JP2000174370A - レーザ光走査装置、焦点制御装置、検査装置および走査装置 - Google Patents

レーザ光走査装置、焦点制御装置、検査装置および走査装置

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JP2000174370A
JP2000174370A JP10344386A JP34438698A JP2000174370A JP 2000174370 A JP2000174370 A JP 2000174370A JP 10344386 A JP10344386 A JP 10344386A JP 34438698 A JP34438698 A JP 34438698A JP 2000174370 A JP2000174370 A JP 2000174370A
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wavelength
light source
laser
laser beam
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Hisashi Masuda
久 増田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光による被検物体の所定の範囲あるい
は被検物体の深さ方向に対する走査、合焦を所望の速度
でできるようにすることを目的とする。 【解決手段】 本発明によるレーザ光走査装置は、波長
可変レーザ光源14,‥‥,20と、波長依存性角度偏
光手段23とを有し、波長依存性角度偏光手段23にこ
の波長可変レーザ光源からのレーザ光を入力してレーザ
光の波長を変化させて、このレーザ光を投影した投影面
25を走査し或いはこの投影面25に体して焦点を合わ
せることができるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長可変レーザ光
源を用いて、この波長可変レーザ光源で生成したレーザ
光を、このレーザ光の波長に依存する光学性能を有する
投影光学手段により走査を行うレーザ光走査装置、自動
焦点をおこなう焦点装置、検査をおこなう検査装置およ
び走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、波長可変でないレーザ光やランプ
光を光源として用いた光ビームの偏向装置及びこれらレ
ーザ光や光ビームの焦点合わせ装置が産業上において利
用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、これらレー
ザ光やランプ光を光源として用いた光ビームを偏向する
ために、音響光学偏向器あるいはガルバノミラー等の光
ビームの偏向手段が用いられてきたが、音響光学偏向器
による光ビーム偏向では偏向角を大きく取り難く、ガル
バノミラー等の機械的スキャンによる光ビーム偏向では
この走査の応答速度に限界がある等の問題があった。
【0004】また、レンズまたは被検物体の被検査面を
機械的かつ相対的に移動して焦点を合わせる自動焦点装
置が知られているが、このように機械的に移動して焦点
合わせを行う方法による自動焦点装置では応答速度に限
界がある等の問題があった。
【0005】さらにまた、この走査装置に採用されてい
る走査方法およびこの自動焦点装置に採用されている自
動焦点合わせ方法を応用した被検物体の被検査面等の検
査装置が知られている。
【0006】この検査装置で被検査面をくまなく調べる
ために、被検査面上に焦点を結ぶ方向およびこの方向に
直交する方向の3次元方向(XYZ方向)にこの光ビー
ムの焦点を偏向する必要があるが、これら方向への偏向
量を大きく取り難い点、或いは応答速度に限界がある点
等の問題点が検査を高速化する上で障害となっていた。
【0007】本発明の目的は、こうした従来方法の有す
る問題点を解決した被検物体の被検査面等のレーザ光に
よる走査装置、合焦装置或いはこれら装置を応用した被
検物体の被検査面等のレーザ光による検査装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるレーザ光走
査装置は、波長可変レーザ光源と、波長依存性角度偏向
手段とを有し、この波長依存性角度偏向手段にこの波長
可変レーザ光源からのレーザ光を入力した状態でレーザ
光の波長を変化させ、波長依存性角度偏向手段から出射
したレーザ光を偏向させて、このレーザ光を投影した投
影面をレーザ光で走査するようにしたものである。
【0009】また本発明によるレーザ光走査装置は、波
長可変レーザ光源と、波長依存性角度偏向手段とを有
し、この波長依存性角度偏向手段に波長可変レーザ光源
からのレーザ光を入力した状態でこのレーザ光の波長を
変化させ、この波長依存性角度偏向手段から出射したレ
ーザ光を偏向させて、このレーザ光を投影した投影面を
この波長の変化に同期した状態でレーザ光で走査するよ
うにしたものである。
【0010】また本発明による焦点制御装置は、波長可
変レーザ光源と、光路長または焦点距離がこの波長可変
レーザ光源から得たレーザ光の波長に依存する投影光学
手段とを有し、この投影光学手段に入射するこのレーザ
光の波長を変化することによりレーザ光の合焦状態を制
御するようにしたものである。
【0011】また本発明によるレーザ光走査装置は、波
長可変レーザ光源と、光路長または焦点距離がこの波長
可変レーザ光源から得たレーザ光の波長に依存する投影
光学手段とを有し、この投影光学手段に入射するレーザ
光の波長を時間とともに変化することによりレーザ光の
投影面に対する合焦位置を時間とともに移動するように
したものである。
【0012】また本発明による検査装置は、波長可変レ
ーザ光源と、波長依存性角度偏向手段とを有し、この波
長依存性角度偏向手段に対して波長可変レーザ光源から
入力するレーザ光の波長を変化させることにより、この
波長依存性角度偏向手段から出射するレーザ光を偏向さ
せて被検物体を走査するようにしたものである。
【0013】また本発明による走査装置は、波長可変レ
ーザ光源と、光路長または焦点距離がこの波長可変レー
ザ光源から得たレーザ光の波長に依存する投影光学手段
とを有し、この投影光学手段に入射するレーザ光の波長
を時間とともに変化することによりレーザ光の投影面に
対する合焦位置を時間とともに移動するようにしたもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】波長可変レーザ光源を用いて生成
したレーザ光を波長に依存する光学性能を有する部材よ
りなる波長依存性角度偏向手段を介することにより被検
物体の走査を行うようにした走査装置の、本発明による
実施の形態の一例について以下図1を参照して説明す
る。
【0015】図1は、この走査装置の要部の構成を示す
ブロック図で、図1において50は波長可変レーザ光を
用いたレーザ光走査装置全体を示し、レーザ光走査装置
50はレーザ励起光源1、光学レンズ3,7および1
2、反射ミラー4,5,6,10および11、波長可変
レーザ13、266nmの波長を有する和周波数発生用
レーザ励起光源(以下の説明では和周波数発生用レーザ
光源と称する)8、ビームエキスパンダを構成する光学
レンズ群(以下の説明では光学レンズ群と称する)2
2、回折格子23および光学レンズ24で構成する。
【0016】そして、L2はレーザ励起光源1から出射
する励起レーザ光、L9は和周波数発生用レーザ光源8
から出射する和周波数発生用レーザ光である。
【0017】波長可変レーザ13を入射ミラー14、反
射ミラー15,16、チタニュームサファイアレーザ結
晶体17、非線形光学結晶18、電気光学素子19およ
び光学プリズム20で構成する。なお、電気光学素子と
は電気光学効果を有する物質よりなる素子をいうものと
する。
【0018】また、25は被走査体上の投影面である。
【0019】次に、図1に示して説明した波長可変レー
ザ光を用いた光走査装置の動作について説明する。
【0020】レーザ励起光源1で生成した励起レーザ光
L2を光学レンズ3、反射ミラー4,5、光学レンズ
7、反射ミラー6および入射ミラー14で導いてチタニ
ュームサファイアレーザ結晶体17に入射し、チタニュ
ームサファイアレーザ結晶体17を励起光L2で励起し
てこの結晶体17から近赤外線波長のレーザ光L17
(以下の説明ではレーザ光L17と称する)を出射す
る。
【0021】そして和周波数発生用レーザ光源8から反
射ミラー10,11および光学レンズ12で導いた和周
波数発生用レーザー光(以下の説明ではレーザー光L9
と称する)および反射ミラー15によりレーザ装置17
から導いたレーザ光L17を、非線形光学結晶18の位
相整合に適した方向に向けてこの非線形光学結晶18に
入射する。
【0022】非線形光学結晶18に入射したこれらレー
ザー光L9およびレーザ光L17により、この近赤外線
波長のレーザ光と紫外線波長のレーザ光の和の波長の周
波数のレーザ光出力L21が非線形光学結晶18で生成
される。
【0023】そして、レーザ光出力L21を光学レンズ
群22を通じてコリメーションしてから回折格子23に
入射して回折レーザ光26を生成し、回折レーザ光26
をレンズ24により被走査体上の投影面25上に投影し
合焦させる。
【0024】このように被走査体上の投影面25上に投
影されて合焦している状態の回折レーザ光26の波長を
λ、回折格子23に入射するレーザ光出力L21の入射
角度を一定とし、回折レーザ光26の回折角をθ、回折
格子23から出射した回折レーザ光26が回折格子23
から光学レンズ24を通じて被走査体上の投影面25上
に投影され合焦している状態においてレーザ光出力L2
1の波長λがΔλだけ変化した場合の回折格子23から
の回折光26の出射角度の変化をΔθとし、そして回折
格子23の格子の繰り返し周期をΛ、回折次数をmで表
した場合、ΔθとΔλの関係は次の(1)式で表され
る。 Δθ/Δλ=m/(Λ cosθ)・・・・・(1)
【0025】いま、(1)式においてθ=30度、m=
−1、Λ=1/1200mmとした場合、 Δθ/Δλ=1.4 mrad/nm・・・・・(2) となる。
【0026】但し、mmはミリメートル、nmはナノメ
ートル、radはラジアン(弧度)、mradは100
0分の1ラジアンであるミリラジアンを表すものとし、
以下の説明においても同様とする。
【0027】また、回折光26の波長がλからΔλだけ
変化したときの被走査体上の投影面25上に投影し合焦
している回折光26の位置の変化をdとした場合、dは
(3)式で表される。なお、fは光学レンズ24の焦点
距離である。 d=fΔθ・・・・・(3)
【0028】ここで、回折格子23に対して入射するレ
ーザ光出力L21が充分コリメートされ、回折格子23
に対して入射するレーザ光出力L21のスポットのサイ
ズがΛより充分大きいものとし、レンズ24の焦点距離
fを1mmとした場合、Δλ=1nmだけ変化させる
と、被走査体上の投影面25上に投影し合焦している回
折光26の合焦点の位置の被走査体上の投影面25内で
の変化dは、(4)式で示したように求められる。 d=fΔθ=1.4μm・・・・・(4)
【0029】即ち、レーザ光出力L21の波長λを変化
すれば、被走査体上の投影面25上に投影し合焦してい
る回折光26のこの合焦点の位置をこのレーザ光出力L
21の波長λの変化Δfに応じて偏向させて被走査体上
の投影面25上を走査することができる。
【0030】また、式(4)式で示した範囲より更に極
めて広い範囲を走査する場合には、例えばレンズ24と
被走査体の位置を相対的に移動して走査する位置を決め
て後、回折光26のこの合焦点の位置をこのレーザ光出
力L21の波長λの変化Δfに応じて偏向させて被走査
体上の投影面25上を走査することを繰り返しておこな
うようにする。
【0031】なお、本例において回折格子23の面に入
射するこの光束のスポット径を回折格子23の格子ピッ
チの寸法に比較して大きくすることは、非線形光学結晶
18から出射し回折格子23に入射する出力レーザ光L
21の光束のパスに挿入した光学レンズ群22によって
出力レーザ光L21を平行光束に近い状態とすることに
より達成している。
【0032】次に、レーザ光出力L21の波長λをこの
ようにΔλだけ偏向させる為の動作について説明する。
【0033】レーザ光出力L21を非線形光学結晶18
の出射側から分岐し、この分岐したレーザ光出力L21
を電気光学素子19を通して後プリズム20に入射して
この分岐したレーザ光出力L21を分光し、この分光し
たレーザ光の中央波長分の出射方向に対して直交する方
向に光学ミラー16の反射面を向けることにより、この
中央波長分を電気光学素子19を通して非線形光学結晶
18に戻す光学的パスを形成する。
【0034】そしてこのように光学的パスを形成した状
態において電気光学素子19を電気信号で制御し、電気
光学素子19の電気光学効果による偏光の回転を利用し
てこの電気光学素子19を通して非線形光学結晶18に
戻すこの中央波長分のレーザ光の波長をこの電気信号に
応じて変化させ、この変化により非線形光学結晶18か
らレンズ22に入射する非線形光学結晶18の出力レー
ザ光L21の波長λをΔλだけ変化させるようにする。
【0035】したがって、電気光学素子19を電気信号
で制御することにより、被走査体上の投影面25上に投
影し合焦している回折光26の合焦点の位置を被走査体
上の投影面25内でdだけ偏向させることができるの
で、電気光学素子19を電気信号で繰り返し掃引するこ
とにより、この電気信号による電気光学素子19の繰り
返し掃引に同期して被走査体上の投影面25上に投影し
合焦している回折光26の合焦点の位置をこの電気信号
の掃引レベルの幅に応じた幅dだけ繰り返し掃引するこ
とができる。
【0036】よって、被走査体上の投影面25上に投影
し合焦している回折光26の合焦点の位置をこの電気信
号の掃引レベル幅に応じて繰り返し掃引している状態に
おいて、被走査体上の投影面25を回折光26により繰
り返し掃引している方向と直交する方向に移動するよう
になせば、この繰り返し掃引範囲とこの移動範囲で定ま
る2次元の範囲に渡って回折光26の合焦点で被走査体
上の投影面25を走査し検査することができる。
【0037】また被走査体上の投影面25を回折光26
により繰り返し掃引している方向と直交する方向に移動
する方法として、この被走査体を固定した状態でレンズ
24をこの直交する方向に移動するようにしてもよい。
【0038】本例によればこの被走査体を掃引する速度
は、電気光学素子19を電気信号で制御する速度で決ま
るので、この掃引速度を高い速度にすることが極めて容
易である。よってレンズ24のこの移動速度或いはこの
被走査体を移動する速度をそれ程高速化することなく、
被走査体を検査するために要する所要時間の短縮化を図
ることが極めて容易である。
【0039】また本例においては、プリズム20の代わ
りに偏光子(polarizer) 、ブリュースター(Brewster)
面など偏光依存透過率をもつ素子・面を使用して分光
をおこなうように構成してもよく、回折格子や音響光学
効果を具備した音響光学素子(acousto-optic device)
を使用して分光をおこなうように構成してもよい。
【0040】さらにまた本例においては、この分光した
レーザ光の中央波長分の出射方向に対して直交する方向
に置いた光学ミラー16の反射面の角度を、この直交方
向とは異なる角度に置くことによりこの中央波長分とは
異なる波長分をこの分光したレーザ光から選択するよう
にしてもよい。
【0041】また図1に示した例においては、コリメー
ション等の目的の為に、回折格子23の反射面を曲面に
なるように構成しているが、回折格子23の反射面を平
面に構成してもよい。
【0042】さらにまた本例においては、回折格子の回
折効率をあげる等の目的でブレーズ型(blazed)断面を
持つ形状の格子を回折格子23として用いてもよい。
【0043】さらにまた本例においては、回折効率が回
折格子23に対する入射偏光にも大きく依存することを
利用するために、回折格子23の面に入射する非線形光
学結晶18の出力レーザ光L21をTE波として生成す
るようにして、広い波長変化範囲での回折効果を高く維
持できるようにしてもよい。
【0044】さらにまた本例においては、この入射偏光
を変化させることによりこの回折効率を広範囲に可変で
きるようにしてもよい。
【0045】さらにまた本例においては、電気光学素子
19に供給する電気信号の変化を時間の経過に応じて制
御することにより、被走査体上の投影面25に対する回
折レーザ光26の合焦点の位置をこの時間の経過に応じ
て移動させながら走査するようにしてもよい。
【0046】さらにまた本例においては、電気光学素子
19の代わりとして音響光学変調器(acousto-optic mo
dulator )を使用してもよい。また波長可変レーザ13
の外に非線形光学結晶18を設けてもよく、この場合に
はこのミラー16は反射ミラーではなく出射ミラーとな
る。
【0047】さらにまた本例においては、チタニューム
サファイアレーザー結晶体17の代わりにその他の波長
可変レーザ媒質や光パラメトリック結晶を使用してもよ
く、一例として紫外域で発振する波長可変レーザ結晶で
あるCe:LiCAF等のレーザや、LiTaO3等の非線形光学結晶
を使用してもよい。
【0048】さらにまた本例においては、光学レンズ2
4を使用することなしに、光学レンズ群22でコリメー
ションして生成した平行レーザビーム光を被走査体上の
投影面25に投影するようしてもよい。
【0049】さらにまた本例においては、被走査体上の
投影面25を検査するための目的に本例を応用してもよ
く、或いは半導体ウエハ、半導体チップを被走査体とし
てこの被走査体を検査するための目的に本例を応用する
等、本例の精神を逸脱しない範囲において種々の目的を
実現するために応用し得るものである。
【0050】次に、波長可変レーザ光を用いて自動焦点
をおこなうようにした被検査体の検査装置の実施の形態
の一例について、図2を参照して説明する。
【0051】60はこの検査装置で、検査装置60を励
起光生成部29、レーザ装置36および合焦部49で構
成する。
【0052】励起光生成部29をレーザ励起光源30、
反射ミラー32,33および34、光学レンズ35なら
びにレーザ装置36で構成し、レーザ装置36を入力ミ
ラー37、反射ミラー38および43、出力ミラー3
9、Ce:LiCAFレーザ結晶体40、電気光学素子41なら
びにプリズム42で構成し、合焦部49を光学レンズ群
45、反射ミラー46および光学レンズ47で構成す
る。
【0053】レーザ励起光源30は Ce:LiCAF レーザ結
晶体40を励起する励起レーザ光L31を生成する光源
であり、L42はレーザ装置36から出力するレーザー
光、そして48は投影面であり、投影面48は被走査体
51上の被検査面の部分に形成される。
【0054】次に、図2に示して説明した波長可変レー
ザを用いて自動焦点をおこなう動作について説明する。
【0055】レーザ励起光源30で生成した励起レーザ
光L31を反射ミラー32,33、光学レンズ35、反
射ミラー34および入射ミラー37で導いてCe:LiCAFレ
ーザ結晶体40に入射し、Ce:LiCAFレーザ結晶体40を
励起レーザ光L31で励起して、Ce:LiCAFレーザ結晶体
40から波長約290nmのレーザ光を出射する(以下
の説明においては、Ce:LiCAFレーザ結晶体40から出射
するこのレーザ光をレーザー光L40と称する)。
【0056】レーザー光L40を反射ミラー38により
電気光学素子41に導き、電気光学素子41に供給する
電気信号に応じた電気光学効果による偏光の回転を利用
してレーザー光L40の波長を変化させて、波長可変レ
ーザ光L41を生成し、波長可変レーザ光L41をプリ
ズム42に入射して波長可変レーザ光L41を分光し、
この分光した波長可変レーザ光L41の中央波長成分L
42を出力ミラー39で選択し、選択した中央波長成分
L42を反射ミラー43により導き光学レンズ群45に
入射し、光学レンズ群45で中央波長成分L42をコリ
メートし、このコリメートしたレーザー光出力L44を
光学レンズ群45から出射する。
【0057】そして、光学レンズ群45から出射したレ
ーザー光出力L44を反射ミラー46に入射し、反射ミ
ラー46でレーザー光出力L44を光学レンズ47方向
に出射し、光学レンズ47によりレーザー光出力L44
を投影面48に合焦する。
【0058】このようにレーザー光出力L44が投影面
48に投影されて合焦している状態において、光学レン
ズ47の硝材の屈折率をn、曲面の曲率半径をrそして
焦点距離をfとしたとき、これれらn,rおよびfの間
の関係は次の(10)式如く表される。なおこの場合、
光学レンズ47を簡単のため単レンズとしてモデル化し
て説明する。
【0059】f=r/(n−1)・・・・・(10)
【0060】そして、光学レンズ47に入射するレーザ
ー光出力L44の波長λがΔλだけ変化したときの焦点
距離fの変化Δfは次の(11)式で与えられる。
【0061】 Δf=−(dn/dλ)f/(n−1)・・・・・(11)
【0062】なお(11)式において(dn/dλ)は
分散能(dispersive power)で、この分散能とは硝子な
どでの光の分散特性の尺度を表している。
【0063】また、Ce:LiCAFレーザ結晶体40の出力で
あるレーザー光L40の波長は約290nm、また、光
学レンズ47の硝材として合成石英を使用したとする
と、この波長域でのこの合成石英の屈折率は約1.5、
分散能(dn/dλ)は〜3×10-4であるから、光学
レンズ47の焦点距離f=1mmに選定した状態で、電
気光学素子41を電気信号で制御してレーザー光出力L
44の波長λを1nm増加させた場合は、(11)式か
らΔλ=−0.6μmとなる。
【0064】したがって、電気光学素子41を電気的に
制御してレーザー光出力L44の波長λをレーザー光L
40の波長に対して1nmだけ増加させると、光学レン
ズの合焦位置を図2にdで示した如く0.6μmだけ短
くすることができる。
【0065】よって本例によれば、光学レンズ47の合
焦位置を電気光学素子41を電気的に制御することによ
り投影面48に対してその深さ方向に高速で移動するこ
とができるので被検物体51の投影面48に対してその
深さ方向にこの合焦位置を敏速に移動させながら検査を
行うことが可能である。
【0066】またこのように、被検物体51の投影面4
8に対してその深さ方向に敏速な検査を行うことを可能
としたので、被検物体51の投影面48にピット部・ト
レンチ部が形成されている構造、或いは逆に凸部が形成
さてた構造等の如く多層構造をなしている場合でも、こ
れら多層構造の内の特定の層に限定して順次敏速な検査
を行うことが可能である。
【0067】また投影面48に対して光学レンズが常に
焦点を結んだ状態にする場合は、レーザー光出力L44
が投影面48で反射して光学レンズ47に戻ってきた反
射光を光学レンズ47と反射ミラー46との光路にビー
ムスプリッタ挿入して取りだし、この取りだしたこの戻
り光から非点収差法(astigmatic method )と4分割フ
ォト・ダイオード(4D- PD)を組み合わせた方法に
より焦点ずれに応じた信号を生成し、この焦点ずれに応
じた信号に基づき電気光学素子41を電気的に制御し
て、投影面48に対して光学レンズが常に焦点を結んだ
状態にする。
【0068】なお、本例においてはプリズム42の代わ
りに偏光子、ブリュースター面など偏光依存透過率をも
つ素子・面を使用して分光をおこなうように構成しても
よく、その他に回折格子あるいは音響光学効果を具備し
た音響光学素子を使用して分光をおこなうように構成し
てもよく、また電気光学素子41の代わりに音響光学素
子を使用してもよい。
【0069】また図2に示して説明した波長可変レーザ
を用いて焦点を結ばせる機能を図1に示して説明した波
長可変レーザ光を用いた光走査装置と組み合わせて合焦
機能を具備せしめた光走査装置としてもよい。
【0070】このように光走査装置を構成した場合は、
投影面48が多層構造をなしている場合でもこのような
多層構造を構成している層夫々について特定の範囲を選
択し敏速な検査を行うことが可能であり、これら多層構
造の内の特定の数層に限定して順次敏速な検査を行うこ
とが可能である。
【0071】またこのように構成した場合は、投影面4
8が多層構造をなしている場合でもこれら多層構造を構
成している層夫々の内の特定の数層に限定し、かつこれ
ら各層夫々のの特定な範囲を敏速に検査を行うことが可
能である。
【0072】また本例を、半導体ウエハ、半導体素子の
微細パターン、異物あるいは欠陥の検査装置として応用
することができる。
【0073】本例においては、レーザ結晶体としてCe:L
iCAFレーザ結晶体を用いてレーザ結晶体40を構成し、
波長約290nmのレーザ光を出射するとして説明した
が、この結晶体に限らず、このレーザ結晶体40として
波長約300nm以下のレーザ結晶体を使用することに
よっても本例の目的を達成することができる。
【0074】また本例においては、光学レンズ47の合
焦位置を電気光学素子41を電気的に制御することによ
り高速で移動することができるので敏速に検査を行うこ
とが可能であると説明したが、逆に光学レンズ47が焦
点を結ぶ位置を変化させる状態を時間の経過に応じてゆ
るやかにこの制御を行うようにして、検査を行うように
してもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、被検物体の任意の範囲
あるいはこの被検物体の深さ方向の任意の位置に対する
レーザ光の走査、合焦を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ光装置の回路構成の要部を示す
ブロック図である。
【図2】本発明のレーザ光装置の他の回路構成の要部を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・・・ レーザー励起光源、18・・・・・ 非線形光学結
晶、20・・・・・ 光学プリズム、23・・・・・ 回折格子、2
4・・・・・ 光学レンズ、25・・・・・ 被走査体上の投影面、
26・・・・・ 回折レーザ光、29‥‥励起光生成部、30
‥‥レーザ励起光源、36‥‥レーザ装置、41‥‥電
気光学素子、42‥‥プリズム、46‥‥反射ミラー、
47‥‥光学レンズ、48‥‥投影面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/37 G01N 21/88 645A Fターム(参考) 2G051 AA51 AB01 AB02 AB20 AC11 BA05 BA06 BA10 BB20 BC05 2H079 AA02 AA04 AA12 BA04 CA24 EA11 HA02 KA01 KA05 KA08 KA09 KA18 KA20 2K002 AA04 AB27 BA01 DA01 HA19 5F072 AB20 HH05 JJ12 JJ13 KK01 KK03 KK07 KK30 MM08 PP10 QQ04 RR05 YY08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長可変レーザ光源と、 波長依存性角度偏向手段とを有し、 前記波長依存性角度偏向手段に前記波長可変レーザ光源
    からのレーザ光を入力した状態で当該レーザ光の波長を
    変化させ、前記波長依存性角度偏向手段から出射したレ
    ーザ光を偏向させて、 前記レーザ光を投影した投影面上を当該レーザ光で走査
    するようにしたことを特徴とするレーザ光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記波長可変レーザ光源は、当該レーザ
    光源の波長を変化させる手段として電気光学手段または
    音響光学手段をもちいたことを特徴とする請求項1に記
    載のレーザ光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記波長可変レーザ光源は、波長300
    nm以下のレーザ光源であることを特徴とする請求項1
    に記載のレーザ光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光走査装置は、 レンズ、反射鏡、回折格子、またはこれらレンズ、反射
    鏡および回折格子の組み合わせにより前記レーザ光を前
    記投影面に投影するようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のレーザ光走査装置。
  5. 【請求項5】 前記波長依存性角度偏向手段が回折格子
    であり、前記レーザ光がTE波であることを特徴とする
    請求項1に記載のレーザ光走査装置。
  6. 【請求項6】 波長可変レーザ光源と、 波長依存性角度偏向手段とを有し、 前記波長依存性角度偏向手段に前記波長可変レーザ光源
    からのレーザ光を入力した状態で当該レーザ光の波長を
    変化させ、前記波長依存性角度偏向手段から出射したレ
    ーザ光を偏向させて、 前記レーザ光を投影した投影面上を前記波長の変化に応
    じて当該レーザ光で走査するようにしたことを特徴とす
    るレーザ光走査装置。
  7. 【請求項7】 波長可変レーザ光源と、 光路長または焦点距離が前記波長可変レーザ光源から得
    たレーザ光の波長に依存する投影光学手段とを有し、 前記投影光学手段に入射する前記レーザ光の波長を変化
    することにより前記レーザ光の合焦状態を制御するよう
    にしたことを特徴とする焦点制御装置。
  8. 【請求項8】 前記合焦状態を検出し、この検出に応じ
    て前記波長可変レーザ光源から前記投影光学手段に入射
    する前記レーザ光の波長を制御する手段を有することを
    特徴とする請求項7に記載の焦点制御装置。
  9. 【請求項9】 前記投影光学手段に入射する前記レーザ
    光の波長を変化する手段を電気光学手段または音響光学
    手段で構成したことを特徴とする請求項7に記載の焦点
    制御装置。
  10. 【請求項10】 前記波長可変レーザ光源は、波長30
    0nm以下のレーザ光源であることを特徴とする請求項
    7に記載の焦点制御装置。
  11. 【請求項11】 波長可変レーザ光源と、 光路長または焦点距離が前記波長可変レーザ光源から得
    たレーザ光の波長に依存する投影光学手段とを有し、 前記投影光学手段に入射する前記レーザ光の波長を変化
    することにより前記レーザ光の投影面に対する合焦位置
    を投影面から離間する方向に移動せしめ、かつこの移動
    した合焦位置を保つように制御するようにしたことを特
    徴とする請求項7に記載の焦点制御装置。
  12. 【請求項12】 波長可変レーザ光源と、 光路長または焦点距離が前記波長可変レーザ光源から得
    たレーザ光の波長に依存する投影光学手段とを有し、 前記投影光学手段に入射する前記レーザ光の波長を変化
    することにより前記レーザ光の投影面に対する合焦位置
    を投影面から離間する方向に移動せしめ、かつこの移動
    した合焦位置において前記投影面に添う所定の範囲に移
    動し得る状態に制御するようにしたことを特徴とする請
    求項7に記載の焦点制御装置。
  13. 【請求項13】 波長可変レーザ光源と、 光路長または焦点距離が前記波長可変レーザ光源から得
    たレーザ光の波長に依存する投影光学手段とを有し、 前記投影光学手段に入射する前記レーザ光の波長を時間
    とともに変化することにより前記レーザ光の投影面に対
    する合焦位置を時間とともに移動するようにしたことを
    特徴とするレーザ光走査装置。
  14. 【請求項14】 前記投影光学手段に入射する前記レー
    ザ光の波長を変化する手段を電気光学手段または音響光
    学手段で構成したことを特徴とする請求項13に記載の
    焦点制御装置。
  15. 【請求項15】 前記波長可変レーザ光源は、波長30
    0nm以下のレーザ光源であることを特徴とする請求項
    13に記載のレーザ光走査装置。
  16. 【請求項16】 前記投影光学手段に入射する前記レー
    ザ光の波長の時間とともに変化することに同期して前記
    レーザ光の投影面に対する合焦位置を時間とともに前記
    投影面内を移動するようにしたことを特徴とする請求項
    13に記載のレーザ光走査装置。
  17. 【請求項17】 波長可変レーザ光源と、 波長依存性角度偏向手段とを有し、 前記波長依存性角度偏向手段に対して前記波長可変レー
    ザ光源から入力するレーザ光の波長を変化させることに
    より、前記波長依存性角度偏向手段から出射するレーザ
    光を偏向させて被検物体上を走査するようにしたことを
    特徴とする検査装置。
  18. 【請求項18】 上記被検物体は半導体ウエハあるいは
    半導体チップであることを特徴とする請求項17に記載
    のレーザ光検査装置。
  19. 【請求項19】 波長可変レーザ光源と、 光路長または焦点距離が前記波長可変レーザ光源から得
    たレーザ光の波長に依存する投影光学手段とを有し、 前記投影光学手段に入射する前記レーザ光の波長を時間
    とともに変化することにより前記レーザ光の投影面に対
    する合焦位置を時間とともに移動するようにしたことを
    特徴とする走査装置。
  20. 【請求項20】 前記投影面に置かれる被検物体は半導
    体ウエハあるいは半導体素子であることを特徴とする請
    求項19に記載の走査装置。
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