和をとって
同期信号d0とする。これにより同期信号d0は、第1
ビット目の情報ビットd1を周期的に反転したものとな
り、よって、同期信号d0と第1ビット目の情報ビット
d1とは、互いに同じものと、互いが反転されたものと
が、周期的(PN符号系列の2周期毎)に繰り返される
関係となる。このような関係を送信側で作ることによ
り、受信側において、同期信号強調部26での同期信号
の強調が可能となる。このようにして生成した同期信号
d0を、PN符号発生部4の出力を取り込んだシフトレ
ジスタ5の第1番目のタップからの位相P0のPN符号
の系列とXNOR演算することで、同期信号d0を拡散
符号化して拡散変調信号とする。
【0056】また、ラッチ3の10ビットの各情報ビッ
トd1〜d10を、PN符号発生部4の出力を取り込ん
だシフトレジスタ5の対応する位相P1〜P10からの
各PN符号の系列とXNOR回路71 〜710によりXN
OR演算することで、それらの各情報ビットd1〜d1
0を拡散符号化した拡散変調信号を出力する。これによ
り、ラッチ3のラッチタイミングに同期して、XNOR
回路70 〜710から出力される11チャネルの拡散変調
信号において、同期信号b0とブロックデータの各情報
ビットd1〜d10の“0”と“1”の間の変化に応じ
て、PN符号の極性が同時に反転することになる。
【0057】これら同期信号d0と情報ビットd1〜d
10の拡散変調信号(+PNと−PNの系列)を加算器
9において和をとることで多重化し、その多重化信号を
周波数変調部10において無線周波数の搬送波で変調し
て、送信アンテナより送信する。
【0058】次に、受信装置側の動作を、図3のハード
ウェア構成図と図4〜図10のタイムチャートを参照し
て説明する。
【0059】受信装置側では、送信装置から送信された
無線信号は、受信アンテナで受信され、周波数復調部2
0によりべースバンドの多重化信号に変換され、相関器
21に送り込まれる。
【0060】相関器21では逐次に入力される多重化信
号に対して、送信側で用いたPN符号パターンを相関窓
として用いて相関値を計算し、相関値出力を逐次に出力
する。
【0061】図5と図6にはそれぞれ、相関器21から
の相関値出力列の例が示される。
【0062】図5、図6の例は、送信装置側の動作で説
明したように、送信データ(同期信号と情報ビット)d
0〜d10で位相がP0〜P10に異なる11チャネル
のPN符号系列を多重化したもので、各ビットに対して
はPN符号系列の2周期が割り当てられている。
【0063】図5の例では、送信側の情報ビットd1〜
d10は連続してオール“1”をとり変化のないものと
し、したがって同期信号d0はPN符号の2周期毎に、
情報ビットd1を反転したもの、すなわち“0”、
“0”、“1”、“1”、“0”・・・とする。よっ
て、多重化信号は、 (0,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (0,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) ・・・となり、図5はかかる多重化信号(+PNと−P
N符号の系列)が受信された時のものである。
【0064】図6の例では、送信側の情報ビットd1〜
d10はオール“0”、オール“1”を交互に繰り返す
ものとし、したがって同期信号d0はPN符号系列の2
周期毎に、情報ビットd1を反転したもの、すなわち
“1”、“1”、“1”、“1”、“1”・・・とす
る。よって、多重化信号は、 (1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0) (1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) (1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1) ・・・となり、図6はかかる多重化信号(+PNと−P
N符号の系列)が受信された時のものである。
【0065】この図5、図6から分かることは、相関器
21の相関値出力は、入力される多重化信号中におい
て、各ビットに割り当てられた同じ極性のPN符号(+
PNまたは−PN)が2周期分続くと、その1周期目で
は安定したピーク値が得られるが、2周期目では相関値
出力が乱れ気味となることである。なお、ここでいう1
周期目とは、本明細書では、各ビット長にあてられたP
N符号系列のうちで最初に現れるPN符号の先頭チップ
から最後尾チップまでの区間をいうものとし、2周期目
とはそれに続く区間である。また、PN符号の先頭チッ
プと最後尾チップとは相関器に格納されている比較パタ
ーンの先頭チップと最後尾チップをいうものとする。
【0066】このように1周期目と2周期目で相関値出
力が異なるのは、相関器21における相関値計算の窓
が、各チャネルの拡散変調信号において、PN符号が極
性反転する変り目(−PNと+PNの境界)を跨ぐか否
かに係わっており、2周期分の同極性のPN符号系列
(情報ビットの1ビットに対応)のうちの第1周期目で
は、何れのチャネル(同期信号d0と情報ビットd1〜
d10に対する各位相P0〜P10のPN符号のチャネ
ル)でも窓がPN符号の系列の極性の変り目(境界)に
かからないからである。これは、送信側において11チ
ャネルの拡散変調信号(PN符号の系列)をラッチ3か
らのブロックデータの変化のタイミングで同時にその極
性を反転させるためである。この場合、同期信号に対応
するPN符号はその先頭チップ直前の位置で極性が反転
するのに対して他の情報ビットd1〜d10に対応する
PN符号はその先頭チップと最後尾チップの間の、各位
相P1〜P10に応じた位置で極性が反転することにな
る。よって、この極性反転タイミングを避けて、上述し
た1周期目のPN符号(最初に現れる先頭チップから最
後尾チップの区間)について相関値出力を検出してデー
タ判別すれば、良好な復号が可能になる。
【0067】これに対して、2周期目では、情報ビット
d1〜d10に対応するPN符号は、いずれも、その先
頭チップと最後尾チップの間に極性の反転点があり、よ
って、相関値出力が乱れてしまう。
【0068】相関器21からの出力は2つに分岐され、
一方は、同期信号データを符号化する時に用いられた1
チップ長の位相差分の遅延を与える1チップ遅延部22
1を通し、さらに3周期遅延部23で3周期分(プラス
1チップ長分)遅延をして、データ判定部24に送り込
まれる。
【0069】また、相関器21の2分岐された相関値出
力のうちの他方は、そのまま同期信号検出部22の乗算
回路222に入力され、ここで1チップ遅延部221か
らの1チップ遅延相関値出力と乗算される。これによ
り、前述の受信装置の構成説明で述べたように、同期信
号d0に対応する相関値出力が他の情報ビットd1〜d
10に対応する相関値出力よりも振幅が増大されて検出
される。
【0070】図7、図8にはそれぞれ、同期信号検出部
22の同期検出信号fの例が示される。図7の例は前述
の図5に示した相関値出力を同期信号検出部22に通し
たもの、図8の例は前述の図6に示した相関値出力を同
期信号検出部22に通したものである。図7、図8に示
すように、同期信号d0の拡散変調信号に対応する相関
値出力(SYNC)は何れの周期の同期信号も振幅が強
調されて出力される。
【0071】同期信号検出部22からの同期検出信号f
は、次に同期信号強調部26に入力される。同期信号強
調部26では、この同期検出信号fを4タップのFIR
フィルタ(1PN周期遅延部261〜263と演算部2
64)に通し、同期信号を強調した同期タイミング信号
gを生成し、出力する。
【0072】図9、図10にはそれぞれ、同期信号強調
部26からの同期タイミング信号gの例が示される。図
9の例は図7に示す同期検出信号fを同期信号強調部2
6に通した例、図10の例は図8に示す同期検出信号f
を同期信号強調部26に通した例である。同期信号強調
部26においては、1PN周期をTとすると、 g(t)=f(t)+f(t−T)−f(t−2T)−
f(t−3T) なる演算が行われことにより、図示するように、同期信
号における2周期の同極性のPN符号のうちの2周期目
に相当する相関値出力fが、同期信号検出部22で検出
されて同期信号強調部26に入力されると、同期信号強
調部26は鮮明なピーク値の相関値出力を出力し、一
方、同期信号のPN符号1周期目とその他の情報ビット
d1〜d10に対応する相関値出力は振幅が減衰され
る。この同期信号の2周期目のPN符号に対応する相関
値出力は、同期タイミング信号gとしてタイミング発生
部27に供給される。
【0073】タイミング発生部27では、図4に示すよ
うに、この同期タイミング信号gをトリガにしてチップ
・クロック周期のデータ・タイミング信号hを生成して
シフトレジスタ25に供給するとともに、そのデータ・
タイミング信号hの最後尾のチップ・クロック(31)
をトリガにすることでラッチ・タイミング信号iを周期
的(すなわちPN符号の2周期毎)に生成してラッチ2
8に供給する。
【0074】このデータ・タイミング信号hにより、シ
フトレジスタ25には、3PN周期遅延部23で遅延さ
せた3周期前のPN符号に対応した相関値出力をデータ
判定した判定データが、チップクロックのタイミングで
ビットシリアルに入力されることになる。この判定デー
タは、同期信号の同極性の2周期のPN符号のうちの第
1周期目に対応する各情報ビットd1〜d10相関値出
力から得たものであるので、前述したようにその相関値
出力は安定しており、良好な復号が可能である。これら
の判定データがシフトレジスタ25に格納されたタイミ
ングでラッチ・タイミング信号iが生成され、シフトレ
ジスタ25の判定データが取り込まれ、さらにP/S変
換器29で並直列変換されてデータ格納部30に格納さ
れる。
【0075】なお、この実施例では、受信装置における
周波数復調部20での復調の際に用いられる搬送波(ロ
ーカル発振器の出力)と、実際に受信される搬送波との
間にある位相差によっては、受信したPN符号の極性、
すなわち+PN符号と−PN符号(よって情報ビットの
0/1)が反転してしまうこともある。この対策として
は、送信装置におけるデータ発生部1において、そこで
発生するシリアル・データbに対して差動符号化などの
処置をして置けばよい。
【0076】図11には本発明の他の実施例としてのス
ペクトル拡散通信システムの送信装置における9ビット
多重化送信部のブロック構成が示され、図11には受信
装置における9ビット多重化受信部のブロック構成が示
される。
【0077】上述の実施例でも述べたように、受信側の
周波数復調部20での復調用の搬送波と実際に受信する
無線信号の搬送波との間の位相差によっては、受信側で
判定した情報ビットの0/1が反転してしまう虞があ
り、これを防ぐためには、上述の実施例では送信側のデ
ータ発生部1において差動符号化等の処置をする必要が
あった。これに対して、この図11、図12の実施例は
かかる差動符号化等の処置を不要としたものである。
【0078】まず、図11の9ビット多重化送信部が前
述の図1の実施例の10ビット多重化送信部と相違する
点は以下の点である。
【0079】(1)同期信号発生部6からの同期信号a
をそのまま同期信号d0として用いて、これにシフトレ
ジスタ25からの位相P0のPN符号の系列をXNOR
回路70 で乗じて拡散符号化している。
【0080】(2)シフトレジスタ5の位相P1のPN
符号の系列を参照信号(拡散変調信号)としてそのまま
加算器9に入力して、他のチャネルの拡散変調信号と多
重化している。
【0081】(3)S/P変換部2では情報ビットd2
〜d10を9ビットずつ直並列変換してラッチ3に取り
込むようにしている。
【0082】このような構成とした場合、シフトレジス
タ5の位相P1から出力される参照信号のPN符号の列
は常に+PNであるから、情報としては常に“1”のビ
ットが送出されていることになる。したがって、同期信
号d0はPN符号の2周期毎に+PNと−PNが繰り返
すものであるから、この同期信号d0は、参照信号と同
じもの、次には参照信号を符号反転したものというよう
に、いわば参照信号を周期的(PN符号の2周期毎)に
反転させた関係となっており、これは前述の実施例にお
ける同期信号d0と情報ビットd1との関係と同じであ
る。
【0083】図12の9ビット多重化受信部が前述の図
3の実施例の10ビット多重化受信部と相違する点は以
下のとおりである。
【0084】(1)受信装置におけるシフトレジスタ2
5の第5、第8、第11、第14、第17、第20、第
23、第26、第29の各タップから取り出された判定
データはそれぞれXNOR回路311 〜319 に入力さ
れ、このXNOR回路3111 〜319 を介してラッチ
28に入力されている。
【0085】(2)受信装置におけるシフトレジスタ2
5の第2タップからは参照信号に対応する判定データが
取り出されて、この参照信号が各XNOR回路311
319 にそれぞれ入力されている。
【0086】この実施例のように構成すると、送信装置
側で送信する参照信号は常に情報ビットの“1”に対応
するものであるから、受信側で受信した参照信号の判定
データが“0”であった場合には、周波数復調部20で
の復調において符号の極性反転が生じたものと考えるこ
とができる。よって、この参照信号の判定データをシフ
トレジスタ25の情報ビットに対応する各タップの判定
データにXNOR演算してやることで、参照信号が
“1”のときには判定データをそのままとし、参照信号
の判定データが“0”のときには他のタップの判定デー
タの極性を反転とすることができ、それにより受信デー
タの極性反転に対する補償を行うことができる。
【0087】次に図13〜図17を参照し、本発明のま
た他の実施例としてのスペクトル拡散通信システムにつ
いて説明する。前述の実施例は何れも、一つの送信局に
おいて情報ビットを複数のチャネルに多重化してその多
重化信号を無線信号に変換して送り出すものであった
が、本発明はこれに限られるものではなく、複数の送信
局がそれぞれ、同じパターンでかつそれぞれ位相が異な
る拡散符号を用いて1チャネルの情報ビットを拡散符号
化した後に無線信号に変換して送信し、その結果とし
て、それら複数の送信局からの電波が空中で合成される
ことでいわば多重化された形になり、受信局ではその多
重化された無線信号から自局宛てのチャネルを抽出でき
るようにシステムを構成することもできる。
【0088】図13〜図17の実施例はかかる構成を説
明するためのものであり、図13は同期信号の送信局に
おける送信部のブロック構成を示すもの、図14は情報
ビットを送信する側の局における送信部のブロック構成
を示すもの、図15は情報ビットを受信する側の局にお
ける受信部のブロック構成を示すもの、図16は図14
に示す送信部の各箇所の信号波形を示すタイムチャー
ト、図17は図15に示す受信部の各箇所の信号波形を
示すタイムチャートである。
【0089】この実施例のスペクトラム拡散通信システ
ムでは、もっぱら同期信号(PN符号の4周期を1周期
とする)を送信するための同期信号送信局(以下、同期
制御局という)を設けておき、情報ビットを送信する側
の複数の送信局は、この同期制御局からの同期信号を受
信して各処理を行うための基準とする。すなわち、これ
らの送信局は、この同期信号に対して自局での拡散符号
化に用いる拡散符号の位相を何チップ分(ここではmチ
ップとする)ずらすかが予め定められており、同期信号
の受信タイミングを基準にしてPN符号をその先頭から
発生し、これをmチップだけ位相シフトさせたものを、
送信すべき情報ビットを拡散符号化するための拡散符号
として用いる。
【0090】また、送信すべき情報ビットと拡散符号と
のXNOR演算(すなわち拡散符号化)は同期信号の受
信タイミングで行う。これにより、複数の送信局から送
信される拡散符号化された拡散変調信号は、その極性の
+と−の変り目が一致することになる。
【0091】受信側では、これらの信号が空中で多重化
されたものを、前述の実施例と同様の原理で受信するこ
とになるが、送信側が1チャネルの無線信号だけを送っ
ているので、これに対応して、受信側も1チャネルの無
線信号だけを受信すればよい場合には、この実施例にお
ける図15で示すような構成とすればよい。
【0092】まず、同期制御局における送信部の構成を
図13を参照して説明する。
【0093】図13において、6は同期信号発生部、4
はPN符号発生部であり、前述の実施例のものと同じも
のとする。同期信号発生部6から出力される同期信号a
とし、これにPN符号発生部4からのPN符号の系列を
XNOR演算して同期信号用の拡散変調信号とし、これ
を加算器9に送る。また、PN符号発生部4からのPN
符号の系列をnチップ遅延部11でnチップ時間遅延さ
せてそれをそのまま参照信号とし、この参照信号を拡散
変調信号として加算器9に送る。加算器9では、これら
の同期信号と参照信号の拡散変調信号を多重化し、周波
数変調部10に送り、周波数変調部10ではこの多重化
信号を無線信号に変換して送信する。
【0094】次に、情報ビットを送信する送信局におけ
る送信部の構成を図14を参照して説明する。
【0095】図14において、周波数復調部20、相関
器21、同期信号検出部22、同期信号強調部26、3
PN周期遅延部24、データ判定部24、タイミング発
生部27等の構成は前述の実施例における受信部のもの
とほぼ同じである。受信した無線信号中から同期信号の
タイミングを抽出し、また、送信すべき情報ビット(シ
リアル・データ)bm をデータ・ラッチ34にラッチす
る。このラッチ・タイミングは同期信号の受信タイミン
グ(すなわちラッチ・タイミング信号i)と同じとす
る。
【0096】このデータ・ラッチ34から出力される情
報ビットdm を、同期信号強調部26からのPN符号を
mチップ遅延部12でmチップ時間遅延させた位相とし
たものと、XNOR回路7mで掛け合わせて拡散符号化
し、これを周波数変調部10にて無線信号に変換して送
信する。ここで、同期信号と参照信号の位相差がnチッ
プの場合、複数の送受信機で複数のmの異なる値を選ぶ
ときは、全ての各チャネル間の位相差がnチップとなら
ないように決める。
【0097】次に、情報ビットを受信する受信局におけ
る受信部の構成を図15を参照して説明する。この受信
部は、基本的には、前述した図15の送信局の受信部と
同じ構成であり、相違点としては、 (1)送信局から情報ビットを送出するための構成であ
る同期信号強調部26、mチップ遅延部12、XNOR
回路7mを持っていない。
【0098】(2)代わりに、受信データを取り込むた
めの構成として、データ判定部24から出力される判定
データをデータ・ラッチ34に入力し、タイミング発生
部27からのデータ・タイミング信号i0 をmチップ
遅延部33で遅延させたデータ・タイミング信号i2
のタイミングで判定データをデータ・ラッチ34にラッ
チするようにし、データdm とするようにしている。
【0099】この構成により、この受信局は、位相Pm
のPN符号で符号化した拡散変調信号を送出した送信
局からの情報ビットを受信し復元することができる。
【0100】本発明の実施にあたっては種々の変形形態
が可能である。例えば、上述した実施例では、情報ビッ
トの1ビットにPN符号を2周期割り当てるようにした
が、本発明はこれに限られるものではなく、受信側で復
調した相関値出力にノイズが多い場合などには、情報ビ
ットの1ビットにPN符号を3周期以上割り当てて拡散
符号化し、受信側ではこの1ビットに割り当てられたP
N符号の最後の周期の相関値信号を無視して復元のため
には用いないようにし、この最後の周期以外のPN符号
の相関値出力に対して、周期毎に積分するか、適当なフ
ィルタを通すなどして、ノイズ成分を低減した相関値出
力を求めるものであってもよい。
【0101】また、上述の第1〜図10の実施例では、
送信装置から送信する送信データは、連続する情報ビッ
トの列からなるシリアル・データbを10ビット並列の
ブロックに逐次に直並列変換して、これらのプロックの
各情報ビットを10通りの位相のPN符号で符号化する
ものであったが、本発明はこれに限られるものではな
く、ブロック中の各情報ビットは、一つの情報発生源か
らのシリアル・データを直並列変換するのではなく、そ
れぞれ独立の情報発生源からの送信データとしてもよ
い。すなわち、10個の独立した送信データの情報発生
源があり、これらのシリアル出力が10ビット並列に拡
散符号化器に入力されて、10通りの位相のPN符号で
それぞれが別々に符号化されるようにしてもよい。ただ
し、この場合、各情報発生源から出力される送信データ
のデータ変化タイミングは全て同時になるように同期が
とれている必要はある。
【0102】また、上述の実施例では、情報ビットをP
N符号系列で拡散変調するためにXNOR演算を行った
が、本発明はこれに限られるものではなく、例えばXO
R演算であってもよい。要は、情報ビットの“0”と
“1”に応じてPN符号系列の極性が反転するものであ
ればよい。
【0103】また、上述の実施例では、同期信号を情報
ビットd1〜d10の先頭側に配置したが、本発明はこ
れに限られるものではなく、情報ビットd1〜d10に
対して同期信号をどの位置に配置するかは任意である。
要は、乱れのない位置(この例ではPN符号の1周期
目)の情報ビットの相関値出力を取り込むタイミングを
同期信号によって抽出できるものであればよい。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、拡散符
号として符号長が短くかつ1種類の符号パターン(符号
コード)を用いて送信データを多重化して送っても、受
信側で安定した相関値出力を得ることができ、それによ
り、送信速度の高速化、通信機器の回路規模の削減を図
ることができる。
【0105】このように、この発明では、複数種類のパ
ターンの拡散符号を用いることなく、多重化されたビッ
ト間の相互干渉も受けずに、多重化されたスペクトル拡
散通信が可能になる。
【0106】また、本発明では、送信局を複数設けてそ
れら全ての送信局の同期がとれるようにすることで、1
組の送受信局の間のビット多重化ではなく、複数の組の
送受信機による複数のチャネルによる通信も可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのスペクトル拡散通信
システムにおける送信装置の10ビット多重化送信部の
ブロック構成を示す図である。
【図2】実施例の送信装置の10ビット多重化送信部の
各箇所に信号波形を示タイムチャートである。
【図3】本発明の一実施例としてのスペクトル拡散通信
システムにおける受信装置の10ビット多重化受信部の
ブロック構成を示す図である。
【図4】実施例の受信装置の10ビット多重化受信部の
各箇所に信号波形を示タイムチャートである。
【図5】実施例の受信装置における相関器21の相関値
出力eの例(1)を示す図である。
【図6】実施例の受信装置における相関器21の相関値
出力eの例(2)を示す図である。
【図7】実施例の受信装置における同期信号検出部22
の同期検出信号fの例(1)を示す図である。
【図8】実施例の受信装置における同期信号検出部22
の同期検出信号fの例(2)を示す図である。
【図9】実施例の受信装置における同期信号強調部26
の同期タイミング信号gの例(1)を示す図である。
【図10】実施例の受信装置における同期信号強調部2
6の同期タイミング信号gの例(2)を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例としてのスペクトル拡散
通信システムにおける送信装置の9ビット多重化送信部
のブロック構成を示す図である。
【図12】本発明の他の実施例としてのスペクトル拡散
通信システムにおける受信装置の9ビット多重化受信部
のブロック構成を示す図である。
【図13】本発明のまた他の実施例としてのスペクトル
拡散通信システムにおける同期制御局の同期信号送信部
のブロック構成を示す図である。
【図14】本発明のまた他の実施例としてのスペクトル
拡散通信システムにおける送信局置の送受信部(nチッ
プ位相に参照信号がある場合のmチップ位相での送受信
部)のブロック構成を示す図である。
【図15】本発明のまた他の実施例としてのスペクトル
拡散通信システムにおける受信局置の受信部(nチップ
位相に参照信号がある場合のmチップ位相での受信部)
のブロック構成を示す図である。
【図16】図14の送信局の送受部における各箇所の信
号波形を示すタイムチャートである。
【図17】図15の受信局の受信部における各箇所の信
号波形を示すタイムチャートである。
【図18】従来のスペクトル拡散通信方式における相関
値出力を説明するための図である。
【図19】従来のスペクトル拡散通信方式における多重
化して信号を送信する送信装置の構成例を示す図であ
る。
【図20】従来の送信装置において多重化信号の符号が
変化しない場合における受信側の相関値出力を示す図で
ある。
【図21】従来の送信装置において多重化信号の符号が
変化する場合における受信側の相関値出力を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 データ発生部 2 S/P変換部 3 ラッチ 4 PN符号発生部 5 シフトレジスタ 6 同期信号発生部 7,70 〜710,8 XNOR回路 9 加算器 10 周波数変調部 20 周波数復調部 21 相関器 22 同期信号検出部 221 1チップ遅延部 222 乗算回路 23 3PN周期遅延部 24 データ判定部 25 シフトレジスタ 26 同期信号強調部 261〜623 1PN周期遅延部 264 演算部 27 タイミング発生部 28 ラッチ 29 P/S変換部 30 データ格納部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直接拡散を用いたスペクトル拡散通信シス
    テムであって、 送信装置は、 一の符号パターンの位相をそれぞれ異ならせたn通りの
    拡散符号系列を発生する拡散符号発生手段と、 ビットの値が同時的に変化するnビット並列のデータで
    あり各ビットの長さが拡散符号のM周期(ただし、Mは
    2以上の値)分に相当する送信データの列を逐次に発生
    する送信データ発生手段と、 該nビット並列の送信データの各ビットを該拡散符号発
    生手段で発生したn通りの拡散符号系列でそれぞれ拡散
    変調してn通りの拡散変調信号とする拡散変調手段と、 該n通りの拡散変調信号を多重化する多重化手段と、 該多重化信号を受信側の装置に送信する送信手段とを備
    え、 受信装置は、 該送信装置から多重化信号を受信する受信手段と、 該受信手段で逐次に受信する多重化信号と、該送信側で
    用いた拡散符号との相関を求めて相関値を逐次に出力す
    る相関手段と、 該相関手段からの相関値出力を送信側で用いた各ビット
    に対応する拡散符号系列の位相タイミングでサンプリン
    グしてデータ判定する判定手段と、 該相関手段からの相関値出力のうちの、送信データのビ
    ット長に割り当てられるM周期分の拡散符号のうちの上
    記ビットの変化に応じて拡散符号系列の極性が反転する
    変化点を含む周期に対応する送信データの相関値出力を
    該判定手段の判定対象から除外するよう制御する制御手
    段と、 該判定手段の判定データを用いて元の送信データを再生
    する再生手段とを備えたスペクトル拡散通信システム。
  2. 【請求項2】直接拡散を用いたスペクトル拡散通信シス
    テムであって、 送信装置は、 一の符号パターンの位相をそれぞれ異ならせたn通りの
    拡散符号系列を発生する拡散符号発生手段と、 ビットの値が同時的に変化するnビット並列のデータで
    あり各ビットの長さが拡散符号のM周期(ただし、Mは
    2以上の値)分に相当する送信データの列を逐次に発生
    する送信データ発生手段と、 該nビット並列の送信データの各ビットを該拡散符号発
    生手段で発生したn通りの拡散符号系列でそれぞれ拡散
    変調する拡散変調手段と、 該拡散変調手段で拡散変調したn通りの拡散変調信号を
    多重化する多重化手段と、 該多重化信号を受信側の装置に送信する送信手段とを備
    えて、該送信データのうちの一のビットを同期信号を送
    るための同期用ビットとし、該同期用ビットの拡散符号
    系列と任意の他の1ビットの拡散符号系列との間の同期
    検出用の位相差を他の拡散符号系列同士の位相差と大き
    さを異ならせるように構成し、 受信装置は、 該送信装置から多重化信号を受信する受信手段と、 該受信手段で逐次に受信する多重化信号と、該送信側で
    用いた拡散符号との相関を求めて相関値を逐次に出力す
    る相関手段と、 該相関手段からの相関値出力と、該相関値出力を該同期
    検出用の位相差分だけ遅延したものとを乗じることで同
    期信号の相関値出力を検出する検出手段と、 該相関手段からの相関値出力を、送信側で用いた各ビッ
    トに対応する拡散符号系列の位相タイミングでサンプリ
    ングしてデータ判定する判定手段と、 該抽出手段で検出した同期信号の相関値出力のタイミン
    グに基づいて、該相関手段からの相関値出力のうちの、
    送信データのビット長に割り当てられるM周期分の拡散
    符号のうちの上記ビットの変化に応じて拡散符号系列の
    極性が反転する変化点を含む周期に対応する送信データ
    の相関値出力を、該判定手段の判定対象から除外するよ
    う制御する制御手段と、 該判定手段の判定データを用いて元の送信データを再生
    する再生手段とを備えたスペクトル拡散通信システム。
  3. 【請求項3】送信装置では、該送信データ中の同期用ビ
    ットに0と1の値に周期的に変化する波形を用いて、こ
    の同期用ビットと該任意の他の1ビットとを乗じたもの
    を同期信号とするように構成した請求項2記載のスペク
    トル拡散通信システム。
  4. 【請求項4】受信装置では、該検出手段の検出信号を、
    同期信号の該波形に応じた拡散符号の周期分の間隔でタ
    ップを配置したFIRフイルタで同期信号のみを強調す
    るようにした請求項3記載のスペクトル拡散通信システ
    ム。
  5. 【請求項5】送信装置では、該送信データ中の同期用ビ
    ットに1と0の値に周期的に変化する波形を同期信号と
    するとともに、さらに該任意の他の1ビットを常に1或
    いは0に固定したデータを参照用の信号とし、 受信装置では、復調された送信データ中の情報用のビッ
    トに、同時に復調された参照用信号を乗じることによ
    り、搬送波の位相同期のずれに伴う復調されたデータ・
    ビットの反転を自動的に補正するように構成した請求項
    2記載のスペクトル拡散通信システム。
  6. 【請求項6】請求項1、2、4または5記載のスペクト
    ル拡散通信システムにおける受信装置。
  7. 【請求項7】請求項2、3または5記載のスペクトル拡
    散通信システムにおける送信装置。
  8. 【請求項8】直接拡散を用いたスペクトル拡散通信方法
    であって、 送信側では、一の符号パターンの位相をそれぞれ異なら
    せたn通りの拡散符号系列を、ビットの値が同時的に変
    化するnビット並列のデータであり各ビットの長さが拡
    散符号のM周期(ただし、Mは2以上の値)分に相当す
    る送信データの列でそれぞれ拡散変調したものを多重化
    して送信し、 受信側では、逐次に受信した多重化信号と該送信側で用
    いた拡散符号との相関値を逐次に求め、その相関値出力
    を送信側で用いた各ビットに対応する拡散符号系列の位
    相タイミングでサンプリングしてデータ判定して元の送
    信データを再生し、その際に、該相関値出力のうちの、
    送信データのビット長に割り当てられるM周期分の拡散
    符号のうちの上記ビットの変化に応じて拡散符号系列の
    極性が反転する変化点を含む周期に対応する送信データ
    の相関値出力を該データ判定の判定対象から除外するよ
    うにしたスペクトル拡散通信方法。
  9. 【請求項9】同期制御局と送信局と受信局とからなる直
    接拡散を用いたスペクトル拡散通信システムであって、 同期制御局は、 一の符号パターンの拡散符号系列を発生する拡散符号発
    生手段と、 1と0の値に周期的に変化する波形の同期信号を発生す
    る同期信号発生手段と、 該拡散符号発生手段からの拡散符号系列を該同期信号発
    生手段の同期信号で拡散変調して拡散変調信号を出力す
    る拡散変調手段と、 該拡散符号発生手段の拡散符号系列を所定の同期用位相
    だけ遅延させて参照信号とする遅延手段と、 該同期信号用の拡散変調信号と該遅延手段からの参照信
    号とを多重化する多重化手段と該多重化信号を送信する
    送信手段とを備え、 該送信局は、 該同期制御局からの多重化信号を受信する受信手段と、 該受信手段で逐次に受信する多重化信号と、該送信側で
    用いた拡散符号との相関を求めて相関値を逐次に出力す
    る相関手段と、 該相関手段からの相関値出力と、該相関値出力を該同期
    検出用の位相差分だけ遅延したものとを乗じることで同
    期信号の相関値出力を検出する検出手段と、 該検出手段で検出した同期信号の相関値出力のタイミン
    グに基づいて、該相関手段からの相関値出力のうちの、
    送信データのビット長に割り当てられるM周期分の拡散
    符号のうちの上記ビットの変化に応じて拡散符号系列の
    極性が反転する変化点を含む周期に対応する送信データ
    の相関値出力を、該判定手段の判定対象から除外するよ
    う制御する制御手段と、 同期制御局からの拡散符号系列と同じパターンでありか
    つ自局に固有に割り当てられた所定の位相だけ遅延した
    拡散符号系列を該検出手段で検出した同期信号の相関値
    出力のタイミングに基づいて発生する拡散符号発生手段
    と、 該拡散符号発生手段の拡散符号系列を送信すべきデータ
    で拡散変調する拡散変調手段と、 該拡散変調した信号を送信する送信手段とを備えて成
    り、 該受信局は、 該同期制御局からの多重化信号を受信する受信手段と、 該受信手段で逐次に受信する多重化信号と、該送信側で
    用いた拡散符号との相関を求めて相関値を逐次に出力す
    る相関手段と、 該相関手段からの相関値出力と、該相関値出力を該同期
    検出用の位相差分だけ遅延したものとを乗じることで同
    期信号の相関値出力を検出する検出手段と、 該相関手段からの相関値出力を、同期制御局で用いた参
    照信号の拡散符号系列の位相タイミングでサンプリング
    してデータ判定する判定手段と、 該検出手段で検出した同期信号の相関値出力のタイミン
    グに基づいて、該相関手段からの相関値出力のうちの、
    送信データのビット長に割り当てられるM周期分の拡散
    符号のうちの上記ビットの変化に応じて拡散符号系列の
    極性が反転する変化点を含む周期に対応する送信データ
    の相関値出力を、該判定手段の判定対象から除外するよ
    う制御する制御手段と、 該判定手段の判定データに基づいて送信データを再生す
    る再生手段とを備えて成るスペクトル拡散通信システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011151436A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Yamaha Corp 音響を用いた情報伝送装置
CN103152070A (zh) * 2013-02-17 2013-06-12 哈尔滨工程大学 一种基于可变位标序列的扩频通信方法

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