JP2000171812A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JP2000171812A
JP2000171812A JP10346136A JP34613698A JP2000171812A JP 2000171812 A JP2000171812 A JP 2000171812A JP 10346136 A JP10346136 A JP 10346136A JP 34613698 A JP34613698 A JP 34613698A JP 2000171812 A JP2000171812 A JP 2000171812A
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electrode
electrodes
scanning
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Yoshinari Yoshino
佳成 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆ドメインの発生成長を抑制し、ちらつきの
無い良好な表示が可能な液晶素子を提供する。 【解決手段】 液晶を挟持する一対の基板1a,1bに
それぞれ形成された複数の走査電極6a及び情報電極を
互いに交差するように配置すると共に、一方の基板1b
の、走査電極6a及び情報電極の交差部に形成される画
素に対応する位置にカラーフィルター2を格子状に配置
する。さらに、ストライプ状の低抵抗の補助電極7a,
7bを走査電極6a及び情報電極に接して配置すると共
に、格子状に配されたカラーフィルター間に配置し、補
助電極7a,7bと、この補助電極7a,7bに対向す
る基板1a,1bとのギャップを広くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単純マトリクス電
極構成の液晶素子に関し、特に強誘電性液晶を用いたも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電性液晶の屈折率異方性を利
用して偏向素子との組み合わせにより透過光線を制御す
る型の液晶素子がクラーク(Clark)及びラガーウ
ォール(Lagerwall)の両者により特開昭56
−107216号公報、米国特許第4367924号明
細書等で提案されている。
【0003】ここで、この強誘電性液晶は、一般に、特
定の温度領域でカイラルスメクティックC相(Smc
* )またはH相(SmH* )を有すると共に、これらの
状態において印加された電界に応答して第1の光学的安
定状態と第2の光学的安定状態とのいずれかをとり、か
つ電界が印加されないときはその状態を維持する性質、
即ち双安定性を有し、また電界の変化に対する応答がす
みやかであるため、高速かつ記憶型の表示装置等の分野
における広い利用が期待されている。
【0004】一方、液晶素子の駆動方法としては、図1
0及び図11に示すように液晶を挟持する一対の基板1
9a,19bに、走査電極20と情報電極21とで構成
したマトリクス電極を組み込み、走査電極20には順次
走査信号を印加し、情報電極21には走査信号と同期し
て情報信号を印加するマルチプレクシング駆動が一般的
である。また、各電極20,21はITOなどからなる
透明電極の他に配線抵抗を下げるための低抵抗の補助電
極22,23が接続されている。
【0005】なお、図10及び図11において、24は
表示画素領域、25はカラー表示するためのカラーフィ
ルターであり、表示画素領域24は走査電極20と情報
電極21の交差部に形成され、カラーフィルター25は
交差部の面積と同等かそれ以上の面積を有して配置され
ている。また、26はブラックマトリクスである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
マルチプレクシング駆動により液晶を駆動する液晶素子
においては、走査電極に走査信号を繰り返し周期的に印
加するリフレッシュ駆動により液晶を駆動するようにし
ているが、このリフレッシュ駆動により液晶を駆動する
際、図10に示すようにカラーフィルター25が形成さ
れた基板19bに設けられた補助電極22が他方の基板
19aに近いため、表示画素以外の部分の電界強度が表
示画素内よりも強くなる。
【0007】そして、この電界強度の差がクロストーク
を誘発し、画素内で表示しようとしている一方の光学的
安定状態とは逆の光学的安定状態のドメイン(以下、逆
ドメインという)が発生するようになる。なお、このよ
うな逆ドメインが発生、成長すると、ある駆動領域で表
示画面にちらつきが発生するようになる。そして、この
ように表示画面でのちらつきが発生すると、良好な表示
画面を得ることができる駆動領域(駆動マージン)が狭
くなる。
【0008】ここで、この逆ドメインは走査信号の周期
に同期して表示画素内へ成長するようになるが、この逆
ドメインの発生、成長は一軸配向処理であるラビングの
ラビング方向と関係があるということが発明者等の観測
から明らかになっている。即ち、図11の矢印で示す方
向がラビング方向である場合、逆ドメインDは画素24
のラビング方向上流側から発生し、ラビング方向に成長
する。
【0009】そこで、この逆ドメインの発生及び成長を
抑制する手段として従来は、例えば特開平9−9681
8号公報に示すような補助電極に対するラビング方向の
規定、或は特開平9−197419号公報に示すような
画素構成等があるが、これらの手段では走査線数が20
00本以上になると効果が減少する。
【0010】また、他の手段として補助配線の膜厚を薄
くすることで電界強度を弱めることもできるが、配線抵
抗の関係から膜厚を薄くすることには限界があった。
【0011】そこで、本発明は逆ドメインの発生成長を
抑制し、ちらつきの無い良好な表示が可能な液晶素子を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶を挟持す
る一対の基板と、前記一対の基板にそれぞれ形成され、
互いに交差するように配置された複数の走査電極及び情
報電極と、前記走査電極及び情報電極の交差部に形成さ
れる画素と、前記一対の基板の一方の基板の、前記画素
に対応する位置に格子状に配置されたカラーフィルター
と、前記走査電極及び情報電極に接して配置されたスト
ライプ状の低抵抗の補助電極と、を備え、前記補助電極
が、前記格子状に配されたカラーフィルター間に位置す
るようにしたことを特徴とするものである。
【0013】また本発明は、前記カラーフィルターが形
成された前記一方の基板に前記補助電極を、該カラーフ
ィルターと重ならないように配置したことを特徴とする
ものである。
【0014】また本発明は、前記一対の基板の他方の基
板に前記補助電極を、該他方の基板と前記一方の基板を
重ねた時、前記カラーフィルターと重ならないように配
置したことを特徴とするものである。
【0015】また本発明は、前記補助電極の膜厚は同一
基板上に形成される前記走査電極又は情報電極の膜厚よ
り厚く、また前記補助電極は前記走査電極又は情報電極
よりも突出する高さを有していることを特徴とするもの
である。
【0016】また本発明は、前記補助電極を、前記液晶
を一軸配向させるためのラビング処理方向に対して、前
記画素の上流側に位置させることを特徴とするものであ
る。
【0017】また本発明は、前記液晶は前記走査電極に
印加される走査信号及び該走査信号に同期して前記情報
電極に印加される情報信号により駆動されることを特徴
とするものである。
【0018】また本発明は、前記走査電極は2000本
以上であることを特徴とするものである。
【0019】また本発明は、前記液晶は双安定性を有す
るカイラルスメクチック液晶であることを特徴とするも
のである。
【0020】また本発明のように、液晶を挟持する一対
の基板にそれぞれ形成された複数の走査電極及び情報電
極を互いに交差するように配置すると共に、一方の基板
の、走査電極及び情報電極の交差部に形成される画素に
対応する位置にカラーフィルターを格子状に配置する。
さらに、ストライプ状の低抵抗の補助電極を走査電極及
び情報電極に接して配置すると共に、格子状に配された
カラーフィルター間に配置し、補助電極と、この補助電
極に対向する基板とのギャップを広くする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0022】図1は本発明の実施の形態に係る液晶素子
を備えた液晶装置のブロック構成図である。同図におい
て、405はグラフィックコントローラであり、このグ
ラフィックコントローラ405から送出されるデータは
駆動制御回路404において駆動波形を選択した後に、
走査信号制御回路406と情報信号制御回路407に入
力され、それぞれ走査線アドレスデータと表示データに
変換されるようになっている。
【0023】そして、この走査線アドレスデータに従っ
て走査信号印加回路402では、後述する図6に示す走
査信号波形を発生し、液晶素子である液晶パネル1の走
査電極群に印加するようになっている。また、表示デー
タに従って情報信号印加回路403では情報信号波形を
発生し、液晶パネル1の情報電極群に印加するようにな
っている。
【0024】一方、図2は液晶パネル1の断面図であ
り、図3は液晶パネル1の要部拡大図である。図2及び
図3において、1a,1bは不図示の液晶を挟持する一
対の基板である第1基板及び第2基板、2は第2基板1
bに形成されたカラーフィルター、3はブラックマトリ
クス、4は平坦化層、5はカラーフィルター2を保護す
るバリア層である。
【0025】また、6a、6bはITO等により形成さ
れる走査電極及び情報電極、7a,7bは走査電極6a
及び情報電極6bにそれぞれ接する低抵抗補助電極(以
下、補助電極という)、8a,8bはショート防止層、
9a,9bは配向層、10は接着ビーズ、11はスペー
サビーズ、12は走査電極6a及び情報電極6bの交差
部に形成される画素である。
【0026】ところで、カラーフィルター2は図3に示
すように画素12に対応する位置に格子状に配置されて
いるが、本実施の形態おいては、同図及び図2に示すよ
うにこの格子状に配置されたカラーフィルター2の間に
補助電極7a,7bを配置している。ここで、このよう
な位置に補助電極7a,7bを配置することにより、言
い換えればカラーフィルター間の段差を利用することに
より、補助電極7a,7bと対向基板1a,1bとのギ
ャップを広くすることができる。
【0027】そして、このように補助電極7a,7bと
対向基板1a,1bとのギャップを広くすることによ
り、補助電極7a,7bの膜厚を保持したまま電界強度
を弱めることができる。これにより、クロストークの発
生を弱めることができ、逆ドメインを発生及び成長を緩
和することができる。
【0028】なお、補助電極7a,7bの高さは走査電
極6a及び情報電極6bよりも相対的に高く、即ち図2
に示すように補助電極7a,7bの方が走査電極6a及
び情報電極6bよりも突出するようにしている。さら
に、本実施の形態において、補助電極7a,7bを、図
3の矢印に示すラビング方向において、画素内のラビン
グ上流側に配置するようにしている。
【0029】そして、このように補助電極7a,7bを
走査電極6a及び情報電極6bよりも突出させると共
に、画素内のラビング上流側に配置することにより、配
向膜剥がれによる配向不良やスイッチング不良、即ちラ
ビング処理の影響を最小限に抑えることができ、逆ドメ
インの発生を抑制することができる。
【0030】次に、このように構成された液晶パネル1
の製造方法を説明する。
【0031】まず、図4の(a)に示すように第2基板
1bの表面に遮光層3を形成する。なお、この第2基板
1b(第1基板1aも同様)としては、一般に液晶用ガ
ラスとして市販されている透明性に優れたもの、例えば
青板ガラス、無アルカリガラスが挙げられる。好ましく
は、片面が研磨してあるものを用いる。
【0032】また、厚さ、大きさは、画面サイズや、1
枚から何枚のパネルを取るかにより、適宜選択される
が、例えば大型画面(14.8インチ)の液晶パネル1
を作製する場合には、1.1mm程度の厚さのものを用
いる。
【0033】さらに、本実施の形態においては基板表面
に不図示のアンダーコート層を設け、基板表面からのア
ルカリの溶出を防ぐようにしている。ここで、このアン
ダーコート層としては、下層の保護効果があればよく、
例えばSiO2 ,MgO,SiN,TiO2 ,Al2
3 ,ZrOが用いられ、200〜1000Åの厚みを有
して設けられる。
【0034】なお、このようなアンダーコート層を表面
に形成した後は、第2基板1bを純水シャワー、純水+
超音波洗浄、ブラシ等のうち少なくとも一つの方法を用
い、適当な回数・組合せで洗浄、乾燥後、紫外線照射に
より有機物を除去するようにしている。
【0035】一方、第2基板1bの表面に形成される遮
光層3の素材としては、Cr、Mo等の金属、或いはそ
の合金、酸化物のCr23 等、更には樹脂に黒色顔料
を分散したもの等、有機材料をはじめとする遮光性に優
れた材料を用いることができる。また、その厚さは50
0〜1500Åの範囲で、素材の遮光能により設定する
ようにする。例えば、金属を用いた場合は厚みが薄くて
も遮光効果が得られる。
【0036】本実施の形態においては、Mo−Ta合金
層を用い、層厚が1000Å以下となるように形成す
る。なお、この遮光層3はその素材をスパッタ、塗布な
どにより基板全面に積層した後、パターニングして得ら
れる。
【0037】具体的には、素材との密着性により選択さ
れたレジストを、スピンナー、印刷等により遮光層表面
に塗布した後、70〜120℃でプリベークし、さらに
90〜120mJで露光後、現像、洗浄、乾燥させる。
さらにこの後、遮光層の材料に応じた酸などのエッチン
グ液でエッチングした後、洗浄し、レジストを剥離して
更に洗浄することにより得られる。
【0038】次に、(b)に示すように第2基板1bの
表面に緑(G)、赤(R)、青(B)の他に好ましくは
白(W)のカラーフィルター2を形成する。なお、この
カラーフィルター2の形成方法としては、染色法、顔料
分散法、電着法等があり、本実施の形態においては顔料
分散法によりカラーフィルター2を形成する。
【0039】具体的には、所望の顔料(Wには顔料を加
えない)が分散された感光性樹脂のカラーレジストをス
ピンナー、コーター等で第2基板表面に、例えば厚さ
1.0〜2.0μmに塗布し、一定の温度でレベリング
した後、80℃前後でプリベークする。この時の温度や
保持時間、上記塗布する厚さはレジスト材料により適宜
選択される。
【0040】次に、このカラーレジストを200〜10
00mJで露光する。なお、露光程度はR、G、B、W
で感度が異なるため、露光時間を変えて調整する。さら
に、この露光の後、レジスト材料に応じた現像液、方
法、温度で現像し、この後120〜250℃でポストベ
ークし、洗浄する。なお、各カラーフィルター2は隣接
するカラーフィルター2に接しないように隙間をあけて
形成する。
【0041】次に、(c)に示すようにカラーフィルタ
ー間の間隙を埋め、表面を平坦化するための平坦化層4
を形成する。
【0042】なお、本実施の形態において、平坦化層4
は膜厚が1.5〜5μmになるように、スピンナー、印
刷、コーター等で平坦化材を塗布した後、60〜150
℃でレベリングし、必要ならば150〜330℃でポス
トベークすることにより形成される(これらの温度は平
坦化材により設定される)。
【0043】ここで、平坦化層4の平坦化材としては、
後工程に耐え、耐熱性、耐薬品性を有するものであれば
無機物、有機物を問わない。具体的には、ポリアミド、
エポキシ樹脂、有機シラン系樹脂が挙げられ、中でも有
機シラン系樹脂が好ましく用いられる。
【0044】一方、本実施の形態の液晶パネル1におい
ては、後述するようにスペーサビーズ10(図2参照)
の直径が不図示の液晶層の厚さよりも大きく、スペーサ
ビーズ10は両基板に埋め込まれるようにして固定され
る。
【0045】従って、スペーサビーズ10が埋まる程度
に基板1bが、鉛筆硬度において7H以下程度に柔軟で
あることが望ましく、このため平坦化層4の硬度は、3
H〜7Hの範囲にあることがより好ましい。なお、鉛筆
硬度は、JIS−K5401における鉛筆硬度測定装置
を用いた方法に準じて測定することにより得られる値で
ある。
【0046】次に、(d)に示すように平坦化層4の表
面に、その後の上層の製膜工程やエッチング等の工程に
おいてカラーフィルター2を保護するためのバリア層5
を形成する。
【0047】ここで、このバリア層5の素材としては、
保護効果を有するものであれば限定されないが、例えば
SiO2 ,MgO,SiN,TiO2 ,Al23 ,Z
rO等が好ましく用いられ、バリア層5は例えば100
〜1000Å程度の厚さとなるよう印刷、スパッタ等、
素材に応じた方法により形成される。
【0048】なお、以上は第2基板1bのみの工程であ
り、以下の工程は第1及び第2基板1a,1bに共通の
工程である。
【0049】次に、例えばITO等の透明導電材料から
なる層をスパッタ、蒸着、焼成等で形成する。好ましく
は、透明導電材料としてIn23 に対してSnO2
5〜10%のものを用いるが、透過率、導電性により適
宜選択すれば良い。また、この層の厚さは、例えば30
0〜3000Åで、該厚さも、用いる液晶の光学特性、
抵抗により選択される。
【0050】次に、このITO層を、遮光層3と同様に
フォトリソグラフィによりパターニングした後、塩化
鉄、ヨウ化水素酸、次亜リン酸等の水溶液によりエッチ
ングして(e)に示すように走査電極6aを形成する。
ここで、図示はしないが第1基板側の情報電極も同様に
して形成する。なお、走査電極6aは表示領域外にも形
成したカラーフィルター2上にも対応してパターン形成
することが好ましい。
【0051】次に、図5の(a)及び(a)’に示すよ
うに走査電極6a及び情報電極6bの配線抵抗を下げる
ための補助電極7a,7bを走査電極6a及び情報電極
6bに接するようにして形成する。
【0052】なお、この補助電極7a,7bの素材は金
属であり、Cr、Al、Mo、或いはその合金、Mo−
Ta等が用いられる。また、走査電極6a及び情報電極
6bとの密着性、抵抗、レジストとの密着性を考慮し、
多層構成としても良い。具体的には、Mo/AlやMo
/Al/Mo−Ta等である。
【0053】特に多層構成の場合には、素材によってエ
ッチングスピードが異なるため、後工程のエッチングを
考慮して素材を選択する。例えば、上記3層構成を同時
にエッチングする場合、Mo−Ta5〜10%(例えば
200〜500Å)/Al合金(例えば200〜150
0Å)/Mo−Ta10〜20%(例えば100〜50
0Å)とする積層構成とすることがエッチング液との相
性が良い。また、多層構成を各層毎にエッチングしなが
ら積層して形成しても構わない。
【0054】そして、上記金属を基板全面に積層し、レ
ジスト塗布、露光、現像、ポストベーク、エッチング、
レジスト剥離の各工程を順次行なって、走査電極6a及
び情報電極6bに重なり、且つカラーフィルター2間に
配置されるように補助電極7a,7bを形成する。
【0055】次に、(b)及び(b)’に示すように各
電極上にショート防止層8a,8bを形成する。ここ
で、このショート防止層8a,8bは、上下基板間での
ショートを防止するための絶縁層であり、スパッタ、塗
布・焼成等で有機或いは無機の絶縁膜を基板全面に形成
する。
【0056】具体的には、Ti−Si、SiO2 、Ti
2 、Ta25 が用いられ、これらを単層でも、多層
でも用いることができる。例えば、Ta25 をスパッ
タで500〜1200Å形成した上に、Ti−Si等の
塗布型絶縁膜材料の溶液を印刷、焼成し、500〜10
00Åの絶縁眉を形成した多層構成が好ましく用いられ
る。
【0057】次に、液晶分子の配向を制御するための配
向膜9a,9b(図2参照)を形成する。ここで、この
配向膜9a,9bの材料としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリイミド、ポリアミドイミド等から選択し、基板
全面に塗布或いは印刷し、200〜300℃で焼成し、
厚さ50〜100Åで絶縁層を形成する。
【0058】次に、この絶縁層を兼ねる配向膜表面に、
起毛のラビング布を巻き付けた不図示のローラーを押し
当て、このローラーを500〜2000rpmで回転さ
せ、配向膜表面をラビング処理する。
【0059】ここで、このラビング布の素材としては、
綿等の天然繊維、アラミド、ナイロン、レーヨン、テフ
ロン、ポリプロピレン、アクリル等の合成繊維から選択
され、中でもアラミド繊維が好ましく用いられる。な
お、ローラーの回転方向、送り速度はラビング処理の程
度により適宜選択される。
【0060】ここで、本実施の形態においては、ラビン
グ方向は図3に示されているように、画素内のラビング
上流側に補助電極7a,7bがくる方向に処理する。ラ
ビング処理後、両基板を洗浄する。
【0061】次に、第1又は第2基板1a,1bに接着
ビーズ11(図2参照)を散布する。ここで、この接着
ビーズ11は、常温並びに液晶パネル1の駆動条件下で
は粘着性を持たず、後述する基板1a,1bの貼り合わ
せ時の熱処理等の種々の処理において粘着性を呈するも
のであり、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂等、液晶
に影響を与えない熱硬化性樹脂等からなる接着剤で形成
されている。なお、接着ビーズ11の直径は、2〜10
μmが好ましく、イソプロピルアルコール等の溶媒に分
散して、50〜130個/mm2 程度に散布する。
【0062】次に、接着ビーズ11を散布した基板とは
異なる基板にスぺーサビーズ10(図2参照)を散布す
る。ここで、スぺーサビーズ10の直径は、既述したよ
うにセル厚よりも大きくなるように選択されるが、0.
6〜3.5μmの範囲が好ましい。例えば、セル厚を1
μmとする場合には、1.2〜1.3μm程度の径のス
ぺーサビーズ10を選択する。
【0063】なお、スぺーサビーズ10の素材として
は、シリカビーズ、アルミナビーズが好ましく用いら
れ、例えばエタノール等に分散して100〜700個/
mm2 になるように基板全面に散布する。ここで、この
溶媒については、スペーサビーズ10の溶融性の小さな
ものを選択して用いることが好ましい。
【0064】また、本実施の形態においては、既述した
ように最終的に液晶層厚の設定よりも大きな径のビーズ
をスペーサとして用いるようにしている。これは、この
ようなビーズを用いることにより、基板1a,1bを接
着すると、スペーサビーズ10が半ば基板表面に埋め込
まれた状態で基板間に固定されるためであり、このよう
に固定されることにより封止後のスペーサビーズ10の
移動が防止され、均一な液晶層厚を保持することができ
る。
【0065】次に、接着ビーズ11を散布した側の基板
を固定し、スペーサビーズ12を散布した側の基板を配
向膜9a,9bが内側になるように重ねて加圧しながら
10〜120分間加熱し、接着ビーズ11及び不図示の
封止剤を硬化させ、両基板1a,1bを接着する。
【0066】次に、上記工程で得られた液晶セルにカイ
ラルスメクテイック液晶を注入する。この際、先ず液晶
セルを真空装置内に入れ、十分セル内が真空になった状
態で、不図示の注入口に液晶を付着させる。次にこの状
態で徐々に圧力をかけ、なるべく等速で液晶を液晶セル
内に引き込ませるようにする。
【0067】ところで、このように作成した液晶パネル
1を電圧固定でパルス幅を可変とした図6に示す駆動波
形を用いてマルチプレックス駆動した。なお、同図にお
いて、(a)は消去パルスPe、書き込みパルスPw、
補助パルスPsからなる走査信号波形であり、(b)及
び(b)’は両極性の等電圧で構成されている情報信号
波形、(c)及び(c)’はこれら各信号の合成波形で
ある。
【0068】また、走査電極6aの数を2000本以
上、6000本とし、逆ドメインの成長幅を従来の構成
の液晶パネル(図10及び図11参照)と比較し評価し
た。なお、この時の温度条件は逆ドメインの成長が特に
激しい10℃を用いた。
【0069】図7はこの評価結果を示すものであり、同
図から明らかなように本発明の液晶パネル1の方が、従
来の構成の液晶パネルより逆ドメイン抑制効果が優れて
いることを確認した。そして、このように逆ドメインを
抑制することにより、逆ドメインによるちらつきが減少
し、広い駆動領域で良好な表示画面を得ることができ
る。
【0070】なお、同図においては、走査電極6aの数
を6000本とした場合についての結果を示している
が、これは走査電極6aの数が6000本のとき、ドメ
インの成長が一番大きいからであり、6000本以下の
場合の結果は、6000本のときの結果と同等になる。
【0071】一方、図8は駆動領域の概念を示すもので
あり、情報信号のパルス幅(図6に示す1H)、または
電圧を可変することにより、2つのスイッチング状態
(閾値、クロストーク)が出現する。そして、この閾値
からクロストークまでの1H可変幅もしくは電圧可変幅
が広いほど駆動領域が広いと判断する。
【0072】ここで、従来クロストーク値を決定してい
た原因は逆ドメインであり、これの成長幅が小さいほど
情報信号のパルス幅1H、又は電圧可変幅を広く取れる
ため広い駆動領域を得ることになる。したがって、本実
施の形態のように液晶パネル1を構成し、逆ドメインを
抑制することにより駆動領域が拡大し、表示画質が向上
する。
【0073】ところで、図9は、ラビング方向と逆ドメ
インの発生の関係を説明するための図である。なお、同
図において、図3と同一符号は、同一又は相当部分を示
している。
【0074】ここでは、既述した方法で製造した第2基
板1bに対し、、に示す2方向に対してそれぞれラ
ビングを行った後、それぞれを既述した駆動方法で駆動
し、逆ドメインの発生を観察した。
【0075】その結果、ラビング方向の場合、ラビン
グ方向上流に位置する補助配線7a,7bからの逆ドメ
インの発生はほとんど見られなかった。一方ラビング方
向の場合、カラーフィルター2と補助配線7aの重な
る部分から逆ドメインが発生することが確認された。
【0076】このことから、カラーフィルター2と補助
配線7aの配置とそれに対するラビング方向による違い
が確認され、双方が的確な方向で処理されれば逆ドメイ
ンの抑制に効果があることが確認された。なお、このラ
ビング方向は、既述した図3のラビング方向と同じで
あるが、図3に示す液晶素子と図9に示す液晶素子とで
はカラーフィルター2の配置が異なるため、このラビン
グ方向にラビングを行うことにより、上記のような効
果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】以上の説明したように本発明によれば、
ストライプ状の低抵抗の補助電極を格子状に配されたカ
ラーフィルター間に配置するようにして補助電極と、こ
の補助電極に対向する基板とのギャップを広くすること
により、補助電極の膜厚を保持したまま電界強度を弱め
ることができる。これにより、クロストークの発生を弱
めることができ、これに伴い逆ドメインを発生及び成長
を緩和することができるので、逆ドメインによるちらつ
きを減少させることができ、広い駆動領域で、かつ、ち
らつきのない良好な表示画面を得ることができる。
【0078】また本発明のように、補助電極を画素内の
ラビング方向上流側に配置すると共に走査電極及び情報
電極よりも突出させることにより、配向膜剥がれによる
配向不良やスイッチング不良等のラビング処理の影響を
最小限に抑えることができ、逆ドメインの発生を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶素子を備えた液
晶装置のブロック構成図。
【図2】上記液晶素子の断面図。
【図3】上記液晶素子の要部拡大図。
【図4】上記液晶素子の製造方法を説明する図。
【図5】上記液晶素子の製造方法を説明する他の図。
【図6】上記液晶素子を駆動する駆動波形を示す図。
【図7】上記液晶素子と従来の液晶素子の逆ドメインの
成長幅の比較結果を示す表図。
【図8】上記液晶素子の駆動領域の概念を説明する図。
【図9】上記液晶素子のラビング方向と逆ドメインの発
生の関係を説明する図。
【図10】上記従来の液晶素子の断面図。
【図11】上記従来の液晶素子の要部拡大図。
【符号の説明】
1 液晶パネル 1a,1b 第1基板及び第2基板 2 カラーフィルター 6a 走査電極 6b 情報電極 7a,7b 補助電極 9a,9b 配向膜 12 画素 D 逆ドメイン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶を挟持する一対の基板と、 前記一対の基板にそれぞれ形成され、互いに交差するよ
    うに配置された複数の走査電極及び情報電極と、 前記走査電極及び情報電極の交差部に形成される画素
    と、 前記一対の基板の一方の基板の、前記画素に対応する位
    置に格子状に配置されたカラーフィルターと、 前記走査電極及び情報電極に接して配置されたストライ
    プ状の低抵抗の補助電極と、 を備え、 前記補助電極が、前記格子状に配されたカラーフィルタ
    ー間に位置するようにしたことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記カラーフィルターが形成された前記
    一方の基板に前記補助電極を、該カラーフィルターと重
    ならないように配置したことを特徴とする請求項1記載
    の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記一対の基板の他方の基板に前記補助
    電極を、該他方の基板と前記一方の基板を重ねた時、前
    記カラーフィルターと重ならないように配置したことを
    特徴とする請求項1又は2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記補助電極の膜厚は同一基板上に形成
    される前記走査電極又は情報電極の膜厚より厚く、また
    前記補助電極は前記走査電極又は情報電極よりも突出す
    る高さを有していることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記補助電極を、前記液晶を一軸配向さ
    せるためのラビング処理方向に対して、前記画素の上流
    側に位置させることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶は前記走査電極に印加される走
    査信号及び該走査信号に同期して前記情報電極に印加さ
    れる情報信号により駆動されることを特徴とする請求項
    1記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記走査電極は2000本以上であるこ
    とを特徴とする請求項1又は6記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記液晶は双安定性を有するカイラルス
    メクチック液晶であることを特徴とする請求項1又は6
    記載の液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007101622A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Geomatec Co Ltd 表示用電極膜および表示用電極パターン製造方法
KR101434450B1 (ko) * 2006-12-28 2014-08-26 엘지디스플레이 주식회사 횡전계 방식 액정표시장치와 그 제조방법

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