JP2000173196A - 再生方法 - Google Patents

再生方法

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JP2000173196A
JP2000173196A JP10349500A JP34950098A JP2000173196A JP 2000173196 A JP2000173196 A JP 2000173196A JP 10349500 A JP10349500 A JP 10349500A JP 34950098 A JP34950098 A JP 34950098A JP 2000173196 A JP2000173196 A JP 2000173196A
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Ichiro Okamoto
一郎 岡本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一のC1系列のデータブロック内でエンベ
ロープレベルが一定でない場合でも、簡単な算出方法で
対応して、最も確からしい再生系列を選択し、あるいは
再生系列の採用を判断することができる再生方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 再生信号中の同一のデータブロックの読
みだし開始時のレベルと読みだし終了時のレベルをラッ
チ21で保持し、これを用いて信号対雑音比を算出する
と共に、復号が正しく行われたと仮定したときの情報信
号間の誤り距離と復号情報が誤って行われたと仮定した
ときの情報信号の間の最小誤り距離とを復号情報から算
出する判定器16と、判定器16の出力である評価値E
Vを用いて評価値EVが最も大きい再生信号を選択する
と共に、評価値EVの絶対値が所定の値よりも小さい場
合には再生信号の採用を見合わせる選択器15とを用意
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルスキャン
にて情報信号が記録されたテープ状の記録媒体から情報
値号を再生する再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行方向に傾いて、記録トラック
が形成されたテープ状の記録媒体から回転ヘッドによる
斜め走査、いわゆるヘリカルスキャン(helical scan)
にて情報信号であるデータを読み出す再生装置が提供さ
れている。このような再生装置においては、テープの記
録トラックの位置に合わせて走査するためのトラツキン
グが行われるが、トラッキングを行わずに複数倍密度で
記録トラックからの読み出しを行うことがある。このト
ラッキングを行わないノントラツキングの複数倍密度の
読みだしは、記録トラックについての位置は調整せず
に、1トラックあたり複数回読みとりを行うものであ
る。
【0003】ヘリカルスキャンによりデータが記録され
る記録媒体としては、例えばディジタル化されたオーデ
ィオ信号が記録されるいわゆるディジタルオーディオテ
ープ(DAT)が提供されている。DATには、2つの
リード・ソロモン符号を組み合わせてなる二重化リード
・ソロモン符号が誤り訂正符号として採用されている。
すなわち、DATでは、データは、符号語が32シンボ
ルからなり、そのうちの28シンボルが情報データ、残
る4シンボルがパリティデータとなる(32、28)リ
ード・ソロモン符号と称される第1のリード・ソロモン
符号C1と、同じく(32、26)リード・ソロモン符
号と称される第2のリード・ソロモン符号C2とが二重
化された積符号に符号化されている。
【0004】ここで、シンボルとは、データの処理を行
う際のデータの単位をいい、256=28 の元が存在す
るガロア体(Galois field:GF)、すなわちGF(2
56)で演算を行うDATの場合には8ビットである。
【0005】記録媒体から再生したデータの確からしさ
は、誤り訂正符号の最小距離と媒体のシンボルエラーレ
ートにより決まる。ここで、距離とは任意の2つの符号
語を比較したときに相違する要素(シンボル)の数をい
い、最小距離とは全ての符号語間の距離の内で最も小さ
いものをいう。
【0006】ここでGF(256)上のリードソロモン
符号を例として訂正の自由度について説明することにす
る。まず、この符号の最小距離であるハミング距離は、
付加するパリティ数で決まる。すなわち、ハミング距離
dminは、パリティ数tについて、 dmin=t+1 にて与えられる。例えば、パリティ数t=8であつたと
すると、符号化後の各符号語は少なくとも9シンボル以
上の差異を持つことになる。ここで、復号時に訂正を行
わず誤りの検出のみを行う場合、8シンボル誤りまでは
検出可能となることが保証されるが、9シンボル誤り以
上は検出の保証がない。従って、訂正前の符号語間の最
小距離は9であるとも言える。
【0007】さて、このパリティ数tは符号に許された
訂正の自由度ともいえる。パリティ数t=8の場合、自
由度を8個持っていることになる。後述する消失訂正を
行うとき、あらかじめ誤りの位置が判つているため、誤
りの値を算出するために自由度を1個消費する。また、
通常訂正を行うとき、誤りの位置と値の2つを算出する
ために自由度を2個消費する。実際の訂正動作では、こ
の8個の自由度を使って訂正を行うが、訂正動作には通
常訂正と消失訂正の2つの種類がある。
【0008】通常訂正とは誤りの位置と誤りの値との2
つの要素が不明な状態で訂正を行ううものである。この
場合、誤りの位置を検出するために自由度を1シンボル
あたり1個消費し、誤りの値を検出するために自由度を
1シンボルあたり1個消費するので、通常訂正での自由
度消費は1シンボルあたり合計2個となる。従って、パ
リティ数t=8の場合、通常訂正のみで訂正可能なシン
ボル数は8÷2=4となり4シンボルまでの訂正が可能
である。これを一般化すると、最大通常訂正可能数im
axは、パリティ数tについて、 imax=int[t/2] にて与えられる。
【0009】消失訂正とは、誤りの位置があらかじめ判
っており、誤りの値のみが不明な状態で行う訂正のこと
である。この場合、自由度の消費を誤りの値のみに振り
分けることができるので、消失訂正での自由度消費は1
シンボルあたり1個となる。従ってt=8の場合、消失
訂正のみで訂正可能なシンボル数は8÷1=8となり、
8シンボルまでの訂正が可能となる。これを一般化する
と、最大消失可能訂正数emaxは、パリティ数tにつ
いて、 emax=t にて与えられる。
【0010】さらに、通常訂正と消失訂正は組み合わせ
て使用することが可能である。但し、両訂正の消費する
自由度の合計が自由度以下でなければならない。例え
ば、パリティ数t=8のとき、訂正前にあらかじめ2つ
のシンボルが明らかに誤っていることが符号以外の理由
から検出されていたとする。このとき、この2つのシン
ボルは誤りの位置があらかじめ判っているので、消失訂
正を行うことが可能である。
【0011】すなわち、2シンボルの消失訂正を行う
と、自由度を2個消費するので、残された自由度は8−
2=6となる。この6個の自由度を使用して、上記2シ
ンボル以外の誤りを検出し訂正することができる。この
場合、誤りの位置および値が不明であるので1シンボル
あたり2個の自由度を消費する。従って、6÷2=3と
なりさらに3シンボルまでの通常訂正が可能となる。こ
の様に通常訂正と消失訂正を租み合わせて訂正を行うこ
とを混合訂正と呼ぶ。これらを一般化すると、通常訂正
数i、消失訂正数e及びパリティ数tの間に、関係式 2i+e≦t が成立する。
【0012】ここで、符号化器の入出力に関して簡単に
説明する。符号化器には、図6中の(a)に示すよっ
に、符号化を行いたい情報データのひとまとまりである
情報系列が入力される。符号化器からは、この情報系列
と符号化器で定められた生成多項式により生成されたパ
リティ系列が出力される。この情報系列とパリリティ系
列を結合した系列が符号語となる。この符号語は記録系
列となる。
【0013】次に復号部の入出力について説明する。復
号部には、図6中の(b)に示すように、再生されたデ
ータのひとまとまりである再生系列が入力される。復号
部では、再生系列が符号語であるか、またいずれかの符
号語の近傍に存在するかを検査する。そして、復号器
は、もし符号語であれば、再生系列に誤りが無いとみな
し復号を完了する。もし符号語でなければ、再生系列に
最も短い距離に存在する符号語を算出し、誤りの距離が
訂正許可範囲であれば算出した符号語を出力する。ま
た、この2条件を満たすことができないときは再生系列
をそのまま出力する。さらに、復号部では、上記のデー
タを出力するとともに、復号部でどの様な復号状態であ
ったかを復号情報として出力する。
【0014】続いて、復号結果について説明する。誤り
訂正を行う場合、その訂正結果は、正復号になる場合
と、復号誤りになる場合と、誤り検出になる場合とがあ
る。正復号とは、記録されたデータが正しく復号される
ことをいう。正復号の例としては、パリティ数t=8の
ときには、誤りなしが正しく検出された場合、1シンボ
ル誤りが正しく検出され、そのシンボルの誤りが正しく
訂正された場合、2シンボル誤りが正しく検出され、そ
のシンボルの誤りが正しく訂正された場合、3シンボル
誤りが正しく検出され、そのシンボルの誤りが正しく訂
正された場合、4シンボル誤りが正しく検出され、その
シンボルの誤りが正しく訂正された場合が挙げられる。
【0015】復号誤りとは、記録されたデータが間違っ
て復号されることをいう。復号誤りの例としては、パリ
ティ数t=8のときには、9シンボル以上誤りを誤りな
しと検出してしまつた場合、8シンボル以上誤りを1シ
ンボル誤りとして検出してしまい誤訂正を行った場合、
7シンボル以上誤りを2シンボル誤りとして検出してし
まい誤訂正を行った場合、6シンボル以上誤りを3シン
ボル誤りとして検出してしまい誤訂正を行つた場合、5
シンボル以上誤りを4シンボル誤りとして検出してしま
い誤訂正を行つた場合が挙げられる。
【0016】誤り検出とは、誤りを正しく検出し、訂正
を行わないことをいう。誤り検出の例としては、パリテ
ィ数t=8のときには、1シンボル誤りが正しく検出さ
れ、そのシンボルの誤りを訂正しなかった場合、2シン
ボル誤りが正しく検出され、そのシンボルの誤りを訂正
しなかつた場合、3シンボル誤りが正しく検出され、そ
のシンボルの誤りを訂正しなかつた場合、4シンボル誤
りが正しく検出され、そのシンボルの誤りを訂正しなか
つた場合、5シンボル以上の誤りが正しく検出された場
合が挙げられる。
【0017】復号過程においては、正復号と復号誤りの
見分けを付けることができない。従って、復号部におい
て正復号と復号誤りを如何に弁別するかが問題となって
いる。この正復号と復号誤りに関して、訂正後の符号語
間の最短距離を利用して説明できる。パリティ数t=8
の場合を説明すると、先にリードソロモン符号では、符
号の最小距離であるハミング距離dminは、パリティ
数tついて dmin=t+1 であると述べた。これは訂正前の符号語間の最小距離に
相当する。パリティ数t=8のとき、符号上は1シンボ
ル誤りから8シンボル誤りまで正しく検出できる保証が
あることを意味する。しかし、9シンボル以上の誤りは
正しく検出できる保証はない。すなわち、図7中の
(a)に示すように、符号語Aと符号語Bとは最小距離
を持つ符号語であるとする。
【0018】符号語Aと符号語Bの間にある8個の誤っ
た系列は誤りであることが検出できる。これらが符号語
Aに誤りが生じたために発生したものか、符号語Bに誤
りが生じたために発生したものかに関わらず、その系列
は符号語でないため、誤りであることが検出できる。し
かし、符号語Aに9シンボルの誤りが生じたものか、符
号話Bに誤りが生じなかったものかの判別ができない。
これが復号誤りである。
【0019】さて、訂正を行う場合は、事情が変わって
くる。例えば、1シンボル誤りの訂正を行うとする。こ
のとき、符号語Aに1シンボル誤りであり、かつ同時に
符号語Bの8シンボル誤りとなる系列を考える。ここ
で、この系列が誤りであることの検出は可能だが、それ
が符号語Aの1シンボル誤りであるのか、符号Bの8シ
ンボル誤りであるのかの識別はできない。また、復号部
はこの誤りを符号語Aの1シンボル誤りとして取り扱う
ことになる。従って、符号語Aの1シンボル誤りであっ
てその復号は正復号であるのか、符号語Bの8シンボル
以上誤りであってその復号はは復号誤りであるのかのど
ちちであるかは判別できない。このため、1シンボルの
訂正を行うことにより、正しく訂正できる誤りは1シン
ボル誤りまで、正しく検出できる保証がある誤りは2〜
7シンボル誤りとなる。この様に訂正を行うことによ
り、各符号語はその訂正領域分の広がりを生じる。
【0020】ここで、訂正後の最小距離について考えて
みる。訂正前に最小距離が9であった符号語は、訂正に
より符号語の領域が各々1ずつ広がる。これにより訂正
後の各符号領域間の最小距離は2つ減り7となる。すな
わち、図7中の(b)に示すように、符号語Aから1シ
ンボル離れた位置にある系列は符号語Aに置き換えられ
る。また符号語Bに関しても同様なことが行われる。し
たがって、符号語Aを出力する系列の存在範囲と符号語
Bを出力する系列の存在範囲間の距離は1+1=2縮ま
り7となる。これが実質上の最小距離といえる。
【0021】同様にして、2シンボル誤りの訂正を行う
場合は、図7中の(c)に示すように、2シンボル誤り
であってその復号は正復号であるか、7シンボル以上誤
りであつてその復号は復号誤りであるかとなり、訂正後
の各符号語間の最小距離は5となる。
【0022】3シンボル誤りの訂正を行う場合は、図7
中の(d)に示すように、3シンボル誤りであってその
復号は正復号であるか、6シンボル以上誤りであってそ
の復号は復号誤りであるかとなり、訂正後の各符号語間
の最小距離は3となる。
【0023】最後に、4シンボル誤りを訂正する場合、
図7中の(e)に示すように、誤りを正しく検出できる
保証がある誤りは存在しない。すなわち、4シンボル誤
りであってその復号は正復号であるか、5シンボル以上
誤りであってその復号は復号誤りであるとなってしまう
からである。従って、訂正後の各符号間の最小距離は1
となる。
【0024】このように、通常訂正後の符号語間の最小
距離は、パリティ数t及び通常訂正数iについて 訂正後最小距離=t−2i+1 となる。
【0025】一方、消失訂正の場合は訂正対象シンボル
が誤りであることが確定している。このため、1シンボ
ル誤りを訂正する場合には、その復号が正復号なら1シ
ンボル誤りと、その復号が従号誤りなら9シンボル以上
誤りとなる。従って、訂正後の各符号話間の最小距離は
8となる。また、同様にして2シンボル張りを訂正する
場合、その復号が正復号なら2シンボル誤りと、その復
号が復号誤りなら9シンボル以上誤りとなる。従って、
訂正後の各符号語間の最小距離は7となる。
【0026】以上を混合訂正に対して一般化すると、訂
正後最小距離は、パリティ数t、通常訂正数i及び消失
訂正数eについて、 訂正後最小距離=t−(2i+e)+1 となる。この式は、通常訂正では1誤り訂正あたり自由
度を2消費し、消失訂正では1誤り訂正あたり自由度を
1消費することを表現している。
【0027】ここで注目すべき点としては、正復号とな
る誤り数−復号誤りとなる最小誤り数 訂正後最小距離
となることである。このことを説明するために、図8に
は、ランダムエラーに対するシンボルエラー発生確率を
折線aの1E−1、折線bの1E−2、折線cの1E−
3、折線dの1E−4、折線eの1E−5、折線fの1
E−6の6通りのシンボルエラーレートに対してプロッ
トして示した。
【0028】この図8は、ブロック長76バイトの場合
について、ランダムエラーに対するiシンボルエラー発
生確率を示すものである。1つのブロック(符号語)内
に誤りがi個発生するiシンボルエラー発生確率P
(i)は、iを誤り数、Esをシンボルエラーレート、
nをブロック長とすると、 P(i)=nCi・Esi ・(1−Es)n-i にて与えられる。
【0029】図8では、シンボルエラーレートが折線a
に示す1E−1である場合を除いて、誤りシンボル数と
発生確率が反比例することがわかる。また、その傾きは
シンボルエラーレートに反比例する。ここで、正復号と
なる誤り数と復号誤りとなる最小誤り数はなるべく離れ
ていることが好ましいと言える。正復号となる誤り数と
復号誤りとなる最小誤り数の差は、訂正後の各符号語間
の最小距離となる。従つて、訂正後の各符号語間の最小
距離が大きいほど、その復号はより確からしいと言え
る。
【0030】図9には、訂正後の最小距離について、パ
リティ値t=8のときの訂正数を1〜4とした場合のラ
ンダムエラーに対する正復号率と復号誤り率を理論計算
し、横軸にシンボルエラーレートとしてプロットして示
す。すなわち、図9は、ブロック長76バイト、8パリ
ティの場合について、ランダムエラーに対する符号誤り
率及び誤り検出率を示すものである。
【0031】図中では、折線aは訂正なし、折線bは1
シンボル訂正、折線cは2シンボル訂正、折線dは3シ
ンボル訂正、折線eは4シンボル訂正の場合のそれぞれ
の復号誤り(decorder error)率を表示している。ま
た、折線fは訂正なし、折線gは1シンボル訂正、折線
hは2シンボル訂正、折線iは3シンボル訂正、折棒j
は4シンボル訂正の場合のそれぞれの誤り検出(decord
er failure)率を表示している。これにより、4シンボ
ル誤りまでを訂正してしまうと、正復号と復号誤りが接
近してしまうことがわかる。
【0032】ここで、この復号の確からしさの評価手段
として、 復号の確からしさ=正復号率/復号誤り率 を定義する。これをパリティ数t=8を例として図10
に示す。この図10は、ブロック長71バイト、8パリ
ティの場合についてランダムエラーに対する復号結果の
確からしさを示すものである。
【0033】図10中では、折線aは訂正なし、折線b
は1シンボル訂正、折線cは2シンボル訂正、折線dは
3シンボル訂正、折線eは4シンボル訂正の場合のそれ
ぞれの復号誤り(decorder error)率、誤り検出率(de
corder failure)率をそれぞれ表示している。この図1
0で4シンボル訂正を行つてしまうと、 復号の確からしさ=正復号率/復号誤り率=1E−1 となつてしまう。
【0034】一般にC2訂正以降に支障をきたさないた
めには、 復号の確からしさ<1E−2 でなければならないと言われており、上記の例では明ら
かにこの条件を満足できない。従って、この様に訂正が
可能であるからといって、むやみに訂正を実行してはな
らないことがグラフからも読みとれる。
【0035】このような復号誤りの可能性が高い系列は
訂正を行わずにおく方法として、訂正マージンという考
え方がある。復号誤りは誤ったデータで正しいデータを
誤訂正してしまうため実誤り数を増加させてしまう。そ
こで、復号誤りの可能性が高い訂正を行わずにおき、C
2訂正以降に任せてしまう方法である。この訂正マージ
ンの定義としては、パリティ数t、通常訂正数i、消失
訂正数eについて、 訂正マージン=t−(2i+e) となる。
【0036】上述の例では、通常訂正数i=4まで訂正
してしまうと、4シンボル訂正を行つたとき、 訂正マージン=0(e=0) となってしまうため、復号の確からしさがシンボルエラ
ーレートとは無関係に決まってしまうが、通常訂正数i
≦3に抑えれば、 訂正マージン≧2(e=0) となり、復号の確からしさがシンボルエラーレートと相
関を持つ。
【0037】ここで、 再生系のシンボルエラーレート≦1E−3 となる様に電磁変換系を設計しておけば、 復号の確からしさ≧1E−3 となり、復号誤りをC2訂正以降で排除することが可能
となる。
【0038】これを消失訂正を含めた形で一般化する
と、再生系の最悪シンボルエラーレートに対して、 復号の確からしさ≧1E−2 となるように訂正マージンを決定し、 (2i+e)≦t−訂正マージン となるように通常訂正数および消失訂正数を設定する。
【0039】以上説明したように、一般的に、シンボル
エラーレートは信号対雑音比(SN)によりほぼ一義的
に決まることが判つている。一方、誤り訂正符号の最小
距離はパリティ数及び消失訂正数により決まるため、比
較的容易に検出可能である。
【0040】ところで、トラッキングを行う従来の再生
装置においては、記録媒体の信号対雑音比の値が安定す
るため、再生信号を復号した後に、復号後の最小距離の
みの判定により、その再生系列の確からしさの判定が可
能であった。しかし、ノントラッキングの再生装置にお
いて、記録媒体の信号対雑音比がスキャン毎やスキャン
内で変動するため、復号後の最小距離のみにより再生系
列の確からしさを判定することはできない。
【0041】復号が正しく行われたときの誤り距離をd
cとし、復号が誤って行われたときの最小誤り距離をd
mとすると、復号が誤って行われたときの最小誤り距離
dmから復号が正しく行われたときの誤り距離dcを減
じたdm−dc、すなわち正誤復号距離差分が復号後の
最小距離となり、系列の確からしさは 系列の確からしさ=(dm−dc)・SN にて与えられる。従って、信号対雑音比の値が安定した
トラッキングを行う再生装置では常に一定と考えて無視
できていた信号対雑音比をノントラッキング再生装置で
は考慮しなければならないことになる。
【0042】すなわち、トラッキングシステムでは再生
信号の波形エンベロープがほぼ一定であり、シンボルエ
ラーレートが安定している。このため、復号結果の確か
らしさを判定する場合、シンボルエラーレートが安定し
ていることを前提にできる。したがって、まずそのトラ
ッキングシステムで得られる最悪シンボルエラーレート
を設定し、この最悪シンボルエラーレートに対して復号
の確からしさが確保できる様に、前述の訂正マージンを
設定することによつて、復号の確からしさを保証するこ
とが可能となる。
【0043】しかし、ノントラッキングシステムでは、
波形のエンベロープが変動し、最悪のシンボルエラーレ
ート=1(全シンボル誤り)であるため、従来の最悪シ
ンボルエラーレートをもとにした符号最小距離、訂正
数、訂正マージンを利用して復号の確からしさを保証す
ることは不可能である。さらに、ノントラッキングシス
テムでは、同一トラックを複数回(n回)再生すると言
うn倍密スキャンを行うため、同一トラックから読み出
された複数回の復号データの内、どの復号結果が最も確
からしいものであるかを判定する必要が新規に発生す
る。
【0044】このような点を考慮した考察が先に出願人
により提示されている。ここでこの先に提示された例に
ついて説明を行う。この再生方法に用いられる再生装置
は、図11に示すように、RF出力として入力される信
号のレベルを検出するレベル検出部11からの信号に対
する利得を自動調整する自動利得調整(automtic gain
control:AGC)部12と、AGC12からの信号から
同期(SYNC)信号を検出するSYNC検出部13と
を有している。また、この再生装置は、SYNC検出部
13からの信号を復号する復号部14と、レベル検出部
11からのRFレベル情報及び復号部14からの復号情
報に基づいて判定を行う判定部16と、判定部16から
の選択指示に従つて復号部14にて復号された信号を選
択する選択部15とを有している。
【0045】上記再生装置は、テープ状の記録媒体を用
い、回転ヘッドによる斜め走査、いわゆるヘリカルスキ
ャン(helical scan)にてこの記録媒体の走行方向に対
して斜めに形成された記録トラックから情報信号である
データの読み出しを行うものである。また、上記再生装
置は、正と負のアジマス角を有するダブルアジマスヘッ
ドを用い、記録トラックについてのトラッキングを行わ
ないノントラッキングにてn(n≧2)倍密度にてデー
タの読み出しを行う。
【0046】この再生装置における、最も確からしい再
生系列の選択については、以下に詳細に説明する。ここ
で、再生方法の説明に先立って、再生装置の一具体例に
ついてその動作を具体的に説明する。この再生装置は、
ヘリカルスキャンにてテープ状の記録媒体の記録トラッ
クからデータの読み出しを行うものである。また、この
再生装置は、情報信号であるデータの読みだしを行う再
生ヘッドとして、ダブルアジマスVXヘッドを備えて、
ノントラッキングにより2倍密度にてスキャンを行う。
ここで、ダブルアジマス記録方式とは、磁気テープに対
して2つのアジマス角でベタ記録を行う記録方式であ
る。このダブルアジマス方式にて記録/再生を行う場
合、アジマス角の違う2つの録再ヘッドが最低限必要と
なる。なお、磁気テープへの記録方式としては、単一ア
ジマス角で各トラック間にガードバンドを挿入して記録
を行うシングルアジマス記録方式も利用されている。
【0047】VXヘッドとは、図12中の(a)に示す
ように、1つのヘッド基台22上にAアジマスヘッド2
8及びBアジマスヘッド24の2つのヘッドがマウント
されたものである。VXヘッドは、回転ドラム21に装
着される。なお、図12中の(b)に示すように、1つ
のヘッド基台22にそれぞれ1つのヘッド(シングルヘ
ッド)がマウントされ、かつ、Aアジマスヘッド23と
Bアジマスヘッド24は回転ドラム21上の180°離
れた位置に措載される180°対向方式のヘッドも利用
されている。
【0048】VXヘッドからの再生波形の出力タイミン
グは、図13に示すように、図中(a)に示すドラムP
Gに対して、図中(b)に示すAアジマスヘッドの再生
出力タイミング及び図中(c)に示すBアジマスヘッド
の再生出力タイミングは、ほぼ一致する。厳密には、基
台22へのヘッドの取り付け角度分ずれる。
【0049】なお、180°対向ヘッドの場合の再生波
形のタイミングは、図14に示すように図14中の
(a)のディスクPGに対して、図中の(b)に示すA
アジマスヘッドの再生波形出力タイミング及び図中の
(c)に示すBアジマスヘッドの再生波形出力タイミン
グは180°ずれる。このように、VXヘッド及び18
0°対向ヘッドについては、テープ上の記録台の取り付
け高さを適正化することにより、Aヘッド再生出力及び
Bヘッド再生出力ともに同一となるが再生信号の出力タ
イミングは異なる。さらに、VX方式に限らず、180
°対向方式でも適用可能能だが、取り上げる例として
は、Aヘッド再生出力及びBヘッド再生出力のタイミン
グが一致するVX方式が理解しやすいと考えられる。
【0050】記録媒体に記録されたデータは、リード・
ソロモン符号にて符号化がなされたものであって、完全
なランダム誤りのエラー特性を有している。この記録/
再生装置において、同一符号がスキャンされる回数は最
大2程度となる。このときの1回目のスキャン結果を奇
(ODD)トレース、2回目のスキャン結果を偶(EV
EN)トレースとすると、奇及び偶の各トレースの再生
信号の信号対雑音比はトラッキング状態に依存する。
【0051】続いて、シンボルエラーレートと信号対雑
音比の関係について説明する。シンボルとは、データの
所定の単位である。このシンボルは、例えばいわゆるデ
ィジタルオーディオテープ(DAT)においては、8ビ
ットである。シンボルエラーレートは、再生信号の信号
対雑音比(SN)の変動と相関がある。一般に、シンボ
ルエラーレート、信号対雑音比(SN)、搬送波電力対
雑音比(CN)及び再生振幅は相互に比例関係 シンボルエラーレート∝SN∝CN∝再生振幅 にある。したがって計測上は、 シンボルエラーレート∝CN の関係をもとに評価検討を行うことが多い。このような
シンボルエラーレートとCNとの比例関係は、例えば図
15に示すようになる。
【0052】図15は、横軸を搬送波電力対雑音比と
し、縦軸をシンボルエラーレートとして、2つの機器の
搬送波電力対雑音比(CN)−シンボルエラーレート特
性をプロットしたものである。搬送波電力対雑音比が5
0dB以下の領域では、搬送波電力対雑音比とシンボル
エラーレートがほぼ対数リニアな関係になる。ただし、
搬送波電力対雑音比が50dB以上になると、アナログ
信号をディジタル信号に変換するADコンバータのビッ
ト長、位相ロックループ(phase locked loop :PL
L)の位相検出分解能などの非線形要素のため、リニア
リティが失われる。
【0053】このような関係から、図16に示すように
トラッキング変動がシンボルエラーレートを左右する。
図16は、トラッキング状態と2スキャン後のエラーな
しのブロックエラーレート(block error rate:BE
R)との関係の一例を示すものである。図中のaは奇ト
レースのシンボルエラーレート、図中のbは偶トレース
のシンボルエラーレート、図中のcは2スキャン後のブ
ロックエラーレートである。奇トレースのシンボルエラ
ーレートはヘッドトレース位置がジャストハーフ(hal
f:HF)トラッキングよりも正側で小さくなり、偶ト
レースのシンボルエラーレートはヘッドトレース位置が
ジャストHFトラッキングよりも負側で小さくなってい
る。そして、2スキャン後のブロックエラーレートは、
ジャストHFトラッキングにて極小になつている。
【0054】続いて、ヘッドトレース軌跡と再生波形に
ついて説明する。代表的なトラッキング状態におけるヘ
ッドトレース軌跡について、図17を参照して説明す
る。まず、図17中の(a)に、1トラック内に奇(od
d )/偶(even)のトレース量の変動のないジャストオ
ン/HFトラッキング時のヘッドトレースについて示
す。
【0055】図17中の(a)は、Aアジマスヘッドの
奇トレースがジャストオントラッキングしているときの
ヘッドトレース位置を表す。ここで、ジャストオントラ
ッキングとは、ヘッドトレースのセンタが同アジマスの
トラックパターンのセンタをトレースするトラッキング
状態をいう。2倍密度スキャンの場合には、トラックピ
ッチをTpとすると、奇トレースに続く偶トレースは、
奇トレースに対して当然にTp分進む。このため偶トレ
ースは完全に逆アジマストラックをトレースすることに
なる。すなわち、偶トレースのヘッドトレースセンタが
逆アジマスのトラックパターンのセンタをトレースする
トラッキング状態となる。このとき、奇トレースの再生
出力は非常に信号対雑音比の良好なものとなり、偶トレ
ースの再生出力は逆アジマスからのクロストークノイズ
および同アジマス隣々接ノイズの重畳された劣悪な信号
対雑音比となる。
【0056】図17中の(b)は、Aアジマスヘッドの
奇/偶トレースがジャストHFトラッキングしていると
きのヘッドトレース位置を表すものである。ジャストH
Fトラッキングとは,奇トレースと偶トレースのオーバ
ーラップセンタが同アジマステープパターンのセンタを
トレースするトラックキング状態を言う。この条件を満
たしているとき、両トレースの同アジマステープパター
ンのトレース量が同一となり、両トレースの再生出力の
信号対雑音比も同一となる。
【0057】次に、図18に、スキャン角度がテープパ
ターンに対して斜めにずれてしまった場合を表す。この
場合には、テープパターンの位置により、奇/偶トレー
スのバランスが変動する。図18中の注目されているト
ラックは、スキャン角度がトラックに対して傾斜して、
トラックを斜めに横切ることになるので、奇/偶トレー
スのバランスがスキャンの角度に応じて周期的に変化す
ることになる。ここで、図18中のTwはヘッドトラッ
ク幅であり、θsはスキャン角度ずれである。
【0058】続いて、実際の再生波形について、図19
を参照して説明する。図19は、代表的なトラッキング
状態における再生波形を示す図である。この図19にお
いては、図中の(a)にジャストオントラッキング状
態、図中の(b)にジャストHFトラッキング状態、及
び図中の(c)に斜めスキャン状態の3種類の代表的な
トラッキング状態における再生波形を表す。ここで、横
軸は時間軸で、ドラム2回転すなわち2スキャン分の再
生波形を表している。縦軸は再生波形振幅である。
【0059】ジャストオントラッキング時の再生波形を
表す図19中の(a)は、Aチャンネル(ch)出力は
奇トレース時にジャストオントラッキングし、偶トレー
ス時にジャストオフトラッキングしている。このときB
チャンネル(ch)のヘッド高さがAchと同レベルに
あれば、Bch出力は奇トレース時にジャストオフトラ
ッキングし、偶トレース時にジャストオントラッキング
する。
【0060】ジャストHFトラッキング時の再生波形を
表す図19中の(b)は、図19中の(a)同様に、A
/Bchのヘッド高さが同じならば、A/Bchの奇/
偶トレースが全てジャストHFトラッキング状態とな
る。斜めスキャン時の再生波形を表す図19中の(c)
は、斜めスキャン時に、再生出力がそろばん状に変動す
る形態を示している。
【0061】再生出力の大小関係は、奇−偶トレース
間、A−Bch間で互いに補う関係にある。すなわち、
ある瞬間で見ると、奇トレースの特性が良好なときは偶
トレースの特性が劣悪となり、偶トレースの特性が良好
なときは奇トレースの特性が劣悪となる。同様にAch
の特性が良好なときはBchの特性が劣悪となり、Ac
hの特性が良好なときはBchの特性が劣悪となる。
【0062】以上においては、本発明に係る再生方法を
用いる再生装置と対照するために、ノントラッキングに
て2倍密度スキャンで再生を行う再生装置について説明
した。このような、ノントラッキングで2倍密度スキャ
ンの再生を行う再生装置では、同一トラックの記録信号
を最大2回トレースすることができる。すなわち、1回
目のトレース時に復号が失敗しても2回目のトレース時
に復号が成功すれば良いことになる。
【0063】ここで考えなければならないのが復号誤り
である。誤り訂正処理において復号部は、再生時に発生
した誤り数が誤り訂正可能範囲内であれば、正しい訂正
を行うことが可能である。また、訂正可能範囲外であっ
ても、再生時に発生した誤り数が誤り検出可能範囲内で
あれば、その系列が誤りを含むものであると認識するこ
とができる。しかし、再生時に発生した誤り数が検出可
能範囲を超えて発生した場合、その系列を記録時の系列
とは別の符号語であると誤解してしまうことがある。こ
れを復号誤りと呼ぶ。
【0064】復号の際の態様は、復号部は正しく誤りが
ないことを検出、または正しく誤りを訂正し、復号部か
らの出力には誤りが無いと判定する正しい復号である正
復号と、復号部は正しく誤りを検出し、復号部出力には
誤りが有ると判定する誤り検出と、復号部は誤って誤り
がないことを検出(誤検出)、または誤って誤りを訂正
(誤訂正)し、復号部出力には誤りがないと判定する復
号誤りとに整理される。現実には、対象となる再生装置
が最悪の信号対雑音比でも、この復号誤りが十分に無視
できる発生率になるようにパリティ数と訂正数を設計す
る。すなわち、訂正符号上の最大訂正可能数よりも実際
の訂正数を符号誤りが十分に低くなるまで小さいものす
る訂正マージンの考え方である。
【0065】さて、上述のノントラッキングにて2倍密
度スキャンを行う再生装置においては、これまで説明し
てきたようにノントラッキングがゆえに各トレースの再
生出力が時々刻々変動する。このため、1スキャンに対
する再生装置の最悪信号対雑音比は全くデータが再生で
きない状態となる。このような劣悪な状態まで訂正マー
ジンを付加することは現実には不可能である。徒つて、
いくら倍密度スキャンを行っいても、符号誤りに対して
は特殊な配慮を行わなければならない。例えば、図19
中の(a)において、Achの奇トレースの復号結果が
正復号であり、Achの偶トレースの復号が誤り検出で
あれば、迷うこと無く復号結果として奇トレースを選択
すれば良い。しかし、Achの奇トレースの復号結果が
正復号であり、Achの偶トレースの復号結果が復号誤
りであると、復号結果として奇/偶のどちらを選択すれ
ば良いかの判断が困難である。
【0066】我々の目で再生出力振幅を見れば、再生出
力振幅の高い奇トレース側がより確からしいことが分か
るが、再生出力振幅を参照することなしには、どもらの
復号結果がより確からしいかの判断がつかない。現実に
は、完全にオフトラッキングした場合は同期(SYN
C)検出ができない確率が高く、復号自体が行われない
ことによる危険データの排除が事前に行われることも多
い。しかし、何らかの事情により同期検出/補間能力を
上げざるを得なかつた場合、オフトラッキング時の復号
誤り率を無視して設計することができない。このよう
に、ノントラッキングにて再生を行う再生装置において
は、上述したような改善の余地が残されていた。
【0067】続いて、2倍密度スキャン時の復号状態に
ついて説明する。上述したように、復号の態様は正復
号、誤り検出及び復号誤りの3つの態様に整理される。
奇トレース及び偶トレースについて、これら3態様を考
慮すると、復号の態様は表2に示すような9つの場合に
分類される。
【0068】
【表2】
【0069】最終的に、この2つのトレースの内で、よ
り確からしいトレースの復号結果を採用し、もう一方を
排除する仕組みを考案すれば良いことになる。
【0070】上述したように、ここでの問題は、復号結
果のみを見た場合、正復号と復号誤りの識別ができない
ことにある。例えば、奇トレースがジャストオントラッ
キングしており、偶トレースがジャストオフトラッキン
グしていたとする。このとき、奇トレースは信号対雑音
比が良好であり、復号の信頼性が高く、偶トレースは信
号対雑音比が劣悪であり復号の信頼性が低い。逆に、奇
トレースがジャストオフトラッキングしており、偶トレ
ースがジャストオントラッキングしていたとする。この
ときは、奇トレースは信号対雑音比が劣悪であり、復号
の信頼性が低く、偶トレースは信号対雑音比が良好であ
り復号の信頼性が高い。
【0071】ところが、信号振幅を参照せず、復号結果
のみを見た場合、どちらのトレースの復号の信頼性が高
いかの判別はつかない。〔表2〕で言うと、復号結果か
ら正復号と復号誤りの区別が付かないがために、場合
1、場合3、場合7、場合9のすべてが両トレースとも
に正常復号完了とみなきれてしまう。このうち場合1に
関しては、奇/偶ともに正復号されているので問題はな
い。しかし、場合3、場合7に関しては、奇/偶のいず
れか一方が復号誤りであるにも関わらず、両トレースと
もに正常復号完了とみなされる。
【0072】ここで、奇トレースを優先して採用すれ
ば、場合3は正復号が選択されるため、問題はないが、
場合7ではわざわざ復号誤り側を選択してしまうことに
なる。また、偶トレースを優先して採用する方式にして
も、場合7は正復号が選択される代わりに、場合3では
復号誤り側が選択されてしまうという事態に陥る。この
ように、2回のトレースの復号結果が一方が正復号とな
り、他方が復号誤りとなる可能性は、ノントラッキング
及び倍密度スキャンの性格上、どうしても避けられない
現象である。このような背景から復号結果が正復号であ
るのか復号誤りであるかを識別するための何らかの手だ
てが必要とされる。
【0073】再び、本発明に係る再生方法の説明に戻
る。図11に示した、本発明の実施の形態に適用する再
生装置は、上述した比例関係 シンボルエラーレート∝SN∝CN∝再生振幅 の関係を利用し、再生振幅からシンボルエラーレートを
推定できるような再生系を構成したものである。ここで
は、n倍密度スキャンによるn回のトレース結果のより
確からしいトレースを選択するための情報収集が目的で
あるため、シンボルエラーレートの絶対値自体は必要な
い。
【0074】図11に示した再生装置の構成上のポイン
トほ、次の3点にある。第1に、AGC12より前段に
レベル検出部11を挿入し、このレベル検出部11にて
検出したレベル情報を判定部16に送る。第2に、復号
部14で得た復号情報を判定部16に送る。第3に、レ
ベル検出部11からのレベル情報及び復号部14からの
復号情報に基づいて、選択する再生トレースを決定す
る。ここで、レベル情報とはレベル検出部11にて検出
された再生信号のレベル(振幅)情報であり、復号情報
とは復号部14にて検出された誤りの種類を示す情報で
ある。
【0075】AGC12の前段にレベル検出部11を挿
入したのは、ゲインコントロールにより、CNと再生振
幅との比例関係 CN∝再生振幅 が失われることを避けるためである。また、レベル情報
は、誤り検出/訂正を行う符号語単位で良い。
【0076】ここで、本例において利用されるオーバー
ライトプロテクト(over write protect:OWP)コー
ドについて説明する。このOWPコードは、オーバーラ
イト(上書き)時に消しきることができなかった下地デ
ータを排除するためのものである。
【0077】消去ヘッドを持たないオーバーライト記録
を行つた場合、記録時のドロップアウト等によりオーバ
ーライトが正常に行われないことがある。このオーバー
ライトできなかった部分を再生した場合、下地記録が再
生されることがある。この再生された下地記録の長さが
誤り訂正の単位である符号長を越えてしまうと、下地記
録が正常に復号される危険性が出てくる。このとき、復
号部にはその再生データが下地データであるか、上書き
データであるかの判定ができない。このため、何も対策
を行わなければ、記録時のオーバーライトの品質に応じ
て、正常な上書きデータの中に異常な下地データが混入
し、C2以降の正常な復号の妨げとなることが有り得
る。このような事態を回避するため、記録毎に数値が更
新されるコードを符号語ごとにデータとして埋め込みを
行う。このコードをOWPコードと呼ぶ。
【0078】また、このコードは、記録が完了するまで
同一数値を埋め込み続ける。このコードは記録毎に数値
が更新されれば、下地記録に埋め込まれたコードと上書
き記録に埋め込まれたコードは異なる数値となる。
【0079】再生開始時、あらかじめ再生装置が上書き
が正常に行われている部分にて上書き記録に埋め込まれ
たと思われるコードを検出しておく。このコードを基準
OWPコードと呼ぶ。再生装置は再生される符号語毎に
再生されるOWPコードと上述の基準OWPコードとを
比較し、数値が一致しないコードが埋め込まれた符号語
を下地記録と判定し排除する。この一連の動作により、
下地記録が再生されても、埋め込まれたOWPコードの
違いを検出して不要データとして排除できる。
【0080】このOWPコードは、必要とあらは何バイ
ト埋め込んでも良い。しかし、記録開始から終了まで同
一数値を記録することが前提であるため、極めて冗長な
データであるといえる。従って、必要以上に大きなコー
ドを割り当てることは記録の冗長度の上で好ましくな
い。しかし、OWPコードがあまり短いと、上書き記録
のOWPコードと下地記録のOWPコードが偶然一致し
てしまう確率が高くなる。例えば、1バイトのOWPコ
ードを埋め込んだ場合、 28 =256通り のOWPコードを表現できるため、上書き記録のOWP
コードと下地記録のOWPコードが偶然一致する確率は
1/256となる。また、2バイトのOWPコードを埋
め込んだ場合、 216=65536通り となり、偶然一致の確率は1/65536となる。必要
なバイト数は適用する機器によつて異なるが、AV機器
などでは2バイト程度付加すれば十分であると考えられ
ている。
【0081】上記OWPコードは記録開始から完了まで
数値の変化しない冗長なデータである。このOWPコー
ドを符号語に埋め込む方法として、実記録方式と仮想記
録符号化方式の2方式がある。
【0082】実記録方式は、OWPコードに対して一般
の情報データと同様な取り扱いを行う。符号化時、情報
データとOWPコードに対してパリティ生成を行い、情
報データ、OWPコード、パリティの全てを媒体に記録
する。この場合、 符号長=OWPコード長+情報データ長+パリティ長 となる。
【0083】仮想記録符号化方式では、OWPコードが
記録開始から完了まで数値の変化しない冗長なデ−タで
あることに着目して、OWPコ−ドを一般の情報データ
と異なる取り扱いを行う。
【0084】仮想記録符号化方式は、実記録方式と同様
に、符号化時、情報データとOWPコ−ドに対してパリ
ティ生成を行うが、情報データ、パリティのみを媒体に
記録し、OWPコードは媒体に記録しない。こうすると
OWPコード自体は媒体に記録されないが、OWPコー
ドの持つ情報はパリティ内に埋め込まれたことになる。
したがって、再生開始時にOWPコードの情報を復元す
ることができる。この復元されるOWPコードを基準O
WPコードと呼び、検出後は復号に使用される。また、
検出後も常時基準と再生のOWPコードの相違状況を監
視し、つなぎ録りが行われている部分では再度基準OW
Pコードの更新を行う。
【0085】ここで、符号化時に使用されたOWPコー
ドを記録OWPコード、復号時に検出されたOWPコー
ドを再生OWPコードと呼ぶと、 再生OWPコード=基準OWPコード…上書き記録 再生OWPコード≠基準OWPコード…下地記録 となる。
【0086】また、基準OWPコードの検出とは、次々
と再生されて来る再生OWPコードから記録OWPコー
ドを判定し、基準OWPコードとして採用する過程であ
る。この場合、 符号長=情報データ長+パリティ長 となるため、実記録方式に対して符号長自体をOWPコ
ード長分短くして冗長度を改善したり、OWPコードに
割り当てられていた領域をパリティに割り当てることに
より訂正能力を改善することが可能である。
【0087】上記OWPコードの仮想記録方式におい
て、その符号化及び復号の特殊性のため、正符号時の誤
り距離及び復号誤り時の最小誤り距離の算出時に特別な
配慮を行う。この点を場合分けして説明する。ここでエ
ラーポインタとは復号時に誤り位置多項式により算出さ
れる誤り位置である。
【0088】復号結果が正復号であると仮定した場合、
言うまでもなくOWPコードにエラーポインタがひとつ
も存在しなければ、シンドローム算出結果をiシンボル
誤りとすると、 正復号時の誤り距離=i となる。また、この符号語は上書き記録とみなすことに
なる。しかし、OWPコードにエラーポインタが存在す
る場合、この符号語は下地記録とみなし排除すべきデー
タである。
【0089】ここで、 符号上の誤り距離=i であるが、OWPコードは実際に記録再生されるもので
はない。下地記録が再生されたとき、復号上は誤りとし
て検出されることはあっても、それはOWPコードに誤
りが発生したのでは無く、下地記録が検出されたことを
表現している。例えば、ある再生系列のシンドローム算
出結果が3シンボル誤りであり、OWPコードにエラー
ポインタが2シンボル存在したとする。このとき、その
復号結果が正復号であると仮定することは、その記録系
列が下地記録であると仮定したことになる。このとき実
際の記録再生過程で発生した誤りは1シンボル誤りであ
り、下地記録であるがためにOWPコードにエラーポイ
ンタが2個発生したと考えられる。
【0090】ここでもし、符号化時に下地記録が持って
いたOWPコードを使用して復号を行えば、シンドロー
ム算出結果は1シンボル誤りとなる筈である。さて、本
件では復号結果の確からしさとして、 復号結果の確からしさ=復号誤り率/正復号率 としている。
【0091】ここで正復号率とは、復号結果が正復号で
ある確率である。また、正復号である確率とは、実際に
発生した誤り数が復号により検出された誤り数と一致す
る確率である。ここでシンドローム計算結果がiシンボ
ル誤り、OWPコードにセットされたエラーポインタ数
をwとすると、実際に記録再生されたシンボル群に発生
する誤り数は、i−wとなる。すなわち、下地記録の正
復号率は実記録再生シンボル群にi−w誤りが発生する
確率となる。
【0092】従って、確からしさ評価に使用する誤り距
離としては、OWPコードに対する誤り数は評価の対象
とせず、実記録部分に発生した誤り数のみを評価の対象
とする。以上の理由により、符号語からOWPコードを
除いた実記録部分に対する誤り距離を、 正復号時の誤り距離=i−w とする。
【0093】復号結果が復号誤りであると仮定した場合
は、上述の復号結果が正復号であると仮定した場合で
は、「復号結果は正しい」と仮定して考えるため、間接
的に「上書き/下書き判定も正しいもの」と考えたこと
になる。
【0094】しかし、復号結果が復号誤りであると仮定
した場合では事情が異なる。ここでは「復号結果は間違
っている」と仮定して考えるため、どの様な間違いを起
こしたかを考慮する必要が出てくる。この点を、上書き
記録に復号誤りが発生した場合と下地記録に復号誤りが
発生した場合とに大別して説明する。
【0095】上書き記録に復号誤りが発生した場合につ
いては、上書き記録が再生された場合、基準OWPコー
ドと再生された系列の記録OWPコードは必ず一致す
る。従って、その系列が復号誤りとなるためには{(t
+1)−e}−iシンボル以上の誤りが実記録再生シン
ボル群に発生したことになる。よって、 復号誤り時の最小誤り距離={(t+1)−e}−i となる。このとき復号結果が、たまたまOWPコードに
エラーポインタをセットする場合もあるが、これは復号
誤りによる誤り及び誤り位置の誤検出であるため、OW
Pコードに存在するエラーポインタ数を考慮する必要は
ない。
【0096】下地記録に復号誤りが発生した場合につい
ては、基準OWPコードと記録OWPコード間の相違シ
ンボル数をxとすると、その系列が復号誤りとなるため
には{(t+1)−e}−i−xシンボル以上の誤りが
実記録再生シンボル群に発生したことになる。よつて、 復号誤り時の最小誤り距離={(t+1)−e}−i−
x となる。しかし実際には、記録OWPコードが何である
かが完全に不明である。従って、基準OWPコードと記
録OWPコード間に何シンボルの相違があるかが不明で
あり、上式のxが不定となる。よってxをなにがしかの
固定値として扱わなければならない。
【0097】ここで、上書き記録と下地記録の再生され
る割合はシステム毎にことなるが、通常は9割以上は上
書き記録となる。そこで本実施の形態ではx=0と固定
して考え、 復号誤り時の最小誤り距離={(t+1)−e}−i とする。このとき、下地記録に復号誤りが発生した場
合、その系列の復号結果の確からしさ検出結果に距離x
分の検出誤差を生ずることになる。
【0098】以上を整理すると、正復号時の誤り距離及
び復号誤り時の最小誤り距離は、パリティ数t、消失訂
正(イレージャ)数e、復号部ににより検出された誤り
数i、及びOWPコードに存在するエラーポインタ数w
について、 正復号時の誤り距離=i−w 復号誤り時の最小誤り距離={(t+1)−e}−i にて与えられる。後述の精度評価は正復号率及び復号誤
り率の数値演算精度、レベル検出精度、上記の下地記録
に対する復号誤り時の最小誤り距離検出誤差を総合して
評価したものである。
【0099】次に、系列の確からしさを検出する原理を
説明する。先ず、符号最小距離、誤り距離、訂正数と復
号誤りの関係について説明する。リード・ソロモン符号
を使用した場合、付加するパリティ数をtとすると、符
号最小距離は 符号最小距離=t+1 にて与えられる。これは、符号自体の持つ最小距離であ
り、通常訂正を行う場合には、tシンボル誤りまで検出
可能であり、int[t/2]シンボルまで訂正可能で
ある。
【0100】通常訂正と消失訂正とを組み合わせた混合
訂正を行う場合には、符号最小距離自体は変わらない
が、消失訂正を行うシンボル数に応じて通常訂正に残さ
れる自由度が下がる。消失訂正数をeとしたときの通常
訂正に確保される最小距離は 通常訂正に与えられる最小距離=(t+1)−e となる。言うまでもなく通常訂正のみを行う場合は、 通常訂正に与えられる最小距離=符号最小距離 となる。
【0101】続いて、復号誤りについて例を挙げて考察
する。復号誤りは誤り訂正/検出能力以上の誤りが発生
した場合に発生する。また、訂正数を増やすと復号誤り
となる確率が上がる。
【0102】第1の例は、訂正を行わない場合に関する
ものである。例えば、誤り訂正を行わずに誤り検出のみ
を行つた場合、 発生した誤り数≧通常訂正に与えられる最小距離 のときに発生する可能性がある。ここで、可能性がある
と説明したのは、発生した誤り数が通常訂正に与えられ
る最小距離以上となっても、その誤つた系列が別の符号
語とならない限り復号誤りとはならないからである。こ
の誤りが符号語となる確率Pmisはパリティ数tに依
存し、 Pmis=1/[(t/2)!] で近似計算できる。
【0103】この時、復号部にてiシンボル誤りが検出
されたとする。iの範囲は、パリティ数tおよび消失訂
正数eについて、 i≦(t+1)−e である。すると、実際にiシンボルの誤りが発生し、そ
れが正しく検出された第1の場合と、(t+1)シンボ
ル以上の誤りが発生し、iシンボル誤りと認識された第
2の場合とが考えられる。ここでは、i≠0ならば、第
1及び第2の場合ともに誤りが検出され、その系列に誤
りが存在することが認識されたことになる。しかし、i
=0のときには、第1の場合は誤りなしとして検出して
正復号されるが、第2の場合は本当は誤りが存在するに
も関わらず、誤りなしとして誤検出して復号誤りとなっ
てしまう。
【0104】続いて、訂正を行つた場合に関する第2の
例について説明する。kシンボルまでの誤りが検出され
た場合に、その誤りを訂正することを考える。この復号
部において、iシンボル誤り(i≦k)が検出されたと
する。このときも、iシンボル誤りが発生し、それが正
しく検出された第1の場合と、本当は(t+1)−e−
iシンボル以上の誤りが発生し、iシンボル誤りと誤認
された第2の場合とが考えられる。
【0105】上述した第1の例では、(t+1)−eシ
ンボル以上の誤りが発生しない限り復号誤りにはならな
かったが、この第2の例では(t+1)−e−iシンボ
ル以上の誤りが発生すると、復号誤りが発生するおそれ
がある。すなわち、訂正を行うことにより復号誤りが発
生する確率が高くなる。
【0106】続いて、復号の確からしさの検出について
説明する復号の確からしさは、以上の議論により、次の
〔数1〕のようにして検出することができる。
【0107】
【数1】
【0108】この〔数1〕により与えられる値が小さけ
れば小さいほど、対象となる復号の確からしさが高くな
る。例えば、8パリティ(t=8)、2シンボルを消失
訂正(e=2)する際に、復号部において2シンボル誤
りを検出(i=2)の系列の復号結果の確からしさは、
以下の〔数2〕を算出することによって求められる。
【0109】
【数2】
【0110】将来的に高精度かつシンボル単位のレベル
検出器と確率計算が可能になれば、ほぼ間違い無く奇/
偶トレースの選択ミスを回避することが可能と見込まれ
る。
【0111】次に、上述した復号の確からしさの理論計
算について、具体例を挙げて説明する。ここにあげられ
る複数の具体例は、厳密な方法から簡単な方法に順に配
列されたものである。
【0112】第1の具体例は、シンボルごとにレベル検
出を行う方法である。最も厳密な算出を行うためには、
時々刻々変動するシンボルエラーレートEs(p)に基
づいて、iシンボル誤り率P1と、(t+1)−e−i
シンボル以上の誤りが発生する確率P2を算出しなけれ
ばならない。この計算は、数値計算により時間をかけて
計算しなければ解が得られない程の難易度を持つため、
現状ではハードウェア化は困難である。
【0113】第2の具体例は、ブロックごとにレベル検
出を行い近似式を解く方法である。上述のように、シン
ボル毎にレベル検出を行い、それをもとに確率計算を行
うことは困難である。しかし、スキャン角度ずれ量には
自ずと上限があり、最悪1トレース間に20トラック程
度しかまたがない。また、1トラックを構成するブロッ
ク数、すなわち符号語数は100程度は確保されること
が通常である。したがって、RF変動の時定数に対して
ブロック長、すなわち符号長の周波数が10倍以上は必
ず速いことになる。さらにその変動まほぼリニアと考え
て良い。このことを考慮すると、ブロック内でRFレベ
ルとブロック末尾部のRFレベルから算出することも可
能である。このように、ブロック内のシンボルエラーレ
ートが一様な完全なランダム誤りを想定した場合、iシ
ンボル誤り率P1とシンボルエラーレートの関係は以下
の〔数3〕のようになる。
【0114】
【数3】
【0115】ここで、P(i)はiシンボル誤り率であ
り、nは符号長であり、Esはシンボルエラーレートで
ある。次に、jシンボル以上の誤りが発生する確率P2
とシンボルエラーレートの関係は以下の〔数4〕のよう
になる。
【0116】
【数4】
【0117】ここで、 j=(t+1)−e−i である。
【0118】〔数3〕及び〔数4〕は、項張れば計算で
きるレベルである。しかし、小数の加算および乗算が併
存するため、浮動小数点演算が困難であり、精度良く計
算するにはそれなりのハードウェアの能力が必要とな
る。また、シンボルエラーレート推定の元データとなる
レベル検出結果の精度もリニア軸上で測定しなければな
らないため、レベル検出回路の負荷も大きくなる。そこ
で、E<<1であることから、以下の〔数5〕及び〔数
6〕を用いて近似する。
【0119】
【数5】
【0120】
【数6】
【0121】これら、〔数5〕及び〔数6〕には、加算
が含まれないため、かなり算出が容易になる。
【0122】第3の具体例は、ブロックごとにレベル検
出を行い近似式を対数変換する方法である。上述した第
1および第2の具体例は、リニア軸上での測定/算出と
なるため、ハードウェア規模および計算能力が要求され
ることがネックとなっている。ここでは、第2の具体例
の表式を対数計算できるように、指数形式となる様な近
似を考える。まず、符号長nは大抵は100以上の数値
であり、kに関しても3〜6程度の数値となる。したが
って、〔数7〕と近似することができる。
【0123】
【数7】
【0124】このとき、P1(i)およびP2(j)
は、下記〔数8〕および〔数9〕で近似できる。
【0125】
【数8】
【0126】
【数9】
【0127】したがって復号の確からしさは〔数10〕
となる。
【0128】
【数10】
【0129】ここで、nおよびPmisはすべての事象
に共通な値であり、復号の確からしさの絶対値自体は不
要であり、相対比較のみを行うことが目的であるため、
無視して考えることができる。すなわち、〔数11〕と
して考えることができる。
【0130】
【数11】
【0131】この、〔数11〕の両辺の対数を取ると、
〔数12〕となる。
【0132】
【数12】
【0133】これが対数軸上で見た復号の確からしさと
なる。ここで、iは正復号時の誤り距離であり、jは復
号誤り時の最小誤り距離である。従って、復号誤り時の
最小誤り距離jから正復号時の誤り距離iを減じたj−
iを、正誤復号距離差分と呼ぶことにする。すると、
〔数12〕は、次の〔数13〕と非常にシンプルかつ直
観的な評価式に帰結する。
【0134】
【数13】
【0135】ここで、図12を振り返ると、 Es∝CN であったので、 CNのdB表現∝log[Es] となる。すなわち、CNを対数軸上で測定した結果(d
B)がlog[Es]となり、レベル検出に関しても非
常にシンプルかつ直観的な評価式である。
【0136】以上の議論から、下記のパラメータを参照
し、数段の加滅算と1段の乗算により、復号の確からし
さの近似計算が可能であることが言える。すなわち、正
復号時の誤り距離を表すiについては、復号部ののシン
ドロームにより得られた誤り検出数(i)を参照すれば
良い。復号誤り時の最小誤り距離を表すjについては、
あらかじめ定められているパリティ数tと、復号部の入
力から得られたイレージャー数eと、復号部のシンドロ
ームにより得られた誤り検出数iの3つのパラメータを
参照すればよい。また、シンボルエラーレートの仮数部
であるlog[Es]については、レベル検出部にて対
数軸上で測定されたレベル情報を参照すれば良い。
【0137】第4の具体例は、上述の第3の具体例から
レベル検出を省略する方法である。これはさらに簡略化
する具体例として、レベル情報log[Es]を参照し
ない。すなわち、レベル検出を行わない、と言う方法で
ある。しかし、この第4の具体例は、第3のの具体例ま
でに較べて検出精度が当然に落ちる。また、復号誤りの
可能性がある振幅状態排除のSYNC検出部依存が高く
なり、ソロバン玉先頭または末尾付近に存在するシンク
ブロックの再生能力を落とさざるを得なくなる。
【0138】第5の具体例は、奇トレース優先または偶
トレース優先に固定する方法である。第5の具体例は、
簡略化の最終手段として、まつたく何の判定も行わずに
奇トレース優先または偶トレース優先に固定する方法で
ある。この第5の具体例は、復号誤りの可能性がある心
服状態の排除をSYNC検出部だけでなく、符号の誤り
検出能力によつても補わなければならなくなる。RF系
の特性次第では、非常にバランスの悪い再生系システム
になつてしまう危険がある。
【0139】以上の考察から、先に出願人が先に提示し
た再生方法においては、算出精度の高さと算出方法の簡
便さレベル検出器に要求される精度のバランスを重視し
て、第3の具体例を用いることを提案している。これに
より、ノントラッキング再生方法における復号誤り率を
低減することができる。
【0140】もう一度、以上の結果をまとめてみると、
n倍密度スキャンを行う場合、 1)RF再生レベルからスキャン毎の媒体のSNを検出
する。 2)復号状態から正復号時の誤り距離(dc)を算出す
る。 3)復号状態から復号誤り時の最小距離(dm)を算出
する。 4)評価値(復号の確からしさ)EV=(dm−dc)
SNを算出する。 このとき、SNには、対数軸上で測定されたエンベロー
プレベル情報すなわちエンベロープ評価値(ENV)を
用いると、対数軸上での評価値が容易に得られる。 5)n倍密度スキャンによって得られるn回の再生出力
のうち最も評価値EVの大きな再生系列を最も確からし
いものとして採用する。これにより、C1復号時の復号
誤り率を大幅に低減することができる。
【0141】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、復号の
確からしさの対数表示を正誤復号距離差分と対数軸上で
測定されたレベル情報の積を用いて示し、これを用いて
ノントラッキング再生方法におけるC1復号時の復号誤
り率を低減することができる。しかしながら、この方法
で、レベル情報の検出をどの位置で行うかという問題が
生まれる。図19に示したように、斜めスキャン時の再
生波形はそろばん玉状に変動する。n倍密度スキャンの
通常再生の場合、このそろばん玉状の再生波形の中にC
1系列のデータブロックが100〜200個以上含まれ
る。1つのデータブロックのエンベロープのレベルは一
定せず、データブロックの読取りの最初と最後では異な
っている場合が普通である。したがって、どの位置でエ
ンベロープレベルを検出するかが問題になってくる。
【0142】また、データを高速にサーチする場合など
の変速再生の場合にはさらに問題が大きくなる。通常再
生ではn倍密度スキャンを行うとn回の再生出力が得ら
れ、ドロップアウト等がないかぎり、n回のうち少なく
とも1回は十分なエンベロープレベルが得られるスキャ
ンが行われる。これに対して、常に複数回の再生出力が
得られない高速の変速再生や、ドロップアウトがある場
合を考慮すると、復号誤り率を低減するためには、単に
データを選ぶだけでなくて、評価値EVを用いてデータ
を採用するかどうかをも判断する必要がある。
【0143】本発明は、この問題を解決して、同一のC
1系列のデータブロック内でエンベロープレベルが一定
でない場合でも、簡単な算出方法で対応して、最も確か
らしい再生系列を選択し、あるいは再生系列の採用を判
断することができる再生方法を提供することを課題とす
る。
【0144】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は、走行方向に対して所定の角度にて形成さ
れ記録トラックに符号化された複数のデータブロックか
らなる情報信号が記録されたテープ状の記録媒体から、
前記記録トラックに対するトラツキングを行わずに情報
信号を読み出す再生方法において、前記記録媒体から再
生信号を読み出す読み出し工程と、前記読み出し工程に
て読み出された前記再生信号中の同一の前記データブロ
ックの読みだし開始時のレベルと読みだし終了時のレベ
ルを用いて信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出工
程と、前記読みだし工程にて読み出された再生信号を復
号する復号工程と、前記復号工程の状態に基づいて、復
号が正しく行われたと仮定したときの情報信号間の誤り
距離を算出する正復号時の誤り距離算出工程と、前記復
号工程の状態に基づいて、復号が誤って行われたと仮定
したときの情報信号の間の最小誤り距離を算出する復号
誤り時の最小誤り距離算出工程と、前記復号誤り時の最
小誤り距離算出工程にて算出された最小誤り距離から前
記正復号時の誤り距離算出工程にて算出された正復号時
の誤り距離を滅じた値に前記信号対雑音比算出工程にて
算出された信号対雑音比を乗じた評価値を算出する評価
値算出工程と、前記読み出し工程にて読み出される再生
信号から前記評価値が最も大きい再生信号を選択すると
共に、前記評価値の絶対値が所定の値よりも小さい場合
には再生信号の採用を見合わせる選択工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0145】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる再生方法を
添付図面を参照にして詳細に説明する。一般に、エンベ
ロープレベルが最大レベルの1/2(50%)より大き
いと十分なSNが得られ、訂正できる確率も高くなる。
エンベロープレベルが最大レベルの1/2より小さいと
十分なSNが得られず、シンクが取れなくなる確率が高
くなる。エンベロープレベルが最大レベルの1/2前後
の中間では、シンクが取れたり取れなかったりし、取れ
たとしても訂正できたりできなかったり誤訂正したりす
る。
【0146】シンクが取れなかったり、取れたとしても
訂正できたりできなかったりする場合は、そのC1系列
の再生データブロックに誤りがあることがはっきりして
いるため問題は起きない。一方、誤訂正が起きると、正
しく訂正された場合と区別が付かないため、後段でエラ
ーがないものとして処理するため、問題が発生する。こ
れを防ぐために、評価値EVを用いてデータを採用する
かどうかをも判断し、誤訂正確率を低減するようにす
る。誤訂正確率を低減することが目的であるため、評価
値EVがある幅を持つものであれば、厳しい方に見積も
るのが正しい。
【0147】上述のように、エンベロープレベルが最大
レベルの1/2前後の時に最も誤訂正の確率が高くなる
ため、エンベロープレベル情報であるエンベロープ評価
値(ENV)が評価値EVを求める際の重要なファクタ
ーとなる。
【0148】図1(a)に2倍密度スキャンの場合の2
スキャン分のエンベロープ波形を模式的に示す。先にも
述べたように、1回目のスキャンと2回目のスキャンと
は相関関係があり、1回目のスキャンでエンベロープレ
ベルが小さかった部分が、2回目のスキャンでは大きく
なり、1回目のスキャンでエンベロープレベルが大きか
った部分が、2回目のスキャンでは小さくなる傾向にあ
る。この場合、1回のスキャンデータ中に通常、C1系
列のデータブロックが100〜200程度含まれる。
【0149】図1(b)および図1(c)にエンベロー
プレベルが最大レベルの1/2前後の1ブロック分のエ
ンベロープ波形を拡大した例を示す。図1(b)がエン
ベロープレベルが単調に増加して行くもの、図1(c)
がエンベロープレベルが単調に減少して行くものを示
す。図2(a)に高速サーチの場合のエンベロープ波形
を模式的に示す。この場合は、サーチは何トラックかに
またがり、1トラックで1つのそろばん玉波形が形成さ
れる。図2(b)には、図2(a)のそろばん玉波形1
つ分のエンベロープ波形を拡大して示す。一般的な場合
は、そろばん玉波形1つの中に、C1系列のデータブロ
ックが10個以上入るようになる。図2(c)にはエン
ベロープレベルが最大レベルの1/2前後の時の1ブロ
ック分のエンベロープ波形をさらに拡大して示した。
【0150】図1および図2のいずれの場合も、C1系
列の1データブロックはエンベロープが1/2前後の時
はレベルが単調増加あるいは単調減少のどちらかの傾向
を示している。したがってこの場合、C1系列のデータ
ブロックの入り口附近のエンベロープレベル値(ENV
in)と出口附近のエンベロープレベル値(ENVou
t)とを求め、どちらか低レベルの側(厳しい側)を選
択すると、それがそのC1系列データブロックのエンベ
ロープレベルの最小値になる。
【0151】図1の2倍密度スキャンの場合は、C1系
列の1データブロックは、1スキャンの長さに比べると
十分短いため、エンベロープのレベルの傾斜は大きくな
く、データブロックの入り口附近のエンベロープレベル
値(ENVin)と出口附近のエンベロープレベル値
(ENVout)との差はさほど大きくない。したがっ
て、少しだけ低め(厳しめ)に見積もられるENVin
とENVoutの小さい方を用いて、これをそのC1系
列データのエンベロープ評価値ENVとして差支えな
い。以下においては、ENVinとENVoutの小さ
い方をmin(ENVin,ENVout)で表す。
【0152】図2の高速サーチの場合は、C1系列の1
データブロックは、そろばん玉波形1つの長さに比べて
十分長いとはいえない。この場合は、エンベロープのレ
ベルの傾斜は図1の場合より大きく、ENVinとEN
Voutの差はそのレベルの10%〜20%程度にもな
る。この場合も、簡易な低め(厳しめ)の見積もりとし
て、min(ENVin,ENVout)を、このC1
系列データのエンベロープ評価値ENVとして良い。 ENV=min(ENVin,ENVout)
【0153】min(ENVin,ENVout)をC
1系列データのエンベロープ評価値ENVとする処理
は、1データブロック分のエンベロープ波形において、
図3の(a)のエンベロープを、図3(b)と等化と見
做したことになる。したがって、エンベロープレベルの
傾斜が大きくなるとエンベロープ評価値ENVの誤差も
厳しい側に大きくなることは明らかで、訂正できるデー
タを捨ててしまう可能性がある。
【0154】これを解決するために、図3(c)のよう
にmin(ENVin,ENVout)に若干の下駄を
履かせる方法が考えられる。傾きに応じて下駄の高さを
変えるために ENV=min(ENVin,ENVout)+{ma
x(ENVin,ENVout)/min(ENVi
n,ENVout)}・α または ENV=min(ENVin,ENVout)+{ma
x(ENVin,ENVout)−min(ENVi
n,ENVout)}・β をもってエンベロープ評価値ENVとしても良い。ここ
でmax(ENVin,ENVout)はENVinと
ENVoutの内の大きい方を表す。また、α、βはそ
の系における最適な固定値、もしくはエンベロープの絶
対値や傾きによって最適に調整される定数である。
【0155】最終的に必要なのはエンベロープ評価値E
NVではなく、評価値EVであり、 EV=(dm−dc)SN 対数軸上での評価値log(EV)は log(EV)=(dm−dc)・log(ENV) である。
【0156】したがって、実際の利用では、図4に示す
ように、所定のパリティに対してENVin、ENVo
ut、C1訂正数を与えてROMテーブルにより、評価
値EVを直接求めるようにすることができる。dm、d
cはC1訂正数から求められる。パリティ10の場合の
C1訂正数とdm、dcの関係を〔表1〕に示す。
【0157】
【表1】
【0158】図5は、本発明の実施の形態としての再生
方法を実現する再生装置の構成を示すブロック図であ
る。図5に沿って、再生装置の動作を説明する。RF出
力として入力される信号のレベルを検出するレベル検出
器11からの信号はAGC部12で自動利得調整されて
SYNC検出部13で同期が検出される。また、レベル
検出器11で得られるエンベロープ信号はディレイ素子
19を通り、SYNC検出部13からの信号で同期され
たタイミング発生器20からのシンクパルスでタイミン
グが調整されて、C1系列のデータブロックの入り口附
近のエンベロープレベル値(ENVin)と出口附近の
エンベロープレベル値(ENVout)がラッチ回路2
1で保持され、ENVinとENVoutの値はROM
テーブルなどからなる判定器16に入力される。
【0159】SYNC検出部13からの信号はC1復号
器14で復号され、C1復号器14からのC1訂正数も
判定器16に入力される。判定器16ではこれらの入力
から評価値EVを求めて選択器15に入力する。選択器
15では評価値EVに基づいて、C1復号器14で復号
された信号に対して、 1)複数のC1系列データから最も高い評価値EVを示
すものを選択する。 2)評価値EVの絶対値からC1系列データを採用する
かどうかを決める。 3)評価値EVの絶対値からC2のイレージャーフラグ
を立てるかどうかを判定する。 等の処理を行う。
【0160】以上説明したように、本実施の形態では、
ノントラッキング再生でのn倍密度スキャンや高速サー
チなどの変速再生など、同一のC1系列データ内でエン
ベロープレベルが一定でない場合でも、簡単な算出方法
で評価値EVの誤差を最小限に押さえることができ、C
1復号時の誤り率を一層低減することができる。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
発明は、走行方向に対して所定の角度にて形成され記録
トラックに符号化された複数のデータブロックからなる
情報信号が記録されたテープ状の記録媒体から、記録ト
ラックに対するトラツキングを行わずに情報信号を読み
出す再生方法において、記録媒体から再生信号を読み出
す読み出し工程と、読み出し工程にて読み出された再生
信号中の同一のデータブロックの読みだし開始時のレベ
ルと読みだし終了時のレベルを用いて信号対雑音比を算
出する信号対雑音比算出工程と、読みだし工程にて読み
出された再生信号を復号する復号工程と、復号工程の状
態に基づいて、復号が正しく行われたと仮定したときの
情報信号間の誤り距離を算出する正復号時の誤り距離算
出工程と、復号工程の状態に基づいて、復号が誤って行
われたと仮定したときの情報信号の間の最小誤り距離を
算出する復号誤り時の最小誤り距離算出工程と、復号誤
り時の最小誤り距離算出工程にて算出された最小誤り距
離から正復号時の誤り距離算出工程にて算出された正復
号時の誤り距離を滅じた値に信号対雑音比算出工程にて
算出された信号対雑音比を乗じた評価値を算出する評価
値算出工程と、読み出し工程にて読み出される再生信号
から評価値が最も大きい再生信号を選択すると共に、評
価値の絶対値が所定の値よりも小さい場合には再生信号
の採用を見合わせる選択工程とを有することを特徴とす
る。これにより、ノントラッキング再生でのn倍密度ス
キャンや変速再生など同一のC1系列データ内でエンベ
ロープレベルが一定でない場合でも、簡単な算出方法で
評価値EVの誤差を最小限に押さえることができ、C1
復号時の誤り率を一層低減し、誤訂正を少なくすること
が可能な再生方法が実現できる。
【0162】本発明の請求項2の発明は、信号対雑音比
算出工程は、読みだし開始時のレベルと読みだし終了時
のレベルとのうち小さい方のレベルを用いて信号対雑音
比を算出することを特徴とする。これにより、簡単な処
理で、常に厳しい側での評価値が得られ、C1復号時の
誤り率を一層低減し、誤訂正を少なくすることが可能な
再生方法が実現できる。
【0163】本発明の請求項3の発明は、信号対雑音比
算出工程は、読みだし開始時のレベルと読みだし終了時
のレベルとのうち小さい方のレベルに、読みだし開始時
のレベルと読みだし終了時のレベルの比と所定の定数と
の積を加えたものを用いて信号対雑音比を算出すること
を特徴とする。
【0164】本発明の請求項4の発明は、信号対雑音比
算出工程は、データブロックの読みだし開始時のレベル
と読みだし終了時のレベルとのうち小さい方のレベル
に、読みだし開始時のレベルと読みだし終了時のレベル
の差の絶対値と所定の定数との積を加えたものを用いて
信号対雑音比を算出することを特徴とする。これらによ
り、実現可能な比較的簡単な演算によって、最適な評価
値が得られ、C1復号時の誤り率を一層低減し、誤訂正
を少なくすることが可能な再生方法が実現できる。
【0165】本発明の請求項5の発明は、記録媒体に記
録された情報信号は原情報信号がリードソロモン(Reed
Solomon)符号にて2重に符号化されてなるものである
ことを特徴とする。これにより、高度な誤り訂正機能を
有する再生方法が実現できる。
【0166】本発明の請求項6の発明は、読み出し工程
は、記録媒体の記録トラックに対してトラツキングを行
わずにn(n≧2)倍密度にて情報信号を読み取ること
を特徴とする。これにより、最適な評価値を有する再生
系列を必ず選ぶことが可能になる。
【0167】本発明の請求項7の発明は、読み出し工程
は、記録媒体の記録トラックに対してトラツキングを行
わずに高速の変速にて情報信号を読み取ることを特徴と
する。これにより、高速サーチなどの再生において、C
1復号時の誤り率を一層低減し、誤訂正を少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2倍密度スキャンの場合のエンベロープ波形を
示す図。
【図2】高速サーチの場合のエンベロープ波形を示す
図。
【図3】本発明の実施の形態におけるエンベロープ波形
の変換の説明図。
【図4】本発明の実施の形態で用いられる判定用のRO
Mテーブルのブロック図。
【図5】本発明の実施の形態の再生方法が適用される再
生装置の概略の構成を示すブロック図。
【図6】系列と符号語の関係を説明する図。
【図7】符号語間の最小距離を説明する図。
【図8】ランダムエラーに対するiシンボルエラーレー
トの関係を示す図。
【図9】ランダムエラーに対する復号誤り率および誤り
検出率の関係を示す図。
【図10】ランダムエラーに対する復号結果の確から示
唆を示す図。
【図11】再生装置の概略の構成を示すブロック図。
【図12】ダブルアジマス記録方式でのヘッドアロケー
ションの例を示す図。
【図13】VX時の再生波形タイミングを示すタイムチ
ャート。
【図14】180°対向時の再生波形タイミングを示す
タイムチャート。
【図15】搬送電力対雑音比とシンボルエラーレートの
関係を示す図。
【図16】トラッキング状態とC1エラーレートの関係
を示す図。
【図17】ジャストオントラッキングのヘッドトレース
軌跡を示す図。
【図18】斜めスキャン時のヘッドトレース軌跡を示す
図。
【図19】代表的なトラッキング状態に置ける再生波形
を示す図。
【符号の説明】
11…レベル検出器、12…AGC増幅器、13…同期
検出部、14…C1復号器、15…選択器、16…判定
器(ROM)、17…メモリ、18…C2復号器、19
…遅延素子、20…タイミング発生器、21…ラッチ回
路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行方向に対して所定の角度にて形成さ
    れ記録トラックに符号化された複数のデータブロックか
    らなる情報信号が記録されたテープ状の記録媒体から、
    前記記録トラックに対するトラツキングを行わずに情報
    信号を読み出す再生方法において、 前記記録媒体から再生信号を読み出す読み出し工程と、 前記読み出し工程にて読み出された前記再生信号中の同
    一の前記データブロックの読みだし開始時のレベルと読
    みだし終了時のレベルを用いて信号対雑音比を算出する
    信号対雑音比算出工程と、 前記読みだし工程にて読み出された再生信号を復号する
    復号工程と、 前記復号工程の状態に基づいて、復号が正しく行われた
    と仮定したときの情報信号間の誤り距離を算出する正復
    号時の誤り距離算出工程と、 前記復号工程の状態に基づいて、復号が誤って行われた
    と仮定したときの情報信号の間の最小誤り距離を算出す
    る復号誤り時の最小誤り距離算出工程と、 前記復号誤り時の最小誤り距離算出工程にて算出された
    最小誤り距離から前記正復号時の誤り距離算出工程にて
    算出された正復号時の誤り距離を滅じた値に前記信号対
    雑音比算出工程にて算出された信号対雑音比を乗じた評
    価値を算出する評価値算出工程と、 前記読み出し工程にて読み出される再生信号から前記評
    価値が最も大きい再生信号を選択すると共に、前記評価
    値の絶対値が所定の値よりも小さい場合には再生信号の
    採用を見合わせる選択工程とを有することを特徴とする
    再生方法。
  2. 【請求項2】 前記信号対雑音比算出工程は、前記読み
    だし開始時のレベルと前記読みだし終了時のレベルとの
    うち小さい方のレベルを用いて信号対雑音比を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生方法。
  3. 【請求項3】 前記信号対雑音比算出工程は、前記読み
    だし開始時のレベルと前記読みだし終了時のレベルとの
    うち小さい方のレベルに、前記読みだし開始時のレベル
    と前記読みだし終了時のレベルの比と所定の定数との積
    を加えたものを用いて信号対雑音比を算出することを特
    徴とする請求項1に記載の再生方法。
  4. 【請求項4】 前記信号対雑音比算出工程は、前記デー
    タブロックの読みだし開始時のレベルと前記読みだし終
    了時のレベルとのうち小さい方のレベルに、前記読みだ
    し開始時のレベルと前記読みだし終了時のレベルの差の
    絶対値と所定の定数との積を加えたものを用いて信号対
    雑音比を算出することを特徴とする請求項1に記載の再
    生方法。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体に記録された情報信号は原
    情報信号がリードソロモン(Reed Solomon)符号にて2
    重に符号化されてなるものであることを特徴とする請求
    項1に記載の再生方法。
  6. 【請求項6】 前記読み出し工程は、前記記録媒体の記
    録トラックに対してトラツキングを行わずにn(n≧
    2)倍密度にて情報信号を読み取ることを特徴とする請
    求項1に記載の再生方法。
  7. 【請求項7】 前記読み出し工程は、前記記録媒体の記
    録トラックに対してトラツキングを行わずに高速の変速
    にて情報信号を読み取ることを特徴とする請求項1に記
    載の再生方法。
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