JP2000173888A - 電子ビーム露光装置及び方法 - Google Patents
電子ビーム露光装置及び方法Info
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- JP2000173888A JP2000173888A JP10342848A JP34284898A JP2000173888A JP 2000173888 A JP2000173888 A JP 2000173888A JP 10342848 A JP10342848 A JP 10342848A JP 34284898 A JP34284898 A JP 34284898A JP 2000173888 A JP2000173888 A JP 2000173888A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 偏向手段が複数段の偏向器で構成される電子
ビーム露光装置において、より簡単な高い精度での試料
の高さの検出を可能にする。 【解決手段】 電子銃11と、収束手段30と、偏向手段
と、試料の移動機構2と、偏向データを出力するデータ
管理回路76とを備え、偏向手段は、複数の偏向器31a-31
d と、偏向データに偏向能率の係数を乗じる複数の演算
回路42a-42d と、偏向器の駆動信号を発生するアナログ
処理回路41a-41d とを備える電子ビーム露光装置におい
て、入射角を最小とする露光用の偏向能率の係数の組合
せを記憶する露光用偏向能率記憶手段74と、入射角が大
きな高さ測定用の偏向能率の係数の組合せを記憶する高
さ測定用偏向能率記憶手段75と、高さ測定用の偏向能率
の係数で試料上のマーク位置を検出し、マークの位置と
設定位置の差と入射角から試料の高さを演算する高さ演
算手段78とを備える。
ビーム露光装置において、より簡単な高い精度での試料
の高さの検出を可能にする。 【解決手段】 電子銃11と、収束手段30と、偏向手段
と、試料の移動機構2と、偏向データを出力するデータ
管理回路76とを備え、偏向手段は、複数の偏向器31a-31
d と、偏向データに偏向能率の係数を乗じる複数の演算
回路42a-42d と、偏向器の駆動信号を発生するアナログ
処理回路41a-41d とを備える電子ビーム露光装置におい
て、入射角を最小とする露光用の偏向能率の係数の組合
せを記憶する露光用偏向能率記憶手段74と、入射角が大
きな高さ測定用の偏向能率の係数の組合せを記憶する高
さ測定用偏向能率記憶手段75と、高さ測定用の偏向能率
の係数で試料上のマーク位置を検出し、マークの位置と
設定位置の差と入射角から試料の高さを演算する高さ演
算手段78とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光装
置に関し、特に電子ビーム露光装置における試料面の高
さ変化の測定技術に関する。
置に関し、特に電子ビーム露光装置における試料面の高
さ変化の測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は微細加工技術の進歩に
伴って一層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に
要求される性能は益々厳しいものになってきている。と
りわけ露光技術においては、従来使用されているステッ
パなどに用いられる光露光技術の限界が予想されてい
る。電子ビーム露光技術は、光露光技術に代わって微細
加工の次世代を担う可能性の高い技術である。
伴って一層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に
要求される性能は益々厳しいものになってきている。と
りわけ露光技術においては、従来使用されているステッ
パなどに用いられる光露光技術の限界が予想されてい
る。電子ビーム露光技術は、光露光技術に代わって微細
加工の次世代を担う可能性の高い技術である。
【0003】電子ビーム露光装置には、可変矩形露光方
式、ブロック露光方式、マルチビーム露光方式などの方
式がある。ここではブロック露光方式を例として説明を
行うが、本発明はこれに限定されるものではない。ブロ
ック露光方式は、繰り返し図形の単位となるパターンを
透過マスク上に持ち、これに電子ビームを透過させて単
位パターンを一度に発生させ、これをつないで繰り返し
図形を露光する方法である。
式、ブロック露光方式、マルチビーム露光方式などの方
式がある。ここではブロック露光方式を例として説明を
行うが、本発明はこれに限定されるものではない。ブロ
ック露光方式は、繰り返し図形の単位となるパターンを
透過マスク上に持ち、これに電子ビームを透過させて単
位パターンを一度に発生させ、これをつないで繰り返し
図形を露光する方法である。
【0004】図1は、ブロック露光方式の電子ビーム露
光装置におけるビーム照射系の構成を示す図である。図
1において、参照番号11は電子ビームを発生する電子
銃を、12は電子銃11からの電子ビームを平行ビーム
にする第1の収束レンズを、13は通過する平行ビーム
を所定の形状に成形するアパーチャーを、14は成形さ
れたビームを絞る第2の収束レンズを、15は成形用の
偏向器を、16は第1のマスク偏向器を、17はマスク
による非点収差を動的に補正する偏向器を、18は第2
のマスク偏向器を、19はマスク用収束コイルを、20
は第1の成形用レンズを、21はステージ21Aで移動
されるブロックマスクを、22は第2の成形用レンズ
を、23は第3のマスク偏向器を、24はビームをオン
・オフ制御するためのブランキング偏向器を、25は第
4のマクス偏向器を、26は第3のレンズを、27は円
形アパーチャを、28は縮小レンズを、29はダイナミ
ックフォーカスコイルを、30は投影レンズを、31は
電磁的な主偏向器を、32は静電的な副偏向器を示し、
33は試料1に照射された電子ビームの反射電子を検出
して反射電子信号を出力する反射電子検出器を示し、投
影レンズ30により電子ビーム10がステージ2に載置
された試料(ウエハ)1に収束される。ステージはウエ
ハ1を電子ビーム10に垂直な平面内で2次元的に移動
させる。以上の部分が電子光学鏡筒部(コラム)と呼ば
れる筐体内に収容され、コラム内は真空にされて露光が
行われる。電子ビーム露光装置は、更に所望のパターン
を露光するようにコラムの各部を制御する露光制御部を
有するが、ここでは説明を省略する。
光装置におけるビーム照射系の構成を示す図である。図
1において、参照番号11は電子ビームを発生する電子
銃を、12は電子銃11からの電子ビームを平行ビーム
にする第1の収束レンズを、13は通過する平行ビーム
を所定の形状に成形するアパーチャーを、14は成形さ
れたビームを絞る第2の収束レンズを、15は成形用の
偏向器を、16は第1のマスク偏向器を、17はマスク
による非点収差を動的に補正する偏向器を、18は第2
のマスク偏向器を、19はマスク用収束コイルを、20
は第1の成形用レンズを、21はステージ21Aで移動
されるブロックマスクを、22は第2の成形用レンズ
を、23は第3のマスク偏向器を、24はビームをオン
・オフ制御するためのブランキング偏向器を、25は第
4のマクス偏向器を、26は第3のレンズを、27は円
形アパーチャを、28は縮小レンズを、29はダイナミ
ックフォーカスコイルを、30は投影レンズを、31は
電磁的な主偏向器を、32は静電的な副偏向器を示し、
33は試料1に照射された電子ビームの反射電子を検出
して反射電子信号を出力する反射電子検出器を示し、投
影レンズ30により電子ビーム10がステージ2に載置
された試料(ウエハ)1に収束される。ステージはウエ
ハ1を電子ビーム10に垂直な平面内で2次元的に移動
させる。以上の部分が電子光学鏡筒部(コラム)と呼ば
れる筐体内に収容され、コラム内は真空にされて露光が
行われる。電子ビーム露光装置は、更に所望のパターン
を露光するようにコラムの各部を制御する露光制御部を
有するが、ここでは説明を省略する。
【0005】図2は、主偏向器31と副偏向器32の部
分のより詳しい構成を示す図である。図2に示すよう
に、主偏向器31は4つの電磁偏向器31a〜31dを
4段に組み合わせて構成されている。データ管理回路4
5から出力された主偏向データは主偏向第1演算回路4
2a〜主偏向第4演算回路42dで偏向能率C1 〜C4
が乗ぜられた後、主偏向第1DA/アンプ41a〜主偏
向第4DA/アンプ41dでアナログ信号に変換された
後増幅されて、各電磁偏向器31a〜31dに印加され
る。各電磁偏向器31a〜31dは、印加された信号に
応じて磁界を発生させ、電子ビーム10を偏向する。例
えば、図3の(1)に示すように、ある電磁偏向器で偏
向して位置を変化させた後、他の電磁偏向器で元の方向
に振り戻すことにより、電子ビームの出射位置は変化す
るが出射方向は常に試料1に垂直な方向になるようにす
る。これであれば、試料1の高さが変化しても露光位置
がほとんど変化しないので、露光像の劣化が低減できる
という利点がある。
分のより詳しい構成を示す図である。図2に示すよう
に、主偏向器31は4つの電磁偏向器31a〜31dを
4段に組み合わせて構成されている。データ管理回路4
5から出力された主偏向データは主偏向第1演算回路4
2a〜主偏向第4演算回路42dで偏向能率C1 〜C4
が乗ぜられた後、主偏向第1DA/アンプ41a〜主偏
向第4DA/アンプ41dでアナログ信号に変換された
後増幅されて、各電磁偏向器31a〜31dに印加され
る。各電磁偏向器31a〜31dは、印加された信号に
応じて磁界を発生させ、電子ビーム10を偏向する。例
えば、図3の(1)に示すように、ある電磁偏向器で偏
向して位置を変化させた後、他の電磁偏向器で元の方向
に振り戻すことにより、電子ビームの出射位置は変化す
るが出射方向は常に試料1に垂直な方向になるようにす
る。これであれば、試料1の高さが変化しても露光位置
がほとんど変化しないので、露光像の劣化が低減できる
という利点がある。
【0006】副偏向器32は、例えば、セラミック製の
円筒の内面に軸方向に延びる8枚の薄い金属膜を形成し
て電極とし、対向する電極に電圧を印加することで電界
を形成して入射する電子ビームを静電界で偏向する。デ
ータ管理回路45から出力された副偏向データは、副偏
向演算回路44で偏向能率Dが乗ぜられた後、副偏向D
A/アンプ43でアナログ信号に変換された後、増幅さ
れて各電極に印加される。なお、図示の関係で副偏向演
算回路44と副偏向DA/アンプ43はそれぞれ1個の
みを示したが、電極は8個あり、実際には各電極に対応
して副偏向演算回路44と副偏向DA/アンプ43の組
が8組設けられており、偏向能率もD1〜D8が個別に
設定される。図3の(2)に示すように、副偏向器32
に入射した電子ビームは徐々に偏向され、ある出射角度
で出射される。
円筒の内面に軸方向に延びる8枚の薄い金属膜を形成し
て電極とし、対向する電極に電圧を印加することで電界
を形成して入射する電子ビームを静電界で偏向する。デ
ータ管理回路45から出力された副偏向データは、副偏
向演算回路44で偏向能率Dが乗ぜられた後、副偏向D
A/アンプ43でアナログ信号に変換された後、増幅さ
れて各電極に印加される。なお、図示の関係で副偏向演
算回路44と副偏向DA/アンプ43はそれぞれ1個の
みを示したが、電極は8個あり、実際には各電極に対応
して副偏向演算回路44と副偏向DA/アンプ43の組
が8組設けられており、偏向能率もD1〜D8が個別に
設定される。図3の(2)に示すように、副偏向器32
に入射した電子ビームは徐々に偏向され、ある出射角度
で出射される。
【0007】偏向能率C1 〜C4及びD1は、与えられ
た主偏向データ及び副偏向データに比例した偏向位置が
得られるように設定される。一般に、主偏向器31は、
副偏向器32に比べて偏向範囲が大きいが応答速度が遅
い。そのため電子ビーム露光装置では露光効率の向上の
ため、図1及び図2に示すように、主偏向器31と副偏
向器32を組合せる。露光を行う場合には、主偏向器3
1の偏向範囲(実際には若干小さい範囲)を複数の副領
域に分割し、主偏向器31の偏向位置を各副領域の中心
とし、副偏向器32の偏向量を変化させながらその副領
域内のパターンを露光する。なお、ステージを移動しな
がら同じ列の副領域を順次露光する場合もある。
た主偏向データ及び副偏向データに比例した偏向位置が
得られるように設定される。一般に、主偏向器31は、
副偏向器32に比べて偏向範囲が大きいが応答速度が遅
い。そのため電子ビーム露光装置では露光効率の向上の
ため、図1及び図2に示すように、主偏向器31と副偏
向器32を組合せる。露光を行う場合には、主偏向器3
1の偏向範囲(実際には若干小さい範囲)を複数の副領
域に分割し、主偏向器31の偏向位置を各副領域の中心
とし、副偏向器32の偏向量を変化させながらその副領
域内のパターンを露光する。なお、ステージを移動しな
がら同じ列の副領域を順次露光する場合もある。
【0008】半導体装置の製造工程で使用される電子ビ
ーム露光装置の場合、試料としては半導体ウエハが使用
され、半導体ウエハの上にレジストを塗布し、それに電
子ビームでパターンを描画する。半導体ウエハの厚さは
ばらつき、若干の反りなどもあり、更にステージの移動
に伴う高さ変化などのため、ステージ2に載置した半導
体ウエハの表面位置、すなわち試料の高さにはばらつき
がある。そのため、試料の高さを測定して、電子ビーム
がその高さに収束するように調整する、すなわちフォー
カス位置(焦点距離)を合わせる必要がある。電子ビー
ム露光装置のフォーカス位置は、主として投影レンズ3
0で決定されるが、ダイナミックフォーカスコイル29
でフォーカス位置を小さな変化範囲であるが高速に変化
させることができる。従って、試料の高さ変化に応じて
フォーカス位置の調整は、ダイナミックフォーカスコイ
ル29を利用して行われる。なお、電子ビーム露光装置
では、電子ビームの電子同士が反発してビームがぼける
クーロンインタラクションと呼ばれる現象があり、照射
する電子ビームの量によりフォーカス位置が変化する。
ダイナミックフォーカスコイル29は、主としてこのフ
ォーカス位置の変化を補正する目的で使用されるが、試
料の高さ変化に対するフォーカス位置の調整にも使用で
きる。
ーム露光装置の場合、試料としては半導体ウエハが使用
され、半導体ウエハの上にレジストを塗布し、それに電
子ビームでパターンを描画する。半導体ウエハの厚さは
ばらつき、若干の反りなどもあり、更にステージの移動
に伴う高さ変化などのため、ステージ2に載置した半導
体ウエハの表面位置、すなわち試料の高さにはばらつき
がある。そのため、試料の高さを測定して、電子ビーム
がその高さに収束するように調整する、すなわちフォー
カス位置(焦点距離)を合わせる必要がある。電子ビー
ム露光装置のフォーカス位置は、主として投影レンズ3
0で決定されるが、ダイナミックフォーカスコイル29
でフォーカス位置を小さな変化範囲であるが高速に変化
させることができる。従って、試料の高さ変化に応じて
フォーカス位置の調整は、ダイナミックフォーカスコイ
ル29を利用して行われる。なお、電子ビーム露光装置
では、電子ビームの電子同士が反発してビームがぼける
クーロンインタラクションと呼ばれる現象があり、照射
する電子ビームの量によりフォーカス位置が変化する。
ダイナミックフォーカスコイル29は、主としてこのフ
ォーカス位置の変化を補正する目的で使用されるが、試
料の高さ変化に対するフォーカス位置の調整にも使用で
きる。
【0009】従来行われていた試料の高さ測定の方法
を、図4及び図5を参照して説明する。第1の方法は、
試料1の表面に電子反射率の異なる物質や構造で、あら
かじめマーク60を作成しておく。そして、投影レンズ
30で収束された電子ビームでこのマークを走査しなが
ら反射電子検出器33で反射電子信号を検出する。走査
は、例えば、副偏向器32の偏向量を変化させて行う。
図4の(1)に示すように、フォーカス位置が試料1の
表面に合っている場合には、走査に従って反射電子量は
(2)に示すようにマーク60のエッジの部分で急激に
変化し、その波形を微分した信号は(3)のようにピー
クの絶対値が大きくなる。これに対して、図4の(4)
に示すように、フォーカス位置が試料1の表面に合って
いない場合には、走査に従って反射電子量は(5)に示
すようになだらかに変化し、その波形を微分した信号は
(6)のようにピークの絶対値が小さい。そこで、試料
の表面と思われる付近でフォーカス位置を変えて走査を
行い上記のような反射電子量を測定する処理を最低5回
程度行い、微分波形の絶対値がもっとも大きくなる時に
フォーカス位置を試料の高さとしていた。
を、図4及び図5を参照して説明する。第1の方法は、
試料1の表面に電子反射率の異なる物質や構造で、あら
かじめマーク60を作成しておく。そして、投影レンズ
30で収束された電子ビームでこのマークを走査しなが
ら反射電子検出器33で反射電子信号を検出する。走査
は、例えば、副偏向器32の偏向量を変化させて行う。
図4の(1)に示すように、フォーカス位置が試料1の
表面に合っている場合には、走査に従って反射電子量は
(2)に示すようにマーク60のエッジの部分で急激に
変化し、その波形を微分した信号は(3)のようにピー
クの絶対値が大きくなる。これに対して、図4の(4)
に示すように、フォーカス位置が試料1の表面に合って
いない場合には、走査に従って反射電子量は(5)に示
すようになだらかに変化し、その波形を微分した信号は
(6)のようにピークの絶対値が小さい。そこで、試料
の表面と思われる付近でフォーカス位置を変えて走査を
行い上記のような反射電子量を測定する処理を最低5回
程度行い、微分波形の絶対値がもっとも大きくなる時に
フォーカス位置を試料の高さとしていた。
【0010】また、第2の方法は、電子ビーム10が試
料1にある入射角で入射する状態で試料1の上にあるマ
ークの位置を検出する時、試料1の高さの変化によりマ
ークを検出する偏向量が変化することを利用する方法で
ある。この方法は、ある高さを基準高さとして調整され
た装置において、図5に示すように、例えば副偏向器で
偏向してマーク60の位置を検出する。その後、マーク
60を光軸に対してほぼ対称な位置になるようにステー
ジを所定量移動して、同じように副偏向器で偏向してマ
ーク60の位置を検出する。ステージの移動量はレーザ
干渉測長器で正確に測定される。移動前後のマークは光
軸に対して対象な位置にあるので、マーク60の検出さ
れる時の副偏向器の信号は正負逆のほぼ同じ強度であ
る。前述のように、副偏向器による偏向であれば試料へ
の入射角が垂直以外の値になるので、あらかじめ偏向量
に対する入射角αを演算しておく。移動の前後で検出し
た位置の差が移動距離に相当する。試料60の表面、す
なわちマーク60が基準高さにある時には、検出した移
動距離はステージの移動量に位置するが、試料60の表
面の高さがΔhずれると、検出される移動距離は2Δh
・tan αだけ変化することになる。従って、移動距離の
変化量を検出すれば、入射角αが既知であるので、高さ
のずれΔhが求まる。
料1にある入射角で入射する状態で試料1の上にあるマ
ークの位置を検出する時、試料1の高さの変化によりマ
ークを検出する偏向量が変化することを利用する方法で
ある。この方法は、ある高さを基準高さとして調整され
た装置において、図5に示すように、例えば副偏向器で
偏向してマーク60の位置を検出する。その後、マーク
60を光軸に対してほぼ対称な位置になるようにステー
ジを所定量移動して、同じように副偏向器で偏向してマ
ーク60の位置を検出する。ステージの移動量はレーザ
干渉測長器で正確に測定される。移動前後のマークは光
軸に対して対象な位置にあるので、マーク60の検出さ
れる時の副偏向器の信号は正負逆のほぼ同じ強度であ
る。前述のように、副偏向器による偏向であれば試料へ
の入射角が垂直以外の値になるので、あらかじめ偏向量
に対する入射角αを演算しておく。移動の前後で検出し
た位置の差が移動距離に相当する。試料60の表面、す
なわちマーク60が基準高さにある時には、検出した移
動距離はステージの移動量に位置するが、試料60の表
面の高さがΔhずれると、検出される移動距離は2Δh
・tan αだけ変化することになる。従って、移動距離の
変化量を検出すれば、入射角αが既知であるので、高さ
のずれΔhが求まる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】電子ビームの焦点深度
は数十μmと大きく、試料の高さ変化に比べて像のぼ
け、すなわちシャープネスの低下が少ないため、上記の
第1の方法では高さの測定精度は1〜数μm程度であ
り、十分とはいえなかった。更に、第1の方法はフォー
カス位置を変えて5回以上の走査を行う必要があり、測
定に要する時間が長いという問題があった。この方法に
よる試料の高さ測定を試料の各点で行うと、全体として
はかなりの時間を要することになる。
は数十μmと大きく、試料の高さ変化に比べて像のぼ
け、すなわちシャープネスの低下が少ないため、上記の
第1の方法では高さの測定精度は1〜数μm程度であ
り、十分とはいえなかった。更に、第1の方法はフォー
カス位置を変えて5回以上の走査を行う必要があり、測
定に要する時間が長いという問題があった。この方法に
よる試料の高さ測定を試料の各点で行うと、全体として
はかなりの時間を要することになる。
【0012】第2の方法の測定精度は、入射角αの大き
さに依存する。主偏向器の偏向量は副偏向器のそれに比
べて大きく、途中での電子ビームの試料面に対する角度
は大きい。しかし、そのような大きな角度で試料面に入
射するのは画像形成の点から好ましくないので、前述の
ように偏向した後振り戻しており、主偏向器による偏向
を行った場合でも電子ビームの試料面への入射角はほぼ
垂直である。そこで、上記のように、第2の方法を行う
場合には副偏向器で偏向を行っている。しかし副偏向器
は偏向量も小さく、最大量の偏向した時でも電子ビーム
の試料面に対する入射角は約1/数百ラジアン(rad) 程
度である。第2の方法の測定精度は入射角αの大きさに
依存するため、この場合の長さの測定精度は第1の方法
と同様に1〜数μm程度であり、十分とはいえなかっ
た。
さに依存する。主偏向器の偏向量は副偏向器のそれに比
べて大きく、途中での電子ビームの試料面に対する角度
は大きい。しかし、そのような大きな角度で試料面に入
射するのは画像形成の点から好ましくないので、前述の
ように偏向した後振り戻しており、主偏向器による偏向
を行った場合でも電子ビームの試料面への入射角はほぼ
垂直である。そこで、上記のように、第2の方法を行う
場合には副偏向器で偏向を行っている。しかし副偏向器
は偏向量も小さく、最大量の偏向した時でも電子ビーム
の試料面に対する入射角は約1/数百ラジアン(rad) 程
度である。第2の方法の測定精度は入射角αの大きさに
依存するため、この場合の長さの測定精度は第1の方法
と同様に1〜数μm程度であり、十分とはいえなかっ
た。
【0013】主偏向器による偏向を行った場合にも電子
ビームの試料面への入射角αを大きくすることは可能で
あるが、入射角αを大きくすると、試料面の高さにより
電子ビームの照射位置の変化が大きくなり、露光パター
ンの配置精度の劣化を生じる。そのため、電子ビームの
試料面への入射角αを大きくすることは好ましくなく、
入射角αを大きくすることは行われていなかった。
ビームの試料面への入射角αを大きくすることは可能で
あるが、入射角αを大きくすると、試料面の高さにより
電子ビームの照射位置の変化が大きくなり、露光パター
ンの配置精度の劣化を生じる。そのため、電子ビームの
試料面への入射角αを大きくすることは好ましくなく、
入射角αを大きくすることは行われていなかった。
【0014】本発明は、このような問題を解決するもの
で、試料面の高さ検出の精度を向上させた電子ビーム露
光装置及び電子ビーム露光方法の実現を目的とする。
で、試料面の高さ検出の精度を向上させた電子ビーム露
光装置及び電子ビーム露光方法の実現を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明の電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方
法では、偏向器に印加する信号を演算する演算回路の偏
向能率を露光時と試料面の高さ測定時で変化させ、露光
時には偏向を行っても電子ビームが試料面にほぼ垂直に
入射するようにし、試料面の高さ測定時には電子ビーム
が試料面に大きな入射角度で入射するようにする。
め、本発明の電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方
法では、偏向器に印加する信号を演算する演算回路の偏
向能率を露光時と試料面の高さ測定時で変化させ、露光
時には偏向を行っても電子ビームが試料面にほぼ垂直に
入射するようにし、試料面の高さ測定時には電子ビーム
が試料面に大きな入射角度で入射するようにする。
【0016】すなわち、本発明の電子ビーム露光装置
は、電子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを試料
上に収束し、その焦点距離を動的に変動させることが可
能な収束手段と、電子ビームを偏向する偏向手段と、試
料を載置して移動する移動機構と、偏向器の偏向データ
を出力するデータ管理回路とを備え、偏向手段は、複数
の偏向器と、各偏向器毎に設けられ、偏向データに偏向
能率の係数を乗じて出力し、偏向能率の係数がそれぞれ
独立に任意に設定可能である複数の演算回路と、各演算
回路の出力を受けて、対応する偏向器に印加する駆動信
号を発生するアナログ処理回路とを備える電子ビーム露
光装置において、電子ビームが偏向データにより規定さ
れる偏向量だけ偏向され、電子ビームの試料面への入射
角を最小とする露光用の偏向能率の係数の組合せを算出
して記憶する露光用偏向能率記憶手段と、電子ビームが
偏向データにより規定される偏向量だけ偏向され、電子
ビームの試料面への入射角が大きな高さ測定用の偏向能
率の係数の組合せを算出して記憶する高さ測定用偏向能
率記憶手段と、複数の演算回路に高さ測定用の偏向能率
の係数を設定し、試料上の位置検出マークの位置を検出
し、検出した位置検出マークの位置と設定位置の差と前
記電子ビームの前記試料面への入射角から前記試料の高
さを演算する高さ演算手段とを備え、試料へのパターン
露光時には、複数の演算回路に露光用の偏向能率の係数
を設定して偏向を行うことを特徴とする。
は、電子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを試料
上に収束し、その焦点距離を動的に変動させることが可
能な収束手段と、電子ビームを偏向する偏向手段と、試
料を載置して移動する移動機構と、偏向器の偏向データ
を出力するデータ管理回路とを備え、偏向手段は、複数
の偏向器と、各偏向器毎に設けられ、偏向データに偏向
能率の係数を乗じて出力し、偏向能率の係数がそれぞれ
独立に任意に設定可能である複数の演算回路と、各演算
回路の出力を受けて、対応する偏向器に印加する駆動信
号を発生するアナログ処理回路とを備える電子ビーム露
光装置において、電子ビームが偏向データにより規定さ
れる偏向量だけ偏向され、電子ビームの試料面への入射
角を最小とする露光用の偏向能率の係数の組合せを算出
して記憶する露光用偏向能率記憶手段と、電子ビームが
偏向データにより規定される偏向量だけ偏向され、電子
ビームの試料面への入射角が大きな高さ測定用の偏向能
率の係数の組合せを算出して記憶する高さ測定用偏向能
率記憶手段と、複数の演算回路に高さ測定用の偏向能率
の係数を設定し、試料上の位置検出マークの位置を検出
し、検出した位置検出マークの位置と設定位置の差と前
記電子ビームの前記試料面への入射角から前記試料の高
さを演算する高さ演算手段とを備え、試料へのパターン
露光時には、複数の演算回路に露光用の偏向能率の係数
を設定して偏向を行うことを特徴とする。
【0017】また、本発明の電子ビーム露光方法は、電
子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを試料上に収
束し、その焦点距離を動的に変動させることが可能な収
束手段と、電子ビームを偏向する偏向手段と、試料を載
置して移動する移動機構と、偏向器の偏向データを出力
するデータ管理回路とを備え、偏向手段は、複数の偏向
器と、各偏向器毎に設けられ、偏向データに偏向能率の
係数を乗じて出力し、偏向能率の係数がそれぞれ独立に
任意に設定可能である複数の演算回路と、各演算回路の
出力を受けて、対応する偏向器に印加する駆動信号を発
生するアナログ処理回路とを備える電子ビーム露光装置
における露光方法であって、あらかじめ電子ビームが偏
向データにより規定される偏向量だけ偏向され、電子ビ
ームの試料面への入射角を最小とする露光用の偏向能率
の係数の組合せを演算して記憶する露光用偏向能率記憶
ステップと、あらかじめ電子ビームが偏向データにより
規定される偏向量だけ偏向され、電子ビームの試料面へ
の入射角が大きな高さ測定用の偏向能率の係数の組合せ
を演算して記憶する高さ測定用偏向能率記憶ステップ
と、複数の演算回路に高さ測定用の偏向能率の係数を設
定し、試料上の位置検出マークの位置を検出し、検出し
た位置検出マークの位置と設定位置の差と電子ビームの
試料面への入射角から試料の高さを演算する高さ演算ス
テップと、演算された試料の高さに応じた補正を行い、
複数の演算回路に露光用の偏向能率の係数を設定し、試
料へのパターン露光を行う露光ステップとを備えること
を特徴とする。
子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを試料上に収
束し、その焦点距離を動的に変動させることが可能な収
束手段と、電子ビームを偏向する偏向手段と、試料を載
置して移動する移動機構と、偏向器の偏向データを出力
するデータ管理回路とを備え、偏向手段は、複数の偏向
器と、各偏向器毎に設けられ、偏向データに偏向能率の
係数を乗じて出力し、偏向能率の係数がそれぞれ独立に
任意に設定可能である複数の演算回路と、各演算回路の
出力を受けて、対応する偏向器に印加する駆動信号を発
生するアナログ処理回路とを備える電子ビーム露光装置
における露光方法であって、あらかじめ電子ビームが偏
向データにより規定される偏向量だけ偏向され、電子ビ
ームの試料面への入射角を最小とする露光用の偏向能率
の係数の組合せを演算して記憶する露光用偏向能率記憶
ステップと、あらかじめ電子ビームが偏向データにより
規定される偏向量だけ偏向され、電子ビームの試料面へ
の入射角が大きな高さ測定用の偏向能率の係数の組合せ
を演算して記憶する高さ測定用偏向能率記憶ステップ
と、複数の演算回路に高さ測定用の偏向能率の係数を設
定し、試料上の位置検出マークの位置を検出し、検出し
た位置検出マークの位置と設定位置の差と電子ビームの
試料面への入射角から試料の高さを演算する高さ演算ス
テップと、演算された試料の高さに応じた補正を行い、
複数の演算回路に露光用の偏向能率の係数を設定し、試
料へのパターン露光を行う露光ステップとを備えること
を特徴とする。
【0018】本発明の電子ビーム露光装置及び方法によ
れば、パターン露光時には電子ビームが試料面にほぼ垂
直に入射するので試料面の高さに誤差があっても電子ビ
ームの照射位置の変化は小さく、露光パターンの配置精
度の劣化を生じない。また、試料面の高さ測定時には電
子ビームが試料面に大きな入射角度で入射するので、高
精度で試料面の高さを測定できる。
れば、パターン露光時には電子ビームが試料面にほぼ垂
直に入射するので試料面の高さに誤差があっても電子ビ
ームの照射位置の変化は小さく、露光パターンの配置精
度の劣化を生じない。また、試料面の高さ測定時には電
子ビームが試料面に大きな入射角度で入射するので、高
精度で試料面の高さを測定できる。
【0019】本発明は、例えば、図2に示した、光軸方
向の異なる位置に配置された複数の電磁偏向器を備える
主偏向器に適用されるが、主偏向器だけでなく、副偏向
器を含めて適用することも可能である。複数の偏向器の
演算回路のうちの1つのみの偏向能率の係数をゼロ以外
の値にし、他の演算回路の偏向能率の係数をゼロとすれ
ば、電子ビームの振り戻しができないので、入射角はゼ
ロ以外の値になる。複数の演算回路の偏向能率の係数の
うち1つだけをゼロ以外の値にし、他の係数をすべてゼ
ロにすれば、高さ測定用偏向能率の組合せの演算が容易
である。
向の異なる位置に配置された複数の電磁偏向器を備える
主偏向器に適用されるが、主偏向器だけでなく、副偏向
器を含めて適用することも可能である。複数の偏向器の
演算回路のうちの1つのみの偏向能率の係数をゼロ以外
の値にし、他の演算回路の偏向能率の係数をゼロとすれ
ば、電子ビームの振り戻しができないので、入射角はゼ
ロ以外の値になる。複数の演算回路の偏向能率の係数の
うち1つだけをゼロ以外の値にし、他の係数をすべてゼ
ロにすれば、高さ測定用偏向能率の組合せの演算が容易
である。
【0020】その場合、係数の一つのみがゼロでない値
であり、他の係数はすべてゼロである偏向能率の係数の
組合せは偏向器の個数分存在するが、それぞれの組合せ
について電子ビーム像の試料上でのシャープネスを評価
して、同じ入射角が得られる偏向能率の係数の組合せ
で、シャープネスの低下がもっとも小さい組合せを高さ
測定用の偏向能率の係数の組合せとすることが望まし
い。これであれば位置検出用マークの位置の検出が正確
に行える。
であり、他の係数はすべてゼロである偏向能率の係数の
組合せは偏向器の個数分存在するが、それぞれの組合せ
について電子ビーム像の試料上でのシャープネスを評価
して、同じ入射角が得られる偏向能率の係数の組合せ
で、シャープネスの低下がもっとも小さい組合せを高さ
測定用の偏向能率の係数の組合せとすることが望まし
い。これであれば位置検出用マークの位置の検出が正確
に行える。
【0021】なお、複数の係数がゼロ以外の値である条
件で入射角が所望の値になるように高さ測定用の偏向能
率の係数の組合せを決定する場合にも、同様にシャープ
ネスを最良にするようにすることが望ましい。露光用偏
向能率の係数の組合せを決定する場合には、電子ビーム
の試料面への入射角が偏向量によらずに常にゼロで、電
子ビーム像の試料上でのシャープネスを最良にする条件
で決定する。
件で入射角が所望の値になるように高さ測定用の偏向能
率の係数の組合せを決定する場合にも、同様にシャープ
ネスを最良にするようにすることが望ましい。露光用偏
向能率の係数の組合せを決定する場合には、電子ビーム
の試料面への入射角が偏向量によらずに常にゼロで、電
子ビーム像の試料上でのシャープネスを最良にする条件
で決定する。
【0022】高さを求める場合には、図5で説明したよ
うに、移動の前後で位置検出マークの位置を検出し、移
動前後の位置検出マークの位置の差から移動前後の位置
検出マークの距離を演算して、それと所定移動量の差及
び入射角から試料の高さを演算する。
うに、移動の前後で位置検出マークの位置を検出し、移
動前後の位置検出マークの位置の差から移動前後の位置
検出マークの距離を演算して、それと所定移動量の差及
び入射角から試料の高さを演算する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を電子ビーム露光装
置に適用した場合の実施例を説明するが、本発明はこの
ような構成の電子ビーム露光装置に限定されるものでは
ない。図6は、本発明の実施例の電子ビーム露光装置の
概略構成を示すブロック図である。参照番号8は図1に
示した電子ビームの光学系を収容するコラムを示し、図
では主偏向器31、副偏向器32、試料(半導体ウエ
ハ)1、ステージ2、ステージ移動機構3及び反射電子
検出器33のみを示し、他は省略してある。また、実際
の装置には複数のコンピュータが設けられ、装置全体を
制御する全体制御部や露光パターンから露光データを生
成する露光データ発生部などを分担して構成するが、こ
れらも省略する。
置に適用した場合の実施例を説明するが、本発明はこの
ような構成の電子ビーム露光装置に限定されるものでは
ない。図6は、本発明の実施例の電子ビーム露光装置の
概略構成を示すブロック図である。参照番号8は図1に
示した電子ビームの光学系を収容するコラムを示し、図
では主偏向器31、副偏向器32、試料(半導体ウエ
ハ)1、ステージ2、ステージ移動機構3及び反射電子
検出器33のみを示し、他は省略してある。また、実際
の装置には複数のコンピュータが設けられ、装置全体を
制御する全体制御部や露光パターンから露光データを生
成する露光データ発生部などを分担して構成するが、こ
れらも省略する。
【0024】ステージ制御回路4は全体制御部からの制
御信号に応じてステージ移動機構3を制御する。信号処
理回路34は反射電子検出器33の出力信号を増幅処理
する。主偏向信号発生回路71は、図2の主偏向第1D
A/アンプ41a〜主偏向第4DA/アンプ41d及び
主偏向第1演算回路42a〜主偏向第4演算回路42d
を合わせた部分であり、副偏向信号発生回路72は副偏
向DA/アンプ43及び副偏向演算回路44を合わせた
部分であり、CPU73はCPU46に対応し、偏向デ
ータ管理回路76はデータ管理回路45に対応する。従
って、副偏向器32は8枚の電極を有し、副偏向信号発
生回路72には各電極に対応して副偏向DA/アンプ4
3及び副偏向演算回路44も複数設けられているものと
する。また、マーク位置検出回路77と高さ演算回路7
8が設けられているが、従来例においても図5で説明し
た方法を行う場合には同様に設けられていた。
御信号に応じてステージ移動機構3を制御する。信号処
理回路34は反射電子検出器33の出力信号を増幅処理
する。主偏向信号発生回路71は、図2の主偏向第1D
A/アンプ41a〜主偏向第4DA/アンプ41d及び
主偏向第1演算回路42a〜主偏向第4演算回路42d
を合わせた部分であり、副偏向信号発生回路72は副偏
向DA/アンプ43及び副偏向演算回路44を合わせた
部分であり、CPU73はCPU46に対応し、偏向デ
ータ管理回路76はデータ管理回路45に対応する。従
って、副偏向器32は8枚の電極を有し、副偏向信号発
生回路72には各電極に対応して副偏向DA/アンプ4
3及び副偏向演算回路44も複数設けられているものと
する。また、マーク位置検出回路77と高さ演算回路7
8が設けられているが、従来例においても図5で説明し
た方法を行う場合には同様に設けられていた。
【0025】図示のように、本実施例では、CPU73
に露光時偏向能率記憶部74と高さ測定時偏向能率記憶
部75が設けられている。露光時偏向能率記憶部74
は、パターン露光時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4
演算回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算
して記憶する部分で、高さ測定時偏向能率記憶部75
は、高さ測定時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4演算
回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算して
記憶する部分である。
に露光時偏向能率記憶部74と高さ測定時偏向能率記憶
部75が設けられている。露光時偏向能率記憶部74
は、パターン露光時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4
演算回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算
して記憶する部分で、高さ測定時偏向能率記憶部75
は、高さ測定時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4演算
回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算して
記憶する部分である。
【0026】図7は、本実施例の電子ビーム露光装置に
おける処理動作を示すフローチャートである。以下、こ
のフローチャートに従って、処理動作を説明する。ステ
ップ101では、露光時偏向能率記憶部74がパターン
露光時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4演算回路及び
副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算して記憶す
る。この場合、図8の(1)に示すように、たとえ指示
された量偏向した場合でも、電子ビーム10のウエハへ
の入射はほぼ垂直になるように偏向能率を決定する。偏
向能率の決定に関する詳しい説明は後述する。なお、偏
向能率の決定は基準の高さに対して行われるものとす
る。
おける処理動作を示すフローチャートである。以下、こ
のフローチャートに従って、処理動作を説明する。ステ
ップ101では、露光時偏向能率記憶部74がパターン
露光時に主偏向第1演算回路〜主偏向第4演算回路及び
副偏向演算回路に設定する偏向能率を演算して記憶す
る。この場合、図8の(1)に示すように、たとえ指示
された量偏向した場合でも、電子ビーム10のウエハへ
の入射はほぼ垂直になるように偏向能率を決定する。偏
向能率の決定に関する詳しい説明は後述する。なお、偏
向能率の決定は基準の高さに対して行われるものとす
る。
【0027】ステップ102では、高さ測定時偏向能率
記憶部75が高さ測定時に主偏向第1演算回路〜主偏向
第4演算回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を
演算して記憶する。この場合、図8の(2)に示すよう
に、電子ビーム10のウエハへの入射角αが大きくなる
ように偏向能率を決定する。偏向能率の決定に関する詳
しい説明は後述する。なお、この時に、各偏向能率に組
合せでの偏向データに対する電子ビームのウエハへの入
射角を演算して記憶しておく。
記憶部75が高さ測定時に主偏向第1演算回路〜主偏向
第4演算回路及び副偏向演算回路に設定する偏向能率を
演算して記憶する。この場合、図8の(2)に示すよう
に、電子ビーム10のウエハへの入射角αが大きくなる
ように偏向能率を決定する。偏向能率の決定に関する詳
しい説明は後述する。なお、この時に、各偏向能率に組
合せでの偏向データに対する電子ビームのウエハへの入
射角を演算して記憶しておく。
【0028】ステップ103では、ステップ102で記
憶した高さ測定時の偏向能率を主偏向第1演算回路〜主
偏向第4演算回路及び副偏向演算回路に設定し、ステッ
プ104で、位置検出用マークの位置を検出する。位置
検出用マークの位置の検出は、位置検出用マークの付近
で偏向位置を変えて電子ビームの走査を行い、反射電子
検出信号の変化を検出して位置検出用マークのエッジを
検出することにより行う。ステップ105でステージ2
を移動させてマークを移動する。この時、マークは光軸
に対して対称な位置に移動することが望ましく、ステー
ジでの移動量をレーザ干渉測長器で正確に測定して記憶
する。ステップ106では、同様に移動後のマークの位
置を検出する。
憶した高さ測定時の偏向能率を主偏向第1演算回路〜主
偏向第4演算回路及び副偏向演算回路に設定し、ステッ
プ104で、位置検出用マークの位置を検出する。位置
検出用マークの位置の検出は、位置検出用マークの付近
で偏向位置を変えて電子ビームの走査を行い、反射電子
検出信号の変化を検出して位置検出用マークのエッジを
検出することにより行う。ステップ105でステージ2
を移動させてマークを移動する。この時、マークは光軸
に対して対称な位置に移動することが望ましく、ステー
ジでの移動量をレーザ干渉測長器で正確に測定して記憶
する。ステップ106では、同様に移動後のマークの位
置を検出する。
【0029】ステップ107では、ステップ104とス
テップ106で測定した移動前後の位置検出用マークの
位置の差を算出して移動前後の位置検出用マークの距離
を求める。ステップ108では、ステップ107で求め
た移動前後の位置検出用マークの距離と、ステップ10
5でのステージの移動距離の差を求め、ステップ102
で求めた電子ビームのウエハへの入射角に基づいて基準
高さからの高さの差を算出する。
テップ106で測定した移動前後の位置検出用マークの
位置の差を算出して移動前後の位置検出用マークの距離
を求める。ステップ108では、ステップ107で求め
た移動前後の位置検出用マークの距離と、ステップ10
5でのステージの移動距離の差を求め、ステップ102
で求めた電子ビームのウエハへの入射角に基づいて基準
高さからの高さの差を算出する。
【0030】ステップ109では、ステップ108で算
出した高さの差に応じて、電子ビームのフォーカスが補
正されると共に、露光時の偏向能率の係数を補正する。
これは、フォーカス位置が変化すると、主偏向器31及
び副偏向器32の偏向能率C1〜C4及びD(D1〜D
8)も変化する。例えば、取付け誤差に応じて主偏向器
31又は副偏向器32の軸が傾いた場合には光軸も傾く
が、光軸が傾くとフォーカス位置に応じて中心位置がず
れる。このような誤差はできるだけ小さくなるようにし
ているが全くゼロにはできない。そこで、あらかじめフ
ォーカス位置が変化した場合に偏向能率C1〜C4及び
Dをどのように変化させるべきかの試料高さと偏向能率
の相関関係をあらかじめ求めておき、この相関関係から
偏向能率の補正値を算出する。
出した高さの差に応じて、電子ビームのフォーカスが補
正されると共に、露光時の偏向能率の係数を補正する。
これは、フォーカス位置が変化すると、主偏向器31及
び副偏向器32の偏向能率C1〜C4及びD(D1〜D
8)も変化する。例えば、取付け誤差に応じて主偏向器
31又は副偏向器32の軸が傾いた場合には光軸も傾く
が、光軸が傾くとフォーカス位置に応じて中心位置がず
れる。このような誤差はできるだけ小さくなるようにし
ているが全くゼロにはできない。そこで、あらかじめフ
ォーカス位置が変化した場合に偏向能率C1〜C4及び
Dをどのように変化させるべきかの試料高さと偏向能率
の相関関係をあらかじめ求めておき、この相関関係から
偏向能率の補正値を算出する。
【0031】ステップ110では、補正した露光時の偏
向能率の係数を設定し、ステップ111で露光を行う。
次に、露光時及び高さ測定時の偏向能率の係数の決定方
法について説明する。図9は、1段の偏向器で電子ビー
ムを偏向した場合にウエハ上に照射される電子ビームの
スポット10aに与える影響を示した図である。第1の
影響は、ウエハ上の照射位置の変化、すなわち偏向位置
の変化である。第2の影響はウエハ面への電子ビームの
入射角の変化である。第3の影響は、収差による照射ス
ポットのぼけの変化である。この収差には、像面湾曲、
非点収差、偏向歪、コマ収差、偏向色収差などがある。
コマ収差と偏向色収差以外の収差は、電子光学系の収差
補正用レンズで補正することができる。従って、収差で
問題になるのは、コマ収差と偏向色収差である。
向能率の係数を設定し、ステップ111で露光を行う。
次に、露光時及び高さ測定時の偏向能率の係数の決定方
法について説明する。図9は、1段の偏向器で電子ビー
ムを偏向した場合にウエハ上に照射される電子ビームの
スポット10aに与える影響を示した図である。第1の
影響は、ウエハ上の照射位置の変化、すなわち偏向位置
の変化である。第2の影響はウエハ面への電子ビームの
入射角の変化である。第3の影響は、収差による照射ス
ポットのぼけの変化である。この収差には、像面湾曲、
非点収差、偏向歪、コマ収差、偏向色収差などがある。
コマ収差と偏向色収差以外の収差は、電子光学系の収差
補正用レンズで補正することができる。従って、収差で
問題になるのは、コマ収差と偏向色収差である。
【0032】例えば、1段の電磁偏向器で偏向した場合
の偏向量、入射角、コマ収差及び色収差は、電磁偏向器
への入力(励磁電流値)をliとすると、次のように表
される。 偏向量Xi=A・li ・・・(1) 入射角αi=B・li ・・・(2) コマ収差Ki=k・li ・・・(3) 色収差Ci=D・li ・・・(4) 上記のA、B、k、Dは光学系の設計段階で決まる定数
ベクトルである。
の偏向量、入射角、コマ収差及び色収差は、電磁偏向器
への入力(励磁電流値)をliとすると、次のように表
される。 偏向量Xi=A・li ・・・(1) 入射角αi=B・li ・・・(2) コマ収差Ki=k・li ・・・(3) 色収差Ci=D・li ・・・(4) 上記のA、B、k、Dは光学系の設計段階で決まる定数
ベクトルである。
【0033】これは、静電偏向器についても同じであ
り、電極間に印加する電圧値に対して同様の式が定ま
る。上記の量Xi、αi、Ki、Ciは、設計段階のシ
ミュレーションで予測することができる。偏向データが
Xdで、偏向器の演算回路に設定された偏向能率をEi
とすると、liはEi・Xdである。
り、電極間に印加する電圧値に対して同様の式が定ま
る。上記の量Xi、αi、Ki、Ciは、設計段階のシ
ミュレーションで予測することができる。偏向データが
Xdで、偏向器の演算回路に設定された偏向能率をEi
とすると、liはEi・Xdである。
【0034】例えば、2段の偏向器を組み合わせた場合
には、偏向量、入射角、コマ収差及び色収差は、2段の
偏向器のそれぞれの和で表され、偏向量と入射角は次の
ような式で表される。 偏向量X=(A1・E1+A2・E2)・Xd ・・・(5) 入射角度α=(B1・E1+B2・E2)・Xd ・・・(6) 従って、E1、E2の2つの可変であるパラメータがあ
るので、所定の偏向量が得られるようにした上で、入射
角αを自由に設定できる。すなわち、E1、E2の組合
せにより、入射角をゼロとしたり、ゼロ以外の値にでき
る。
には、偏向量、入射角、コマ収差及び色収差は、2段の
偏向器のそれぞれの和で表され、偏向量と入射角は次の
ような式で表される。 偏向量X=(A1・E1+A2・E2)・Xd ・・・(5) 入射角度α=(B1・E1+B2・E2)・Xd ・・・(6) 従って、E1、E2の2つの可変であるパラメータがあ
るので、所定の偏向量が得られるようにした上で、入射
角αを自由に設定できる。すなわち、E1、E2の組合
せにより、入射角をゼロとしたり、ゼロ以外の値にでき
る。
【0035】本実施例では、主偏向器は4段の電磁偏向
器であり、偏向量X、入射角α、コマ収差K及び色収差
Cは、次のような式で表される。 X=(A1・E1+A2・E2+A3・E3+A4・E4)・Xd …(7) α=(B1・E1+B2・E2+B3・E3+B4・E4)・Xd …(8) K=(k1・E1+k2・E2+k3・E3+k4・E4)・Xd …(9) C=(D1・E1+D2・E2+D3・E3+D4・E4)・Xd …(10) この場合、可変のパラメータがE1〜E4の4個である
ので、式(7)で偏向データXdに応じて所望の偏向量
Xが得られ、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロであると
の条件を満たした上で、自由に入射角αを決定すること
ができる。
器であり、偏向量X、入射角α、コマ収差K及び色収差
Cは、次のような式で表される。 X=(A1・E1+A2・E2+A3・E3+A4・E4)・Xd …(7) α=(B1・E1+B2・E2+B3・E3+B4・E4)・Xd …(8) K=(k1・E1+k2・E2+k3・E3+k4・E4)・Xd …(9) C=(D1・E1+D2・E2+D3・E3+D4・E4)・Xd …(10) この場合、可変のパラメータがE1〜E4の4個である
ので、式(7)で偏向データXdに応じて所望の偏向量
Xが得られ、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロであると
の条件を満たした上で、自由に入射角αを決定すること
ができる。
【0036】パターン露光時の偏向能率E1〜E4は、
入射角αがゼロで、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロで
あるとの条件を満たした上で、X=P・Xd(Pは単位
ベクトル)の関係が成り立つように決定する。高さ測定
時の偏向能率E1〜E4は、入射角αが所定の値で、か
つコマ収差Kと色収差Cがゼロであるとの条件を満たし
た上で、X=P・Xdの関係が成り立つように決定す
る。入射角αは、高さ測定で必要な精度とマーク位置の
検出精度から決められ、例えば、高さ測定の精度が10
0nm、位置検出精度が5nmとすると、入射角αは1
/20ラジアンとなる。これであれば、パターン露光時
にはシャープネスの高い良好なスポットが得られる状態
で、電子ビームは偏向位置にかかわらずウエハに垂直に
入射するので高さの変化による露光パターンの配置精度
の劣化を生ぜず、良好な品質の露光パターンが得られ
る。また、高さ測定時にもシャープネスの高い良好なス
ポットが得られる状態で、電子ビームは大きな入射角で
ウエハに入射するので、高さの測定精度が高くなる。
入射角αがゼロで、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロで
あるとの条件を満たした上で、X=P・Xd(Pは単位
ベクトル)の関係が成り立つように決定する。高さ測定
時の偏向能率E1〜E4は、入射角αが所定の値で、か
つコマ収差Kと色収差Cがゼロであるとの条件を満たし
た上で、X=P・Xdの関係が成り立つように決定す
る。入射角αは、高さ測定で必要な精度とマーク位置の
検出精度から決められ、例えば、高さ測定の精度が10
0nm、位置検出精度が5nmとすると、入射角αは1
/20ラジアンとなる。これであれば、パターン露光時
にはシャープネスの高い良好なスポットが得られる状態
で、電子ビームは偏向位置にかかわらずウエハに垂直に
入射するので高さの変化による露光パターンの配置精度
の劣化を生ぜず、良好な品質の露光パターンが得られ
る。また、高さ測定時にもシャープネスの高い良好なス
ポットが得られる状態で、電子ビームは大きな入射角で
ウエハに入射するので、高さの測定精度が高くなる。
【0037】上記の例では、高さ測定時の偏向能率E1
〜E4を、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロであるとの
条件を満たした上で、入射角αが所定の値になるように
設定したが、このような計算は複雑であるので、高さ測
定時の偏向能率E1〜E4を決定する場合には、コマ収
差Kと色収差Cを無視して、偏向能率E1〜E4のうち
の1個のみをゼロ以外の値にして、他の3つの値をすべ
てゼロにするようにしてもよい。これであれば計算が容
易である。また、上記の例では、偏向器が4段で、4つ
の可変のパラメータが存在したが、2段以上の偏向器で
あれば、本発明が適用可能である。例えば、2段構成の
偏向器であれば、コマ収差と色収差を調整できないが、
偏向データと偏向量の間に所定の関係が得られるように
した上で、パターン露光時には入射角をゼロ(垂直入
射)に、高さ測定時には大きな入射角に設定できる。偏
向器の段数が増加するに従って収差も調整してシャープ
ネスをよくできる。上記のように、4段の偏向器であれ
ば収差も完全に調整できるが、5段以上の偏向器であれ
ば、偏向能率の決定の自由度が増す。
〜E4を、かつコマ収差Kと色収差Cがゼロであるとの
条件を満たした上で、入射角αが所定の値になるように
設定したが、このような計算は複雑であるので、高さ測
定時の偏向能率E1〜E4を決定する場合には、コマ収
差Kと色収差Cを無視して、偏向能率E1〜E4のうち
の1個のみをゼロ以外の値にして、他の3つの値をすべ
てゼロにするようにしてもよい。これであれば計算が容
易である。また、上記の例では、偏向器が4段で、4つ
の可変のパラメータが存在したが、2段以上の偏向器で
あれば、本発明が適用可能である。例えば、2段構成の
偏向器であれば、コマ収差と色収差を調整できないが、
偏向データと偏向量の間に所定の関係が得られるように
した上で、パターン露光時には入射角をゼロ(垂直入
射)に、高さ測定時には大きな入射角に設定できる。偏
向器の段数が増加するに従って収差も調整してシャープ
ネスをよくできる。上記のように、4段の偏向器であれ
ば収差も完全に調整できるが、5段以上の偏向器であれ
ば、偏向能率の決定の自由度が増す。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
偏向手段が複数段の偏向器で構成される電子ビーム露光
装置において、より簡単に高い精度で試料の高さが検出
できるようになる。
偏向手段が複数段の偏向器で構成される電子ビーム露光
装置において、より簡単に高い精度で試料の高さが検出
できるようになる。
【図1】電子ビーム露光装置の電子光学コラムの構成を
示す図である。
示す図である。
【図2】現状の電子ビーム露光装置の偏向手段の構成を
示す図である。
示す図である。
【図3】現状の主偏向器と副偏向器における電子ビーム
の偏向の様子を説明する図である。
の偏向の様子を説明する図である。
【図4】従来の試料の高さ測定方法を説明する図であ
る。
る。
【図5】垂直入射でない電子ビームでマークの位置を検
出して試料の高さを測定する原理を説明する図である。
出して試料の高さを測定する原理を説明する図である。
【図6】本発明の実施例の電子ビーム露光装置の概略構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図7】実施例において試料の高さを測定して露光を行
う処理を示すフローチャートである。
う処理を示すフローチャートである。
【図8】パターン露光時と高さ測定時の電子ビームの入
射状態を示す図である。
射状態を示す図である。
【図9】偏向器により偏向した場合の試料上に照射され
る電子ビームのスポットへの影響を示す図である。
る電子ビームのスポットへの影響を示す図である。
1…試料(ウエハ) 11…電子銃 16、18、23、25…マスクデフレクタ 21…ブロックマスク 28…縮小レンズ 29…ダイナミックフォーカスレンズ 30…投影レンズ 31…主偏向器 31a〜31d…電磁偏向器 32…副偏向器 41a〜41d…主偏向DA/アンプ 42a〜42d…主偏向演算回路 71…主偏向信号発生回路 72…副偏向信号発生回路 73…CPU 74…露光時偏向能率記憶部 75…高さ測定時偏向能率記憶部 76…偏向データ管理回路 78…高さ演算回路
Claims (9)
- 【請求項1】 電子ビームを発生する電子銃と、前記電
子ビームを試料上に収束し、その焦点距離を動的に変動
させることが可能な収束手段と、前記電子ビームを偏向
する偏向手段と、前記試料を載置して移動する移動機構
と、前記偏向器の偏向データを出力するデータ管理回路
とを備え、 前記偏向手段は、 複数の偏向器と、 各偏向器毎に設けられ、前記偏向データに偏向能率の係
数を乗じて出力し、前記偏向能率の係数がそれぞれ独立
に任意に設定可能である複数の演算回路と、 各演算回路の出力を受けて、対応する偏向器に印加する
駆動信号を発生するアナログ処理回路とを備える電子ビ
ーム露光装置において、 前記電子ビームが前記偏向データにより規定される偏向
量だけ偏向され、前記電子ビームの前記試料面への入射
角を最小とする露光用の前記偏向能率の係数の組合せを
算出して記憶する露光用偏向能率記憶手段と、 前記電子ビームが前記偏向データにより規定される偏向
量だけ偏向され、前記電子ビームの前記試料面への入射
角が大きな高さ測定用の前記偏向能率の係数の組合せを
算出して記憶する高さ測定用偏向能率記憶手段と、 前記複数の演算回路に前記高さ測定用の偏向能率の係数
を設定し、試料上の位置検出マークの位置を検出し、検
出した前記位置検出マークの位置と設定位置の差と前記
電子ビームの前記試料面への入射角から前記試料の高さ
を演算する高さ演算手段とを備え、 試料へのパターン露光時には、前記複数の演算回路に前
記露光用の偏向能率の係数を設定して偏向を行うことを
特徴とする電子ビーム露光装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム露光装置で
あって、 前記偏向手段は、当該電子ビーム露光装置の光軸方向の
異なる位置に配置された複数の電磁偏向器を備え、 前記露光用偏向能率記憶手段及び前記高さ測定用偏向能
率記憶手段は、前記複数の電磁偏向器に対応する前記複
数の演算回路の偏向能率の係数を記憶する電子ビーム露
光装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子ビーム露光
装置であって、 前記入射角が大きな高さ測定用の前記偏向能率の係数の
組合せは、一つの係数以外はすべてゼロである電子ビー
ム露光装置。 - 【請求項4】 電子ビームを発生する電子銃と、前記電
子ビームを試料上に収束し、その焦点距離を動的に変動
させることが可能な収束手段と、前記電子ビームを偏向
する偏向手段と、前記試料を載置して移動する移動機構
と、前記偏向器の偏向データを出力するデータ管理回路
とを備え、 前記偏向手段は、 複数の偏向器と、 各偏向器毎に設けられ、前記偏向データに偏向能率の係
数を乗じて出力し、前記偏向能率の係数がそれぞれ独立
に任意に設定可能である複数の演算回路と、 各演算回路の出力を受けて、対応する偏向器に印加する
駆動信号を発生するアナログ処理回路とを備える電子ビ
ーム露光装置における露光方法であって、 あらかじめ前記電子ビームが前記偏向データにより規定
される偏向量だけ偏向され、前記電子ビームの前記試料
面への入射角を最小とする露光用の前記偏向能率の係数
の組合せを演算して記憶する露光用偏向能率記憶ステッ
プと、 あらかじめ前記電子ビームが前記偏向データにより規定
される偏向量だけ偏向され、前記電子ビームの前記試料
面への入射角が大きな高さ測定用の前記偏向能率の係数
の組合せを演算して記憶する高さ測定用偏向能率記憶ス
テップと、 前記複数の演算回路に前記高さ測定用の偏向能率の係数
を設定し、試料上の位置検出マークの位置を検出し、検
出した前記位置検出マークの位置と設定位置の差と前記
電子ビームの前記試料面への入射角から前記試料の高さ
を演算する高さ演算ステップと、 演算された前記試料の高さに応じた補正を行い、前記複
数の演算回路に前記露光用の偏向能率の係数を設定し、
試料へのパターン露光を行う露光ステップとを備えるこ
とを特徴とする電子ビーム露光方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の電子ビーム露光方法で
あって、 前記偏向手段は、当該電子ビーム露光装置の光軸方向の
異なる位置に配置された4個以上の電磁偏向器を備え、 前記露光用偏向能率記憶ステップ及び前記高さ測定用偏
向能率記憶ステップでは、前記4個以上の電磁偏向器に
対応する前記複数の演算回路の偏向能率の係数を記憶す
る電子ビーム露光方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の電子ビーム露光
方法であって、 前記入射角が大きな高さ測定用の前記偏向能率の係数の
組合せは、一つの係数以外はすべてゼロである電子ビー
ム露光方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の電子ビーム露光方法で
あって、 前記高さ測定用偏向能率記憶ステップは、 一つのみがゼロでない値であり、他の係数はすべてゼロ
である前記偏向能率の係数の組合せを設定して偏向した
前記電子ビーム像の試料上でのシャープネスを評価する
評価ステップと、 ゼロにする係数を変えて前記評価ステップを行うステッ
プと、 同じ入射角が得られる前記偏向能率の係数の組合せで、
前記シャープネスの低下がもっとも小さい組合せを前記
高さ測定用の偏向能率の係数の組合せとする電子ビーム
露光方法。 - 【請求項8】 請求項5に記載の電子ビーム露光方法で
あって、 前記露光用偏向能率記憶ステップでは、前記電子ビーム
の前記試料面への入射角が偏向量によらずに常にゼロ
で、前記電子ビーム像の試料上でのシャープネスを最良
にする条件で前記偏向能率の係数の組合せを決定し、 前記高さ測定用偏向能率記憶ステップでは、前記電子ビ
ームの前記試料面への入射角が所望の角度となり、前記
電子ビーム像の試料上でのシャープネスを最良にする条
件で前記偏向能率の係数の組合せを決定する電子ビーム
露光方法。 - 【請求項9】 請求項4から8のいずれか1項に記載の
電子ビーム露光方法であって、 前記高さ演算ステップは、 前記試料に形成された位置検出マークの位置を検出する
ステップと、 前記位置検出マークを所定移動量だけ移動させるステッ
プと、 前記位置検出マークの移動後の位置を検出するステップ
と、 移動前後の前記位置検出マークの位置の差から移動前後
の前記位置検出マークの距離を演算するステップと、 演算した距離と前記所定移動量の差と、前記電子ビーム
の前記試料面への入射角から前記試料の高さを演算する
電子ビーム露光方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10342848A JP2000173888A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 電子ビーム露光装置及び方法 |
TW088119855A TW546549B (en) | 1998-11-17 | 1999-11-15 | Electron beam exposure apparatus and exposure method |
KR1019990050793A KR100327010B1 (ko) | 1998-11-17 | 1999-11-16 | 전자빔 노출 장치 및 노출 방법 |
US09/442,588 US6407398B1 (en) | 1998-11-17 | 1999-11-17 | Electron beam exposure apparatus and exposure method |
EP99122859A EP1003201A2 (en) | 1998-11-17 | 1999-11-17 | Electron beam exposure apparatus and exposure method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10342848A JP2000173888A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 電子ビーム露光装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173888A true JP2000173888A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18356969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10342848A Pending JP2000173888A (ja) | 1998-11-17 | 1998-12-02 | 電子ビーム露光装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000173888A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101347614B1 (ko) | 2011-01-20 | 2014-01-03 | 가부시키가이샤 뉴플레어 테크놀로지 | 하전 입자빔 묘화 장치 및 하전 입자빔 묘화 방법 |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP10342848A patent/JP2000173888A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101347614B1 (ko) | 2011-01-20 | 2014-01-03 | 가부시키가이샤 뉴플레어 테크놀로지 | 하전 입자빔 묘화 장치 및 하전 입자빔 묘화 방법 |
TWI471893B (zh) * | 2011-01-20 | 2015-02-01 | Nuflare Technology Inc | Charge particle beam rendering device and charged particle beam rendering method |
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Legal Events
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