JP2000173510A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000173510A
JP2000173510A JP10344333A JP34433398A JP2000173510A JP 2000173510 A JP2000173510 A JP 2000173510A JP 10344333 A JP10344333 A JP 10344333A JP 34433398 A JP34433398 A JP 34433398A JP 2000173510 A JP2000173510 A JP 2000173510A
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Yoshihisa Sano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に高抵抗膜を有し、かつ電子源基板に対
向する領域に低抵抗膜を有するスペーサを媒介した漏れ
電流による画像間のクロストークを防止しつつ、スペー
サに生じる不均一な電位分布を抑制し、かつ画像の輝度
向上のために印加電圧レベルを上昇させることを目的と
する。 【解決手段】 低抵抗膜53のシート抵抗が駆動電圧化
での実効素子抵抗と同程度の値より大きく、高抵抗膜
(51及び52)のシート抵抗値よりも1桁は小さい値
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
し、特に、電子源を備えた平面型外囲器に加わる大気圧
を平面型外囲器内部より支持する為に外囲器内部にスペ
ーサを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱陰極素子と
冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素
子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型素子
(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出素
子(以下MIM型と記す)、などが知られている。
【0003】表面伝導型放出素子としては、例えば、M.
I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,129
0,(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.
Dittmer:“Thin Solid Films",9,317(197
2)]や、In2 3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Ha
rtwell and C.G.Fonstad:“IEEE Trans.ED Conf.",5
19(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木
久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]
等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図16に前述のM.Hartwel
lらによる素子の平面図を示す。同図において、300
1は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化
物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図
示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電
性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成さ
れる。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、
0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放
出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直
流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっく
りとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、
導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部30
05を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは
変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、
亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜
3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付
近において電子放出が行われる。
【0007】また、FE型の例は、例えば、W.P.Dyke &
W.W.Dolan,“Field emission",Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spin
dt,“Physical properties of thin-film field emissi
on cathodes with molybdenium cones",J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)などが知られてい
る。
【0008】FE型の素子構成の典型的な例として、図
17に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面
図を示す。同図において、3010は基板で、3011
は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタ
コーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極であ
る。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3
014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッ
タコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるも
のである。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図1
7のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型としては、例えば、C.A.Me
ad,“Operation of tunnel-emission Devices,J.Appl.P
hys.,32,646(1961)などが知られてい
る。MIM型の素子構成の典型的な例を図18に示す。
同図は断面図であり、図において、3020は基板で、
2021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100
オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8
0〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極
である。
【0011】MIM型においては、上電極3023と下
電極3021間に適宜の電圧を印加することにより、上
電極3023の表面より電子放出を起こさせるものであ
る。
【0012】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
ターを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が
単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板
上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融
などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒータ
ーの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異な
り、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点も
ある。
【0013】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0014】例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素
子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることか
ら、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、例えば本出願人による特開昭64−313
32号公報において開示されるように、多数の素子を配
列して駆動するための方法が研究されている。
【0015】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0016】特に、画像表示装置への応用としては、例
えば本出願人によるUSP5,066,883号公報や
特開平2−257551号公報や特開平4−28137
号公報において開示されているように、表面伝導型放出
素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み
合わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝
導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示
装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特
性が期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表
示装置と比較しても、自発光型であるためバックライト
を必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言
える。
【0017】また、FE型を多数個並べて駆動する方法
は、例えば本出願人によるUSP4,904,895に
開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用し
た例として、例えば、R.Meyerらにより報告され
た平板型表示装置が知られている。[R.Meyer:“Recent
Development on Microtips Display at LETI",Tech.Di
gest of 4th Int.Vacuum Microelectronics Conf.,Naga
hama,pp.6〜9(1991)]また、MIM型を多
数個並べて画像表示装置に応用した例は、例えば本出願
人による特開平3−55738号公報に開示されてい
る。
【0018】上記のような電子放出素子を用いた画像形
成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペ
ースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置
に置き換わるものとして注目されている。
【0019】図19は平面型の画像表示装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0020】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116及びフェースプレート31
17により、表示パネルの内部を真空に維持するための
外囲器(気密容器)を形成している。
【0021】リアプレート3115には基板3111が
固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子
3112が、n×m個形成されている(n,mは2以上の正
の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定
される。)。また、前記N×M個の冷陰極素子3112
は、図20に示すとおり、m本の行方向配線3113とn
本の列方向配線3114により配線されている。これら
基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線311
3及び列方向配線3114によって構成される部分をマ
ルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3113と
列方向配線3114の少なくとも交差する部分には、両
配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な
絶縁が保たれている。
【0022】フェースプレート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあ
り、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の
面には、Al等からなるメタルバック3119が形成さ
れている。
【0023】Dx1〜Dxm及びDy1〜Dyn及びH
vは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に
接続するために設けた気密構造の電気接続用端子であ
る。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線
3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列
方向配線3114と、Hvはメタルバック3119と各
々電気的に接続している。
【0024】また、上記気密容器の内部は10のマイナ
ス6乗Torr程度の真空に保持されており、画像表示
装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部
と外部の気圧差によるリアプレート3115及びフェー
スプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手段
が必要となる。リアプレート3115及びフェースプレ
ート3117を厚くすることによる方法は、画像表示装
置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見たと
きに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図20
においては、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支え
るための構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ばれ
る)3120が設けられている。このようにして、マル
チビーム電子源が形成された基板3111と蛍光膜31
18が形成されたフェースプレート3117間は通常サ
ブミリないし数ミリに保たれ、前述したように気密容器
内部は高真空に保持されている。
【0025】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加する
と、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート3117の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかし、外囲器の間隙
を維持するためのスペーサが設けられた画像形成装置に
ついて、電子源からの放出電流を増加させ、また電子源
から放出された電子にエネルギーを付与することによ
り、輝度の向上、高精細化を図る必要がある。
【0027】そのためには、電子源に対向配置された電
極に高電圧を印加しなければならないが、反面、電界強
度が大きくなるため電子源基板と電極基板に絶破壊が生
じやすい。
【0028】特に、スペーサの表面を伝わって発生する
沿面放電は、スペーサに電気的に接続された配線にそっ
た素子の破壊を引き起こしやすい。
【0029】そこで、本発明は、スペーサの表面を伝わ
って発生する沿面放電を抑制し、高輝度、高精細度の画
像形成装置を提供することを課題としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、複数の電子放出素子を有する電子源と、
前記電子源に対向配置された電極と、前記電子放出素子
より放出された電子の衝突により画像が形成される画像
形成部材と、前記電子源及び前記電極間に配置されたス
ペーサを有する画像形成装置であって、前記スペーサは
表面に高抵抗膜を有しかつ前記電子源に対向配置する領
域に低抵抗膜を有し、前記電子源の複数の素子駆動用配
線上にまたがって配置している。
【0031】上述した本発明においては、低抵抗膜のシ
ート抵抗が電子放出素子の駆動電圧下での実効素子抵抗
値の10%より大きい値とし、また高抵抗膜のシート抵
抗の10%よりは小さい値とする。
【0032】又、電子源は冷陰極型電子源を用いたもの
でもよい。
【0033】又、冷陰極型電子源は表面伝導型電子放出
素子を用いたものであってもよい。
【0034】又、素子駆動用配線が走査用配線と変調信
号用配線からなり、前記走査用配線と前記変調信号用配
線が行列上に配置され、かつスペーサにより近接する配
線に、スペーサが跨がって配置されるものであってもよ
い。
【0035】又、前記の表面に高抵抗膜を有するスペー
サに替えて、高抵抗部材を用いたスペーサを用いたもの
であってもよい。
【0036】又、前記低抵抗膜のシート抵抗が前記電子
放出素子の駆動電圧下での実効素子抵抗値以上で、前記
高抵抗膜のシート抵抗値の1%以下が望ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0038】図1は、本発明の画像形成装置の基本的な
構成を示す断面図である。11は基板、15はリアプレ
ート、16は側壁、17はフェースプレートであって、
15,16,17をあわせて外囲器が構成される。20
はスペーサで、絶縁性部材20aの上部に高抵抗膜20
bが成膜されている。18は蛍光体で、19は導電性の
部材(メタルバック)、13は電極である。
【0039】駆動用配線を跨いでスペーサが配置される
点が本発明の特徴部分である。
【0040】駆動用配線は、走査配線と、変調信号配線
からなる(詳細は後述)。これらの配線は行列状にリア
プレート上に配置される。この場合は走査配線と変調信
号配線の交差点の近傍に素子が形成される。
【0041】スペーサの配置について説明する。上述の
行列上に配線が形成されている場合は、素子を介さずス
ペーサと接する側の配線に跨がるように設置する(図中
ではX方向の配線)。
【0042】また、駆動用配線が行列状の場合には、ス
ペーサの形状を格子状にすることも可能である。この場
合も、電子放出素子からの電子軌道の妨げにならないよ
うに設置する。
【0043】スペーサと配線の接触について説明する。
スペーサが素子を介さないで接触する配線と、スペーサ
の間の接触は電気的接続を確保する必要がある一方、ス
ペーサと素子を介して電気的に接触する配線とスペーサ
の間は絶縁である必要がある。駆動用配線が行列状で
は、スペーサが素子を介す側の配線とスペーサ間は、空
間、あるいは絶縁部材の介在などによって絶縁を保つ。
【0044】スペーサの表面の抵抗は、シート抵抗が絶
縁あるいは絶縁に近く、表面電流が流れないものでもよ
いし、スペーサの表面に高抵抗膜薄膜などを形成して表
面に微少電流を流し、画像形成装置の駆動時の表面帯電
を防止する手法をとることも可能である。
【0045】本発明では、複数の駆動用配線と接触する
領域をつなぐように低抵抗な膜を形成した。ほぼ電気的
に同電位にする。その結果、スペーサ表面のリアプレー
トに平行な方向への極端な電位分布や、表面電流の分布
が抑えられる。
【0046】さらに本発明では、特に、リアプレート、
フェースプレート間に印加された高電圧により、両基板
間のスペーサ表面の沿面絶縁破壊が生じたとき以下の効
果が得られる。
【0047】本発明では、スペーサが素子を介さない駆
動用配線を、スペーサが複数跨いでいるので、スペーサ
表面に発生した沿面放電による過大電流などを、複数の
駆動用配線に逃す事が可能である。すると配線に連結す
る多数の素子を介して過大電流を分散できる。スペーサ
が1本の駆動用配線にのみつながっているとすると、そ
の配線に連結している少数の素子に過大電流が流れ、1
個当たりの素子に与えるダメージが大きくなる。
【0048】以上、スペーサを配線を跨いで配置する効
果を述べた。なお、複数の駆動用配線と接触する領域を
つなぐ低抵抗な膜の抵抗の大きさは次のような範囲を適
当とする。
【0049】スペーサは複数の駆動用配線を跨ぐため、
抵抗が低すぎると素子を駆動するとき配線間にリークが
生じ、駆動自体が不可能になる。このため抵抗値に下限
をもつが、その大きさは、リーク電流が無視できる大き
さ、例えば、駆動電圧下での実効素子抵抗の10%より
大きい値が望ましい。
【0050】さらに、抵抗の上限は、駆動時の放電の過
大電流の分散が可能な範囲とする。スペーサに形成され
た前記高抵抗膜のシート抵抗の10%程度の抵抗値を上
限とする。低抵抗膜の抵抗が大きすぎると、スペーサ表
面で生じた放電の電流が低抵抗膜領域で分散できず、特
定の駆動用配線の素子にのみ放電の過大電流が流れる事
になる。
【0051】ただし、さらに望ましくは低抵抗膜のシー
ト抵抗が素子の駆動電圧下での実効素子抵抗値以上で、
前記高抵抗膜のシート抵抗値の1%以下である。
【0052】次に、図2を参照して、本発明を適用した
画像表示装置の表示パネルの構成と製造法について、具
体的な例を示して説明する。
【0053】図2は、実施例に用いた表示パネルの斜視
図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠
いて示している。
【0054】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、例えばフリットガ
ラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を
防止する目的で、耐大気圧構造体として、スペーサ10
20が設けられている。
【0055】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がn×m個形成されている(n,mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表
示装置においては、n=3000,m=1000以上の
数を設定することが望ましい。)。前記n×m個の冷陰
極素子は、m本の行方向配線1013とn本の列方向配
線1014により単純マトリクス配線されている。前
記、1011〜1014によって構成される部分をマル
チ電子ビーム源と呼ぶ。
【0056】本発明の画像表示装置に用いるマルチ電子
ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制
限はない。従って、例えば表面伝導型放出素子やFE
型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いることが
できる。
【0057】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0058】図3に示すのは、図2の表示パネルに用い
たマルチ電子ビーム源の平面図である。基板1011上
には、表面伝導型放出素子が配列され、これらの素子は
行方向配線1013と列方向配線1014により単純マ
トリクス状に配線されている。行方向配線1013と列
方向配線1014の交差する部分には、電極間に絶縁層
(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれて
いる。
【0059】図3のB−B′に沿った断面を、図4に示
す。
【0060】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線1013、列方向配線1
014、電極間絶縁層(不図示)、及び表面伝導型放出
素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向配線
1013及び列方向配線1014を介して各素子に給電
して通電フォーミング処理(後述)と通電活性化処理
(後述)を行うことにより製造した。
【0061】本実施例においては、気密容器のリアプレ
ート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を固
定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板101
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板101
1自体を用いてもよい。
【0062】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施例はカラ
ー表示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはCR
Tの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が塗
り分けられている。各色の蛍光体は、例えば図5(a)
に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍光体のス
トライプの間には黒色の導電体1010が設けてある。
黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビームの照
射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生じない
ようにする事や、外光の反射を防止して表示コントラス
トの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜のチャージ
アップを防止する事などである。黒色の導電体1010
には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的に適す
るものであればこれ以外の材料を用いても良い。
【0063】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図5(a)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、例えば図5(b)に示すようなデルタ状配列
や、それ以外の配列であってもよい。
【0064】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0065】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。メタルバック1019を設けた目的は、
蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜101
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1018を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1019は、蛍光膜1018をフェースプレート
基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1019は用いない。
【0066】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板1017と蛍光膜1018との間に、
例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0067】図6は図2のA−A′の断面模式図であ
り、各部の番号は図2に対応している。スペーサ102
0は絶縁性部材1の表面に帯電防止を目的とした高抵抗
膜11を成膜し、かつフェースプレート1017の内側
(メタルバック1019等)及び基板1011の表面
(行方向(X方向)配線1013または列方向(Y方
向)配線1014)に面したスペーサの当接面3及び接
する側面部5に低抵抗膜21を成膜した部材からなるも
ので、上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要
な間隔をおいて配置され、フェースプレートの内側及び
基板1011の表面に接合材1041により固定され
る。また、高抵抗膜は、絶縁性部材1の表面のうち、少
なくとも気密容器内の真空中に露出している面に成膜さ
れており、スペーサ1020上の低抵抗膜22及び接合
材1041を介して、フェースプレート1017の内側
(メタルバック1019等)及び基板1011の表面
(行方向配線1013または列方向配線1014)に電
気的に接続される。ここで説明される態様においては、
スペーサ1020の形状は板状とし、行方向配線101
3に交叉して配置され、行方向配線1013に電気的に
接続されている。
【0068】スペーサ1020としては、基板1011
上の行方向配線1013及び列方向配線1014とフェ
ースプレート1017内面のメタルバック1019との
間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、か
つスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の導
電性を有する必要がある。
【0069】スペーサ1020の絶縁性部材1として
は、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少し
たガラス、例えば、総アルカリ量が10%以下、好ましく
は5%以下のガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等
のセラミックス部材等が挙げられる。なお、絶縁性部材
1はその熱膨張率が気密容器及び基板1011を成す部
材と近いものが好ましい。
【0070】スペーサ1020を構成する高抵抗膜11
には、高電位側のフェースプレート1017(メタルバ
ック1019等)に印加される加速電圧Vaを帯電防止
膜である高抵抗膜21の抵抗値Rsで除した電流が流さ
れる。そこで、スペーサの抵抗値Rsは帯電防止及び消
費電力からその望ましい範囲に設定される。帯電防止の
観点から表面抵抗R/□は10の12乗Ω以下であるこ
とが好ましい。十分な帯電防止効果を得るためには10
の11乗Ω以下がさらに好ましい。表面抵抗の下限はス
ペーサ形状とスペーサ間に印加される電圧により左右さ
れるが、10の5乗Ω以上であることが好ましい。
【0071】絶縁材料上に形成された帯電防止膜の厚み
tは10nm〜1μmの範囲が望ましい。材料の表面エ
ネルギー及び基板との密着性や基板温度によっても異な
るが、一般的に10nm以下の薄膜は島状に形成され、
抵抗が不安定で再現性に乏しい。一方、膜厚tが1μm
以上では膜応力が大きくなって膜はがれの危険性が高ま
り、かつ成膜時間が長くなるため生産性が悪い。従っ
て、膜厚は50〜500nmであることが望ましい。表
面抵抗R/□はρ/tであり、以上に述べたR□とtの
好ましい範囲から、帯電防止膜の比抵抗ρは0.1[Ω
cm]乃至10の8乗[Ωcm]が好ましい。さらに表
面抵抗と膜厚のより好ましい範囲を実現するため、ρは
10の2乗乃至10の6乗Ωcmとするのが良い。
【0072】スペーサは上述したようにその上に形成し
た帯電防止膜を電流が流れることにより、あるいはディ
スプレイ全体が動作中に発熱することによりその温度が
上昇する。帯電防止膜の抵抗温度係数が大きな負の値で
あると温度が上昇した時に抵抗値が減少し、スペーサに
流れる電流が増加し、さらに温度上昇をもたらす。そし
て電流は電源の限界を越えるまで増加しつづける。この
ような電流の暴走が発生する抵抗温度係数の値は経験的
に負の値で絶対値が1%以上である。すなわち、帯電防
止膜の抵抗温度係数は−1%未満であることが望まし
い。
【0073】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の材料
としては、例えば金属酸化物を用いることが出来る。金
属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好
ましい材料である。その理由はこれらの酸化物は二次電
子放出効率が比較的小さく、冷陰極素子1012から放
出された電子がスペーサ1020に当たった場合におい
ても帯電しにくいためと考えられる。金属酸化物以外に
も炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材料であ
る。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、スペー
サ抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0074】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の他の
材料として、アルミと遷移金属合金の窒化物は遷移金属
の組成を調整することにより、良伝導体から絶縁体まで
広い範囲に抵抗値を制御できるので好適な材料である。
さらには後述する表示装置の作製工程において抵抗値の
変化が少なく安定な材料である。かつ、その抵抗温度係
数が−1%未満であり、実用的に使いやすい材料であ
る。遷移金属元素としてはTi,Cr,Ta等が挙げら
れる。
【0075】合金窒化膜はスパッタ、窒素ガス雰囲気中
での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーテ
ィング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形成手段により
絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜形
成法で作製することができるが、この場合窒素ガスに代
えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキ
シド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。カーボン膜は
蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で作
製され、特に非晶質カーボンを作製する場合には、成膜
中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに
炭化水素ガスを使用する。
【0076】スペーサ1020を構成する低抵抗膜21
は、高抵抗膜11を高電位側のフェースプレート101
7(メタルバック1019等)及び低電位側の基板10
11(配線1013,1014等)と電気的に接続する
為に設けられたものであり、以下では、中間電極層(中
間層)という名称も用いる。中間電極層(中間層)は以
下に列挙する複数の機能を有することが出来る。
【0077】高抵抗膜11をフェースプレート1017
及び基板1011と電気的に接続する。
【0078】既に記載したように、高抵抗膜11はスペ
ーサ1020表面での帯電を防止する目的で設けられた
ものであるが高抵抗膜11をフェースプレート1017
(メタルバック1019等)及び基板1011(配線1
013,1014等)と直接或いは当接材1041を介
して接続した場合、接続部界面に大きな接触抵抗が発生
し、スペーサ表面に発生した電荷を速やかに除去できな
くなる可能性がある。これを避ける為にフェースプレー
ト1017、基板1011及び当接材1041と接触す
るスペーサ1020の当接面3或いは側面部5に低抵抗
の中間層を設けた。
【0079】高抵抗膜11の電位分布を均一化する。
【0080】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ1
020の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにする為
には高抵抗膜11の電位分布を全域にわたって制御する
必要がある。高抵抗膜11をフェースプレート1017
(メタルバック1019等)及び基板1011(配線1
013,1014等)と直接或いは当接材1041を介
して接続した場合、接続部界面の接触抵抗の為に、接続
状態のむらが発生し、高抵抗膜11の電位分布が所望の
値からずれてしまう可能性がある。これを避ける為にス
ペーサ1020がフェースプレート1017及び基板1
011と当接するスペーサ端部(当接面3或いは側面部
5)の全長域に低抵抗の中間層を設け、この中間層部に
所望の電位を印加することによって、高抵抗膜11全体
の電位を制御可能とした。
【0081】放出電子の軌道を制御する。
【0082】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ近
傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペー
サを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更
等)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむら
の無い画像を形成する為には、放出された電子の軌道を
制御してフェースプレート1017上の所望の位置に電
子を照射する必要がある。フェースプレート1017及
び基板1011と当接する面の側面部5に低抵抗の中間
層を設けることにより、スペーサ1020近傍の電位分
布に所望の特性を持たせ、放出された電子の軌道を制御
することが出来る。
【0083】低抵抗膜21は、高抵抗膜11に比べ十分
に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく、Ni,C
r,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等
の金属、あるいは合金、及びPd,Ag,Au,RuO
2 ,Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構
成される印刷導体、あるいはIn2 3 −SnO2 等の
透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等より適宜選
択される。
【0084】接合材1041はスペーサ1020が行方
向配線1013及びメタルバック1019と電気的に接
続するように、導電性をもたせる必要がある。すなわ
ち、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加し
たフリットガラスが好適である。
【0085】また、Dx1〜Dxm及びDy1〜Dyn
及びHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向
配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源
の列方向配線1014と、Hvはフェースプレートのメ
タルバック1019と電気的に接続している。
【0086】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例え
ばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしくは
高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該
ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マイ
ナス5乗ないしは1×10マイナス7乗[Torr]の
真空度に維持される。
【0087】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート1017の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0088】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
【0089】以上、本発明の実施例の表示パネルの基本
構成と製法、及び画像表示装置の概要を説明した。
【0090】次に、前記実施例の表示パネルに用いたマ
ルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。本発明
の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極
素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰極
素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。従って、
例えば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM型
などの冷陰極素子を用いることができる。
【0091】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電
子放出特性に優れしかも製造が容易に行えることを見い
だしている。従って、高輝度で大画面の画像表示装置の
マルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であると言
える。そこで、上記実施例の表示パネルにおいては、電
子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成した表
面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適な表面伝
導型放出素子について基本的な構成と製法及び特性を説
明し、その後で多数の素子を単純マトリクス配線したマ
ルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0092】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類が挙げられる。
【0093】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図7に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)及び断面図
(b)である。図中、1101は基板、1102と11
03は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は通
電フォーミング処理により形成した電子放出部、111
3は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0094】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミックス基板、あるいは上
述の各種基板上に例えばSiO2 を材料とする絶縁層を
積層した基板、などを用いることができる。
【0095】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn2 3 −SnO2 をはじめとする金属
酸化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜
材料を選択して用いればよい。電極を形成するには、例
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、
エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて用い
れば容易に形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷
技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0096】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0097】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0098】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0099】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pbなどをはじめとする金属や、PdO,Sn
2 ,In2 3 ,PbO,Sb2 3 などをはじめと
する酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB4 などをはじめとする硼化物や、T
iC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WCなどをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfNなどをは
じめとする窒化物や、Si,Geなどをはじめとする半
導体や、カーボンなどが挙げられ、これらの中から適宜
選択される。
【0100】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0101】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02及び1103とは、電気的に良好に接続されるのが
望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造をと
っている。その重なり方は、図102の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0102】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図102においては模式的に示した。
【0103】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105及びその近
傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミング
処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより
形成する。
【0104】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113
の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図10
2においては模式的に示した。また、平面図(a)にお
いては、薄膜1113の一部を除去した素子を図示し
た。
【0105】以上、好ましい素子の基体構成を述べた
が、実施例においては以下のような素子を用いた。
【0106】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0107】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメーター]とした。
【0108】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0109】図8(a)〜(d)は、表面伝導型放出素
子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の表記
は前記図7と同一である。
【0110】1)まず、図8(a)に示すように、基板
1101上に素子電極1102及び1103を形成す
る。
【0111】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる(堆積する方法としては、
例えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用い
ればよい。)。その後、堆積した電極材料を、フォトリ
ソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニング
し、(a)に示した一対の素子電極(1102と110
3)を形成する。
【0112】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。
【0113】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を
主要元素とする有機金属化合物の溶液である(具体的に
は、本実施例では主要元素としてPdを用いた。また、
実施例では塗布方法として、ディッピング法を用いた
が、それ以外の例えばスピンナー法やスプレー法を用い
てもよい。)。
【0114】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施例で用いた有機金属溶液の塗布
による方法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ法、あ
るいは化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0115】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0116】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0117】通電方法をより詳しく説明するために、図
9に、フォーミング用電源1110から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄膜
をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好まし
く、本実施例の場合には同図に示したようにパルス幅T
1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次
昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニ
ターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三角
波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1
111で計測した。
【0118】実施例においては、例えば10のマイナス
5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、例えば
パルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
るたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿入し
た。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないよう
に、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定
した。そして、素子電極1102と1103の間の電気
抵抗が1×10の6乗[オーム]になった段階、すなわ
ちモニターパルス印加時に電流計1111で計測される
電流が1×10のマイナス7乗[A]以下になった段階
で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0119】なお、上記の方法は、本実施例の表面伝導
型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微粒子
膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて通
電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0120】4)次に、図8(d)に示すように、活性
化用電源1112から素子電極1102と1103の間
に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子
放出特性の改善を行う。
【0121】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである(図においては、炭素
もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113とし
て模式的に示した。)。なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0122】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起原とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0123】通電方法をより詳しく説明するために、図
10(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定電
圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行った
が、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、パ
ルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10[ミ
リ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施例の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0124】図8(d)に示す1114は該表面伝導型
放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極で、直流高電圧電源1115及び電流計1
116が接続されている(なお、基板1101を、表示
パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合に
は、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114として
用いる。)。活性化用電源1112から電圧を印加する
間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活性
化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源1112
の動作を制御する。電流計1116で計測された放出電
流Ieの一例を図105(b)に示すが、活性化用電源
1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経
過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和して
ほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieが
ほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印
加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0125】なお、上述の通電条件は、本実施例の表面
伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条
件を適宜変更するのが望ましい。
【0126】以上のようにして、図8(e)に示す平面
型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0127】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0128】図11は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
【0129】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。従
って、前記図102の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202及び1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜12
04については、前記平面型の説明中に列挙した材料を
同様に用いることが可能である。また、段差形成部材1
206には、例えばSiO2 のような電気的に絶縁性の
材料を用いる。
【0130】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図12(a)〜(f)は、製造工程
を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図11
と同一である。
【0131】1)まず、図12(a)に示すように、基
板1201上に素子電極1203を形成する。
【0132】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、例えばSiO2 をスパッタ法で積層すればよいが、
例えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いて
もよい。
【0133】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0134】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素子
電極1203を露出させる。
【0135】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法などの
成膜技術を用いればよい。
【0136】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する(図
8(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング処
理と同様の処理を行えばよい。)。
【0137】7)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる(図8(d)を用いて説明した平
面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。)。
【0138】以上のようにして、図10(f)に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0139】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0140】図13に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、及び(素子
電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を
示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著し
く小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、こ
れらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを
変更することにより変化するものであるため、2本のグ
ラフは各々任意単位で図示した。
【0141】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0142】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0143】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0144】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0145】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0146】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、駆
動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth
以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電
圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切
り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表示
を行うことが可能である。
【0147】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0148】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。
【0149】図3に示すのは、前記図2の表示パネルに
用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上に
は、前記図7で示したものと同様な表面伝導型放出素子
が配列され、これらの素子は行方向配線電極1003と
列方向配線電極1004により単純マトリクス状に配線
されている。行方向配線電極1003と列方向配線電極
1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図
示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0150】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1013、列方向配
線電極1014、電極間絶縁層(不図示)、及び表面伝
導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行
方向配線電極1013及び列方向配線電極1014を介
して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性
化処理を行うことにより製造した。
【0151】(駆動回路及び駆動方法)図14は、NT
SC方式のテレビ信号に基づいてテレビジョン表示を行
う為の駆動回路の概略構成をブロック図で示したもので
ある。同図中、表示パネル1701は前述した表示パネ
ルに相当するもので、前述した様に製造され、動作す
る。また、走査回路1702は表示ラインを走査し、制
御回路1703は走査回路へ入力する信号等を生成す
る。シフトレジスタ1704は1ライン毎のデータをシ
フトし、ラインメモリ1705は、シフトレジスタ17
04からの1ライン分のデータを変調信号発生器170
7に入力する。同期信号分離回路1706はNTSC信
号から同期信号を分離する。
【0152】以下、図14の装置各部の機能を詳しく説
明する。
【0153】まず表示パネル1701は端子Dx1ない
しDxm及び端子Dy1ないしDyn、及び高圧端子H
vを介して外部の電気回路と接続されている。このう
ち、端子Dx1ないしDxmには、表示パネル1701
内に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちm行
n列の行列状にマトリクス配線された冷陰極素子を1行
(n素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が印加さ
れる。一方端子Dy1ないしDynには、前記走査信号
により選択された1行分のn個の各素子の出力電子ビー
ムを制御する為の変調信号が印加される。また、高圧端
子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば5[kV]の
直流電圧が供給されるが、これはマルチ電子ビーム源よ
り出力される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分な
エネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0154】次に、走査回路1702について説明す
る。同回路は、内部にm個のスイッチング素子(図中、
S1ないしSmで模式的に示されている)を備えるもの
で、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧
もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を
選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないしDxm
と電気的に接続するものである。S1ないしSmの各ス
イッチング素子は、制御回路1703が出力する制御信
号Tscanに基づいて動作するものだが、実際には例
えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせる事
により容易に構成することが可能である。なお、前記直
流電圧源Vxは、図108に例示した電子放出素子の特
性に基づき走査されていない素子に印加される駆動電圧
が電子放出しきい値電圧Vth電圧以下となるよう、一
定電圧を出力するよう設定されている。
【0155】また、制御回路1703は、外部より入力
する画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路1706より送られる同期信号T
syncに基づいて、各部に対してTscan及びTs
ft及びTmryの各制御信号を発生する。同期信号分
離回路1706は、外部から入力されるNTSC方式の
テレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離
する為の回路で、良く知られているように周波数分離
(フィルタ)回路を用いれば容易に構成できるものであ
る。同期信号分離回路1706により分離された同期信
号は、良く知られるように垂直同期信号と水平同期信号
より成るが、ここでは説明の便宜上、Tsync信号と
して図示した。一方、前記テレビ信号から分離された画
像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表すが、同信
号はシフトレジスタ1704に入力される。
【0156】シフトレジスタ1704は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1703より送られる制御信号Tsftに基づ
いて動作する。すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ1704のシフトクロックであると言い換える
こともできる。シリアル/パラレル変換された画像1ラ
イン分(電子放出素子n素子分の駆動データに相当す
る)のデータは、Id1ないしIdnのn個の信号とし
て前記シフトレジスタ1704より出力される。
【0157】ラインメモリ1705は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路1703より送られる制御信号Tmryに
従って適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶
された内容は、I′d1ないしI′dnとして出力さ
れ、変調信号発生器1707に入力される。
【0158】変調信号発生器1707は、前記画像デー
タI′d1ないしI′dnの各々に応じて、電子放出素
子1015の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、
その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて表示
パネル1701内の電子放出素子1015に印加され
る。
【0159】図13を用いて説明したように、本発明に
関わる表面伝導型放出素子は放出電流Ieに対して以下
の基本特性を有している。すなわち、電子放出には明確
な閾値電圧Vth(後述する実施例の表面伝導型放出素
子では8[V])があり、閾値Vth以上の電圧を印加
された時のみ電子放出が生じる。また、電子放出閾値V
th以上の電圧に対しては、図13のグラフのように電
圧の変化に応じて放出電流Ieも変化する。このことか
ら、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電
子放出閾値Vth以下の電圧を印加しても電子放出は生
じないが、電子放出閾値Vth以上の電圧を印加する場
合には表面伝導型放出素子から電子ビームが出力され
る。その際、パルスの波高値Vmを変化させることによ
り出力電子ビームの強度を制御することが可能である。
また、パルスの幅Pwを変化させることにより出力され
る電子ビームの電荷の総量を制御することが可能であ
る。
【0160】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器1707として、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いるこ
とができる。また、パルス幅変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器1707として、一定の波高値の
電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電
圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路
を用いることができる。
【0161】シフトレジスタ1704やラインメモリ1
705は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式の
ものでも採用できる。すなわち、画像信号のシリアル/
パラレル変換や記憶が所定の速度で行われればよいから
である。
【0162】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路1706の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これには同期信号分離回路170
6の出力部にA/D変換器を設ければよい。これに関連
してラインメモリ115の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器に用いられる回路
が若干異なったものとなる。すなわち、デジタル信号を
用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器1707に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器1707には、例えば高速の発振器及び発振器の
出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じ
て、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を電
子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器
を付加することもできる。
【0163】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器1707には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてシフトレ
ベル回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで
電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0164】このような構成をとりうる本発明の適用可
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを介して電
圧を印加することにより、電子放出が生じる。高圧端子
Hvを介してメタルバック1019あるいは透明電極
(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加
速された電子は、蛍光膜1018に衝突し、発光が生じ
て画像が形成される。
【0165】ここで述べた画像表示装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の思
想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につい
てはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限るも
のではなく、PAL,SECAM方式など他、これらよ
り多数の走査線からなるTV信号(MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0166】
【実施例】以下に述べる実施例は、マルチビーム電子源
として、前述した、電極間の導電性微粒子膜に電子放出
素子を利用したSCE素子を用いた。なお、これらの電
子ビーム源n×m個(n=3072、m=1024)
を、m本の行方向配線とn方向の列方向配線とによりマ
トリックス配線した。
【0167】長さ40mm、幅3mm、厚み0.2mm
のリアプレート1015と同質のガラス49(ソーダラ
イムガラスで概ね1013Ω・cm(室温)の比抵抗を有
す)表面に窒化シリコン膜50を0.5μmスパッタ法
により形成し、これを絶縁性部材とした。高抵抗膜とし
て、Cr−Al合金窒化膜51にトップコート層として
酸化クロム膜52を積層したものを使用した。厚みはそ
れぞれ200nm、5nmである(図13)。
【0168】尚、フェースプレート1017及び基板1
011上のメタルバック1019と列方向配線1014
に電気的に接続されたスペーサ1020の抵抗値は、表
面に高抵抗膜を有さないスペーサの絶縁性部材だけの場
合、約1×10の15乗〜1×10の16乗Ωであっ
た。
【0169】また、表面に高抵抗膜及び低抵抗膜を形成
した時のスペーサ抵抗値(高抵抗膜の低抵抗値)は、1
×10の7乗〜1×10の8乗Ωであった。
【0170】すなわち、高抵抗膜部分の抵抗値は、絶縁
性部材の抵抗値よりも何桁も低い値であった。
【0171】次に低抵抗膜として、フェースプレート、
リアプレートとの接続部に接続部と平行に100μmの
帯状に0.1μm厚みのNiO膜53を形成した。
【0172】高抵抗膜と、低抵抗膜のシート抵抗は、そ
れぞれ1×109 Ω/□、1×10 5 Ω/□に設定し
た。
【0173】又、素子の駆動電圧下での実効素子抵抗値
は1×10の5乗Ω/□であった。
【0174】スペーサ49はX方向配線1013を跨ぐ
方向に、フェースプレート1017上のメタルバックと
導電性フリットガラス1041を用いて接続されてい
る。導電性フリットガラスはフリットガラスに、表面を
金コーティングした導電性微粒子を混合したものを使用
し、スペーサ表面の高抵抗膜とリアプレート1015と
フェースプレート1017それぞれに電気的に接続して
ある。ここで、絶縁性部材は、ソーダライムガラスに限
らず、主にナトリウム成分からなるアルカリ金属成分の
少ない中性ホウケイサンガラス(例えばNEG社製BLC;R20
成分8%)等を用いても本発明のスペーサとして、同等
の効果を得られることは言うまでもない。本実施例で
は、前述した図2に示すスペーサ1020を配置した表
示パネルを作製した。以下、図2及び図6を用いて詳述
する。まず、あらかじめ基板上に行方向配線電極101
3、列方向配線電極1014、電極間絶縁層(不図
示)、及び表面伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜
を形成した基板1011を、リアプレート1015に固
定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材
1020aの表面のうち、気密容器内に露出する4面に
後述の高抵抗膜1020bを成膜し、当接面に導電膜1
020cを成膜したスペーサ1020(高さ5[m
m]、板厚200[マイクロメートル]、長さ20m
m)を基板1011の行方向配線1013上に等間隔
で、行方向配線1013と平行に固定した。その後、基
板1011の5mm上方に、内面に蛍光膜1018とメ
タルバック1019が付設されたフェースプレート10
17を側壁1016を介し配置し、リアプレート101
5、フェースプレート1017、側壁1016及びスペ
ーサ1020の各接合部を固定した。基板1011とリ
アプレート1015の接合部、リアプレート1015と
側壁1016の接合部、及びフェースプレート1017
と10側壁1016の接合部は、フリットガラス(不図
示)を塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分
以上焼成することで封着した。
【0175】また、スペーサ1020は、基板1011
側では行方向配線1013(線幅300[マイクロメー
トル])を跨いで配置され、フェースプレート1017
側ではメタルバック1019面上に、導電性のフィラー
あるいは金属等の導電材を混合した導電性フリットガラ
ス(不図示)を介して配置し、上記気密容器の封着と同
時に、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成
することで、接着しかつ電気的な接続も行った。
【0176】なお、本実施例においては、蛍光膜101
8は、図14に示すように、各色蛍光体21aが列方向
(Y方向)に延びるストライプ形状を採用し、黒色の導
電体21bは各色蛍光体(R,G,B)21a間だけで
なく、Y方向の各画素間をも分解するように配置された
蛍光膜が用いられ、スペーサ1020は、行方向(X方
向)に平行な黒色の導電体21b領域(線幅300[マ
イクロメートル])内にメタルバック1019を介して
配置された。なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光
体21aと基板1011上に配置された各素子とを対応
させなくてはいけないため、リアプレート1015、フ
ェースプレート1017及びスペーサ1020は十分な
位置合わせを行った。
【0177】以上のようにして完成した気密容器内を排
気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜
Dynを通じ、行方向配線電極1013及び列方向配線
電極1014を介して各素子に給電して前述の通電フォ
ーミング処理と通電活性化処理を行うことによりマルチ
電子ビーム源を製造した。
【0178】次に、10のマイナス6乗[Torr]程
度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱する
ことで溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。
【0179】最後に、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッター処理を行った。
【0180】以上のように完成した、図2及び図6に示
されるような表示パネルを用いた画像表示装置におい
て、各冷陰極素子(表面伝導型放出素子)1012に
は、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通
じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段より
それぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバ
ック1019には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加す
ることにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜1018
に電子を衝突させ、各色蛍光体21a(図15のR,
G,B)を励起・発光させることで画像を表示した。
尚、低抵抗膜のシート抵抗が、104Ω/□でも十分な
効果が得られた。
【0181】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、スペーサ
を介した配線間漏れ電流による電圧降下が小さいのでス
ペーサ近傍の電子放出素子からの放出電流値はばらつか
ない。一方、電子源基板とスペーサ間の電気的接続が不
均一であっても、上記条件の低抵抗膜により不均一の補
償がなされるのでスペーサ上に不意の電位分布(放電な
ど)が発生しないので、それによる画像劣化が防止でき
る、画像劣化のない画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の斜視図
【図2】本発明を適用したの画像形成装置の表示パネル
の斜視図
【図3】図2の表示パネルに用いた電子ビーム源の平面
【図4】図3の電子ビーム源のB-B'に沿った断面図
【図5】蛍光体のレイアウト図
【図6】図2の表示パネルのA-A'に沿った断面図
【図7】平面型の表面伝導型電子放出素子の平面図及び
断面図
【図8】平面型の表面伝導型電子放出素子の製造工程図
【図9】フォーミング電圧の波形図
【図10】活性化処理を説明するための波形図
【図11】垂直型の表面伝導型電子放出素子の断面図
【図12】垂直型の表面伝導型電子放出素子の製造工程
【図13】電子放出素子の特性を示すグラフ
【図14】テレビジョン表示を行うための駆動回路のブ
ロック図
【図15】本発明の実施例において用いた蛍光体のレイ
アウト図
【図16】従来の表面伝導型電子放出素子の平面図
【図17】電界放出型電子放出素子の断面図
【図18】MIM型電子放出素子の断面図
【図19】平面型の画像形成装置をなす表示パネル部の
一例を示す斜視図
【符号の説明】
1010 黒色の導電体 1011 基板 1012 冷陰極素子 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1015 リアプレート 1016 側壁 1017 フェースプレート 1018 蛍光膜 1019 メタルバック 1020 スペーサ 1101 基板 1102,1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部 1110 フォーミング用電源 1111 電流計 1112 活性化用電源 1113 通電活性化処理により形成した薄膜 1114 アノード電極 1115 直流高電圧電源 1116 電流計 1201 基板 1202,1203 素子電極 1204 導電性薄膜 1205 電子放出部 1206 段差形成部材 1213 通電活性化処理により形成した薄膜 1701 表示パネル 1702 走査回路 1703 制御回路 1704 シフトレジスタ 1705 ラインメモリ 1706 同期信号分離回路 1707 変調信号発生器 3001 基板 3004 導電性薄膜 3005 電子放出部 3010 基板 3011 エミッタ配線 3012 エミッタコーン 3013 絶縁層 3014 ゲート電極 3020 基板 3021 下電極 3022 絶縁層 3023 上電極 3111 基板 3112 冷陰極素子 3113 行方向配線 3114 列方向配線 3115 リアプレート 3116 側壁 3117 フェースプレート 3118 蛍光膜 3119 メタルバック 3120 スペーサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を有する電子源と、
    前記電子源に対向配置された電極と、前記電子放出素子
    より放出された電子の衝突により画像が形成される画像
    形成部材と、前記電子源及び前記電極間に配置されたス
    ペーサを有する画像形成装置において、 前記スペーサは表面に高抵抗膜を有しかつ前記電子源に
    対向配置する領域に低抵抗膜を有し、前記電子源の複数
    の素子駆動用配線上にまたがって配置されていることを
    特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記電子源は冷陰極型電子源であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記冷陰極型電子源は表面伝導型電子放出素子であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、上記素子駆動用配線が走査用配線と変調信号用配線
    からなり、前記走査用配線と前記変調信号用配線が行列
    上に配置され、かつスペーサにより近接する配線に、ス
    ペーサが跨がって配置されることを特徴とする画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 複数の電子放出素子を有する電子源と、
    前記電子源に対向配置された電極と、前記電子放出素子
    より放出された電子の衝突により画像が形成される画像
    形成部材と、前記電子源及び前記電極間に配置されたス
    ペーサを有する画像形成装置において、 前記スペーサは高抵抗部材であり、 前記高抵抗部材の表面の前記電子源に対向配置する領域
    に低抵抗膜を有し、前記電子源の複数の素子駆動用配線
    上にまたがって配置されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像形成装置におい
    て、前記電子源は冷陰極型電子源であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の画像形成装置におい
    て、前記冷陰極型電子源は表面伝導型電子放出素子であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の画像形成装置におい
    て、上記素子駆動用配線が走査用配線と変調信号用配線
    からなり、前記走査用配線と前記変調信号用配線が行列
    上に配置され、かつスペーサにより近接する配線に、ス
    ペーサが跨がって配置されることを特徴とする画像形成
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、5のいずれか一つに記載され
    た画像形成装置において、前記低抵抗膜のシート抵抗が
    前記電子放出素子の駆動電圧下での実効素子抵抗値以上
    で、前記高抵抗膜のシート抵抗値の1%以下であること
    を特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1、5のいずれか一つに記載さ
    れた画像形成装置において、前記低抵抗膜のシート抵抗
    が前記電子放出素子の駆動電圧下での実効素子抵抗値の
    10%以上で、前記高抵抗膜のシート抵抗の10%以下
    であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128884A (ja) * 2005-10-31 2007-05-24 Samsung Sdi Co Ltd スペーサ及びこれを備えた電子放出ディスプレイ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128884A (ja) * 2005-10-31 2007-05-24 Samsung Sdi Co Ltd スペーサ及びこれを備えた電子放出ディスプレイ
US7719176B2 (en) 2005-10-31 2010-05-18 Samsung Sdi Co., Ltd. Spacer configured to prevent electric charges from being accumulated on the surface thereof and electron emission display including the spacer

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