JP2000171727A

JP2000171727A - 内視鏡装置

Info

Publication number: JP2000171727A
Application number: JP10344229A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Morizumi; 雅明森住
Original assignee: Fuji Photo Optical Co Ltd
Current assignee: Fujinon Corp
Priority date: 1998-12-03
Filing date: 1998-12-03
Publication date: 2000-06-23

Abstract

(57)【要約】【目的】光軸が互いに非平行とされ、互いに異なる２
つの視野領域の像を結像せしめる２つの結像光学系を備
えた内視鏡装置とすることにより、死角領域を減らして
被検部を的確に観察することができるとともに、正確な
情報に基づいて内視鏡装置の挿入部を誘導し、検査や手
術における安全性を高める。【構成】内視鏡の挿入部１の先端に、光軸が互いに非
平行とされた２つの結像光学系２Ｒ，２Ｌを配置する。
また、２つの結像光学系２Ｒ，２Ｌにおける各視野領域
の一部は、互いに重なり合うことが好ましい。さらに、
結像光学系２Ｒ，２Ｌの一方が少なくとも前方視野領域
を捕捉し、他方が少なくとも側方視野領域を捕捉するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は、挿入部の先端に配
された結像光学系により体腔内等の被検部を観察する内
視鏡装置に関し、詳しくは、２つの結像光学系を備えた
内視鏡装置に関する。

【従来の技術】近年、内視鏡を用いて体腔内の被検部を
観察したり体腔内患部の手術を行う外科手法が普及して
おり、より正確な診断および患者の苦痛の軽減を図るた
めに内視鏡装置の技術改良がなされている。従来より、
一般的な内視鏡装置として、挿入部の先端に１つの固体
撮像素子（例えばＣＣＤ）と撮影装置を配置したものが
知られている。このような内視鏡装置では、結像光学系
に、負の歪曲収差を持たせた超広角レンズを用いること
により、広い視野領域を確保するとともに、画面周辺部
における光量の低下を防止していた。しかし、広い視野
領域を確保できるといっても、実用上の問題からその画
角を１００〜１３０°程度としなければならず、前方の
視野領域と側方の視野領域とを同時に観察することが困
難であった。このため、例えば特開平10-127567号公報
に開示されたものにおいては、前方の視野領域を観察す
るための前方視内視鏡装置と、側方の視野領域を観察す
るための側方視内視鏡装置とを別個に用意し、観察意図
別にこれらの内視鏡装置を使い分けていた。

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した前方
視内視鏡装置は前方の視野領域に主点を置いているの
で、側方情報を得ようとする場合には斜め前方の側面を
観察する状態となる。したがって、正確な側方情報を得
ることができなかった。一方、側方視内視鏡装置では前
方を観察することができないので、内視鏡を挿入したり
移動させる際に、観察対象物へのガイドができなかっ
た。さらに、側面全周を観察する場合には、挿入部を大
きく回転させなければならず、また前方視野領域に関す
る予備情報がないため、問題となる部位を的確に探し出
して観察することが困難であった。このような不都合を
解消するために、前方視野領域と側方視野領域の双方を
同時に観察することができる斜視結像光学系を用いるこ
とも考えられる（本願出願人により既に開示された特願
平10-99850号明細書を参照）。斜視結像光学系は、その
視軸を挿入部の中心軸に対して１５〜４５°傾けて配置
したもので、完全とは言えないまでも、前方視野領域と
側方視野領域とをある程度観察することができる。しか
し、斜視結像光学系を用いた場合には、前方視野領域に
おいて下半部分の情報が欠落しているため、前方へ向か
って挿入部を誘導する際に不完全な情報に基づいて誘導
することとなってしまう。また、側方視野領域において
詳細な観察を行おうとした場合にも、下方側面に対する
情報が欠落しているため、被検部を的確に観察すること
ができないおそれがあった。本発明はこのような事情に
鑑みなされたもので、死角領域を減らして被検部を的確
に観察することができるとともに、正確な情報に基づき
挿入部を誘導して検査や手術における安全性を高めるこ
とができる内視鏡装置を提供することを目的とするもの
である。

【課題を解決するための手段】本発明に係る内視鏡装置
は、上述した目的を達成するため、挿入部の先端に、光
軸が互いに非平行とされ、互いに異なる視野領域の像を
結像せしめる２つの結像光学系が配されてなることを特
徴とするものである。また、前記２つの結像光学系にお
ける各視野領域の一部が、互いに重なり合うことが好ま
しい。さらに、前記結像光学系の一方が、少なくとも前
方視野領域を捕捉し、前記結像光学系の他方が、少なく
とも側方視野領域を捕捉することが好ましい。

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。本実施形態の内視鏡装置は、内視鏡挿
入部の先端部分に固体撮像素子（以下、ＣＣＤと記す）
を有するいわゆる電子内視鏡装置に適用されたものであ
る。すなわち、この電子内視鏡装置は、体腔内等に挿入
可能な細長の挿入部の先端側から結像光学系に入射し
た、被検体情報を担持した光束をＣＣＤ上に結像させ、
このＣＣＤで撮像された映像信号データを操作部に接続
したコントロールユニットに送出し、コントロールユニ
ットで信号処理させた後、モニタ上に上記被検体画像を
表示させるものである。図１〜３に基づいて、本発明の
第１の実施形態に係る内視鏡装置を説明する。図１は、
本発明の第１の実施形態に係る内視鏡装置の先端構造を
示す斜視図、図２は、その結像光学系の斜視図、図３
は、その結像光学系の視野領域を示す説明図である。本
発明の第１の実施形態に係る内視鏡装置の挿入部１の先
端には、図１，２に示すように、２つの結像光学系２
Ｒ，２Ｌが、それぞれ挿入部１の中心軸Ｏに対して角度
θだけ上向きおよび下向きに配置されている。すなわ
ち、図１，２に示す内視鏡装置では、被検部に向かって
右側の結像光学系２Ｒの光軸Ｘ_Rが、中心軸Ｏに対して
角度θだけ上向きに配置されており、被検部に向かって
左側の結像光学系２Ｌの光軸Ｘ_Lが、中心軸Ｏに対して
角度θだけ下向きに配置されている。なお、角度θは、
例えば１５〜４５°となっている。また、各結像光学系
２Ｒ，２Ｌの視野領域は、図３に示すように、その一部
において互いに重なり合っている。すなわち、被検部に
向かって右側の結像光学系２Ｒの視野領域Ａと、被検部
に向かって左側の結像光学系２Ｌの視野領域Ｂとは、視
野領域Ｃにおいて互いに重なり合っている。したがっ
て、この内視鏡装置では、前方視野領域Ｃと、その上下
の側方視野領域Ｄ，Ｅとを確保することができる。各結
像光学系２Ｒ，２Ｌの結像レンズ３Ｒ，３Ｌの像側に
は、図２に示すように、それぞれＣＣＤ４Ｒ，４Ｌが配
置されており、物体側から入射した被検体情報を担持し
た光束は、ＣＣＤ４Ｒ，４Ｌの撮像面上に結像し、光電
変換された後、画像データとして、図示されない回路基
板、ケーブル等を介してコントロールユニットに送出さ
れる。このようにして得られた被検体情報を２つのモニ
タに映し出したり、あるいはリアルタイム処理された画
像を１枚の画像として１つのモニタに映し出すことによ
り、被検部を観察することができる。なお、図示しない
が、挿入部１には、光源装置から照明光を供給するため
の照明光伝送手段と、この伝送した照明光を照明窓から
射出して被検体を照明するための照明光学系とが設けら
れているほか、挿入部１の先端には、送気・送水用の吐
出孔や鉗子の出入口等が設けられている。図４、５に基
づいて、本発明の第２の実施形態に係る内視鏡装置を説
明する。図４は、第２の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系を示す斜視図、図５は、その概略構成を示す縦
断面図である。第２の実施形態に係る内視鏡装置は、図
４に示すように、プリズム５Ｒ，５Ｌを用いてＣＣＤ６
Ｒ，６Ｌを互いに平行に配置した結像光学系８Ｒ，８Ｌ
を備えている。この内視鏡装置の結像光学系８Ｌは、図
５に示すように、結像レンズ７Ｌの像側にプリズム５Ｌ
とＣＣＤ６Ｌを配置したもので、物体側から入射した、
被検体情報を担持した光束はプリズム５Ｌにより偏向さ
れて、ＣＣＤ６Ｌの撮像面上に結像する。なお、図５で
は、被検部に向かって左側の結像光学系８Ｌを示してい
るが、被検部に向かって右側の結像光学系８Ｒも、挿入
部の中心軸に対する傾き角が逆である点を除いて同様の
構成となっている。この内視鏡装置は、図４に示すよう
に、上述した第１の実施形態に係る内視鏡装置と同様
に、２つの結像光学系２Ｒ，２Ｌが、それぞれ挿入部の
中心軸に対して所定角度だけ上向きおよび下向きに配置
されている。すなわち、図４に示す内視鏡装置では、被
検部に向かって左側の結像光学系２Ｌの光軸Ｘ_Lが、中
心軸に対して所定角度だけ上向きに配置されており、被
検部に向かって右側の結像光学系２Ｒの光軸Ｘ_Rが、中
心軸に対して所定角度だけ下向きに配置されている。な
お、所定角度は、例えば１５〜４５°となっている。ま
た、各結像光学系２Ｒ，２Ｌの視野領域は、その一部に
おいて互いに重なり合っている。すなわち、図４におい
てハッチングで示す視野領域が前方視野領域Ｃとなり、
その上下に側方視野領域Ｄ，Ｅを確保することができ
る。図６は、第３の実施形態に係る内視鏡装置の結像光
学系の概略構成を示す縦断面図である。第３の実施形態
に係る内視鏡装置の結像光学系１０は、図４，５に示す
第２の実施形態に係る内視鏡装置と比較してプリズムの
形状を異ならせたもので、物体側から入射した、被検体
情報を担持した光束はプリズム９により偏向されて、Ｃ
ＣＤ６の撮像面上に結像する。また、図６は、２つの結
像光学系の一方を示すもので、他方の結像光学系は、挿
入部の中心軸に対する傾き角が逆である点を除いて同様
の構成となっている。なお、上述した各実施形態におい
て、各結像光学系の傾き角は、挿入部の中心軸に対して
それぞれ１５〜４５°となっているが、この傾き角は、
各結像光学系の画角や観察すべき被検部等に応じて適宜
変更することができる。また、視野の有効利用を考慮す
ると、視野が重なる領域は、できるだけ小さいことが好
ましいが、死角領域をなくすためには視野が重なる領域
を十分に大きく設定しなければならない。したがって、
各結像光学系の画角や観察すべき被検部等に応じて最適
の視野領域となるよう、各結像光学系の傾き角を決定す
る必要がある。さらに、上述した実施形態では、挿入部
の中心軸に対する各結像光学系の傾き角がそれぞれ同じ
角度となっているが、各結像光学系毎に傾き角を異なら
せてもよく、要は、２つの結像光学系のうち、一方が少
なくとも前方視野領域を捕捉し、他方が少なくとも側方
視野領域を捕捉できる傾き角となっていればよい。

【発明の効果】本発明に係る内視鏡装置は、挿入部の先
端に、光軸が互いに非平行とされ、互いに異なる視野領
域の像を結像せしめる２つの結像光学系が配されている
ため、各結像光学系によりそれぞれ異なる視野領域を観
察することができる。したがって、広い視野領域を確保
できるとともに、１つの結像光学系だけでは死角となっ
ていた視野領域を観察することができ、被検部に対する
正確な情報を得ることが可能となる。また、２つの結像
光学系における各視野領域の一部を、互いに重なり合う
ようにすることにより、２つの結像光学系の視野領域の
間に死角をなくすことができ、より正確な情報を得るこ
とが可能となる。さらに、結像光学系の一方が少なくと
も前方視野領域を捕捉し、結像光学系の他方が少なくと
も側方視野領域を捕捉するよう各結像光学系を配置する
ことにより、前方視野と側方視野に対する情報を同時に
得ることができる。したがって、被検部を正確に観察し
ながら、内視鏡装置の挿入部を確実に挿入誘導すること
ができ、検査や手術における安全性を高めることが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係る内視鏡装置の先
端構造を示す斜視図

【図２】本発明の第１の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系の斜視図

【図３】本発明の第１の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系の視野領域を示す説明図

【図４】本発明の第２の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系を示す斜視図

【図５】本発明の第２の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系の概略構成を示す縦断面図

【図６】本発明の第３の実施形態に係る内視鏡装置の結
像光学系の概略構成を示す縦断面図

【符号の説明】１ … 挿入部２，８，１０ … 結像光学系３，７ … 結像レンズ４，６ … ＣＣＤ５，９ …プリズムＸ … 結像光学系の光軸Ｏ … 挿入部の中心軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】挿入部の先端に、光軸が互いに非平行と
され、互いに異なる視野領域の像を結像せしめる２つの
結像光学系が配されてなることを特徴とする内視鏡装
置。
【請求項２】前記２つの結像光学系における各視野領
域の一部が、互いに重なり合うことを特徴とする請求項
１記載の内視鏡装置。
【請求項３】前記結像光学系の一方が、少なくとも前
方視野領域を捕捉し、前記結像光学系の他方が、少なく
とも側方視野領域を捕捉することを特徴とする請求項１
または２記載の内視鏡装置。