JP2000164129A - スペ―サの製造方法および前記スペ―サを用いた画像形成装置の製造方法並びにスペ―サの製造装置 - Google Patents

スペ―サの製造方法および前記スペ―サを用いた画像形成装置の製造方法並びにスペ―サの製造装置

Info

Publication number
JP2000164129A
JP2000164129A JP11262674A JP26267499A JP2000164129A JP 2000164129 A JP2000164129 A JP 2000164129A JP 11262674 A JP11262674 A JP 11262674A JP 26267499 A JP26267499 A JP 26267499A JP 2000164129 A JP2000164129 A JP 2000164129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacer
substrate
electrode
base material
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11262674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3689598B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Ito
靖浩 伊藤
Masahiro Fushimi
正弘 伏見
Kunihiro Sakai
邦裕 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP26267499A priority Critical patent/JP3689598B2/ja
Priority to US09/399,811 priority patent/US6517399B1/en
Publication of JP2000164129A publication Critical patent/JP2000164129A/ja
Priority to US10/265,232 priority patent/US6926571B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3689598B2 publication Critical patent/JP3689598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/24Manufacture or joining of vessels, leading-in conductors or bases
    • H01J9/241Manufacture or joining of vessels, leading-in conductors or bases the vessel being for a flat panel display
    • H01J9/242Spacers between faceplate and backplate
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/18Assembling together the component parts of electrode systems
    • H01J9/185Assembling together the component parts of electrode systems of flat panel display devices, e.g. by using spacers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8625Spacing members
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8625Spacing members
    • H01J2329/863Spacing members characterised by the form or structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8625Spacing members
    • H01J2329/865Connection of the spacing members to the substrates or electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8625Spacing members
    • H01J2329/865Connection of the spacing members to the substrates or electrodes
    • H01J2329/8655Conductive or resistive layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空減圧装置を必要とせずに、低抵抗膜(電
極)を付与したスペーサを容易に、かつ安価に作成す
る。 【解決手段】 画像形成部材が配置された第一の基板
と、電子放出素子が配置された第二の基板との間に配置
されるスペーサの製造方法であって、ガラス母材501
を用意し、そのガラス母材501の一部を、ヒータ50
2により加熱しながら引き伸ばし、その引き伸ばしたガ
ラス母材501を、切断手段504により所望の長さに
切断する。更に、引き伸ばす際には、そのガラス母材5
01をヒータ502に向けて速度v1で送り、そのヒー
タ502で加熱されたガラス母材501を、ヒータ50
2から遠ざける方向に速度v2で引っ張る。ここで速度
v1と速度v2のそれぞれの速さが異なるとともに、v1
<v2の関係を満たしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の基板間を支
持するスペーサの製造方法および、前記スペーサを用い
た画像形成装置の製造方法並びにスペーサの製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型
素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放
出素子(以下MIM型と記す)、などが知られている。
【0003】表面伝導型放出素子としては、例えば、M.
I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290,(1965)
や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
O2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.D
ittmer: "Thin Solid Films",9,317(1972)]や、In2
O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fon
stad: “IEEETrans.ED Conf.”,519(1975)]や、カーボ
ン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図20に前述のM.Hartwellらによる
素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜
3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],幅Wは、
0.1[mm]に設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじめとして上
述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前
に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより電子放出部3005を形成する
のが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、導
電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、
例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレートで昇
圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004
を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、電気
的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成すること
である。尚、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質し
た導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生する。この
通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧
を印加した場合には、亀裂付近において電子放出が行わ
れる。
【0007】FE型の例としては、例えば、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emission”,Advance in Electro
n Physics, 8, 89 (1956)や、或は、C.A.Spindt, "Phys
icalproperties of thin-film field emission cathode
s with molybdenium cones", J.Appl.Phys., 47, 5248
(1976)などが知られている。
【0008】このFE型の素子構成の典型的な例とし
て、図21に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を
示す。同図において、3010は基板で、3011は導
電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコー
ン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。
本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極301
4の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ
ーン3012の先端部より電界放出を起こさせるもので
ある。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図2
1のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型の例としては、例えば、C.
A.Mead, "Operation of tunnel-emission Devices", J.
Appl.Phys., 32,646 (1961)などが知られている。
【0011】MIM型の素子構成の典型的な例を図22
に示す。同図は断面図であり、図において、3020は
基板で、3021は金属よりなる下電極、3022は厚
さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、3023
は厚さ80〜300オングストローム程度の金属よりな
る上電極である。MIM型においては、上電極3023
と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することによ
り、上電極3023の表面より電子放出を起こさせるも
のである。
【0012】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単
純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上
に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融な
どの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒータの
加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、
冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もあ
る。
【0013】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0014】例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素
子の中でも特に構造が単純で製造も容易であることか
ら、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、例えば本願出願人による特開昭64−31
332号公報において開示されるように、多数の素子を
配列して駆動するための方法が研究されている。
【0015】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば画像表示装置(ディスプレイ)、画像記録装
置などの画像形成装置や、荷電ビーム源等が研究されて
いる。
【0016】特に、画像表示装置への応用としては、例
えば本願出願人による米国特許5,066,883号や
特開平2−257551号公報や特開平4−28137
号公報において開示されているように、表面伝導型放出
素子と電子との衝突により発光する蛍光体とを組み合わ
せて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型
放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置
は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が
期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表示装
置と比較しても自発光型であるためバックライトを必要
としない点や、視野角が広い点が優れているといえる。
【0017】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、例えば本願出願人による米国特許4,904,8
95号に開示されている。また、FE型を画像表示装置
に応用した例として、例えば、R.Mayerらにより報告さ
れた平板型の画像表示装置が知られている。[R.Meye
r:"Recent Development on Microtips Display at LET
I",Tech.Digest of 4th Int.Vacuum Microelectronics
Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]また、MIM型を多数
個並べて画像表示装置に応用した例は、例えば本願出願
人による特開平3−55738号公報に開示されてい
る。上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置の
うちで、奥行きの薄い平面型画像表示装置は省スペース
かつ軽量であることから、ブラウン管型の画像表示装置
に置き換わるものとして注目されている。
【0018】そして、上記のような電子放出素子をマト
リクス状に配設した電子源を気密容器内に収容した平面
型の画像表示装置(フラットパネルディスプレイ)が提
案されている。この気密容器は、蛍光体が配置されたフ
ェースプレートと、電子源が配置されたリアプレートと
を対向させ、周囲をシールすることにより構成される。
そして、気密容器の内部は10のマイナス6乗[torr]程
度の真空に保持される。従って、この画像表示装置の表
示面積が大きくなるに従って、この気密容器内部と外部
の気圧差によるリアプレート及びフェースプレートの変
形、或は破壊を防止するための手段が必要となる。そこ
で従来は、比較的薄いガラス板からなる大気圧に耐える
ための構造支持体(スペーサ或はリブと呼ばれる)が、
前述のリアプレートとフェースプレートとの間に設けら
れている。
【0019】画像形成装置を構成する一対の基板間に配
するスペーサの製造方法としては、例えば米国特許第4
923421号、米国特許第5063327号、米国特
許第5205770号、米国特許第5232549号、
米国特許第5486126号、米国特許第550984
0号、米国特許第5721050号、欧州公開第072
5416号、欧州公開第0725417号、欧州公開第
0725418号、欧州公開第0725419号等に開
示されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したスペーサを用いた画像形成装置、フラットパネル
ディスプレイなどにおいては、以下のような問題点があ
った。
【0021】第1に、スペーサ近傍の電子放出素子から
放出された電子の一部がスペーサに当たることにより、
或は放出された電子の作用によりイオン化したイオンが
スペーサに付着することにより、スペーサの帯電を引き
起こす可能性がある。このスペーサの帯電により電子放
出素子から放出された電子はその軌道を曲げられ、フェ
ースプレートに設けられた蛍光体上の正規な位置とは異
なる場所に到達し、スペーサ近傍の画像がゆがんで表示
されてしまう。
【0022】第2に、電子放出素子から放出された電子
を加速するために、リアプレートとフェースプレートと
の間には数百V以上の高電圧:Va(例えば、1kV/
mm以上の高電界)が印加されるため、スペーサの表面
での沿面放電が懸念される。特に上記のようにスペーサ
が帯電している場合は、放電が誘発される可能性があ
る。
【0023】これらの問題点を解決するために、スペー
サに微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案が
なされている(特開昭57−118355号公報、特開
昭61−124031号公報)。そこでは絶縁性のスペ
ーサ基体の表面に高抵抗膜を形成することによりスペー
サ表面に微小電流が流れるようにしている。ここで用い
られている高抵抗膜は酸化スズ、或は酸化スズと酸化イ
ンジウム混晶薄膜や金属膜である。
【0024】しかし、画像の種類によっては、電子放出
のデューティの大きい場合、上記高抵抗膜による帯電を
除去する方法だけでは画像のゆがみの低減が不十分であ
ることがあった。この問題は、高抵抗膜と上下基板、即
ち、フェースプレート(以下FP)およびリアプレート
(以下RP)との間の電気的接合が不十分であり、その
接合部付近に帯電が集中することが要因として考えられ
る。
【0025】この点を解決するために、図23に示すよ
うに、絶縁性のスペーサ基体21の、フェースプレート
17及び或はリアプレート11と当接する端面および側
面に、前記高抵抗膜22よりも低抵抗な膜(電極)25
を配置することが提案されている。これにより、上下基
板17,11と、高抵抗膜22との電気的コンタクトを
確保することができる。図23には、上記構成のうち、
フェースプレート17およびリアプレート11と当接す
る端面および該端面に接する側面に、前記低抵抗膜(電
極)25を配置した例を示した。また、図23はリアプ
レート11の平面に対して垂直方向の断面のうち、スペ
ーサを含む平面で切断した時の断面図である。
【0026】一方、高抵抗膜22を施さずに、前記Va
を低く設定したり、絶縁性のスペーサ基体21の側面の
形状を制御することにより、絶縁体が真空中に露出した
スペーサにおいても、上記第一および第二の問題は、抑
制することができる場合もある。しかし、この場合にお
いても、絶縁性スペーサ基体21の端面の電位が定まっ
ていない場合には、放出された電子の軌道を変動させる
場合がある。そのため、図27に示すように、絶縁体の
スペーサ21をフェースプレート17とリアプレート1
1との間に配置する場合においても、すくなくともスペ
ーサ21の一方の端面には、電極(低抵抗膜)25を配
置することが必要となる。
【0027】尚、図23のスペーサ基体21が平板状で
あった場合のA−A断面を模式的に図24に示す。ま
た、図23、図27の円で囲ったスペーサ20のRP側
端部Bを拡大した模式図を図25に示す。尚、図25に
おいては、説明の簡略化のために、高抵抗膜をスペーサ
基体21の表面に施していない場合を示している。ま
た、図26は、スペーサ基体21が平板状であった時
の、スペーサ基体21の斜視図を模式的に示したもので
ある。また、図31は、スペーサ基体21が円柱状であ
った場合の斜視図を示している。スペーサ基体が円柱状
であった場合には、円柱の直径Rが、平板状のスペーサ
基体の長さLおよび厚みDに相当する。
【0028】尚、本願では、「スペーサ」という言葉
と、「スペーサ基体」という言葉を使い別けている。図
23などに示すように、表面に何らかの被膜(例えば前
述の高抵抗膜22や低抵抗膜25)が施されるものを
「スペーサ基体」と呼ぶ。一方、「スペーサ」とはフェ
ースプレート17とリアプレート11との間を支持する
ために配置される部材の総称であり、少なくとも、前記
スペーサ基体と前記低抵抗膜(電極)とを有する。
【0029】スペーサの端面に金属、又は導電率の高い
材料を形成することが、特開平8−180821号公
報、米国特許第5561343号(IBM:96/10/1登録)、米国
特許第5614781号、米国特許第5675212号、米国特許第57
46635号、米国特許第5742117号、米国特許第5777432
号、国際公開WO94/18694A、国際公開WO96/30926A、国際
公開WO98/02899A、国際公開WO98/03986A、国際公開WO98
/28774A、などに開示されている。
【0030】上記した公報には、スペーサの端面に金
属、又は導電率の高い材料を形成する方法として、スパ
ッタ成膜、抵抗加熱蒸着、塗布、ディッピング、印刷等
の様々な手法によるものが開示されている。
【0031】上記形成方法の中でも、塗布、ディッピン
グ、印刷などのように、液体をスペーサ基体に付与し焼
成する手法(液相形成法)は、簡便で安価に上記低抵抗
膜(電極)25を形成できるので好ましい。
【0032】しかしながら、上記低抵抗膜(電極)25
を前述したスペーサ基体21に形成する際に、上記液相
形成法を単に用いた場合には、以下に示す問題が生じる
場合があった。
【0033】即ち、上記液相形成法を用いると、低抵抗
膜(電極)25の成膜状態には、スペーサ基体21の表
面形状に対する依存性が顕著に現れてしまう。
【0034】特に、スペーサ基体21の形状が、図26
や図31に示した様に、角部がほぼ直角であった場合に
は、上記角部での低抵抗膜(電極)25の形成が不十分
になる場合があった。具体的に言えば、成膜時に、前記
角部で、低抵抗膜(電極)25の膜厚が薄くなり、その
結果、高抵抗膜の一部、或は絶縁体のスペーサ基体21
が露出してしまう場合があった。その結果、スペーサと
RP及び又はFPとの当接部近傍での電子軌道が、所望
の軌道からずれてしまう場合があった。
【0035】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、上述した問題が生じないような、スペーサ基体の構
造、該スペーサ基体の製造方法、スペーサ基体への低抵
抗膜(電極)の形成方法、スペーサ基体の製造装置及び
記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のスペーサの製造方法は以下のような工程を備
える。即ち、画像形成部材が配置された第一の基板と、
電子放出素子が配置された第二の基板との間に配置され
るスペーサの製造方法であって、ガラス母材を用意する
ステップと、前記ガラス母材の一部を、ヒータにより加
熱しながら引き伸ばすステップと、前記引き伸ばしたガ
ラス母材を、所望の長さに切断する切断ステップとを有
し、更に、前記引き伸ばすステップは、前記ガラス母材
をヒータに向けて速度v1で送り、前記ヒータで加熱さ
れたガラス母材をそのヒータから遠ざける方向に速度v
2で引っ張るステップを有しており、そして、前記速度
v1とv2のそれぞれの速さが異なるとともに、v1<v2
の関係を満たすことを特徴とする。
【0037】この製造方法によれば、角部が円弧状のス
ペーサ基体を、簡易で、安価に、そして大量に形成する
ことができる。
【0038】また、さらには、本発明の別の態様として
は、画像形成部材が配置された第一の基板と、電子放出
素子が配置された第二の基板と、該第一および第二の基
板との間に配置したスペーサとを有する画像形成装置の
製造方法であって、スペーサ母材を用意するステップ
と、前記スペーサ母材の角部を平面状あるいは円弧状に
加工し、スペーサ基体を形成するステップと、前記テー
パー状あるいは円弧状の部分を含むスペーサ基体の端部
に、導電性材料が分散または溶解した液体を塗布するス
テップと、前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱
し、該スペーサ基体の端部に電極を形成するステップ
と、前記スペーサ基体に形成された電極を前記第一の基
板または第二の基板に当接させるステップとを有するこ
とを特徴とする。
【0039】また、更に本発明の別の態様としては、画
像形成部材が配置された第一の基板と、電子放出素子が
配置された第二の基板と、該第一および第二の基板との
間に配置したスペーサとを有する画像形成装置の製造方
法であって、スペーサ母材を用意するステップと、前記
スペーサ母材の端部をテーパー状あるいは円弧状に加工
し、スペーサ基体を形成するステップと、前記テーパー
状あるいは円弧状の部分を含むスペーサ基体の端部に、
導電性材料が分散又は溶解した液体を塗布するステップ
と、前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、前記
スペーサ基体の端部に電極を形成するステップと、前記
スペーサ基体に形成された電極を前記第一の基板又は第
二の基板に当接させるステップとを有することを特徴と
する。
【0040】これらの製造方法によれば、液相形成法に
よって、スペーサ基体の端部への低抵抗膜の形成が良好
に行える。その結果、電子放出素子から放出された電子
の軌道が安定で、放電などが抑制された良好な画像を長
時間表示可能な画像形成装置を得ることができる。
【0041】また、さらには、本発明の別の態様として
は、画像形成部材が配置された第一の基板と、電子放出
素子が配置された第二の基板との間に配置されるスペー
サの製造装置であって、ガラス母材を加熱するための加
熱手段と、前記ガラス母材を前記加熱手段に送る、第一
の送り手段と、前記ガラス母材を前記加熱手段から引き
出す、第二の送り手段とを有しており、前記第一の送り
手段と第二の送り手段との間に、前記加熱手段が配され
ることを特徴とする。
【0042】このスペーサ製造装置によれば、高精度
に、微細な曲率半径を有する円弧状の角部を有するスペ
ーサを安価に、大量に形成することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0044】本実施の形態では、図25に示した様にス
ペーサ基体21の端面と側面に低抵抗膜(電極)25を
液相形成法を用いて形成する。
【0045】本実施の形態に係る低抵抗膜(電極)25
は、その抵抗値として、10の7乗[Ω/□]以下であ
ることが望ましい。
【0046】そして、本実施の形態によれば、液相形成
法において、更に、以下のおよびまたはの態様を採
ることにより、スペーサ基体21の端面および側面に形
成する低抵抗膜(電極)間の良好な膜の連続性を確保す
ることができる。
【0047】即ち、 スペーサ基体として、FP及び又はRPと当接する
端部が円弧状或はテーパ状であるものを用いる。 液相形成法として、後述する浸漬転写法(ディッピ
ング)を用いる際に、導電性材料を含有する液体とし
て、その粘度が10cps以上であるものを用いる。
【0048】尚、本実施の形態において、液相形成法と
は、前記低抵抗膜25を構成する導電性材料が分散また
は溶解した液体をスペーサ基体21の端部(端面および
側面)に塗布し、加熱焼成することで低抵抗膜(電極)
とする工程を指す。
【0049】まず、上記の態様について、以下に説明
する。
【0050】前述したように、図25や図26及び図3
1などに示した、角が直角又は鋭角なスペーサ基体21
の端部に、液相形成法を用いて低抵抗膜(電極)25を
形成すると、上記角部での低抵抗膜25の形成が不十分
になる場合があった。
【0051】そこで、本願発明者らは鋭意努力の末、こ
の角部を図3(a)〜(d)などにその断面図を示すよ
うに、鈍角なものとすることで、前述した課題が解決さ
れることを見出した。
【0052】図3は、本実施の形態に好適なスペーサ基
体21の端部(図3(a)〜(d))及び、上記スペー
サ端部に低抵抗膜(電極)25を被膜した状態を示す模
式図(図3(e)〜(h)である。尚、図3におけるス
ペーサ端部も、図25に示したスペーサの端部と同様に
リアプレート(あるいはフェースプレート)平面に対し
て垂直方向に切った断面のうち、スペーサを含む平面で
切断した時の断面図である。また、スペーサ基体が、図
26に示した様に平板状である場合には、図3、図4、
図23、図25及び図27における断面図は、スペーサ
基体の厚みがD(最小)である箇所での断面図を指す。
さらには、スペーサ基体21が、図31の様に柱状であ
る場合には、スペーサ基体21の端面の中心を含む平面
で切断した時の断面図に相当する。
【0053】上記の要件を換言すれば、スペーサ基体
21の表面積のうちの、低抵抗膜(電極)25で被覆さ
れた部分の表面積を、角がほぼ直角なスペーサ基体21
(図25や図26など)よりも、小さくすることにより
解決される。また、さらに、スペーサの組み立て精度を
確保する観点、及び、FP17および或いはRP11と
低抵抗膜(電極)25との電気的接続を確実にする観点
からは、スペーサ基体の端面(FPまたはRPの平面に
対して略平行な面)の面積を確保する必要がある。
【0054】以上の要件から、スペーサ基体21の端部
の形状としては以下の式(1)を満足することが望まし
い。
【0055】即ち、 (t^2+4×h^2)<s^2<(t+2h)^2 …式(1) である。ここで「^2」は、2乗を示しており、例えば
「t^2」はtの2乗を示している。また、t,s,hの
それぞれは、 t:上記したスペーサ基体の断面図(図4)において、
スペーサ基体21のうち、低抵抗膜25が被覆されてい
る部分の厚さの最大値である。尚、この厚さとは、FP
またはRPと略平行な面でスペーサ基体を切断した際の
断面における最小の間隔である。
【0056】h:上記したスペーサ基体の断面図(図
4)において、低抵抗膜25の高さに近似される。より
厳密には、スペーサ基体21の端面から、リアプレート
(またはフェースプレート)平面に対して垂直方向にお
ける低抵抗膜25の長さ(=高さ)である。
【0057】s:低抵抗膜25の断面内周長を意味す
る。これは、上記した断面図(図4)において、低抵抗
膜25が形成された部分における、スペーサ基体21の
表面の長さである。
【0058】上記した要件を満たす端部形状を得るため
の具体的な手法としては、如何なる手段を用いてもよ
い。
【0059】一例としては、図26に示したような平板
状のスペーサ基体21を用いる場合には、まず、スペー
サ基体と同一の厚み:Dをもつ、図28に示すようなガ
ラス板(母材)281から、スペーサ基体の母材(以下
「スペーサ母材」と呼ぶ)282をダイアモンドカッタ
などで切断することで切り出す。上記切り出しにより、
図26と同様に厚みD、高さH、長さLのスペーサ母材
282が得られる。
【0060】そして、スペーサ母材282の角に対し
て、図3(a)〜(d)に示した様な端部処理を行う。
この端部処理は、具体的には、円弧状にする処理(図3
(d))、又はテーパ状(角を平面状)にする処理(図
3(a)〜(c))によりスペーサ母材の角部から鋭角
な部分を除去する処理である。このように端部処理を行
うことで、スペーサ母材の角部が鈍角なものになる。こ
の端部処理の具体的手段としては、サンドブラスト、レ
ーザースクライブ、ウォーターブラスト、スクライブカ
ット、研磨、弗酸等によるケミカルエッチング処理等を
用いることができる。
【0061】スペーサ母材282の角の円弧状処理(図
3(d))において、曲率半径rの範囲は、スペーサ母
材282の厚みDに対して、D/2以下が好ましい。更
に、好ましくは、上記曲率半径rは、(D×1/10
0)以上であれば、低抵抗膜(電極)25の連続性と、
スペーサの組み立て精度を満足することが可能となる。
上記Dは、好ましくは、10μmから500μmであ
り、更には20μmから200μmがより好ましい。従
って、上記曲率半径rは、0.1μm以上250μm以
下が好ましく、更には、0.2μm以上100μm以下
がより好ましい。
【0062】尚、図3(a)〜(d)は、本発明の実施
の形態に適用可能なスペーサの断面形状の一例を示す図
である。図3(a),(b)は、スペーサ母材282の
角を1方向に面取りした形状を示している。また、図3
(c)は2方向に面取りした形状を示し、図3(d)は
円弧状にした場合を示している。更に図3(e)〜
(h)のそれぞれは、図3(a)〜(d)のそれぞれに
対応して形成された低抵抗膜(電極)25の一例を示し
ている。
【0063】また、材料がガラスであり、図26に示し
たような平板状であり、かつ、端部が図3(d)のよう
なスペーサ基体21を形成する場合には、図28に示し
た切り出しによる方法よりも、後述する加熱延伸法が好
ましく適用される。このような加熱延伸法によれば、上
記したスペーサ母材282の作成と端面処理(角部が上
記曲率を有するような形状への加工)が同時に行える。
【0064】加熱延伸法の一例を、図5および、図30
に示す装置を用いて以下に説明する(工程AからC)。
図30は、図5の装置をより具体的に示したものであ
る。 (工程A)まず、ガラス板(母材)501を用意する。
このとき、最終的に得ようとするスペーサ基体21の断
面積をS2、ガラス板(母材)501の断面積をS1と
した場合に、S1,S2は、(S2/S1)<1を満た
す。
【0065】尚、上記「断面」とは、図30における速
度v1又はv2の方向成分に対して垂直な平面で、ガラス
板(母材)501及びスペーサ基体21を切ったときの
断面を指す。 (工程B)次に、上記工程Aで用意したガラス板(母
材)501の両端を固定し、その長手方向の一部を加熱
手段(ヒータ)502により加熱するとともに、一方の
端部をヒータ502方向に速度v1で、第一の送り手段
(例えばローラ)504により加熱手段に向けて送り出
す。同時に、もう一方の端部を、速度v2で、第二の送
り手段(例えば延伸ローラ)503により加熱手段50
2からガラス板(母材)501を引き出す。この第一の
送り手段504、加熱手段(ヒータ)502と第二の送
り手段503により、ガラス板(母材)501が加熱さ
れながら引き伸ばされる。尚、速度v2の方向は、速度
v1の方向と実質的に同一である。このため、速度v1及
びv2は、速さと考えて問題がない。そして、このと
き、これら速度v1、v2は、(S2/S1)=(v1/
v2)を満たすものとすることが好ましい。そして、v2
/v1の値は、10以上10000以下が好ましく、さ
らには、100以上10000以下が特に好ましい。
【0066】このときの加熱手段(ヒータ)502の加
熱温度はガラスの種類、加工形状によるが、ガラス板
(母材)501の軟化点以上の温度が好ましく、具体的
には500〜700℃とすることが好ましい。
【0067】上記各条件を満たすことで、前述の好まし
い曲率半径rの角部をもつ断面が得られる。
【0068】また、送り手段504,503としては、
ローラなどの回転体や、複数の回転体により回転するベ
ルトを前記スペーサ基体21およびガラス板(母材)5
01に接触させて搬送するものが好ましい。 (工程C)次に、上記工程Bにより、延伸されたガラス
板(母材)501を十分に冷却した後、引き伸ばされた
ガラス板(母材)501を、切断手段504により所望
の長さに切断して、スペーサ基体21を作成する。上記
冷却温度は簡易には、室温である。
【0069】以上の工程AからCにより、前述の好まし
い曲率半径rの角部をもつスペーサ基体21が得られ
る。
【0070】また、上記工程Aで用意するガラス板(母
材)501の断面形状を、予め図3(d)に示した形状
の端部(角)に形成しておくことが特に好ましい。この
ようにすれば、上記工程AからCを経ることにより、工
程Aで用意されたガラス板(母材)501の断面と相似
形状のスペーサ基体21が簡易に形成できる。そのた
め、上述した速度v1とv2の比を適宜設定することによ
り、ガラス板(母材)501の曲率半径を任意に縮小し
たスペーサ基体21を再現性良く得ることができる。
【0071】従って、上記した加熱延伸法を用いれば、
スペーサ基体21に要求される微少な曲率半径を直接加
工する必要がない。換言すれば、上記曲率半径を拡大し
た状態で加工することができるので、簡易に、精度良く
スペーサ基体21の角部の微少な曲率半径を得ることが
できる。
【0072】また、上記加熱延伸法においては、図30
または図5に示したように、送り出し手段504,50
3は、図26で規定するところの、スペーサ基体21及
びガラス板(母材)501の側面(長さ方向の側面)に
配置することが望ましい。これは、前述の速度v1或は
v2でスペーサ基体21およびガラス板(母材)501
を搬送/延伸する際に、より安定性が高く、高精度に速
度制御ができるためである。また、送り出し手段50
4,503は、それぞれが、図30または図5に示した
ように、スペーサ基体21およびガラス板(母材)50
1の側面(長さ方向の側面)を挟むような一対の送り出
し手段からなることが好ましい。また、送り出し手段と
しては、図30に示す、回転することで、スペーサ基体
21およびガラス板(母材)501を搬送する手段が簡
易で好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0073】以上説明した、各手法により得られた、上
記式(1)で規定した端面形状をもつスペーサ基体21
に対して、液相形成法(例えば後述する浸漬転写法)を
用いて、低抵抗膜(電極)25を形成することにより、
スペーサ基体21の角を、低抵抗膜(電極)25で十分
に被覆することができる。
【0074】特に、前述した加熱延伸法を用いてスペー
サ基体21を作成する場合は、上記工程Cにより、所望
の長さLに切断した後に、液相形成法(例えば後述する
浸漬転写法)を用いて、低抵抗膜(電極)25を形成す
ることが望ましい。これは、液相形成法(例えば後述す
る浸漬転写法)を用いて、低抵抗膜(電極)25を形成
しようとする際に、スペーサ基体21の取扱いが容易で
簡便なためである。
【0075】尚、もちろん上記工程AからCにより、前
述したスペーサ母材282を形成し、更に前述した端面
処理を行うことによりスペーサ基体21を作成すること
もできる。
【0076】次に、前記の方法について説明する。 前記液相形成法の中で、下記の浸漬転写法(ディッピ
ング)を用いる場合には、導電性材料を分散、或は溶解
した液体として、その粘度が10cps以上であること
が好ましい。これにより、スペーサ基体の角が低抵抗膜
(電極)25で十分に被覆することができる。前記液体
の粘度は、より好ましくは100cps以上、更に好ま
しくは1000cps以上の粘度であることが望まし
い。
【0077】この方法によれば、前述したスペーサの端
面処理を行わなくとも、スペーサ基体21の角がほぼ直
角なものに対しても、低抵抗膜(電極)25を十分に被
覆することができる。
【0078】もちろん、上記に示した方法により作成
したスペーサ基体21に、上記した浸漬転写法(ディッ
ピング)により低抵抗膜(電極)25を形成する方法を
用いることも好ましい。
【0079】ここで、本実施の形態に係る浸漬転写法
(ディッピング)の一例を図2(a)〜(e)を用いて
説明する。尚、図2は、スペーサ基体の側面から見た図
である。即ち、本実施の形態に係る浸漬転写法(ディッ
ピング)とは、(A)低抵抗膜25を構成する導電性材
料を分散あるいは溶解した液体2002を基板2001
上に展開し、塗工する工程(図2(a),(b))と、
(B)前記スペーサ基体21(図2では21に相当)の
端部を、上記基板2001上に展開した液体2002に
接触させ浸漬させる工程(図2(c)、(d))と、
(C)液体2002を展開した基板2001から、前記
スペーサ基体21(図2では21に相当)を引き離し、
液体2002を転写させる工程(図2(e))と、
(D)スペーサ基体21(図2では21に相当)に転写
した液体25を加熱することで、低抵抗膜(電極)25
を形成する工程と、を有する方法である。
【0080】なお、本実施の形態においては、前記低抵
抗膜25を構成する導電性材料を分散あるいは溶解した
液体を、「塗工液」と呼ぶ場合もある。
【0081】この浸漬転写法(ディッピング)によれ
ば、簡便にスペーサ基体21の端面と側面に同時に低抵
抗膜(電極)25を形成することができる。
【0082】尚、前記浸漬転写法(ディッピング)の塗
工液の展開手段としては、バーコートもしくはドクター
ブレードによる引き延ばし展開方法、或は、スピンコー
トによる展開方法を用いることを可能である。
【0083】また、展開される基板2001は必ずしも
平面でなく、図29に示す様に、基板291上に前記塗
工液293を溜めるための溝292が形成されていても
良い。
【0084】更には、当該塗工液にスペーサ基体21を
接触させた後、引き離す転写工程においては、スペーサ
基体21を展開面に降下させることも可能であるし、逆
にスペーサ基体21に展開液面を降下させて接触させる
ことも可能である。
【0085】以上説明した、およびまたはの方法を
用いることにより、簡易でかつ安価な液相形成法を用い
た際に、スペーサ基体21の角に、低抵抗膜(電極)2
5を十分に被覆することができる。
【0086】一方、スペーサ基体21の側面に形成され
た低抵抗膜25の角部が図24、32(a)に示した様
に直角または鋭角になっていると、その部分に電界が集
中しやすくなる。そのため、場合によっては、上記角部
を起点とした放電が起こる場合がある。
【0087】そこで、上記およびまたはの方法によ
り低抵抗膜25を被覆したのちに、上記角部を図32
(b)に示す様に、曲率をもつように加工することが有
効である。
【0088】また、低抵抗膜25を被覆した後のスペー
サ基体を搬送した際あるいは、被覆条件などによって
は、図33(a)に示した様に、低抵抗膜25とスペー
サ基体21との界面の一部に膜はがれ部、膜浮き部、突
起部を作る場合がある。この様な場合においては、これ
らの部分でも電界集中がしやすくなり、放電を引き起こ
す可能性があるだけでなく、等電位面に歪みを引き起こ
す場合がある。
【0089】そのため、このようなケースにおいては、
図33(b)に示した様に、低抵抗膜25を、その高さ
方向(FPとRP間方向)において、hからh’になる
まで除去することが有効である。尚、h>h’である。
【0090】特に絶縁性スペーサ基体21に前述の高抵
抗膜22を施さない場合には、上記した界面において、
真空と絶縁体(スペーサ基体)と金属(低抵抗膜)との
トリプルポイントが形成される。その結果、前記の低抵
抗膜25の形状による放電現象が顕著に生じやすくなる
ため、上記した低抵抗膜25の加工が非常に有効とな
る。
【0091】上記、被覆した低抵抗膜25の加工(除
去)方法の具体的手法としては、例えば、以下のような
手段を用いることができる。即ち、低抵抗膜に対応した
エッチングプロセス、レーザリペアによる除去、又はフ
ォトリソグラフィ、又はリフトオフプロセスによるパタ
ーニング形成、マスクによる塗工液部分展開等を適用す
ることができる。
【0092】上記した、スペーサ基体21は、ガラスま
たはセラミックから構成することにより、安価で切削研
磨加工が容易で、組み立て強度が良好なスペーサおよび
該スペーサを用いた画像形成装置を作成することが可能
となる。また、特には、フェースプレートおよびリアプ
レートとスペーサ基体の材料は同一のものであることが
熱膨張率のマッチングの観点からは好ましい。
【0093】また、本実施の形態に係る液相形成法によ
る低抵抗膜(電極)25を設けた絶縁性スペーサ基体2
1を、特には、リアプレート(電子源)11とフェース
プレート17との間に、数kVから数十kVの電圧を印
加する高Vaタイプの画像形成装置に適用する場合に
は、更に図23及び図24などに示した様に、スペーサ
基体21の側面に高抵抗膜22を配することが好まし
い。このように高抵抗膜22を絶縁性スペーサ基体21
の側面に配置することにより、スペーサ表面(側面)の
帯電を抑え、結果として、発光点のずれの無い良好な画
像が得られる。
【0094】また、図23及び図24では、高抵抗膜2
2がスペーサ基体21の側面のみを覆っている例を示し
たが、高抵抗膜22がスペーサ基体の全ての表面(側面
および端面)を覆っていても良い。
【0095】また、更には高抵抗膜22は必ずしもスペ
ーサ基体21の側面全てを覆う必要はない。即ち、真空
容器内に露出する、スペーサ基体21の側面の内、電極
(低抵抗膜)25で覆われていないところを高抵抗膜2
2で覆えば良い。但し、前述したように、高抵抗膜22
と低抵抗膜(電極)25との電気的な接続は必要である
ため、低抵抗膜(電極)25と高抵抗膜22はオーバー
ラップすることで電気的接続を確保することが好まし
い。
【0096】更には、図23及び図24では、低抵抗膜
(電極)25が高抵抗膜22を覆っている例を示した。
しかし逆に、スペーサ基体21の端部を低抵抗膜(電
極)25が覆った上で、前記高抵抗膜22が、スペーサ
基体21の側面を覆う形態であっても良い。このような
構成にすることにより、高抵抗膜22が低抵抗膜(電
極)25とスペーサ基体21との界面を覆うことがで
き、その結果、上記界面における低抵抗膜(電極)25
の形状に起因する放電などを抑制できるので好ましい。
【0097】前記高抵抗膜22の表面抵抗値は、10の
5乗[Ω/□]〜10の12乗[Ω/□]であることが
好ましい。このような表面抵抗値を有することで、帯電
と上下基板(FPとRP)間の電流消費および発熱を抑
えることが可能となる。一方、低抵抗膜(電極)25の
抵抗値は、フェースプレート及び又はリアプレートと高
抵抗膜22との電気的接合を良好にする目的から、その
面積抵抗として前記高抵抗膜22の抵抗値の1/10以
下であり、かつ10の7乗[Ω/□]以下であることが
望ましい。
【0098】更には、本発明の画像形成装置に好ましく
用いられる電子源には、前述した冷陰極素子(MIM、
FE、表面伝導型電子放出素子など)を用いることがで
きる。
【0099】そして、冷陰極素子の中でも、表面伝導型
電子放出素子は、素子の構造が簡単なために、大面積の
フラットパネルディスプレイに向いているので特に好ま
しい。
【0100】また、本実施の形態に係る画像形成装置と
しては、ディスプレイの他に、例えば、電子放出素子か
ら放出された電子を照射するターゲット(画像形成部
材)に、電子線レジストなどを用いることで、潜像を形
成する装置なども包含する。
【0101】(表示パネル101の構成と製造法)次
に、本実施の形態に適用した画像表示装置(表示パネ
ル)101の構成の一例と、その製造方法の一例につい
て具体的に説明する。
【0102】図7は、本実施の形態に用いた表示パネル
101の外観斜視図であり、その内部構造を示すために
表示パネル101の一部を切り欠いて示している。
【0103】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、これら1
015〜1017により表示パネル101の内部を真空
に維持するための気密容器を形成している。この気密容
器を組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十分な
強度と気密性を保持させるために封着する必要がある
が、例えばフリットガラスを接合部に塗布し、大気中或
は窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上
焼成することにより封着を達成した。この気密容器の内
部は10のマイナス6乗[torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破損を
防止する目的で、耐大気圧構造体として本実施の形態に
係るスペーサ20が設けられている。
【0104】ここではリアプレート1015には、基板
1011が固定されているが、この基板1011上には
冷陰極素子1012がN×M個形成されている。ここ
で、これらN,Mは2以上の正の整数であり、目的とす
る表示画素数に応じて適宜設定される。例えば、高品位
テレビジョンの表示を目的とした表示装置においては、
N=3000,M=1000以上の数を設定することが
望ましい。これらN×M個の冷陰極素子1012は、M
本の行方向配線1013とn本の列方向配線1014に
より単純マトリクス配線されている。、ここでは、これ
ら基板1011〜列配線1014によって構成される部
分をマルチ電子源と呼ぶことにする。本実施の形態のマ
ルチ電子源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電
子源であれば、冷陰極素子の材料や形状、或は製法に制
限はない。従って、例えば表面伝導型放出素子やFE
型、或はMIM型などの冷陰極素子を用いることができ
る。
【0105】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子源の構造について述べる。
【0106】図8に示すのは、図7の表示パネル101
に用いたマルチ電子源の平面図である。基板1011上
には、後述の図12で示すものと同様な表面伝導型放出
素子が配列され、これらの素子は行方向配線電極100
3と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に
配線されている。行方向配線電極1003と列方向配線
電極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不
図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれてい
る。
【0107】図8のA−A’に沿った断面を図9に示
す。なお、このような構造のマルチ電子源は、予め基板
1011上に行方向配線電極1013、列方向配線電極
1014、電極間絶縁層(不図示)、及び表面伝導型放
出素子の素子電極1102,1103と導電性薄膜11
04を形成した後、行方向配線電極1013および列方
向配線電極1014を介して各素子に給電して通電フォ
ーミング処理(後述)と通電活性化処理(後述)を行う
ことにより製造した。
【0108】尚、本実施の形態においては、気密容器の
リアプレート1015にマルチ電子源の基板1011を
固定する構成としたが、このマルチ電子源の基板101
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子源の基板1011自体
を用いてもよい。
【0109】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施の形態は
カラー表示装置であるため、蛍光膜1018の部分には
CRTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光
体が塗り分けられている。各色の蛍光体は、例えば図1
0(a)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。この黒色の導電体1010を設ける目的は、電
子の照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生
じないようにするためや、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐため、電子による蛍光膜のチャ
ージアップを防止するためなどである。黒色の導電体1
010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的
に適するものであればこれ以外の材料を用いても良い。
【0110】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図1
0(a)に示したストライプ状の配列に限られるもので
はなく、例えば図10(b)に示すようなデルタ状配列
や、それ以外の配列であってもよい。なお、モノクロー
ムの表示パネル101を作成する場合には、単色の蛍光
体材料を蛍光膜1018に用いればよく、また黒色導電
材料1010は必ずしも用いなくともよい。
【0111】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。このメタルバック1019を設けた目的
は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光
利用率を向上させるためや、負イオンの衝突から蛍光膜
1018を保護するため、電子加速電圧を印加するため
の電極として作用させるためや、蛍光膜1018を励起
した電子の導電路として作用させるためなどである。こ
のメタルバック1019は、蛍光膜1018をフェース
プレート基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平
滑化処理し、その上にアルミニウム(Al)を真空蒸着
する方法により形成した。なお、蛍光膜1018に低電
圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック10
19は用いない。
【0112】また、本実施の形態では用いなかったが、
加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、
フェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間
に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0113】また、行配線端子Dx1〜DxM及び列配線端
子Dy1〜DyN及びHvは、この表示パネル101と前述
の各回路等とを電気的に接続するために設けた気密構造
の電気接続用端子である。そして、これら行配線端子D
x1〜DxMはマルチ電子源の行方向配線1013と、列配
線端子Dy1〜DyNはマルチ電子源の列方向配線1014
と、またHvはフェースプレート1017のメタルバッ
ク1019と電気的に接続している。
【0114】また、この気密容器内部を真空に排気する
には、この気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と
真空ポンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7
乗[torr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管
を封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、
封止の直前或は封止後に気密容器内の所定の位置にゲッ
ター膜(不図示)を形成する。このゲッター膜とは、例
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒータもしくは
高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、こ
のゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マ
イナス5乗、乃至1×10マイナス7乗[torr]の真空
度に維持される。
【0115】図11は図7のA−A’の断面模式図であ
り、各部の番号は図7に対応している。
【0116】ここで説明される態様においては、スペー
サ20は絶縁牲のスペーサ基体21の表面に帯電防止を
目的とした高抵抗膜22を成膜し、かつフェースプレー
ト1017の内側(メタルバック1019等)及び基板
1011の表面(行方向配線1013または列方向配線
1014)に面したスペーサ基体21の当接面(端面)
3、及び側面部5に低抵抗膜(電極)25を成膜した部
材を有するもので、上記目的を達成するのに必要な数だ
け、かつ必要な間隔をおいて配置され、フェースプレー
ト1017の内側及び基板1011の表面に接合材10
41により固定される。また高抵抗膜22は、絶縁性部
材1の表面のうち、少なくとも気密容器内の真空中に露
出している面に成膜されており、低抵抗膜(電極)25
及び接合材1041を介して、フェースプレート101
7の内側(メタルバック1019等)及び基板1011
の表面(行方向配線1013又は列方向配線1014)
に電気的に接続される。尚、ここでは、導電性の接合部
材1041によって、フェースプレートの内側(メタル
バック1019等)及び基板1011の表面(行方向配
線1013、又は列方向配線1014)にスペーサ20
を接続しているが、必ずしも、上記接合部材は必要では
ない。
【0117】また、ここで説明される態様においては、
スペーサ20の形状は平板状とし、行方向配線1013
に平行に配置され、行方向配線1013に電気的に接続
されている。またスペーサ20としては、基板1011
上の行方向配線1013及び列方向配線1014とフェ
ースプレート1017内面のメタルバック1019との
間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、か
つスペーサ20の表面への帯電を抑制する程度の導電性
を有する必要がある。
【0118】ここで説明される態様においては、スペー
サ20を構成するスペーサ基体21としては、例えば石
英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソ
ーダライムガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が
挙げられる。なお、スペーサ基体21はその熱膨張率が
気密容器および基板1011を成す部材と近いものが好
ましい。
【0119】スペーサ20の高抵抗膜22には、高電位
側のフェースプレート1017(メタルバック1019
等)に印加される加速電圧Vaを高抵抗膜22の抵抗値
Rsで除した電流が流される。そこで、スペーサ20の
抵抗値Rsは帯電抑制及び消費電力から、その望ましい
範囲に設定される。帯電抑制の観点から表面抵抗は10
の12乗[Ω/□]以下であることが好ましい。更に
は、十分な帯電抑制効果を得るためには10の11乗
[Ω/□]以下が好ましい。尚、この表面抵抗の下限は
スペーサ20の形状とスペーサ20間に印加される電圧
により左右されるが、10の5乗[Ω/□]以上である
ことが好ましい。
【0120】スペーサ基体21上に形成された高抵抗膜
22の厚みtは、10nm〜1μmの範囲が望ましい。
このスペーサ基体21の材料の表面エネルギーおよびス
ペーサ基体21との密着性や基板温度によっても異なる
が、一般的に10nm以下の薄膜は島状に形成され、抵
抗が不安定で再現性に乏しい。一方、膜厚tが1μm以
上では膜応力が大きくなって膜はがれの危険性が高ま
り、かつ成膜時間が長くなるため生産性が悪い。
【0121】従って、膜厚は50〜500nmであるこ
とが望ましい。表面抵抗は、ρ/tであり、以上に述べ
た表面抵抗と膜厚tとの好ましい範囲から、高抵抗膜2
2の比抵抗ρは0.1[Ω・cm]乃至10の8乗[Ω
・cm]が好ましい。更に表面抵抗と膜厚tのより好ま
しい範囲を実現するためには、ρは10の2乗乃至10
の6乗[Ω・cm]とするのが良い。
【0122】スペーサ20は上述したように、高抵抗膜
22を電流が流れることにより、或は表示パネル101
全体が動作中に発熱することにより、その温度が上昇す
る。この高抵抗膜22の抵抗温度係数が大きな負の値で
あると温度が上昇した時に抵抗値が減少し、スペーサ2
0に流れる電流が増加し、更に温度上昇をもたらす。そ
して電流は電源の限界を越えるまで増加し続ける。この
ような電流の暴走が発生する抵抗温度係数の値は経験的
に負の値で絶対値が1%以上である。即ち、高抵抗膜2
2の抵抗温度係数は−1%未満であることが望ましい。
【0123】このような帯電抑制の効果を有する高抵抗
膜22の材料としては、例えば金属酸化物を用いること
ができる。金属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅
の酸化物が好ましい材料である。その理由はこれらの酸
化物は二次電子放出効率が比較的小さく、電子放出素子
1012から放出された電子がスペーサ20に当たった
場合においても帯電しにくいためと考えられる。金属酸
化物以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい
材料である。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるた
め、スペーサ20の抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0124】高抵抗膜22の他の材料として、アルミニ
ウムと遷移金属合金の窒化物は遷移金属の組成を調整す
ることにより、良伝導体から絶縁体まで広い範囲に抵抗
値を制御できるので好適な材料である。更には後述する
表示装置の作製工程において抵抗値の変化が少なく安定
な材料である。かつ、その抵抗温度係数が−1%未満で
あり、実用的に使いやすい材料である。遷移金属元素と
してはTi,Cr,Ta等があげられる。
【0125】合金窒化膜はスパッタ、窒素ガス雰囲気中
での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーテ
ィング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形成手段により
絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜形
成法で作製することができるが、この場合窒素ガスに代
えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキ
シド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。カーボン膜は
蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で作
製され、特に非晶質カーボンを作製する場合には、成膜
中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに
炭化水素ガスを使用する。
【0126】スペーサ20を構成する低抵抗膜(電極)
25は、高抵抗膜22を高電位側のフェースプレート1
017(メタルバック1019等)及び低電位側の基板
1011(配線1013、1014等)と電気的に接続
するために設けられたものである。
【0127】低抵抗膜(電極)25は以下に列挙する複
数の機能を有することが出来る。 高抵抗膜22をフェースプレート1017及び基板1
011と電気的に接続する。
【0128】既に記載したように、高抵抗膜22はスペ
ーサ20表面での帯電を抑制する目的で設けられたもの
であるが、高抵抗膜22をフェースプレート1017
(メタルバック1019等)及び基板1011(配線1
013、1014等)と直接或いは当接材1041を介
して接続した場合、接続部界面に大きな接触抵抗が発生
し、スペーサ20の表面に発生した電荷を速やかに除去
できなくなる可能性がある。これを避けるために、フェ
ースプレート1017、基板1011及び当接材104
1と接触するスペーサ20の当接面3或いは側面部5に
低抵抗膜(電極)25を設けた。 高抵抗膜22の電位分布を均一化する。
【0129】電子放出素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ2
0の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにするために
は、高抵抗膜22の電位分布を全域に亙って制御する必
要がある。高抵抗膜22をフェースプレート1017
(メタルバック1019等)及び基板1011(配線1
013、1014等)と直接或いは当接材1041を介
して接続した場合、接続部界面の接触抵抗のために接続
状態のむらが発生し、高抵抗膜22の電位分布が所望の
値からずれてしまう可能性がある。これを避けるため
に、スペーサ20がフェースプレート1017及び基板
1011と当接するスペーサ端部(端面3および側面部
5)に低抵抗膜(電極)25を設ける。この低抵抗膜
(電極)25に所望の電位を印加することによって、高
抵抗膜22全体の電位を制御可能とした。 放出電子の軌道を制御する。
【0130】電子放出素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ2
0近傍の電子放出素子1012から放出された電子に関
しては、スペーサ20を設置することに伴う制約(配
線、素子位置の変更等)が生じる場合がある。
【0131】このような場合、歪みやむらの無い画像を
形成するためには、放出された電子の軌道を制御してフ
ェースプレート1017上の所望の位置に電子を照射す
る必要がある。フェースプレート1017及び基板10
11と当接する面の側面部5に低抵抗膜(電極)25を
設けることにより、スペーサ20近傍の電位分布に所望
の特性を持たせ、放出された電子の軌道を制御すること
が出来る。
【0132】低抵抗膜(電極)25は、高抵抗膜22に
比べ十分に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく、
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属、あるいは合金、及びPd,Ag,A
u,RuO2,Ag−PbO等の金属や金属酸化物とガ
ラス等から構成される印刷導体、或は、SnO2微粒子
をSb等でドーピングした導電性微粒子をシリカまたは
酸化珪素の末端をアルキル、アルコキシ、フッ素等で置
換したバインダーに分散させた導電性微粒子分散膜、あ
るいはIn2O3−SnO2等の透明導体及びポリシリコ
ン等の半導体材料等より適宜選択される。
【0133】接合材1041は、スペーサ20が行方向
配線1013およびメタルバック1019と電気的に接
続するように、導電性をもたせる必要がある。即ち、導
電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加したフリ
ットガラスが好適である。
【0134】以上説明した表示パネル101を用いた画
像表示装置は、容器外端子Dx1〜DxM、Dy1〜DyNを通
じて各電子放出素子1012に電圧を印加すると、それ
ら電子放出素子1012から電子が放出される。それと
同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じて
数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、それら
放出された電子をフェースプレート1017方向に加速
し、フェースプレート1017の内面に衝突させる。こ
れにより蛍光膜1018の各色の蛍光体が励起されて発
光し、画像が表示される。
【0135】通常、電子放出素子(冷陰極素子)である
本実施の形態の表面伝導型放出素子1012への印加電
圧は12〜16[V]程度、メタルバック1019と冷
陰極素子1012との距離dは0.1[mm]から8
[mm]程度、メタルバック1019と冷陰極素子10
12間の電圧0.1[kV]から10[kV]程度であ
る。
【0136】以上、本実施の形態の表示パネル101の
基本構成と製法、及び画像表示装置の概要を説明した。
【0137】次に、本実施の形態の表示パネル101に
用いたマルチ電子源の製造方法について説明する。本実
施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電子源は、冷陰
極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰
極素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。従っ
て、例えば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMI
M型などの冷陰極素子を用いることができる。但し、表
示画面が大きくてしかも安価な表示装置が求められる状
況のもとでは、これらの冷陰極素子の中でも表面伝導型
放出素子が特に好ましい。即ち、FE型ではエミッタコ
ーンとゲート電極の相対位置や形状が電子放出特性を大
きく左右するため、極めて高精度の製造技術を必要とす
るが、これは大面積化や製造コストの低減を達成するに
は不利な要因となる。また、MIM型では、絶縁層と上
電極の膜厚を薄くてしかも均一にする必要があるが、こ
れも大面積化や製造コストの低減を達成するには不利な
要因となる。その点、表面伝導型放出素子は比較的製造
方法が単純なため、大面積化や製造コストの低減が容易
である。
【0138】また本願発明者らは、表面伝導型放出素子
の中でも、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成したものがとりわけ電子放出特性に優れ、しかも
製造が容易に行えることを見いだしている。従って、高
輝度で大画面の画像表示装置のマルチ電子源に用いるに
は最も好適であると言える。そこで、本実施の形態の表
示パネル101においては、電子放出部もしくはその周
辺部を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子を用い
た。そこで、まず好適な表面伝導型放出素子について基
本的な構成と製法および特性を説明し、その後で多数の
素子を単純マトリクス配線したマルチ電子源の構造につ
いて述べる。
【0139】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0140】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、本実施の形態の平面型の表面伝導型放出素子の素子
構成と製法について説明する。
【0141】図12に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)及び断面図
(b)である。図中、1101は基板、1102と11
03は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は通
電フォーミング処理により形成した電子放出部、111
3は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0142】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミクス基板、或は上述の各
種基板上に例えばSiO2を材料とする絶縁層を積層し
た基板、などを用いることができる。
【0143】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、或はこれらの金属の合金、
或はIn2O3−SnO2をはじめとする金属酸化物、ポ
リシリコンなどの半導体、などの中から適宜材料を選択
して用いればよい。電極を形成するには、例えば真空蒸
着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、エッチング
などのパターニング技術を組み合わせて用いれば容易に
形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷技術)を用
いて形成してもさしつかえない。
【0144】素子電極1102と1103の形状は、こ
の電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで
設計されるが、中でも表示装置に応用するために好まし
いのは数マイクロメータより数十マイクロメータの範囲
である。また、素子電極の厚さdについては、通常は数
百オングストロームから数マイクロメータの範囲から適
当な数値が選ばれる。
【0145】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、或は微粒子
が互いに隣接した構造か、或は微粒子が互いに重なり合
った構造が観測される。
【0146】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、中でも好ましいのは10オングストロ
ームから200オングストロームの範囲のものである。
また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条件を
考慮して適宜設定される。即ち、素子電極1102或は
1103と電気的に良好に接続するのに必要な条件、後
述する通電フォーミングを良好に行うのに必要な条件、
微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にするため
に必要な条件、などである。具体的には、数オングスト
ロームから数千オングストロームの範囲のなかで設定す
るが、中でも好ましいのは10オングストロームから5
00オングストロームの間である。
【0147】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In2O3,PbO,Sb2O3,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などを
はじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめとす
る半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中か
ら適宜選択される。
【0148】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[Ω/□]の範囲に含まれる
よう設定した。
【0149】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02及び1103とは、電気的に良好に接続されるのが
望ましいため、互いの一部が重なり合うような構造をと
っている。その重なり方は、図12の例においては、下
から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層しても差し支えない。
【0150】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。この亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述す
る通電フォーミングの処理を行うことにより形成され
る。亀裂内には、数オングストロームから数百オングス
トロームの粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、
実際の電子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示す
るのは困難なため、図12においては模式的に示した。
【0151】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105及びその近
傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミング
処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより
形成する。
【0152】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのが更に好ましい。
【0153】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図12においては模式
的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜11
13の一部を除去した素子を図示した。
【0154】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施の形態においては以下のような素子を用いた。
【0155】即ち、基板1101には青板ガラスを用
い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメータ]とした。
【0156】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0157】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0158】図13(a)〜(e)は、表面伝導型放出
素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の表
記は図12と同一である。
【0159】(1)まず、図13(a)に示すように、
基板1101上に素子電極1102及び1103を形成
する。これらを形成するにあたっては、予め基板110
1を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子
電極の材料を堆積させる。(堆積する方法としては、例
えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用れば
よい)。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いてパターニングし、
(a)に示した一対の素子電極(1102と1103)
を形成する。
【0160】(2)次に、同図(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。この導電性薄膜1104
を形成するにあたっては、まず(a)の基板に有機金属
溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜を成
膜した後、フォトリソグラフィー・エッチングにより所
定の形状にパターニングする。ここで、有機金属溶液と
は、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素とする
有機金属化合物の溶液である。(具体的には、本実施の
形態では主要元素としてPdを用いた。また、実施の形
態では塗布方法として、ディッピング法を用いたが、そ
れ以外の例えばスピンナー法やスプレー法を用いてもよ
い)。
【0161】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜11
04の成膜方法としては、本実施の形態で用いた有機金
属溶液の塗布による方法以外の、例えば真空蒸着法やス
パッタ法、或は化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0162】(3)次に、同図(c)に示すように、フ
ォーミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。
【0163】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(即ち電子放出部1105)に
おいては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。なお、
電子放出部1105が形成される前と比較すると、形成
された後は素子電極1102と1103の間で計測され
る電気抵抗は大幅に増加する。
【0164】通電方法をより詳しく説明するために、図
14に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施の形態の場合には同図に示したようにパル
ス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印
加した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順
次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニタするためのモニタパルスPmを適宜の間隔で三角波
パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計11
11で計測した。
【0165】本実施の形態においては、例えば10のマ
イナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、例え
ばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
るたびに1回の割りで、モニタパルスPmを挿入した。
フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、
モニタパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。そ
して、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が1
×10の6乗[オーム]になった段階、即ちモニタパル
ス印加時に電流計1111で計測される電流が1×10
のマイナス7乗[A]以下になった段階で、フォーミン
グ処理に係る通電を終了した。
【0166】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微
粒子膜の材料や膜厚、或は素子電極間隔Lなど表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて通
電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0167】(4)次に、図13(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。この通電活性化処理とは、
通電フォーミング処理により形成された電子放出部11
05に適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素もし
くは炭素化合物を堆積せしめる処理のことである。(図
においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を
部材1113として模式的に示した。)なお、通電活性
化処理を行うことにより、行う前と比較して、同じ印加
電圧における放出電流を典型的には100倍以上に増加
させることができる。
【0168】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中で、
電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰囲気
中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは炭素
化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グラフ
ァイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいず
れかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500[オ
ングストローム]以下、より好ましくは300[オング
ストローム]以下である。
【0169】この通電方法をより詳しく説明するため
に、図15(a)に、活性化用電源1112から印加す
る適宜の電圧波形の一例を示す。本実施の形態において
は、一定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処
理を行ったが、具体的には,矩形波の電圧Vacは14
[V],パルス幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4
は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本
実施の形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件
であり、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合に
は、それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0170】図13(d)に示す1114は、この表面
伝導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉する
ためのアノード電極で、直流高電圧電源1115及び電
流計1116が接続されている。なお、基板1101
を、表示パネル101の中に組み込んでから活性化処理
を行う場合には、表示パネル101の蛍光面をアノード
電極1114として用いる。活性化用電源1112から
電圧を印加する間、電流計1116で放出電流Ieを計
測して通電活性化処理の進行状況をモニタし、活性化用
電源1112の動作を制御する。
【0171】電流計1116で計測された放出電流Ie
の一例を図15(b)に示すが、活性化電源1112か
らパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過とともに
放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほとんど増
加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ飽和し
た時点で活性化用電源1112からの電圧印加を停止
し、通電活性化処理を終了する。
【0172】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。
【0173】以上のようにして、図13(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0174】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0175】図16は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0176】この垂直型が先に説明した平面型と異なる
点は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部
材1206上に設けられており、導電性薄膜1204が
段差形成部材1206の側面を被覆している点にある。
従って、図12の平面型における素子電極間隔Lは、垂
直型においては段差形成部材1206の段差高Lsとし
て設定される。なお、基板1201、素子電極1202
及び1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204、
については、平面型の説明中に列挙した材料を同様に用
いることが可能である。また、段差形成部材1206に
は、例えばSiO2 のような電気的に絶縁性の材料を用
いる。
【0177】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。
【0178】図17(a)〜(f)は、製造工程を説明
するための断面図で、各部材の表記は図16と同一であ
る。
【0179】(1)まず、図17(a)に示すように、
基板1201上に素子電極1203を形成する。
【0180】(2)次に、同図(b)に示すように、段
差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、例えばSiO2をスパッタ法で積層すればよいが、
例えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いて
もよい。
【0181】(3)次に、同図(c)に示すように、絶
縁層の上に素子電極1202を形成する。
【0182】(4)次に、同図(d)に示すように、絶
縁層の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0183】(5)次に、同図(e)に示すように、微
粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成す
るには、平面型の場合と同じく、例えば塗布法などの成
膜技術を用いればよい。
【0184】(6)次に、平面型の場合と同じく、通電
フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。(図
13(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング
処理と同様の処理を行えばよい。)(7)次に、平面型
の場合と同じく、通電活性化処理を行い、電子放出部近
傍に炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。(図13
(d)を用いて説明した平面型の通電活性化処理と同様
の処理を行えばよい。)以上のようにして、図17
(f)に示す垂直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0185】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0186】図18は、本実施の形態の表示装置に用い
た表面伝導型放出素子の(放出電流Ie)対(素子印加
電圧Vf)特性、及び(素子電流If)対(素子印加電圧
Vf)特性の典型的な例を示す図である。なお、放出電
流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で
図示するのが困難であるうえ、これらの特性は素子の大
きさや形状等の設計パラメータを変更することにより変
化するものであるため、2本のグラフは各々任意単位で
図示した。
【0187】この表示装置に用いた表面伝導型放出素子
は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有
している。
【0188】第1に、ある電圧(閾値電圧Vth)以上の
大きさの電圧を素子に印加すると急激に放出電流Ieが
増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧では放出電
流Ieはほとんど検出されない。即ち、放出電流Ieに関
して、明確な閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0189】第2に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ie
の大きさを制御できる。
【0190】第3に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0191】以上のような特性を有するため、この実施
の形態の表面伝導型放出素子を表示装置に好適に用いる
ことができた。例えば多数の素子を表示画面の画素に対
応して設けた表示装置において、上述の第1の特性を利
用すれば、表示画面を順次走査して表示を行うことが可
能である。即ち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応
じて閾値電圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態
の素子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。こうし
て駆動する素子を順次切り替えてゆくことにより、表示
画面を順次走査して表示を行うことが可能である。
【0192】また、第2の特性か、又は第3の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0193】これら表面伝導型放出素子を基板上に配列
して単純マトリクス配線したマルチ電子源の構造は、前
述の図8及び図9に示す通りである。
【0194】次に図19を参照して、本実施の形態の表
面伝導型放出素子を配列した表示パネル101を含む画
像表示装置の構成について説明する。
【0195】図19において、表示パネル101は、表
示パネル101内の行配線と接続された行配線端子Dx1
〜DxM、同じく表示パネル101の列配線と接続された
列配線端子Dy1〜DyNを介して外部の駆動回路に接続さ
れている。このうち行配線端子Dx1〜DxMには、この表
示パネル101に設けられているマルチ電子源、即ちM
行N列のマトリクス状に配線された表面伝導型放出素子
を、1行ずつ順次選択して駆動するための走査信号が、
走査回路102から入力される。一方、列配線端子Dy1
〜DyNには、走査回路102から行配線に印加された走
査信号により選択された一行の表面伝導型放出素子の各
素子から放出される電子を、入力された映像信号信号に
応じて制御するための変調信号が印加される。
【0196】制御回路103は、外部より入力される映
像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動
作タイミングを整合させる働きを持つものである。ここ
で外部より入力される映像信号120には、例えばNT
SC信号のように画像データと同期信号が複合されてい
る場合と、予め両者が分離されている場合とがあるが、
この実施の形態では後者の場合で説明する。尚、前者の
映像信号に対しては、良く知られる同期分離回路を設け
て画像データと同期信号Tsyncとを分離し、画像データ
をシフトレジスタ104に、同期信号を制御回路103
に入力すれば本実施の形態と同様に扱うことが可能であ
る。
【0197】ここで制御回路103は、外部より入力さ
れる同期信号Tsyncに基づいて各部に対して水平同期信
号Tscan、及びラッチ信号Tmry、シフト信号Tsft等の
各制御信号を発生する。
【0198】外部より入力される映像信号に含まれる画
像データ(輝度データ)はシフトレジスタ104に入力
される。このシフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される画像データを画像の1ラインを単位と
してシリアル/パラレル変換するためのもので、制御回
路103より入力される制御信号(シフト信号)Tsft
に同期して画像データをシリアルに入力して保持する。
こうしてシフトレジスタ104でパラレル信号に変換さ
れた1ライン分の画像データ(電子放出素子N素子分の
駆動データに相当)は、並列信号Id1〜IdNとしてラッ
チ回路105に出力される。
【0199】ラッチ回路105は、1ライン分の画像デ
ータを必要時間の間だけ記憶して保持するための記憶回
路であり、制御回路103より送られる制御信号Tmry
に従って並列信号Id1〜IdNを記憶する。こうしてラッ
チ回路105に記憶された画像データは、並列信号I'd
1〜I'dNとしてパルス幅変調回路106に出力される。
パルス幅変調回路106は、これら並列信号I'd1〜I'
dNに応じて一定の振幅(電圧値)で、画像データ(I'd
1〜I'dN)に応じてパルス幅を変調した電圧信号をI''
d1〜I''dNとして出力する。
【0200】より具体的には、このパルス幅変調回路1
06は、画像データの輝度レベルが大きい程、パルス幅
の広い電圧パルスを出力するもので、例えば最大輝度に
対して30μ秒、最低輝度に対して0.12μ秒とな
り、かつその振幅が7.5[V]の電圧パルスを出力す
る。この出力信号I''d1〜I''dNは表示パネル101の
列配線端子Dy1〜DyNに印加される。
【0201】また表示パネル101の高圧端子Hvに
は、加速電圧源109から、例えば5kVの直流電圧V
aが供給される。
【0202】次に、走査回路102について説明する。
この走査回路102は、内部にM個のスイッチング素子
を備えるもので、各スイッチング素子は、直流電圧源V
xの出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のい
ずれか一方を選択し、表示パネル101の端子Dx1ない
しDxMと電気的に接続するものである。これらスイッチ
ング素子の切り換えは、制御回路103が出力する制御
信号Tscanに基づいて行われるが、実際には例えばFE
Tのようなスイッチング素子を組合わせることにより容
易に構成することが可能である。なお、直流電圧源Vx
は、図18に例示した電子放出素子の特性に基づき走査
されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出閾値
電圧Vth電圧以下となるよう、一定電圧を出力するよう
設定されている。また、制御回路103は、外部より入
力する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるよう
に各部の動作を整合させる働きをもつものである。
【0203】尚、シフトレジスタ104やラインメモリ
105は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式の
ものでも採用できる。即ち、画像信号のシリアル/パラ
レル変換や記憶が所定の速度で行われればよいからであ
る。
【0204】このような構成をとりうる本実施の形態の
画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器外端
子Dx1乃至DxM、Dy1乃至DyNを介して電圧を印加する
ことにより、電子放出が生じる。また高圧端子Hvを介
してメタルバック1019或は透明電極(不図示)に高
圧を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子
は、蛍光膜1018に衝突し、発光が生じて画像が形成
される。
【0205】ここで述べた画像表示装置の構成は、本実
施の形態に適用可能な画像形成装置の一例であり、本発
明の思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号
についてはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに
限るものではなく、PAL、SECAM方式などの他、
これらより多数の走査線からなるTV信号(MUSE方
式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0206】以下に、本発明の実施の形態の具体的な実
施例を挙げて更に詳述する。
【0207】以下に述べる各実施例においては、マルチ
電子源として、前述した、電極間の導電性微粒子膜に電
子放出部を有する表面伝導型放出素子をN×M個(N=
3072、M=1024)、M本の行方向配線とN本の
列方向配線とによりマトリクス状に配線(図7参照)し
たマルチ電子源を用いた。
【0208】(実施例1)本実施例1で用いるスペーサ
20を以下のように作成した。
【0209】フェースプレート及びリアプレート101
5と同質のソーダライムガラスをスペーサ母材とし、図
30に示した加熱延伸法により、断面形状として図1
(a)(b)及び図3(d)に示すような、スペーサ基
体21を得た。尚、図1(b)は、図1(a)の円で囲
ったスペーサ基体21の厚み方向の側面の端部の拡大図
である。
【0210】ここで、本実施例1で作成したスペーサ基
体21は、図26に示すように、高さ:Hが3mm、厚
み:Dが0.2mm、長さ:Lが40mmのものであっ
た。本実施例1で用いたガラス母材501は、図26に
示すように、高さ:Hが150mm、厚み:Dが10m
mの平板状のソーダライムガラスを用いた。また、母材
501と、最終的に得ようとするスペーサ基体21の断
面積比が、1:1/2500となるように、送り出し速
度v1が4ミクロン/分、引き出し速度v2が10mm/
分と設定した。この際、ヒータ502による加熱温度は
600℃とし、引き出し工程後、上記長さ:Lが40m
mになるように切断した。
【0211】また、上記加熱延伸法により得られたスペ
ーサ基体21の角は、曲率半径:rが0.02mmであ
った。尚、上記高さ:H、厚み:D、長さ:Lは、図2
6を用いて説明したものと同じ定義である。
【0212】以下、図2を参照して、転写浸漬法による
低抵抗膜(電極)25の作成手順を説明する。
【0213】先ず、純水、IPA、アセトンで化学洗浄
した後、UVオゾン洗浄を施した100×100×5t
の厚板ガラス2001上に(RKプリント・インストラ
メンタル社:RK print-instrumental corp.)製のバー
コート装置にて、N.Eケムキャット社:N.E.Chemca
t)製の有機金属塩溶解Ptペースト(粘度30kcp
s)を同図(b)のように薄膜展開した。このとき展開
液2002の膜厚は40ミクロンであり、この展開膜上
に同図(c)(d)(e)に示すように、上記スペーサ
基体21を40mm×0.2mmの面(端面)を展開面
に平行となるような方向で垂直に降下させて浸漬したの
ち、垂直に引き上げて転写させた。
【0214】これら展開浸漬転写の一連の操作を対向す
る面(端面)に対してもう一度行った後、120℃で1
0分間乾燥した後、600℃で10分間焼成し、低抵抗
膜(電極)25を上下端面の2個所に、図1(c)、
(d)に示すように形成した。尚、図1(c)の円で囲
まれたスペーサ端部の拡大図が図1(d)である。
【0215】このときの低抵抗膜(電極)25の高さh
は約200ミクロンであった。またこのとき、低抵抗膜
(電極)25の表面抵抗は1[Ω/□]であった。この
後、スペーサ基体21の表面に高抵抗膜22として、C
rおよびAlのターゲットを高周波電源で同時スパッタ
することにより、Cr-Al合金窒化膜を膜厚200n
mを形成した。このときのスパッタガスは、Ar:N2
が1:2の混合ガスで、全圧力は1m[torr]である。
上記条件で同時成膜した膜の表面抵抗Rは2×10の9
乗[Ω/□]であった。これに限らず本実施例1では種
々の高抵抗膜22の材料および製法を使用することが可
能である。このようにして作成したスペーサ20をスペ
ーサ20aとする。
【0216】こうして得られたスペーサ20の低抵抗膜
(電極)25の部分は、光沢反射が認められた上、スペ
ーサ基体21の端面と側面の境界領域、即ち、角部には
部分的な剥がれなども無く、低抵抗膜(電極)25の被
覆性は良好であった。
【0217】本実施例1では、前述した図7に示すよう
な、スペーサ20を配置した表示パネル101を作製し
た。
【0218】以下、この表示パネル101の製造方法を
詳述する。
【0219】まず予め基板1011上に行方向配線電極
1013、列方向配線電極1014、電極間絶縁層(不
図示)、及び表面伝導型放出素子の素子電極1102,
1103と導電性薄膜1104を形成した基板1011
を、リアプレート1015に固定した。次に、上述のよ
うにして作成されたスペーサ20を基板1011の行方
向配線1013上に等間隔で、行方向配線1013と平
行に固定した。その後、基板1011の約3mm上方
に、内面に蛍光膜1018とメタルバック1019が付
設されたフェースプレート1017を側壁1016を介
して配置し、リアプレート1015、フェースプレート
1017、側壁1016およびスペーサ20の各接合部
を固定した。基板1011とリアプレート1015の接
合部、リアプレート1015と側壁1016の接合部、
およびフェースプレート1017と10側壁1016の
接合部は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中
で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封
着した。また、スペーサ20は、基板1011側では行
方向配線1013(線幅約300[マイクロメート
ル])上に、フェースプレート1017側ではメタルバ
ック1019面上に、導電性のフィラー或は金属等の導
電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介し
て配置し、上記気密容器の封着と同時に、大気中で40
0℃乃至500℃で10分以上焼成することで接着し、
かつ電気的な接続も行った。
【0220】なお、本実施例1においては、蛍光膜10
18は、図10(a)に示すように、各色蛍光体が列方
向(Y方向)に延びるストライプ形状を採用し、黒色の
導電体1010は各色蛍光体(R、G、B)間だけでな
く、Y方向の各画素間をも分離するように配置されてい
る。またスペーサ20は、行方向(X方向)に平行な黒
色の導電体1010(線幅約300[マイクロメート
ル])内にメタルバック1019を介して配置された。
なお、前述の封着を行う際には、各色蛍光体と基板10
11上に配置された各素子とを対応させなくてはいけな
いため、リアプレート1015、フェースプレート10
17およびスペーサ20は十分な位置合わせを行った。
【0221】以上のようにして完成した気密容器内を排
気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxMとDy1〜DyNを
通じ、行方向配線電極1013および列方向配線電極1
014を介して各素子に給電して前述の通電フォーミン
グ処理と通電活性化処理を行うことによりマルチ電子源
を製造した。次に、10のマイナス6乗[torr]程度の
真空度で、不図示の排気管をガスバーナで熱することで
溶着し外囲器(気密容器)の封止を行った。そして最後
に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を
行った。
【0222】以上のように完成した、図7に示されるよ
うな表示パネル101を用いた画像表示装置において、
各冷陰極素子(表面伝導型放出素子)1012には、容
器外端子Dx1〜DxM、Dy1〜DyNを通じ、走査信号及び
変調信号をそれぞれ印加することにより電子を放出さ
せ、メタルバック1019には、高圧端子Hvを通じて
高圧を印加することにより放出電子ビームを加速して蛍
光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光体(図10の
R、G、B)を励起・発光させることで画像を表示し
た。なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは3[kV]〜
12[kV]の範囲で放電が発生する限界電圧まで印加
し、各配線1013、1014間への印加電圧Vfは1
4[V]とした。高圧端子Hvへの8kV以上電圧を印
加して連続駆動できた場合に、耐電圧良好と判断した。
【0223】このとき、スペーサ20の近傍で9kV駆
動まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い
位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による発
光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列
が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示がで
きた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道
に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったこと
を示している。
【0224】(実施例2)前述の実施例1で作成したス
ペーサ基体21を使用し、低抵抗膜(電極)25の塗布
用の展開液を、厚み0.2tのステンレスドクターブレ
ードと平行に配置した40ミクロンの隙間ゲージにより
展開すること以外は、前述の実施例1の作成方法と同様
にして、高さ:hが200ミクロンの低抵抗膜(電極)
25を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタによ
る高抵抗膜22を作成した。このようにして作成したス
ペーサ20をスペーサ20bとする。そうして得られた
スペーサ20の低抵抗膜(電極)25部分は、光沢反射
が認められた上、スペーサ基体21の端面と側面の境界
領域、すなわち角部には部分的な剥がれなども無く、低
抵抗膜(電極)25の被覆性は良好であった。
【0225】更に実施例1と同様に、電子線放出素子を
組み込んだリアプレート等とともに表示パネル101を
作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素子駆動
を行った。
【0226】このときスペーサ20近傍で9kV駆動ま
で放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い位置
にある冷陰極素子1012からの放出電子による発光ス
ポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形
成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができ
た。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。
【0227】(実施例3)実施例1で作成したスペーサ
基体21を使用し、低抵抗膜(電極)25塗布用の展開
液を、テルペン系溶媒にて希釈してスピンコートにより
展開すること以外は、前述の実施例1の作成方法と同様
にして、高さ:hが10ミクロンの低抵抗膜(電極)2
5を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタによる
高抵抗膜22を作成した。このようにして作成したスペ
ーサ20をスペーサ20cとする。このとき希釈した展
開液の粘度は、1kcPであった。こうして得られたス
ペーサ20の低抵抗膜部分25は、光沢反射が認められ
た上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領域、すな
わち角部には部分的な剥がれなども無く、低抵抗膜(電
極)25の被覆性は良好であった。更に実施例1と同様
に、電子線放出素子を組み込んだリアプレート等ととも
に表示パネルを作成し、実施例1と同条件で高圧印加お
よび素子駆動を行った。
【0228】このときスペーサ20の近傍で10kV駆
動まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い
位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による発
光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列
が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示がで
きた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道
に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったこと
を示している。
【0229】(実施例4)前述の実施例1で作成したス
ペーサ基体21を使用し、低抵抗膜塗布用の展開液を、
住友大阪セメント社製で平均粒径が10nmのSbをド
ープした酸化錫微粒子をシリカバインダー中に分散した
溶液をバーコートで展開すること以外は、実施例1の作
成方法と同様にして高さ100ミクロンの低抵抗膜(電
極)25を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタ
により高抵抗膜22を作成した。このようにして作成し
たスペーサ20をスペーサ20dとする。このとき展開
液の粘度は10cPであった。こうして得られたスペー
サ20の低抵抗膜(電極)25の部分は、光沢反射が認
められた上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領
域、即ち角部には部分的な剥がれなども無く、低抵抗膜
(電極)25の被覆性は良好であった。更に実施例1と
同様にして、電子線放出素子を組み込んだリアプレート
等とともに表示パネル101を作成し、実施例1と同じ
条件で、高圧印加および素子駆動を行った。
【0230】このときスペーサ20の近傍で9kV駆動
まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い位
置にある冷陰極素子1012からの放出電子による発光
スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が
形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができ
た。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。
【0231】(実施例5)実施例1で作成したスペーサ
基体21を使用して実施例1と全く同じ方法で低抵抗膜
(電極)25を作成した。そして、この低抵抗膜(電
極)25を、80℃に加熱した王水をエッチャントとし
て、スペーサ基体21の厚み方向の側面から距離:h’
として150ミクロンの位置まで部分的にエッチングし
た(電極25の加工(除去)工程)。同時に、低抵抗膜
の角部も曲率をもつようにパターニングした(図32、
図33)。このようにして、高さ:h’が150ミクロ
ンの低抵抗膜(電極)25を作成し、更に実施例1と同
様にしてスパッタによる高抵抗膜22を作成した。この
ようにして作成したスペーサ20をスペーサ20eとす
る。このとき得られた、スペーサ20eの低抵抗膜(電
極)25部分は、光沢反射が認められた上、スペーサ基
体21の端面と側面の境界領域、即ち、角部には部分的
な剥がれなども無く、低抵抗膜(電極)25の被覆性は
良好であった。更に実施例1と同様にして、電子線放出
素子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル1
01を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素
子駆動を行った。
【0232】このときスペーサ20近傍で10kV駆動
まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い位
置にある冷陰極素子1012からの放出電子による発光
スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が
形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができ
た。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。
【0233】(実施例6)前述の実施例5と全く同じ方
法で抵抵抗膜(電極)25を作成したスペーサ20に対
し、実施例5の電極25の加工(除去)工程をレーザ加
工装置により行った。加工後の電極25の形状は、実施
例5と同様である。このようにして、低抵抗膜(電極)
25を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタによ
る高抵抗膜22を得た。このようにして作成したスペー
サ20をスペーサ20fとする。このとき得られた、ス
ペーサ20の低抵抗膜(電極)25部分は、光沢反射が
認められた上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領
域、即ち、角部には部分的な剥がれなども無く、抵抗膜
(電極)25の被覆性は良好であった。
【0234】更に、実施例1と同様にして、電子線放出
素子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル1
01を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素
子駆動を行った。このとき、スペーサ20の近傍で10
kV駆動まで放電は発生しなかった。更に、スペーサ2
fに近い位置にある冷陰極素子1012からの放出電子
による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光ス
ポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像
表示ができた。このことは、スペーサ20を設置しても
電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなか
ったことを示している。
【0235】(実施例7)フェースプレートおよびリア
プレート1015と同質のソーダライムガラスをスペー
サ母材とし、図5に示した加熱延伸法により、図26に
規定した高さ:H、厚み:D、長さ:Lがそれぞれ、3
mm、0.2mm、40mmのスペーサ基体21を形成
した。尚、本実施例では、上記加熱延伸法により、スペ
ーサ基体の角(図26、図3(d))の曲率半径:rが
4ミクロンのものを作成した。
【0236】この後、実施例1と同じ作成方法により、
高さ200ミクロンの低抵抗膜(電極)25を作成し、
更に実施例1と同様にしてスパッタによる高抵抗膜22
を作成した。このようにして作成したスペーサ20をス
ペーサ20gとする。このとき得られたスペーサ20の
低抵抗膜(電極)25部分は、光沢反射が認められた
上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領域、即ち、
角部には部分的な剥がれなども無く、低抵抗膜(電極)
25の被覆性は良好であった。
【0237】更に実施例1と同様にして、電子線放出素
子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル10
1を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素子
駆動を行った。このときスペーサ20の近傍で10kV
駆動まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近
い位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による
発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット
列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示が
できた。このことは、スペーサ20を設置しても電子軌
道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったこ
とを示している。
【0238】(実施例8)スペーサ基体21の端面と側
面間の境界、即ち角部を研磨処理にてエッジから10ミ
クロンの領域を45度にテーパー加工を行ったアルミナ
基板をスペーサ基板とした(図3(a))。この基板に
実施例1と同じ作成方法により、高さ200ミクロンの
低抵抗膜(電極)25を作成し、更に実施例1と同様に
してスパッタによる高抵抗膜22を作成した。このよう
にして作成したスペーサ20をスペーサ20hとする。
このとき得られたスペーサ20の低抵抗膜(電極)25
部分は、光沢反射が認められた上、スペーサ基体21の
端面と側面の境界領域すなわち角部には部分的な剥がれ
なども無く、低抵抗膜(電極)25の被覆性は良好であ
った。
【0239】更に実施例1と同様にして、電子線放出素
子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル10
1を作成し、実施例1と同条件で高圧印加および素子駆
動を行った。このときスペーサ20の近傍で10kV駆
動まで放電は発生しなかった。更に、スペーサ20に近
い位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による
発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット
列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示が
できた。このことは、スペーサ20を設置しても、電子
軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかった
ことを示している。
【0240】(実施例9)青板ガラスからなるスペーサ
基体21の端面と側面間の境界、即ち、角部を研磨処理
にてエッジから10ミクロンの領域を45度にテーパー
加工を行った(図3(a))。
【0241】このスペーサ基体21に実施例1と同じ作
成方法により、約高さ200ミクロンの低抵抗膜(電
極)25を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタ
による高抵抗膜22を作成した。このようにして作成し
たスペーサ20をスペーサ20iとする。このとき得ら
れたスペーサ20の低抵抗膜(電極)25部分は、光沢
反射が認められた上、スペーサ基体21の端面と側面の
境界領域、即ち、角部には部分的な剥がれなどもなく低
抵抗膜(電極)25の被覆性は良好であった。
【0242】更に実施例1と同様にして、電子線放出素
子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル10
1を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素子
駆動を行った。このときスペーサ20の近傍で10kV
駆動まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近
い位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による
発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット
列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示が
できた。このことは、スペーサ20を設置しても、電子
軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかった
ことを示している。
【0243】(実施例10)本実施例では、図26に示
すように、スペーサ基体21の全6面(側面、端面、厚
み方向の側面)を研磨処理にて相互に直角に配置するよ
う研磨したソーダライムガラス基板をスペーサ基体21
とした。このスペーサ基体21に実施例1と同じ作成方
法により、高さ200ミクロンの低抵抗膜(電極)25
を作成し、更に実施例1と同様にしてスパッタによる高
抵抗膜22を作成した。このようにして作成したスペー
サ20をスペーサ20jとする。このとき得られたスペ
ーサ20の低抵抗膜(電極)25部分は、光沢反射が認
められた上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領域
において(電極)25の被覆性は一部不良であった。
【0244】更に実施例1と同様にして、電子線放出素
子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル10
1を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素子
駆動を行った。このときスペーサ20の近傍で、他の実
施例のように、メタルバックに印加する高電圧を10k
Vまで挙げたところ、一部で放電が観測された。メタル
バックに印加する高電圧が8kVまでは、スペーサ20
jに近い位置にある冷陰極素子1012からの放出電子
による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光ス
ポット列が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像
表示ができた。このことは、メタルバックに印加する高
電圧が8kVまでは、スペーサ20を設置しても、電子
軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかった
ことを示している。このように、角部の被覆率が部分的
に不良であったにもかかわらず発光点の乱れが認められ
なかったのは、残りのほとんどの部分の低抵抗膜部分が
コンタクト良好であったために、低抵抗膜上端での共通
電位が保たれていたためと理解される。
【0245】(参考例)本比較例では、図26に示した
角が直角なスペーサ基体21を使用した。低抵抗膜(電
極)25の作成方法は図6に示した方法で行った。以下
にそのプロセスを具体的に説明する。
【0246】スペーサ基体21の両側面をガラス製固定
治具2012によって挟む形で、複数のスペーサ基体2
1を固定する(図6(a))。尚、ここでは、ガラス製
固定治具2012の厚み:D1を1.1mm、高さ:H1
を2.8mm、長さ:L1を42mmとした。また、ス
ペーサ基体は、厚み:Dが0.2mm、高さ:Hが3m
m、長さ:Lが40mmである。
【0247】そして、前記ガラス製固定治具2012か
ら露出しているスペーサ基体の端部に、10nm厚のT
i膜2013を形成し、さらに200nm厚のPt膜2
013をスパッタにより気相形成した(図6(b)、
(c))。この工程により、高さ200μmの低抵抗膜
(電極)25が形成された。
【0248】上記工程と同様にして、スペーサ基体21
の反対側の端部に、低抵抗膜(電極)25を形成した
(図6(d))。
【0249】上記工程において、Ti膜は、Pt膜の膜
密着性を補強する下地層として必要であった。この後、
更に実施例1と同様にして、スパックによる高抵抗膜2
2を作成した。
【0250】このようにして作成したスペーサ20をス
ペーサ20kとする。このとき得られた、スペーサ20
の低抵抗膜(電極)25部分は、光沢反射が認められた
上、スペーサ基体21の端面と側面の境界領域、即ち、
角部には部分的な剥がれが生じた。
【0251】更に実施例1と同様にして、電子線放出素
子を組み込んだリアプレート等とともに表示パネル10
1を作成し、実施例1と同条件で、高圧印加および素子
駆動を行った。このときスペーサ20の近傍で7kV駆
動まで放電は発生しなかった。更にスペーサ20に近い
位置にある冷陰極素子1012からの放出電子による発
光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列
が形成され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示がで
きた。このことはスペーサ20を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。
【0252】以上の各実施例で作成した、低抵抗膜(電
極)25を形成したスペーサ20a〜20jと、上記参
考例で作成したスペーサ20kについて、この作成方
法、電気的コンタクト、発光点変位、および耐放電につ
いて比較すると、参考例のスペーサ20kは低抵抗膜
(電極)25を形成する際に、真空減圧装置を必要とす
るだけでなく、Pt単独のスパッタではガラス基板との
密着性に問題があり、下地層を設けるためのプロセスを
別途必要する。
【0253】また、本実施例で示した転写浸漬形成によ
る低抵抗膜(電極)25に比べて、絶縁耐圧が若干低
い。これは、転写浸漬形成した低抵抗膜(電極)25の
膜厚分布が、周辺になるに従い薄くなるテーパ状断面で
あるのに対して、スパッタ形成膜ではパターニングした
末端での低抵抗膜(電極)25の角部は、直角な断面で
あったり、マスクからはがす段階でバリなどの突起がス
ペーサ外空間に向かって発生するために、電子源中でそ
れらの突起部に電界が集中しやすい為であると思われ
る。
【0254】また、スペーサ20jの耐電圧、ビーム発
光位置も良好であったが、スペーサ基体21の角部に低
抵抗膜(電極)25の被覆率が低い状態が確認されてお
り、多量生産の際の歩留まり等を考えると、スペーサ基
体21の角部のR処理が被覆率向上の為に有効である事
がわかる。
【0255】本実施の形態により形成される低抵抗膜
(電極)25は、いずれも作成工程が簡便、かつ容易で
あり、また得られた低抵抗膜(電極)25の電気的コン
タクトも良好であり、かつ、放電耐圧も良好であるの
で、電子線による表示品位を向上できる。また、量産性
と低コスト性等を求められる作製工程、及びこれを使用
する電子源に対して特に有効なものである。
【0256】以上説明したように、本実施の形態におけ
る低抵抗膜(電極)25の形成手法として液相形成法を
形成することの効果として、真空減圧工程を必要としな
いため、 装置コストが抑制できる タクトタイムを抑制できる 排気、減圧、成膜、大気リーク後、低抵抗膜(電極)2
5が準安定状態にあり、不安定な過渡状態で他の部材を
成膜することで低抵抗膜(電極)25の剥がれ等の問題
が生じることがあり、安定状態に緩和させる必要があっ
た。これは低抵抗膜(電極)25の構造や表面活性に関
係していると思われるが、とりわけ水の脱吸着の安定化
に関係すると考えられる。しかしながら、真空工程を経
由しない加熱焼成を採用することにより、これらの不安
定状態の経由を抑えることができる。 原料の利用効率が高い等 また、スペーサ基体21の端面と側面間の境界領域(角
部)を円弧状処理を施すなどの滑らかな連続面とするこ
とによる効果としては、角部、即ち、スペーサ基体21
の端面と側面の境界領域における低抵抗膜(電極)25
の被覆率を向上させることができる。
【0257】このため、低抵抗膜(電極)25が、スペ
ーサ基体21の端面と側面で分断されることが無く、両
面の良好な電気的コンタクトを得ることができ、電子源
としてスペーサを組み込んだ時に、スペーサ表面の帯電
をFPおよびRPの基板面に効率的に逃すことができ
る。
【0258】以上のように簡便かつ低コストな作成プロ
セスを得られることが効果として挙げられる。これによ
って更には、スペーサおよび電子源の製造コストを低下
させ、帯電による発光部の変位が抑えられた表示品位の
高い画像表示装置を安価に提供するものである。
【0259】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真
空減圧装置を必要とせずに、低抵抗膜(電極)を付与し
たスペーサを容易に、かつ安価に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスペーサの形状を説
明する図である。
【図2】本実施の形態に係るスペーサの低抵抗膜を付与
する方法を示す図である。
【図3】本実施の形態に係るスペーサの基板の断面形状
と低抵抗膜の付与状態を説明する図である。
【図4】本実施の形態に係るスペーサの低抵抗膜の形成
部の寸法の規定を説明する図である。
【図5】本実施の形態に係るスペーサの加熱延伸装置を
説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態との比較例に用いた低抵抗
膜の気相形成過程の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の表示
パネルの一部を切り欠いて示した外観斜視図である。
【図8】本実施の形態で用いたマルチ電子源の基板の平
面図である。
【図9】図8のマルチ電子源の基板のA−A’断面図で
ある。
【図10】本実施の形態の表示パネルのフェースプレー
トの蛍光体配列を例示した平面図である。
【図11】図7の表示パネルのA−A’断面図である。
【図12】本実施の形態で用いた平面型の表面伝導型放
出素子の平面図(a),断面図(b)である。
【図13】本実施の形態に係る平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を示す断面図である。
【図14】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形を
示す図である。
【図15】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a),
放電電流Ieの変化(b)を示す図である。
【図16】本実施の形態で用いた垂直型の表面伝導型放
出素子の断面図である。
【図17】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を説
明する断面図である。
【図18】本実施の形態で用いた表面伝導型放出素子の
典型的な特性を示すグラフ図である。
【図19】本発明の実施の形態の画像表示装置の駆動回
路の構成を示すブロック図である。
【図20】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図21】従来知られたFE型素子の一例を示す図であ
る。
【図22】従来知られたMIM型素子の一例を示す図で
ある。
【図23】スペーサに低抵抗膜を付けた例を示す模式図
である。
【図24】図23のA−A部での断面模式図である。
【図25】スペーサの端部を模式的に示した図である。
【図26】スペーサ基体またはスペーサの斜視図であ
る。
【図27】スペーサに低抵抗膜を付けた例を示す模式図
である。
【図28】母材からスペーサ母材を切り出す方法を示す
模式図である。
【図29】本実施の形態に係るスペーサ基体への電極の
形成方法の一例を示す模式図である。
【図30】本実施の形態に係るスペーサ基体の製造装置
の一例を示す模式図である。
【図31】スペーサ基体またはスペーサの斜視図であ
る。
【図32】低抵抗膜の加工の様子を表す模式図である。
【図33】低抵抗膜の加工の様子を表す模式図である。

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成部材が配置された第一の基板
    と、電子放出素子が配置された第二の基板との間に配置
    されるスペーサの製造方法であって、 ガラス母材を用意するステップと、 前記ガラス母材の一部をヒータにより加熱しながら引き
    伸ばすステップと、 引き伸ばしたガラス母材を所望の長さに切断する切断ス
    テップとを有し、 前記引き伸ばすステップでは、前記ガラス母材を前記ヒ
    ータに向けて速度v1で送り、前記ヒータで加熱された
    ガラス母材を当該ヒータから遠ざける方向に速度v2で
    引っ張り、前記速度v1と速度v2との関係がv1<v2で
    あることを特徴とするスペーサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記速度v1とv2のそれぞれの方向が実
    質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載のスペー
    サの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記切断ステップは、前記加熱の後に前
    記ガラス母材が冷却された状態で行なわれることを特徴
    とする請求項1に記載のスペーサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記速度v1とv2の方向に対して実質的
    に垂直な面における、前記ガラス母材の断面の面積をS
    1、前記引き伸ばされたガラス母材の断面の面積をS2
    とした時に、 S2/S1=v1/v2 の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のスペ
    ーサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス母材の断面と、前記引き伸ば
    されたガラス母材の断面とが相似形であることを特徴と
    する請求項2又は4に記載のスペーサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記v2とv1との比(v1/v2)は、
    1/10以上1/10000以下であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスペーサの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記v2とv1との比(v1/v2)は、1
    /100以上1/10000以下であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスペーサの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記切断ステップで作成したスペーサ基
    体の端部に、導電性材料が分散または溶解した液体を塗
    布する塗布ステップと、 前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、該スペー
    サ基体の端部に電極を形成するステップと、 を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か1項に記載のスペーサの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塗布ステップでは、 前記切断ステップで作成したスペーサ基体の端部を導電
    性材料が分散又は溶解した液体に浸漬させ、該スペーサ
    基体の端部に前記液体を付与することを特徴とする請求
    項8に記載のスペーサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が10cps以上であることを特徴とす
    る請求項9に記載のスペーサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が100cps以上であることを特徴と
    する請求項9に記載のスペーサの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が1000cps以上であることを特徴
    とする請求項9に記載のスペーサの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記切断ステップで作成したスペーサ
    基体の表面に、前記電極よりも高抵抗な膜を形成するス
    テップを更に有することを特徴とする請求項8に記載の
    スペーサの製造方法。
  14. 【請求項14】 画像形成部材が配置された第一の基板
    と、電子放出素子が配置された第二の基板と、該第一お
    よび第二の基板との間に配置したスペーサとを有する画
    像形成装置の製造方法であって、 ガラス母材を用意するステップと、 前記ガラス母材の一部をヒータにより加熱しながら引き
    伸ばすステップと、 前記引き伸ばしたガラス母材を、所望の長さに切断しス
    ペーサ基体とする切断ステップと、 前記スペーサ基体の端部に導電性材料を含有する液体を
    塗布する塗布ステップと、 前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、該スペー
    サ基体の端部に電極を形成するステップと、 前記スペーサ基体に形成された電極を前記第一の基板ま
    たは第二の基板に当接させるステップとを有し、 前記引き伸ばすステップは、前記ガラス母材を前記ヒー
    タに向けて速度v1で送り、前記ヒータで加熱されたガ
    ラス母材を当該ヒータから遠ざける方向に速度v2で引
    っ張り、前記速度v1とv2のそれぞれはv1<v2の関係
    を満たすことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記速度v1とv2のそれぞれの方向が
    実質的に等しいことを特徴とする請求項14に記載の画
    像形成装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記切断ステップは、前記加熱の後に
    ガラス母材が冷却された状態で行われることを特徴とす
    る請求項14に記載の画像形成装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記速度v1とv2の方向に対して実質
    的に垂直な面における、前記ガラス母材の断面の面積を
    S1、前記引き伸ばされたガラス母材の断面の面積をS
    2とした時に、 S2/S1=v1/v2 の関係を満たすことを特徴とする請求項15に記載の画
    像形成装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記ガラス母材の断面と、前記引き伸
    ばされたガラス母材の断面とが相似形であることを特徴
    とする請求項15又は17に記載の画像形成装置の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 前記速度v2とv1との比(v1/v
    2)は、1/10以上1/10000以下であることを
    特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の
    画像形成装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記速度v2とv1との比(v1/v2)
    は、1/100以上1/10000以下であることを特
    徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の画
    像形成装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記切断ステップで作成したスペーサ
    基体の端部に導電性材料が分散または溶解した液体を塗
    布するステップと、 前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、該スペー
    サ基体の端部に電極を形成するステップと、を更に有す
    ることを特徴とする請求項14乃至20のいずれか1項
    に記載の画像形成装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記塗布ステップでは、 前記切断ステップで作成したスペーサ基体の端部を、前
    記導電性材料が分散又は溶解した液体に浸漬させ、該ス
    ペーサ基体の端部に前記液体を付与することを特徴とす
    る請求項21に記載の画像形成装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が10cps以上であることを特徴とす
    る請求項22に記載の画像形成装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が100cps以上であることを特徴と
    する請求項22に記載の画像形成装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が1000cps以上であることを特徴
    とする請求項22に記載の画像形成装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記切断ステップで作成したスペーサ
    基体の表面に、前記電極よりも高抵抗な膜を形成するス
    テップを更に有することを特徴とする請求項21に記載
    の画像形成装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 画像形成部材が配置された第一の基板
    と、電子放出素子が配置された第二の基板と、該第一お
    よび第二の基板との間に配置したスペーサとを有する画
    像形成装置の製造方法であって、 スペーサ母材を用意するステップと、 前記スペーサ母材の角部を平面状あるいは円弧状に加工
    し、スペーサ基体を形成するステップと、 前記テーパー状あるいは円弧状の部分を含むスペーサ基
    体の端部に、導電性材料が分散又は溶解した液体を塗布
    する塗布ステップと、 前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、該スペー
    サ基体の端部に電極を形成するステップと、 前記スペーサ基体に形成された電極を前記第一の基板ま
    たは第二の基板に当接させるステップと、を有すること
    を特徴とする画像形成装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 画像形成部材が配置された第一の基板
    と、電子放出素子が配置された第二の基板と、該第一お
    よび第二の基板との間に配置したスペーサとを有する画
    像形成装置の製造方法であって、 スペーサ母材を用意するステップと、 前記スペーサ母材の端部をテーパー状あるいは円弧状に
    加工し、スペーサ基体を形成するステップと、 前記テーパー状あるいは円弧状の部分を含むスペーサ基
    体の端部に、導電性材料が分散又は溶解した液体を塗布
    するステップと、 前記スペーサ基体に塗布された液体を加熱し、前記スペ
    ーサ基体の端部に電極を形成するステップと、 前記スペーサ基体に形成された電極を前記第一の基板ま
    たは第二の基板に当接させるステップと、を有すること
    を特徴とする画像形成装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記電極が形成されたスペーサ基体の
    端部を、前記第一の基板または第二の基板と実質的に平
    行な面で切った時の断面におけるスペーサ基体の厚みを
    tとし、 前記電極が形成されたスペーサ基体の端部を、前記第一
    の基板または第二の基板と実質的に垂直な面で切った時
    の断面において、前記電極が被覆しているスペーサ基体
    の表面の長さをs、前記第一の基板または第二の基板か
    らの前記電極の高さを h とした時に、 (t2+4×h2)<s2<(t+2h)2 を満たすことを特徴とする請求項27又は28に記載の
    画像形成装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が10cps以上であることを特徴とす
    る請求項27又は28に記載の画像形成装置の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が100cps以上であることを特徴と
    する請求項27又は28に記載の画像形成装置の製造方
    法。
  32. 【請求項32】 前記導電性材料が分散又は溶解した液
    体は、その粘度が1000cps以上であることを特徴
    とする請求項27又は28に記載の画像形成装置の製造
    方法。
  33. 【請求項33】 前記スペーサ基体の表面に前記電極よ
    りも高抵抗な膜を形成するステップを更に有することを
    特徴とする請求項27乃至32のいずれか1項に記載の
    画像形成装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 画像形成部材が配置された第一の基板
    と、電子放出素子が配置された第二の基板との間に配置
    されるスペーサの製造装置であって、 ガラス母材を加熱するための加熱手段と、 前記ガラス母材を前記加熱手段に送る第一の送り手段
    と、 前記ガラス母材を前記加熱手段から引き出す第二の送り
    手段とを有し、 前記第一の送り手段と第二の送り手段との間に前記加熱
    手段が配されることを特徴とするスペーサの製造装置。
  35. 【請求項35】 前記第一及び、又は第二の送り手段
    は、前記ガラス母材を挟持することを特徴とする請求項
    34に記載のスペーサの製造装置。
  36. 【請求項36】 前記第一及び第二の送り手段は、前記
    ガラス母材に接触しながら回転する回転体を含むことを
    特徴とする請求項34又は35に記載のスペーサの製造
    装置。
  37. 【請求項37】 前記第二の送り手段から引き出された
    前記ガラス母材を切断する手段を更に有することを特徴
    とする請求項34に記載のスペーサの製造装置。
JP26267499A 1998-09-21 1999-09-16 スペーサの製造方法および前記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3689598B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26267499A JP3689598B2 (ja) 1998-09-21 1999-09-16 スペーサの製造方法および前記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法
US09/399,811 US6517399B1 (en) 1998-09-21 1999-09-21 Method of manufacturing spacer, method of manufacturing image forming apparatus using spacer, and apparatus for manufacturing spacer
US10/265,232 US6926571B2 (en) 1998-09-21 2002-10-07 Method of manufacturing spacer, method of manufacturing image forming apparatus using spacer, and apparatus for manufacturing spacer

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26696598 1998-09-21
JP10-266965 1998-09-21
JP26267499A JP3689598B2 (ja) 1998-09-21 1999-09-16 スペーサの製造方法および前記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005123990A Division JP3903053B2 (ja) 1998-09-21 2005-04-21 画像形成装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000164129A true JP2000164129A (ja) 2000-06-16
JP3689598B2 JP3689598B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=26545647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26267499A Expired - Fee Related JP3689598B2 (ja) 1998-09-21 1999-09-16 スペーサの製造方法および前記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (2) US6517399B1 (ja)
JP (1) JP3689598B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7052354B2 (en) 2002-08-01 2006-05-30 Canon Kabushiki Kaisha Method for producing spacer and spacer
US7067171B1 (en) 1999-02-17 2006-06-27 Canon Kabushiki Kaisha Manufacturing method of electron beam apparatus and spacer, and electron beam apparatus
JP2007039260A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Canon Inc 延伸ガラス部材の製造方法、スペーサの製造方法、及び画像表示装置の製造方法
KR100709636B1 (ko) * 2004-08-04 2007-04-23 캐논 가부시끼가이샤 지지구조체, 지지구조체의 제조방법, 및 이것을 사용한표시장치
US7378788B2 (en) 2004-06-30 2008-05-27 Canon Kabushiki Kaisha Image display apparatus

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3507393B2 (ja) * 1999-02-25 2004-03-15 キヤノン株式会社 スペーサの製造方法および電子源装置の製造方法
JP3610325B2 (ja) 2000-09-01 2005-01-12 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法
JP4865169B2 (ja) * 2000-09-19 2012-02-01 キヤノン株式会社 スペーサの製造方法
JP3634781B2 (ja) * 2000-09-22 2005-03-30 キヤノン株式会社 電子放出装置、電子源、画像形成装置及びテレビジョン放送表示装置
US7005787B2 (en) * 2001-01-24 2006-02-28 Industrial Technology Research Institute Anodic bonding of spacer for field emission display
JP3768908B2 (ja) * 2001-03-27 2006-04-19 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像形成装置
US20050156507A1 (en) * 2002-09-27 2005-07-21 Shigeo Takenaka Image display device, method of manufacturing a spacer for use in the image display device, and image display device having spacers manufactured by the method
US7791424B2 (en) * 2002-10-15 2010-09-07 Marvell World Trade Ltd. Crystal oscillator emulator
US7768360B2 (en) 2002-10-15 2010-08-03 Marvell World Trade Ltd. Crystal oscillator emulator
US7253495B2 (en) 2002-10-15 2007-08-07 Marvell World Trade Ltd. Integrated circuit package with air gap
US7760039B2 (en) * 2002-10-15 2010-07-20 Marvell World Trade Ltd. Crystal oscillator emulator
US20060113639A1 (en) * 2002-10-15 2006-06-01 Sehat Sutardja Integrated circuit including silicon wafer with annealed glass paste
JP4366920B2 (ja) * 2002-11-07 2009-11-18 ソニー株式会社 平面型表示装置及びその製造方法
DE10350460B4 (de) * 2003-10-29 2006-07-13 X-Fab Semiconductor Foundries Ag Verfahren zur Herstellung von mikromechanische und/ oder mikroelektronische Strukturen aufweisenden Halbleiterbauelementen, die durch das feste Verbinden von mindestens zwei Halbleiterscheiben entstehen, und entsprechende Anordnung
CN1668162A (zh) * 2004-01-22 2005-09-14 佳能株式会社 防止带电膜和使用它的隔板及图像显示装置
JP2005216606A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Hitachi Ltd 平面型表示装置
JP2006054143A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Hitachi Displays Ltd 画像表示装置及びその製造方法
US20060145595A1 (en) * 2004-11-30 2006-07-06 Youn Hae-Su Image display device
JP2006164684A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Hitachi Displays Ltd 画像表示装置
US20080136861A1 (en) * 2006-12-11 2008-06-12 3M Innovative Properties Company Method and apparatus for printing conductive inks
WO2009001946A1 (ja) * 2007-06-28 2008-12-31 Kyocera Corporation タッチパネルおよびタッチパネル型表示装置
JP2009123421A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Canon Inc 気密容器の製造方法
JP2011210430A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Canon Inc 気密容器の製造方法
JP2011210431A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Canon Inc 気密容器の製造方法
JP5590935B2 (ja) * 2010-03-29 2014-09-17 キヤノン株式会社 気密容器の製造方法
JP2012059401A (ja) 2010-09-06 2012-03-22 Canon Inc 気密容器の製造方法
JP5627370B2 (ja) 2010-09-27 2014-11-19 キヤノン株式会社 減圧気密容器及び画像表示装置の製造方法

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1358061A (en) * 1971-05-21 1974-06-26 Glaverbel Methods of strengthening glass articles
JPS57118355A (en) 1981-01-14 1982-07-23 Toshiba Corp Plate-like displayer
US5614781A (en) 1992-04-10 1997-03-25 Candescent Technologies Corporation Structure and operation of high voltage supports
US5675212A (en) 1992-04-10 1997-10-07 Candescent Technologies Corporation Spacer structures for use in flat panel displays and methods for forming same
JPS61124031A (ja) 1984-11-20 1986-06-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 画像表示装置の電子銃
US4904895A (en) 1987-05-06 1990-02-27 Canon Kabushiki Kaisha Electron emission device
DE3853744T2 (de) 1987-07-15 1996-01-25 Canon Kk Elektronenemittierende Vorrichtung.
JPS6431332A (en) 1987-07-28 1989-02-01 Canon Kk Electron beam generating apparatus and its driving method
US5063327A (en) 1988-07-06 1991-11-05 Coloray Display Corporation Field emission cathode based flat panel display having polyimide spacers
US4923421A (en) 1988-07-06 1990-05-08 Innovative Display Development Partners Method for providing polyimide spacers in a field emission panel display
JPH02257551A (ja) 1989-03-30 1990-10-18 Canon Inc 画像形成装置
JP3044382B2 (ja) 1989-03-30 2000-05-22 キヤノン株式会社 電子源及びそれを用いた画像表示装置
JP2967288B2 (ja) 1990-05-23 1999-10-25 キヤノン株式会社 マルチ電子ビーム源及びこれを用いた画像表示装置
US5205770A (en) 1992-03-12 1993-04-27 Micron Technology, Inc. Method to form high aspect ratio supports (spacers) for field emission display using micro-saw technology
US5742117A (en) 1992-04-10 1998-04-21 Candescent Technologies Corporation Metallized high voltage spacers
US5232549A (en) 1992-04-14 1993-08-03 Micron Technology, Inc. Spacers for field emission display fabricated via self-aligned high energy ablation
CA2100977C (en) 1992-07-24 2000-02-08 Noribumi Koitabashi Ink container, ink and ink jet recording apparatus using ink container
EP0683920B2 (en) 1993-02-01 2006-04-12 Candescent Intellectual Property Services, Inc. Flat panel device with internal support structure
GB2276270A (en) 1993-03-18 1994-09-21 Ibm Spacers for flat panel displays
FR2706077B1 (fr) 1993-06-03 1995-07-21 Saint Gobain Vitrage Int Polyèdres de verre et procédé de fabrication.
CN1271675C (zh) 1994-06-27 2006-08-23 佳能株式会社 电子束设备
US5545277A (en) * 1994-10-03 1996-08-13 Ford Motor Company Plate glass edge strength
US5486126A (en) 1994-11-18 1996-01-23 Micron Display Technology, Inc. Spacers for large area displays
WO1996018204A1 (en) * 1994-12-05 1996-06-13 Color Planar Displays, Inc. Support structure for flat panel displays
CA2166506C (en) 1995-01-31 2000-11-28 Sungho Jin Improved field emission devices having corrugated support pillars with discontinuous conductive coating
US5704820A (en) 1995-01-31 1998-01-06 Lucent Technologies Inc. Method for making improved pillar structure for field emission devices
US5561340A (en) 1995-01-31 1996-10-01 Lucent Technologies Inc. Field emission display having corrugated support pillars and method for manufacturing
US5598056A (en) 1995-01-31 1997-01-28 Lucent Technologies Inc. Multilayer pillar structure for improved field emission devices
JP2956590B2 (ja) * 1996-05-27 1999-10-04 双葉電子工業株式会社 支柱材整列用治具
US5811927A (en) * 1996-06-21 1998-09-22 Motorola, Inc. Method for affixing spacers within a flat panel display
US5859502A (en) 1996-07-17 1999-01-12 Candescent Technologies Corporation Spacer locator design for three-dimensional focusing structures in a flat panel display
US5898266A (en) 1996-07-18 1999-04-27 Candescent Technologies Corporation Method for displaying frame of pixel information on flat panel display
US5717287A (en) * 1996-08-02 1998-02-10 Motorola Spacers for a flat panel display and method
US6278066B1 (en) 1996-12-20 2001-08-21 Candescent Technologies Corporation Self-standing spacer wall structures
US5777432A (en) 1997-04-07 1998-07-07 Motorola Inc. High breakdown field emission device with tapered cylindrical spacers
JP3135897B2 (ja) * 1999-02-25 2001-02-19 キヤノン株式会社 電子線装置用スペーサの製造方法と電子線装置の製造方法
US6068532A (en) * 1999-07-21 2000-05-30 Industrial Technology Research Institute Method for fabricating vacuum display devices and structures fabricated
JP2002157959A (ja) * 2000-09-08 2002-05-31 Canon Inc スペーサの製造法およびこのスペーサを用いた画像形成装置の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7067171B1 (en) 1999-02-17 2006-06-27 Canon Kabushiki Kaisha Manufacturing method of electron beam apparatus and spacer, and electron beam apparatus
US7052354B2 (en) 2002-08-01 2006-05-30 Canon Kabushiki Kaisha Method for producing spacer and spacer
US7378788B2 (en) 2004-06-30 2008-05-27 Canon Kabushiki Kaisha Image display apparatus
KR100709636B1 (ko) * 2004-08-04 2007-04-23 캐논 가부시끼가이샤 지지구조체, 지지구조체의 제조방법, 및 이것을 사용한표시장치
JP2007039260A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Canon Inc 延伸ガラス部材の製造方法、スペーサの製造方法、及び画像表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6926571B2 (en) 2005-08-09
JP3689598B2 (ja) 2005-08-31
US20030045199A1 (en) 2003-03-06
US6517399B1 (en) 2003-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3689598B2 (ja) スペーサの製造方法および前記スペーサを用いた画像形成装置の製造方法
EP0869531A2 (en) Image forming apparatus and method of manufacturing the same
JP3187367B2 (ja) 電子装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3305252B2 (ja) 画像形成装置
US6761606B2 (en) Method of producing spacer and method of manufacturing image forming apparatus
JP4865169B2 (ja) スペーサの製造方法
JPH10326579A (ja) 画像形成装置とその製造方法
JP3302298B2 (ja) 画像形成装置と画像表示装置
JP3302293B2 (ja) 画像形成装置
JP3740296B2 (ja) 画像形成装置
JP3624111B2 (ja) 画像形成装置
JP2000235831A (ja) 電子線発生装置および画像形成装置
JP2000251708A (ja) 電子線装置用スペーサの製造方法、電子線装置用スペーサ、及び該スペーサを備えた電子線装置
JP3903053B2 (ja) 画像形成装置の製造方法
JP3619043B2 (ja) 画像形成装置
JP3466868B2 (ja) 電子線発生装置及び画像形成装置
JP2000133172A (ja) パネル装置及び電子源装置及び画像形成装置
JP2001332194A (ja) 電子線発生装置及び画像形成装置
JP3728099B2 (ja) 帯電防止膜及び表示装置
JPH10284284A (ja) 帯電防止膜及び表示装置
JP2000082424A (ja) 画像形成装置とスペーサ
JP2000113997A (ja) 帯電防止膜、部材、この部材を用いた電子線装置、画像形成装置
JPH11339696A (ja) 画像形成装置
JP2001325903A (ja) 電子線発生装置
JP2000208072A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120617

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120617

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130617

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees